JP2002257856A - プローブカード - Google Patents

プローブカード

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JP2002257856A
JP2002257856A JP2001055020A JP2001055020A JP2002257856A JP 2002257856 A JP2002257856 A JP 2002257856A JP 2001055020 A JP2001055020 A JP 2001055020A JP 2001055020 A JP2001055020 A JP 2001055020A JP 2002257856 A JP2002257856 A JP 2002257856A
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layer
probe card
resin
ceramic plate
conductor circuit
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JP2001055020A
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English (en)
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Yoshiyuki Ido
義幸 井戸
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱・冷却等の熱履歴を受けた場合や大きな
力でプローブを押し付けた場合であっても、導体回路と
樹脂層との間で剥離が発生するはことなく、検査対象を
適切に検査することができるプローブカードを提供する
こと。 【解決手段】 半導体ウエハに形成された回路の検査に
用いられ、セラミック板上に、樹脂層と導体回路とが、
順次、積層形成されてなるプローブカードであって、前
記導体回路は、少なくとも前記樹脂層上に、直接形成さ
れたTi層またはCr層と、その上に設けられたCu層
とを含んで構成されていることを特徴とするプローブカ
ード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコンウエハ等
に形成された導体回路が設計通りに形成されているか否
かを判断するためのプローブを備える検査装置およびプ
ローブカードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコンウエハ上に形成された集積回路
等の導体回路の検査は、プローブをシリコンウエハの検
査部に押し当てて電流を流し、導通、絶縁等を調べるこ
とにより行われている。現在、半導体チップの高集積化
に伴い、シリコンウエハ上に形成される導体回路の集積
度も高まり、プローブによる検査ピッチが狭まり、検査
装置のヘッド(パフォーマンス基板)に、プローブを直
接取り付けることが困難になってきている。
【0003】かかる課題に対応するため、中継基板(プ
ローブカード)を介在させ、ヘッド(パフォーマンス基
板)に、プローブを配設したコンタクター基板を取り付
けている。該プローブカード(中継基板)は、多層の樹
脂基板からなり、パフォーマンス基板の広ピッチの端子
とコンタクター基板の挟ピッチのプローブとを接続させ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、導体回路を形成
した後、各チップに分割する前に、シリコンウエハの状
態で温度特性等を試験するようになっている。即ち、導
体回路が形成されたシリコンウエハを、マイナス数十℃
まで冷却した状態で低温性能を試験し、また、百数十℃
まで加熱した状態で高温性能を試している。しかしなが
ら、例えば、内部に導体回路が形成された樹脂のみから
なるプローブカードやアルミナセラミック板からなるプ
ローブカードを用いた場合、かかる加熱・冷却時に、プ
ローブの先端が検査部位からずれて接触できなくなり、
シリコンウエハ側の故障と判断することがあった。
【0005】そこで、本発明者らは、このような課題を
解決するために、先にセラミック板上に樹脂と導体回路
とが積層形成されたプローブカードを提案した。上記構
成のプローブカードは、その全体がセラミック板の熱膨
張率に近くなり、シリコンウエハの熱膨張率にほぼ等し
くなる。このため、シリコンウエハを加熱・冷却した際
に、プローブカードがシリコンウエハと同様の比率で収
縮、膨張し、プローブがシリコンウエハの検査箇所から
ずれることが無くなり、適切に検査を行うことができる
という効果を有する。
【0006】しかしながら、セラミック板上に樹脂層と
導体回路とを、順次積層形成する際、樹脂上に、銅層等
を直接形成すると、樹脂と導体回路との密着性が充分と
は言えない場合があり、温度差の激しい条件下でのヒー
トサイクルや、検査時に大きな力でプローブを押しつけ
た際、樹脂層と導体回路とが剥離する場合があり、さら
に改良の余地があった。
【0007】本発明は、上述した点を改良するためにな
されたものであり、その目的とするところは、加熱・冷
却等の熱履歴を受けた場合や大きな力でプローブを押し
付けた場合であっても、導体回路と樹脂層との間で剥離
が発生することなく、検査対象を適切に検査することが
できるプローブカードを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の検査装置は、半導体ウエハに形成された回
路の検査に用いられ、セラミック板上に、樹脂層と導体
回路とが、順次、積層形成されてなるプローブカードで
あって、上記導体回路は、少なくとも上記樹脂層上に、
直接形成されたTi層またはCr層と、その上に設けら
れたCu層とを含んで構成されていることを特徴とす
る。
【0009】本発明のプローブカードでは、樹脂層上に
Ti層またはCr層と、その上に設けられたCu層とを
含む導体回路が形成されており、樹脂層とTiまたはC
r層とは、密着性に優れるので、加熱・冷却の熱履歴を
受けた場合や大きな力でプローブを押し付けた場合であ
っても、導体回路と樹脂層との間で剥離が発生すること
はなく、これに起因して導通不良等が発生することもな
い。従って、検査対象であるシリコンウエハ等を適切に
検査することができる
【0010】また、プローブカードは、セラミック板に
樹脂薄膜を積層してなるため、プローブカード全体がセ
ラミック板の熱膨張率に近くなり、シリコンウエハの熱
膨張率にほぼ等しい。このため、シリコンウエハを加熱
・冷却した際に、プローブカードがシリコンウエハと同
様の比率で熱収縮し、プローブがシリコンウエハの検査
箇所からずれることが無くなり、適切に検査を行うこと
ができる。なお、本発明のプローブカードは、100℃
以上で使用することが望ましい。
【0011】上記プローブカードにおいて、上記樹脂層
を介して形成された導体回路同士は、バイアホールにて
接続されていることが望ましい。樹脂層を挟んで複数の
導体回路を形成した際、これらの層を接続する必要があ
るからである。
【0012】上記セラミック板は、非酸化物セラミック
からなることが望ましい。熱伝導性が高く、シリコンウ
エハの温度変化に追従し、シリコンウエハと共に熱収縮
させることができるからである。また、機械的強度に優
れるため、高温においても反りや変形等が発生しにく
く、その熱膨張率がシリコンウエハに近いため、接触不
良が発生しにくくなるからである。
【0013】上記樹脂層は、熱硬化性樹脂からなること
が望ましい。プローブカードの表面に高い靱性を持たせ
ることができるからである。
【0014】上記プローブカードにおいては、セラミッ
ク板は、窒化物セラミックからなることが好ましく、上
記樹脂薄膜は、熱硬化性樹脂、とりわけポリイミドから
なることが好ましい。窒化物セラミック、特に窒化アル
ミニウムは、熱伝導性が高く、シリコンウエハの温度変
化に追従するからであり、ポリイミドは、プローブカー
ドの表面に高い靱性を持たせることができるからであ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプローブカードを
図面に基づいて説明するが、まず、最初に上記プローブ
カードが用いられる半導体装置について説明する。図1
は、本発明のプローブカードが用いられる半導体ウエハ
の検査装置の一例を模式的に示す概念図であり、図2
は、上記プローブカードを拡大して示した断面図であ
る。
【0016】この検査装置10は、検査用の端子が配設
されたパフォーマンス基板24と、パフォーマンス基板
24のX、Y、Z方向に位置調整を行う昇降装置22
と、パフォーマンス基板24を経てシリコンウエハ60
に電流を印加して適否を判断するテスター20とを備え
ている。
【0017】また、パフォーマンス基板24の下方に
は、順次、プローブ基板30およびプローブカード40
が配設されており、プローブ基板30およびプローブカ
ード40を経ることにより、配線のピッチが縮小されて
いる。そして、さらにプローブカード40の下に配設さ
れたコンタクター基板50のプローブ52を介して、シ
リコンウエハ60上に形成された端子パッド61との接
続が図られるようになっている。
【0018】なお、コンタクター基板50には、このコ
ンタクター基板50を貫通し、上面および下面から突出
するようにプローブ52が配設されており、上面から突
出したプローブがプローブカードの端子パッドと接触
し、一方の底面から突出したプローブがシリコンウエハ
に設けられた端子パッドと接触するようになっている。
【0019】また、この検査装置10は、回路が形成さ
れたシリコンウエハ60を載置するためのテーブル26
を備えており、このテーブル26は、X、Y、Z方向に
位置調整を行うことができるようになっている。さら
に、テーブル26の下方には、シリコンウエハ60を加
熱するヒータ28と、シリコンウエハ60を冷却するた
めにぺルチェ機構等を用いる冷却装置29とが配設さ
れ、ヒータ28には図示しない電源から電力が供給され
るようになっている。
【0020】次に、この検査装置10を用いたシリコン
ウエハ60の検査について説明する。先ず、テーブル2
6にシリコンウエハ60を載置し、シリコンウエハ60
上に形成された位置決めマークを図示しない光学装置で
読み取り、テーブル26の位置調整を行う。その後、昇
降装置22により、パフォーマンス基板24等を押し下
げ、コンタクター基板50のプローブ52を、シリコン
ウエハ60の所定の端子パッドに押し当てる。なお、図
1では、端子パッドが盛り上がったように記載されてい
るが、実際の端子パッドの厚さは、1〜50μmであ
る。
【0021】この後、引き続き、テスター20が、パフ
ォーマンス基板24−プローブ基板30−プローブカー
ド40−コンタクター基板50を介して、シリコンウエ
ハ60の所定の端子パッド61に電流を印加し、シリコ
ンウエハに形成された導体回路の導通や絶縁が必要な部
分で絶縁が保たれているか等の特性試験を行う。この
際、冷却装置29やヒータ28を用いることにより、シ
リコンウエハを冷却したり、加熱したりしながら検査を
行うことができる。
【0022】次に、本発明のプローブカードについて説
明する。本発明のプローブカードは、半導体ウエハに形
成された回路の検査に用いられ、セラミック板上に、樹
脂層と導体回路とが、順次、積層形成されてなるプロー
ブカードであって、上記導体回路は、少なくとも上記樹
脂層上に、直接形成されたTi層またはCr層と、その
上に設けられたCu層とを含んで構成されていることを
特徴とする。
【0023】図2に示すプローブカード40は、内部に
スルーホール41が形成されたセラミック板42と、バ
イアホール46、146、246および導体回路48、
148、248が形成された層間樹脂絶縁層(樹脂薄
膜)44、144、244とからなる。なお、最表層の
樹脂層49、樹脂薄膜44、144、244は、ポリイ
ミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドートリアジン
樹脂、ベンゾシクロブテン、オレフィン樹脂、テフロン
(登録商標)樹脂から選ばれる少なくとも1種以上が望
ましい。
【0024】また、セラミック板42の内部に形成され
たスルーホール41は、層間樹脂絶縁層44に形成され
たバイアホール46に接続されており、バイアホール4
6は、導体回路48を介して層間樹脂絶縁層144に形
成されたバイアホール146に接続されている。同様
に、バイアホール146は、導体回路148を介して層
間樹脂絶縁層244に形成されたバイアホール246に
接続されている。そして、バイアホール246に接続さ
れた導体回路248の一部は露出し、露出した導体回路
248に、コンタクター基板50のプローブ52の上端
が当接し、パフォーマンス基板24の端子25とコンタ
クター基板50のプローブ52との接続が図られるよう
になっている。
【0025】最表面の導体回路は、図4に示したよう
に、樹脂で被覆されていてもよく、そのまま露出してい
てもよい。ただし、露出した部分は、酸化等を防止する
ために、貴金属等により被覆されていることが望まし
い。
【0026】本発明のプローブカードでは、上述したよ
うに、樹脂層上にTi層またはCr層と、その上に設け
られたCu層とを含む導体回路が形成されているので、
樹脂層と導体回路との密着性に優れ、温度差の激しい条
件でヒートサイクルを行った際や、大きな力でプローブ
を押し付けた場合であっても、導体回路と樹脂層との間
で剥離が発生することなく、これに起因する導通不良等
も発生することはない。
【0027】また、セミック基板上に樹脂層と導体回路
とが積層形成されているため、熱膨張・収縮でプローブ
とプローブカードのパッドの位置ずれがない。また、樹
脂層の方がセラミックに比べて誘電率が低く、高周波数
の信号の伝搬遅延がなく、高周波数の信号でも試験する
ことができる、また、樹脂によりに靱性が付与されるた
め、プローブカードを押しつけた場合でも、セラミック
や導体回路に破損が生じない。
【0028】さらに、信号層を構成する導体回路の上層
および下層にグランド層(メッシュ状あるいは面状にな
った導体回路)を形成することで、信号層のインピーダ
ンス整合をさせやすくし、1GHz以上の高周波数帯域
でも測定が可能になる。さらに、樹脂層を介して多層化
することで、パッド数を増加させることができる。
【0029】このプローブカードでは、上記セラミック
板の少なくとも一方の主面の全面を覆うように樹脂層が
形成されてなることが望ましい。例えば、特開平6−1
40484号では、セラミック板の周縁を除く部分に樹
脂層が形成されており、このような形態では、加熱、冷
却の際に樹脂層が形成された部分と形成されていない部
分の境界で歪んだり、クラックが発生したりするため、
加熱、冷却をともなう測定試験はできない。
【0030】上記セラミック板には、スルーホールが形
成されていてもよい。スルーホールを形成することで、
図2に示したような検査装置の構造とすることができる
ため、プローブカードの面積をシリコンウエハよりも小
さくすることができ、シリコンウエハに形成された導体
回路を区画毎に試験することができる。
【0031】以下、本発明のプローブカードを構成する
材料等について説明するが、まず最初に、セラミック板
を構成する材料等について説明し、この後、このセラミ
ック板の上に形成される樹脂層および導体回路について
説明する。
【0032】本発明のプローブカードを構成するセラミ
ック板の材料は特に限定されるものではなく、例えば、
炭化物セラミック、窒化物セラミック、酸化物セラミッ
ク等が挙げられる。上記炭化物セラミックとしては、例
えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭
化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。上記窒
化物セラミックとしては、例えば 窒化アルミニウム、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。
上記酸化物セラミックとしては、例えば、アルミナ、シ
リカ、ジルコニア、コージェライト等が挙げられる。
【0033】これらのなかでは、窒化物セラミック、炭
化物セラミック等の非酸化物系セラミックが好ましく、
これらのなかでは窒化物セラミックがより好ましく、特
に窒化アルミニウムが好ましい。熱伝導率が高く、セラ
ミック板とした際に、温度追従性に優れるからである。
【0034】また、上記セラミック板は、焼結助剤を含
有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、ア
ルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸
化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、C
aO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好ま
しい。これらの含有量としては、0.1〜20重量%が
好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
【0035】上記非酸化物セラミック中には、5重量%
以下の酸素が含有されていてもよい。5重量%程度の酸
素量であれば、焼結を促進させるとともに、耐電圧を確
保でき、高温での反り量を小さくすることができるから
である。
【0036】上記非酸化物セラミックの表面から放射さ
れるα線量は、50c/cm2 ・hr以下が望ましく、
2.0c/cm2 ・hr以下が最適である。50c/c
2 ・hrを超えるといわゆるソフトエラーが発生して
検査に誤りが発生するからである。
【0037】上記セラミック板では、表面のJIS B
0601に基づく面粗度Rmaxは、0.01μm<
Rmax<100μmであることが望ましく、Raは、
0.001<Ra<10μmであることが望ましい。
【0038】上記セラミック板は、その面粗度がJIS
B 0601 Ra=0.01〜10μmが最適であ
る。表面の導体回路との密着性を考慮すると大きい方が
よいのであるが、大き過ぎると表皮効果(高周波数の信
号電流は導体回路の表面に局在化して流れる)により、
高周波数での測定が困難であり、また、小さい場合は密
着性に問題が発生するからである。
【0039】セラミック板の形状は特に限定されない
が、直方体(平面視:矩形状)、多角柱形状、円板形状
等が好ましく、その直径、最長対角線の長さは、10〜
500mmが好ましい。セラミック板の厚さは、50m
m以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。セラ
ミック板の厚さが厚すぎると、装置の小型化を図ること
ができず、また、熱容量が大きくなって、昇温・降温速
度が低下し、温度マッチング特性が劣化するからであ
る。また、セラミック板の厚さを薄くすることにより、
プローブカードの電気抵抗を小さくすることができ、誤
った判断の発生を防止することができる。
【0040】セラミック板の平面度は、直径−10m
m、または、最長対角線長さ−10mmの測定距離で5
00μm以下が好ましい。500μmを超えると測定時
の押圧でも反りを矯正できないからである。
【0041】上記セラミック板の熱伝導率κは、10W
/m・k<κ<300W/m・kが好ましく、160〜
220W/m・kがより好ましい。熱伝導率を上げるこ
とにより、昇温・降温速度が早くなり、早くシリコンウ
エハ等の被測定物と同じ温度になり、コンタクター基板
のプローブとのずれを防止することができるからであ
る。セラミック板の体積抵抗率ρは、1013Ω・cm<
ρ<1016Ω・cmであることが望ましい。高温でのリ
ーク電流の発生やスルーホール間の絶縁破壊を防止する
ためである。
【0042】セラミック板のヤング率Eは、25〜60
0℃で60GPa<E<450GPaが望ましい。高温
におけるセラミック板の反りを防止するためである。セ
ラミック板の曲げ強度σf は、25〜600℃で200
MPa<σf <500MPaが望ましい。押圧時にセラ
ミック板が破損するのを防止するためである。なお、押
圧時には、セラミック板に、0.1〜10kg/cm2
程度の圧力がかかる。
【0043】上記セラミック板の気孔率は、5%以下が
望ましい。また、最大気孔の気孔径が50μm以下であ
ることが望ましい。100℃以上の温度での耐電圧を確
保し、機械的な強度が大きくなり、押圧時等における反
り量を小さくすることができるからである。また、熱伝
導率が高くなり、迅速に昇温・降温するため、温度マッ
チングに優れる。
【0044】なお、最大気孔とは、任意の10箇所を電
子顕微鏡で撮影し、その視野の中で最も大きな気孔を選
び、その最大気孔の平均値を最大気孔の気孔径として定
義したものである。また、気孔率は0%であってもよ
い。気孔は存在しないことが理想的である。
【0045】気孔径が50μmを超えると高温、特に高
温での耐電圧特性を確保するのが難しくなり、短絡等が
発生するおそれがある。最大気孔の気孔径は、10μm
以下が望ましい。高温(例えば、100℃以上)での反
り量が小さくなるからである。
【0046】上記気孔率はアルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕
物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比
重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算する
のである。
【0047】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加
圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整
することができる。上述のように、SiCやBNは焼結
を阻害するため、気孔を導入させることができる。気孔
が存在すると、靱性値が上昇する。従って、余り強度が
下がらない程度に、気孔を存在させてもよい。
【0048】上記セラミック板の内部に気孔が存在する
場合には、この気孔は、閉気孔であることが望ましい。
また、セラミック板を通過するヘリウムの量(ヘリウム
リーク量)は、10-7Pa・m3 /sec以下であるこ
とが望ましい。ヘリームリーク量の小さい緻密なセラミ
ック板とすることにより、内部に形成されたスルーホー
ル等が空気中の酸素等により腐食されるのを防止するこ
とができるからである。
【0049】セラミック板の厚さのばらつきは、±3%
以内が好ましい。コンタクター基板のプローブとの接触
不良をなくすためには、セラミック板の表面が平坦であ
る必要があるからである。
【0050】また、熱伝導率のばらつきは±10%以内
が好ましい。温度の不均一等に起因する反り等を防止す
ることができるからである。
【0051】上記セラミック板は、明度がJIS Z
8721の規定に基づく値でN6以下のものであること
が望ましい。このような明度を有するものが隠蔽性を有
するため外観がよく、また、輻射熱量が大きく、迅速に
昇温するからである。
【0052】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0053】このような特性を有するセラミック板は、
セラミック板中にカーボンを100〜5000ppm含
有させることにより得られる。カーボンには、非晶質の
ものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボンは、セ
ラミック板の高温における体積抵抗率の低下を抑制する
ことでき、結晶質のカーボンは、セラミック板の高温に
おける熱伝導率の低下を抑制することができるため、そ
の製造する基板の目的等に応じて適宜カーボンの種類を
選択することができる。
【0054】非晶質のカーボンは、例えば、C、H、O
だけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で
焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボン
としては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気下で熱分解させた
後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができ
るが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることによ
り、結晶性(非晶性)の程度を調整することもできる。
【0055】本発明のプローブカードでは、セラミック
板の内部にスルーホールが形成されていることが望まし
い。通常、プローブカードの一方の面から他方の面に導
通する導体層を形成する必要があるからである。このス
ルーホールは、タングステン、モリブデンなどの高融点
金属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイド
などの導電性セラミック等により形成されている。
【0056】スルーホールの直径は、0.1〜10mm
が望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止
できるからである。スルーホールの形状としては特に限
定されないが、例えば、円柱状、角柱状(四角柱、円柱
等)が挙げられる。
【0057】本発明のプローブカードでは、セラミック
板の内部や表面に、配線のピッチを拡大するための導体
回路が、セラミック板の主面と平行になるように形成さ
れていてもよく、その表面にプローブ基板のプローブ3
2と接続するための端子パッドが形成されていてもよ
い。導体回路を形成することにより、樹脂層におけるピ
ッチの拡大幅を小さくすることができ、導体回路の形成
が容易になる。また、導体回路は、プローブカードの一
主面のみに形成されていてもよい。この導体回路や端子
パッドも、タングステン、モリブデンなどの高融点金
属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドな
どの導電性セラミック等からなることが望ましい。
【0058】ただし、場合によっては、これらの導体層
は、金、銀、白金等の貴金属やニッケル等の金属からな
るものであってもよい。これらスルーホール、導体回
路、端子パッド等の面積抵抗率は、1〜50μΩ/□が
好ましい。面積抵抗率が、50μΩ/□を超えると、ス
ルーホール等が発熱したり、電圧降下等により検査装置
が誤った判断を下す場合がある。
【0059】セラミック板の表面または内部にスルーホ
ールや導体回路を形成するためには、金属や導電性セラ
ミックからなる導体ペーストを用いることが好ましい。
即ち、セラミック板の内部にスルーホールや導体回路を
形成する場合には、グリーンシートに形成した貫通孔に
導体ペーストを充填したり、グリーンシート上に上記導
体ペースト層を形成した後、グリーンシートを積層、焼
成することにより、内部にスルーホールや導体回路を形
成する。
【0060】また、最上層や最下層となるグリーンシー
トの上に導体ペースト層を形成して焼成することによ
り、セラミック板の表面に導体回路を形成することがで
きる。
【0061】一方、セラミック板を製造した後、その表
面に上記導体ペースト層を形成し、焼成することよって
も、導体回路や端子パッドを形成することができるが、
スパッタリング等のPVD(物理蒸着法)やCVD(化
学蒸着法)によって導体層を形成してもよい。
【0062】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラ
ミック粒子のほかに、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むも
のが好ましい。
【0063】上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材
料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒
子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜10
0μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸
化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しに
くくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0064】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、導体回路等とセラミック板との密着
性を確実にすることができるため有利である。
【0065】上記導体ペーストに使用される樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げら
れる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアル
コール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等
が挙げられる。
【0066】導体ペースト層をセラミック板の表面に形
成する際には、上記導体ペースト中に上記金属粒子のほ
かに金属酸化物を添加し、上記金属粒子および上記金属
酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。このよ
うに、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることに
より、セラミック板と金属粒子等とをより密着させるこ
とができる。
【0067】上記金属酸化物を混合することにより、セ
ラミック板との密着性が改善される理由は明確ではない
が、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック板の表
面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成され
ており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して
一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではな
いかと考えられる。また、セラミック板を構成するセラ
ミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなる
ので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0068】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、金属
粒子等とセラミック板との密着性を改善することができ
るからである。
【0069】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが好ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック板と
の密着性を改善することができる。
【0070】上記構成のセラミック板上には、樹脂薄膜
(層間樹脂絶縁層)と導体回路とが、順次、積層形成さ
れ、これらの導体回路がバイアホールにより接続された
層(以下、積層樹脂層という)が形成されている。
【0071】層間樹脂絶縁層(樹脂薄膜)を構成する樹
脂は、耐熱性に優れたものが好ましく、このような耐熱
性に優れる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、カルド型ポリマー等
が挙げられ、これらは感光化されていることが望まし
い。また、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が感光化さ
れていることが望ましい。薄膜の形成のし易さ、機械的
特性、セラミック板42との密着性等を考慮すると、カ
ルド型ポリマー、ポリイミド樹脂等が好ましい。
【0072】上記カルド型ポリマーとは、環状の基が高
分子主鎖に直接結合した構造をもつポリマーの総称であ
り、上記カルド型ポリマーは、その構造、即ち、主鎖に
直角にかさ高い置換基が存在することに起因して、ポリ
マー主鎖の回転束縛、主鎖および側鎖のコンフォメーシ
ョン規制、分子間パッキングの阻害、側鎖の芳香族置換
基導入による芳香族性の増加等の現象が生じ、そのた
め、硬化後のガラス転移温度が高いものとなる。
【0073】また、このような構造をもつカルド型ポリ
マーは、そのかさ高い置換基のために主鎖の運動性が抑
制され、300℃未満で硬化されたものであっても架橋
密度が高く、優れた耐熱性を有する。さらに、かさ高い
置換基は、分子鎖の近接を阻害するため、優れた溶剤溶
解性を有する。
【0074】上記カルド型ポリマーは、カルボニル基
(ケトン、エステル、酸無水物、イミド等)をもつ環状
化合物とフェノール、アニリン等の芳香族化合物やその
誘導体とを縮合反応により共重合させることにより得る
ことができる。
【0075】上記感光性カルド型ポリマーは、上記のよ
うな構造を有するカルド型ポリマーのなかで感光性を有
するものであり、具体例としては、例えば、下記化学式
(1)で表される化合物と、
【0076】
【化1】
【0077】下記一般式(2)で表される化合物;
【0078】
【化2】
【0079】(式中、R1 は、酸素、カルボニル基、テ
トラフルオロエチレン基、または、単結合を表す。)、
ピロメリト酸無水物、および、テレフタル酸やその酸塩
化物から選択される少なくとも1種とを共重合させるこ
とにより得られる感光性カルド型ポリエステルが挙げら
れる。
【0080】また、上記一般式(1)で表される化合物
と、下記一般式(3)で表される化合物と、
【0081】
【化3】 (式中、R2 、R3 、R4 、R5 は、それぞれ同一また
は異なって、水素または炭素数1〜5の炭化水素基を表
し、R6 は、水素、カルボキシル基または炭素数2〜8
のアルコキシカルボニル基を表す。)
【0082】上記一般式(2)で表される化合物、ピロ
メリト酸無水物、および、テレフタル酸やその酸塩化物
から選択される少なくとも1種とを共重合させることに
より得られる感光性カルド型ポリイミド等も挙げられ
る。これらのなかでは、感光性カルド型ポリイミド樹脂
が望ましい。比較的低温で硬化せることにより得られる
硬化体であっても、そのガラス転移温度が高いからであ
る。
【0083】また、上記感光性カルド型ポリマーの硬化
後のガラス転移温度は、250〜300℃が望ましい。
上記範囲程度のガラス転移温度は、感光性カルド型ポリ
マーを200℃前後の硬化温度で硬化させることにより
達成することができるため、層間樹脂絶縁層形成時に樹
脂基板に悪影響(樹脂基板の軟化、溶解等)を引き起こ
すことがなく、形成された層間樹脂絶縁層が、形状保持
性、耐熱性に優れるからである。
【0084】このような樹脂を用いて積層樹脂層を形成
する際には、例えば、製造したセラミック板42に感光
性ポリイミド樹脂を塗布した後、露光現像処理によりス
ルーホール41に至るバイアホール用貫通孔を穿設して
から、加熱して硬化させる。塗布方法としては、例え
ば、スピンコート法、ロールコータ法、ディップ法、カ
ーテンコータ法等が挙げられるが、均一な厚さの膜を比
較的容易に形成することができる点から、スピンコート
法が好ましい。
【0085】また、樹脂層を2回重ねて形成することに
より、ピンホールの発生をより確実に防止することがで
きる。なお、バイアホールは、レーザ光を照射すること
により、形成してもよい。
【0086】また、セラミック板上に樹脂層を形成する
前に、セラミック板の表面に導体回路を形成してもよ
い。セラミック板の表面に導体回路を形成することによ
り、他の主面に形成された配線の間隔を広げることがで
きるからである。
【0087】上記工程を経て形成されたバイアホール用
貫通孔を有する層間樹脂絶縁層上に導体層を形成した
後、エッチング等を行うことにより、例えば、図4に示
すように、バイアホール46、導体回路48を形成す
る。導体回路48の材料としては、電気伝導度が高いも
のであれば特に限定されず、例えば、銅、クロム、ニッ
ケル、亜鉛、金、銀、スズ、鉄等が挙げられるが、これ
らのなかでは、めっき処理が比較的容易で電気伝導度の
高い回路の形成が可能な銅が好ましい。
【0088】層間樹脂絶縁層上に導体層を形成する前に
は、層間樹脂絶縁層と導体層との密着性を確保するため
に、層間樹脂絶縁層表面に改質処理を施すことが好まし
い。上記層間樹脂絶縁層を改質する方法としては、酸素
プラズマ等を用いてプラズマエッチングを行う方法、コ
ロナ放電を利用する方法等が挙げられる。例えば、プラ
ズマ処理を行うことにより、表面に水酸基が形成され、
密着性が改善される。
【0089】この後、上記層間樹脂絶縁層上に導体回路
を形成するが、その際には、上記層間樹脂絶縁層の全体
に、いわゆるベタの導体層を形成した後、その上にエッ
チングレジストを形成し、その後、エッチングを行うこ
とにより、上記導体回路を形成することができる。
【0090】本発明では、上記層間樹脂絶縁層上に最初
に形成する形成する導体層は、Ti層またはCr層であ
り、その上にCu層を形成する。上記Ti層またはCr
層は、樹脂層との密着性に優れているため、熱応力等が
作用しても樹脂層と導体回路との間に、剥離等が発生す
ることはない。また、Ti層またはCr層の上に形成す
るCu層は、体積抵抗が小さいため、導体回路全体とし
ては、抵抗率が小さく、電圧降下等に起因して、このプ
ローブカードを用いて検査装置が誤った判断を下すこと
はない。
【0091】なお、Ti層またはCr層とCu層とは、
同じ金属同士であるため、密着性には全く問題がない。
また、Ti層またはCr層は、スパッタリング法を用い
て形成することが望ましい。スパッタリング法では、樹
脂層の表面に蒸気状の金属が衝突して金属層が形成され
るため、樹脂層の細かい凹凸等に食い込み易く、より樹
脂層との密着性に優れた金属層が形成される。
【0092】樹脂層上にベタの導体回路を形成する方法
としては、例えば、無電解めっき、電解めっき等のめっ
き法、スパッタリング、蒸着、CVD等の方法が挙げら
れるが、これらのなかでは、スパッタリング法、めっき
法が好ましい。また、スパッタリング法とめっき法とを
併用してもよい。スパッタリング法により、層間樹脂絶
縁層の表面に、密着性に優れた導体層を形成することが
でき、電解めっきにより、比較的厚い導体層を形成する
ことができるからである。
【0093】上記処理を更に複数回繰り返すことによ
り、層間樹脂絶縁層と導体回路とが、順次、積層形成さ
れ、これらの導体回路がバイアホールにより接続された
積層樹脂層を形成することができる。そして、最上層の
樹脂層に開口を形成することにより、導体回路の一部を
露出させ、その下に配設されるコンタクター基板50の
プローブと接触させることができるようにする。なお、
導体回路の上に樹脂層を形成することなく、そのまま導
体回路を露出させてもよい。
【0094】次に、図3に基づき、本発明のプローブカ
ードの製造方法について説明する。なお、上記プローブ
カードを構成するセラミック板の製造法については、別
の製造方法も考えられるので、ここでは、この方法を製
法Aとする。 (1)グリーンシートの作製工程 まず、窒化物セラミックや酸化物セラミックの粉末をバ
インダ、溶媒等と混合してペーストを調製し、これを用
いてグリーンシートを作製する。上述したセラミック粉
末としては、窒化アルミニウム等を使用することがで
き、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えても
よい。また、グリーンシートを作製する際、結晶質や非
晶質のカーボンを添加してもよい。
【0095】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0096】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート4
00を作製する。グリーンシート400の厚さは、0.
1〜5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシート
に、必要に応じて、スルーホールを形成する貫通孔とな
る部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を
形成した後に、上記加工を行ってもよい。
【0097】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 スルーホールとなる部分に導体ペーストを充填し、充填
層410とする。また、必要により、最下層となるグリ
ーンシートのスルーホール用の充填層が形成されている
部分に、上述した導体ペーストを用い、パッドとなる導
体ペースト層を形成する。パッドとなる層は、セラミッ
ク板を製造した後、スパッタリング等により形成しても
よい。
【0098】なお、内部に導体回路を形成する場合に
は、内層となるグリーンシート上に導体ペースト層を形
成すればよい。
【0099】これらの導電ペースト中には、金属粒子ま
たは導電性セラミック粒子が含まれている。金属粒子の
材料としては、例えば、タングステンまたはモリブデン
等が挙げられ、導電性セラミックとしては、例えば、タ
ングステンカーバイドまたはモリブデンカーバイドが挙
げられる。
【0100】上記金属粒子であるタングステン粒子また
はモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが
好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μm
を超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
【0101】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0102】(3)グリーンシートの積層工程 次に、このグリーンシート400を複数枚積層し、圧着
して、積層体を作製する(図3(a)参照)。
【0103】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 次に、グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリ
ーンシート400および内部や外部の導体ペースト中の
金属等を焼結させ、スルーホール41等を有するセラミ
ック板42を作製する。加熱温度は、1000〜200
0℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが好
ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガ
スとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用するこ
とができる。
【0104】(5)次に、上記工程により得られたセラ
ミック板42の両面に、チタン、モリブデン、ニッケ
ル、クロムなどの金属を用いてスパッタリング処理、め
っき処理等を行い、導体層を設ける。ついで、フォトリ
ソグラフィーにより、エッチングレジストを形成し、エ
ッチング液で導体層の一部を溶解させ、エッチングレジ
ストを剥離して導体回路43を形成する(図3(b)参
照)。導体回路43の厚さは、1〜10μmが好まし
い。樹脂層を形成しない側の導体回路43表面には、無
電解めっきにより、ニッケルや貴金属(金、白金,銀、
パラジウム)層などの非酸化性金属層(図示せず)を設
けておくことが望ましい。非酸化性金属層の厚さは、1
〜10μmが好ましい。
【0105】(6)次に、セラミック板の少なくとも一
方の面に層間樹脂絶縁層44を形成する(図3(c)参
照)。樹脂は感光性樹脂が望ましく、アクリル化された
エポキシ樹脂、アクリル化されたポリイミド樹脂が好ま
しい。層間樹脂絶縁層44は、樹脂フィルムを積層する
ことによりを形成してもよく、液状の樹脂をスピンコー
トすることにより形成してもよい。
【0106】(7)樹脂層を形成した後、加熱乾燥さ
せ、ついで露光、現像処理を行い、開口を形成する。さ
らに、樹脂液を再びスピンコートし、加熱乾燥させ、つ
いで露光、現像処理を行い、開口を形成する。このよう
に、1つの層間樹脂絶縁層44を2回に分けて形成する
理由は、どちらか一方の樹脂層にピンホールが形成され
てしまっても、もう一方の樹脂層で絶縁性を確保するこ
とができるからである。なお、セラミック板の表面に形
成された導体回路間に樹脂を充填しておき、導体回路に
起因する凹凸をなくし、平坦化しておいてもよい。ま
た、レーザ光により開口を設けてもよい。
【0107】(8)次に、樹脂層表面を酸素プラズマ処
理などで改質処理を実施する。表面に水酸基が形成され
るため、金属との密着性が改善される。次に、Tiまた
はCrのスパッタリングを実施する。スパッタリング層
の厚さは、0.1〜5μmが好ましい。つぎにめっきレ
ジストをフォトリソグラフィーで形成し、電解めっきに
より、順次、Cu層、Ni層を形成する。厚さは、2〜
10μmが望ましい。この後、めっきレジストを剥離
し、エッチングを行うことにより、めっきレジスト下に
あった導体層を溶解、除去し、バイアホール46を有す
る導体回路48を形成する(図3(d)参照)。
【0108】この後、上記(6)〜(8)の工程を繰り
返すことにより、セラミック板の上に、層間樹脂絶縁層
44、144、244、49と導体回路48、148、
248(バイアホール46、146、246を含む)と
が複数層積層形成されたプローブカードが製造される
(図3(e)参照)。セラミック板の上に導体回路と樹
脂層とを形成する場合、形成する導体回路(樹脂層)
は、一層であってもよく、図3に示したように二層以上
であってもよい。
【0109】なお、図3(d)に示したバイアホール4
6では、バイアホール用開口に沿って、ほぼ同じ厚さで
導体層が形成されているが、バイアホール用開口の内部
には、ほぼ金属が充填され、バイアホール46の上面が
導体回路48とほぼ同じレベルで平坦な形状の、いわゆ
るフィルドビアが形成されていてもよい。
【0110】また、セラミック板を製造する際には、上
記した製造方法の他に、以下のような製造方法(以下、
製法Bという)を採用してもよい。即ち、
【0111】(1)上述した窒化物セラミックまたは炭
化物セラミックの粉末に必要に応じてイットリア等の焼
結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、
このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、
この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状な
どに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。次に、
生成形体を600〜1600℃までの温度で仮焼し、ド
リルなどでスルーホールとなる貫通孔を形成する。
【0112】(2)基板に導体ペーストを印刷する工程 導体ペーストは、一般に、金属粒子または導電性ペース
トもしくはこれらの混合物、樹脂、溶剤からなる粘度の
高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷
などを用い、導体回路やスルーホール部分に印刷を行う
ことにより、導体ペースト層、スルーホールを形成す
る。なお、導体回路形成は、下記する(3)の焼結工程
の終了後であってもよい。
【0113】(3)次に、この仮焼体を加熱、焼成して
焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、
所定の形状に加工することにより、基板を作製するが、
焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよ
い。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔の
ない基板を製造することが可能となる。加熱、焼成は、
焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックまたは
炭化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
【0114】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。
【0115】(実施例1) プローブカードの製造(図
3参照) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒
径:1.1μm)100重量部、イットリア(Y2
3 、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバイン
ダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタ
ノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を
混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成
形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート400
を作製した。
【0116】(2)次に、このグリーンシート400を
80℃で5時間乾燥させた後、スルーホール41となる
貫通孔等をパンチングにより形成した。
【0117】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。
【0118】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部
を混合して導体ペーストBを調製した。
【0119】そして、スルーホールとなる部分に導体ペ
ーストBを充填し、充填層410を形成した。上記処理
の終わったグリーンシート400の27枚を、130
℃、8MPaの圧力で積層、圧着した(図3(a)参
照)。
【0120】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Paで10時間ホットプレスし、厚さ5mmの窒化アル
ミニウム焼結体を得た。これを、一辺が60mmの正方
形に切り出し、内部に直径200μmの円柱状のスルー
ホール41を有するセラミック板42を得た。
【0121】(5)セラミック板42の両側表面に、ス
パッタリング装置(徳田製作所社製CFS−RP−10
0)を用い、厚さ0.1μmのTi、2.0μmのM
o、1.0μmのNiを、この順序でスパッタリングし
た。さらにレジスト用フィルムをラミネートし、次に、
露光現像処理してエッチングレジストとした。55℃の
HF/HNO3 水溶液でエッチング処理し、エッチング
レジストが形成された部分意外の導体層を除去し、Ti
層、Mo層、Ni層からなる導体回路43を形成した
(図3(b)参照)。
【0122】(6)セラミック板42を120℃、30
分間塗布前加熱処理した。次に、感光性ポリイミド(旭
化成社製 I−8802B)を全面にスピンコータで塗
布し、80℃で20分加熱乾燥させ、つぎに350℃で
加熱して硬化させてポリイミド層を形成し、導体回路間
の凹凸をなくして平滑化した。
【0123】(7)さらに、感光性ポリイミド(旭化成
製 I−8802B)をスピンコータで塗布し、80℃
で20分加熱乾燥させ、マスクを積層して200mJに
て露光し、ジメチレングリコールジエチルエーテル(D
MDG)で現像処理した。さらに、350℃で加熱して
ポストベークして硬化させた。
【0124】(8)(7)の工程と同じ処理を実施し、
厚さ10μmのポリイミドからなる層間樹脂絶縁層44
(以下、ポリイミド層という)を形成した(図3(c)
参照)。このポリイミド層44には、直径100μmの
バイアホール用開口を形成した。 (9)ポリイミド層表面を酸素プラズマ処理した。さら
に、表面を10%硫酸で洗浄した。
【0125】(10)ついで前述のスパッタリング装置
で、厚さ0.1μmのCr層、厚さ0.5μmのCu層
を、この順序でそれぞれ形成した。 (11)ついでレジスト用フィルムをラミネートし、露
光、現像処理してめっきレジストを形成した。
【0126】(12)さらに、80g/l硫酸銅と18
0g/l硫酸からなる電解銅めっき浴および100g/
lのスルファミン酸ニッケルを含む電解ニッケル浴を用
いて電流密度1A/dm2 の電解めっきを施し、Cuの
厚さ5.5μm、Niの厚さ1μmの導体を形成した。
【0127】(13)さらにめっきレジストを除去し、
塩酸/水=2/1(40℃)の水溶液でCrとCu層を
除去して、バイアホール46を含む導体回路48(図3
(d)参照)とした。
【0128】さらに、上記(6)〜(13)の工程を繰
り返すことにより、上層のポリイミド層144、244
を形成し、その上にバイアホール146、246を含む
導体回路148、248を形成し、その上に開口49a
を有するポリイミド層49を形成した(図3(e)参
照)。
【0129】(14)樹脂表面を粘着材が塗布されたフ
ィルムでマスクした後、塩化ニッケル2.31×10-2
mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.84×10-2
ol/l、クエン酸ナトリウム1.55×10-2mol
/lからなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき浴、
シアン化金カリウム7.61×10-3mol/l、塩化
アンモニウム1.87×10-1mol/l、クエン酸ナ
トリウム1.16×10 -1mol/l、次亜リン酸ナト
リウム1.70×10-1mol/lからなる金めっき浴
を用いて、それぞれ厚さ5μmのNi層および厚さ0.
03μmのAu層からなる非酸化性金属膜(図示せず)
を形成した。このプローブカードは、第1層と第3層が
グランド層となっており、第2層が信号層である。
【0130】(実施例2) プローブカードの製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(Y23
均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ
12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレー
ドライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
【0131】(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。こ
の生成形体を1400℃で仮焼し、処理の終わった成形
体にドリルにより、スルーホール用の貫通孔を形成し、
その内部に、実施例1で用いた導体ペーストBを充填し
た。 (3)上記工程を経た成形体から一辺が、60mmの正
方形を切り出し、内部に直径200μmの円柱状のスル
ーホールを有するセラミック板とした。
【0132】(4)セラミック板の両側表面に、スパッ
タリング装置(徳田製作所社製 CFS−RP−10
0)を用い、厚さ0.1μmのTi、2.0μmのM
o、1.0μmのNiを、この順序でスパッタリングし
た。さらにレジスト用フィルムをラミネートし、次に、
露光現像処理してエッチングレジストとした。55℃の
HF/HNO3 水溶液でエッチング処理し、エッチング
レジストが形成された部分意外の導体層を除去し、Ti
層、Mo層、Ni層からなる導体回路を形成した。
【0133】(5)次に、セラミック板の主面に、予め
その粘度を30Pa・sに調整しておいた感光性カルド
型ポリマーの溶液を全面にスピンコート法で塗布した
後、温度150℃で20分間乾燥させることにより感光
性カルド型ポリマーの半硬化膜からなる樹脂層を形成し
た。
【0134】なお、ここで用いた感光性カルド型ポリマ
ーは、上記化学式(1)で表されるビス−フェノールフ
ルオレン−ヒドロキシアクリレートと上記一般式(3)
おいて、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 が水素であ
るビス−アニリン−フルオレンとピロメリト酸無水物と
を、モル比=1:4:5で反応させて得られるランダム
共重合体である。
【0135】次いで、バイアホール用開口部に相当する
部分に黒円が描画されたフォトエッチング用マスクを、
上記感光性カルド型ポリマーからなる樹脂層上に載置し
た後、紫外線を400mj/cm2 の条件で照射するこ
とにより、露光・現像処理を施し、バイアホール用開口
を形成した。その後、250℃、120分間の条件で本
硬化を行い、層間樹脂絶縁層44を形成した。なお、こ
こで形成した層間樹脂絶縁層44の厚さは、10μmで
あった。また、層間樹脂絶縁層44のガラス転移温度
は、260℃であった。この後、層間樹脂絶縁層の表面
を酸素プラズマ処理した。さらに、表面を10%硫酸で
洗浄した。
【0136】(6)ついで前述のスパッタリング装置
で、厚さ0.1μmのTi層、厚さ0.5μmのCu層
を、この順序でそれぞれ形成した。ついでレジストフィ
ルムをラミネートし、露光、現像処理してめっきレジス
トを形成した。
【0137】(7)次に、上記薄膜導体層をめっきリー
ドとして下記の条件で電解銅めっきを行い、上記めっき
レジスト非形成部に電解銅めっき層を形成した。
【0138】〔電解銅めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤(アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 19.5 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 65分 温度 22℃±2℃
【0139】(8)さらに、100g/lのスルファミ
ン酸ニッケルを含む電解ニッケル浴を用いて電流密度1
A/dm2 の電解めっきを施し、Cu層の厚さ5.5μ
m、Ni層の厚さ1μmの導体層を形成した。
【0140】(9)さらにめっきレジストを除去し、塩
酸/水=2/1(40℃)の水溶液でめっきレジスト下
に存在していたCrとCu層とをエッチングにより除去
し、端子パッド(50μm□)およびバイアホールを含
む導体回路とした。
【0141】(10)次に、上記(5)〜(9)に記載
された工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹
脂絶縁層および導体回路(バイアホールを含む)を形成
し、続いて、上記(5)に記載された工程を繰り返すこ
とにより、開口部を有する最上層の樹脂層を形成した。
【0142】(13)次に、樹脂表面を粘着材が塗布さ
れたフィルムでマスクした後、塩化ニッケル2.31×
10-2mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.84×1
-2mol/l、クエン酸ナトリウム1.55×10-2
mol/lからなるpH=4.5の無電解ニッケルめっ
き浴、シアン化金カリウム7.61×10-3mol/
l、塩化アンモニウム1.87×10-1mol/l、ク
エン酸ナトリウム1.16×10-1mol/l、次亜リ
ン酸ナトリウム1.70×10-1mol/lからなる金
めっき浴を用いて、それぞれ厚さ5μmのNi層および
厚さ0.03μmのAu層からなる非酸化性金属膜(図
示せず)を形成し、プローブカードを得た。このプロー
ブカードは、第1層と第3層がグランド層となってお
り、第2層が信号層である。
【0143】(実施例3) (1)SiC粉末(平均粒径0.5μm)100重量
部、C(平均粒径:0.4μm)0.5重量部、アクリ
ル系樹脂バインダ12重量部およびアルコールからなる
組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製し
た。 (2)顆粒状の粉末を金型に入れ、円板状に成形して生
成形体(グリーン)を得た。この生成形体を1900℃
で20MPaで加圧焼結させ、直径310mmのセラミ
ック基板とした。つぎに、表面にガラスペスート(昭栄
化学工業社製 G−5177)を塗布し、700℃で焼
成し、表面に厚さ2μmのコート層を設けた。
【0144】(3)セラミック板の両側表面に、スパッ
タリング装置(徳田製作所社製 CFS−RP−10
0)を用い、厚さ0.1μmのTi、2.0μmのM
o、1.0μmのNiを、この順序でスパッタリングし
た。さらにレジスト用のフィルムをラミネートし、次
に、露光現像処理してエッチングレジストとした。55
℃のHF/HNO3 水溶液でエッチング処理し、エッチ
ングレジストが形成された部分意外の導体層を除去し、
Ti層、Mo層、Ni層からなる導体回路を形成した。
【0145】(4)次に、セラミック板の主面に、予め
その粘度を30Pa・sに調整しておいた感光性カルド
型ポリマーの溶液を全面にスピンコート法で塗布した
後、温度150℃で20分間乾燥させることにより感光
性カルド型ポリマーの半硬化膜からなる樹脂層を形成し
た。なお、ここで用いた感光性カルド型ポリマーは、上
記化学式(1)で表されるビス−フェノールフルオレン
−ヒドロキシアクリレートと上記一般式(3)おいて、
2 、R3 、R4 、R5 およびR6 が水素であるビス−
アニリン−フルオレンとピロメリト酸無水物とを、モル
比=1:4:5で反応させて得られるランダム共重合体
である。
【0146】(5)次いで、バイアホール用開口部に相
当する部分に黒円が描画されたフォトエッチング用マス
クを、上記感光性カルド型ポリマーからなる樹脂層44
0上に載置した後、紫外線を400mj/cm2 の条件
で照射することにより、露光・現像処理を施し、バイア
ホール用開口を形成した。その後、250℃、120分
間の条件で本硬化を行い、層間樹脂絶縁層を形成した。
なお、ここで形成した層間樹脂絶縁層の厚さは、10μ
mであった。また、層間樹脂絶縁層のガラス転移温度
は、260℃であった。この後、層間樹脂絶縁層の表面
を酸素プラズマ処理した。さらに、表面を10%硫酸で
洗浄した。
【0147】(6)ついで前述のスパッタリング装置
で、厚さ0.1μmのCr層、厚さ0.5μmのCu層
を、この順序でそれぞれ形成した。ついでレジストフィ
ルムをラミネートし、露光、現像処理してめっきレジス
トを形成した。
【0148】(7)次に、上記薄膜導体層をめっきリー
ドとして下記の条件で電解銅めっきを行い、上記めっき
レジスト非形成部に電解銅めっき層を形成した。 〔電解銅めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤(アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 19.5 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 65分 温度 22℃±2℃
【0149】(8)さらに、100g/lのスルファミ
ン酸ニッケルを含む電解ニッケル浴を用いて電流密度1
A/dm2 の電解めっきを施し、Cu層の厚さ5.5μ
m、Ni層の厚さ1μmの導体を形成した。 (9)さらにめっきレジストを除去し、塩酸/水=2/
1(40℃)の水溶液でCrとCu層を除去して、端子
パッド(50μm□)およびバイアホールを含む導体回
路とした。
【0150】(10)次に、上記(5)〜(9)に記載
された工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹
脂絶縁層および導体回路(バイアホールを含む)を形成
し、続いて、上記(5)に記載された工程を繰り返すこ
とにより、開口部を有する最上層の樹脂層を形成した。 (11)次に、樹脂表面を粘着材が塗布されたフィルム
でマスクした後、塩化ニッケル2.31×10-2mol
/l、次亜リン酸ナトリウム2.84×10-2mol/
l、クエン酸ナトリウム1.55×10-2mol/lか
らなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき浴、シアン
化金カリウム7.61×10-3mol/l、塩化アンモ
ニウム1.87×10-1mol/l、クエン酸ナトリウ
ム1.16×10-1mol/l、次亜リン酸ナトリウム
1.70×10-1mol/lからなる金めっき浴を用い
て、それぞれ厚さ5μmのNi層および厚さ0.03μ
mのAu層からなる非酸化性金属膜(図示せず)を形成
し、プローブカードを得た。
【0151】(12)さらにパッドを含む導体回路上に
さらに感光性ポリイミドを塗布し、露光現像処理してパ
ッド部分を露出させて、プローブカードとした。このプ
ローブカードは、第1層と第3層がグランド層となって
おり、第2層が信号層である。
【0152】(比較例1)層間樹脂絶縁層を形成した
後、この層間樹脂絶縁層上に導体層を形成する際、スパ
ッタリング装置を用い、厚さ0.5μmのCu層のみを
形成し、その上に電解めっきにより、厚さ5.5μmの
Cu層と、厚さ1μmのNi層とを形成したほかは、実
施例1と同様にして、プローブカードを製造した。
【0153】(比較例2)層間樹脂絶縁層を形成した
後、この層間樹脂絶縁層上に導体層を形成する際、スパ
ッタリング装置を用い、厚さ0.5μmのCu層のみを
形成し、その上に電解めっきにより、厚さ5.5μmの
Cu層と、厚さ1μmのNi層とを形成したほかは、実
施例2と同様にして、プローブカードを製造した。
【0154】実施例1〜3および比較例1〜2に係るプ
ローブカードを、図1に示した検査装置にセットし、予
め合格品であるとわかっている100個のシリコンウエ
ハを用い、シリコンウエハを150℃まで昇温した後、
−50℃まで冷却する工程を繰り返し、シリコンウエハ
に形成された集積回路の動作状態を検査した。
【0155】実施例1〜3に係るプローブカードを用い
た検査装置では、上述した条件でヒートサイクル試験を
行っても、100回の検査で、全て製品が合格であると
の判断を下し、プローブカードに形成された導体回路に
断線やショート等は発生しておらず、しかも、コンタク
ター基板50のプローブ52とプローブカード40の露
出した導体回路248との接触が良好であることが実証
された。従って、層間樹脂絶縁層と導体回路とは密着性
に優れ、熱膨張率の異なる両者が加熱、冷却等の熱履歴
を受けても、剥離することはないと考えられる。
【0156】一方、比較例1〜2に係るプローブカード
を用いた検査装置では、80%(比較例1)および60
%(比較例2)のプローブカードが不合格品であるとの
判断を下した。セラミック基板を構成する材料や樹脂層
の材料は、実施例1〜2と同様であるため、誤った判断
は、プローブカードの反り等やシリコンウエハとプロー
ブカードとの熱膨張率の相違に起因するものではなく、
導体回路と樹脂層との剥離に起因するものと考えられ
る。
【0157】そこで、誤った判断が下されたプローブカ
ードについて、これを切断し、走査型電子顕微鏡(SE
M)を用いて、樹脂層と導体回路との接着状態につい
て、観察を行ったところ、樹脂層と導体回路との間に剥
離が発生していた。
【0158】
【発明の効果】以上記述したように、本発明によれば、
プローブカードを構成する導体回路は、直接、上記樹脂
層上に形成されたTi層またはCr層と、その上に設け
られたCu層とを含んで構成されているので、樹脂層と
導体回路との密着性に優れ、加熱・冷却等の熱履歴を受
けた場合や大きな力でプローブを押し付けた場合であっ
ても、導体回路と樹脂層との間で剥離が発生することな
く、検査対象を適切に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブカードが用いられる検査装置
を一例を模式的に示した説明図である。
【図2】図1に示した検査装置を構成するプローブカー
ドを拡大して示した部分拡大断面図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明のプローブカードの
製造工程の一部を示した断面図である。
【図4】本発明のプローブカードが用いられる検査装置
の別の一例を模式的に示した説明図である。
【符号の説明】
10 検査装置 20 テスター 24 パフォーマンス基板 30 プローブ 40 プローブカード 41 スルーホール 42 セラミック板 43 端子パッド 44、144、244 層間樹脂絶縁層 46、146、146 バイアホール 48、148、248 導体回路 50 コンタクター基板 52 プローブ 60 シリコンウエハ 62 パッド

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウエハに形成された回路の検査に
    用いられ、セラミック板上に、樹脂層と導体回路とが、
    順次、積層形成されてなるプローブカードであって、前
    記導体回路は、少なくとも前記樹脂層上に、直接形成さ
    れたTi層またはCr層と、その上に設けられたCu層
    とを含んで構成されていることを特徴とするプローブカ
    ード。
  2. 【請求項2】 前記セラミック板にはスルーホールが形
    成されてなる請求項1に記載のプローブカード。
  3. 【請求項3】 前記樹脂層を介して形成された導体回路
    同士は、バイアホールにて接続されてなる請求項1また
    は2に記載のプローブカード。
  4. 【請求項4】 前記セラミック板は、非酸化物セラミッ
    クからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    に記載のプローブカード。
  5. 【請求項5】 前記樹脂層は、熱硬化性樹脂からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載のプロ
    ーブカード。
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