JP2002256618A - 油脂類阻集器とそのバスケット - Google Patents
油脂類阻集器とそのバスケットInfo
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Abstract
と、これに用いる固形物捕集用のバスケットを提供す
る。 【解決手段】 流入口2に通水自在な固形物捕集用のバ
スケット30を取付けた油脂類阻集器において、流入口
2から流入する雑排水が勢いよく当たる上記バスケット
30の前面板30aを通水不能な無孔板で形成する。こ
のようにすると、流入した雑排水が前面板30に当たっ
て反転し、勢いが弱められてバスケットの後面板や左右
の側面板の通水孔から流出して、流出口へ向かう緩やか
な水流が形成されるため、雑排水に含まれている油脂類
や流入の際に巻き込んだ油脂類の大部分が流出口へ送ら
れるまでに水面に浮上して分離されるようになり、阻集
効率が向上する。バスケットは前面板30aを通水不能
な無孔板で形成したものであり、更に底面板30bを無
孔板で形成してもよい。
Description
が良い油脂類阻集器と、これに用いる固形物捕集用のバ
スケットに関する。
一般家庭の厨房から排出された雑排水に含まれる油脂や
固形物を阻集する装置であって、その流入口には通水自
在な固形物捕集用のバスケットが必ず取付けられてい
る。
例を示す断面図であって、バケツ型の阻集器本体1の側
壁には、流入口となる導水管2の先端が挿入され、この
導水管2の先端に固形物捕集用のバスケット3が取付け
られている。そして、この阻集器本体1の反対側には、
流出口となるトラップ4の筒部4aが内側から挿入さ
れ、この筒部4aにソケット型の継手5を介して排水管
6が接続されている。上記の固形物捕集用バスケット3
は、前後左右の側面板も底面板も多数の孔が開いた有孔
板を使用して溶接等の手段により箱型に組立てられた通
水自在なバスケットである。
る導水管2から流入した雑排水に含まれている固形物
(不図示)がバスケット3によって捕集、分離されると
共に、雑排水に含まれている油脂類Oの大部分が、トラ
ップ4の下端開口をくぐって流出口から流出する前に水
面に浮上して分離される。
油脂類阻集器は、流入口2から雑排水が勢い良く流入す
ると、水面に浮上、分離している油脂類Oを撹拌して巻
き込みながら、バスケット3の多数の孔(特にバスケッ
ト3の前面板や底面板の孔)から流出し、トラップ4の
下端開口をくぐって流出口4aへ向かう強い水流が形成
されることになる。そのため、雑排水に含有されている
油脂類Oや巻き込まれた油脂類Oは、この強い水流によ
ってトラップ4の下端開口へ送られるまでの間に、水面
に浮上、分離されにくくなり、かなりの量の油脂類Oが
トラップ4の下端開口をくぐって排出されるようになる
ので、油脂類Oの阻集効率があまり良くないという問題
があった。
もので、その目的とするところは、油脂類の阻集効率を
高めた油脂類阻集器と、その固形物捕集用のバスケット
を提供することにある。
め、請求項1に係る発明は、流入口に通水自在な固形物
捕集用のバスケットが取付けられた油脂類阻集器におい
て、上記流入口から流入する雑排水が勢いよく当たる上
記バスケットの前面板が通水不能な無孔板で形成されて
いることを特徴とするものである。
けられたバスケットの前面板が通水不能な無孔板で形成
されていると、流入口から勢い良く流入した雑排水は前
面板に当たって反転し、勢いが弱められてバスケットの
後面板や左右の側面板や底面板の多数の透水孔から流出
し、流出口へ向かう緩やかな水流が形成されることにな
る。そのため、雑排水に含まれている油脂類や流入の際
に巻き込まれた油脂類の大部分は、この緩やかな水流に
よって流出口へ送られるまでの間に水面に浮上して分離
されるようになり、油脂類の阻集効率が大幅に向上す
る。
1の油脂類阻集器において、そのバスケットの底面板も
通水不能な無孔板で形成されていることを特徴とするも
のである。
勢い良く流入した雑排水がバスケットの無孔の前面板に
当たって反転した後、更に無孔の底面板に当たって反転
し、勢いが一層弱められてバスケットの後面板や左右の
側面板の多数の透水孔から流出することになる。そのた
め、流出口へ向かう一層緩やかな水流が形成され、油脂
類の浮上、分離がより確実に行われるようになるので、
油脂類の阻集効率が更に向上する。
1の油脂類阻集器において、バスケットの底面板がその
後半部又は一部に通水孔を有する板で形成されているこ
とを特徴とするものである。
いると、阻集器からバスケットを取り出してバスケット
内の固形物を除去する際、バスケット底部の水を水切り
することができず、水が混ざったまま固形物を捨てざる
を得ないという不都合を生じるが、この油脂類阻集器で
は、底面板の後半部又は一部に形成された通水孔によっ
て水切りできるため、上記の不都合を解消することがで
きる。そして、透水孔が形成されてないバスケット底面
板の前半部で流入雑排水を反転させ、阻集効率を高める
こともできる。
1の油脂類阻集器において、バスケットの左右の側面板
がその後半部に通水孔を有する板で形成されていること
を特徴とするものである。
勢い良く流入した雑排水がバスケットの無孔の前面板に
当たって反転した後、左右の側面板の通水孔が形成され
ていない前半部に当たって勢いが更に弱められ、バスケ
ットの後面板や左右側面板の後半部に形成された通水孔
から流出して、流出口へ向かう一層緩やかな水流が形成
されるため、油脂類の浮上、分離がより確実に行われる
ようになって阻集効率が更に向上する。
器の流入口に取付けられる固形物捕集用の通水自在なバ
スケットであって、その前面板が通水不能な無孔板で形
成されていることを特徴とするものである。そして、請
求項6に係る発明は、上記請求項5のバスケットにおい
て、その底面板も通数不能な無孔板で形成されているこ
とを特徴とし、請求項7に係る発明は、上記請求項5の
バスケットにおいて、その底面板が後半部又は一部に通
水孔を有する板で形成されていることを特徴とし、請求
項8に係る発明は、上記請求項5のバスケットにおい
て、その左右の側面板が後半部に通水孔を有する板で形
成されていることを特徴とするものである。
集器の流入口に取付けると、前記請求項1の油脂類阻集
器について説明したのと同様の作用効果が得られ、ま
た、請求項6,7,8のバスケットは、これを油脂類阻
集器の流入口に取付けると、前記請求項2,3,4の油
脂類阻集器について説明したのと同様の作用効果が得ら
れる。
体的な実施形態を詳述する。
集器の断面図、図2は蓋体を取り除いた同油脂類阻集器
の平面図、図3は同油脂類阻集器に取付けられる本発明
のバスケットの斜視図、図4は同油脂阻集器の作用説明
図である。
ケットが異なる点を除いて、図7に示す従来の油脂類阻
集器と同様に構成されたものである。
集器本体1の側壁には、流入口となる導水管2の先端が
挿入され、この挿入孔の周縁に取付けられたシールパッ
キン7aによって水密性が確保されている。一方、この
阻集器本体1の反対側(上記導水管2よりも低い位置)
には、流出口となるトラップ4の筒部4aが内側から挿
入され、この挿入孔の周縁に取付けられたシールパッキ
ン7bによって水密性が確保されている。そして、この
流出口となる筒部4aには、ソケット型の継手5を介し
て排水管6が接続され、また、阻集器本体1の上端開口
には蓋体8が脱着自在に被着されている。
幅が拡張された偏平な筒形状を有するもので、排水管6
からの臭気の逆流を防止するために、その下端開口4b
を滞溜水面WLより下方へ没入させている。そして、こ
のトラップ4の傾斜した前面に形成された点検口4cに
はキャップ4dが脱着自在に被着され、このキャップ4
dを取り外すと、トラップ4や排水管6の内部を容易に
点検、清掃できるようになっている。
類を阻集する領域と、流出口側の油脂類を含まない領域
とを分離する役目を同時に果たすものであり、分離機能
をより確実に発揮させるために、下端開口4cを滞溜水
面WL下かなり深い所まで没入させている。
固形物捕集用のバスケット30が取付けられている。こ
のバスケット30は、図1〜図4に示すように、導水管
2から流入する雑排水W(図4参照)が勢いよく当たる
前面板30a及び底面板30bとしてステンレス等の金
属製の通水不能な無孔板を使用する一方、左右の側面板
30c,30dや後面板30eとしてパンチングにより
多数の透水孔30fを形成した金属製の通水自在な有孔
板を使用し、これらの板を溶接等により箱型に組立てた
ものである。そして、このバスケット30の左右側面板
30c,30dの上端間には、逆U字形に屈曲形成され
た取手30gが取付けられ、また、後面板30eの上部
にはU字型の凹欠部30hが形成されている。
欠部30hに上記導水管2の先端を嵌込むと共に、その
取手30gを上記導水管2の先端上部に固着された係合
用突起9aに係止させ、後面板30eを上記導水管2の
先端下部に固着されたストッパー9bに当止させること
によって、流入口となる上記導水管2に脱着自在に取付
けられており、取手30を持上げて外部へ取り出せば、
バスケット30内に溜まった固形物を簡単に除去できる
ようになっている。尚、上記の係合用突起9aとストッ
パー9bはリング9の上下に一体形成されており、この
リング9を導水管2の先端に外嵌することによって固着
されている。
口の導水管2に取付けた油脂類阻集器では、導水管2か
ら勢い良く流入した雑排水に含まれている固形物(不図
示)が該バスケット30によって捕集され、その内部に
貯溜される。そして、図4に示すように、導水管2から
勢い良く流入した雑排水Wは、水面に浮遊する油脂類O
を撹拌して巻き込みながら、バスケット30の通水不能
な無孔の前面板30aに当たって反転した後、更に通水
不能な無孔の底面板30bに当たって反転し、その勢い
が大幅に弱められてバスケット30の後面板30eや左
右の側面板30c,30dの多数の透水孔30fから流
出し、トラップ4の下端開口をくぐって流出口(トラッ
プの筒部4a)へ向かう緩やかな水流を形成することな
る。そのため、雑排水に含まれている油脂類Oや流入の
際に巻き込まれた油脂類Oの大部分は、この緩やかな水
流によってトラップ4の下端開口をくぐるまでの間に水
面に浮上して分離されることになるので、油脂類Oの阻
集効率が大幅に向上する。
阻集器の断面図、図6は蓋体を取り外した同油脂類阻集
器の平面図である。
の阻集器本体1よりも縦長のバケツ形に形成され、それ
に対応して、流入口となる短管20に取付けられるバス
ケット30も縦長に形成されている。そして、この流入
口となる短管20には、ソケット型の継手5を介して導
水管2が接続されている。
0)から流入する雑排水が勢い良く当たる前面板30a
のみが透水不能な金属製の無孔板で形成されており、底
面板30b、左右の側面板30c,30d,後面板30
eは、パンチングにより多数の通水孔30fを穿孔し有
孔板で形成されている。そして、このバスケット30の
後面板30eの上部には円形の開口が形成され、この開
口に短管20の先端を挿入して係止突起2aを係止させ
ることにより、バスケット30が抜け落ちなように流入
口(短管20)に取付けられている。また、このバスケ
ット30は、大きい内容積を確保するため、図6に示す
ように、左右の側面板30c,30dが阻集器本体1の
内周面に沿って湾曲するように形成されており、これら
左右の側面板30c,30dの上端間には取手30gが
取付けられている。
油脂類阻集器と実質的に同様であるので、同一部材に同
一符号を付し、説明を省略する。
底面板30bは必ずしも無孔板で形成する必要はなく、
通水自在な有孔板で形成してもよい。このように底面板
30bを有孔板で形成しても、前面板30aが無孔板で
形成されていれば、流入する雑排水の勢いが充分に弱め
られるので、油脂類の阻集効率は向上する。
その後半部又は一部に通水孔30fを有する板で形成し
てもよい。このような板で形成すると、阻集器本体1か
らバスケット30を外部に取り出してバスケット30内
の固形物を除去する際、バスケット30内の水が底面板
30bの通水孔30fによって水切りされるため、固形
物のみを捨てることができるようになり、しかも、通水
孔が形成されてない底面板30bの前側半分で流入した
雑排水を反転させて勢いを弱め、油脂類の阻集効率を高
めることもできるようになる。
c,30dを、その後半部に通水孔30fを有する板で
形成してもよい。このようなバスケット30を流入口に
取付けると、流入口から勢い良く流入した雑排水がバス
ケット30の無孔の前面板30aに当たって反転した
後、左右の側面板30c,30dの通水孔が形成されて
いない前半部に当たって勢いが更に弱められ、バスケッ
ト30の後面板30eや左右側面板30c,30dの後
半部に形成された通水孔30fから流出して一層緩やか
な水流が形成されるため、油脂類の浮上、分離がより確
実に行われるようになって阻集効率が更に向上する。
スケット30の左右の側面板30c,30d、後面板3
0e、底面板30bなど通水性が必要な板を有孔板で形
成しているが、必ずしも有孔板で形成する必要はなく、
例えば、金属製の網体等の通水孔(網目)を有するもの
で形成してもよい。
た油脂類の阻集実験について説明する。
撹拌した含油水を、図5,図6に示す縦長タイプの油脂
類阻集器(阻集器本体1の高さ:400mm、上端開口
径:200mm、有孔容量:6.7リットル、バスケッ
ト30の高さ:300mm、バスケット30の前面板の
み無孔板使用)の流入口から、毎分20リットルの流量
で流入させ、流出口から流出した水に含まれる油を秤量
して阻集効率を測定する実験を3回行った。その結果、
阻集効率は1回目の実験では89.5%、2回目の実験
では88.6%、3回目の実験では85.8%であり、
平均値は88.0%と優れていた。
て、前面板、後面板、左右の側面板、底面板の全てを有
孔板で形成した同寸法のバスケットを取り付け、上記と
同様にして阻集効率を測定する実験を3回行った。その
結果、阻集効率は1回目の実験では78.3%、2回目
の実験では78.5%、3回目の実験では76.2%で
あり、平均値は77.7%であった。
取付けた油脂類阻集器は、油脂類の阻集効率が10%以
上も向上することが判る。
のバスケットを流入口に取付けた本発明の油脂類阻集器
は、油脂類の阻集効率が大幅に向上するといった顕著な
効果を奏する。
図である。
る。
ットの斜視図である。
面図である。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】流入口に通水自在な固形物捕集用のバスケ
ットが取付けられた油脂類阻集器において、上記流入口
から流入する雑排水が勢いよく当たる上記バスケットの
前面板が通水不能な無孔板で形成されていることを特徴
とする油脂類阻集器。 - 【請求項2】上記バスケットの底面板も通水不能な無孔
板で形成されている請求項1に記載の油脂類阻集器。 - 【請求項3】上記バスケットの底面板がその後半部又は
一部に通水孔を有する板で形成されている請求項1に記
載の油脂類阻集器。 - 【請求項4】上記バスケットの左右の側面板がその後半
部に通水孔を有する板で形成されている請求項1に記載
の油脂類阻集器。 - 【請求項5】油脂類阻集器の流入口に取付けられる固形
物捕集用の通水自在なバスケットであって、その前面板
が通水不能な無孔板で形成されていることを特徴とする
バスケット。 - 【請求項6】底面板も通数不能な無孔板で形成されてい
る請求項5に記載のバスケット。 - 【請求項7】底面板がその後半部又は一部に通水孔を有
する板で形成されている請求項5に記載のバスケット。 - 【請求項8】左右の側面板がその後半部に通水孔を有す
る板で形成されている請求項5に記載のバスケット。
Priority Applications (1)
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JP2001055489A JP4488637B2 (ja) | 2001-02-28 | 2001-02-28 | 油脂類阻集器とそのバスケット |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2001-02-28 JP JP2001055489A patent/JP4488637B2/ja not_active Expired - Lifetime
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