JP2002257133A - 軸受装置およびこれを備えるモータ - Google Patents

軸受装置およびこれを備えるモータ

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JP2002257133A
JP2002257133A JP2001058508A JP2001058508A JP2002257133A JP 2002257133 A JP2002257133 A JP 2002257133A JP 2001058508 A JP2001058508 A JP 2001058508A JP 2001058508 A JP2001058508 A JP 2001058508A JP 2002257133 A JP2002257133 A JP 2002257133A
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bearing
holding member
rotating shaft
fixed
bearing device
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JP2001058508A
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English (en)
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Yoshio Fujii
義雄 藤居
Hitoshi Uragami
斉 浦上
Hiroyuki Ichizaki
博之 市崎
Yoshihiko Mukoyama
慶彦 向山
Tomoji Ueda
智士 上田
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストであり組立において周辺部位に変形
などの影響を及ぼさない軸受装置およびこれを備えるモ
ータを提供する。 【解決手段】 軸受ホルダ27には、軸受保持部材32
の組付範囲部分71の任意に選択可能な組付位置にスラ
スト保持部材33を組付ることができ、部材を共用して
複数種の軸受ホルダ27を形成することができる。また
軸受ホルダ27は、軸受保持部材32の取付範囲部分7
7の任意に選択可能な取付位置で、ベース26に取付る
ことができ、1つの軸受ホルダ27を共用して、複数種
の取付位置でベース26に取付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、滑り軸受を用いて
回転軸を支持する軸受装置およびこれを備えるモータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の軸受装置およびこれを備えたモー
タについて、CD−ROMを回転駆動するモータを例示
して説明する。図6は、従来の技術の軸受装置1を備え
るモータ2を示す断面図である。モータ2は、CD−R
OMを保持する保持装置3が設けられる回転軸4を、軸
受装置1によって回転自在に支持している。軸受装置1
は、ベース5に軸受ホルダ6が固定され、軸受ホルダ6
の筒部7の内周部に固定した滑り軸受8によって回転軸
4を回転自在に支持している。また軸受ホルダ6は、筒
部7の端部を塞ぐ閉塞板9を有し、この閉塞板9にスラ
スト受部材10が固定されており、スラスト受け部材1
0によって、回転軸4の下端部を支持している。
【0003】このように支持された回転軸4には、ロー
タ11の強磁性材料から成るヨーク部材12が固定さ
れ、軸受装置1には、ヨーク部材12を下方に磁気吸引
するヨーク吸引マグネット13が設けられる。これによ
って回転軸4は、半径方向に関しては、滑り軸受8に支
持され、軸線方向に関しては、スラスト受部材10に対
して吸引マグネット13とヨーク部材12との間の磁気
吸引力、および後述の駆動用マグネット16とコイル1
5との間の磁気吸引力がバランスして支持される。この
ように回転軸4が安定支持された状態で、筒部7に固定
されたコイル15を有するステータ14と、ロータ11
の駆動用マグネット16との磁気作用によって回転軸4
が回転駆動される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術の軸受装置
1では、軸受ホルダ6の筒部7は、ベース5、ステータ
14および閉塞板9の位置決めの段部が形成され、これ
ら各段部によって位置決めされた状態で、ベース5、ス
テータ14および閉塞板9がかしめ固定される。このよ
うに筒部7には、位置決め用の段部を形成する必要があ
り、筒部7を形成するにあたって、複雑な切削加工が必
要であり、製造に手間を要し、製造コストが高くなると
いう問題がある。また上述のようにかしめをするときに
発生する応力が、周辺部位に影響を与えて変形させてし
まうという問題がある。このような変形が生じると、た
とえば滑り軸受8を所定の位置に設けることができず、
回転軸4が不所望に傾いてしまうなどの不具合を生じて
しまう。
【0005】これとは別に、従来の軸受装置1を備えた
モータにおいて、軸受装置1とベース5との取付位置お
よび筒部7と閉塞板9との取付位置などの仕様が変更さ
れると、その都度、その仕様に応じて筒部7を製造しな
ければならず、コスト高となっていた。また類似の構成
のモータであっても、機種によってその詳細な仕様は異
なるため、それぞれに対応して製造しなければならず、
コスト高となっていた。
【0006】このような従来の技術に鑑み、軸受ホルダ
に絡み周辺部位に悪影響を与えることなく取付けること
ができ、しかも製造コストがかからない軸受装置および
これを備えたモータが望まれている。このことは、上記
CD−ROMを回転駆動するためのモータに限らず、他
の記録ディスクおよびファンモータなど、その他の用途
に用いられるモータにおいても同様のことが望まれる。
【0007】本発明の目的は、低コストで製造でき組立
において周辺部位に変形などの影響を及ぼさない軸受装
置およびこれを備えるモータを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、(a)滑り軸受によって回転軸を回転自在に支持す
る軸受装置において、(b)回転軸を半径方向外方から
支持する滑り軸受と、(c)回転軸を軸線方向一方側か
ら支持するスラスト受部材と、(d)軸受ホルダであっ
て、(d1)滑り軸受が内周部の所定の軸受固定部分に
固定され、内周部の軸受固定部分を避けた所定の組付範
囲部分が軸線方向に関して同一の内周面形状に、塑性加
工によって形成される筒状の軸受保持部材と、(d2)
スラスト受部材が固定され、軸受保持部材の組付範囲部
分に接着剤を介して接合固定されるスラスト保持部材と
を有する軸受ホルダとを含むことを特徴とする軸受装置
である。
【0009】本発明に従えば、組付範囲部分は、内周面
形状が軸線方向に関して同一形状であり、スラスト保持
部材は、軸線方向に関して組付位置を任意に選択して接
合固定することができる。これによってたとえば仕様が
異なるなどの理由によって、軸受保持部材におけるスラ
スト保持部材の組付位置が異なる複数種の軸受ホルダが
必要となる場合に、軸受ホルダの種類毎に異なる個別の
軸受保持部材およびスラスト保持部材を形成することな
く、同一の軸受保持部材およびスラスト保持部材を各種
の軸受ホルダに共用することができる。また軸受保持部
材は、塑性加工によって形成され、特に上記軸線方向に
同一形状の組付範囲部分を塑性加工の利点を生かして、
簡単な操作によって、容易に形成することができる。
【0010】さらにスラスト保持部材は、軸受保持部材
に接着剤を介して嵌合固定される構成であるので、組付
に部材の変形を伴わず、組付位置が異なっても、嵌合時
に作用する応力は一定であり、組付状態を均一にするこ
とができる。したがって組立における周辺部位への影響
を無くし、高い組立精度を維持した状態で組付位置の任
意選択を可能にすることができる。
【0011】請求項2記載の本発明は、前記軸受保持部
材は、外周部の所定の取付範囲部分が軸線方向に関して
同一の外周面形状に形成れ、この取付範囲部分で軸受ホ
ルダを保持すべき取付部材に固定されることを特徴とす
る。
【0012】本発明に従えば、取付範囲部分は、外周面
形状が軸線方向に関して同一形状であり、軸受ホルダ
は、取付部材に対して、軸線方向に関して取付位置を任
意に選択して接合固定することができる。これによって
たとえば仕様が異なるなどの理由によって、取付部材に
おける軸受ホルダの取付位置が異なる複数種の軸受ホル
ダが必要となる場合に、それら各軸受ホルダを個別に形
成することなく、同一の軸受ホルダを共用することがで
きる。また軸受保持部材は、塑性加工によって形成さ
れ、特に上記軸線方向に同一形状の所定取付範囲部分
を、塑性加工の利点を生かして簡単な操作によって、容
易に形成することができる。
【0013】さらに軸受ホルダは、取付部材に接着剤を
介して接合固定される構成であるので、取付に部材の変
形を伴わず、取付位置が異なっても嵌合時に作用する応
力は一定であり、取付状態を均一にすることができる。
したがって組立における周辺部位への影響を無くし、高
い組立精度を維持した状態で、取付位置の任意選択を可
能にすることができる。
【0014】請求項3記載の本発明は、前記滑り軸受と
スラスト保持部材とによって挟持され、回転軸の外周部
に設けられる凹所に部分的に嵌まり込んで回転軸が抜出
るのを防止する抜止め部材が設けられることを特徴とす
る。
【0015】本発明に従えば、抜止め部材によって回転
軸の滑り軸受からの抜止めをすることができる。この抜
止め部材は、滑り軸受とスラスト保持部材によって挟持
されるので、軸受保持部材におけるスラスト保持部材の
組付位置が異なってもスラスト保持部材の組付位置に応
じた好適な位置に、抜止め部材を設けることができる。
【0016】請求項4記載の本発明は、前記軸受保持部
材は、強磁性材料から成り、回転軸に固定される強磁性
材料から成る部材を前記軸線方向一方に磁気吸引するた
めの部材吸引用マグネットが固定されていることを特徴
とする。
【0017】本発明に従えば、回転軸に固定される磁性
材料から成る部材を、部材吸引用マグネットによって、
軸線方向一方に磁気吸引することができ、回転軸の軸線
方向への変位を抑制し、回転軸の安定した回転を確保す
ることができる。しかも回転軸に固定される部材に対す
る吸引力を高くするために、部材吸引用マグネットの周
囲に磁力線を密に集めるための専用の部材を別途に設け
る必要がない。
【0018】請求項5記載の本発明は、回転軸とスラス
ト受部材との間に形成される内部空間と、軸受ホルダの
外部空間との間の空気の流通を可能にする連通孔が、滑
り軸受と回転軸の摺動支持部を避けて形成されることを
特徴とする。
【0019】本発明に従えば、回転軸とスラスト受部材
との間の内部空間が、連通孔によって外部空間と連通さ
れるので、回転軸の滑り軸受への挿入時に、内部空間が
昇圧されることなく、円滑に挿入することができる。
【0020】請求項6記載の本発明は、請求項1〜5の
いずれかに記載の軸受装置と、滑り軸受によって支持さ
れる回転軸および駆動用マグネットを有するロータと、
軸受保持部材の外周部に固定され、駆動用マグネットに
対向して配置されるコイルを有するステータとを含むこ
とを特徴とするモータである。
【0021】本発明に従えば、軸受装置が、複数種にお
いて部材の共用ができるので、モータを低コストで製造
することができる。加えて、このモータは、軸受装置の
組付において部材の変形を伴わない。
【0022】請求項7記載の本発明は、請求項2記載の
軸受装置と、軸受保持部材が嵌合し、軸受保持部材の外
周部の所定の取付範囲部分で接着剤を介して接合固定さ
れ、軸受ホルダを保持する取付部材と、滑り軸受によっ
て支持される回転軸および駆動用マグネットを有するロ
ータと、軸受保持部材の外周部に固定され、駆動用マグ
ネットに対向して配置されるコイルを有するステータと
を含むことを特徴とするモータである。
【0023】本発明に従えば、軸受装置が、複数種にお
いて部材の共用ができるので、モータを低コストで製造
することができる。また取付部材に対する軸受ホルダの
取付位置が異なる構成であっても、軸受ホルダを共用で
きるので、これによってもモータを低コストで製造する
ことができる。さらに、このモータは、軸受装置の組付
および取付部材の組付において、部材の変形を伴わな
い。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の軸受装置およびこれを備
えるモータについて、記録ディスクであるCD−ROM
を回転駆動するモータを例示して説明する。図1は、本
発明の実施の一形態の軸受装置20を備えるモータ21
を示す断面図である。図2は、軸受装置20の一部を拡
大して示す断面図である。モータ21は、軸受装置20
と、軸受装置20によって支持される回転軸23を有す
る駆動手段であるモータ本体25と、回転軸23に設け
られる保持装置24とを含む。このモータ21は、モー
タ本体25の回転軸23を軸線L1まわりに回転駆動
し、保持装置24に載置され図示しないクランパに押圧
されて保持されたディスク22を回転することができ
る。ディスク22は、CD−ROMであるが、他の光デ
ィスクであってもよい。
【0025】モータ21は、さらに取付部材であるベー
ス26を有しており、このベース26によって、電気機
器の機体に固定され、軸線L1が鉛直方向と平行になる
ように配置されて設けられる。電気機器は、本実施の形
態では、ディスク22に対して情報の再生および記録を
するための装置である。以下、理解を容易にするため
に、軸線方向一方を下方とし、軸線方向他方を上方とし
て説明する。
【0026】軸受装置20は、ベース26に接合固定さ
れてベース26に保持される軸受ホルダ27と、軸受ホ
ルダ27に固定される滑り軸受28と、軸受ホルダ27
に固定されるスラスト受部材29と、軸受ホルダ27に
固定される抜止め部材30とを含む。軸受ホルダ27
は、有底筒状に形成され、その軸線が前記回転の軸線L
1と一致するように、かつ上方に開放するように配置さ
れる。
【0027】軸受ホルダ27は、滑り軸受28が固定さ
れる円筒状の軸受保持部材32と、スラスト受部材29
が固定されるカップ状のスラスト保持部材33とを有す
る。この軸受ホルダ27は、スラスト保持部材33によ
って、軸受保持部材32の下端部を塞ぐように、有底筒
状に組立てられる。
【0028】軸受保持部材32は、軸線方向に長い直円
筒状の軸受固定部34と、軸受固定部34の上端部から
外向きに突出して全周に延びるマグネット固定部37と
を有する。スラスト保持部材33は、軸線方向に短い直
円筒状の筒部38と、筒部38の下端部を塞ぐ円板状の
スラスト受固定部35と、筒部38の上端部から外向き
に突出して全周に延びる抜止め支持部36とを有する。
これら軸受保持部材32およびスラスト保持部材33
は、鉄材を塑性加工、具体的にはプレス加工によって形
成される。なお、スラスト受固定部35は回転軸23を
水平に支持するために特に平面度が要求される。そのた
めに、スラスト受固定部35は平面度を上げるためのプ
レス加工がなされる。このプレス加工時に部材が塑性変
形しやすいように軸線L1を中心とする環状溝35aが
形成されている。
【0029】軸受保持部材32は、軸受固定部34の内
周部80における上端部81および軸線方向中間部82
に、滑り軸受28を固定するための軸受固定部分70が
確保され、この軸受固定部分70を避けた軸受固定部3
4の内周部における下端部83に、スラスト保持部材3
3を組付けるための組付範囲部分71が確保されてい
る。スラスト保持部材33は、軸受保持部材32に嵌ま
り込むように設けられ、スラスト保持部材33の抜止め
支持部36の外周部86が、組付範囲部分71に接着剤
を介して接合固定される。
【0030】組付範囲部分71は、内周面88が直円筒
状に形成され、したがって軸線方向に関して同一の内周
面形状であって、同一内径に形成される。本実施の形態
では、軸受固定部34の内周部80は、上端部81が、
この上端部81を除く軸線方向中間部82および下端部
83よりも内径が大きくなるように形成され、軸線方向
中間部82および下端部83が、軸線方向に関して同一
内径の直円筒状の内周面を有し、軸線方向に関して同一
の内周面形状に形成される。またスラスト保持部材33
の軸受保持部材32に接合される部分の軸線方向寸法、
本実施の形態では、抜止め支持部36の軸線方向寸法
は、組付範囲部分71の軸線方向寸法よりも小さく形成
され、さらにスラスト保持部材33の抜止め支持部36
の外径は、組付範囲部分71の内径よりもわずかに小さ
く形成される。
【0031】これによってスラスト保持部材33は、軸
受保持部材32に嵌まり込んだ状態で、矢符Aで示すよ
うに、軸受保持部材32に対して軸線方向に円滑に変位
させることができ、スラスト保持部材33を組付ける組
付位置を、組付範囲部分71内において軸線方向に任意
に選択することができる。たとえば図2に実線で示す組
付位置に組付けることができるだけでなく、仮想線で示
す組付位置などの他の組付位置に組付けることが可能で
ある。また上記寸法関係を有し、接着固定されるので、
軸受保持部材32およびスラスト保持部材33が、組立
時に相互に応力が作用して変形されることが確実に防が
れ、成形したままの高い寸法精度を維持して、組立てる
ことができる。なお、組付範囲部分71の上限は、後述
の滑り軸受28および抜止め部材30等の軸線方向寸法
によって決まる。
【0032】軸受ホルダ27の軸受保持部材32は、軸
受固定部34の外周部90における軸線方向中間部82
に、ベース26に取付けるための取付範囲部分77が確
保されている。軸受ホルダ27は、軸受保持部材32
が、ベース26の嵌合孔74に挿通され、軸受保持部材
32の外周部90の取付範囲部分77で、ベース26の
嵌合孔74に臨む内周部91に、接着剤を介して接合固
定され、ベース26に保持される。
【0033】取付範囲部分77は、外周面92が直円筒
状に形成され、したがって軸線方向に関して同一の外周
面形状であって、同一外径に形成される。本実施の形態
では、軸受固定部34の外周部は、マグネット固定部3
7が連なる部分を除く残余の全部分が、軸線方向に関し
て同一外径の直円筒状の外周面を有し、軸線方向に関し
て同一の外周面形状に形成される。またベース26の軸
受ホルダ27が接合される部分の軸線方向寸法、本実施
の形態では、ベース26の嵌合孔74に臨む内周部の軸
線方向寸法は、取付範囲部分77の軸線方向寸法よりも
小さく形成され、さらにベース26の嵌合孔74に臨む
内周部の内径は、取付範囲部分77の外径よりもわずか
に大きく形成される。
【0034】これによって軸受ホルダ27は、ベース2
6の嵌合孔74に挿通した状態で、矢符Bで示すよう
に、ベース26に対して軸線方向に円滑に変位させるこ
とができ、軸受ホルダ27のベース26に取付ける取付
位置を、取付範囲部分77内において軸線方向に任意に
選択することができる。たとえば図2に実線で示す取付
位置に取付けることができるだけでなく、仮想線で示す
取付位置などの他の取付位置に取付けることが可能であ
る。また上記寸法関係を有し、接着固定されるので、軸
受ホルダ27およびベース26が、組立時に変形される
ことが確実に防がれ、成形したままの高い寸法精度を維
持して、組立てることができる。なお、軸受固定部34
の外周部における取付範囲部分77とマグネット固定部
37との間の領域は、後述するステータ60が取付けら
れる。これにより、取付範囲部分77の上限は、ステー
タ60の取付位置によって決まる。
【0035】滑り軸受28は、円筒状の焼給合油軸受で
あって、軸受保持部材32に挿入され、軸受固定部34
の軸受固定部分70に圧入固定される。滑り軸受28の
外周部95は、下端部96が上端部97および軸線方向
中間部98よりも小径に形成され、滑り軸受28の下端
部96の外径は、軸受固定部34の軸線方向中間部82
の内径よりも小さく形成され、滑り軸受28の上端部9
7および軸線方向中間部98の外径は、軸受固定部34
の軸線方向中間部82の内径よりもわずかに大きくかつ
軸受固定部34の上端部81の内径よりも小さく形成さ
れている。これによって滑り軸受28は、軸線方向中間
部98だけで、軸受固定部34に圧入固定され、滑り軸
受28の圧入時に、滑り軸受28の外周部95によっ
て、軸受ホルダ27、特に軸受固定部34の内周部80
をかじることが防がれる。
【0036】また滑り軸受28は、内周部100の軸線
方向中間部98に、半径方向外方に凹みかつ周方向全周
に延びる凹溝50が形成され、凹溝形成領域の両側部分
であって、軸線方向両端部96,97およびその近傍の
内周面である摺動面51で、滑り軸受28を挿通する回
転軸23の外周面を半径方向外方から支持している。回
転軸23は、摺動面51から滲み出る潤滑油によって摺
動面51との摩擦抵抗を小さくし、さらに凹溝50によ
り滑り軸受28との摺動面積を少なくして摺動面51と
の摩擦抵抗を小さくし、円滑に回転支持することができ
る。また滑り軸受28は、圧入される領域および凹溝5
0が形成される領域とが、ともに軸線方向中間部98で
あって、軸線方向に関して、同一またはほぼ同一の部分
であり、滑り軸受28を軸受ホルダ27に圧入しても、
これによって生じる応力が摺動面51に影響を与えて変
形させてしまうことが防がれる。
【0037】スラスト受部材29は、耐摩耗性の合成樹
脂製で滑り軸受28および抜止め部材30よりも下方
で、スラスト受固定部35の上端部に、滑り軸受28の
潤滑油と同じ油を介して密着固定される。回転軸23の
下端部は、その端面が下方に凸の球面状に形成されてお
り、この下端部で下方から平坦円板状のスラスト受部材
29によって、円滑な回転を可能に支持される。これに
よって回転軸23は、軸線L1まわりに回転自在であ
る。
【0038】抜止め部材30は、円塔板状で幾分弾性変
形する合成樹脂製で滑り軸受28の下端部と抜止め支持
部36の上端部とに挟持されて固定される。回転軸23
の下端部には、半径方向内方に凹みかつ周方向全周に延
びる抜止め用の凹所53が形成されている。この凹所5
3には、抜止め部材30の内周部が、回転軸に接触する
ことなく嵌まり込んでいる。これによって回転軸23の
滑り軸受28からの抜けを確実に防ぐことができる。し
かも下端部がスラスト受部材29に支持される位置であ
って、モータ21が用いられる正位置に回転軸23があ
る場合、抜止め部材30は回転軸23に接触しておら
ず、かつ不所望な変位によって接触するおそれもなく、
回転軸23の安定した回転を得ることができる。
【0039】軸受装置20では、軸受ホルダ27の上端
部に、その内周部から回転軸23の外周部近傍に延び、
滑り軸受を覆う円環状の蓋部材55が設けられている。
これによって滑り軸受28と回転軸23との間を潤滑す
る潤滑油が漏れ出たり蒸発することを防止している。な
お、蓋部材55の内周部が対向する回転軸23の外周部
には、半径方向内方に凹みかつ周方向全周に延びる凹部
23aが形成されている。この凹部23aは、回転軸2
3の外周部を伝って漏出する潤滑油を捕捉して回転軸2
3の遠心力によってそれ以上上方へ移動するのを防止す
るとともに、蓋部材55が滑り軸受28を覆う面積を広
くするために蓋部材55の内径を小さくしても回転軸2
3に接触しないようにするためのものである。
【0040】回転軸23は、このような軸受装置20に
よって支持され、その上端部付近が部分的に軸受装置2
0から突出している。回転軸23のこの軸受装置20か
ら突出する部分には、保持装置24が固定される。保持
装置24は、ディスク22が載置されるターンテーブル
57およびディスク22を軸線L1と同軸に配置するた
めの調心部58を有し、図示しないクランパがディスク
22を押圧することでディスク22を保持することがで
きる。
【0041】回転軸23を有するモータ本体25は、ス
テータ60およびロータ61を有する。ステータ60
は、軸受装置20の軸受ホルダ27に外嵌して接着剤を
介して固定されるコア62と、コア62に巻回されるコ
イル63を有する。コイル63は、ベース26に取付け
られる制御回路26aに接続されるロータ61は、回転
軸23と、カップ状であって強磁性材料から成り、中央
部で回転軸23に固定されるヨーク部材64と、ヨーク
部材64の内周部に保持される駆動用マグネット65と
を有する。ヨーク部材64は、回転軸23の軸受装置2
0から突出した部分に、保持装置24よりも下方で、固
定されている。駆動用マグネット65は、コイル63を
有するステータ60に半径方向外方から臨んでおり、コ
イル63が励磁されると、ステータ60と駆動用マグネ
ット65と磁気作用によって、ロータ61がステータ6
0まわりに回転し、回転軸23がL1まわりに回転駆動
される。
【0042】ステータ60の取付位置は、矢符Cで示す
ように、軸受保持部34の外周部における取付範囲部分
77とマグネット固定部37との間の領域を軸線方向に
任意に選択することができる。これにより、軸受保持部
34に対してベース26あるいはステータ60の取付位
置を相互に変更できるので、一方が他方から離れた位置
関係、たとえば、ベース26が下方に取付けられてステ
ータ60から離れすぎコイル63を制御回路26aに接
続できないといった不都合が生じることはない。また、
本実施の形態では、ステータ60のコア62の嵌合孔お
よびベース26の嵌合孔74の内径が、同一に設定され
ているが、両者が異なることもある。たとえば、コア6
2の嵌合孔の内径がベース26の嵌合孔74の内径より
も大きい場合、軸受保持部34の外周部をステータ60
の取付範囲の外径をベース26の取付範囲(符号77)
の外径より大きく設定するようにすればよい。
【0043】また軸受装置20は、軸受ホルダ27に、
具体的には軸受保持部材32のマグネット固定部37
に、ヨーク吸引マグネット67が設けられ、ヨーク部材
64を下方に磁気吸引している。このようにヨーク吸引
マグネット67がヨーク部材64を下方に吸引する磁気
吸引力、および上述のステータ60と駆動用マグネット
65との間の軸線方向に作用する磁気吸引力で、ロータ
61が下方に力を受け、この力に対してスラスト受部材
29が抗し、バランスして、回転軸23の下端部がスラ
スト受部材29に摺動支持され、回転軸23の円滑な安
定した回転を確保することができる。
【0044】このような本実施の形態によれば、軸受保
持部材32に対するスラスト保持部材33の組付位置の
自由度を高くすることができる。換言すれば、スラスト
保持部材33の組付位置を変更することによって、軸受
保持部材32とスラスト保持部材33との相対位置が異
なる複数種の軸受ホルダ27を形成することができる。
【0045】たとえばノート型パーソナルコンピュータ
に搭載されるCD−ROM用のモータの場合、メーカー
毎に高さ寸法、したがって軸線方向寸法が異なるだけで
なく、同一メーカーであっても、コンピュータの機種毎
に、ハウジング形状に依存するなどの理由によって、高
さ寸法が異なる。
【0046】さらにモータ21では、軸受装置20によ
る回転軸23の支持位置は、回転軸23にヨーク部材6
4を介して設けられる駆動用マグネット65と、ステー
タ60との位置関係によって決定され、ステータ60と
駆動用マグネット65との位置関係によって、モータの
磁気特性、回転軸の安定性が変化する。たとえばステー
タ60と駆動用マグネット65との軸線方向位置を一致
させると、磁気効率は良好となるが、両者の磁気吸引力
は、軸線方向に全くまたはほとんど働かず、回転軸23
が不安定となるためヨーク吸引マグネット67のような
付勢手段が必要となる。また反対に、駆動用マグネット
65をステータ60に対して上方に配置すると、回転軸
23には下方への磁気吸引力に基づく付勢力が働いて回
転軸23の安定性は向上するが、磁気効率の面ではロス
が生じる。このように滑り軸受28を軸受装置20に備
えるモータ21では、主として磁気効率を含む磁気特性
と回転軸23の安定性との相反する諸事項を考慮するこ
とがなされるので、類似のモータであっても、詳細寸法
が異なる場合がある。
【0047】このように仕様が異なるなどの理由によっ
て、上記複数種の軸受ホルダ27が必要となる場合であ
っても、本実施の形態では、同一の軸受保持部材32お
よびスラスト保持部材33をスラスト保持部材33の取
付位置を変更することで各種の軸受ホルダ27に共用す
ることができる。このような部材の共用が可能になるの
で、軸受装置20およびモータ21の製造コストを低減
することができる。
【0048】また本実施の形態では、たとえば、当該モ
ータ21が搭載される装置内の構成によって、モータ2
1の配置スペースがそれぞれ異なる場合があるが軸受ホ
ルダ27のベース26に対する取付位置の自由度を高く
して、同一の軸受ホルダ27の共用を実現している。こ
れによっても軸受装置20およびモータ21の製造コス
トを低減することができる。
【0049】また軸受保持部材32は、上述のように円
筒状であり、塑性加工、具体的にはプレス加工によって
形成され、特に上記軸線方向に同一形状の組付範囲部分
71および取付範囲部分77においても何ら特殊な手法
を用いることなく通常の塑性加工である簡単な操作によ
って、容易に形成することができる。これによっても製
造コストを低減することができる。
【0050】さらにスラスト保持部材32は、軸受保持
部材33に接着剤を介して接合固定される構成であるの
で、均一な組付状態で組付けることができる。詳細に述
べると、スラスト保持部材32が軸受保持部材33に圧
入固定される構成では、組付位置において両部材間に応
力が作用し軸受保持部材32が半径方向外方に押圧され
て締結される。通常の圧入固定は、特定の組付位置に
て、その応力による変形が公差内に収まるように、かつ
締結力が確保されるように、軸受保持部材33の内径と
スラスト保持部材32の外径との寸法設定がされてい
る。このことから組付位置が異なるとその組付状態のバ
ランスが崩れるため圧入固定により組付位置の変更は困
難である。しかし、接着剤を介在させた接合では、部材
の変形を伴わないので、組付位置が異なっても、組付状
態を均一にすることができる。したがって組立における
周辺部位への影響を無くし、高い組立精度を維持した状
態で、組付位置の任意選択を可能にすることができる。
【0051】また軸受ホルダ27は、ベース26に接着
剤を介して接合固定される構成であるので、均一な取付
状態で取付ことができる。詳細に述べると、軸受ホルダ
27がベース26に圧入固定される構成では、取付位置
において軸受保持部材32が半径方向内方に押圧されて
締結される。この場合も上記と同じ理由により取付位置
が異なるとその取付状態のバランスが崩れるため圧入固
定により取付位置の変更は困難である。しかし、接着剤
を介在させた接合では、部材の変形を伴わないので、取
付位置が異なっても、取付状態を均一にすることができ
る。したがって組立における周辺部位への影響を無く
し、高い組立精度を維持した状態で、取付位置の任意選
択を可能にすることができる。
【0052】さらに抜止め支持部36の上端面は、軸線
L1に垂直な挟持領域を有し、滑り軸受28の下端面
は、軸線L1に垂直な挟持領域を有する。このような抜
止め支持部36および滑り軸受28の各挟持領域によっ
て、抜止め部材30が挟持されている。抜止め支持部3
6および滑り軸受28の挟持領域は、半径方向に重なり
合う領域を有しており、これによって抜止め支持部36
と滑り軸受28とだけで挟持する簡単な保持構成で、抜
止め部材を正確な位置に固定することができ、通常のモ
ータの使用時に、抜止め部材30が回転軸に接触するこ
とを確実に防ぐことができる。
【0053】またこのような構造の軸受装置20によっ
て回転軸23を支持する場合、組立てられた軸受装置2
0内に回転軸23を挿入することによって支持される。
このとき、抜止め部材30は、その内周部が凹所53よ
りも下方の部分、すなわち抜止め時に係止される部分5
4によって、下方に弾発的に彎曲され、この部分54が
通過した後、凹所53内に嵌まり込む。抜止め支持部3
6は、抜止め部材30の半径方向外方の領域だけを下方
から支持しており、このような回転軸23の挿入を容易
にしている。しかも抜止め支持部36の上端面は、挟持
領域の半径方向内方に滑らかに連なり、半径方向内方に
つれて下方に傾斜する傾斜領域を有し、この傾斜領域
は、半径方向内方および上方に凸に彎曲している。これ
によって、回転軸23の挿入時に抜止め部材30が変形
されても、局所的に応力が発生することを防ぐことがで
きる。本実施の形態では、抜止め支持部36は、プレス
加工すれば、必然的に上記局所的な応力を防ぐための彎
曲した傾斜領域を形成することができ、別途にこの傾斜
領域を形成するための加工が不要である。
【0054】図3は、本発明の実施の他の形態の軸受装
置20Eを示す断面図である。また図4は、軸受装置2
0Eが備える滑り軸受28Eを拡大して示す平面図であ
る。本実施の形態の軸受装置20Eは、図1に示す実施
の形態の軸受装置20と類似しており、対応する部分に
同一の符号を付し、異なる構成についてだけ説明する。
本実施の形態の軸受装置20Eは、上述の実施の形態の
軸受装置20に代えてモータ21に備えることができ
る。
【0055】軸受装置20Eは、構造上、軸受ホルダ2
7と、滑り軸受28Eと、スラスト受部材29と、回転
軸23とによって規定される内部空間75が形成され、
この回転軸23とスラスト受部材29との間に形成され
る内部空間75と、外部空間76とを連通する連通孔7
7が形成される。
【0056】本実施の形態の滑り軸受28Eは、基本的
には、図1に示す実施の形態の滑り軸受28と同様の構
成を有し、内周部を除く部分に凹溝78,79,80が
形成される点を除いて、同様である。本実施の形態の滑
り軸受28Eは、上端部に半径方向に挿通する複数、本
実施の形態では3つの凹溝78が、周方向に等間隔をあ
けて形成される。また滑り軸受28Eは、外周部の大径
の部分、したがって小径に形成される下端部を除いた上
端部および軸線方向中間部に、軸線方向に挿通する複
数、本実施の形態では3つの凹溝79が、周方向に等間
隔をあけて形成される。これら外周部の各凹溝79は、
上端部の各凹溝78にそれぞれ連なっている。さらに滑
り軸受28Eは、下端部に半径方向に挿通する複数、本
実施の形態では3つの凹溝80が、周方向に等間隔をあ
けて形成され小径に形成される下端部に連なっている。
【0057】このような各凹溝78〜80を形成するこ
とによって、連通孔77が形成される。つまり連通孔7
7は、滑り軸受28と抜止め部材30との間、滑り軸受
28と軸受保持部28との間、および滑り軸受28と蓋
部材55との間を延びて形成される。
【0058】このように本実施の形態では、内部空間7
5と外部空間76とを連通する連通孔77が形成され
る。これによって回転軸23が滑り軸受28に挿入され
るにつれて、内部空間75の空気は連通孔77より外部
空間76に排出されるので内部空間75は昇圧されるこ
となく挿入を容易にすることができる。また本実施の形
態では、図1に示す上述の形態と同様の効果を達成する
ことができる。
【0059】図5は、本発明の実施のさらに他の形態の
軸受装置20Fの一部を拡大して示す断面図である。本
実施の形態の軸受装置20Fは、図1に示す実施の形態
の軸受装置20と類似しており、対応する部分に同一の
符号を付し、異なる構成についてだけ説明する。本実施
の形態の軸受装置20Fは、上述の実施の形態の軸受装
置20に代えてモータ21に備えることができる。
【0060】軸受装置20Fは、軸受装置20に備えら
れら円環板状の蓋部材55に代えて、有底筒状、言い換
えるならばカップ状の蓋部材55Fを有する。この蓋部
材55Fは、円筒状の筒部80と、筒部80の上端部か
ら半径方向内方に突出して全周に延びる中央部に透孔が
形成される底部81とを有する。この蓋部材55Fは、
筒部80が、軸受ホルダ27が有する軸受固定部34の
上端部の内周部と滑り軸受28の上端部の幾分小径と
は、外周部とで形成される間隙に、隙間なく接触する状
態で設けられる。このように蓋部材55Fは、筒部80
を有することで、軸受ホルダ27との間に隙間が形成さ
れないように設けることができる。この状態で、回転軸
23は、底部81の透孔を回転軸23が挿通し、この底
部81は、軸受ホルダ27から半径方向内方に回転軸の
外周部近傍まで延びている。
【0061】この底部81によって滑り軸受28を上方
から覆い、潤滑油の蒸発による放散を含む漏れ防止して
いる。本実施の形態のように、蓋部材55Fをカップ状
として、軸受ホルダ27との隙間を無くすことによっ
て、軸受ホルダ27に滑り軸受28の挿入時のかじり防
止のための大径部を形成して、滑り軸受と軸受ホルダ2
7との間に隙間が形成されても、確実に潤滑油の漏れを
防止することができる。このように潤滑油の漏れを防止
することによって、滑り軸受28と回転軸23との間の
好適な潤滑状態を長期にわたって維持することができ、
したがって軸受け装置20F寿命を長くすることができ
る。また本実施の形態では、図1に示す上述の形態と同
様の効果を達成することができる。
【0062】上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎ
ず、本発明の範囲内において構成を変更することができ
る。たとえばヨーク吸引マグネット67は、ロータ側に
備えた軸受ホルダ27を磁気吸引する構成であったり、
あるいは、ヨーク吸引マグネット67を備えずに駆動用
マグネット65とステータ60との磁気吸引力にて同等
の作用を実現する構成としてもよい。備えていなくても
よいし、回転軸の抜止めのための構成は、軸受ホルダ2
7に設ける抜止め部材30を用いる構成に代えて、ロー
タを係止する爪をステータなどに設ける構成であっても
よい。また連通孔77は、軸受ホルダ27および蓋体5
5,55Fに凹溝を形成して設けるようにしてもよい
し、滑り軸受28の半径方向中央部を相通する孔を形成
して設けるようにしてもよい。その他、各部材の形状お
よび数量などは、適宜変更可能である。さらにディスク
22は、CD−ROM以外であってもよいし、ディスク
22とは異なる部材の回転駆動のためのモータ、たとえ
ばファンモータであってもよい。
【0063】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、同一の
軸受保持部材およびスラスト保持部材の相互の組付位置
の任意選択を可能にすることで各種の軸受ホルダに共用
することができることに加えて、軸受保持部材およびス
ラスト保持部材が、塑性加工により形成されること、さ
らにスラスト保持部材が、軸受保持部材に接着剤を介し
て接合固定されることから、低コストで製造でき組立に
おいて周辺部位に変形などの影響を及ぼさない軸受装置
とすることができる。
【0064】請求項2記載の本発明によれば、同一の軸
受ホルダを共用して、異なる取付位置で取付部材に取付
けることができることに加え、そのための軸受保持部材
が塑性加工により形成されること、さらに軸受ホルダが
取付部材に接着剤を介して固定されることから、低コス
トで製造でき取付部材への取付において周辺部位に変形
などの影響を及ぼさない軸受装置とすることができる。
【0065】請求項3記載の本発明によれば、軸受保持
部材に対するスラスト保持部材の組付位置が変更されて
も、抜止め部材の位置も追従して移動し、回転軸の抜止
めを維持することができる。
【0066】請求項4記載の本発明によれば、回転軸の
軸線方向への変位を抑制し、回転軸の安定した回転を確
保することができる。しかも回転軸に固定される部材に
対する吸引力を高くするために、部材吸引用マグネット
の周囲に磁力線を密に集めるための専用の部材を別途に
設ける必要がない。
【0067】請求項5記載の本発明によれば、回転軸の
滑り軸受への挿入時に、内部空間が昇圧されることな
く、円滑に挿入することができる。
【0068】請求項6記載の本発明によれば、軸受装置
が、複数種において部材の共用ができるので、モータを
低コストで高精度に製造することができる。
【0069】請求項7記載の本発明にれば、軸受装置
が、複数種において部材の共用ができ、さらに取付部材
に対する軸受ホルダの取付位置が異なる構成であって
も、軸受ホルダを共用できるので、これによってもモー
タを低コストで高精度に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の軸受装置20を備える
モータ21を示す断面図である。
【図2】軸受装置20の一部を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施の他の形態の軸受装置20Eを示
す断面図である。
【図4】軸受装置20Eの滑り軸受28Eを拡大して示
す平面図である。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態の軸受装置20
Fを示す断面図である。
【図6】従来の技術の軸受装置1を備えるモータ2を示
す断面図である。
【符号の説明】
20,20E,20F 軸受装置 21 モータ 22 ディスク 23 回転軸 24 保持装置 25 モータ本体 27 軸受ホルダ 28,28E 滑り軸受 29 スラスト受部材 30 抜止め部材 32 軸受保持部材 33 スラスト保持部材 34 軸受固定部 35 スラスト固定部 36 抜止め支持部 55,55F 蓋部材 67 ヨーク吸引マグネット 71 組付範囲部分 77 取付範囲部分 L1 軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市崎 博之 滋賀県愛知郡愛知川町中宿248 日本電産 株式会社滋賀技術開発センター内 (72)発明者 向山 慶彦 滋賀県愛知郡愛知川町中宿248 日本電産 株式会社滋賀技術開発センター内 (72)発明者 上田 智士 滋賀県愛知郡愛知川町中宿248 日本電産 株式会社滋賀技術開発センター内 Fターム(参考) 3J012 AB02 BB03 CB10 DB14 FB01 FB04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)滑り軸受によって回転軸を回転自
    在に支持する軸受装置において、 (b)回転軸を半径方向外方から支持する滑り軸受と、 (c)回転軸を軸線方向一方側から支持するスラスト受
    部材と、 (d)軸受ホルダであって、 (d1)滑り軸受が内周部の所定の軸受固定部分に固定
    され、内周部の軸受固定部分を避けた所定の組付範囲部
    分が軸線方向に関して同一の内周面形状に、塑性加工に
    よって形成される筒状の軸受保持部材と、 (d2)スラスト受部材が固定され、軸受保持部材の組
    付範囲部分に接着剤を介して接合固定されるスラスト保
    持部材とを有する軸受ホルダとを含むことを特徴とする
    軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記軸受保持部材は、外周部の所定の取
    付範囲部分が軸線方向に関して同一の外周面形状に形成
    れ、この取付範囲部分で軸受ホルダを保持すべき取付部
    材に固定されることを特徴とする請求項1記載の軸受装
    置。
  3. 【請求項3】 前記滑り軸受とスラスト保持部材とによ
    って挟持され、回転軸の外周部に設けられる凹所に部分
    的に嵌まり込んで回転軸が抜出るのを防止する抜止め部
    材が設けられることを特徴とする請求項1または2記載
    の軸受装置。
  4. 【請求項4】 前記軸受保持部材は、強磁性材料から成
    り、回転軸に固定される強磁性材料から成る部材を前記
    軸線方向一方に磁気吸引するための部材吸引用マグネッ
    トが固定されていることを特徴とする請求項1記載の軸
    受装置。
  5. 【請求項5】 回転軸とスラスト受部材との間に形成さ
    れる内部空間と、軸受ホルダの外部空間との間の空気の
    流通を可能にする連通孔が、滑り軸受と回転軸の摺動支
    持部を避けて形成されることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の軸受装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の軸受装
    置と、 滑り軸受によって支持される回転軸および駆動用マグネ
    ットを有するロータと、 軸受保持部材の外周部に固定され、駆動用マグネットに
    対向して配置されるコイルを有するステータとを含むこ
    とを特徴とするモータ。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の軸受装置と、 軸受保持部材が嵌合し、軸受保持部材の外周部の所定の
    取付範囲部分で接着剤を介して接合固定され、軸受ホル
    ダを保持する取付部材と、 滑り軸受によって支持される回転軸および駆動用マグネ
    ットを有するロータと、 軸受保持部材の外周部に固定され、駆動用マグネットに
    対向して配置されるコイルを有するステータとを含むこ
    とを特徴とするモータ。
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