JP2002255987A - 細胞活性物質、その製造方法、ならびに当該細胞活性物質を含む医薬品および化粧料 - Google Patents

細胞活性物質、その製造方法、ならびに当該細胞活性物質を含む医薬品および化粧料

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JP2002255987A
JP2002255987A JP2001304002A JP2001304002A JP2002255987A JP 2002255987 A JP2002255987 A JP 2002255987A JP 2001304002 A JP2001304002 A JP 2001304002A JP 2001304002 A JP2001304002 A JP 2001304002A JP 2002255987 A JP2002255987 A JP 2002255987A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の細胞活性物質は、海洋水中に溶
存される無機塩の少なくとも一部を分離する操作を経た
(濃縮)脱塩海洋水を、さらに濃縮する操作を少なくと
も1回行うことにより得られ得る細胞活性物質であり、
当該細胞活性物質には、皮膚細胞活性物質および/また
は免疫細胞活性物質が包含される。また、本発明の医薬
品および化粧料は、上記の細胞活性物質を含有してい
る。 【効果】 本発明の細胞活性物質によれば、たとえば、
繊維芽細胞のエネルギー代謝・増殖活性を向上させるこ
とができ、皮膚の老化防止、機能改善に有効である。ま
た、好酸球の活性を高めることができ、アトピーなどの
アレルギーに有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、海洋水中に含有される細
胞活性物質、その製造方法、この細胞活性物質を含有す
る医薬品および化粧料に関する。さらに詳しくは、本発
明は、海洋水中に含有される、皮膚細胞活性物質(例:
繊維芽細胞活性物質)、免疫細胞活性物質(例:好酸球
活性物質)などの細胞活性物質、このような細胞活性物
質を製造する方法、このような細胞活性物質を含有する
医薬品および化粧料に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】人皮には、加齢などの内的要因に
よりあるいは紫外線などの外的要因などにより、しわ、
しみ、たるみの発生といった老化症状が発現する。こう
した人皮の老化症状は、皮膚真皮繊維芽細胞の機能低
下、さらにこうした細胞の機能低下に伴うマトリックス
繊維およびコラーゲンの分泌不足が主要な発生要因とな
っていると考えられている。従って、人皮の老化防止あ
るいは老化した皮膚の機能改善には、皮膚真皮繊維芽細
胞を活性化させ、さらにこうした細胞の増殖を図ること
が有効な手段であると考えられている。
【0003】このような人皮の老化症状、すなわち皮膚
真皮繊維芽細胞の活性の低下に対しては、海藻などから
の抽出物が有効であるとされている。例えば特開平10-3
30281号公報には、ヤハズグサ類、ホンダワラ類、フク
リンアミジ類、フクロノリ類、コンブ類、カイメンソウ
類、カギケノリ類、イトグサ類、ヤナギノリ類、ソゾ
類、ガラガラ類からの抽出液が真皮繊維芽細胞の代謝を
活性化させることが記載されている。また、特開平11-1
16431号公報には、キートセロスグラシリスの培養上清
を含有してなる皮膚外用剤の発明が開示されている。こ
こで使用されているキートセロスグラシリス(Chaetocer
os gracilis)は、近海の海中に単独で生息する藻類の一
種である。このキートセロスグラシリスの培養上清は、
真皮の繊維芽細胞の代謝活性を向上させる効果があると
記載されている。
【0004】また、こうした海藻由来の成分のほかに
も、例えば特開2000-169320号公報には、海藻抽出液、
カミツレ抽出液、ムクロジ抽出液、タマサキツズラフジ
抽出液のいずれかと、ユッカ抽出液とを組み合わせるこ
とにより細胞賦活剤として効果があると記載されてい
る。しかしながら、こうした藻類あるいは植物からの抽
出物は、藻類あるいは植物の生息状況によって抽出され
る成分の組成に変動が生ずる虞があり、また、こうした
藻類あるいは植物からの抽出操作も複雑であるとの問題
がある。
【0005】また、特開2000-159654号公報には、海洋
深層水を限外濾過、逆浸透膜濾過法、電気透析法、イオ
ン交換膜法および蒸留法の処理法から選ばれる少なくと
も1種の処理法により処理することにより得られる濃縮
水を含有することを特徴とする化粧料の発明が開示され
ている。そして、この公報には、この濃縮水の導電率が
5mS/cm〜1S/cm、好ましくは10mS/cm〜500mS/cm
であると記載されており、海水が上記のような導電率を
有するためには、相当量のイオン性物質を含有している
と考えられる。また、この公報では、濃縮水中の水蒸発
固形分あたりの塩素イオン、ナトリウムイオンおよびカ
リウムイオンの合計存在量比率は35%以下であり、現
に実施例2および比較例2で使用している濃縮水B1の塩
素イオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンの合計
存在比率は31.5%、実施例2および比較例2で使用
している濃縮水B2の塩素イオン、ナトリウムイオン及び
カリウムイオンの合計存在比率も32.5%と非常に高
い値を示している。そして、該公報には、これらの値を
有し、かつこの公報に記載されている方法により得られ
る濃縮水であって、海洋深層水中に含有される成分のう
ち、皮膚に対して刺激性を有する塩素イオン、ナトリウ
ムイオン及びカリウムイオンを除いたミネラル分を高い
濃度で含有する海洋深層水を用いた化粧料の発明が開示
されていると解される。海洋深層水に含まれる無機物質
から、皮膚に対して刺激性を有する塩素イオン、ナトリ
ウムイオン及びカリウムイオンを除去すると、一般に栄
養塩といわれるイオンであるリン酸イオン、ケイ酸イオ
ン、硝酸イオンなどの含有比率が高くなり、これらの天
然ミネラルが皮膚のくすみ、しわなどの改善効果および
痩身効果を奏するものと考えられる。
【0006】上記のように特開2000-159654号公報に
は、海洋深層水を濃縮して、海洋深層水中に含有される
天然ミネラルを主として含有する海洋深層水の濃縮水を
使用した化粧料が開示されているのであり、この公報に
開示されている化粧料によって奏される効果は海洋深層
水中に含まれる天然ミネラル成分、すなわち無機塩であ
ると解される。
【0007】このような加齢などの内的要因による皮膚
の老化とは別に、皮膚疾患として、近年、住環境および
食生活等の変化、ストレスなどから、アトピー性皮膚炎
などの種々のアレルギー症状を起こす患者が増えてお
り、問題となっている。アトピー性皮膚炎などのアレル
ギー症状は、遺伝による体質が大きな役割を果たしてい
る過敏症の一種である。このようなアレルギー症状を引
き起こす抗原は、血液中にあると考えられており、この
抗原と抗体との複合体が、組織からヒスタミンあるいは
ヒスタミン様物質を遊離させる結果、特異的な症状が引
き起こされるものと考えられている。例えば、アトピー
性皮膚炎では、末梢血好酸球が増大し、組織所見におい
ても好酸球の浸潤がみられることが多い。このことから
も、好酸球がアトピー性皮膚炎においては中心的な役割
を担う細胞の一つであると考えられる。
【0008】こうした背景のもとに、好酸球活性物質に
ついて種々の研究がなされており、海洋深層水によって
好酸球の活性が高くなることが既に知られているが、こ
のような海洋水の好酸球活性に関するメカニズムについ
ては、いまだ正確には解明されていない。目下のとこ
ろ、好酸球活性は、海洋深層水中に含まれるミネラル分
に由来するものとの考え方が大勢を占めており、海洋深
層水を濃縮、脱塩、分離して得られるミネラル分を多く
含む分離物がアレルギー性の薬剤等に用いられていた。
【0009】上記のような海洋深層水を濃縮、脱塩、分
離して得られる物質では、そのほとんどを硫酸カルシウ
ム等の無機塩が占めている。しかしながら、硫酸カルシ
ウムには、アレルギーに関与した薬効が実質的にはない
ことが知られている。
【0010】
【発明の目的】本発明は、海洋水中から無機塩をできる
だけ除去し、一方この海洋水中に含有される有機物質を
濃縮した高濃縮脱塩海洋水からなる細胞活性物質である
皮膚細胞活性物質(たとえば、繊維芽細胞活性物質)お
よび免疫細胞活性物質(たとえば、好酸球活性物質)を
提供することを目的としている。
【0011】さらに本発明は、上記のような細胞活性物
質である皮膚繊維芽細胞活性物質および好酸球活性物質
を製造する方法を提供することを目的としている。ま
た、本発明は、上記のような皮膚細胞活性物質(たとえ
ば、繊維芽細胞活性物質)および免疫細胞活性物質(た
とえば、好酸球活性物質)などの細胞活性物質を用いた
医薬品および化粧料を提供することを目的としている。
【0012】
【発明の概要】本発明の細胞活性物質は、溶存する無機
塩の少なくとも一部を分離した脱塩海洋水から、さらに
析出物あるいは無機塩を分離する操作及び該析出物ある
いは無機塩を分離する操作を経た脱塩海洋水をさらに濃
縮する操作を少なくとも1回行うことにより得られ得る
ものである。
【0013】本発明において、濃縮操作(工程)とは、
海洋水中に溶存する溶在塩の除去操作をいい、本工程に
おいては、海洋水が濃縮され真水が除去されてもよい。
前記脱塩海洋水は、必要に応じて、減圧蒸留等により濃
縮された濃縮脱塩海洋水であってもよい。さらに詳しく
は本発明の細胞活性物質は、海洋水中に溶存される無機
塩の少なくとも一部を分離する操作を経た(濃縮)脱塩
海洋水を、さらに濃縮する操作を少なくとも1回行うこ
とにより得られ得るものである。
【0014】本発明の細胞活性物質には、細胞エネルギ
ー代謝活性物質が含まれる。また、本発明の細胞活性物
質には、繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質など
の皮膚細胞活性物質および好酸球活性物質などの免疫細
胞活性物質が包含される。また、本発明の細胞活性物質
の製造方法は、必要に応じて、海洋水を減圧下に蒸留濃
縮することにより、該海洋水に溶存する無機塩の少なく
とも一部をたとえば析出させるなどして分離して濃縮脱
塩海洋水を得た後、該(濃縮)脱塩海洋水からさらに析
出物あるいは無機塩を分離する工程、及び、該析出物な
どを分離する工程を経た(濃縮)脱塩海洋水をさらに減
圧下に濃縮する工程及び分離する工程を少なくとも1回
行うことを特徴としている。
【0015】さらに詳しくは本発明の細胞活性物質の製
造方法は、海洋水から溶存する無機塩の少なくとも一部
を分離して(濃縮)脱塩海洋水を得る工程、および、該
(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮して析出物あるいは無
機塩を分離する工程を少なくとも一回行う工程を経て細
胞活性物質を高い濃度で含有する高濃縮脱塩海洋水を得
ることを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の医薬品は、海洋水中に溶
存される無機塩の少なくとも一部を分離する操作を経た
(濃縮)脱塩海洋水を、さらに濃縮する操作を少なくと
も1回行うことにより得られ得る細胞活性物質を含有す
ることを特徴としている。上記医薬品は、外用薬であっ
ても、内服薬であってもよい。医薬品が外用薬である場
合、本発明の皮膚外用薬は、たとえば、海洋水を減圧下
に蒸留濃縮することにより得られる濃縮海洋水から析出
物あるいは無機塩を分離する操作並びに該析出物等を分
離する操作を経た(濃縮)脱塩海洋水をさらに減圧下に
濃縮する操作及び分離する操作を少なくとも1回行うこ
とにより得られ得る細胞活性物質を含有するものであっ
てもよい。
【0017】また、本発明の化粧料は、海洋水中に溶存
される無機塩の少なくとも一部を分離する操作を経た
(濃縮)脱塩海洋水を、さらに濃縮する操作を少なくと
も1回行うことにより得られ得る細胞活性物質を含有す
ることを特徴としている。海洋水中には、無機塩と有機
物質とが含有されており、海洋水中に溶存している無機
塩の濃度は、通常は3.4重量%程度である。そして、
この無機塩のうち2.2重量%以上は、塩化ナトリウ
ム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムであり、こうし
た無機塩は、細胞エネルギー代謝活性物質としての作用
は少なく、また、特に無機塩中に多く含まれる硫酸カル
シウムには、アレルギーに関与した薬効も実質的にない
ことが知られている。
【0018】一方、海洋水に溶存している無機塩を除去
しながら濃縮して得られる濃縮液を分析すると、この濃
縮液中には一定分子量以上の有機物質が含有されている
ことがわかった。このような有機物質の由来およびその
構成などについての詳細は明らかではなく、極めて多種
多様な成分を含有しているものと推定される。しかしな
がら、こうした有機物質について、展開溶媒を選択して
ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分析すると、波長
280nmにおける紫外線検出分析においては分子量10
0万以上の第1画分、分子量5万〜100万の第2画
分、分子量5000〜5万の第3画分、および、分子量
5000以下の第4画分よりなる画分の少なくとも1の
画分にピークを有する有機物質が含有されていることが
わかった。
【0019】そして、本発明はこのような海洋水中に含
有される有機物質を選択的に収集して繊維芽細胞に対す
る挙動および好酸球活性などの細胞活性を調査した結
果、これらの有機物質に繊維芽細胞エネルギー代謝・増
殖活性および好酸球活性などの細胞活性があるとの知見
を得て本発明を完成したものである。すなわち、従来は
海洋水、例えば海洋深層水中に含有される塩化物系以外
の無機物である天然ミネラルが注目されており、こうし
た天然ミネラルを例えば化粧品などの皮膚外用薬に配合
することにより、希少天然ミネラルが繊維芽細胞活性物
質および好酸球活性を有する活性物質として作用すると
考えられ検討されていたが、こうした海洋水に微量に含
有される有機物質に関しては、細胞活性などに関する詳
細な検討はされていない。これは海洋水中における無機
塩の含有率が高く、通常の分離方法では、無機塩により
阻害されて極微量に含有される有機物質を無機塩から分
離することさえも極めて困難であると共に、こうした無
機塩の影に隠れて極微量の有機物質の作用効果を特定す
ること自体に著しい困難性があったためである。
【0020】しかしながら、本発明者は、海洋水を繰り
返し濃縮しながら無機塩をでき得る限り分離除去して有
機物質の濃度を高めて、この有機物質を比較的高い濃度
で含有する濃縮液を、例えば繊維芽細胞や好酸球に作用
させてみたところ、繊維芽細胞のエネルギー代謝・増殖
活性物質として優れた効果を奏し、また、好酸球活性物
質としても優れた効果を奏したのである。
【0021】
【発明の具体的な説明】以下に、皮膚細胞活性物質とし
て繊維芽細胞活性物質を例に採り、また、免疫細胞活性
物質として好酸球活性物質を例に採って、本発明の細胞
活性物質である皮膚細胞活性物質および免疫細胞活性物
質、それらの製造方法、ならびにこの細胞活性物質を含
む医薬品および化粧料について具体的に説明する。
【0022】本発明において、皮膚細胞活性物質とは、
繊維芽細胞等を活性化し得る物質をいう。また、免疫細
胞活性物質とは、白血球、すなわち、マクロファージな
どの単球、NK細胞、T細胞、K細胞、B細胞などのリンパ
球、好酸球、好中球、好塩基球などの顆粒球等を活性化
し得る物質をいう。
【0023】図1は、本発明の細胞活性物質を得るため
の代表的な操作の例を示すものである。なお、本発明の
細胞活性物質は、それぞれ上記操作によって得られ得る
ものであるが、この操作のみによって得られる物質に限
定的に解釈されるべきではない。まず本発明の細胞活性
物質について、図1に例示した製造フローに沿って具体
的に説明する。
【0024】図1に示すように、本発明の細胞活性物質
は海洋水を原料として用いて製造される。本発明におい
て、細胞活性物質には、細胞エネルギー代謝活性物質が
含まれる。また、本発明の細胞活性物質には、皮膚細胞
活性物質(繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質な
どの繊維芽細胞活性物質を含む)および/または免疫細
胞活性物質(好酸球活性物質を含む)が含まれる。すな
わち、本発明の細胞活性物質は、皮膚細胞活性を有する
と同時に免疫細胞活性を有するものであってもよく、ま
た、皮膚細胞活性または免疫細胞活性のみを有するもの
であってもよい。
【0025】勿論、本発明で使用される海洋水は、河川
の水の流れ込む陸地付近を離れたある程度外海で収集さ
れたものを用いることが好ましい。これは、河川から流
れ込む淡水によって海水が希釈されるのを防止するため
であることは勿論、河川から流れ込む淡水は、生活汚
水、産業排水、長年にわたって蓄積された土壌汚染物な
どの溶出物が混入している虞を完全に否定することはで
きないからである。したがって、こうした物質の比較的
少ない外海などで採取した海洋水を用いることが好まし
い。
【0026】このように採取された海洋水は、採取の際
に混入することもある浮遊物を除去するため、メンブラ
ンフィルターのように比較的目開きの小さいフィルター
を用いて濾過する。本発明では通常は0.01〜2μ
m、好ましくは0.1〜1μmの目開きのフィルター、特
にメンブランフィルターを用いて濾過することが好まし
い。このようなフィルターを用いることにより、肉眼で
は確認することができない微細成分まで濾別することが
できる。なお、この段階で析出してくる析出物あるいは
無機塩がある場合には、この段階でこのような析出物等
が分離されてもよい。
【0027】本発明では上記のようにして濾過した濾液
を用いるので、フィルターを透過できなかった物質(残
渣)は廃棄される。本発明では、上記のようにして得ら
れた濾液を減圧下に蒸留して、この濾液中に含有される
水分の少なくとも一部をこの減圧蒸留操作により除去す
る。最初に採取した海洋水を100容量部としたとき
に、この減圧下における蒸留操作によって、最初の海洋
水採取量に対して通常は1〜30容量部、好ましくは2
〜25容量部、特に好ましくは5〜20容量部になるよ
うに、減圧蒸留を行う。具体的には、1〜40torr、好
ましくは5〜30Torrの減圧下に、50℃以下の温度、
好ましくは40℃以下の温度で、10分〜3.0時間、
好ましくは30分〜1.0時間かけて減圧蒸留する。な
お、この減圧蒸留の際の蒸留温度は、海洋水に溶存して
いる溶存物質の分解を防止等するため、できるだけ低い
ことが好ましく、従って、ここで使用する減圧蒸留時の
圧力を低くすることにより、より低い温度でこの減圧蒸
留操作を行うことができる。この減圧蒸留操作によって
海洋水中の水の一部が分離され、この分離された水は廃
棄される。また、無機塩を分離する設備の処理能力が充
分であれば、上記濃縮操作は削除できる。
【0028】また、上記のようにして減圧蒸留により海
洋水を濃縮して無機塩を分離する代わりに、荷電モザイ
ク膜を用いて海洋水中の電解質(無機塩)を分離するこ
ともできる。荷電モザイク膜を用いることにより海洋水
中の無機塩を選択的に除去することができ、しかもこの
無機塩の選択的な除去に際して海洋水を加熱する必要が
ないので、この方法を採用することにより溶存する有機
物などに対する熱影響を低減することができる。
【0029】一方、上記のように減圧蒸留によって水を
分離することにより濃縮された海洋水(以下、濃縮海洋
水という)中には、無機塩などが析出する。この析出物
は、塩化ナトリウム、硫酸カルシウム、塩化マグネシウ
ムなどの無機塩を主成分とするものであり、蒸留残渣を
充分に冷却(通常は室温(25℃)以下)した後、好まし
くは2〜10℃に冷却することにより析出した析出物を
分離する。この析出物の分離には、濾過、遠心分離、デ
カンテーションなどの一般的な分離方法を利用すること
ができる。また、これらの分離操作を組み合わせること
もできる。上記のようにして減圧下に濃縮することによ
り析出する析出物の量(主として無機塩化物)は比較的
多く、またこの析出物はほとんどが結晶化した無機塩で
あることから、濾過による分離が効率的である。
【0030】ここで無機塩などの析出物の分離に使用さ
れる濾過装置に特に限定はないが、目開きが通常0.0
1〜2μm、好ましくは0.1〜1.0μmのフィルタ
ーを使用する。上記のようなフィルターを用いて減圧濾
過することにより、効率よく析出物と濾液とを分離する
ことができる。上述のようにここで分離される析出物は
主として無機塩化物であり、この分離操作によって最初
に使用した海洋水中に溶存している無機塩化物などの無
機塩(主として、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムの
他、硫酸カルシウムなど)の70重量%以上、好ましく
は90重量%以上が除去される。上記のようにして分離
された析出物(主として無機塩化物)は、本発明では使
用せず廃棄される。
【0031】本発明では、上記のようにして析出物が分
離された分離液、即ち、上記例で示すと濾過により分離
した場合には上記脱塩濾液を次の工程で使用する(以
下、(濃縮)脱塩海洋水という)。即ち、本発明の細胞
活性物質は、上記の工程で得られた脱塩濾液((濃縮)
脱塩海洋水)を濃縮し、この濃縮により析出した析出物
を分離する工程を少なくとも1回行うことにより得られ
得る高濃縮脱塩海洋水中に高い濃度で含有される。
【0032】本発明において、濃縮操作(工程)とは、
海洋水中に溶存する溶在塩の除去操作をいい、本工程に
おいては、海洋水が濃縮され真水が除去されてもよい。
ここで濾液は、通常は減圧蒸留により濃縮される。この
ときの圧力は、通常は1〜40Torr、好ましくは5〜3
0Torrの範囲内に設定することができ、蒸留温度は、通
常は5〜50℃、好ましくは10〜40℃である。上記
のような条件で一回の操作で、もとの濾液の量100容量
部に対して好ましくは5〜30容量部、さらに好ましく
は5〜20容量部の範囲内になるように蒸留する。この
ように蒸留することにより、この濾液中に溶存した成分
(主として無機塩)が析出する。次いで、本発明では、
このようにして析出した析出物(主として無機塩)を分
離する。
【0033】この析出物あるいは無機塩の分離、すなわ
ち、溶存塩の除去工程においては、半透過膜を用いた分
離操作、残留イオン性物質を電気的に分離する操作、遠
沈操作、ゲル濾過操作、荷電モザイク膜を用いた分離操
作および、限外濾過操作のいずれかの方法を採用するこ
とが好ましい。即ち、この工程における析出物は、前の
工程における析出物よりも粒子径が小さくなる傾向があ
り、一部はコロイド状あるいはゲル状になることさえあ
るため、通常の濾過などの操作では析出物を分離しにく
い。
【0034】そこで、この工程における析出物あるいは
無機塩と液との分離には、半透過膜の浸透圧の差を利用
して分散媒から分離する方法、電圧を印加して残留する
イオン性物質の電気的特性を利用して収集し分散媒から
分離する方法、遠心力のような外部応力を用いて析出物
を収集し分散媒から分離する方法、限外濾過膜など所望
の透過性を有する濾過膜を用いて加圧下に濾過する方
法、ゲル濾過を用いて低分子量の粒子を分散媒から分離
する方法などを利用することにより、析出物と分散媒と
を分離することができる。
【0035】本発明の細胞活性物質は、上記のような濃
縮操作と分離操作を少なくとも1回、好ましくは2回以
上行うことにより得られる分散媒(高濃縮脱塩海洋水)
である。なお、上記の工程を繰り返し行う場合、前の操
作で行った濃縮操作および分離操作と、次に行う濃縮操
作および分離操作とは、同一の操作である必要はなく、
その析出物の状態などに対応させて適宜操作を組み合わ
せることができる。こうして分離された析出物は、主と
して残存していた無機塩、溶存金属化合物などであると
考えられ、本発明ではこの析出物は廃棄される。
【0036】上記のような濃縮および分離を繰り返すこ
とによって得られる分散媒(高濃縮脱塩海洋水)は、細
胞活性物質を高濃度で含有する液体であり、この細胞活
性物質(すなわち、繊維芽細胞活性物質などの皮膚細胞
活性物質および好酸球活性物質などの免疫細胞活性物
質)を高濃度で含有する液体の量は、最初に使用した海
洋水100容量部に対して通常は0.0001〜30.
0容量部、好ましくは0.001〜5.0容量部、さら
に好ましくは0.01〜0.5容量部の量になる。
【0037】上記のようにして得られた高濃縮脱塩海洋
水中には、種々の有機物質が含有されており、逆に無機
物質の含有率は、非常に低く、通常は0.9重量%以
下、好ましくは0.01重量%以下であり、この細胞活
性物質の強熱残分は通常は0.1重量%以下、好ましく
は0.01重量%以下である。特に、この高濃縮脱塩海
洋水中における無機塩化物の含有率は著しく低く通常は
100ppm以下、好ましくは10ppm以下である。また、
この高濃縮脱塩海洋水中に含有される有機物質の総合量
は、通常は0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜
10重量%の範囲内にある。
【0038】上記のようにして得られた高濃縮脱塩海洋
水中には、たとえば、人皮の繊維芽細胞を活性化する物
質などの皮膚細胞活性物質および好酸球の活性を高める
物質などの免疫細胞活性物質が含有されている。この高
濃縮脱塩海洋水中に含有される細胞活性物質、具体的に
は、繊維芽細胞活性物質などの皮膚細胞活性物質および
好酸球活性物質などの免疫細胞活性物質についての詳細
は不明であるが、少なくとも上記のようにして海洋水を
処理することにより得られる高濃縮脱塩海洋水は繊維芽
細胞にエネルギー代謝活性を賦与する成分、増殖活性を
示す成分および好酸球活性を有する成分を含有してい
る。そして、本発明者の検討によると、この物質は、高
濃縮脱塩海洋水に含有される有機物質のいずれかであろ
うと推定される。
【0039】そこで、この高濃縮脱塩海洋水を展開溶媒
としてリン酸バッファー生理食塩水(PBS-)を用い、カ
ラムとして商品名セファクリルS-300(ファルマシヤ社
製)を用いて、ゲル濾過クロマトグラフィーにより波長
280nmにおける紫外線検出で分析し、この分析結果
を、分子量100万以上の第1画分、分子量5万〜10
0万の第2画分、分子量5万〜5000の第3画分、お
よび、分子量5000以下の第4画分に分割して各画分
におけるピークの有無を調べてみると、上記のようにし
て得られた高濃縮脱塩海洋水は、少なくとも上記第1〜
第4画分のいずれかの画分に少なくとも1個のピークが
観察される。上記のような分子量で区画した画分にピー
クが表れることは、この高濃縮脱塩海洋水が上記画分に
該当する分子量の有機化合物を含有していることを意味
する。因みに、標識物質として数平均分子量13700
のRibonuclease Aを添加した場合、このRibonuclease A
に対応する部分は第3画分に表れ、また、標識物質とし
て数平均分子量440000のFerritinを添加した場合
には、このFerritinに対応する部分は、第2画分に表れ
る。
【0040】上記のようにして得られた高濃縮脱塩海洋
水について測定したゲル濾過クロマトグラフィーのチャ
ートの例を図2に示す。図2において、破線で示したの
は標識物質として使用した数平均分子量13700のRi
bonuclease Aおよび数平均分子量440000のFerrit
inのピークである。図2に示すチャートでは、第3画分
(分子量5000〜5万)にピークが表れ、また、第1
画分(分子量100万以上)にも小さいながらピークが
表れる。これらのピークとなって表れる物質の構造など
については、これらのピークが単一の物質を表すもので
はなく、複数の化合物に起因するピークであることか
ら、その詳細は解明するに至っていない。しかしなが
ら、標識物質のピークとの対比からすると、重合体化し
た生体関連物質である可能性が高い。
【0041】上記のような高濃縮脱塩海洋水は、細胞活
性、すなわち、より具体的には、繊維芽細胞に対する細
胞エネルギー代謝・増殖促進活性などの皮膚細胞活性、
および、好酸球活性などの免疫細胞活性を有している。
以下に、上記皮膚細胞活性および免疫細胞活性につい
て、繊維芽細胞に対する細胞エネルギー代謝・増殖促進
活性および好酸球活性を例にとって、説明する。
【0042】まず上記高濃縮脱塩海洋水中に高濃度で含
まれる細胞活性物質の有する、繊維芽細胞に対する細胞
エネルギー代謝・増殖促進活性について説明する。例え
ば、上記高濃縮脱塩海洋水をヒト真皮由来繊維芽細胞の
三次元細胞組織モデルを用いてMTT法により細胞のミト
コンドリアのエネルギー代謝活性を評価すると、上記高
濃縮脱塩海洋水は、固体分濃度0.1重量%の添加で、
繊維芽細胞に対する明らかな代謝活性の改善効果が認め
られる。
【0043】さらに、画分別に成分を分離して繊維芽細
胞のエネルギー代謝活性を調べると、第3画分の成分が
最も高いエネルギー代謝・増殖活性を示す傾向があり、
これに続いて第4画分の成分が高いエネルギー代謝・増
殖活性を示す傾向がある。上記のように本発明の細胞エ
ネルギー代謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物質)は
海洋水から得られ、特に繊維芽細胞に対してエネルギー
代謝・増殖活性を示すことから、この細胞エネルギー代
謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物質)は、医薬品・
化粧料、特に皮膚外用剤として使用することができる。
なお、本発明の効果を達成し得る限り、医薬品・化粧料
の剤型、投与方法は、制限されないことはいうまでもな
く、本発明においては、当該細胞活性物質(繊維芽細胞
活性物質)は、内服薬であってもよく、経口投与も可能
である。
【0044】本発明の皮膚外用薬は、海洋水を減圧下に
蒸留濃縮することにより得られる濃縮海洋水から、析出
物あるいは無機物質を分離する操作並びに該析出物等を
分離する操作を経た(濃縮)脱塩海洋水をさらに減圧下
に濃縮する操作及び分離する操作を少なくとも1回行う
ことにより得られ得る細胞活性物質、具体的には、繊維
芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質を含有している。
【0045】この細胞エネルギー代謝・増殖活性を有す
る物質(繊維芽細胞活性物質)は、例えば水性媒体に配
合して化粧水のようにして使用することもできるし、軟
膏基材に配合してクリームとして使用することもでき
る。さらに、エマルジョンに配合することにより乳液の
ように使用することができ、さらにこの細胞エネルギー
代謝・増殖活性物質を水性媒体に配合し、この水性媒体
に増粘剤を配合することにより、ジェルのようにして使
用することができる。
【0046】本発明の皮膚外用剤に配合することができ
る細胞活性物質以外の成分としては、鉱油、植物油、ワ
ックス、脂肪酸、脂肪族アルコール、エステル油、界面
活性剤、湿潤剤、ポリマー、動植物抽出油、アミノ酸
類、ビタミン剤、ステロイド剤、消炎剤、防腐剤、紫外
線吸収剤、金属キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、
色剤、香料など、皮膚の外用剤に通常使用される成分を
配合することができる。
【0047】本発明の皮膚外用剤は、その用途に対応さ
せて繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質(繊維芽
細胞活性物質)の含有量を調整することができる。即
ち、本発明の皮膚外用剤は、人の皮膚の細胞の代謝活性
を改善することにより、ヒト皮膚のしわ、しみ、たるみ
の発生といった老化症状を予防あるいは治療するもので
あり、その使用方法などに対応させて、配合する繊維芽
細胞エネルギー代謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物
質)を調整することができる。この繊維芽細胞エネルギ
ー代謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物質)は、上述
のように通常は水に溶解もしくは分散した状態で得られ
るが、ヒト皮膚のしわ、しみ、たるみの発生といった老
化症状の予防あるいは治療には、この水溶液あるいは分
散液中の溶存あるいは分散成分が作用することから、本
発明では固形分換算重量として繊維芽細胞エネルギー代
謝・増殖活性物質の使用量を特定することが好ましい。
そして、本発明の皮膚外用薬(剤)100重量部中にお
ける繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質(繊維芽
細胞活性物質)の量は、固形分換算で、通常は0.00
01〜30.0重量部、好ましくは0.001〜5.0
重量部、特に好ましくは、0.01〜1.0重量部であ
る。本発明の繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質
(繊維芽細胞活性物質を含む)は、分子量による上記画
分に含有される成分の構造などの詳細が必ずしも明らか
ではなく、従ってこれらの画分に含有される成分の作用
効果を明確にすることは非常に困難であると共に、それ
ぞれの画分に含有される成分の相互作用による作用効果
の向上もあると考えられる。上記の理由から、本発明で
は各画分に含有される成分の複合体である上記のように
して得られた繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性物質
を含有する水溶液あるいは分散液をそのまま使用するこ
とが好ましく、そして、その際に使用量は、水溶液ある
いは分散液中に溶存もしくは分散している固形分として
表記する。
【0048】上記のような量で繊維芽細胞エネルギー代
謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物質)を含有する本
発明の皮膚外用剤を使用することにより、この繊維芽細
胞エネルギー代謝・増殖活性物質(繊維芽細胞活性物
質)がヒトの皮膚細胞、特に繊維芽細胞を活性化して、
例えばコラーゲンなどの皮膚老化防止性の成分の分泌を
促進すると共に、色素の沈着、ヒアロルン酸生成の低下
などを有効に防止することができる。
【0049】そして、これらが総合して、ヒト皮膚のし
わ、しみ、たるみの発生といった老化症状を予防するこ
とができ、あるいはこうして老化症状に陥った皮膚を治
療することができる。次に、上記高濃縮脱塩海洋水中に
高濃度で含まれる細胞活性物質(好酸球活性物質を含
む)の有する好酸球活性を例に採り説明する。
【0050】上記高濃縮脱塩海洋水を用いて、後述する
ような方法により、好酸球活性を調べると、コントロー
ルとして用いたリン酸バッファー生理食塩水(PBS)よ
りも高い好酸球活性を示す。また、上記のように分割し
た各画分について好酸球活性を調べた場合においても、
いずれの画分においても、コントロールよりも高い好酸
球活性が見られる。
【0051】アトピーに代表されるアレルギーと好酸球
活性の関係について簡単に説明する。アトピー性皮膚炎
のようなアレルギー反応においては、局所に遊走した好
酸球がヒスタミラーゼ、アリルスルファターゼB、ホス
ホリパーゼD2を放出する。放出されたこれらの物質は
炎症をメディエート(mediate)するヒスタミン、異種蛋
白等の異物に対する異常過敏反応のエオジン好性細胞走
化性因子(eosinophil chemotactic factor of anaphyl
axis)および血小板活性化因子(platelet activating
factor(PAF))を代謝してアレルギー反応の修復に働く
ことが知られている。さらに、最近では、好酸球は上記
のような組織の修復作用以上に組織の障害性に働くと考
えるようになってきてもいる。好酸球が組織障害に関与
する上で役割を果たすのが好酸球の特殊顆粒内に存在す
る4種類の塩基性タンパク質(major basic protein(MB
P), eosinophil peroxidase(EPO), eosinophil cationi
c protein(ECP), eosinophil-derived neurotoxin(ED
N))と好酸球が産生するスーパーオキサイド(O2 -)由
来の各種活性酵素分子種である。これらの4種類の塩基
性タンパク質は、活性化された好酸球から脱顆粒によっ
て組織に放出され、組織障害に関与すると考えられてい
る。特にMBPは好塩基性球を、EPOは肥満細胞を活
性化しヒスタミンを遊離させアレルギー反応を増長させ
ていると考えられている。
【0052】また、スーパーオキサイド(O2 -)は、好
酸球がIgE複合体、PAF、オプソニン化ザイモザン(O
Z)、phorbol myristate acetate などの種々の刺激に
よってNADPHオキシダーゼと呼ばれる細胞膜結合性酵素
系が活性化することによって産生する。このNADPHオキ
シターゼは、急激なhexose monophosphate shunt 活性
の増大で生成されるNADPHを酸化し、それによって酸素
が1電子還元されたO2 -を生成する。このO2 -からは酵
素的あるいは非酵素的反応により、H2O2、HO-1O2など
の反応性の高い各種活性酸素分子種が生ずる。これらの
活性酸素分子種は、殺菌などの重要な生体防御を担って
いる。したがって、好酸球は、好酸球の有するスーパー
オキサイド(O2 -)産生を促進させる能力によって、ア
トピー性皮膚炎などのアレルギー反応の原因要素の抑制
に非常に有効に作用する。
【0053】本発明において、好酸球の活性化度は例え
ば以下に記載する方法により測定することができる。ま
ず、活性化度を測定するのに用いられる好酸球を調製す
る。具体的には、例えば、好酸球に選択的な増殖分化因
子であるIL-5を恒常的に産生するトランスジェニック
マウス(C3H/HeN-TgN(IL-5)Imeg)の15〜20週令の個
体から、脾臓好酸球および脊髄好酸球を調製する。すな
わち、脾臓および脊髄をCa2+フリーのKrebs-Ringer-pho
sphate buffer solution(KRP)(pH値7.4)中でホモジナイ
ズし、細胞懸濁液をPercoll不連続密度勾配遠心法等の
方法で分離することにより、好酸球を得ることができ
る。脾臓は通常は75%、脊髄は通常は80%をそれぞ
れ好酸球画分として使用することができる。なお、ここ
で使用されるマウスは、メタロチオネインプロモーター
支配下にIL-5産生量を高める目的で実験の5日前に硫
酸カドミウム20μgの腹腔内投与を行ったものである
ことが望ましい。
【0054】また、上記の他、例えば、好酸球に選択的
な増殖分化因子であるIL-5を恒常的に産生するトラン
スジェニックマウス(C3H/HeN-TgN(IL-5)Imeg)の末梢血
から分離した好酸球も好ましく用いられる。海洋水中に
含有されている本発明の細胞活性物質(好酸球活性物
質)による好酸球のスーパーオキサイド(O2 -)産生向
上力は、好酸球により産生される過酸化水素により還元
されたシトクロムc(Cyt. c)の量を測定することによ
り算定できる。
【0055】この測定は、Nakagawa. A., Shibata. K.,
Takeshige. K., et al: Exp.Cell.Res.101:224-234(19
76)に記載の方法で行うことができる。すなわち、例え
ば、20μモルのシトクロムc(Cyt. c)、10mモル
のグルコース、1mMのCaCl2を含み、37℃に保持され
たKRPに上記由来の好酸球(5×105 cells/ml)を懸濁
し、Cyt. cの還元に伴う550nmの吸光度の増大(A
550-5 40)を経時的に測定する。なお、O2 -の生成量
は、Cyt. cの分子吸光度21.0mM-1・cm-1から求め
ることができる。また、この測定には、反応液を攪拌し
ながら吸光度を測定できる装置(例えば、(株)島津製
作所製、二波長分光光度計(UV-300))を使用すること
が望ましい。
【0056】また、好酸球の活性化度は更に以下に記載
する方法により測定することができる。すなわち、例え
ば、好酸球が産生するスーパーオキサイド(O2 -)から
派生した過酸化水素(H22)の量を測定することによ
り算定できる。この過酸化水素(H22)の量は好酸球
の過酸化水素産生能を示すものであり、活性化指標とし
て好酸球の活性化度を表すことができる。この測定は、
Irene, A.M.Vint, John,C. Foreman, et al: Eur. J. I
mmunol. 24:1961-1965,1994に記載の方法で行うことが
できる。
【0057】すなわち、好酸球が海洋水の好酸球活性物
質により活性化され産生するスーパーオキサイド
(O2 -)から派生した過酸化水素(H22)の量の測定
は、2',7'-dichlorodihydrofluorescein diacetate(DCF
H-DA)による蛍光を、フローサイトメーターを用いて解
析することにより測定することができる。具体的には、
5×105cells/mlの好酸球を2.5μモルDCFH-DAを含
むPhosphate-buffer salineglucose(5mモルglucose)(PB
Sg)0.5ml中で37℃、15分間インキュベート
し、その後、刺激物を添加して37℃で、30分間イン
キュベートを行い、最後にPBSgで数度細胞を洗浄した
後、フローサイトメーターで解析測定することができ
る。
【0058】なお、上記の測定方法は、好酸球の活性化
度を測定する方法の例であり、本発明の好酸球活性物質
の活性化度の測定方法は上記の方法に限定されるもので
はない。本発明の細胞活性物質(好酸球活性物質)は、
優れた好酸球活性を有するため、医薬品・化粧料に使用
することができる。
【0059】また、本発明の細胞活性物質(好酸球活性
物質)を含有する医薬品は、アレルギー疾患、特にアト
ピー性皮膚炎に使用される医薬品の成分として有用性が
高い。すなわち、本発明の細胞活性物質(ここでは、好
酸球活性物質)は、局所に遊走した好酸球を活性化して
アレルギー反応におけるヒスタミン、異種蛋白等の異物
に対する異常過敏反応のエオジン好性細胞走化性因子
(eosinophil chemotactic factor of anaphylaxis)お
よび血小板活性化因子 (platelet activating factor
(PAF))を代謝させるヒスタミラーゼ、アリルスルファ
ターゼB、ホスポリパーゼD2を放出する。さらに、好酸
球が細胞膜結合性酵素系を活性化することによるスーパ
ーオキサイド(O2 -)の生成により生体防御反応を向上
させることができる。
【0060】ただし、上記に述べたように、本発明の細
胞活性物質(好酸球活性物質を含む)は、分子量による
上記画分に含有される成分の構造などの詳細が必ずしも
明らかではなく、従ってこれらの画分に含有される成分
の作用効果を明確にすることは非常に困難であると共
に、それぞれの画分に含有される成分の相互作用による
作用効果の向上もあると考えられる。
【0061】したがって、本発明の医薬品・化粧料で
は、各画分に含有される成分の複合体である上記のよう
にして得られた細胞活性物質を含有する水溶液あるいは
分散液をそのまま使用することが好ましい。本発明の好
酸球活性物質は、基材に溶解もしくは分散させた外用薬
として使用することもできる。このように外用薬として
使用する場合、外用薬中における好酸球活性物質の量
は、通常は0.00001〜10.0重量%、好ましく
は0.001〜0.1重量%である。この場合の外用薬
の基材としては、ワセリン、セレシン、パラフィン、ス
クワラン、ワックス類、オゾケライド等通常の外用薬の
基材として使用されているものを用いることができる。
また、剤形としては、エマルジョン状、油状、ワックス
状、ローション状などに応用されることができる。
【0062】また、本発明の好酸球活性物質を水溶液と
することにより注射液として使用することもできる。こ
の場合における好酸球活性物質の濃度は、通常は0.0
00001〜10.0重量%、好ましくは0.0001
〜0.1重量%の範囲内に設定する。注射液として使用
する場合、pH調整剤、酸化防止剤など注射液の安定性
等を確保するために配合する成分を配合することができ
る。
【0063】さらに、本発明の好酸球活性物質は、粉
剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップなどの内服薬
として使用することもできる。本発明の好酸球活性物質
を使用する内服薬、注射薬として使用する場合、使用量
は症状、使用者の状態などを考慮して適宜設定すること
ができるが、体重1kgあたりの使用量は、一般には、
0.0001〜10000mg、好ましくは0.1〜10
0mgの範囲内に設定することができる。
【0064】なお、上記に、本発明の細胞活性物質を医
薬品・化粧料に用いる場合の好ましい態様の例を挙げた
が、本発明の効果が得られる限り、本発明の医薬品・化
粧料の剤型、投与方法、使用方法等は制限されることは
ない。
【0065】
【発明の効果】本発明の細胞活性物質(繊維芽活性細胞
物質などの皮膚細胞活性物質および好酸球活性物質など
の免疫細胞活性物質を含む)は、海洋水に特定の処理を
することにより得られる溶液中に含有される物質であ
り、ゲル濾過クロマトグラフィーなどの適切な手段で水
から分離して得られる一定の分子量を有する高分子化合
物であろうと推定される。
【0066】従来より、海水からの分離物を皮膚治療あ
るいはアレルギー治療に使用することは知られている
が、これらは、海水中に含有される無機成分を用いたも
のである。即ち、海水中には塩化ナトリウム、塩化カル
シウム、塩化マグネシウムのような塩化物のほかに、種
々多様なミネラルが含まれており、これらのミネラルを
皮膚治療またはアレルギー治療に利用することが知られ
ていた。従って、皮膚治療およびアレルギー治療に海水
を使用する場合には、海水を濃縮して析出した析出物
(ミネラル分)を海水から分離して使用していた。さら
に、海水中には皮膚治療またはアレルギー治療に有効な
有機成分は含有されているとは考えられていなかったこ
とから、海水中に含有される有機物質を分離して使用す
ることは試みられていなかった。
【0067】これに対して本発明者は、海洋水中には上
記のような無機塩とは別に有機物質が含有されており、
この有機物質は、海水中に含有されるミネラルとは全く
異なる機能を有しており、この機能を利用することによ
り、皮膚を形成する繊維芽細胞活性および好酸球活性を
向上させることができることを見出したのである。本発
明の細胞活性物質は、海洋水に特定の処理を施すことに
より得られ得る有機物質を含有しており、この有機物質
は繊維芽細胞のエネルギー代謝・増殖活性および好酸球
活性を向上させることができる。
【0068】こうした細胞活性物質は、種々の有機物質
の複合体であり、個々の成分を特定することが極めて困
難であるが、海洋水に本発明で規定する処理をすること
により繰り返し得ることができる。そして、この細胞活
性物質は、ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて分子量
により、複数の画分にピークを有する有機物質の複合体
であることがわかった。これらの各画分に分離された成
分は、単独では、例えば繊維芽細胞に対するエネルギー
代謝・増殖活性あるいは好酸球活性が異なるが、これら
の複合体をそのまま使用することにより、特に繊維芽細
胞に対して優れたエネルギー代謝活性・増殖および好酸
球に対する活性の向上効果を示すことが確認された。
【0069】しかも、このような本発明の細胞活性物質
(繊維芽細胞活性物質などの皮膚細胞活性物質および好
酸球活性物質などの免疫細胞活性物質を含む)は、通常
の細胞活性物質と比較して、副作用が著しく少なく、極
めて安全性が高く、特に繊維芽細胞に対しては、副作用
なしに優れた細胞エネルギー代謝・増殖活性(細胞活
性)を示すとの特異的な効果が認められるため、特に皮
膚外用剤として有用性が高い。また、同様な理由から、
特にアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の治療薬と
して非常に有用性が高い。
【0070】また、本発明の細胞活性物質(繊維芽細胞
活性物質などの皮膚細胞活性物質および好酸球活性物質
などの免疫細胞活性物質を含む)は、水に対する親和性
がよいので、外用薬、内服薬、注射液など種々の形態で
利用することができる。さらに具体的には、本発明の繊
維芽細胞活性物質によれば、上述のように、顕著に繊維
芽細胞を活性化し得るので、人の皮膚の細胞の代謝活性
を改善することができ、ヒト皮膚のしわ、しみ、たるみ
の発生といった老化現象を予防あるいは治療することが
できる。
【0071】また、本発明の好酸球活性物質は、上述の
ように、好酸球を活性化させることができるため、好酸
球が活性化して産生したスーパーオキサイドなどの作用
により非常に優れた生体防御機能を有する。また、この
物質は、炎症をメディエートするヒスタミンなどを代謝
させてアレルギー反応の修復に働くヒスタミラーゼなど
を放出する。さらに、この好酸球活性物質を好酸球に作
用させることにより、好酸球からスーパーオキサイド
(O2 -)が生成し、このスーパーオキサイド(O 2 -)か
ら酵素的反応あるいは非酵素的反応により反応性の高い
各種活性酸素種を生成させることができる。そして、こ
れらの活性酸素種に殺菌作用などの重要な生体防御を発
現させることができる。
【0072】そして、本発明の好酸球活性物質の有する
上記のような機能が複合的に作用すると考えられるの
で、本発明の好酸球活性物質は、喘息や花粉症、皮膚炎
などのアレルギー疾患の治療成分として、特にアトピー
性皮膚炎などのアレルギー疾患の治療成分として有用性
が高い。また、上記以外にも、本発明の効果を達成し得
る限り、本発明の医薬品および化粧料には、医薬品およ
び化粧料の成分として通常使用される成分を配合するこ
とができる。
【0073】
【実施例】次に、本発明について実施例を示して本発明
をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限
定されるものではない。
【0074】
【実施例1】[細胞エネルギー代謝・増殖活性物質の調
製]駿河湾沖10Kmの位置で、深度100mから海洋水
(温暖層を形成する海水であって、いわゆる表層水)1
0リットルを採取した。この海洋水10リットルを目開
き0.45μmのメンブランフィルターを用いて濾過
し、この海洋水中の浮遊物を除去した。
【0075】こうして濾過された海洋水を減圧蒸留装置
に入れ、減圧度20Torr の圧力条件で、蒸留温度を4
0℃以下の温度に設定して、海洋水の量が約1リットル
(元の海洋水の1/10の量)になるまで減圧蒸留した。
こうして減圧蒸留することにより、海洋水に溶存してい
た塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムな
どの無機塩が析出した。この析出した無機塩を目開き
0.45μmのメンブランフィルターで濾過した。な
お、濾別された無機塩は、本発明では使用しないので廃
棄した。
【0076】次いで、上記工程で得られた濾液をモザイ
ク荷電膜(商品名:MC−55Bモザイク荷電膜、東ソ
ー(株)製)を用いて低温10℃の条件で脱塩操作を行
い、さらにこの脱塩された液を減圧蒸留装置に入れて、
20Torrの減圧下に、40℃の温度を超えないように温
度を管理して、液の容量が100mlになるまで減圧下に
水分を蒸留除去した。
【0077】上記のモザイク荷電膜を用いた脱塩および
減圧蒸留を繰り返して、5mlの濃縮物を得た。この濃縮
物中には、1.1重量%の有機物質が含有されており、
さらにこの濃縮物中における無機塩の含有率は100pp
m以下、無機塩化物の含有率は250ppm以下であった。
【0078】この濃縮物をファルマシヤ社製のカラム
(セファクリルS-300)を有するゲル濾過クロマトグラ
フィーを用い、展開溶媒としてリン酸バッファー生理食
塩水(PBS-)を用いて含有成分を分析した。この分析結
果を、分子量に従って、分子量100万以上の第1画
分、分子量5万〜100万の第2画分、分子量5000
〜5万の第3画分、および、分子量5000以下の第4
画分に分けてそれぞれの画分における波長280nmでの
吸収ピークの有無を調べた。
【0079】結果を図2に示す。この実施例で使用した
海洋水を上記のようにして脱塩、濃縮した結果、第3画
分に最も大きなピークが表れ、さらに、第1画分には小
さいながら明確にピークが表れた。なお、第2画分に
は、第3画分および第4画分の成分のテーリングした部
分のピークが存在し、第4画分には、第2画分に主ピー
クを有する成分のテーリングしたピークが存在してい
る。
【0080】なお、これらの画分に表れたピークの成分
の解析の参考にするために、平均分子量13700のRibonuc
lease Aおよび平均分子量44万のFerritinを含有する
液を調整し、上記と同様にして分析して、その結果を図
2に破線で併せて記載する。 [繊維芽細胞エネルギー代謝・増殖活性の測定]上記の
ような構成を有する細胞エネルギー代謝・増殖活性物質
(繊維芽細胞活性物質を含む)を、固形分換算で0.1
重量%となるように標準液であるリン酸バッファー生理
食塩水(PBS−)に加えて本発明の試料を調整した。な
お、各試料の最終塩分は標準液であるPBS−の塩分に
あわせた。
【0081】ヒト真皮由来繊維芽細胞の3次元細胞組織
モデル(東洋紡(株)製、MATREX-LDM)を用いて、MTT法
により細胞のミトコンドリアのエネルギー代謝・増殖活
性を評価した。ここでMTT法は、3-(4,5-Dimethyl-2-thi
azoly)-2,5-diphenyltertrazolium Bromideを用いた細
胞のエネルギー代謝・増殖活性を測定する方法である。
即ち、MTTは、細胞のミトコンドリアのエネルギー代謝
過程で生成したNADH(reduced nicotinamide adenine di
nucleotide)あるいはNADPH(reduced nicotinamide aden
ine dinucleotide phosphate)によって還元され、青色
のホルマザンを生成する。
【0082】青色のホルマザンを波長570nmにおいて
吸光測定し比色測定し、比色定量することによって細胞
の代謝活性及び細胞の増殖活性を評価する方法である。
この場合、青色が濃くなればなるほど活性が高いことを
示している。また、本発明では、コントロールとして、
上記細胞エネルギー代謝・増殖活性物質を用いずに標準
液(PBS−)のみを使用して、同様にしてMTT法により細
胞のミトコンドリアのエネルギー代謝活性を調べた。
【0083】さらに、ネガティブコントロールとして、
典型的な細胞毒性のあるドデシル硫酸ナトリウム(SDS=
Sodium dodecyl sulfate)を、0.1重量%配合してMT
T法によりエネルギー代謝活性を調べた。このネガティ
ブコントロールは、エネルギー代謝活性を全く示さない
場合におけるMTT法の最低基準を示すものである。上記
コントロールにより得られたMTT法の値を100とする
と、ネガティブコントロールの値は27.7となる。
【0084】そして、同様の試験で測定した本発明の細
胞活性物質を0.1重量部で含有する試料のMTT法にお
ける値は190.6であり、この細胞エネルギー代謝・
増殖活性物質は、細胞エネルギー代謝・増殖活性を示す
ことが明らかである。また、この試験においてMTT試薬
は、細胞のミトコンドリアの代謝過程で生成したNADHあ
るいはNADPHによって還元され青色になるのではなく、
本発明の細胞エネルギー代謝・増殖活性物質自体に還元
され青色になる可能性も考えられるため、ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS=Sodium dodecyl sulfate)を、0.
1重量%に、本発明の細胞エネルギー代謝・増殖活性物
質を固形分換算で0.1重量%加え、同様な試験で調べ
た。その結果、同様な試験における値は29.7であ
り、ドデシル硫酸ナトリウムが単独の場合の値27.7
とほぼ同様であるため、本発明の細胞エネルギー代謝・
増殖活性物質自体がMTT試薬を還元し青色に変色させる
ことはなく、細胞のミトコンドリアが本発明の細胞エネ
ルギー代謝・増殖活性物質を添加することによって代謝
活性が活発になり、生成されたNADHあるいはNADPHがMTT
試薬を還元して青色に変色させることがわかった。即
ち、本発明の細胞エネルギー代謝・増殖活性物質により
代謝活性及び増殖活性が向上したことは明らかである。
また、MTT試薬に上記の深層水細胞活性物質を添加して
も、MTT試薬はまったく変色しないことから、上記の結
論が更に明らかにされた。
【0085】また、参考のために各画分の成分を固形分
換算で0.1重量%となるように標準液であるリン酸バ
ッファ生理食塩水(PBS-)に加えた試料を調整し最終塩
分は標準液であるPBS-の塩分にあわせ、MTT法における
細胞エネルギー代謝・増殖活性を調べた。その結果、分
子量100万以上の第1画分の成分の活性は、103.
2、分子量5万〜100万の第2画分の成分の活性は、
105.1、分子量5万〜5000の第3画分の成分の
活性は、165.2、分子量5000以下の第4画分の
成分の活性は、118.6であった。
【0086】なお、上記各画分の成分を用いた活性の評
価値は、参考的な値であり、さらに詳細に実験を重ねる
ことにより、また、実験の精度を上げることにより上記
値がさらに明確な細胞エネルギー活性を示す可能性が充
分にある。
【0087】
【実施例2】好酸球活性物質を、実施例1の細胞活性物
質の調製と同様の方法にて調製し、得られた好酸球活性
物質について、下記の方法により、活性化度を測定し
た。 [好酸球活性物質の活性化度測定]本発明の細胞活性物
質(好酸球活性物質を含む)の好酸球を活性化する能力
(活性化度)は、好酸球が産生するスーパーオキサイド
(O2 -)から派生した過酸化水素(H22)の量を指標
にして測定した。前記好酸球活性物質により好酸球が活
性化されて産生するスーパーオキサイド(O2 -)から派
生した過酸化水素(H22)の量の測定は、具体的に
は、2',7'-dichlorodihydrofluorescein diacetate (DC
FH-DA)による蛍光をフローサイトメーターを用いて解析
することにより行った。
【0088】5×105cells/mlの好酸球を、2.5μ
モルDCFH-DAを含むPhosphate-buffersaline glucose(5m
モルglucose)(PBSg)0.5ml中で、37℃で、15
分間インキュベートし、その後、刺激物(PMA50ng/
ml)を添加し、37℃で、30分間インキュベートを行
った。PBSgで2度細胞を洗浄した後、フローサイトメ
ーターで解析・測定した。
【0089】本実験において使用した好酸球は、好酸球
に選択的な増殖分化因子であるIL-5を恒常的に産生す
るトランスジェニックマウス(C3H/HeN-TgN(IL-5)Imeg)
の末梢血から分離した好酸球を用いた。末梢血を終濃度
0.22%のクエン酸を含むCa++フリーのKrebs Ring
erリン酸緩衝液(KRP)(0.9%NaCl、6mモ
ルKCl、1mモルMgCl2、10mモルNa−リン
酸緩衝液(pH7.4))中に採取し、赤血球、単球を
除去する目的で、Percoll不連続密度勾配遠心法を行っ
た。Percoll原液に対して、10倍濃度のKRPを1/
10量添加したものを100%Percoll定義細胞混濁の
下に60、70、80%Percollを重層し、350g、
室温、20分間遠心した後、70、80%層を回収し
た。回収した細胞集団を分離用緩衝液(5mモルEDT
A、0.5%BSA、10mモルモルNa−K−リン酸
緩衝液(pH7.2))に更に懸濁(1×107cells/
50μl)し、抗Thy1.2抗体結合磁気ビーズ(1
×107beads/25μl)と抗B220抗体結合磁気ビ
ーズ(1×107beads/25μl)に添加し、4℃で2
0分間反応させた後、永久磁石を用いネガティブセレク
ションで採取された細胞集団を好酸球集団として実験に
供した。なお、分離後の細胞集団の純度はフローサイト
メーター(BECTON DICKINSON社製のF
ACScan)で解析した。
【0090】測定物質は、サンプル/1.8%NaCl
と精製水で調整し、等張に調整したものを終濃度100
μg/mlで添加した。なお、コントロールとしてリン
酸バッファー生理食塩水(PBS)を用いて同様の実験を
行った。上記のように測定した各被験物質の好酸球活性
化度の値(過酸化水素量生産相当)は、コントロール
(PBS)の好酸球活性化度は3.35であるのに対し、
上記好酸球活性物質の好酸球活性過度は4.25であっ
た。
【0091】上記のようにして得られた好酸球活性物質
は、コントロール(PBS)より高い好酸球活性を示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の細胞活性物質を得るための工
程の例を示す工程図である。
【図2】図2は、本発明の細胞活性物質を、ゲル濾過ク
ロマトグラフィーを用いて各画分に分けて、各画分に表
れるピークの例を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/04 A61P 37/04 43/00 105 43/00 105 Fターム(参考) 4C083 AA021 EE12 4C087 AA01 AA02 AA04 BA01 MA01 MA17 MA21 MA23 MA35 MA37 MA41 MA43 MA52 MA63 NA14 ZA89 ZB09 ZB22 4H055 AA01 AA02 AA03 AB12 AB22 AB28 AD10 AD11 AD30 AD50 DA13 DA16

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋水中に溶存される無機塩の少なくと
    も一部を分離する操作を経た(濃縮)脱塩海洋水を、さ
    らに濃縮する操作を少なくとも1回行うことにより得ら
    れ得ることを特徴とする細胞活性物質。
  2. 【請求項2】 上記細胞活性物質が、皮膚細胞活性物質
    および/または免疫細胞活性物質であることを特徴とす
    る請求項第1項記載の細胞活性物質。
  3. 【請求項3】 上記(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮す
    る操作を、2回以上経ることにより得られ得ることを特
    徴とする請求項第1項または第2項記載の細胞活性物
    質。
  4. 【請求項4】 上記(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮す
    る操作が、半透過膜を用いた分離操作、残留イオン性物
    質を電気的に分離する操作、遠沈操作、ゲル濾過操作、
    荷電モザイク膜を用いた分離操作および限外濾過操作よ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種類の溶在塩の除去
    操作であることを特徴とする請求項第1項乃至第3項の
    いずれかの項記載の細胞活性物質。
  5. 【請求項5】 上記(濃縮)脱塩海洋水が、海洋水を濾
    過精製した後、この濾過精製された海洋水を、最初に用
    いた海洋水の量100容量部に対して1〜30容量部の
    範囲内になるように濃縮して無機塩を分離して得られる
    ものであることを特徴とする請求項第1項乃至第4項の
    いずれかの項記載の細胞活性物質。
  6. 【請求項6】 上記(濃縮)脱塩海洋水が、最初に用い
    た海洋水中に溶存している無機塩の70重量%以上を濾
    別したものであることを特徴とする請求項第1項乃至第
    5項のいずれかの項記載の細胞活性物質。
  7. 【請求項7】 上記細胞活性物質が、最初に用いた海洋
    水の容量を100容量部としたときに、0.0001〜
    30.0容量部の範囲内に濃縮された高濃縮脱塩海洋水
    中に含有されるものであることを特徴とする請求項第1
    項乃至第6項のいずれかの項記載の細胞活性物質。
  8. 【請求項8】 上記細胞活性物質が、展開溶媒としてリ
    ン酸バッファー生理食塩水(PBS-)を用いたゲル濾過ク
    ロマトグラフィー分析による波長280nmにおける紫外
    線検出による分子量100万以上の第1画分、分子量5
    万〜100万の第2画分、分子量5000〜5万の第3
    画分、および、分子量5000以下の第4画分よりなる
    画分の少なくとも1の画分にピークを有することを特徴
    とする請求項第1項乃至第7項のいずれかの項記載の細
    胞活性物質。
  9. 【請求項9】 上記細胞活性物質を含有する高濃縮脱塩
    海洋水の強熱残分が0.1重量%以下であることを特徴
    とする請求項第1項乃至第8項のいずれかの項記載の細
    胞活性物質。
  10. 【請求項10】 海洋水から溶存する無機塩の少なくと
    も一部を分離して(濃縮)脱塩海洋水を得る工程、およ
    び、該(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮して析出物ある
    いは無機塩を分離する操作を少なくとも一回行う工程を
    経て細胞活性物質を高い濃度で含有する高濃縮脱塩海洋
    水を得ることを特徴とする細胞活性物質の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記細胞活性物質が、皮膚細胞活性物
    質および/または免疫細胞活性物質であることを特徴と
    する請求項第10項記載の細胞活性物質の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮
    して析出物を分離する操作を2回以上繰り返し行うこと
    を特徴とする請求項第10項または第11項記載の細胞
    活性物質の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記(濃縮)脱塩海洋水をさらに濃縮
    する操作が、半透過膜を用いた分離工程、溶存無機塩を
    電気的に分離する工程、遠沈工程、ゲル濾過工程、荷電
    モザイク膜を用いた分離工程および限界濾過工程よりな
    る群から選ばれる少なくとも1種類の溶在塩の除去工程
    であることを特徴とする請求項第10項乃至第12項の
    いずれかの項記載の細胞活性物質の製造方法。
  14. 【請求項14】 海洋水中に溶存される無機塩の少なく
    とも一部を分離する操作を経た(濃縮)脱塩海洋水を、
    さらに濃縮する操作を少なくとも1回行うことにより得
    られ得る細胞活性物質を含有することを特徴とする医薬
    品。
  15. 【請求項15】 上記細胞活性物質が、皮膚細胞活性物
    質および/または免疫細胞活性物質であることを特徴と
    する請求項第14項記載の医薬品。
  16. 【請求項16】 上記細胞活性物質を含有する医薬品が
    皮膚外用薬であることを特徴とする請求項第14項また
    は第15項記載の医薬品。
  17. 【請求項17】 上記細胞活性物質を含有する医薬品が
    内服薬であることを特徴とする請求項第14項または第
    15項記載の医薬品。
  18. 【請求項18】 海洋水中に溶存される無機塩の少なく
    とも一部を分離する操作を経た(濃縮)脱塩海洋水を、
    さらに濃縮する操作を少なくとも1回行うことにより得
    られ得る細胞活性物質を含有することを特徴とする化粧
    料。
  19. 【請求項19】 上記細胞活性物質が、皮膚細胞活性物
    質および/または免疫細胞活性物質であることを特徴と
    する請求項第18項記載の化粧料。
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