JP2002257012A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スタータ3に給電されている時には、内燃機
関1に供給される燃料量等を始動に適した量に制御する
始動制御を行う装置において、スタータ信号の伝達系に
異常があった場合でも内燃機関の始動性を確保する。 【解決手段】 電源5の電圧が所定値以下の状態が所定
時間以上継続した時にはスタータ3に給電されていると
判定することにより、スタータ信号伝達系6に異常があ
った場合でも、電源電圧の状態からスタータ給電状態で
あることを推定して始動制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタータにて内燃
機関を始動する際に、燃料量等を内燃機関の始動に適し
た量に制御することによって内燃機関の始動を制御する
内燃機関の始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スタータに給電されているか否か
を検出し、スタータに給電されているときには始動状態
と判定して、内燃機関に供給される燃料量等を始動に適
した量に制御する始動制御を行い、内燃機関の始動性を
確保するようにしている。また、スタータと上記始動制
御を行う制御手段とは、スタータへの給電有無を示すス
タータ信号を送るスタータ信号線によって電気的に接続
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スター
タ信号線に断線やショート等の故障が発生すると、制御
手段は始動状態であることを検出できないため始動制御
を行うことができず、従って内燃機関の始動性が低下
し、特に極低温時には始動できないことがあった。
【0004】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、スタータ信号の信号伝達系に異常があった場合で
も、内燃機関の始動性を確保することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、電源(5)から給電さ
れて内燃機関(1)を駆動するスタータ(3)と、スタ
ータ(3)への給電有無を示すスタータ信号が入力され
ると共に、スタータ(3)に給電されている時には内燃
機関(1)の始動を制御する制御手段(2)とを備える
内燃機関の始動制御装置において、制御手段(2)は、
電源(5)の電圧が所定値以下の状態が所定時間以上継
続した時にスタータ(3)に給電されていると判定する
ことを特徴とする。
【0006】これによると、スタータ信号の信号伝達系
に異常があった場合でも、電源電圧の状態からスタータ
給電状態(始動状態)であることを推定して始動制御を
行うため、内燃機関の始動性を確保することができる。
【0007】請求項2に記載の発明では、電源(5)か
ら給電されて内燃機関(1)を駆動するスタータ(3)
と、スタータ(3)への給電有無を示すスタータ信号が
入力されると共に、スタータ(3)に給電されている時
には内燃機関(1)の始動を制御する制御手段(2)と
を備える内燃機関の始動制御装置において、制御手段
(2)は、内燃機関(1)の回転数が所定回転数以下
で、かつ電源(5)の電圧が所定値以下の状態が所定時
間以上継続した時に、スタータ(3)に給電されている
と判定することを特徴とする。
【0008】これによると、内燃機関の回転数を判定条
件に付加しているため、スタータ信号の信号伝達系に異
常があった場合の、スタータ給電状態の推定精度を高め
ることができる。
【0009】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す一実施形
態について説明する。
【0011】図1は本発明の始動制御装置を車両用ディ
ーゼルエンジン(以下、内燃機関という)1に適用した
例を示しており、内燃機関1により駆動される図示しな
いポンプにて燃料を加圧し、その加圧された燃料を図示
しない燃料噴射弁から内燃機関1の燃焼室に噴射するよ
うになっている。
【0012】制御手段をなすコントロールユニット(以
下、ECUという)2は、スタータ信号(詳細後述)、
内燃機関1の回転数の信号、内燃機関1の冷却水温の信
号、および図示しないアクセルペダルの踏み込み量の信
号等に基づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、および燃
料噴射圧力を制御するようになっている。
【0013】スタータ3は、図示しないキースイッチの
操作によりスタータスイッチ4が閉じられると、電源5
(本例では、定格電圧12Vの直流電源)から給電され
て内燃機関1を駆動し、内燃機関1を始動させるように
なっている。
【0014】ECU2とスタータ3との間はスタータ信
号線6によって電気的に接続されており、スタータ3へ
の給電有無を示すスタータ信号がスタータ信号線6を介
してスタータ3からECU2に送られるようになってい
る。このスタータ信号は具体的にはスタータ3への印加
電圧であり、ECU2は、スタータ3への給電時と無給
電時とのスタータ信号の電圧差に基づいてスタータ3へ
の給電有無を判定するようになっている。
【0015】また、ECU2と電源5との間は電源信号
線7によって電気的に接続されていて、ECU2により
電源5の電圧を検出するようになっている。
【0016】次に、上記構成になる始動制御装置の作動
を、図2および図3を併用して説明する。なお、図2お
よび図3は、ECU2にて実行される制御処理のうち、
内燃機関1の回転数がアイドリング回転数よりもさらに
低い時に実行される制御処理を示す流れ図で、図2およ
び図3の制御処理は並行して実行される。
【0017】まず、図2の制御処理について説明する。
スタータ信号の入力が無く(ステップS11がYE
S)、かつ電源5の電圧が所定値(例えば、8V)以下
(ステップS12がYES)の状態が所定時間(例え
ば、1〜2秒)以上継続した場合は(ステップS13が
YES)、電源5の電圧の状況からスタータ3に給電さ
れていると推定され、従ってスタータ信号の入力が無い
のはスタータ信号線6に断線やショート等の故障が発生
しているためと推定される。そこで、この場合にはスタ
ータ信号異常と判定する(ステップS14)。
【0018】また、スタータ信号の入力があれば(ステ
ップS11がNO)、ステップS15にてスタータ信号
正常と判定する。さらに、ステップS12およびステッ
プS13のいずれかがNOの時点では、スタータ3に給
電中か否か推定しがたいため図2の制御処理を続行す
る。
【0019】次に、図3の制御処理について説明する。
内燃機関1を始動させるべくスタータスイッチ4が閉じ
られると、スタータ3に給電されてクランキングが開始
される。これと同時に、ECU2は入力される各種信号
に基づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、および燃料噴
射圧力を制御する。
【0020】ここで、スタータ信号線6に断線やショー
ト等の故障がなければスタータ信号がECU2に正常に
入力されるため、スタータスイッチ4が閉じられるてい
る間(スタータ3に給電されている間)はステップS2
1がYESとなり、ステップS22に進む。そして、ス
テップS22にて、ECU2は内燃機関1に供給される
燃料量等を始動に適した量に制御する始動制御を行う。
この始動制御時には、内燃機関1の回転数と冷却水温に
基づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、および燃料噴射
圧力を制御する。
【0021】一方、スタータ信号線6に断線やショート
等の故障が発生しておれば、スタータスイッチ4が閉じ
ていてもスタータ信号がECU2に入力されず、この場
合はステップS21がNOとなり、ステップS23に進
んでスタータ信号異常(すなわち、スタータ信号の信号
伝達系が異常)か否かによって以後の制御が決定され
る。
【0022】そして、図2の制御処理にてスタータ信号
異常と判定されている場合は、ステップS23がYES
となる。ここで、図2の制御処理でスタータ信号異常と
判定されるのは、電源電圧の状況からスタータ3に給電
中と推定される場合であるから、ステップS23がYE
Sの時はステップS12に進み、燃料量等を始動に適し
た量に制御する始動制御を行う。
【0023】また、図2の制御処理にてスタータ信号が
異常と判定されていない時点ではスタータ3に給電中か
否か推定しがたいため、ステップS23がNOの場合は
ステップS22に進み、通常制御が行われる。この通常
制御時には、内燃機関1の回転数とアクセルペダルの踏
み込み量に基づいて、燃料噴射量、燃料噴射時期、およ
び燃料噴射圧力を制御する。
【0024】(他の実施形態)上記実施形態では、図2
のステップS11〜13が全てYESの場合にスタータ
信号異常と判定したが、クランキング時の回転数とアイ
ドリング時の回転数との間の値に設定した所定回転数
(例えば、300rpm)をしきい値として、内燃機関
1の回転数が所定回転数以下で、かつ図2のステップS
11〜13が全てYESの場合にスタータ信号異常と判
定してもよい。
【0025】また、放電によって電源電圧が所定値以下
まで低下した際に押しがけによって内燃機関1を始動さ
せる場合、上記実施形態ではスタータ信号の信号伝達系
が正常であっても図2のステップS11〜13が全てY
ESになってスタータ信号異常と誤判定される。そこ
で、車速が発生している(車速>0)場合には、上記の
押しがけ状態であると推定してスタータ信号異常と判定
しないようにするのが望ましい。
【0026】また、スタータ3にて内燃機関1を始動後
にスタータスイッチ4が開かれた際は、電源電圧が所定
値以上まで復帰するのに若干の時間がかかるため、スタ
ータスイッチ4が開に切り替わった時からある時間(例
えば、0.5秒)経過するまでは、スタータ信号異常と
判定しないようにするのが望ましい。
【0027】また、本発明はガソリンエンジンにも適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態になる始動制御装置を示す
模式構成図である。
【図2】図1のECU2にて実行される制御処理を示す
流れ図である。
【図3】図1のECU2にて実行される制御処理を示す
流れ図である。
【符号の説明】 1…内燃機関、2…制御手段をなすコントロールユニッ
ト、3…スタータ、5…電源。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源(5)から給電されて内燃機関
    (1)を駆動するスタータ(3)と、前記スタータ
    (3)への給電有無を示すスタータ信号が入力されると
    共に、前記スタータ(3)に給電されている時には前記
    内燃機関(1)の始動を制御する制御手段(2)とを備
    える内燃機関の始動制御装置において、 前記制御手段(2)は、前記電源(5)の電圧が所定値
    以下の状態が所定時間以上継続した時に前記スタータ
    (3)に給電されていると判定することを特徴とする内
    燃機関の始動制御装置。
  2. 【請求項2】 電源(5)から給電されて内燃機関
    (1)を駆動するスタータ(3)と、前記スタータ
    (3)への給電有無を示すスタータ信号が入力されると
    共に、前記スタータ(3)に給電されている時には前記
    内燃機関(1)の始動を制御する制御手段(2)とを備
    える内燃機関の始動制御装置において、 前記制御手段(2)は、前記内燃機関(1)の回転数が
    所定回転数以下で、かつ前記電源(5)の電圧が所定値
    以下の状態が所定時間以上継続した時に、前記スタータ
    (3)に給電されていると判定することを特徴とする内
    燃機関の始動制御装置。
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