JP2002256480A - 色調が明るく導電性に優れた電気亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

色調が明るく導電性に優れた電気亜鉛系めっき鋼板

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JP2002256480A JP2001053514A JP2001053514A JP2002256480A JP 2002256480 A JP2002256480 A JP 2002256480A JP 2001053514 A JP2001053514 A JP 2001053514A JP 2001053514 A JP2001053514 A JP 2001053514A JP 2002256480 A JP2002256480 A JP 2002256480A
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清次 中島
Kazuaki Kyono
一章 京野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色調が明るく導電性に優れた電気亜鉛系めっき
鋼板の提供。 【解決手段】鋼板の片面または両面に電気亜鉛系めっき
層が形成されてなる電気亜鉛系めっき鋼板であって、該
電気亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.1
以上であり、かつ、(10・4)面、(10・3)面、
(10・2)面の配向率の和が0.7以下である電気亜
鉛系めっき鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色調が明るく導電
性に優れた電気亜鉛系めっき鋼板に関し、詳しくは、家
電、建材、自動車等の分野において上塗り塗装なしで好
適に用いることができる、色調が明るく導電性に優れた
電気亜鉛系めっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】電気亜鉛系めっき鋼板は、優れた耐食性
を有することから、家電、建材、自動車等の分野におい
て広く使用されている。近年、需要家からの塗装工程省
略の要求に応えて、電気亜鉛系めっき層の上にクロメー
ト処理などの各種化成処理や、薄膜タイプの有機系、無
機系等のクリアー皮膜処理を施すことにより、耐食性を
さらに向上させるだけでなく、耐指紋性、潤滑性等を付
与した鋼板が開発され、需要家での使用が急増してい
る。さらに最近では、環境改善の観点からCrを全く含
有しない、いわゆるノンクロム皮膜の要求も高まり、有
機系、無機系、有機/無機複合系等の各種皮膜が開発さ
れている。これらの上層処理が施された電気亜鉛系めっ
き鋼板は上塗り塗装なしで使用されることが多いため、
従来の上塗り塗装を施していた場合には全く問題となら
なかった色調や外観に対する需要家の要求が非常に厳し
くなってきている。特に、色調については、明るい色調
が好まれることから、明度(L値)を高くすることへの
要求が一段と高まっている。
【0003】また最近では、前記のような上層処理が施
された電気亜鉛系めっき鋼板が、複写機等のOA機器、
パソコンやその周辺機器、AV機器等の外板材として使
用されることが多くなってきている。これらの用途では
装置内部からの電磁波の漏洩を遮蔽するために良好なア
ース性を確保することが必要であり、このため導電性を
高めること、すなわち表面抵抗を小さくすることへの要
求も一段と高まっている。
【0004】これらの要求に対し、色調の明るい電気亜
鉛系めっき鋼板が、(1)特公平5−36514号公
報、(2)特公平7−11071号公報、(3)特開平
10−18078号公報、(4)特開平10−1807
9号公報等において提案されている。これらは、いずれ
も電気亜鉛系めっき層の配向性を所定範囲内に制御する
ことにより、色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼板を得る
ことを目的としている。
【0005】具体的には、上記(1)に記載の方法は、
(00・2)、(10・0)、(10・1)、(10・
2)、(10・3)、(11・0)の6種の結晶面のX
線回折ピーク強度値を測定し、(00・2)面、(10
・1)面の配向性が、ランダムな状態の標準亜鉛粉末と
比較して何倍強く優先配向しているかを示す配向指数を
特定の式を用いて規定することにより、明度を制御しよ
うと試みたものである。上記(2)に記載の方法も全く
同じ式を用いて、(10・3)面、(10・1)面、ま
たは、(11・0)面、(00・2)面の配向性を規定
したものである。さらに、上記(4)に記載の方法も全
く同じ式を用いて、(00・2)面、(10・1)面、
(10・3)面の配向指数、およびこれらの配向指数の
比を規定したものである。また上記(3)に記載の方法
は、(00・2)、(00・4)、(10・0)、(1
0・1)、(10・2)、(10・3)、(11・0)
の7種の結晶面のX線回折ピーク強度値を測定し、この
うち、亜鉛基底面とのなす角度が小さい(00・2)
面、(00・4)面、(10・3)面の配向指数の和、
亜鉛基底面とのなす角度が大きい(10・0)面、(1
0・1)面、(10・2)面、(11・0)面の配向指
数の和を規定することにより、明度を制御しようと試み
たものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らがさらに詳細に検討したところ、電気亜鉛系めっき
鋼板の明度は、上記(1)〜(4)に記載の方法によっ
て算出された亜鉛特定結晶面の配向指数の影響を少なか
らず受けるもののその相関は不明瞭であり、したがっ
て、これらの方法により配向性を制御した電気亜鉛系め
っき鋼板を製造しても色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼
板が安定して得られるわけではなく、極めて不確実な方
法であることを知見した。そして、その理由についても
詳細な検討を行った。
【0007】その結果、電気亜鉛系めっき層は、前記6
種または7種の結晶面以外に、(11・2)、(20・
1)、(10・4)、(20・3)の各結晶面にも強く
配向する場合があり、電気亜鉛系めっき層の配向性と明
度の関係を正確に把握するためには、これらの結晶面へ
の配向性も考慮すべきであることを見出した。
【0008】さらに、上記(3)に記載の方法において
は(00・4)面の配向指数も考慮に入れているが、X
線回折測定においては(00・2)面と(00・4)面
とは等価な面であるため、同じ亜鉛結晶からの強度を二
度カウントしていることに相当する。本発明者らは、こ
の方法では(00・2)面の配向性を過大評価している
ことになり、これにより配向指数と明度との相関関係が
さらに悪いものとなっていることを知見した。
【0009】さらに、上記(1)〜(4)に記載の方法
の配向指数は、いずれも特定結晶面の配向性を標準亜鉛
粉末の場合と比較した比率をそのまま用いたものであ
る。本来、電気亜鉛系めっき層の明度は、そのめっき層
内に存在する種々の方位に配向した亜鉛結晶の存在比率
に対応するものであるから、電気亜鉛系めっき層全体に
占める特定結晶面の存在比で示されるべきである。この
ことも、上記(1)〜(4)に記載の方法において、電
気亜鉛系めっき層の配向性と明度の相関関係が不十分で
あった理由の一つであることを本発明者らは知見した。
【0010】一方、電気亜鉛系めっき層の上層に、前述
の各種上層処理、すなわちクロメート処理等の各種化成
処理;有機系、無機系等のクリアー皮膜処理;有機系、
無機系、有機/無機複合系等の各種ノンクロム処理等を
施した場合、一般に耐食性は向上するが、導電性が劣化
することが知られている。導電性を向上させる手段につ
いては、これまで有効な手段が見出されておらず、上層
処理の付着量を少なくすることにより導電性を向上させ
る方法が一般的であった。当然のことながら、上層処理
の付着量を少なくすることにより耐食性は劣化するた
め、従来の技術では、使用目的に応じて耐食性および導
電性のいずれか一方を選択せざるを得ない状況であっ
た。
【0011】以上述べたように、従来提案されている方
法によって電気亜鉛系めっき層の配向性を制御しても、
色調の明るい電気亜鉛系めっき鋼板を安定して得ること
はできなかった。また、従来、各種上層処理を施した場
合には、導電性の劣化が必至であり、これを防ぐために
は耐食性を犠牲にして上層処理の付着量を少なくする以
外に方法がなかった。このような状況から、色調が明る
く、かつ、導電性に優れた電気亜鉛系めっき鋼板が以前
から切望されていた。
【0012】したがって、本発明は、上記問題点を解決
した、色調が明るく導電性に優れた電気亜鉛系めっき鋼
板を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
ができた電気亜鉛系めっき鋼板として、本発明は、鋼板
の片面または両面に電気亜鉛系めっき層が形成されてな
る電気亜鉛系めっき鋼板であって、該電気亜鉛系めっき
層の(00・2)面の配向率が0.1以上であり、か
つ、(10・4)面、(10・3)面、(10・2)面
の配向率の和が0.7以下である電気亜鉛系めっき鋼板
を提供する。ここで、電気亜鉛系めっき鋼板の各結晶面
の配向率R(hk・l)は、X線回折測定によって得ら
れる回折ピーク強度から下記式(1)により定義され
る。 R(hk・l)=[I(hk・l)/Is (hk・l)]/Σ[I(hk・l )/Is (hk・l)] (1) ただし、式(1)中、I(hk・l)はX線回折測定に
よって得た電気亜鉛系めっき層の各結晶面(hk・l)
の回折ピーク強度値(cps)であり、Is (hk・
l)は標準亜鉛粉末の各結晶面(hk・l)の回折ピー
ク強度値(cps)である。また、Σは、評価に必要な
10種の結晶面、すなわち(00・2)、(10・
0)、(10・1)、(10・2)、(10・3)、
(11・0)、(11・2)、(20・1)、(10・
4)、(20・3)の各結晶面についての値を合計する
ことを意味する。
【0014】この電気亜鉛系めっき鋼板は、色調が明る
く導電性に優れるため、そのままでも好適に使用するこ
とができるが、耐食性、耐指紋性、潤滑性等をさらに向
上させるために、電気亜鉛系めっき層の上に、クロメー
ト処理等の各種化成処理;薄膜タイプの有機系、無機
系、有機/無機複合系等のクリアー皮膜処理;Crを全
く含有しない有機系、無機系、有機/無機複合系等のノ
ンクロム処理等を施しても好適に使用できる。
【0015】特に、本発明は、鋼板の片面または両面に
電気亜鉛系めっき層が形成され、少なくとも一つの該電
気亜鉛系めっき層の上に、Cr換算で120mg/m2
以下のクロメート皮膜が形成されてなる電気亜鉛系めっ
き鋼板であって、該電気亜鉛系めっき層の(00・2)
面の配向率が0.1〜0.8であり、かつ、(10・
4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和
が0.1〜0.7である電気亜鉛系めっき鋼板を提供す
る。ここで、電気亜鉛系めっき鋼板の各結晶面の配向率
R(hk・l)は、上記式(1)により定義される。
【0016】この態様の電気亜鉛系めっき鋼板において
は、少なくとも一つの前記クロメート皮膜の上に、乾燥
質量で2g/m2 以下のクリアー皮膜が形成されてなる
のが本発明の好ましい態様の一つである。
【0017】さらに、本発明は、鋼板の片面または両面
に電気亜鉛系めっき層が形成され、少なくとも一つの該
電気亜鉛系めっき層の上に、実質的にCrを含有しな
い、乾燥質量で2g/m2 以下のノンクロム皮膜が形成
されてなる電気亜鉛系めっき鋼板であって、該電気亜鉛
系めっき層の(00・2)面の配向率が0.1〜0.8
であり、かつ、(10・4)面、(10・3)面、(1
0・2)面の配向率の和が0.1〜0.7である電気亜
鉛系めっき鋼板を提供する。ここで、電気亜鉛系めっき
鋼板の各結晶面の配向率R(hk・l)は、上記式
(1)により定義される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明者らは、電気亜鉛系めっき鋼板の一般的な
工業的製法として多用されている、不溶性電極を用いた
硫酸系電気亜鉛系めっき浴を使用し、浴組成、不純物濃
度、浴温度、浴pH、液流速、電流密度等のめっき処理
条件を種々変化させ、得られた電気亜鉛系めっき鋼板の
色調および導電性と、めっき層の結晶面配向性との関係
について詳細に調査した。この際、電気亜鉛系めっき鋼
板の色調は、JIS Z8730(制S45.3.1、
改H7.3.1)に規定されている明度(L値)によっ
て評価した。また、導電性については、四探針プローブ
(ESPプローブ)を接続した抵抗率計(三菱化学
(株)製、ロレスタ−AP)を用いて表面抵抗を測定す
ることにより評価した。
【0019】また、めっき層の結晶面配向性は、X線回
折測定により得られる回折ピーク強度を詳細に解析する
ことにより、本発明の要旨の一つである各結晶面の存在
比率、すなわち配向率に換算して評価した。
【0020】亜鉛の結晶面は、JCPDSカードに記載
されているように、格子定数の大きい側から、すなわち
X線回折測定を行う際の低角側から、(00・2)面、
(10・0)面、(10・1)面、(10・2)面、
(10・3)面、(11・0)面、(00・4)面、
(11・2)面、(20・0)面、(20・1)面、
(10・4)面、(20・2)面、(20・3)面、
(10・5)面、(11・4)面、(21・0)面、
(21・1)面、(20・4)面、(00・6)面、
(21・2)面の順に測定される。本発明者らは、めっ
き処理条件を種々変化させて作製した電気亜鉛系めっき
鋼板のX線回折測定を行い、得られるピークは(00・
2)面から(20・3)面までの低角側のピークにほぼ
集中しており、(10・5)面から(21・2)面まで
の高角側のピークはほとんど測定されないことを知見し
た。そして、電気亜鉛系めっき鋼板の配向性を正確に評
価するためには、(00・2)面から(20・3)面ま
でのピークについてはすべて測定する必要があり、(1
0・5)面から(21・2)面までのピークについては
無視し得ることを明らかにした。
【0021】つぎに、本発明者らは、(00・2)面か
ら(20・3)面までのピークのうち、X線回折測定に
おける等価な面、すなわち(00・2)面と(00・
4)面、(10・0)面と(20・0)面、(10・
1)面と(20・2)面について、両者とも考慮すべき
か否かの検討を行った。その結果、等価な面の両者を考
慮した場合には、明度や導電性と結晶面配向性との相関
関係が不良となり、一方のみ、すなわち(00・2)
面、(10・0)面、(10・1)面のみを取り扱った
場合の方が相関関係が良好となることを見出した。これ
は、等価な面の両者を取り扱った場合、同じ亜鉛結晶か
らの強度を2度カウントしていることになり、その結晶
面への配向性を過大評価してしまうためと考えられる。
【0022】上述の検討結果から、電気亜鉛系めっき鋼
板の配向性を正確に評価するためには、(00・2)、
(10・0)、(10・1)、(10・2)、(10・
3)、(11・0)、(11・2)、(20・1)、
(10・4)、(20・3)の10種の結晶面について
評価を行う必要があることを本発明者らは明らかにし
た。すなわち、この10種の結晶面について評価を行う
と、明度と結晶面配向性の相関関係が、上記(1)〜
(4)に記載の方法と比べて格段に向上する。
【0023】さらに、本発明者らは、電気亜鉛系めっき
層の明度は、そのめっき層内に存在する種々の方位に配
向した亜鉛結晶の存在比率に対応するものであるとの考
えに基づき、電気亜鉛系めっき層全体に占める特定結晶
面の存在比を算出する方法について詳細な検討を行っ
た。ランダムな状態の標準亜鉛粉末をX線回折測定する
際の各結晶面のピーク強度は、決して均等になるわけで
はなく、概ねJCPDSカードに記載の強度比率とな
る。これに対して、電気亜鉛系めっき鋼板を測定したと
きの各結晶面のピーク強度は、めっき処理条件による影
響を受けて特定結晶面に優先配向しているため、標準亜
鉛粉末における強度比率とは異なったものとなる。そこ
で、本発明者らは、各結晶面ごとに、標準亜鉛粉末のピ
ーク強度に対する電気亜鉛系めっき鋼板のピーク強度の
比を算出し、この値を各結晶面の存在量と仮定した。ま
た、評価に必要な10種の結晶面の存在量の合計値を電
気亜鉛系めっき層全体の存在量と仮定した。これらに基
づき、各結晶面の存在量が電気亜鉛系めっき層全体の存
在量に占める存在比を算出し、これを各結晶面の配向率
とした。
【0024】すなわち、本発明者らは、電気亜鉛系めっ
き鋼板の各結晶面の配向率R(hk・l)をX線回折測
定によって得られる回折ピーク強度から下記式(1)に
より定義した。 R(hk・l)=[I(hk・l)/Is (hk・l)]/Σ[I(hk・l )/Is (hk・l)] (1) ただし、式(1)中、I(hk・l)はX線回折測定に
よって得た電気亜鉛系めっき層の各結晶面(hk・l)
の回折ピーク強度値(cps)であり、Is (hk・
l)は標準亜鉛粉末の各結晶面(hk・l)の回折ピー
ク強度値(cps)である。また、Σは、評価に必要な
10種の結晶面、すなわち(00・2)、(10・
0)、(10・1)、(10・2)、(10・3)、
(11・0)、(11・2)、(20・1)、(10・
4)、(20・3)の各結晶面についての値を合計する
ことを意味する。
【0025】本発明者らは、種々の電気亜鉛系めっき鋼
板について、上記式(1)により定義される各結晶面の
配向率と明度(L値)との相関関係について研究した結
果、(00・2)面の配向率が増大するのにともなって
明度が増大し、(10・4)面、(10・3)面、(1
0・2)面の配向率の和が増大するのにともなって明度
が減少することを見出し、しかも極めて良好な相関関係
が得られることを見出した。したがって、電気亜鉛系め
っき鋼板の配向性を正確に評価する方法として、上述し
た各結晶面の配向率の算出方法が極めて有効であること
が明らかとなった。よって、本発明においては、電気亜
鉛系めっき鋼板の各結晶面の「配向率」とは、上記式
(1)により定義されたものをいう。そして、本発明者
は、上記知見に基づき、本発明を完成した。
【0026】本発明の第一の態様は、鋼板の片面または
両面に電気亜鉛系めっき層が形成されてなる電気亜鉛系
めっき鋼板であって、該電気亜鉛系めっき層の(00・
2)面の配向率が0.1以上であり、かつ、(10・
4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和
が0.7以下である電気亜鉛系めっき鋼板である。本発
明の第一の態様においては、鋼板の両面に電気亜鉛系め
っき層が形成されている場合には、電気亜鉛系めっき層
の少なくとも一方が上記配向率を満たしていればよい
が、両方が満たしているのが好ましい。以下、配向率の
限定理由について説明する。
【0027】図1は、電気亜鉛系めっき鋼板まま、すな
わち上層処理を何も施さない場合における、配向率と明
度(L値)および導電性(表面抵抗)との関係を示すグ
ラフである(なお、図1は、後述する実施例の第1表か
ら作成したものである。)。図1(a)は(00・2)
面の配向率と明度(L値)との関係を、図1(b)は
(10・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配
向率の和と明度(L値)との関係をそれぞれ示す。これ
らの図からも明らかなように、上記式(1)により定義
される配向率と明度との相関関係は極めて良好である。
【0028】ここで、需要家に要求される明度の基準値
は、需要家により、また使用する製品や部位により異な
るため一概には規定できないが、電気亜鉛系めっきまま
の場合、L値は70以上であるのが好ましく、75以上
であるのがより好ましく、80以上であるのが更により
好ましい。したがって、図1(a)より、(00・2)
面の配向率は0.1以上であるのが好ましく、0.2以
上であるのがより好ましく、0.37以上であるのが更
により好ましく、図1(b)より、(10・4)面、
(10・3)面、(10・2)面の配向率の和は、0.
7以下であるのが好ましく、0.6以下であるのがより
好ましく、0.47以下であるのが更により好ましい。
【0029】また、図1(c)は(00・2)面の配向
率と導電性(表面抵抗)との関係を、図1(d)は(1
0・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率
の和と導電性(表面抵抗)との関係をそれぞれ示す。上
層処理を何も施していない電気亜鉛系めっき鋼板の場合
には、導電性を有する金属亜鉛が表面に露出しているた
め、表面抵抗は電気亜鉛系めっき層の配向率に依存せず
いずれも低い値を示し、導電性は良好である。
【0030】本発明の第二の態様は、鋼板の片面または
両面に電気亜鉛系めっき層が形成され、少なくとも一つ
の該電気亜鉛系めっき層の上に、Cr換算で120mg
/m 2 以下のクロメート皮膜が形成されてなる電気亜鉛
系めっき鋼板であって、該電気亜鉛系めっき層の(00
・2)面の配向率が0.1〜0.8であり、かつ、(1
0・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率
の和が0.1〜0.7である電気亜鉛系めっき鋼板であ
る。本発明の第二の態様においては、鋼板の両面にクロ
メート皮膜が形成されている場合には、電気亜鉛系めっ
き層の少なくとも一方が上記配向率を満たしていればよ
いが、両方が満たしているのが好ましい。以下、配向率
の限定理由について説明する。
【0031】図2は、上層処理として反応型クロメート
皮膜を50mg/m2 施した電気亜鉛系めっき鋼板にお
ける、配向率と明度(L値)および導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフである(なお、図2は、後述する
実施例の第2表から作成したものである。)。図2
(a)は(00・2)面の配向率と明度(L値)との関
係を、図2(b)は(10・4)面、(10・3)面、
(10・2)面の配向率の和と明度(L値)との関係を
それぞれ示す。これらの図からも明らかなように、図1
(a)および(b)の場合と同様に、上記式(1)によ
り定義される配向率と明度との相関関係は極めて良好で
ある。
【0032】ここで、電気亜鉛系めっき層の上にクロメ
ート皮膜を施すことにより、電気亜鉛系めっき鋼板まま
の場合よりも明度(L値)が低下する。需要家に要求さ
れる明度の基準値は、需要家により、また使用する製品
や部位により異なるため一概には規定できないが、クロ
メート皮膜が形成されている場合、L値は65以上であ
るのが好ましく、70以上であるのがより好ましく、7
5以上であるのが更により好ましい。したがって、図2
(a)より、(00・2)面の配向率は0.1以上であ
るのが好ましく、0.2以上であるのがより好ましく、
0.37以上であるのが更により好ましく、図2(b)
より、(10・4)面、(10・3)面、(10・2)
面の配向率の和は、0.7以下であるのが好ましく、
0.6以下であるのがより好ましく、0.47以下であ
るのが更により好ましい。
【0033】また、図2(c)は(00・2)面の配向
率と導電性(表面抵抗)との関係を、図2(d)は(1
0・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率
の和と導電性(表面抵抗)との関係をそれぞれ示す。図
2(c)および(d)から分かるように、電気亜鉛系め
っき層の上層にクロメート処理を施した場合には、導電
性についても、(00・2)面の配向率、および(10
・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の
和と極めて良好な相関関係を示すことを本発明者らは新
たに見出した。ここで、需要家に要求される表面抵抗の
基準値は、需要家により、また使用する製品や部位によ
り異なるため一概には規定できないが、クロメート皮膜
を施した電気亜鉛系めっき鋼板の表面抵抗は、10mΩ
以下であるのが好ましく、1mΩ以下であるのがより好
ましく、0.3mΩ以下であるのが更により好ましい。
したがって、図2(c)より、(00・2)面の配向率
は0.8以下であるのが好ましく、0.6以下であるの
がより好ましく、0.47以下であるのが更により好ま
しい。図2(d)より、(10・4)面、(10・3)
面、(10・2)面の配向率の和は、0.1以上である
のが好ましく、0.2以上であるのがより好ましく、
0.28以上であるのが更により好ましい。
【0034】本発明の第三の態様は、少なくとも一つの
前記クロメート皮膜の上に、乾燥質量で2g/m2 以下
のクリアー皮膜が形成されてなる本発明の第二の態様の
電気亜鉛系めっき鋼板である。本発明の第三の態様にお
いては、鋼板の両面にクリアー皮膜が形成されている場
合には、電気亜鉛系めっき層の少なくとも一方が上記配
向率を満たしていればよいが、両方が満たしているのが
好ましい。以下、配向率の限定理由について説明する。
【0035】図3は、上層処理として反応型クロメート
皮膜を20mg/m2 施した後、さらに有機系クリアー
皮膜を1.0g/m2 施した電気亜鉛系めっき鋼板にお
ける、配向率と明度(L値)および導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフである(なお、図3は、後述する
実施例の第3表から作成したものである。)。図3
(a)は(00・2)面の配向率と明度(L値)との関
係を、図3(b)は(10・4)面、(10・3)面、
(10・2)面の配向率の和と明度(L値)との関係を
それぞれ示す。これらの図からも明らかなように、図2
(a)および(b)の場合と同様に、上記式(1)によ
り定義される配向率と明度との相関関係は極めて良好で
ある。
【0036】ここで、クロメート皮膜の上にクリアー皮
膜を施すことにより、クロメート皮膜のみの場合よりも
明度(L値)が低下する。需要家に要求される明度の基
準値は、需要家により、また使用する製品や部位により
異なるため一概には規定できないが、クロメート皮膜の
上にクリアー皮膜が形成されている場合、L値は60以
上であるのが好ましく、65以上であるのがより好まし
く、70以上であるのが更により好ましい。したがっ
て、図3(a)より、(00・2)面の配向率は0.1
以上であるのが好ましく、0.2以上であるのがより好
ましく、0.38以上であるのが更により好ましく、図
3(b)より、(10・4)面、(10・3)面、(1
0・2)面の配向率の和は、0.7以下であるのが好ま
しく、0.6以下であるのがより好ましく、0.35未
満であるのが更により好ましい。
【0037】また、図3(c)は(00・2)面の配向
率と導電性(表面抵抗)との関係を、図3(d)は(1
0・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率
の和と導電性(表面抵抗)との関係をそれぞれ示す。こ
こで、クロメート皮膜の上にクリアー皮膜を施すことに
より、クロメート皮膜のみの場合よりも表面抵抗が増大
する。需要家に要求される明度の基準値は、需要家によ
り、また使用する製品や部位により異なるため一概には
規定できないが、クロメート皮膜の上にクリアー皮膜が
形成されている場合、表面抵抗は、100mΩ以下であ
るのが好ましく、10mΩ以下であるのがより好まし
く、5mΩ以下であるのが更により好ましい。したがっ
て、図3(c)より、(00・2)面の配向率は0.8
以下であるのが好ましく、0.6以下であるのがより好
ましく、0.47以下であるのが更により好ましく、図
3(d)より、(10・4)面、(10・3)面、(1
0・2)面の配向率の和は、0.1以上であるのが好ま
しく、0.2以上であるのがより好ましく、0.25以
上であるのが更により好ましい。これらの値は、本発明
の第二の態様の場合と変わらない。
【0038】本発明の第四の態様は、鋼板の片面または
両面に電気亜鉛系めっき層が形成され、少なくとも一つ
の該電気亜鉛系めっき層の上に、実質的にCrを含有し
ない、乾燥質量で2g/m2 以下のノンクロム皮膜が形
成されてなる電気亜鉛系めっき鋼板であって、該電気亜
鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.1〜0.
8であり、かつ、(10・4)面、(10・3)面、
(10・2)面の配向率の和が0.1〜0.7である電
気亜鉛系めっき鋼板である。本発明の第四の態様におい
ては、鋼板の両面にノンクロム皮膜が形成されている場
合には、電気亜鉛系めっき層の少なくとも一方が上記配
向率を満たしていればよいが、両方が満たしているのが
好ましい。以下、配向率の限定理由について説明する。
【0039】図4は、上層処理として有機/無機複合系
ノンクロム皮膜を1.0g/m2 施した電気亜鉛系めっ
き鋼板における、配向率と明度(L値)および導電性
(表面抵抗)との関係を示すグラフである(なお、図4
は、後述する実施例の第4表から作成したものであ
る。)。図4(a)は(00・2)面の配向率と明度
(L値)との関係を、図4(b)は(10・4)面、
(10・3)面、(10・2)面の配向率の和と明度
(L値)との関係をそれぞれ示す。これらの図からも明
らかなように、図1(a)および(b)の場合と同様
に、上記式(1)により定義される配向率と明度との相
関関係は極めて良好である。
【0040】ここで、電気亜鉛系めっき層の上にノンク
ロム皮膜を施すことにより、電気亜鉛系めっき鋼板まま
の場合よりも明度(L値)が低下する。需要家に要求さ
れる明度の基準値は、需要家により、また使用する製品
や部位により異なるため一概には規定できないが、ノン
クロム皮膜が形成されている場合、L値は60以上であ
るのが好ましく、65以上であるのがより好ましく、7
0以上であるのが更により好ましい。したがって、図4
(a)より、(00・2)面の配向率は0.1以上であ
るのが好ましく、0.2以上であるのがより好ましく、
0.48以上であるのが更により好ましく、図4(b)
より、(10・4)面、(10・3)面、(10・2)
面の配向率の和は、0.7以下であるのが好ましく、
0.6以下であるのがより好ましく、0.35未満であ
るのが更により好ましい。
【0041】また、図4(c)は(00・2)面の配向
率と導電性(表面抵抗)との関係を、図4(d)は(1
0・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率
の和と導電性(表面抵抗)との関係をそれぞれ示す。図
4(c)および(d)から分かるように、電気亜鉛系め
っき層の上層にノンクロム処理を施した場合には、導電
性についても、(00・2)面の配向率、および(10
・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の
和と極めて良好な相関関係を示すことを本発明者らは新
たに見出した。ここで、需要家に要求される表面抵抗の
基準値は、需要家により、また使用する製品や部位によ
り異なるため一概には規定できないが、クロメート皮膜
を施した電気亜鉛系めっき鋼板の表面抵抗は、100m
Ω以下であるのが好ましく、10mΩ以下であるのがよ
り好ましく、5mΩ以下であるのが更により好ましい。
したがって、図4(c)より、(00・2)面の配向率
は0.8以下であるのが好ましく、0.6以下であるの
がより好ましく、0.5以下であるのが更により好まし
く、図4(d)より、(10・4)面、(10・3)
面、(10・2)面の配向率の和は、0.1以上である
のが好ましく、0.2以上であるのがより好ましく、
0.25以上であるのが更により好ましい。
【0042】これらの結果からも明らかであるように、
電気亜鉛系めっき鋼板、上層にクロメート皮膜が施され
た電気亜鉛系めっき鋼板、上層にクロメート皮膜とクリ
アー皮膜とが施された電気亜鉛系めっき鋼板、上層にノ
ンクロム皮膜が施された電気亜鉛系めっき鋼板のいずれ
についても、その明度および導電性は(00・2)面の
配向率、および(10・4)面、(10・3)面、(1
0・2)面の配向率の和によってほぼ一義的に決定す
る。
【0043】なお、電気亜鉛系めっき鋼板の明度および
導電性が、(00・2)面の配向率、および(10・
4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和
によってほぼ一義的に決定する理由については、以下の
ように推察する。本発明において配向率を算出する際に
使用する10種の結晶面、すなわち(00・2)、(1
0・0)、(10・1)、(10・2)、(10・
3)、(11・0)、(11・2)、(20・1)、
(10・4)、(20・3)の各結晶面を、基板とのな
す角度が小さい順に並び替えると、(00・2)=0
゜、(10・4)=31.7゜、(10・3)=39.
5゜、(10・2)=51.1゜、(20・3)=5
8.8゜、(11・2)=65.0゜、(10・1)=
68.0゜、(20・1)=78.6゜、(11・0)
=90゜、(10・0)=90゜の順となる。本発明者
らが、各結晶面の形状について詳細に調査を行ったとこ
ろ、基板に平行な(00・2)面は板状結晶が基板に平
行に積層した形状であり、基板とのなす角度が31.7
゜〜51.1゜である(10・4)面、(10・3)
面、(10・2)面はピラミッド型の四角錐または三角
錐に類似した形状となり、基板とのなす角度が58.8
゜〜90゜である(20・3)面、(11・2)面、
(10・1)面、(20・1)面、(11・0)面、
(10・0)面は板状結晶が基板に垂直に近い形で積層
した形状であることが明らかとなった。
【0044】したがって、(00・2)面は基板と平行
であるため、入射光をほとんど吸収せず、結果的に、乱
反射光が増大するために明度(L値)が増大する。これ
は、電気亜鉛系めっき層の上に各種の上層処理を施した
場合も同様である。このことは逆に、上層処理を施した
場合、上層処理皮膜の表面状態が非常に平坦であること
を示しており、その結果、上層処理皮膜表面からの亜鉛
結晶の突出がないために通電点が確保できず、(00・
2)面の配向率が増大するほど導電性が劣化するものと
考えられる。逆に、(10・4)面、(10・3)面、
(10・2)面はピラミッド型の最も凹凸の激しい表面
形状を有している。このため、入射光の吸収量が最も多
く、乱反射光を減少させることにより明度(L値)が低
下する。これは、電気亜鉛系めっき層の上に各種の上層
処理を施した場合も同様である。また、凹凸の激しい表
面形状であるため、上層処理を施した場合、上層処理皮
膜から亜鉛結晶が突出する比率が高くなり、このため豊
富な通電点が確保されるので、(10・4)面、(10
・3)面、(10・2)面の配向率の和が増大するほど
導電性が向上するものと考えられる。
【0045】本発明で規定する上記配向率の達成手段に
ついては何ら限定されるものではない。また、各結晶面
の配向率は様々な因子によって変化するため、その達成
手段を一義的に決めることはできないが、例えば、工業
的規模で一般的に使用されている酸性浴による電気亜鉛
系めっき方法においては、浴組成、不純物の種類や濃
度、浴中添加物の種類や濃度、浴温度、浴pH、液流
速、電流密度等の様々なめっき処理条件が各結晶面の配
向率に影響を与えるので、現場の状況に応じて、上記配
向率を満足するようにそれらの条件を単独でまたは複合
して制御すればよい。
【0046】本発明の電気亜鉛系めっき鋼板において、
電気亜鉛系めっき層の付着量は、何ら限定されるもので
はなく、所望の耐食性に応じて適宜決めればよいが、1
g/m2 未満では耐食性が不十分となる場合があるの
で、1g/m2 以上であるのが好ましく、3g/m2
上であるのがより好ましく、また、120g/m2 を超
えると製造費用が高くなるので、120g/m2 以下で
あるのが好ましく、90g/m2 以下であるのがより好
ましい。
【0047】また、本発明の電気亜鉛系めっき鋼板にお
いて、電気亜鉛系めっき層は、その用途に応じて、鋼板
の片面のみに形成してもよく両面に形成してもよい。さ
らには、電気亜鉛系めっき層の形成に先立って、Ni、
Zn、Fe等を含有する下地めっき層を形成してもよ
い。
【0048】本発明の電気亜鉛系めっき鋼板は、色調が
明るく導電性に優れるため、そのままでも好適に使用す
ることができるが、耐食性、耐指紋性、潤滑性などをさ
らに向上させるために、電気亜鉛系めっき層の上に、ク
ロメート処理などの各種化成処理皮膜;薄膜タイプの有
機系、無機系、有機/無機複合系等のクリアー皮膜;C
rを全く含有しない有機系、無機系、有機/無機複合系
等のノンクロム皮膜を単独でまたは複合して施しても好
適に使用できる。
【0049】本発明の第二の態様におけるクロメート皮
膜付着量の限定理由を以下に説明する。図5(a)はク
ロメート皮膜付着量と明度(L値)の関係を、図5
(b)はクロメート皮膜付着量と導電性(表面抵抗)の
関係を示すグラフである(なお、図5は、後述する実施
例の第5表から作成したものである。)。クロメート皮
膜の付着量が増大するのにともない、明度および導電性
がいずれも劣化する傾向が見られる。前記した需要家の
要求を考慮すると、特に明度の観点から、クロメート皮
膜の付着量はCr換算で120mg/m2 以下であるの
が好ましく、Cr換算で100mg/m2 以下であるの
がより好ましく、Cr換算で50mg/m2 以下である
のが更により好ましい。また、クロメート皮膜の付着量
は、一般にはCr換算で1mg/m2 以上である。
【0050】また、本発明の第二の態様においては、ク
ロメート皮膜の形成方法についても何ら限定されるもの
ではなく、反応型クロメート処理、塗布型クロメート処
理、電解クロメート処理等の公知の処理方法がいずれも
適用可能である。また、クロメート皮膜の耐食性、加工
性等を向上させるために、例えば、シリカ等の無機酸化
物;有機樹脂、ワックス粒子、有機シラン化合物等の有
機化合物;リン酸、硝酸、フッ化物等の反応促進剤等を
配合したクロメート処理液を用いることも可能である。
【0051】本発明の第三の態様におけるクリアー皮膜
付着量の限定理由を以下に説明する。図6(a)は、C
r換算で20mg/m2 のクロメート皮膜の上にさらに
有機系クリアー皮膜を施したときのクリアー皮膜付着量
と明度(L値)の関係を、図6(b)は、そのときのク
リアー皮膜付着量と導電性(表面抵抗)の関係を示すグ
ラフである(なお、図6は、後述する実施例の第5表か
ら作成したものである。)。クリアー皮膜の付着量が増
大するのにともない、明度および導電性がいずれも劣化
する傾向が見られる。前記した需要家の要求を考慮する
と、特に導電性の観点から、クリアー皮膜の付着量は、
乾燥質量で2g/m2 以下であるのが好ましく、乾燥質
量で1.5g/m2 以下であるのがより好ましく、乾燥
質量で1.0g/m2 以下であるのが更により好まし
い。
【0052】また、本発明の第三の態様においては、ク
リアー皮膜の皮膜組成についても何ら限定されるもので
はなく、有機系、無機系、有機/無機複合系等のクリア
ー皮膜を単独でまたは複合して施せばよい。有機系クリ
アー皮膜としては、例えば、エチレン系、アクリル系、
ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリビニル
系、ポリアミド系、フッ素系等の有機樹脂を主体とし、
耐食性、潤滑性等の必要特性に応じて、さらにシリカ等
の無機酸化物、各種リン酸塩等の無機顔料、ワックス粒
子、有機シラン化合物等を含有する皮膜が挙げられる。
また、無機系クリアー皮膜としては、例えば、ケイ酸ナ
トリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等のケイ酸
塩を主体とし、耐食性、潤滑性等の必要特性に応じて、
さらにシリカ等の無機酸化物、各種リン酸塩等の無機顔
料、ワックス粒子、有機シラン化合物等を含有する皮膜
が挙げられる。また、耐食性、潤滑性等をさらに向上さ
せる目的で、有機系成分と無機系成分とを配合した有機
/無機複合系クリアー皮膜も好適に使用される。
【0053】本発明の第四の態様におけるノンクロム皮
膜付着量の限定理由を以下に説明する。図7(a)は、
Crを全く含有しない有機/無機複合系ノンクロム皮膜
を施したときの有機/無機複合系ノンクロム皮膜付着量
と明度(L値)の関係を、図7(b)は、そのときの有
機/無機複合系ノンクロム皮膜付着量と導電性(表面抵
抗)の関係を示すグラフである(なお、図7は、後述す
る実施例の第5表から作成したものである。)。有機/
無機複合系ノンクロム皮膜の付着量が増大するのにとも
ない、明度および導電性がいずれも劣化する傾向が見ら
れる。前記した需要家の要求を考慮すると、特に導電性
の観点から、有機/無機複合系ノンクロム皮膜の付着量
は、乾燥質量で2g/m2 以下であるのが好ましく、乾
燥質量で1.5g/m2 以下であるのがより好ましく、
乾燥質量で1.2g/m2 以下であるのが更により好ま
しい。
【0054】また、本発明の第四の態様においては、ノ
ンクロム皮膜の皮膜組成についても、実質的にCrを含
有しない皮膜、一般にはCr換算で1mg/m2 以下で
ある皮膜であれば何ら限定されるものではなく、有機
系、無機系、有機/無機複合系等のノンクロム皮膜を単
独でまたは複合して施せばよい。有機系ノンクロム皮膜
としては、例えば、エチレン系、アクリル系、ウレタン
系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリビニル系、ポリ
アミド系、フッ素系等の有機樹脂を主体とし、耐食性、
潤滑性等の必要特性に応じて、さらにシリカ等の無機酸
化物、各種リン酸塩等の無機顔料、ワックス粒子、有機
シラン化合物等を含有する皮膜が挙げられる。また、無
機系ノンクロム皮膜としては、例えば、各種金属カチオ
ンのケイ酸塩、リン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、水
酸化物、塩化物等の金属塩を主体とし、耐食性、潤滑性
等の必要特性に応じて、さらにシリカ等の無機酸化物、
ワックス粒子、有機シラン化合物等を含有する皮膜が挙
げられる。また、耐食性、潤滑性等をさらに向上させる
目的で、有機系成分と無機系成分とを配合した有機/無
機複合系ノンクロム皮膜も好適に使用される。さらに
は、有機系、無機系、有機/無機複合系等のノンクロム
皮膜を2層以上施した積層ノンクロム皮膜も好適に使用
される。
【0055】なお、上層皮膜の有無、種類および付着量
は、需要家が使用する製品の種類や部位に応じて耐食性
や加工性などの必要特性も勘案して決定される。
【0056】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。めっ
き原板として冷延鋼板を使用し、電解脱脂、水洗、酸
洗、水洗、電気亜鉛系めっきの順に処理することにより
電気亜鉛系めっき鋼板を作製した。また、電気亜鉛系め
っき条件のうち、浴組成、不純物の種類、不純物の濃
度、浴温度、浴pH、液流速、電流密度を変化させるこ
とにより、電気亜鉛系めっき層の配向率を変化させたサ
ンプル1〜61を作製した。これらの処理条件を以下に
示す。
【0057】(電解脱脂条件) ・浴組成 :オルトケイ酸Na、濃度30g/L ・浴温 :70℃ ・電流密度:10A/dm2 ・通電時間:5sec
【0058】(酸洗条件) ・浴組成 :H2 SO4 、濃度50g/L ・浴温 :50℃ ・浸漬時間:5sec
【0059】 (電気亜鉛系めっき条件) ・浴組成 :ZnSO4 ・7H2 O、濃度300〜350g/L; Na2 SO4 、濃度0〜 80g/L ・不純物 :Ni2+、濃度0〜 300ppm; Fe2+、濃度0〜5000ppm; Pb2+、濃度0〜 10ppm; Sn2+、濃度0〜 10ppm; Cu2+、濃度0〜 2ppm; In2+、濃度0〜 100ppm; Ir2+、濃度0〜 200ppm ・浴温度 :30〜60℃ ・浴pH :1.0〜1.8 ・液流速 :0.5〜1.5m/sec ・電流密度:20〜160A/dm2 ・付着量 :20g/m2
【0060】このようにして作製した電気亜鉛系めっき
鋼板の一部については、さらに上層処理を施した。上層
処理としては、クロメート処理のみ、クロメート処理お
よび有機系クリアー皮膜処理、有機/無機複合系ノンク
ロム皮膜処理の3種を実施した。これらの処理条件を以
下に示す。
【0061】(クロメート処理条件) ・処理方法:反応型クロメート処理 ・付着量 :Cr換算で10〜160mg/m2
【0062】 (有機系クリアー皮膜処理条件) ・処理液 :エチレンアクリル共重合体樹脂、85%(固形分換算); コロイダルシリカ、10%(固形分換算); ポリエチレンワックス、5%(固形分換算) ・乾燥条件:120℃(15sec後到達板温) ・付着量 :乾燥質量で0.2〜3.0g/m2
【0063】 (有機/無機複合系ノンクロム皮膜処理条件) ・処理液 :ポリアクリル酸樹脂、50%(固形分換算); リン酸亜鉛、30%(固形分換算); 硝酸アルミニウム、10%(固形分換算); コロイダルシリカ、10%(固形分換算) ・乾燥条件:120℃(15sec後到達板温) ・付着量 :乾燥質量で0.2〜3.0g/m2
【0064】このようにして作製された各種電気亜鉛系
めっき鋼板について、X線回折測定を行い、めっき層の
各結晶面の回折ピーク強度から、上記式(1)を用い
て、各結晶面の配向率を算出した。また、各種電気亜鉛
系めっき鋼板について、色差計を用いて、明度(L値)
を測定した。また、導電性を評価するために、四探針プ
ローブ(ESPプローブ)を接続した抵抗率計(三菱化
学(株)製、ロレスタ−AP)を用いて表面抵抗を測定
した。
【0065】明度および導電性の測定結果は、下記の基
準によりランク分けした。 (明度) ・電気亜鉛めっきまま(上層処理なし)の場合 ◎+: L値≧80 ◎ :80>L値≧75 ○ :75>L値≧70 × :70>L値 ・クロメート皮膜を施した場合 ◎+: L値≧75 ◎ :75>L値≧70 ○ :70>L値≧65 × :65>L値 ・クロメート皮膜およびクリアー皮膜を施した場合、な
らびに、ノンクロム皮膜を施した場合 ◎+: L値≧70 ◎ :70>L値≧65 ○ :65>L値≧60 × :60>L値
【0066】(導電性)・電気亜鉛めっきまま(上層処
理なし)の場合、および、クロメート皮膜を施した場合 ◎+: 表面抵抗≦0.3mΩ ◎ :0.3mΩ<表面抵抗≦ 1mΩ ○ : 1mΩ<表面抵抗≦ 10mΩ × : 10mΩ<表面抵抗 ・クロメート皮膜およびクリアー皮膜を施した場合、な
らびに、ノンクロム皮膜を施した場合 ◎+: 表面抵抗≦ 5mΩ ◎ : 5mΩ<表面抵抗≦ 10mΩ ○ : 10mΩ<表面抵抗≦100mΩ × :100mΩ<表面抵抗
【0067】第1表に電気亜鉛めっきまま(上層処理な
し)の場合、第2表にクロメート皮膜を施した場合、第
3表にクロメート皮膜およびクリアー皮膜を施した場
合、第4表に有機/無機複合系ノンクロム皮膜を施した
場合における、(00・2)面の配向率、(10・4)
面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和、明
度(L値)、表面抵抗の測定結果を示す。また、第5表
に、(00・2)面の配向率、(10・4)面、(10
・3)面、(10・2)面の配向率の和が本発明を満足
する電気亜鉛系めっき鋼板であるサンプル61の上に、
クロメート皮膜、クリアー皮膜、有機/無機複合系ノン
クロム皮膜を適宜設け、その付着量を変化させたサンプ
ル62〜90の、明度(L値)、表面抵抗の測定結果を
示す。なお、第1表〜第5表において、サンプル1〜4
は比較例であり、サンプル5〜90は本発明の第一の態
様の実施例である。
【0068】第1表から明らかなように、本発明の電気
亜鉛系めっき鋼板(サンプル5〜60)は、色調が明る
く、導電性に優れる。中でも、電気亜鉛系めっき層の
(00・2)面の配向率が0.2以上であるサンプル1
0〜60は、特に色調が明るい。
【0069】第2表から明らかなように、本発明の電気
亜鉛系めっき鋼板のうち、電気亜鉛系めっき層の上に、
クロメート皮膜が形成されており、電気亜鉛系めっき層
の(00・2)面の配向率が0.8以下であり、(10
・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の
和が0.1以上であるサンプル5〜48は、色調が明る
く、導電性に優れる。中でも、電気亜鉛系めっき層の
(00・2)面の配向率が0.2以上であるサンプル1
0〜48は、特に色調が明るく、また、電気亜鉛系めっ
き層の(10・4)面、(10・3)面、(10・2)
面の配向率の和が0.2以上であるサンプル5〜36
は、特に導電性に優れる。また、第5表から明らかなよ
うに、本発明の電気亜鉛系めっき鋼板であるサンプル6
1に、クロメート皮膜が形成されている場合(サンプル
62〜70)には、クロメート皮膜付着量がCr換算で
120mg/m2 以下であるサンプル62〜68が色調
が明るく、導電性に優れ、中でも、Cr換算で100m
g/m2 以下であるサンプル62〜67は特に色調が明
るい。
【0070】第3表から明らかなように、本発明の電気
亜鉛系めっき鋼板のうち、電気亜鉛系めっき層の上に、
クロメート皮膜およびクリアー皮膜が形成されており、
電気亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.8
以下であり、(10・4)面、(10・3)面、(10
・2)面の配向率の和が0.1以上であるサンプル5〜
48は、色調が明るく、導電性に優れる。中でも、電気
亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.2以上
であるサンプル10〜48は、特に色調が明るく、ま
た、電気亜鉛系めっき層の(10・4)面、(10・
3)面、(10・2)面の配向率の和が0.2以上であ
るサンプル5〜36は、特に導電性に優れる。また、第
5表から明らかなように、本発明の電気亜鉛系めっき鋼
板であるサンプル61に、Cr換算で20mg/m2
クロメート皮膜およびクリアー皮膜が形成されている場
合(サンプル71〜80)には、クリアー皮膜付着量が
乾燥質量で2g/m2 以下であるサンプル71〜78が
色調が明るく、導電性に優れ、中でも、乾燥質量で1.
5g/m2 以下であるサンプル71〜77は特に導電性
に優れる。
【0071】第4表から明らかなように、本発明の電気
亜鉛系めっき鋼板のうち、電気亜鉛系めっき層の上に、
ノンクロム皮膜が形成されており、電気亜鉛系めっき層
の(00・2)面の配向率が0.8以下であり、(10
・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の
和が0.1以上であるサンプル5〜48は、色調が明る
く、導電性に優れる。中でも、電気亜鉛系めっき層の
(00・2)面の配向率が0.2以上であるサンプル1
2〜48は、特に色調が明るく、また、電気亜鉛系めっ
き層の(10・4)面、(10・3)面、(10・2)
面の配向率の和が0.2以上であるサンプル5〜36
は、特に導電性に優れる。また、第5表から明らかなよ
うに、本発明の電気亜鉛系めっき鋼板であるサンプル6
1に、ノンクロム皮膜が形成されている場合(サンプル
81〜90)には、ノンクロム皮膜付着量が乾燥質量で
2g/m2 以下であるサンプル81〜88が色調が明る
く、導電性に優れ、中でも、乾燥質量で1.5g/m2
以下であるサンプル81〜87は特に導電性に優れる。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】
【表9】
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気亜鉛
系めっき鋼板は、いずれも色調が明るく、優れた導電性
を有するものであり、工業的に極めて価値の高く、広範
な用途に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気亜鉛系めっき鋼板まま、すなわち上層処
理を何も施さない場合における、配向率と明度(L値)
および導電性(表面抵抗)との関係を示すグラフであ
る。(a)は(00・2)面の配向率と明度(L値)と
の関係を示すグラフであり、(b)は(10・4)面、
(10・3)面、(10・2)面の配向率の和と明度
(L値)との関係を示すグラフであり、(c)は(00
・2)面の配向率と導電性(表面抵抗)との関係を示す
グラフであり、(d)は(10・4)面、(10・3)
面、(10・2)面の配向率の和と導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフである。
【図2】 上層処理として反応型クロメート皮膜を50
mg/m2 施した電気亜鉛系めっき鋼板における、配向
率と明度(L値)および導電性(表面抵抗)との関係を
示すグラフである。(a)は(00・2)面の配向率と
明度(L値)との関係を示すグラフであり、(b)は
(10・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配
向率の和と明度(L値)との関係を示すグラフであり、
(c)は(00・2)面の配向率と導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフであり、(d)は(10・4)
面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和と導
電性(表面抵抗)との関係を示すグラフである。
【図3】 上層処理として反応型クロメート皮膜を20
mg/m2 施した後、さらに有機系クリアー皮膜を1.
0g/m2 施した電気亜鉛系めっき鋼板における、配向
率と明度(L値)および導電性(表面抵抗)との関係を
示すグラフである。(a)は(00・2)面の配向率と
明度(L値)との関係を示すグラフであり、(b)は
(10・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配
向率の和と明度(L値)との関係を示すグラフであり、
(c)は(00・2)面の配向率と導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフであり、(d)は(10・4)
面、(10・3)面、(10・2)面の配向率の和と導
電性(表面抵抗)との関係を示すグラフである。
【図4】 上層処理として有機/無機複合系ノンクロム
皮膜を1.0g/m2施した電気亜鉛系めっき鋼板にお
ける、配向率と明度(L値)および導電性(表面抵抗)
との関係を示すグラフである。(a)は(00・2)面
の配向率と明度(L値)との関係を示すグラフであり、
(b)は(10・4)面、(10・3)面、(10・
2)面の配向率の和と明度(L値)との関係を示すグラ
フであり、(c)は(00・2)面の配向率と導電性
(表面抵抗)との関係を示すグラフであり、(d)は
(10・4)面、(10・3)面、(10・2)面の配
向率の和と導電性(表面抵抗)との関係を示すグラフで
ある。
【図5】 (a)はクロメート皮膜付着量と明度(L
値)の関係を示すグラフであり、(b)はクロメート皮
膜付着量と導電性(表面抵抗)の関係を示すグラフであ
る。
【図6】 (a)はクロメート皮膜の上にさらに有機系
クリアー皮膜を施したときのクリアー皮膜付着量と明度
(L値)の関係を示すグラフであり、(b)はそのとき
のクリアー皮膜付着量と導電性(表面抵抗)の関係を示
すグラフである。
【図7】 (a)はCrを全く含有しない有機/無機複
合系ノンクロム皮膜を施したときの有機/無機複合系ノ
ンクロム皮膜付着量と明度(L値)の関係を示すグラフ
であり、(b)は、そのときの有機/無機複合系ノンク
ロム皮膜付着量と導電性(表面抵抗)の関係を示すグラ
フである。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 千昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K024 AA05 AB02 AB03 BA02 BB02 BB15 BB18 BC01 CA16 DB04 DB05 DB06 GA02 GA03 GA04 4K026 AA02 AA07 AA12 AA22 BA02 BA03 BA04 BA06 BA08 CA20 CA23 CA27 CA32 CA33 CA34 CA36 CA39 CA41 DA03 DA11 EB02 EB08 4K044 AA02 AB02 BA11 BA14 BA15 BA21 BB03 BB04 BB16 BC01 BC02 BC09 CA16 CA17 CA18 CA53

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の片面または両面に電気亜鉛系めっき
    層が形成されてなる電気亜鉛系めっき鋼板であって、 該電気亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.
    1以上であり、かつ、(10・4)面、(10・3)
    面、(10・2)面の配向率の和が0.7以下である電
    気亜鉛系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】鋼板の片面または両面に電気亜鉛系めっき
    層が形成され、少なくとも一つの該電気亜鉛系めっき層
    の上に、Cr換算で120mg/m2 以下のクロメート
    皮膜が形成されてなる電気亜鉛系めっき鋼板であって、 該電気亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.
    1〜0.8であり、かつ、(10・4)面、(10・
    3)面、(10・2)面の配向率の和が0.1〜0.7
    である電気亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】少なくとも一つの前記クロメート皮膜の上
    に、乾燥質量で2g/m2 以下のクリアー皮膜が形成さ
    れてなる請求項2に記載の電気亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】鋼板の片面または両面に電気亜鉛系めっき
    層が形成され、少なくとも一つの該電気亜鉛系めっき層
    の上に、実質的にCrを含有しない、乾燥質量で2g/
    2以下のノンクロム皮膜が形成されてなる電気亜鉛系
    めっき鋼板であって、 該電気亜鉛系めっき層の(00・2)面の配向率が0.
    1〜0.8であり、かつ、(10・4)面、(10・
    3)面、(10・2)面の配向率の和が0.1〜0.7
    である電気亜鉛系めっき鋼板。
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WO2005045097A1 (ja) * 2003-11-11 2005-05-19 Nippon Steel Corporation 無機有機複合処理亜鉛系めっき鋼板
CN100430528C (zh) * 2004-08-31 2008-11-05 宝山钢铁股份有限公司 高速连续电镀不溶性阳极导电面烧蚀在线识别方法
JP2008303410A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Nippon Steel Corp 連続電気めっき装置用のコンダクターロール、金属鋼帯の連続電気めっき装置、電気めっき金属鋼帯、及び表面処理鋼板
TWI391528B (zh) * 2008-02-29 2013-04-01 Kobe Steel Ltd 磷酸鹽處理之電鍍鋅鋼板

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