JP3905235B2 - 摩擦力試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷重検出器を備えてなる摩擦力試験装置、例えば、回転駆動されるディスク媒体である磁気ディスクと、その表面と対向する位置に配設された摺動部材であるスライダ、つまり、磁気ヘッドを搭載したスライダとの間で発生する摩擦力を測定するための摩擦力試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータ等の記録媒体としては磁気ディスク装置が広く用いられており、その多くにはコンタクト・スタート・ストップ方式(CSS方式)といわれる起動停止方式が採用されている。そして、このCSS方式においては、磁気ディスクが回転停止している状態下では磁気ディスクの表面と固体接触していたスライダが磁気ディスクの回転数が高まるのに伴って徐々に浮上し、磁気ディスクと磁気ヘッドとの間で記録再生が行われる一定の回転数、例えば、5400rpmの回転数に達したときには、スライダが磁気ディスクの表面から完全に浮上しているようにされる。さらに、この磁気ディスク及びスライダの耐久性に関する評価は、磁気ディスクの起動及び停止を数万回以上にわたって繰り返し、起動停止時の磁気ディスクとスライダとの固体接触による摩擦力を測定する試験、いわゆるCSS試験に基づいて行われる。
【0003】
ところで、CSS試験は摩擦力試験装置、例えば、特開平5−288670号公報で開示されているような摩擦力試験装置を使用して行われることになっており、摩擦力試験装置は図15で示すような構成を有している。すなわち、この図15における符号101はディスク媒体、例えば、磁気ディスク装置で用いられる磁気ディスクとしてのディスク媒体、102は回転駆動装置であり、支持軸103でもって支持されたディスク媒体101はその外周面に接する伝達ローラ104を介したうえで回転駆動装置102によって回転駆動させられる。
【0004】
そして、図中の符号105は摺動部材、つまり、ディスク媒体101の表面と対向する位置に配設されたスライダとしての摺動部材、106は支持アーム、107は荷重検出器であり、摺動部材105を一端側で支持する支持アーム106の他端側に配設された荷重検出器107は、ディスク媒体101及び摺動部材105間で発生する摩擦力を検出している。また、図中の符号108はアンプ、109は回転数制御手段、110はコンピュータとしての計算処理手段を示しており、アンプ108は荷重検出器107の出力を増幅し、回転数制御手段109は回転駆動装置102を介してディスク媒体101の回転数を制御する一方、計算処理手段110は回転数制御手段109を制御するとともに、荷重検出器107でもって検出される摩擦力を記録するものとなっている。
【0005】
さらに、図16で示すように、荷重検出器107は剛体からなる直方体ブロック121を具備しており、この直方体ブロック121は、ディスク媒体101の回転方向の接線方向(第1の方向)と合致する座標軸Xに沿った側面A,Bと、回転方向の法線方向(第2の方向)と合致する座標軸Yに沿った側面C,Dとを有している。なお、図中の座標軸Zは、座標軸X,Yのいずれとも直交する方向(第3の方向)を示している。
【0006】
そして、この直方体ブロック121には、座標軸Yに沿いながら側面A,B間を貫通する断面視略楕円形状の貫通孔122,123が空隙部124を介したうえで上下に形成されており、貫通孔122を挟んで対向する薄肉部122f,122f′によっては第1の平行平板構造が構成される一方、貫通孔123を挟んで対向する薄肉部123f,123f′によっては第2の平行平板構造が構成されている。また、この直方体ブロック121の側面C,D上、つまり、薄肉部122f,122f′,123f,123f′それぞれの外面上には、歪み検出用素子である歪みゲージS131,S132,S133,S134が貼着されており、これらの歪みゲージS131,S132,S133,S134は図17で示すようなホイートストンブリッジ回路を構成している。
【0007】
次に、摩擦力試験装置を使用して実行されるCSS試験の説明を行う。まず、荷重検出器107が備える直方体ブロック121に対して座標軸Xと合致する方向の力成分Fxが摩擦力として作用すると、直方体ブロック121に形成された薄肉部122f,123f’の外面側には圧縮歪みが発生する一方、薄肉部122f’,123fの外面側には伸張歪みが発生するので、直方体ブロック121は図18で例示するような変形をきたすことになる。そして、歪みゲージS131,S132,S133,S134でもって構成されたホイートストンブリッジ回路からは、作用した力成分Fxに見合う測定出力が得られる。従って、ディスク媒体101の起動及び停止を繰り返しながらディスク媒体101及び摺動部材105間で発生する摩擦力を測定すれば、摩擦力の変化状態からディスク媒体101及び摺動部材105の耐久性を評価することが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、摩擦力試験装置を構成する荷重検出器107の直方体ブロック121に対して座標軸Zと合致する方向の力成分Fzが作用した際には、直方体ブロック121に形成された薄肉部122f,122f’,123f,123f’全ての外面側に伸張歪みが発生するので、直方体ブロック121は図19で示すような変形をきたすことになる。そして、この変形による力成分Fzに伴う歪みゲージS131,S132,S133,S134からの出力は、図17で示すホイートストンブリッジ回路によりキャンセルされる。
【0009】
しかしながら、実際の使用時における直方体ブロック121に対して力成分Fx,Fzが同時的に作用している場合、力成分Fxによって図18で示すような変形をきたしたところに力成分Fzが作用することになる。この場合、力成分Fzは、薄肉部122f,123f’の外面側には圧縮歪みとして作用し、薄肉部122f’,123fの外面側には伸張歪みとして作用する。つまり、すべての薄肉部122f,122f’,123f,123f’において、力成分Fzは力成分Fxと同方向の歪みを発生させることになり、図17で示すホイートストンブリッジ回路では、座標軸Xと合致する方向に沿って作用する力成分Fxと、座標軸Zと合致する方向に沿って作用する力成分Fzとを分離したうえでの高精度な検出を行うことができ難くなる。
【0010】
さらにまた、最近では、ディスク媒体101及び摺動部材105の耐久性向上を実現する観点から、ディスク媒体101の表面に対する摺動部材105の固体接触力を低減することが図られているため、検出される摩擦力の値も小さくなっている。ところが、検出される摩擦力の値が小さくなってくると、ディスク媒体101及び摺動部材105の固体接触による摩擦力に比べて微小であるために従来は考慮されていなかった空気粘性摩擦力、つまり、ディスク媒体101の回転駆動に伴って発生する空気流の影響による摩擦力が相対的に増大し、この空気粘性摩擦力を無視することができなくなる。そして、荷重検出器107でもって検出される摩擦力から空気粘性摩擦力の影響を排除しなければ、ディスク媒体101及び摺動部材105間の固体接触力によって発生する摩擦力を正確には測定できないことになってしまう。
【0011】
本発明はこのような不都合に鑑みて創案されたものであって、力成分を作用方向ごとに分離することが可能であり、かつ、空気粘性摩擦力の影響を排除することも可能な構成とされた摩擦力試験装置の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る摩擦力試験装置は、このような目的を達成するため、回転駆動されるディスク媒体と、該ディスク媒体の表面と対向する位置に配設された摺動部材との間で発生する摩擦力を検出する荷重検出器が、前記ディスク媒体の回転方向の法線方向に沿う2つの貫通孔が形成された直方体ブロックと、前記貫通孔を挟んで対向する前記直方体ブロックの4つの薄肉部それぞれの外面上に貼着された4つの歪み検出用素子とを具備したものであり、前記ディスク媒体の表面に対する前記摺動部材の押し付け方向の力成分をキャンセル可能に前記4つの歪検出用素子がホイートストンブリッジを構成するように接続されており、前記薄肉部のそれぞれは前記直方体ブロックの外方または内方へと向かって湾曲していることを特徴としている。この発明によれば、作用方向の異なる力成分が同時に作用している場合であっても力成分を作用方向ごとに分離することが可能となるため、高精度の摩擦力検出を行うことができるという利点が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に係る摩擦力試験装置は、回転駆動されるディスク媒体と、該ディスク媒体の表面と対向する位置に配設された摺動部材と、該摺動部材を一端側で支持する支持アームの他端側に配設され、かつ、前記ディスク媒体及び摺動部材間で発生する摩擦力を検出する荷重検出器と、計算処理手段とを備えてなるものであって、前記荷重検出器は、前記ディスク媒体の回転方向の法線方向に沿う2つの貫通孔が形成された直方体ブロックと、前記貫通孔を挟んで対向する前記直方体ブロックの4つの薄肉部それぞれの外面上に貼着された4つの歪み検出用素子とを具備したものであり、前記ディスク媒体の表面に対する前記摺動部材の押し付け方向の力成分をキャンセル可能に前記4つの歪検出用素子がホイートストンブリッジを構成するように接続されており、前記薄肉部のそれぞれは前記直方体ブロックの外方または内方へと向かって湾曲していることを特徴とする。この構成を採用した際には、直方体ブロックに作用する力成分を分離したうえで検出し得るという作用が確保される。
【0015】
本発明の請求項に係る摩擦力試験装置は、請求項に記載したものであって、歪み検出用素子である歪みゲージは、直方体ブロックの薄肉部の外面上に貼着されるベースフィルムと、該ベースフィルムと一体化された歪み検出部とを具備したものであり、前記ベースフィルムの前記薄肉部の対向方向及び前記貫通孔の貫通方向のいずれとも直交する第3の方向における長さは、前記直方体ブロックに形成された貫通孔の前記第3の方向における幅よりも長く設定されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項に係る摩擦力試験装置は、請求項に記載した摩擦力試験装置であって、歪み検出用素子である歪みゲージは、直方体ブロックの薄肉部の外面上に貼着されるベースフィルムと、該ベースフィルムと一体化された歪み検出部と、該歪み検出部に通電するリード線とを具備したものであり、該リード線と前記歪み検出部との接続端子部は、前記直方体ブロックに形成されて前記薄肉部同士間に介在する剛体部分の外面上に配置されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項に係る摩擦力試験装置は、請求項1ないしのいずれかに記載した摩擦力試験装置であって、計算処理手段は、ディスク媒体及び摺動部材間の相対速度と前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気粘性摩擦力との相関関係を示す関係式が内蔵されており、かつ、該関係式に従って算出された前記空気粘性摩擦力を荷重検出器で検出される摩擦力から分離するものであることを特徴とする。この構成を採用した際には、荷重検出器でもって測定される摩擦力から空気粘性摩擦力の影響が排除されていることになり、ディスク媒体及び摺動部材間の固体接触力によって発生する摩擦力が正確に検出されるという作用が確保される。
【0018】
本発明の請求項に係る摩擦力試験装置は、請求項に記載した摩擦力試験装置であり、ディスク媒体及び摺動部材間の相対速度と前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気粘性摩擦力との相関関係を示す関係式は、回転停止しているディスク媒体の表面から摺動部材が十分に離間している際の荷重検出器で検出される摩擦力と、前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気流の影響を受けて前記摺動部材がディスク媒体の表面から完全に浮上している際の前記荷重検出器で検出される摩擦力とに基づいて導出されたものであることを特徴とする。
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は本発明に係る摩擦力試験装置を簡略化して示す全体構成図、図2は実施の形態1に係る荷重検出器を示す外観斜視図であり、図3は実施の形態1に係る歪み検出用素子である歪みゲージによって構成されるホイートストンブリッジ回路を示す説明図である。
【0022】
実施の形態1に係る摩擦力試験装置は、図1で示すように、磁気ディスク装置で用いられる磁気ディスク等であるディスク媒体1と、このディスク媒体1を回転駆動するスピンドルモータ2と、ディスク媒体1の表面と対向する位置に配設された摺動部材、例えば、磁気ヘッドを搭載したスライダである摺動部材3とを備えている。そして、摺動部材3を一端側で支持する支持アーム4の他端側には荷重検出器5が配設されており、この荷重検出器5はディスク媒体1及び摺動部材3間で発生する摩擦力を検出することになっている。また、荷重検出器5の出力はアンプ6で増幅されることになっており、この際におけるアンプ6は、荷重検出器5が具備する歪み検出用素子であるところの歪みゲージでホイートストンブリッジ回路を構成するブリッジボックスと、動歪み測定器とを具備している。
【0023】
さらに、図1中の符号7は回転数制御手段、8は回転数検出手段、9は計算処理手段であり、回転数制御手段7はスピンドルモータ2を介してディスク媒体1の回転数を制御し、回転数検出手段8はスピンドルモータ2の回転数を検出するものである。一方、計算処理手段9は、回転数制御手段7を制御するとともに、荷重検出器5でもって検出される摩擦力を記録するコンピュータであり、具体的には、回転数検出手段8で検出される回転数からディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度を演算して算出し、かつ、荷重検出器5でもって検出される摩擦力とディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度との相関関係等を演算するものとなっている。
【0024】
次に、図2を参照しながら荷重検出器5の構成を説明する。ここでの荷重検出器5は、好ましくはアルミニウム等の金属材料である剛体からなる直方体ブロック11を具備して構成されたものであり、この直方体ブロック11は、ディスク媒体1の回転方向の接線方向、つまり、摩擦力試験時のディスク媒体1と摺動部材3との間で発生する摩擦力の作用方向(第1の方向)と合致する座標軸Xに沿った側面A,Bと、回転方向の法線方向(第2の方向)と合致する座標軸Yに沿った側面C,Dとを有している。なお、図中の座標軸Zは、座標軸X,Yのいずれとも直交する方向、つまり、ディスク媒体1の表面に対する摺動部材3の押しつけ方向(第3の方向)を示している。そして、直方体ブロック11には、座標軸Yに沿いながら側面A,B間を貫通する断面視略楕円形状の貫通孔12,13が空隙部14を介したうえでの上下位置に形成されており、貫通孔12を挟んで対向しあう薄肉部12f,12f′によっては第1の平行平板構造が構成される一方、貫通孔13を挟んで対向する薄肉部13f,13f′によっては第2の平行平板構造が構成されている。
【0025】
また、この際における薄肉部12f,12f′,13f,13f′それぞれの肉厚は0.1mmであり、これら薄肉部12f,12f′,13f,13f′は直方体ブロック11の外方へと向かって湾曲した形状を有している。すなわち、この直方体ブロック11を製作する際には、まずもって側面A,B,C,Dそれぞれの平面を確保したうえでのワイヤカット放電加工によって貫通孔12,13が形成されるため、加工歪みによって薄肉部12f,12f′,13f,13f′のそれぞれが数μmから十数μm程度の範囲にわたって湾曲することになる。さらに、この直方体ブロック11の側面C,D上、つまり、薄肉部12f,12f′,13f,13f′それぞれの外面上には、歪み検出用素子である歪みゲージS21,S22,S23,S24が貼着されており、これらの歪みゲージS21,S22,S23,S24は図3で示すようなホイートストンブリッジ回路を構成している。
【0026】
なお、本実施の形態では、直方体ブロック11に2つの貫通孔12,13を形成するとしているが、このような構成に限定されることはないのであり、貫通孔の個数が1つや3つ以上であってもよい。また、本実施の形態においては、薄肉部12f,12f′,13f,13f′のそれぞれが直方体ブロック11の外方へと向かって湾曲した形状を有するとしているが、これらの薄肉部12f,12f′,13f,13f′が直方体ブロック11の内方へと向かって湾曲した形状であってもよいことは勿論である。
【0027】
引き続き、CSS試験時における摩擦力試験装置の動作を説明する。まず、ディスク媒体1の表面に対して摺動部材3を30mNの押しつけ荷重で押圧し、ディスク媒体1をスピンドルモータ2によって回転させると、ディスク媒体1が回転駆動するのに従ってディスク媒体1及び摺動部材3間には固体接触に伴う大きな摩擦力、つまり、座標軸Xと合致する方向の力成分Fxが作用する。そして、ディスク媒体1の回転数が大きくなってくると、ディスク媒体1の回転駆動に伴って空気流が発生するため、摺動部材3はディスク媒体1の表面上から浮上することになり、力成分Fxは小さくなる。
【0028】
そのため、荷重検出器5が具備している直方体ブロック11の薄肉部12f,12f′,13f,13f′のそれぞれにはディスク媒体1と摺動部材3との間で発生する力成分Fxに比例した歪みが発生し、歪みゲージS21,S22,S23,S24でもって構成されたホイートストンブリッジ回路からは力成分Fxに見合った測定出力が得られることになり、この測定出力は計算処理手段9に対して伝達される。なお、この際におけるスピンドルモータ2は、計算処理手段9で制御される回転数制御手段7から出力されてくるモータクロック信号によって1rpmから20000rpmの間で変速回転可能である一方、このスピンドルモータ2の回転数は、内蔵されたロータリーエンコーダから出力されてくる矩形パルスをカウントする回転数検出手段8から計算処理手段9へと伝達されることになっている。
【0029】
ところで、この種の荷重検出器5に必要とされる力成分Fx(摩擦力)の測定範囲は100mN程度までであり、この程度である限りは、荷重検出器5が具備している直方体ブロック11の薄肉部12f,12f′,13f,13f′における歪みによる変形量は1μm程度となる。そして、本実施の形態においては、薄肉部12f,12f′,13f,13f′のそれぞれを当初から1μm程度だけ湾曲させているから、力成分Fxが作用している状態下で座標軸Zと合致する方向の力成分Fzが同時的に作用しても、薄肉部12f,12f’,13f,13f’のそれぞれの外面側では伸張歪みが発生することになり、その結果として歪みゲージS21,S22,S23,S24でもって構成されたホイートストンブリッジ回路からは、力成分Fzがキャンセルされた力成分Fxのみに見合った測定出力が得られる。
【0030】
(実施の形態2)
図4は実施の形態2に係る荷重検出器を示す外観斜視図であり、図5は実施の形態2に係る歪みゲージによって構成されるホイートストンブリッジ回路を示す説明図である。そして、図6は、歪みゲージの出力及び周波数の分析結果を示す説明図である。
【0031】
本実施の形態2に係る摩擦力試験装置は、図1で示したのと同様、ディスク媒体1と、スピンドルモータ2と、摺動部材3と、支持アーム4と、荷重検出器5と、アンプ6と、回転数制御手段7と、回転数検出手段8と、コンピュータである計算処理手段9とを備えており、荷重検出器5は図4で示すような構成とされている。すなわち、この荷重検出器5は、剛体からなる直方体ブロック31を具備して構成されたものであり、直方体ブロック31は、ディスク媒体1の回転方向の接線方向(第1の方向)と合致する座標軸Xに沿った側面A,Bと、その回転方向の法線方向(第2の方向)と合致する座標軸Yに沿った側面C,Dとを有している。
【0032】
そして、直方体ブロック31には、座標軸Yに沿いながら側面A,B間を貫通する断面視略楕円形状の貫通孔35,36が空隙部37を介したうえでの上下位置に形成されており、貫通孔35を挟んで対向し、かつ、肉厚が0.1mm程度とされた薄肉部35f,35f′によっては第1の平行平板構造が構成される一方、貫通孔36を挟んで対向し、かつ、肉厚が0.1mm程度とされた薄肉部36f,36f′によっては第2の平行平板構造が構成されている。
【0033】
また、直方体ブロック11の側面C,D上、つまり、薄肉部36f,36f′それぞれの外面上には、歪み検出用素子である一対ずつの歪みゲージS41,S42,S43,S44が貼着されており、歪みゲージS41,S42,S43,S44を用いて構成された図5のホイートストンブリッジ回路からは、座標軸Xに沿って作用する力成分Fx等のような摩擦力が検出されることになっている。なお、図中の符号32,33,33′,34のそれぞれは直方体ブロック31における剛体部分を示しており、座標軸Zは座標軸X,Yのいずれとも直交する方向(第3の方向)を示している。
【0034】
ところで、図6(a)は薄肉部35f,35f’に歪みゲージを貼着した際における出力及び周波数の分析結果、また、図6(b)は薄肉部36f,36f’に歪みゲージを貼着した際における出力及び周波数の分析結果を示しており、これらを比較すると、薄肉部36f,36f’に貼着された歪みゲージよりも薄肉部35f,35f’に貼着された歪みゲージにおける共振点の方が低いことが分かる。すなわち、この際においては、薄肉部35f,35f’の先端質量(剛体部分33,33’,34の質量の和)と薄肉部36f,36f’の先端質量(剛体部分34の質量)とが異なるため、薄肉部35f,35f’に貼着された歪みゲージの共振点が1.7kHzであるのに対し、薄肉部36f,36f’に貼着された歪みゲージの共振点が2.5kHzとなっている。
【0035】
従って、本実施の形態に係る荷重検出器5が具備する直方体ブロック11に形成された薄肉部35f,35f’,36f,36f′それぞれの外面上に歪みゲージS41,S42,S43,S44を貼着し、これらの歪みゲージS41,S42,S43,S44によってホイートストンブリッジ回路を構成すると、摩擦力を検出し得る測定帯域が薄肉部35f,35f’に貼着された歪みゲージの共振点以下にまで制限されることになる。しかしながら、本実施の形態では、薄肉部36f,36f′の外面上のみに歪みゲージS41,S42,S43,S44を貼着し、これらの歪みゲージS41,S42,S43,S44によってホイートストンブリッジ回路を構成しているので、直方体ブロック31の構成を従来の形態と同様としながらも摩擦力の測定帯域を拡大し得ることになる。
【0037】
(実施の形態3)
図7は実施の形態3に係る荷重検出器を示す外観斜視図、図8は歪みゲージの取着部近傍を拡大して示す平面図であり、図9は直方体ブロックの薄肉部における応力分布状態を示す説明図である。なお、本実施の形態に係る摩擦力試験装置及び荷重検出器それぞれの構成は実施の形態2と基本的に異ならないので、ここでの詳しい説明は省略することとし、図7において図4と同一の部品及び部分には同一符号を付している。
【0038】
実施の形態3に係る荷重検出器5は剛体からなる直方体ブロック31を具備しており、この直方体ブロック31は、座標軸Xに沿った側面A,Bと、座標軸Yに沿った側面C,Dとを有している。そして、直方体ブロック31には、座標軸Yに沿いながら側面A,B間を貫通する断面視略楕円形状の貫通孔35,36が空隙部37を介したうえで形成されており、貫通孔35を挟んで対向する薄肉部35f,35f′によっては第1の平行平板構造が構成される一方、貫通孔36を挟んで対向する薄肉部36f,36f′によっては第2の平行平板構造が構成されている。また、この直方体ブロック31における薄肉部36f,36f′それぞれの外面上には歪みゲージS51,S52,S53,S54の一対ずつが貼着されており、これらの歪みゲージS51,S52,S53,S54によってはホイートストンブリッジ回路が構成されている。
【0039】
さらに、歪みゲージS51,S52,S53,S54の各々は、図8(a)で示すように、薄肉部36f,36f′それぞれの外面上に貼着されるベースフィルム55と、このベースフィルム55と一体化された歪み検出部56とを具備したものであり、この際におけるベースフィルム55の座標軸Zに沿った長さは直方体ブロック31に形成された貫通孔36の座標軸Zに沿った幅よりも長く設定されている。すなわち、図8(a)中の符号A,B,Cそれぞれは、貫通孔36の上縁位置,中心位置,下縁位置に対応するようにして直方体ブロック31の側面C,D上に設定された仮想線を示しており、仮想線A,B,Cそれぞれ同士の離間間隔は1mm程度であることになっている。
【0040】
そして、これら歪みゲージS51,S52,S53,S54の各々は、その歪み検出部56が仮想線B、つまり、貫通孔36を挟んで対向する薄肉部36f,36f′それぞれの最薄肉厚部と合致する仮想線B上に位置し、かつ、そのベースフィルム55が仮想線A,B,Cの全てに跨がるように位置決めしたうえで貼着されている。なお、図8(b)は、歪みゲージS51,S52,S53,S54が具備するベースフィルム55の座標軸Zに沿った長さが短いため、このベースフィルム55が仮想線Bのみに跨がって貼着された状態を示しており、ここでは仮想線Bからベースフィルム55の上縁端部及び下縁端部に至るまでの長さが0.5mm程度とされている。
【0041】
ところで、図9は摩擦力である力成分Fxが作用した際における直方体ブロック31の薄肉部36fに生じる応力の分布状態を示しており、図9(a)は図8(a)の取着状態、また、図9(b)は図8(b)の取着状態に対応している。そして、これらの図9(a),(b)によれば、歪みゲージS51,S52,S53,S54の各々を構成するベースフィルム55の長さが貫通孔36の幅よりも長い場合には、最薄肉厚部である貫通孔36の中心位置と対応している仮想線B上にのみ応力が集中するのに対し、ベースフィルム55の長さが貫通孔36の幅よりも短い場合には、仮想線B上のみならず、ベースフィルム55の上縁端部及び下縁端部と対応する位置にも応力が集中していることが分かる。さらに、図9(a),(b)を比較してみると、仮想線B上での応力は図8(b)の取着状態よりも図8(a)の取着状態の方が大きいことも確認される。
【0042】
すなわち、本実施の形態によると、歪みゲージS51,S52,S53,S54のそれぞれが、薄肉部36f,36f′の外面上に貼着されるベースフィルム55と、ベースフィルム55と一体化された歪み検出部56とを具備したものとし、かつ、ベースフィルム55の座標軸Zに沿った長さを貫通孔36の幅端部を越えるまで長くしたうえで取着しておけば、ベースフィルム55の上縁端部及び下縁端部と対応する位置に応力を集中させることなく、貫通孔36の中心位置と対応している仮想線B上でのみ大きな応力を得ることが可能となる。従って、直方体ブロック31の形状を何ら変更することなく、歪み検出部56で検出される歪み量を大きくし得ることとなり、いいかえれば荷重検出器5の測定分解能を高くすることができるという利点が確保される。
【0043】
(実施の形態4)
図10は実施の形態4に係る荷重検出器を示す外観斜視図、図11は歪みゲージの取着部近傍を拡大して示す平面図であり、図12は直方体ブロックの薄肉部における応力分布状態を示す説明図である。なお、本実施の形態に係る摩擦力試験装置及び荷重検出器それぞれの構成は実施の形態2,3と基本的に異ならないので、ここでの詳しい説明は省略することとし、図10において図4,図7と同一の部品及び部分には同一符号を付している。
【0044】
実施の形態4に係る荷重検出器5は剛体からなる直方体ブロック31を具備しており、この直方体ブロック31には、座標軸Yに沿いながら側面A,B間を貫通する断面視略楕円形状の貫通孔35,36が空隙部37を介したうえで形成されている。そして、貫通孔35を挟んで対向し、肉厚が0.1mm程度とされた薄肉部35f,35f′によっては第1の平行平板構造が構成される一方、貫通孔36を挟んで対向し、かつ、肉厚が0.1mm程度とされた薄肉部36f,36f′によっては第2の平行平板構造が構成されており、薄肉部35f,36f及び35f′,36f′のそれぞれ同士間には厚肉の剛体部分33,33′が介在している。また、この際における直方体ブロック31の座標軸Yに沿った側面C,D上、つまり、薄肉部36f,36f′それぞれの外面上には歪みゲージS61,S62,S63,S64の一対ずつが貼着されている。
【0045】
そして、歪みゲージS61,S62,S63,S64の各々は、図11(a)で示すように、薄肉部36f,36f′それぞれの外面上に貼着されるベースフィルム65と、ベースフィルム65と一体化された歪み検出部66と、歪み検出部66に通電するためのリード線67、例えば、直径が0.14mm程度の銅合金からなるリード線67とを具備したものであり、リード線67と歪み検出部66との間を接続する接続端子部68は、直方体ブロック31に形成されて薄肉部35f,36f及び35f′,36f′同士間に介在する剛体部分33,33′の外面上に配置されている。なお、図中の符号A,B,Cは貫通孔36の上縁位置,中心位置,下縁位置に対応するように直方体ブロック31の側面C,D上に設定された仮想線であり、仮想線A,B,Cそれぞれ同士の離間間隔は1mm程度とされている。
【0046】
すなわち、これら歪みゲージS61,S62,S63,S64のそれぞれは、歪み検出部66が仮想線B上に位置するようにしたうえで薄肉部36f,36f′の外面上に貼着されており、歪み検出部66から2mm程度だけ離間した位置にある接続端子部68は、剛体部分33,33′の外面上に配置されている。なお、図11(b)は、歪み検出部66と接続端子部68との離間間隔が0.7mm程度と短い歪みゲージS61,S62,S63,S64の取着状態を示しており、このような歪みゲージS61,S62,S63,S64である場合には、歪み検出部66のみならず、接続端子部68までもが薄肉部36f,36f′の外面上に配置されていることになる。
【0047】
さらに、図12は摩擦力である力成分Fxが作用した際における直方体ブロック31の薄肉部36fに生じる応力の分布状態を示しており、この図12で示す応力の分布状態は歪みゲージS61,S62,S63,S64のそれぞれを図11(b)で示すように取着した場合と対応している。なお、歪みゲージS61,S62,S63,S64の各々を図11(a)で示すような状態として取着した際における直方体ブロック31の薄肉部36fに生じる応力の分布状態は、図9(a)と同様になる。そして、図12及び図9(a)によれば、歪みゲージS61,S62,S63,S64の接続端子部68までもが薄肉部36f,36f′の外面上に配置されている場合には、これら接続端子部68と対応する位置で応力の集中が生じる結果、貫通孔36の中心位置と対応する仮想線B上での応力集中が小さくなり、歪み検出部66でもって検出される歪み量が小さくなることが分かる。
【0048】
すなわち、本実施の形態によれば、歪みゲージS61,S62,S63,S64が具備している接続端子部68を直方体ブロック31における剛体部分33,33′の外面上に配置しておくと、貫通孔36の中心位置と対応する仮想線B上に配置された歪み検出部66で検出される歪み量が大きくなるとの事実が確認されたことになり、直方体ブロック31の形状を何ら変更することなく、歪み検出部66で検出される歪み量を大きくし、荷重検出器5の測定分解能を高め得るという利点が確保される。ところで、このような構成とした場合には、歪み検出部66及び接続端子部68の離間間隔が長いので、歪み検出部66を大きくすることが可能となり、貼着精度が低くても差し支えないため、歪みゲージS61,S62,S63,S64の取着作業が容易になるという利点も確保される。
【0049】
(実施の形態5)
図13は摩擦力試験の結果を示す説明図、図14はディスク媒体の回転速度と摩擦力との相関関係を示す説明図であり、図13の説明図には、図1の摩擦力試験装置が備える荷重検出器5でもって検出された摺動部材3に加わる摩擦力と、ディスク媒体の始動時から停止時までの回転数とが時間の経過に従いながら示されている。なお、この実施の形態5では、摩擦力試験装置が図1に示した構成を有し、かつ、荷重検出器5が図2で示した構成を有するとしている。
【0050】
図13で示すように、摩擦力試験装置では、まず、ディスク媒体1の始動時においてディスク媒体1と摺動部材3との固体接触による大きな摩擦力、つまり、固体接触摩擦力が検出されることになり、ディスク媒体1の回転数が大きくなると、ディスク媒体1の回転駆動に伴って空気流が発生し、発生した空気流によって摺動部材3がディスク媒体1の表面上から離間して浮上するため、固体接触摩擦力は減少することになる。しかしながら、ディスク媒体1の回転数が大きくなると、空気粘性摩擦力が再び増加し始めることになり、ディスク媒体1が定速回転している間の空気粘性摩擦力は一定となる。
【0051】
すなわち、例えば、ディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度が3.5m/sよりも大きいと、摺動部材3はディスク媒体1の表面上から完全に浮上しているため、この際の荷重検出器5で検出される摩擦力は、ディスク媒体1及び摺動部材3間に発生している空気流の影響による摩擦力、つまり、空気粘性摩擦力であり、ディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度が3.5m/sよりも小さいときに検出される摩擦力は、固体接触摩擦力と空気粘性摩擦力との和であることになる。そこで、上記した摩擦力試験の結果を踏まえながら実験し、かつ、数値計算を行ってみると、ディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度とディスク媒体1の回転駆動に伴って発生する空気粘性摩擦力との相関関係は図14で示すような関係式でもって表される。
【0052】
なお、関係式中の実験値は、回転停止しているディスク媒体1の表面から摺動部材3が十分に離間している際の荷重検出器5で検出される摩擦力と、ディスク媒体1の回転駆動に伴って発生する空気流の影響を受けて摺動部材3がディスク媒体1の表面から完全に浮上している際の荷重検出器5で検出される摩擦力、つまり、摺動部材3をディスク媒体1に対して30mNの押しつけ荷重で押圧した後、ディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度が3.5m/s以上の状態で回転駆動中のディスク媒体1から摺動部材3が空気流によって完全に浮上している際の摩擦力とから求めたものである。また、関係式中の計算値は、有限要素法を利用したうえでのディスク媒体1及び摺動部材3間における空気流のシミュレーションを行って求めたものである。
【0053】
そこで、このようにして得られた関係式をコンピュータである計算処理手段9に内蔵しておき、摩擦力試験時の回転数検出手段8から計算処理手段9へと伝達されてくるスピンドルモータ2の回転数、つまり、ディスク媒体1の回転数に基づいて時刻ごとの空気粘性摩擦力を算出し、かつ、荷重検出器5から出力されたうえで計算処理手段9に伝達されてくる摩擦力のうちから空気粘性摩擦力を分離して差し引くこととすれば、ディスク媒体1と摺動部材3との間における固体接触摩擦力のみが測定されることになる。すなわち、このような構成を採用した際には、荷重検出器5でもって測定される摩擦力から空気粘性摩擦力の影響が排除されていることになり、ディスク媒体1及び摺動部材3間の固体接触力によって発生する摩擦力が正確に検出される。その結果、ディスク媒体1及び摺動部材3の耐久性を評価するのに必要な固体接触摩擦力のみをCSS試験によって確実に検出し得ることとなる。
【0054】
なお、本実施の形態では、ディスク媒体1の回転数と摺動部材3に作用する空気粘性摩擦力との関係式が予め計算処理手段9に内蔵されているが、このような構成のみに限定されることはないのであり、例えば、摺動部材3が浮上した後の荷重検出器5で検出される摩擦力、つまり、空気粘性摩擦力の値を用いたうえでディスク媒体1及び摺動部材3間の相対速度と摺動部材3に作用している空気粘性摩擦力との関係式を摩擦力試験時のたびごとに求めるようにしてもよいことは勿論である。そして、このような構成であれば、例えば、摩擦力試験の過程において摺動部材3が摩耗したことに伴って空気粘性摩擦力が変化した場合にも補正が可能になるという利点が確保される。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る摩擦力試験装置によれば、作用方向の異なる力成分が同時に作用している場合であっても力成分を作用方向ごとに分離することが可能となり、高精度の摩擦力検出を行うことができるという効果が得られる。そして、直方体ブロックの形状を従来同様としながらも共振点を高くすることが可能であり、力成分の検出帯域を広くできることになる。また、荷重検出器でもって測定される摩擦力から空気粘性摩擦力を分離して排除することが可能であり、ディスク媒体及び摺動部材間の固体接触力によって発生する摩擦力を正確に検出することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る摩擦力試験装置を簡略化して示す全体構成図である。
【図2】実施の形態1に係る荷重検出器を示す外観斜視図である。
【図3】歪みゲージによって構成されるホイートストンブリッジ回路を示す説明図である。
【図4】実施の形態2に係る荷重検出器を示す外観斜視図である。
【図5】歪みゲージによって構成されるホイートストンブリッジ回路を示す説明図である。
【図6】歪みゲージの出力及び周波数の分析結果を示す説明図である。
【図7】実施の形態3に係る荷重検出器を示す外観斜視図である。
【図8】歪みゲージの取着部近傍を拡大して示す平面図である。
【図9】直方体ブロックの薄肉部における応力分布状態を示す説明図である。
【図10】実施の形態4に係る荷重検出器を示す外観斜視図である。
【図11】歪みゲージの取着部近傍を拡大して示す平面図である。
【図12】直方体ブロックの薄肉部における応力分布状態を示す説明図である。
【図13】摩擦力試験の結果を示す説明図である。
【図14】ディスク媒体の回転速度と摩擦力との相関関係を示す説明図である。
【図15】従来の形態に係る摩擦力試験装置を簡略化して示す全体構成図である。
【図16】従来の形態に係る荷重検出器を示す外観斜視図である。
【図17】歪みゲージによって構成されるホイートストンブリッジ回路を示す説明図である。
【図18】荷重検出器の変形状態を示す説明図である。
【図19】荷重検出器の変形状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ディスク媒体
3 摺動部材
4 支持アーム
5 荷重検出器
9 計算処理手段
11 直方体ブロック
12 貫通孔
12f 薄肉部
12f′薄肉部
13 貫通孔
13f 薄肉部
13f′薄肉部
14 空隙部
S21 歪みゲージ
S22 歪みゲージ
S23 歪みゲージ
S24 歪みゲージ

Claims (5)

  1. 回転駆動されるディスク媒体と、該ディスク媒体の表面と対向する位置に配設された摺動部材と、該摺動部材を一端側で支持する支持アームの他端側に配設され、かつ、前記ディスク媒体及び摺動部材間で発生する摩擦力を検出する荷重検出器と、計算処理手段とを備えてなる摩擦力試験装置であって、
    前記荷重検出器は、前記ディスク媒体の回転方向の法線方向に沿う2つの貫通孔が形成された直方体ブロックと、前記貫通孔を挟んで対向する前記直方体ブロックの4つの薄肉部それぞれの外面上に貼着された4つの歪み検出用素子とを具備したものであり、前記ディスク媒体の表面に対する前記摺動部材の押し付け方向の力成分をキャンセル可能に前記4つの歪検出用素子がホイートストンブリッジを構成するように接続されており、前記薄肉部のそれぞれは前記直方体ブロックの外方または内方へと向かって湾曲していることを特徴とする摩擦力試験装置。
  2. 請求項に記載した摩擦力試験装置であって、
    歪み検出用素子である歪みゲージは、直方体ブロックの薄肉部の外面上に貼着されるベースフィルムと、該ベースフィルムと一体化された歪み検出部とを具備したものであり、前記ベースフィルムの前記薄肉部の対向方向及び前記貫通孔の貫通方向のいずれとも直交する第3の方向における長さは、前記直方体ブロックに形成された貫通孔の前記第3の方向における幅よりも長く設定されていることを特徴とする摩擦力試験装置。
  3. 請求項に記載した摩擦力試験装置であって、
    歪み検出用素子である歪みゲージは、直方体ブロックの薄肉部の外面上に貼着されるベースフィルムと、該ベースフィルムと一体化された歪み検出部と、該歪み検出部に通電するリード線とを具備したものであり、該リード線と前記歪み検出部との接続端子部は、前記直方体ブロックに形成されて前記薄肉部同士間に介在する剛体部分の外面上に配置されていることを特徴とする摩擦力試験装置。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載した摩擦力試験装置であって、
    計算処理手段は、ディスク媒体及び摺動部材間の相対速度と前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気粘性摩擦力との相関関係を示す関係式が内蔵されており、かつ、該関係式に従って算出された前記空気粘性摩擦力を荷重検出器で検出される摩擦力から分離するものであることを特徴とする摩擦力試験装置。
  5. 請求項に記載した摩擦力試験装置であって、
    ディスク媒体及び摺動部材間の相対速度と前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気粘性摩擦力との相関関係を示す関係式は、回転停止しているディスク媒体の表面から摺動部材が十分に離間している際の荷重検出器で検出される摩擦力と、前記ディスク媒体の回転駆動に伴って発生する空気流の影響を受けて前記摺動部材がディスク媒体の表面から完全に浮上している際の前記荷重検出器で検出される摩擦力とに基づいて導出されたものであることを特徴とする摩擦力試験装置。
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