JP2002256628A - 木造柱における柱脚部の構造 - Google Patents

木造柱における柱脚部の構造

Info

Publication number
JP2002256628A
JP2002256628A JP2001058456A JP2001058456A JP2002256628A JP 2002256628 A JP2002256628 A JP 2002256628A JP 2001058456 A JP2001058456 A JP 2001058456A JP 2001058456 A JP2001058456 A JP 2001058456A JP 2002256628 A JP2002256628 A JP 2002256628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column
anchor member
dowel
base
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001058456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3629681B2 (ja
Inventor
Osamu Sadahiro
修 貞広
Makoto Kimura
誠 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP2001058456A priority Critical patent/JP3629681B2/ja
Publication of JP2002256628A publication Critical patent/JP2002256628A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3629681B2 publication Critical patent/JP3629681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形性能に優れかつ十分な耐力と架構安定性
を有する木造柱の柱脚部の構造を実現する。 【解決手段】 礎石1の上部にダボ2を形成するととも
に柱3の底面にダボ穴4を形成し、それらダボ2とダボ
穴4とを係合させた状態で柱3を礎石1に対して回転可
能な状態で支持せしめ、かつ、柱脚部には柱断面の中心
位置から下方に突出する芯ボルト10等のアンカー部材
を設けて、そのアンカー部材を礎石1に形成した貫通孔
11に緩挿せしめてその先端部を基礎7に対して定着せ
しめる。柱脚部に固定プレート13等の固定金物を埋め
込み、その固定金物にアンカー部材の基端部を上下方向
の位置決め可能な状態でねじ込む。アンカー部材に振動
減衰機能をもたせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木造建物における木
造柱の柱脚部の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的な和風木造建物における木造柱の
柱脚部の構造としては、図2(a)に示すように、礎石
1の上部にダボ2を形成するとともに柱3の底面にダボ
穴4を形成し、それらダボ2とダボ穴4とを係合させた
状態で柱3を礎石1に対して回転可能な状態で支持せし
めるというものが一般的であった。このような構造によ
れば、柱3が横力を受けた際に水平変位が拘束されつつ
回転が許容され、架構の自重による転倒抵抗力と傾斜復
元力が得られる。
【0003】また、現代的な木造建物における木造柱の
柱脚部の構造としては、(b)あるいは(c)に示すよ
うに、柱脚部に適宜のアンカー金物5あるいは6を埋め
込んで基礎7に対して締結あるいは直接的に定着して固
定し、礎石を模した仕上材8を取り付けることが通常で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】木造建物における柱脚
部の構造としては、(a)に示したような伝統的なもの
の方が、(b)あるいは(c)に示した現代的なものよ
りも変形性能が大きくて有効であると考えられている
が、これをそのまま現代的な木造建物に適用することで
は十分な耐力と架構安定性が確保できない場合があり、
これを現代的にリファインしたより有効な構造が望まれ
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記事情に鑑み、請求項
1の発明は、木造柱における柱脚部の構造において、礎
石の上部にダボを形成するとともに柱底面にダボ穴を形
成し、それらダボとダボ穴とを係合させた状態で柱を礎
石に対して回転可能な状態で支持せしめ、かつ、柱脚部
には柱断面の中心位置から下方に突出するアンカー部材
を設けて、そのアンカー部材を礎石に形成した貫通孔に
緩挿せしめてその先端部を基礎に対して定着せしめてな
ることを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、柱脚部に固定金物を埋め込み、その固定金物にアン
カー部材の基端部を上下方向の位置決め可能な状態でね
じ込んでなることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、アンカー部材に振動減衰機能をもたせてな
ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1を参照して本発明の実施形態
を説明する。本実施形態の構造は図2(a)に示したよ
うな伝統的な構造を基本とし、それにアンカー部材とし
ての芯ボルト10を組み合わせたことを主眼とする。
【0009】すなわち、本実施形態では、基礎7上に敷
設した敷石9の上に礎石1を配置し、その礎石1の上部
にダボ2を形成しておくとともに、柱3の底面にはダボ
穴4を形成しておき、それらダボ2とダボ穴4とを係合
させた状態で柱3を礎石1に対して回転可能な状態で支
持せしめている。
【0010】また、柱脚部には柱断面の中心位置から下
方に突出する芯ボルト10を設けておくとともに、礎石
1および敷石9には芯ボルト10の外径よりも僅かに大
きい径の貫通孔11を形成しておき、芯ボルト10をそ
の貫通孔11に緩挿せしめてその先端部を基礎7に対し
て定着せしめている。
【0011】柱脚部に対する芯ボルト10の固定は、袋
ナット12を溶接した固定プレート(固定金物)13を
柱脚部に割り込んで埋め込み、その固定プレート13を
ボルト14により柱脚部に固定し、袋ナット12に芯ボ
ルト10の基端部(上端部)をねじ込んで高さ調整を行
った後、戻り止めナット15を締め付けることで行うよ
うにしており、これにより芯ボルト10の上下方向の位
置決めを容易かつ確実に行い得るようになっている。図
1(b)における符号16は固定プレート13やボルト
14を隠蔽するための埋木である。意匠的な要請があれ
ば柱脚部に銅板等をたとえば図1(a)に鎖線で示す高
さまで根巻きすれば良い。
【0012】本実施形態の構造では、従来の伝統的な構
造と同様に、柱3が横力を受けるとダボ2とダボ穴4と
の係合により水平変位が拘束されつつ柱3の回転が許容
され、架構の自重による転倒抵抗力と傾斜復元力が確保
される。その際、芯ボルト10は貫通孔11を緩挿して
いるので柱3の回転を拘束することがなく、十分な変形
性能が確保される。しかし、柱3の回転がある程度以上
になると芯ボルト10が貫通孔11に干渉することでそ
れ以上の回転が拘束されて架構の過大変形が防止され、
その結果、十分な耐力と架構の安定性を確保することが
できる。
【0013】そして、本実施形態の構造は、礎石1に貫
通孔11を設ける作業が必要であるものの、図2
(b),(c)に示した構造と比較しても施工が面倒に
なったりコスト増の要因もなく、必要に応じて埋木16
や根巻きにより木造本来の意匠を損なうこともなく、し
たがって現代的な木造建物を新築する際はもとより、文
化財としての歴史的木造建物の保存を目的とした改修を
行う場合に適用することも好適である。
【0014】なお、アンカー部材としては上記実施形態
のように鋼材あるいはステンレス材からなる芯ボルト1
0を用いることが良いが、十分な定着強度が確保できれ
ば芯ボルトに限らず適宜のアンカー部材を採用可能であ
り、また、それを柱3に対して固定するための固定金物
その他の構成も適宜変更可能である。
【0015】そして、上記のアンカー部材にダンパーと
しての機能をもたせることも考えられる。すなわち、ア
ンカー部材としてたとえば低降伏点鋼を用い、柱3が回
転した際にそのアンカー部材による所定の回転拘束力と
引抜耐力を確保しつつアンカー部材が塑性変形するよう
にしておくことにより、その塑性変形エネルギーによっ
て柱3の振動を減衰させることができ、耐震性能を向上
させることが可能である。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明は、礎石の上部にダボを
形成するとともに柱底面にダボ穴を形成し、それらダボ
とダボ穴とを係合させた状態で柱を礎石に対して回転可
能な状態で支持せしめ、かつ、柱脚部には柱断面の中心
位置から下方に突出するアンカー部材を設けて、そのア
ンカー部材を礎石に形成した貫通孔に緩挿せしめてその
先端部を基礎に対して定着せしめた構造であるから、ダ
ボとダボ穴との係合により柱の水平変位が拘束されつつ
柱の回転が許容されて自重による転倒抵抗力と傾斜復元
力が確保され、それにより十分な変形性能が確保される
ばかりでなく、柱回転がある程度以上になるとアンカー
部材がそれ以上の回転を拘束して架構の過大変形を防止
し、その結果、十分な耐力と架構の安定性を確保するこ
とができる。
【0017】請求項2の発明は、柱脚部に固定金物を埋
め込み、その固定金物にアンカー部材の基端部を上下方
向の位置決め可能な状態でねじ込んだので、アンカー部
材の上下方向の位置決めを容易かつ確実に行い得る。
【0018】請求項3の発明は、アンカー部材をダンパ
ーとしてそれに振動減衰機能をもたせたので、柱の振動
を減衰させることができ、耐震性能を向上させることが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である柱脚部の構造を示す
図である。
【図2】 従来の柱脚部の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 礎石 2 ダボ 3 柱 4 ダボ穴 7 基礎 10 芯ボルト(アンカー部材) 11 貫通孔 12 袋ナット 13 固定プレート(固定金物) 14 ボルト 15 戻り締めナット 16 埋木
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DG00 EA09 FA02 FA21 FA71 GA01 GA62 HB02 HF00 KA07 LA07 LA11 2E125 AA04 AA45 AB12 AC23 AG03 AG23 AG56 BA42 BB02 BB08 BB22 BB24 BB27 BB30 BC09 BD01 BE07 BE08 BF04 BF08 CA05 CA14 CA79 CA90 EA00 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造柱における柱脚部の構造において、
    礎石の上部にダボを形成するとともに柱底面にダボ穴を
    形成し、それらダボとダボ穴とを係合させた状態で柱を
    礎石に対して回転可能な状態で支持せしめ、かつ、柱脚
    部には柱断面の中心位置から下方に突出するアンカー部
    材を設けて、そのアンカー部材を礎石に形成した貫通孔
    に緩挿せしめてその先端部を基礎に対して定着せしめて
    なることを特徴とする木造柱における柱脚部の構造。
  2. 【請求項2】 柱脚部に固定金物を埋め込み、その固定
    金物にアンカー部材の基端部を上下方向の位置決め可能
    な状態でねじ込んでなることを特徴とする請求項1記載
    の木造柱における柱脚部の構造。
  3. 【請求項3】 アンカー部材に振動減衰機能をもたせて
    なることを特徴とする請求項1または2記載の木造柱に
    おける柱脚部の構造。
JP2001058456A 2001-03-02 2001-03-02 木造柱における柱脚部の構造 Expired - Lifetime JP3629681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001058456A JP3629681B2 (ja) 2001-03-02 2001-03-02 木造柱における柱脚部の構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001058456A JP3629681B2 (ja) 2001-03-02 2001-03-02 木造柱における柱脚部の構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002256628A true JP2002256628A (ja) 2002-09-11
JP3629681B2 JP3629681B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=18918175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001058456A Expired - Lifetime JP3629681B2 (ja) 2001-03-02 2001-03-02 木造柱における柱脚部の構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3629681B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063587A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Takenaka Komuten Co Ltd 木質構造材による柱梁架構の接合工法及び接合構造
WO2011102332A1 (ja) 2010-02-16 2011-08-25 Okura Kenho 締結具

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063587A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Takenaka Komuten Co Ltd 木質構造材による柱梁架構の接合工法及び接合構造
JP4494129B2 (ja) * 2004-08-25 2010-06-30 株式会社竹中工務店 木質構造材による柱梁架構の接合工法及び接合構造
WO2011102332A1 (ja) 2010-02-16 2011-08-25 Okura Kenho 締結具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3629681B2 (ja) 2005-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4296584A (en) Method for offset anchoring a fence post
JP2002256628A (ja) 木造柱における柱脚部の構造
JP5046912B2 (ja) 制震ダンパー取付具
JP3078732B2 (ja) 鉄骨柱脚のベースプレートとアンカーボルトの固定法
JP4919308B1 (ja) 減震装置及びその設置方法
JP4970873B2 (ja) 縦木部材立設金具
JP2006112164A (ja) 木造建物用免震アンカーボルトおよび当該免震アンカーボルトを利用した免震装置
JP3032104B2 (ja) 柱下端部の固定方法
JP3499797B2 (ja) 木造建物におけるホールダウン金物とアンカーボルトの接続装置
JP2006193996A (ja) 柱の固定構造
JPH06306944A (ja) 柱脚金物
JPH0714556Y2 (ja) 足場連結強化金物及び足場連結装置
JP6101987B2 (ja) 柱脚金物
KR102460931B1 (ko) 전산볼트가 고정되어진 공동 콘크리트 블록 구조체
JP2004263369A (ja) 耐震補強金具
JP2000204676A (ja) 柱脚金物及び柱脚と基礎との接合構造
JPH0524296B2 (ja)
JPH11270092A (ja) 手摺りの取付方法
JP5046913B2 (ja) 制震ダンパー取付具
JP6993639B2 (ja) コンクリート構造物の補強構造及び補強方法、構造物接続兼用補強鉄筋ランナ
JP3677737B2 (ja) 木造建物における仕口部の構造
JP2587649Y2 (ja) 手摺等の柱脚固定具
JP4155953B2 (ja) 手摺用支柱構造
KR20230072613A (ko) 직립성이 향상된 목재기둥
JP3091203U (ja) 補強板

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040708

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040720

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3629681

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121224

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121224

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141224

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term