JP2002257796A - 超音波探触子の入射波調整装置及び方法 - Google Patents

超音波探触子の入射波調整装置及び方法

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JP2002257796A
JP2002257796A JP2001058390A JP2001058390A JP2002257796A JP 2002257796 A JP2002257796 A JP 2002257796A JP 2001058390 A JP2001058390 A JP 2001058390A JP 2001058390 A JP2001058390 A JP 2001058390A JP 2002257796 A JP2002257796 A JP 2002257796A
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Akitoshi Takeuchi
彰敏 竹内
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2696Wheels, Gears, Bearings

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波探触子からの入射波を一定になるよう
に調整でき、計測されるデータの信頼性を保証すること
のできる技術をすること。 【解決手段】 軸受2が支持されるハウジング1に取り
付けられる探触子3から入射波を軸受外輪22に向けて
発生させ、ハウジング1と軸受外輪22との境界位置か
らの反射波を測定することにより、軸受荷重を測定する
にあたり、入射波の大きさを調整する超音波探触子の入
射波調整装置であって、 探触子3とハウジング1の取
付面の境界に少なくともカプラントKを介在させ、境界
からの反射波の大きさを測定する超音波探傷器5と、境
界からの反射波の大きさを基準データと比較する比較手
段63cと、探触子3のハウジング1の取付面に対して
押圧力を付与する電磁石34と、反射波の大きさが基準
データに合致する方向に、電磁石34の駆動電圧(電
流)を制御する制御手段63bとを備え、 電磁石34
に対する制御により、押圧力を制御し、カプラントKの
厚みを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受が支持される
軸受ハウジングに取り付けられる超音波探触子から入射
波を前記軸受の軸受外輪に向けて発生させ、前記軸受ハ
ウジングと前記軸受外輪との境界からの反射波を測定す
ることにより、軸受荷重を測定するにあたり、前記入射
波の大きさを調整する超音波探触子の入射波調整装置及
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軸受(特に転がり軸受)は、回転する軸
を支持する機械要素として良く知られている。軸受の寿
命を知る方法として、軸受に作用する荷重を測定する方
法が考えられる。一般的に機械は運転中に振動や衝撃を
伴うことが多く、軸受に作用する荷重を知ることができ
れば、軸受の寿命(余寿命)を知ることができると考え
られる。
【0003】そこで、軸受に作用する軸受荷重を非接触
で計測する方法として、超音波探触子を用いた計測技術
が知られている。超音波探触子は、 自ら超音波を発生
し、調査対象物に反射して跳ね返ってきた反射波(エコ
ー)を受信する。具体的には、超音波探触子は軸受ハウ
ジングに取り付けられ、軸受外輪に向けて超音波を発生
し、軸受ハウジングと軸受外輪との境界からの反射波を
受信する。そして、軸受ハウジングと軸受外輪との密着
度が大きい(固体接触面積が大きい)と発せられた超音
波は境界から透過し、この透過率は上記密着度に比例す
る。
【0004】ここで軸受荷重が大きいときは、密着度が
大きくなるので超音波の透過率が大きくなる。透過率が
大きくなるということは、反射波の大きさは小さくな
る。逆に、軸受荷重が小さいときは、 反射波の大きさ
は大きくなることになる。したがって、この反射波を測
定することにより軸受荷重の大きさを推定することがで
きる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波によ
る計測は常時行うものではなく、定期的に診断するのが
通常である。また、他の計測方法(AE法=Acous
tic Emission法など)により発見された異
常現象を定量的に測定する場合に行われることもある。
したがって、超音波探触子は軸受ハウジングに対して取
り付けや取り外しがされるものである。そして、超音波
探触子を軸受ハウジングに対して取り付けた場合に、軸
受ハウジングと軸受外輪との境界に一定の大きさの超音
波(入射波)を入射する必要がある。また、計測内容に
応じて超音波探触子の軸受ハウジングに対する取り付け
位置を変えることがあるが、この場合も取り付け位置に
関わらず常に一定の大きさの超音波を入射する必要があ
る。
【0006】しかしながら、軸受ハウジングの取付面の
表面粗さ等により、入射波の大きさが常に一定になると
いう保証はない。かかる場合に、計測される反射波の大
きさに変動が生じた場合、これが軸受荷重の変動による
ものなのか、取付面の状態が変わったことによる入射波
の大きさが変動したことによるものなのかが区別できな
いことになる。そうすると、得られる計測データも信頼
性がないということになり、正確な軸受寿命の予測がで
きない。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その課題は、超音波探触子からの入射波を一定に
なるように調整でき、計測されるデータの信頼性を保証
することのできる超音波探触子の入射波調整装置及び方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係る超音波探触子の入射波調整装置は、軸受が
支持される軸受ハウジングに取り付けられる超音波探触
子から入射波を前記軸受の軸受外輪に向けて発生させ、
前記軸受ハウジングと前記軸受外輪との境界位置(超音
波探触子と軸受ハウジングとの境界との識別のため「境
界位置」と表現する。) からの反射波を測定することに
より、軸受荷重を測定するにあたり、前記入射波の大き
さを調整する超音波探触子の入射波調整装置であって、
前記超音波探触子と前記軸受ハウジングの取付面との境
界に少なくともカプラントを介在させ、前記入射波の前
記取付面からの反射波の大きさを測定する測定手段と、
前記境界からの反射波の大きさを基準データと比較する
比較手段と、前記軸受ハウジングの取付面に対する押圧
力を前記超音波探触子に付与する電磁石と、前記反射波
の大きさが前記基準データに合致する方向に、前記電磁
石の駆動電圧又は電流を制御する制御手段とを備え、前
記電磁石に対する制御により、前記押圧力を制御し、前
記カプラントの厚みを調整するように構成したことを特
徴とするものである。
【0009】この構成によると、超音波探触子と軸受ハ
ウジングの取付面の境界に少なくともカプラントを介在
している。また、超音波探触子を取付面に対して押圧力
を付与する電磁石を備えている。押圧力を変えれば、カ
プラントの膜厚が変動する。膜厚の変動により、カプラ
ント中を通過することによるエネルギーの減衰量も変わ
ってくるため、入射波の大きさを変えることができる。
【0010】そこで、超音波探触子から発せられる入射
波の境界からの反射波の大きさを測定する。上記入射波
は、一部は取付面を透過していくと共に、 一部は反射
する。そして、入射波の大きさとこの反射波の大きさと
は、比例関係があると考えられるからである。なお、超
音波の反射が起こるのは音響インピーダンスが異なる部
分である。
【0011】次に、 反射波の大きさを測定しこれを基
準データ(基準値や基準波形)と比較する。反射波の大
きさが基準データと異なるようであれば、基準データに
合致する方向に電磁石の駆動電圧又は電流を制御する。
つまり、電磁石により超音波探触子の軸受ハウジング取
付面に対する押圧力を調整する。押圧力を調整すること
でカプラントの膜厚が変動し、境界からの反射波の大き
さも変動することになる。つまり、カプラントの膜厚を
制御することにより、超音波探触子の入射波を一定にし
ようとするものである。その結果、 超音波探触子から
の入射波を一定になるように調整でき、計測されるデー
タの信頼性を保証することのできる超音波探触子の入射
波調整装置(方法)を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る入射波調整装置が用
いられている軸受荷重推定装置の構成を図面を用いて説
明する。図1は、軸受荷重推定装置の構成を示す概念図
である。
【0013】<軸受荷重推定装置の構成>軸受ハウジン
グ1の中央部に軸受2が支持されている。軸受ハウジン
グ1の周辺部を一部カットし、超音波探触子3が取り付
けられている。超音波探触子3は左側と右側にそれぞれ
1つずつ取り付けられる。軸受2は、転がり軸受であ
り、外輪20と、内輪21と、外輪20と内輪21との
間に挟持される多数個のボール22(転動体)とを備え
ている。内輪21の内径部分には回転軸4が圧入等の適
宜の方法により固定される。また、軸受外輪2の外径部
分も軸受ハウジング1に形成された孔部に密着嵌合され
る。
【0014】超音波探触子3は、取り付け面に対して垂
直な方向に横波超音波を発生する。発生した超音波は、
軸受外輪20と軸受ハウジング1との境界で反射し、そ
の反射波を受信することができるように構成されてい
る。超音波探触子3の詳細は後述する。
【0015】超音波探触子3は超音波探傷器5と接続さ
れている。超音波探傷器5には、超音波探触子3を駆動
する駆動回路や、反射波を受信するための受信回路等が
組み込まれている。また、超音波探傷器5はパソコン6
に接続されており、超音波探触子3により受信した信号
はAD変換されてパソコン6に送信される。パソコン6
には、受信した反射波の信号から軸受荷重を推定するプ
ログラムが組み込まれており、このパソコン6が軸受荷
重推定装置及び入射波調整装置として機能するように構
成されている。
【0016】<原理の説明>次に、超音波探触子3を用
いて軸受荷重を推定する方法の原理を図2により説明す
る。図2(a)は超音波探触子3の直下にボール22が
位置している状態、(b)は超音波探触子の直下にボー
ル22とボール22の間が位置している状態である。超
音波探触子3から発せられた超音波は、軸受ハウジング
1と軸受外輪20との境界に向かい、一部はその境界か
ら透過し、残りは境界で反射する。この反射波を超音波
探触子3により受信する。
【0017】そして、軸受ハウジング1と軸受外輪20
との密着度が大きい(固体接触面積が大きい)と発せら
れた超音波は境界から透過しやすくなり、この透過率は
上記密着度にほぼ比例する。図2(a)のようにボール
22が超音波探触子3の直下に位置するときは、密着度
が大きくなり反射波の大きさは小さくなる。逆に、
(b)のような状態だと密着度が小さくなるため超音波
は透過しにくくなり反射波の大きさは大きくなる。ま
た、軸受荷重が大きいときも密着度が大きくなる。
【0018】本発明において、上記反射波の大きさを定
量的に表すために、エコー高さ比と呼ばれる物理量を用
いる。エコー高さ比(H)とは、次式により定義され
る。
【0019】(式)H=(1−h/h0 )×100 hは外的な軸受荷重(図1にWで示す。)が作用してい
る時のエコー高さであり、h0 は外的な軸受荷重が作用
していない時(無負荷時)のエコー高さである。なお1
00倍しているのは%表示するためであり、これに限定
されるものではない。軸受荷重が大きいほど軸受2と軸
受ハウジング1の密着度は大きくなり、hは小さくなる
(反射波の大きさは小さくなる)ため、エコー高さ比
(H)は大きくなる。
【0020】図3は、回転軸4を回転駆動した場合の観
測例を示す図である。縦軸はエコー高さ比を示し、横軸
は時間を示す。エコー高さ比曲線は周期的な繰り返し波
形で表されるが、ボール22が超音波探触子3の直下に
来たときにエコー高さ比は最大値を示し、ボール22と
ボールの間が超音波探触子3の直下にあるときはエコー
高さ比は最小値を示す。また、軸受荷重の推定を行う場
合のエコー高さ比は、図3に示すような最大値HM 又は
平均値HB を用いる。また、Mm は最小値であるが演算
には用いない。
【0021】<超音波探触子の構成>図4は、超音波探
触子3の詳細構成を示す図である。超音波探触子3は、
超音波を発生する超音波発生部30と、反射波を受信す
るプローブ31と、超音波発生部30及びプローブ31
の下部に設けられる遅延材32と、この遅延材32の下
部に取り付けられるゴムシート33とを備えている。
【0022】また、超音波発生部30の上部には電磁石
34が取り付けられ、この電磁石34は門型の支持体3
5に支持される。支持体35の一対の先端部には磁石3
6及びウェアプレート37が取り付けられ、この磁石3
6の磁力により超音波探触子3は軸受ハウジング1の取
付面に対して取り付けられる。電磁石34は、ドライバ
7(電磁石駆動回路)により駆動され、ドライバ7はパ
ソコン6により制御される。
【0023】また、超音波探触子3と軸受ハウジング1
の取付面との間(境界)にはカプラントKを介在させて
いる。カプラントKを介在させるのは、超音波探触子3
と軸受ハウジング1の取付面との間に空気が介在する
と、超音波の伝達性が悪くなるためである。カプラント
Kの材質については公知のものを使用することができ
る。また、遅延材については好ましくはアクリルが用い
られる。ゴムシート33の厚みは0.5mm程度、カプ
ラントKの厚さhは、超音波の波長λの100分の1以
下に設定される。ゴムシート33は、軸受ハウジング1
の取付面の表面粗さになじむことができる。したがっ
て、カプラントKの膜厚を上述のように超音波の波長よ
りもかなり薄くすることができる。
【0024】仮にゴムシート33を取り付けないとする
と、取付面の表面粗さやうねりに伴うカプラント膜厚の
相違が計測データに顕著に影響する。したがって、カプ
ラント膜厚を薄くすることができない。しかし、ゴムシ
ート33を取り付けることにより、ゴムシート33が表
面粗さにフィットするためカプラント膜厚を薄くするこ
とができるのである。
【0025】軸受荷重の計測はパルス反射法により行わ
れる。図5は、パルス状の超音波を入射したときに超音
波探傷器5により観測される観測例を示す図、図6は入
射波の挙動を示す概念図である。
【0026】図6において、超音波発生部30から発せ
られた入射波は遅延材32の中を伝達し、さらにゴムシ
ート33、カプラントKの中を伝わって軸受ハウジング
1の中を伝わっていく。軸受ハウジング1内の入射波
は、軸受外輪との境界に到達すると、この境界部分の密
着度に応じて、一部は透過し、残りは反射波となってプ
ローブ31の方向に向かう。
【0027】また、遅延材32に入射された入射波は、
超音波探触子3と軸受ハウジング1の取付面との境界で
も反射する。この反射波音響インピーダンスの異なる境
界で起こる。反射波は遅延材32内を逆方向に戻り、そ
の一部はそのままプローブ31に受信される第1反射波
となる。この第1反射波は、遅延材32とゴムシート3
3の境界面からの反射波と、ゴムシート内で生じる多重
反射波、カプラント膜内での多重反射波とが重畳された
ものになる。すなわち、超音波探触子3と軸受ハウジン
グ1の取付面との境界とは、これらの反射が起こり得る
すべての個所を含むものである。) 反射波のうちプローブ31で受信されるものの残りは、
遅延材32の上端部と上記境界部分での反射を繰り返す
ことにより、第2反射波、第3反射波、第4反射波・・
・として計測される。これら第2・第3・第4反射波に
ついても第1反射波と同様に色々な反射波が重畳された
ものとして計測される。
【0028】図5に示すように、第1反射波が時間的に
最も早く計測され、電圧レベルも最も大きい。また、第
4反射波と、軸受ハウジング1と軸受外輪との境界から
の反射波(軸受荷重を計測するための反射波であり、以
下、裏面反射波という。)とがほぼ隣接した状態で観測
されている。なお、軸受荷重の推定を行うためには、裏
面反射波と第1・第2・第3・第4反射波・・・とは重
ならない状態が好ましい。裏面反射波のみを取り出すこ
とができるからである。裏面反射波のみを他の反射波と
分離して取り出すためには、超音波探触子3から発せら
れる超音波の周波数や遅延材32の厚みや材質により調
整することができる。
【0029】<軸受荷重推定装置の主要部の構成>次
に、軸受荷重推定装置として機能するパソコン6の主要
部の構成を図7に示す。
【0030】パソコン6は、表示装置60と、CPU6
1と、RAM62を有している。また、軸受荷重推定プ
ログラムが格納されているプログラムファイル63と、
データファイル64とを有している。これらはデータバ
スを介して接続されている。軸受荷重推定プログラム
は、パソコン6にエコー高さ比算出手段63a、比較手
段63b、制御手段63c等の機能を実現させるための
プログラムが格納されている。このプログラムは、RA
M62に読み込まれた状態で実行される。また、このプ
ログラムはCD−ROMやフロッピー(登録商標)ディ
スク等の記録媒体を用いてパソコン本体内にインストー
ルすることができる。
【0031】エコー高さ比算出手段63aの機能につい
ては前述したとおりである。また、比較手段63bと制
御手段63cの機能については後述する。
【0032】データファイル64には、軸受荷重をゼロ
に設定したときに得られたエコー高さ(h0 )のデータ
がエコー高さデータファイル64aとして書き込まれて
いる。
【0033】<入射波の調整>ところで、超音波による
軸受荷重の計測は常時行うものではなく、定期的に診断
するのが通常である。また、他の計測方法(AE法=A
coustic Emission法など)により発見
された異常現象を定量的に測定する場合に行われること
もある。したがって、超音波探触子3は軸受ハウジング
1に対して取り付けや取り外しがされるものである。そ
して、超音波探触子3を軸受ハウジング1に対して取り
付けた場合に、軸受ハウジング1と軸受外輪22との境
界に一定の大きさの超音波を入射する必要がある。ま
た、計測内容に応じて超音波探触子3の軸受ハウジング
1に対する取り付け位置を変えることがあるが、この場
合も取り付け位置に関わらず常に一定の大きさの超音波
を入射する必要がある。
【0034】しかしながら、軸受ハウジング1の取付面
の表面粗さ等により、入射波の大きさが常に一定になる
という保証はない。かかる場合に、計測される反射波の
大きさに変動が生じた場合、これが軸受荷重の変動によ
るものなのか、取付面の状態が変わったことによる入射
波の大きさが変動したことによるものなのかが区別でき
ないことになる。そうすると、得られる計測データも信
頼性がないということになり、正確な軸受寿命の予測が
できない。
【0035】そこで、超音波探触子3の取り付け状態や
取り付け位置の変更に関わらず、入射波の大きさを一定
にできる技術が必要となる。そこで本発明においては、
超音波探触子3の取付面に対する押圧力を制御すること
により、カプラント膜厚を制御できるようにしている。
カプラント膜厚を変えることにより、1次反射波(N次
反射波も同様)の大きさを変えることができる。既に説
明したように、電磁石34を設けており、この電磁石3
4に対する駆動電圧や駆動電流を制御することで押圧力
を変えることができる。例えば、押圧力を大きくすれ
ば、カプラント膜厚を小さくすることができる。
【0036】そこで、まずパルス状の超音波を入射させ
る。そのときに得られる反射波は図5に示される通りで
ある。この反射波のうち3次反射波を超音波探傷器5
(測定手段に相当する。)により測定する。このデータ
はパソコン6に送られる。入射波の調整にあたり基準と
すべき反射波は、理論的には第1・第2・第3・第4反
射波のいずれを利用してもよいが、図5に示す観測例の
場合は第3反射波が好ましい。
【0037】すなわち、第3反射波は時間的に裏面反射
波の直前に観測される反射波であり、裏面反射波のエコ
ー高さとレベルが近い。そこで、第3反射波のエコー高
さ(音圧振幅)を100%近くに設定することにより、
裏面反射波のエコー高さも大きくなり、精度の良い観測
を行うことができる。仮に第1反射波を基準反射波と設
定した場合は、第1反射波のエコー高さが裏面反射波に
比べてレベルが高いため、裏面反射波のエコー高さが小
さく設定されることになり計測誤差が大きくなってしま
う。
【0038】そして比較手段63bの機能により、第3
反射波の大きさ又は波形を基準データと比較する。基準
データは、基準データファイル64bとして格納されて
いる。第3反射波の大きさ又は波形が基準データと同じ
であれば、改めて調整の必要はなく、軸受荷重の計測を
行うことができる。反射波の大きさ又は波形が基準デー
タと異なっている場合は、基準データと同じ大きさにな
るようにする。そのため、制御手段63cの機能によ
り、パソコン6からドライバ7に対して指令を与え、電
磁石34の駆動電圧又は電流を制御することで、押圧力
を変え、これにより、カプラントの膜厚を制御すること
で反射波の大きさ又は波形が基準データになるように調
整する。
【0039】なお、駆動電圧又は電流と第3反射波のエ
コー高さ(又は波形データ)との関係を求めておき、関
係式データファイル64cとして格納しておく。この関
係式から制御すべき駆動電圧又は電流の大きさを演算す
ることができる。
【0040】<別実施形態> (1)本発明が適用される軸受は特定の構造の軸受に限
定されるものではない。例えば,通常の玉軸受だけでな
くアンギュラ玉軸受にも応用することができる。例え
ば、ボールは単列ではなく複列の場合にも応用すること
ができる。
【0041】(2)本実施形態では、軸受荷重推定プロ
グラムについてのみ説明しているが、このプログラムが
他の目的のプログラムと一体になっていても良い。例え
ば、軸受予荷重を測定するプログラムと一体になってい
てもよい。例えば、左右の超音波探触子3から得られる
データから偏荷重を得ることができるので、かかる機能
を有するプログラムと一体になっていても良い。さらに
別の機能を有するプログラムと一体になっていても良
い。もちろん、このプログラムが記録される記録媒体に
ついても同様である。
【0042】(3)超音波探触子3については図1の構
造に限定されるものではなく、図6に示すような斜角探
触子3’を用いても良い。斜角探触子3’は、軸受ハウ
ジング1の外周部ではなく正面部(回転軸に直交する面
内)に取り付けられる。斜角探触子3’から発せられる
超音波は角度θをもって軸受ハウジング1と軸受外輪2
0の境界に到達し、一部は透過し一部は斜角探触子3に
向かって反射される。この取り付け構成の利点は、軸受
ハウジング1に機械加工を施さなくて済む点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸受荷重推定装置の構成を示す概念図
【図2】軸受荷重を推定する方法の原理を説明する図
【図3】観測例を示す図
【図4】超音波探触子の詳細構成を示す図
【図5】超音波探傷器により観測される観測例を示す図
【図6】入射波の挙動を示す概念図
【図7】軸受荷重推定装置の主要部の構成を示す図
【図8】斜角探触子の構成を示す図
【符号の説明】
1 軸受ハウジング 2 軸受 3 超音波探触子 5 超音波探傷器 6 パソコン 7 ドライバ 34 電磁石 63b 制御手段 63c 比較手段 64b 基準データファイル 64c 関係式データファイル K カプラント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F051 AB04 AC07 BA07 2G024 AC02 BA12 CA13 CA30 DA12 DA30 FA02 FA06 FA15 2G047 AC08 BA03 BC00 GA05 GE03 GG33 5D019 BB17 EE01 FF05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受が支持される軸受ハウジングに取り
    付けられる超音波探触子から入射波を前記軸受の軸受外
    輪に向けて発生させ、前記軸受ハウジングと前記軸受外
    輪との境界位置からの反射波を測定することにより、軸
    受荷重を測定するにあたり、前記入射波の大きさを調整
    する超音波探触子の入射波調整装置であって、 前記超音波探触子と前記軸受ハウジングの取付面との境
    界に少なくともカプラントを介在させ、前記入射波の前
    記境界からの反射波の大きさを測定する測定手段と、 前記境界からの反射波の大きさを基準データと比較する
    比較手段と、 前記軸受ハウジングの取付面に対する押圧力を前記超音
    波探触子に付与する電磁石と、 前記反射波の大きさが前記基準データに合致する方向
    に、前記電磁石の駆動電圧又は電流を制御する制御手段
    とを備え、 前記電磁石に対する制御により、前記押圧力を制御し、
    前記カプラントの厚みを調整するように構成したことを
    特徴とする超音波探触子の入射波調整装置。
  2. 【請求項2】 軸受が支持される軸受ハウジングに取り
    付けられる超音波探触子から入射波を前記軸受の軸受外
    輪に向けて発生させ、前記軸受ハウジングと前記軸受外
    輪との境界位置からの反射波を測定することにより、軸
    受荷重を測定するにあたり、前記入射波の大きさを調整
    する超音波探触子の入射波調整方法であって、 前記超音波探触子と前記軸受ハウジングの取付面との境
    界に少なくともカプラントを介在させ、前記入射波の前
    記境界からの反射波の大きさを測定するステップと、 前記境界からの反射波の大きさを基準データと比較する
    ステップと、 前記軸受ハウジングの取付面に対する押圧力を前記超音
    波探触子に付与する電磁石を備えており、 前記反射波
    の大きさが前記基準データに合致する方向に、 前記電磁石の駆動電圧又は電流を制御するステップとを
    備え、 前記電磁石に対する制御により、前記押圧力を制御し、
    前記カプラントの厚みを調整するように構成したことを
    特徴とする超音波探触子の入射波調整方法。
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