JP2004263369A - 耐震補強金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】基礎、外壁等の接合部に容易に装着できて、地震等の強い衝撃振動を受けても、家屋が破損又は倒壊しないようにした耐震補強金具を提供する。
【解決手段】家屋の一の構造部に固定する第1の固定片2と、家屋の他の構造部に固定する第2の固定片3と、第1の固定片2と第2の固定片3とを連結軸5を介して回動自在に連結する連結片4とから耐震補強金具1を構成する。第1の固定片2又は第2の固定片3の少なくとも一つに、振動を吸収、緩和する効果を有する屈曲部8,9を形成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家屋の基礎と外壁、土台等の接合部に装着して、地震等の強い衝撃振動を受けた場合にも、家屋が破損又は倒壊しないようにした耐震補強金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
家屋の基礎及びこの基礎上に配置される外壁、土台等は、家屋を支持する役目を有する重要な構造部である。例えば、基礎と土台との接合は、図5に示すように、割ぐり石51上にコンクリートよりなる基礎52を敷設し、この基礎52上に土台53を載置し、これらをアンカーボルト54等で固定する、基礎打ち工法によるのが一般的である。
【0003】
又、基礎52の構成、アンカーボルト54の固定方法等を変更して、耐震性能をより向上させるようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−88585号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、基礎打ち工法にあっては、基礎52と土台53とはアンカーボルト54等によって堅固に固定されているので、地震等の強い衝撃振動を受けると、その衝撃が直接的に基礎52又は土台53に付加され、衝撃に脆いコンクリートよりなる基礎52に亀裂が発生したり、強度の弱い木材よりなる土台53は破損したりし易い、という問題があった。
【0006】
又、特許文献1に開示されたものにあっては、施工費用が高額になるとともに、施工工数が多数になる、という問題があった。
【0007】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、施工費用が高額になったり、施工工数が多数になったりすることなく、基礎、外壁、土台等の接合部に容易に装着できて、地震等の強い衝撃振動を受けても、基礎、外壁、土台等が損壊されて、家屋が破損又は倒壊しないようにした耐震補強金具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の耐震補強金具は、家屋の一の構造部に固定する第1の固定片と、家屋の他の構造部に固定する第2の固定片と、前記第1の固定片と前記第2の固定片とを連結軸を介して回動自在に連結する連結片とから構成したことを特徴とする。
【0009】
ここで、前記第1の固定片又は前記第2の固定片の少なくとも一つに、振動を吸収、緩和する効果を有する屈曲部を形成するのが好ましい。
【0010】
さらに、より大きな弾性力を屈曲部に付与するために、前記屈曲部に圧縮バネによって弾力付勢した弾力付与機構を配置するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の耐震補強金具の好適な実施形態について、図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明の耐震補強金具の一実施例の斜視図、図2は図1の耐震補強金具において、第2の固定片を所定角度回動した状態を示す斜視図、図3は図1の耐震補強金具を基礎と外壁との接合部に装着した状態を示す断面図、図4は図1の耐震補強金具の要部拡大側面図である。
【0012】
本発明の耐震補強金具1は、図1及び図2に示すように、第1の固定片2、第2の固定片3、連結片4、連結軸5及び弾力付与機構6から構成される。
【0013】
第1の固定片2は、平板部7の一端部に近い中間部に第1の屈曲部8を膨出形成し、一端部に接続して第2の屈曲部9を膨出形成し、さらに、第2の屈曲部9の一端部に管状部10を形成してある。そして、平板部7には適宜数の挿通孔11を穿設し、第2の屈曲部9には2対の挿通孔12,13を穿設してある。
【0014】
第2の屈曲部9には、屈曲部9により大きな弾性力を付与するために、弾力付与機構6が配置され、この弾力付与機構6は、ボルト14、ナット15、支持片16,17及び圧縮バネ18から構成してある。
前記挿通孔12,13にボルト14を挿通し、ボルト14の頭部と屈曲部9との間には支持片16を介在させてある。又、ボルト14の軸部の一端部に支持片17に当接させてナット15を螺合させ、支持片17と屈曲部9との間には圧縮バネ18を介在させてある。
【0015】
第2の固定片3は、平板部19の一端部に管状部20を形成してあり、平板部19には適宜数の挿通孔21を穿設してある。
【0016】
連結片4は、平板部22の両端部に管状部23,24を形成してある。
そして、第1の固定片2の管状部10と連結片4の管状部23とを係合して連結軸5を挿通し、第2の固定片3の管状部20と連結片4の管状部24とを係合して連結軸5を挿通することによって、連結片4を介して第1の固定片2と第2の固定片3とを連結してある。
【0017】
本発明の耐震補強金具1は、以上のような構成であり、基礎Xと外壁Yとの接合部に装着する場合には、第1の固定片2の平板部7を外壁Yの側面に当接し、挿通孔11にボルト25を挿通させ、外壁Yに軸部を埋設させて、第1の固定片2を外壁Yに固定する。
一方、第2の固定片3の平板部19を基礎Xの側面に当接し、挿通孔21にアンカーボルト26を挿通させ、基礎Xに軸部を埋設させて、第2の固定片3を基礎Xに固定する。このようにして、耐震補強金具1は、基礎Xと外壁Yとの接合部に装着することができる。
【0018】
本発明の耐震補強金具1によれば、第1の固定片2に第1の屈曲部8、第2の屈曲部9を形成してあるので、基礎Xと外壁Yとの接合部に強い衝撃振動が付与されたとしても、第1の屈曲部8、第2の屈曲部9がその衝撃振動を吸収、緩和して、衝撃を直接的に基礎X又は外壁Yに付加させないから、基礎Xに亀裂が発生したり、外壁Yに亀裂が発生し、破損したりすることは少ない。
【0019】
特に、第2の屈曲部9に配置された弾力付与機構6によって、屈曲部9にはより大きな弾性力が付与されるから、屈曲部9が衝撃振動を吸収、緩和する効果は絶大である。
【0020】
又、本発明の耐震補強金具1によれば、第1の固定片2と第2の固定片3とは連結片4を介して連結軸5によって連結してあり、図4に示すように、第2の固定片3は所定角度回動自在となっているから、基礎Xの側面と外壁Yの側面との間に段差があっても、第2の固定片3を適宜角度回動することによって、耐震補強金具1を容易に、しかも、確実に基礎Xと外壁Yとの接合部に装着することができる。
【0021】
上記耐震補強金具1においては、第1の固定片2に第1の屈曲部8、第2の屈曲部9を形成したが、振動を吸収、緩和する効果は低下するが、何れか一の屈曲部のみを形成してもよい。
又、第1の固定片2ではなく、第2の固定片3に屈曲部を形成してもよく、振動を吸収、緩和する効果をより向上するべく、第1の固定片2及び第2の固定片3に屈曲部を形成してもよい。
【0022】
上記においては、耐震補強金具1を基礎Xと外壁Yとの接合部に装着した例について説明したが、勿論、基礎と土台等との接合部に装着することもできる。
【0023】
以上の如く、本発明の耐震補強金具1によれば、施工費用が高額になったり、施工工数が多数になったりすることなく、基礎、外壁、土台等の接合部に容易に装着できて、地震等の強い衝撃振動を受けても、基礎、外壁、土台等が損壊されて、家屋が破損又は倒壊しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震補強金具の一実施例の斜視図である。
【図2】図1の耐震補強金具において、第2の固定片を所定角度回動した状態を示す斜視図である。
【図3】図1の耐震補強金具を基礎と外壁との接合部に装着した状態を示す断面図である。
【図4】図1の耐震補強金具の要部拡大側面図である。
【図5】従来の基礎打ち工法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 耐震補強金具
2 第1の固定片
3 第2の固定片
4 連結片
5 連結軸
6 弾力付与機構
8 第1の屈曲部
9 第2の屈曲部
18 圧縮バネ

Claims (3)

  1. 家屋の一の構造部に固定する第1の固定片と、家屋の他の構造部に固定する第2の固定片と、前記第1の固定片と前記第2の固定片とを連結軸を介して回動自在に連結する連結片とから構成される耐震補強金具。
  2. 前記第1の固定片又は前記第2の固定片の少なくとも一つに振動を吸収、緩和する効果を有する屈曲部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の耐震補強金具。
  3. より大きな弾性力を屈曲部に付与するために、前記屈曲部に圧縮バネによって弾力付勢した弾力付与機構を配置したことを特徴とする請求項2に記載の耐震補強金具。
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