JP2004125803A - プローブカード - Google Patents

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Abstract

【課題】 常温、高温での機械的強度に優れ、高温においてもプローブとの接触不良や反り、変形等が生じず、シリコンウエハの昇温・降温に迅速に追随する温度マッチングの速いプローブカードを提供すること。
【解決手段】 半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、非酸化物セラミック製のセラミック基板からなることを特徴とするプローブカード。
【選択図】     図2

Description

本発明は、シリコンウエハ等に形成された集積回路等が正常に動作するか否かを判定するために用いられるプローブカードに関するものである。
半導体チップ(半導体素子)は、単結晶引き上げ装置を用いて形成されたシリコン単結晶等のインゴットを、薄くスライスして半導体ウエハを作製した後、この半導体ウエハに、多数の単位からなる集積回路を形成し、続いて、これを各単位に分割する工程を経て製造される。
上記半導体チップの製造工程においては、半導体ウエハ上に多数の単位からなる集積回路を形成した後、各単位の半導体素子(半導体チップ)に分割する前に、これらの回路が正常に動作するか否かを調べる必要がある。
そこで、このような検査には、プローブといわれる針状の金属をシリコンウエハの端子パッドに押し当てて電流を流し、集積回路の導通や各回路間の絶縁等を調べる検査装置が用いられている。
現在、半導体素子の高集積化に伴い、シリコンウエハ上に形成する回路の集積度も高まり、半導体素子に形成される端子パッドのピッチも狭まっている。従って、検査装置に用いるプローブの間隔も狭くする必要があり、検査装置のヘッド(パフォーマンス基板)に、プローブを直接取り付けることが困難になっている。かかる課題に対応するため、最近では、中継基板(プローブカード)を介在させて、ヘッド(パフォーマンス基板)に、プローブを配設したコンタクター基板を取り付けた検査装置が用いられている。
上記した検査装置において、中継基板として用いられるプローブカードは、多層の樹脂基板やアルミナセラミック基板からなり、コンタクター基板の広ピッチの端子とパフォーマンス基板の挟ピッチのプローブとを接続させる役割を担っている(例えば、特許文献1参照)。
特許第2796970号公報
現在、このシリコンウエハに形成された集積回路の検査を行う際には、常温での動作状態のみでなく、100℃以上の高温での動作状態も検査する場合があり、また、かなりの圧力でプローブをシリコンウエハ上の端子パッドに押し当てている。
しかし、上記した樹脂基板やアルミナセラミック基板からなるプローブカードでは、常温での強度も充分とは言えず、高温では強度が大きく低下する。そのため、プローブカード自体に反りやうねり等の変形が生じ、正確な検査ができないという問題があった。
また、樹脂基板やアルミナセラミック基板では、熱膨張係数が大きいため、温度が上昇した場合に、プローブとの接触位置がずれたり、反り等が発生し、プローブとの接触不良が生じたり、検査に誤りが生ずる場合があった。
さらに、樹脂基板やアルミナセラミック基板は、熱伝導率が低いため、昇温・降温を迅速に行うことができず、効率のよい検査が行えないという問題もあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、常温、高温での機械的強度に優れ、高温においてもプローブとの接触不良や反り、変形等が生じず、シリコンウエハの昇温・降温に迅速に追随する温度マッチングの速いプローブカードを提供することにある。
上記目的を達成するため、第一の本発明のプローブカードは、半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、非酸化物セラミック製のセラミック基板からなることを特徴とするものである。
第二の本発明のプローブカードは、半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、非酸化物セラミック製のセラミック基板からなり、少なくとも内部にスルーホールが設けられていることを特徴とするものである。
第三の本発明のプローブカードは、半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、非酸化物セラミック製のセラミック基板からなり、上記セラミック基板には、少なくとも一主面に導体回路が形成されていることを特徴とするものである。
第二および第三の本発明のプローブカードは、第一の本発明のプローブカードの下位概念に属する発明であり、その好ましい実施の形態としては、内部にスルーホールが設けられ、一主面に導体回路が形成されている。
ただし、第一の本発明では、一主面に導体回路が形成されていれば、必ずしも内部にスルーホールが設けられている必要はない。一主面に、検査用のプローブと接触させるための導体回路と、パフォーマンス基板等に接続するための導体回路とが形成されていればよい場合もあるからである。
なお、第二の本発明では、内部にスルーホールが設けられていれば、必ずしも一主面に導体回路が形成されている必要はない。
以下においては、これらの発明を含めて本発明として説明し、必要に応じて、各発明の特徴について言及することとする。
本発明のプローブカードは、炭化物セラミックや窒化物セラミック等の非酸化物セラミック製のセラミック基板からなるため、常温や高温における機械的特性(強度)に優れ、高温においても反りや変形がない。従って、プローブとの接触位置がずれたり、プローブとの接触不良が発生することはない。
また、上記セラミック基板は熱膨張係数も小さく、シリコンウエハ等と余り変わらないため、高温において、プローブとの接触位置がずれることもない。さらに、上記セラミック基板は、熱伝導率が大きいため、温度マッチングが速く、迅速にシリコンウエハの温度変化に追随することができる。
なお、プローブカードとしては、特開平6−140484号公報や特開平4−152270号公報などに、セラミック製のプローブカードが開示されているが、どのようなセラミックかが記載されておらず、これらの公知文献で本発明の特許性が阻却されないことを付記しておく。
上記プローブカードにおいて、上記セラミック基板には、一主面に導体回路が形成されていることが望ましい。
プローブにおける検査ピッチを拡大してヘッド(パフォーマンス基板)に接続するためである。
検査ピッチを拡大するためには、図2に示したように、セラミック基板の表面に、プローブのピッチを拡大する導体回路を設ける方法が比較的容易であるため望ましいが、セラミック基板の内部にプローブのピッチを拡大するための導体回路を設けてもよい。
上記セラミック基板は、熱伝導率に優れた炭化物セラミックまたは窒化物セラミックが望ましく、窒化物セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化チタン、窒化硼素から選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
炭化物セラミックとしては、例えば、炭化珪素、炭化タングステン、炭化タンタル、炭化チタン、炭化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
なかでも、窒化アルミニウムは,特に熱伝導率が高く、シリコンウエハの温度変化に迅速に追従することから特に好ましい。
以上のように、本発明によれば、プローブカードが非酸化物セラミック製のセラミック基板からなるので、常温、高温での機械的強度に優れ、高温においてもプローブとの接触不良や反り、変形等が生じず、シリコンウエハの昇温・降温に迅速に追随するため温度マッチングの速いプローブカードを提供することができる。従って、このプローブカードを用いることにより、シリコンウエハに形成された集積回路の動作状態について、正確な判断を下すことができる。
以下、本発明のプローブカードを図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のプローブカードが用いられた半導体ウエハの検査装置を模式的に示す概念図であり、図2(a)は、本発明のプローブカードを模式的に示す断面図であり、(b)は、その平面図である。
この検査装置10は、検査用の端子の配設されたパフォーマンス基板24と、パフォーマンス基板24のX、Y、Z方向に位置調整を行う昇降装置22と、パフォーマンス基板24を経てシリコンウエハ60に電流を印加して適否を判断するテスター20とを備えている。
また、パフォーマンス基板24の下方には、順次、プローブ基板30およびプローブカード40が配設されており、プローブ基板30およびプローブカード40を経ることにより、配線のピッチが縮小されている。そして、さらにプローブカード40の下に配設されたコンタクター基板50のプローブ52を介して、シリコンウエハ60上に形成された端子パッド61との接続が図られるようになっている。
なお、コンタクター基板50には、このコンタクター基板50を貫通し、上面および下面から突出するようにプローブ52が配設されており、上面から突出したプローブがプローブカードの端子パッドと接触し、一方の底面から突出したプローブがシリコンウエハに設けられた端子パッドと接触するようになっている。
また、この検査装置10は、集積回路が形成されたシリコンウエハ60を載置するためのテーブル26を備えており、このテーブル26は、X、Y、Z方向に位置調整を行うことができるようになっている。さらに、テーブル26の下方には、シリコンウエハ60を加熱するヒータ28と、シリコンウエハ60を冷却するためにぺルチェ機構等を用いる冷却装置29とが配設され、ヒータ28には図示しない電源から電力が供給されるようになっている。
次に、この検査装置10を用いたシリコンウエハ60の検査について説明する。先ず、テーブル26にシリコンウエハ60を載置し、シリコンウエハ60上に形成された位置決めマークを図示しない光学装置で読み取り、テーブル26の位置調整を行う。その後、昇降装置22により、パフォーマンス基板24等を押し下げ、コンタクター基板50のプローブ52を、シリコンウエハ60の所定の端子パッドに押し当てる。なお、図1では、端子パッドが盛り上がったように記載されているが、実際の端子パッドの厚さは、1〜50μmである。
この後、引き続き、テスター20が、パフォーマンス基板24−プローブ基板30−プローブカード40−コンタクター基板50を介して、シリコンウエハ60の所定のパッド61に電流を印加し、シリコンウエハに形成された導体回路の導通や絶縁が必要な部分で保たれているか等の特性試験を行う。この際、冷却装置29やヒータ28を用いることにより、シリコンウエハを冷却したり、加熱したりしながら検査を行うことができる。
次に、プローブカードについて説明する。
図2に示したように、プローブカード40を構成する炭化物セラミック製または窒化物セラミック製のセラミック基板41の内部には、スルーホール42が設けられ、底面41bには、コンタクター基板50のプローブと接触させるための端子パッド43が設けられるとともに、上面には、ピッチを拡大するための導体回路44と端子パッド45とが設けられている。
従って、このプローブカード40を用いることにより、パフォーマンス基板24に形成された比較的広いピッチの端子パッドと、シリコンウエハ60上に形成された狭ピッチの端子パッド61との接続を、確実に行うことができる(図1参照)。
また、本発明のプローブカード40は、炭化物セラミックまたは窒化物セラミック等の非酸化物セラミック製のセラミック基板41からなるので、上述したように、常温や高温における機械的特性(強度)に優れ、高温においても反りや変形がなく、プローブとの接触位置がずれたり、プローブとの接触不良が発生することはない。
また、セラミック基板は熱膨張係数も小さく、シリコンウエハ等の熱膨張率に近いため、高温において、プローブとの接触位置がずれることもない。さらに、熱伝導率が大きいため、温度マッチングが速く、迅速にシリコンウエハの温度変化に追随することができる。
図2では、セラミック基板41の表面に導体回路が形成されたプローブカード40を示したが、導体回路は、セラミック基板の内部に形成されていてもよい。
図3(a)は、このような内部に導体回路が形成されたウエハプローバを模式的に示した断面図であり、(b)は、その平面図である。
このプローブカード70では、底面71bから上面71aに抜けるスルーホール76が形成されているほか、底面71bからセラミック基板71の途中までの長さのスルーホール72aが形成されており、このスルーホール72aの上部から水平方向に図2(b)に示したパターンとほぼ同様のパターンの導体回路74が形成されることにより、ピッチを拡大している。そして、導体回路74の端部に接続されるように形成されたスルーホール72bがさらに上面71aに達し、図3(b)に示すような端子パッド75のパターンとなっている。
従って、このプローブカード70を用いることにより、図2に示したプローブカード40の場合と同様に、パフォーマンス基板24に形成された比較的広いピッチの端子パッドと、シリコンウエハ60上に形成された狭ピッチの端子パッドとの接続を、確実に行うことができる。
次に、このようなプローブカード40を構成するセラミック基板や導体回路の材質や特性等について、さらに詳しく説明する。
上記セラミック基板は、上述したように、窒化物セラミックや炭化物セラミック等の非酸化物セラミックからなるが、上記セラミック基板は、焼結助剤を含有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、CaO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好ましい。これらの含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
上記非酸化物セラミック中には、5重量%以下の酸素が含有されていてもよい。5重量%程度の酸素量であれば、焼結を促進させるとともに、耐電圧を確保でき、高温での反り量を小さくすることができるからである。
前記非酸化物セラミックの表面から放射されるα線量は、50c/cm2 ・hr以下が望ましく、2.0c/cm2 ・hr以下が最適である。50c/cm2 ・hrを超えるといわゆるソフトエラーが発生して検査に誤りが発生するからである。
上記セラミック基板では、表面のJIS B 0601に基づく面粗度Rmaxは、0.01μm<Rmax<100μmであることが望ましく、Raは、0.001<Ra<10μmであることが望ましい。
前記セラミック基板は、その面粗度がJIS B 0601 Ra=0.01〜10μmが最適である。表面の導体回路との密着性を考慮すると大きい方がよいのであるが、大き過ぎると表皮効果(高周波数の信号電流は導体回路の表面に局在化して流れる)により、高周波数での測定が困難であり、また、小さい場合は密着性に問題が発生するからである。
セラミック基板の形状は特に限定されないが、方形、多角形状、円板形状が好ましく、その直径、最長対角線の長さは、10〜350mmが好ましい。
セラミック基板の厚さは、50mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。セラミック基板の厚さが厚すぎると、装置の小型化を図ることができず、また、熱容量が大きくなって、昇温・降温速度が低下し、温度マッチング特性が劣化するからである。また、セラミック基板の厚さを薄くすることにより、プローブカードの電気抵抗を小さくすることができ、誤った判断の発生を防止することができる。
セラミック基板の平面度は、直径−10mm、または、最長対角線長さ−10mmの測定距離で500μm以下が好ましい。500μmを超えると測定時の押圧でも反りを矯正できないからである。
上記セラミック基板の熱伝導率κは、10W/m・k<κ<300W/m・kが好ましく、160〜220W/m・kがより好ましい。
熱伝導率を上げることにより、昇温・降温速度が早くなり、温度マッチングが良好になるからである。
セラミック基板のヤング率Eは、25〜600℃で60GPa<E<450GPaが望ましい。高温におけるセラミック基板の反りを防止するためである。
セラミック基板の曲げ強度σf は、25〜600℃で200MPa<σf <500MPaが望ましい。押圧時にセラミック基板が破損するのを防止するためである。なお、押圧時には、セラミック基板に、0.1〜10kg/cm2 程度の圧力がかかる。
前記セラミック基板の気孔率は、5%以下が望ましい。また、最大気孔の気孔径が50μm以下であることが望ましい。100℃以上の温度での耐電圧を確保し、機械的な強度が大きくなり、押圧時等における反り量を小さくすることができるからである。
また、熱伝導率が高くなり、迅速に昇温・降温するため、温度マッチングに優れる。
なお、最大気孔とは、任意の10箇所を電子顕微鏡で撮影し、その視野の中で最も大きな気孔を選び、その最大気孔の平均値を最大気孔の気孔径として定義したものである。また、気孔率は0%であってもよい。気孔は存在しないことが理想的である。
気孔径が50μmを超えると、特に高温での耐電圧特性を確保するのが難しくなり、短絡等が発生するおそれがある。
最大気孔の気孔径は、10μm以下が望ましい。高温(例えば、100℃以上)での反り量が小さくなるからである。
上記気孔率はアルキメデス法により測定する。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算するのである。
気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整することができる。上述のように、SiCやBNは焼結を阻害するため、気孔を導入させることができる。気孔が存在すると、靱性値が上昇する。従って、余り強度が下がらない程度に、気孔を存在させてもよい。
上記セラミック基板の内部に気孔が存在する場合には、この気孔は、閉気孔であることが望ましい。また、セラミック基板を通過するヘリウムの量(ヘリウムリーク量)は、10-7Pa・m3 /sec以下であることが望ましい。ヘリウムリーク量の小さい緻密なセラミック基板とすることにより、内部に形成されたスルーホール等が空気中の酸素等により腐食されるのを防止することができるからである。
セラミック基板の厚さのばらつきは、±3%以内が好ましい。コンタクター基板のプローブとの接触不良をなくすためには、セラミック基板の表面が平坦である必要があるからである。
また、熱伝導率のばらつきは±10%以内が好ましい。温度の不均一等に起因する反り等を防止することができるからである。
上記セラミック基板は、明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下のものであることが望ましい。このような明度を有するものが隠蔽性を有するため外観がよく、また、輻射熱量が大きく、迅速に昇温するからである。
ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。
そして、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
このような特性を有するセラミック基板は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000ppm含有させることにより得られる。カーボンには、非晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができるため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボンの種類を選択することができる。
非晶質のカーボンは、例えば、C、H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボンとしては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気下で熱分解させた後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができるが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることにより、結晶性(非晶性)の程度を調整することもできる。
本発明では、図2、3に示したように、セラミック基板の内部にスルーホールや導体回路が形成されているが、このスルーホールや導体回路は、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミック等により形成さている。
スルーホールの直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止できるからである。スルーホールの形状としては特に限定されないが、例えば、円柱状、角柱状(四角柱、円柱等)が挙げられる。
また、セラミック基板の表面にも、配線のピッチを拡大するための導体回路や、上方に配設されるプローブ基板や下方に配設されるコンタクター基板との接続を図るための端子パッドを形成する必要があるが、これらスルーホール、導体回路、端子パッド等は、通常、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミック等からなることが望ましい。
ただし、場合によっては、これらの導体層は、金、銀、白金等の貴金属やニッケル等の金属からなるものであってもよい。
これらスルーホール、導体回路、端子パッド等の体積抵抗率は、1〜50μΩ・cmが好ましい。
面積抵抗率が、50μΩを超えると、スルーホール等が発熱したりして検査装置が誤った判断を下す場合がある。
セラミック基板の表面または内部にスルーホールや導体回路を形成するためには、金属や導電性セラミックからなる導体ペーストを用いることが好ましい。
即ち、セラミック基板の内部にスルーホールや導体回路を形成する場合には、グリーンシートに形成した貫通孔に導体ペーストを充填したり、グリーンシート上に上記導体ペースト層を形成した後、グリーンシートを積層、焼成することにより、内部にスルーホールや導体回路を形成する。
また、最上層や最下層となるグリーンシートの上に導体ペースト層を形成して焼成することにより、セラミック基板の表面に導体回路や端子パッドを形成することができる。
一方、セラミック基板を製造した後、その表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成することよっても、導体回路や端子パッドを形成することができる。また、めっきやスパッタリング等によって端子パッドを形成してもよい。
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラミック粒子のほかに、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、導体回路等とセラミック基板との密着性を確実にすることができるため有利である。
上記導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等が挙げられる。
導体ペースト層をセラミック基板の表面に形成する際には、上記導体ペースト中に上記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板と金属粒子等とをより密着させることができる。
上記金属酸化物を混合することにより、セラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、金属粒子等とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが好ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板との密着性を改善することができる。
本発明においては、これまで説明してきたセラミック基板の少なくとも一方の面に樹脂層を介して導体回路が形成されていてもよい。樹脂層を介することで検査時の押圧に追従でき、セラミックに比べて破損などが発生しにくい。さらに、樹脂の方が微細配線を引き回すことができるため、高密度のプローブカードが得られる。さらに、樹脂の方がセラミックより誘電率が小さく、伝搬遅延がない。
セラミック基板には、スルーホールが形成されていてもよく、また、導体回路が形成されていてもよい。樹脂層は2層以上あってもよく、その場合が、各樹脂層上の導体回路同士はバイアホールで接続される。
樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上を使用できる。また、樹脂は感光化されていることが望ましい。フォトリソグラフィーにより開口を形成できるからである。樹脂層の厚さは、5〜100μmが望ましい。高温での絶縁性を確保するためである。
次に、図4に基づき、本発明のプローブカードの製造方法(製法A)について説明する。
(1)グリーンシートの作製工程
まず、窒化物セラミックや炭化物セラミックの粉末をバインダ、溶媒等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述したセラミック粉末としては、窒化アルミニウム等を使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーンシートを作製する際、結晶質や非晶質のカーボンを添加してもよい。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート400を作製する。
グリーンシート400の厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシートに、必要に応じて、スルーホールを形成する貫通孔となる部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
(2)グリーンシート上に導体ペーストを印刷する工程
最上層となるグリーンシート400上および最下層となるグリーンシート上に、上述した導体ペーストを用い、導体ペーストからなる導体ペースト層430、440を形成する。また、スルーホールとなる部分に導体ペーストを充填し、充填層420とする。
なお、内部に導体回路を形成する場合には、内層となるグリーンシート上に導体ペースト層を形成すればよい。
これらの導電ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。金属粒子の材料としては、例えば、タングステンまたはモリブデン等が挙げられ、導電性セラミックとしては、例えば、タングステンカーバイドまたはモリブデンカーバイドが挙げられる。
上記金属粒子であるタングステン粒子またはモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
(3)グリーンシートの積層工程
導体ペースト層430、440等を有する、最上層となるグリーンシート400と最下層となるグリーンシートとの間に、充填層420のみを有するグリーンシート400を複数枚積層し、圧着して、積層体を作製する(図4参照)。
(4)グリーンシート積層体の焼成工程
次に、グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシート400および内部や外部の導体ペーストを焼結させ、スルーホール42等を有するセラミック基板41を作製する(図2参照)。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
得られたセラミック基板41に、必要により、加工処理を施し、プローブカードの製造を終了する。
セラミック基板の内部に導体回路を設ける場合には、グリーンシート上に導体ペースト層を形成し、このグリーンシートの上下に他のグリーンシート積層した後、焼成すればよい。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、セラミック基板を製造した後、スパッタリング法やめっき法を用いることにより導体層を形成してもよい。
また、このような製造方法の他に、以下のような製造方法(製法B)を採用してもよい。
即ち、
(1)上述した窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの粉末に必要に応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。
次に、生成形体を600〜1600℃までの温度で仮焼し、ドリルなどでスルーホールとなる貫通孔を形成する。
(2)基板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子または導電性ペーストもしくはこれらの混合物、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、導体回路やスルーホール部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層、スルーホールを形成する。
なお、導体回路形成は、下記する(3)の焼結工程の終了後であってもよい。
(3)次に、この仮焼体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、基板を作製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のない基板を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
さらに、セラミック基板に樹脂層を介して導体回路を形成する場合について説明する。
(1)まず、セラミック基板を製造する。このセラミック基板には、スルーホールが形成されていてもよく、また、表面または内部に導体回路が形成されていてもよい。このようなセラミック基板は、製法A、Bの方法で製造することができる。
以下は、製法Aで得られ、表面にスルーホールが形成されたもので説明する。
(2)得られたセラミック基板の両面にチタン、モリブデン、ニッケル、クロムなどの金属をスパッタリング、めっき等により導体層を設け、さらに、フォトリソグラフィーにより、エッチングレジストを形成する。次に、エッチング液で導体層の一部を溶解させ、エッチングレジストを剥離して導体回路を形成する。導体回路の厚さは、1〜10μmが好ましい。
樹脂層を形成しない側の導体回路表面には、無電解めっきにより、ニッケルや貴金属(金、白金,銀、パラジウム)層などの非酸化性金属層を設けておく。非酸化性金属層の厚さは、1〜10μmがよい。
(3)少なくとも一方の面に樹脂層を形成する。樹脂は感光性樹脂が望ましく、アクリル化されたエポキシ樹脂、アクリル化されたポリイミド樹脂がよい。樹脂層は、樹脂フィルムを積層してもよく、液状の樹脂をスピンコートして形成してもよい。
(4)樹脂層を形成した後、加熱乾燥させ、ついで露光、現像処理を行い、開口を形成する。さらに、樹脂液を再びスピンコートし、加熱乾燥させ、ついで露光、現像処理を行い、開口を形成する。このように、1つの層間樹脂絶縁層を2回に分けて形成する理由は、どちらか一方の樹脂層にピンホールが形成されてしまっても、もう一方の樹脂層で絶縁性を確保できるからである。
なお、セラミック基板の表面に形成された導体回路間に樹脂を充填しておき、導体回路に起因する凹凸をなくし、平坦化しておいてもよい。また、レーザ光により開口を設けてもよい。
(5)次に、樹脂層表面を酸素プラズマ処理などで改質処理を実施する。表面に水酸基が形成されるため、金属との密着性が改善される。
次に、クロム、銅などのスパッタリングを実施する。スパッタリング層の厚さは、0.1〜5μmが好ましい。つぎにめっきレジストをフォトリソグラフィーで形成し、電解めっきによりCu、Ni層を形成する。厚さは、2〜10μmが望ましい。この後、めっきレジストを剥離し、エッチングを行うことにより、スパッタリングのみにより導体層が形成されている部分を溶解させ、導体回路を形成する。
この後、上記(3)〜(5)の工程を繰り返すことにより、セラミック基板の上に、樹脂と導体回路とが複数層積層形成されたプローブカードが製造される。セラミック基板の上に導体回路と樹脂層とを形成する場合、形成する導体回路(樹脂層)は、一層であってもよく、2層以上であってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1) プローブカードの製造(図2、4参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(Y23 、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート400を作製した。
(2)次に、このグリーンシート400を80℃で5時間乾燥させた後、スルーホール58となる貫通孔等をパンチングにより形成した。
(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
この導体ペーストAを最上層および最下層となるグリーンシート上にスクリーン印刷で印刷し、導体回路44や端子パッド45用の導体ペースト層440を形成した。印刷パターンは、図2に示したようなパターンとし、導体ペースト層の幅を75μm、その厚さを3μmとした。また、スルーホールとなる部分に導体ペーストBを充填し、充填層420を形成した。
上記処理の終わった2枚のグリーンシート400の間に、充填層420のみを形成したグリーンシート400を25枚、130℃、8MPaの圧力で積層、圧着した。
(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPaで10時間ホットプレスし、厚さ5mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。これを一辺が、60mmの正方形に切り出し、内部に直径200μmの円柱状のスルーホール42、厚さが3μm、幅が75μmの導体回路44および500μm□の端子パッド43を有するプローブカード40の製造を終了した。
(実施例2) プローブカードの製造(図2、4参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(Y23  平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。この生成形体を1400℃で仮焼し、処理の終わった成形体にドリルにより、スルーホール42用の貫通孔を形成し、その内部に、実施例1で用いた導体ペーストBを充填した。
(3)上記工程を経た成形体から一辺が、60mmの正方形を切り出しセラミック製の板状体(セラミック基板41)とした。
(4)次に、平均粒子径3μmのタングステンカーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストCを調製した。
セラミック基板41の上面41aおよび底面41bに、この導体ペーストCを用い、スクリーン印刷により導体回路44用および端子パッド43用の導体ペースト層を形成した。
(5)次に、導体ペーストを印刷した基板を1800℃、20MPaでホットプレスし、導体ペースト中のタングステン、タングステンカーバイド等を焼結させるとともに焼結体に焼き付けて導体回路44を形成し、内部に直径200μmの円柱状のスルーホール42、厚さが3μm、幅が75μmの導体回路44および500μm□の端子パッド43を有するプローブカード40の製造を終了した。
(実施例3)ポリイミド樹脂層を有するプローブカードの製造(図5参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(Y23 、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート400を作製した。
(2)次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、スルーホールとなる貫通孔等をパンチングにより形成した。
(3)平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
さらに、スルーホールとなる部分に導体ペーストBを充填し、充填層420を形成した。
(4)上記処理の終わった2枚のグリーンシート400の間に、充填層420のみを形成したグリーンシート400を25枚、130℃、8MPaの圧力で積層、圧着した。
(5)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPaで10時間ホットプレスし、厚さ5mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。これを一辺が、60mmの正方形に切り出し、内部に直径200μmの円柱状のスルーホール82を有するセラミック基板81を得た。
(6)セラミック基板81の両側表面に、スパッタリング装置(徳田製作所社製CFS−RP−100)を用い、厚さ0.1μmのTi、2.0μmのMo、1.0μmのNiを、この順序でスパッタリングした。
さらにレジストをラミネートし、次に、露光現像処理してエッチングレジストとした。
55℃のHF/HNO3 水溶液でエッチング処理し、Ti層、Mo層、Ni層からなる導体回路83を形成した。
(7)セラミック基板を120℃、30分間塗布前加熱処理した。
次に、感光性ポリイミド(旭化成製 I−8802B)をスピンコータで塗布し、80℃で20分加熱乾燥させ、つぎに350℃で加熱して硬化させてポリイミド層84を形成し、導体回路間の凹凸をなくして平滑化した。
(8)さらに、感光性ポリイミド(旭化成製 I−8802B)をスピンコータで塗布し、80℃で20分加熱乾燥させ、マスクを積層して200mJにて露光し、ジメチレングリコールジエチルエーテル(DMDG)で現像処理した。さらに、350℃で加熱してポストベークして硬化させた。
(9)(8)の工程と同じ処理を実施し、厚さ10μmの第二のポリイミド層85を形成した。このポリイミド層85には、直径100μmのバイアホール用開口を形成した。
(10)ポリイミド層表面を酸素プラズマ処理した。さらに、表面を10%硫酸で洗浄した。
(11)ついで前述のスパッタリング装置で、厚さ0.1μmのCr層、厚さ0.5μmの銅層を、この順序でそれぞれ形成した。
(12)ついでレジストフィルムをラミネートし、露光、現像処理してめっきレジストを形成した。
(13)さらに、80g/l硫酸銅と180g/l硫酸からなる電解銅めっき浴および100g/lのスルファミン酸ニッケルを含む電解ニッケル浴を用いて電流密度1A/dm2 の電解めっきを施し、銅の厚さ5.5μm、Niの厚さ1μmの導体を形成した。
(14)さらにめっきレジストを除去し、塩酸/水=2/1(40℃)の水溶液でCrとCu層を除去して、端子パッド86a(50μm□)、バイアホール86bを含む導体回路86とした。
(15)樹脂表面を粘着材が塗布されたフィルムでマスクした後、塩化ニッケル2.31×10-2mol/l、次亜リン酸ナトリウム2.84×10-2mol/l、クエン酸ナトリウム1.55×10-2mol/lからなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき浴、シアン化金カリウム7.61×10-3mol/l、塩化アンモニウム1.87×10-1mol/l、クエン酸ナトリウム1.16×10-1mol/l、次亜リン酸ナトリウム1.70×10-1mol/lからなる金めっき浴を用いて、それぞれ厚さ5μmのNi層830aおよび厚さ0.03μmのAu層830bからなる非酸化性金属膜830を形成し、プローブカード80を得た(図5参照)。
(実施例4)
実施例2と同様であるが、以下の工程を変更した。
(1)に代えて、SiC粉末(平均粒径0.5μm)100重量部、イットリア(Y23  平均粒径0.4μm)0.5重量部、アクリル系樹脂バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2)に代えて、顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。この生成形体を1900℃で20MPaで加圧焼結させた。
つぎに、表面にガラスペスート(昭栄化学工業社製 G−5177)を塗布し、700℃で焼成し、表面に厚さ2μmのコート層を設けた。
この実施例ではスルーホールを持たないプローブカードとなる。
(比較例1)
実施例1と同様であるが、アルミナ粉末(平均粒子径1.0μm)100重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート400を作製した。
実施例1〜4および比較例1に係るプローブカードを、図1に示した検査装置のセットし、予め合格品であるとわかっている100個のシリコンウエハを用い、シリコンウエハを130℃まで昇温した後、回路の動作状態を検査した。
実施例1〜4に係るプローブカードを用いた検査装置では、100回の検査で、全て製品が合格であるとの判断を下したが、比較例1に係るプローブカードでは、50%の製品は、不合格品であるとの判断を下し、高温では検査装置が誤った判断を下す確率が高いことがわかった。また、130℃の状態でサーモビュアで観察したところ、実施例1〜4のプローブカードでは、最高温度と最低温度の差は、0.5℃であったが、比較例では5℃であった。
このような温度分布の大きさが、試験誤差として現れると推定される。
また、高温状態でプローブカードを観察したところ、プローブカード自体に反りや変形が発生し、コンタクター基板50のプローブとプローブカードの端子パッド43との接触に問題が発生しやすいことがわかった。
本発明のプローブカードを用いた検査装置の構成を示す説明図である。 (a)は、プローブカードの一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、その平面図である。 (a)は、プローブカードの他の一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、その平面図である。 プローブカードを製造する際のグリーンシートの積層工程を模式的に示す断面図である。 樹脂層を有するプローブカードを模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 検査装置
20 テスター
22 昇温装置
24 パフォーマンス基板
28 ヒータ
29 冷却装置
30 プローブ
40、70 プローブカード
41、71 セラミック基板
41a、71a 上面
41b、71b 底面
42、72a、72b、76 スルーホール
43、45、73、75 端子パッド
44、74 導体回路
50 コンタクター基板
60 シリコンウエハ

Claims (10)

  1. 半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、
    非酸化物セラミック製のセラミック基板からなることを特徴とするプローブカード。
  2. 半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、
    非酸化物セラミック製のセラミック基板からなり、少なくとも内部にスルーホールが設けられていることを特徴とするプローブカード。
  3. 前記セラミック基板には、一主面に導体回路が形成されている請求項2に記載のプローブカード。
  4. 半導体ウエハに形成された集積回路の検査に用いられるプローブカードであって、
    非酸化物セラミック製のセラミック基板からなり、前記セラミック基板には、少なくとも一主面に導体回路が形成されていることを特徴とするプローブカード。
  5. 前記セラミック基板には、スルーホールが形成されている請求項4に記載のプローブカード。
  6. 前記セラミック基板は、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載のプローブカード。
  7. 検査用端子が配設されたパフォーマンス基板と、集積回路の一部に接触するプローブが配設されたコンタクター基板との間に介装され、
    上記パフォーマンス基板の検査用端子と上記コンタクター基板のプローブと導通する端子とを接続する請求項1〜3のいずれか1に記載のプローブカード。
  8. 前記セラミック基板の表面から放射されるα線量は、50c/cm・hr以下である請求項1〜3のいずれか1に記載のプローブカード。
  9. 前記セラミック基板の表面のJIS B 0601に基づく面粗度Rmaxは、0.01μm<Rmax<100μmである請求項1〜3のいずれか1に記載のプローブカード。
  10. 前記セラミック基板の気孔率は5%以下であり、かつ、最大気孔の気孔径が50μm以下である請求項1〜3のいずれか1に記載のプローブカード。
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