JP4581082B2 - 自己免疫増強剤、その製造方法及びそれを用いた化粧料 - Google Patents

自己免疫増強剤、その製造方法及びそれを用いた化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)を原料として、熱処理によって糖結合性が消失せず、認識糖鎖選択性に優れかつ細胞性免疫能力賦活などの自己免疫増強活性をもつという特異的な性質を有する新規な自己免疫増強剤、その製造方法及びそれを用いた化粧料に関するものである。
赤血球凝集素は、各動物の赤血球に対し特異的な挙動を示すので、医療、製薬、生化学分野などにおける検査用試薬や分離用材料として広く用いられている。この赤血球凝集素は、動物由来のものと植物由来のものとに大別されるが、大量に入手しうること、処理しやすいことなどを考慮して、植物由来のものが実用上注目されている。
これまで、これらの植物由来の赤血球凝集素としては、陸上植物由来のものとしてタチナタマメからのコンカナバリンA(Con A)や小麦からの小麦胚芽レクチン(WGA)などや(非特許文献1参照)、海洋植物由来のものとしてオゴノリ(Gracilaria verrucosa)からのGVAI、カギイバラノリ(Hypnea japonica)からのHypnin A、B、C及びD(非特許文献2参照)などが知られている。
しかしながら、陸上植物由来のものは、凝集活性の高い標品は比較的容易に得ることができるが、単糖類や二糖類のような単純な糖によっても赤血球凝集活性が阻害されるため、認識糖鎖選択性が低いという欠点がある。海洋植物由来のものは、単糖類や二糖類によって赤血球凝集活性が阻害されず、フェツイン、アシアロフェツインのような糖タンパク質によって阻害されるため、認識糖鎖選択性が高いと考えられるが、凝集活性の高い標品を得ることが困難であるという欠点を有する。両者ともイオン強度の変化により凝集活性の制御を行うことができないという欠点をもっている。
また、一般に赤血球凝集素については100℃での熱処理によって、その糖鎖結合能力を喪失するという欠点がある。
赤血球凝集素の細胞に対する生物活性の中で、画期的なものとしてリンパ球との反応を挙げることができる。リンパ球を非常に低い濃度の赤血球凝集素とともに培養すると、リンパ球が増殖し、分裂するようになる。このように静止期にあるリンパ球を成長・増殖する状態へと引き金を引く効果はマイトジェン刺激と呼ばれ、異物(抗原)に対する生体の免疫反応の鍵となる重要な現象である。マイトジェン刺激機能は細胞性免疫能力賦活機能の一つであり、赤血球凝集素の自然免疫増強活性の指標となる。
マイトジェンとして主に利用される赤血球凝集素はコンカナバリン エイ(Con A)、インゲンマメレクチン ピイ(PHA−P)、インゲンマメレクチン エル(PHA−L)、アメリカヤマゴボウレクチン(PWM)などで、これらをリンパ球とともに48〜72時間培養し、DNAに取り込まれた標識チミジンの増加率を測定することにより検定される。
マイトジェン能をもつ赤血球凝集素は細胞の抗原特異性とは無関係に、活性化可能なリンパ球のほとんどを活性化できるため、細胞の増殖による変化を追求したり、研究したりするのが容易である。また赤血球凝集素がTリンパ球に対し、細胞傷害活性を誘導させることも明らかとなっている。誘導されたT細胞の細胞傷害活性は抗原非特異的であることから、様々な正常細胞や悪性化細胞に対して発揮される。
このように、赤血球凝集素によるマイトジェン活性化は、使用が容易で簡単なことから、エイズを含む様々な病気の患者の免疫能を判定する手段となっている。また種々の免疫抑制効果や免疫療法の効果を調べる目的にも使われている。さらに最近では、ガンの新しい治療法であるLAK療法におけるリンパ球の分裂促進剤としても注目されている。
赤血球凝集素(タンパク質から成る赤血球凝集素は一般にレクチンと呼ばれる)は糖鎖を特異的に認識し、結合する能力を有している。この性質は、マイトジェンとして生体内への直接投与あるいは皮膚へ経皮投与した場合、細胞表層糖鎖を認識し、細胞と結合できるため、糖鎖結合能力を持たないマイトジェン(例えば、リポ多糖など)と比べて、細胞表層の糖鎖と結合して細胞表層に接近できるなどして、より効果的にマイトジェンとして機能を発揮することが考えられる。
しかし、これらマイトジェン能をもつ赤血球凝集素は、タンパク質が主成分であり、高温(約100℃)での熱処理や40〜50℃でも長時間放置をすると糖結合能力を失ってしまうため、生体内投与に際しての他試薬との併合や、皮膚への塗布のためのクリームや軟膏として使用する際の他成分との併用は制限されるのを免れない。したがって、熱処理後も糖鎖結合能力を保持することができるマイトジェン能をもつ赤血球凝集素が求められており、本発明者らは先にオゴノリ属紅藻類から高活性赤血球凝集素を製造する方法を提案した(特許文献1)。しかしながら、その高活性赤血球凝集素が自己免疫増強作用のような生理活性を有することは、これまで知られていなかった。
「ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacteriol.)」、1936年、第32巻、第227−237ページ(特許請求の範囲その他) 「ブレタン・オブ・ジャパニーズ・ソサエティ・オブ・サイエンティフィック・フィッシェリイズ(Bul.Jap.Soc.Sci.Fishe.)」、1981年、第47巻、第1079−1084ページ(特許請求の範囲その他) 特開平7−278004号公報(特許請求の範囲その他)
本発明は、このような事情のもとで、熱処理によって糖結合性が消失せず、認識糖鎖選択性に優れかつ細胞性免疫能力賦活のような自己免疫増強活性を示すなどの特異的な性質をもつ新規な自己免疫増強剤を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、植物由来、特に海洋植物由来の赤血球凝集素について、種々研究を重ねた結果、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)から、特定の条件下で抽出された赤血球凝集素が、凝集活性が高く認識糖鎖選択性が高い上に、イオン強度により凝集活性を制御し、熱処理によって糖結合性が消失せず、認識糖鎖選択性に優れ、かつ細胞性免疫能力賦活などの自己免疫増強活性を有することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)からの塩類水溶液による液状抽出物を有効成分とした自己免疫増強剤、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)を塩類水溶液により抽出し、得られた抽出液に、先ず最終濃度20〜40%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度60〜80%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、粗活性画分を沈殿として分取し、沈殿を適当な溶媒で溶解することにより液状の粗活性画分を得る、さらに、所望に応じ、100℃、1〜10分間の熱処理によって夾雑タンパク質を除去し、次いでゲル濾過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画したのち、この画分をクロマトグラフィーにより分離、精製する、細胞性免疫能力賦活活性を示す自己免疫増強剤の製造方法及びそれを用いた化粧料を提供するものである。
上記の硫酸アンモニウムの飽和濃度は、「グリーン及びヒューズ(Green,A.A.& Hughes,W.L.)著(1955)「メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology)、第1巻、第67〜90ページ」に記載されている[結晶硫酸アンモニウムの添加量と濃度(%飽和)との関係に関する表]に基づいて、規定されるものである。
本発明の自己免疫増強剤は、例えば、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)から塩類水溶液で抽出される抽出液に、最終濃度20〜40%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度60〜80%飽和濃度程度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、粗活性画分を沈殿として回収し、沈殿を適当な溶液で溶解することにより得られる液状の粗活性画分、さらには、所望に応じ、100℃、1〜10分間の熱処理によって夾雑タンパク質を除去し、次いでゲル濾過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、細胞性免疫能力賦活性を示す画分を捕集することによって得られる液状体である。
この際用いる塩類水溶液としては、例えば生理食塩水や、リン酸塩緩衝液、トリス塩酸緩衝液あるいはこれらに塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、2−メルカプトエタノール及びジチオスレイトールから選ばれる少なくとも一種を添加した液などがあり、特に、リン酸塩緩衝液、トリス塩酸緩衝液あるいはこれらに塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸亜鉛及び2−メルカプトエタノールから選ばれる少なくとも1種を添加した液が好ましい。
上記で得た液状体は、糖を主成分とする赤血球凝集素を含んでいる。このような糖としては、糖を構成している単糖の中のガラクトースの割合が70〜100%、特には90から100%のものが好ましい。本発明の自己免疫増強剤として上記液状体を用いる場合、糖のほかに糖の質量に対してタンパク質の質量が0.4以下であるタンパク質を含んでいてもよい。
なお、糖の定量は、標準試料としてガラクトースを用いて、フェノール硫酸法によって行い、タンパク質の定量は、標準試料としてウシ血清アルブミンを用いて、ローリー(Lowry)法によって行う。
この際の原料としては、オゴノリ属紅藻類が用いられるが、特にオゴノリ(Gracilaria verrucosa)、ツルシラモ(Gracilaria chorda)、それらの亜種が好ましい。本発明においてオゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)とは、(1)オゴノリ属海藻(Gracilaria sp.)に分類される海藻、あるいは、(2)Gracilariopsis sp.に分類される海藻、あるいは、(3)Gracilariopsis sp.に過去に分類された海藻を含む。
例えば、日本産海藻では、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)とは、非特許文献「新日本海藻誌日本産海藻類総覧、吉田忠生著、内田老鶴圃発行、1998年」においてオゴノリ目(Gracilariales:グラシラリアレス)オゴノリ科(Gracilariaceae:グラシラリアシー)に分類されている海藻を含む。
これらの紅藻類は、寒海にも存在するが特に暖海に多く、わが国ではほとんどすべての海岸地帯に分布しており、寒天の増量物や刺身のつまなどに用いられている。
本発明の自己免疫増強剤を好適に製造するには、上記の紅藻類原料に(イ)水溶性画分の抽出工程、(ロ)粗活性画分の分取工程、及び、必要に応じて、(ハ)凝集素の精製工程を順次施す。
前記各工程について、さらに詳細に説明すると、まず(イ)工程においては、原料の紅藻類に塩類含有水溶液、例えば、生理食塩水や、リン酸塩緩衝液、トリス塩酸緩衝液あるいはこれらに塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、2−メルカプトエタノール及びジチオスレイトールから選ばれる少なくとも一種を添加した液、好ましくは、リン酸塩緩衝液、トリス塩酸緩衝液あるいはこれらに塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸亜鉛及び2−メルカプトエタノールから選ばれる少なくとも1種を添加した液を加えてホモゲナイズしたのち、遠心分離処理し、上澄である粗抽出液を得る。
次に(ロ)工程においては、前記(イ)工程で得られた抽出液に、まず最終濃度20〜40%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて1段目の塩析を行い、生成した沈殿を遠心分離処理により除去する。この操作で色素などの夾雑物が沈殿画分として除去される。次いで、遠心分離処理で得た上澄に最終濃度60〜80%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて2段目の塩析を行い、生成した沈殿を遠心分離処理により分別したのち、この沈殿画分を塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液などの緩衝液で再溶解し、所望に応じ、塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液などの緩衝液に対する透析等により精製して粗活性画分を得る。この粗活性画分は、そのまま本発明の自己免疫増強剤として用いることができる。
この粗活性画分については、所望に応じ、さらに(ハ)工程を行うことができる。(ハ)工程においては、前記(ロ)工程で得られた粗活性画分を、100℃、1〜10分間熱処理し沈殿した夾雑タンパク質を除去した後、ゲル濾過クロマトグラフィーにより分子量10万以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、精製赤血球凝集素を得る。この際、最終段階で使用するクロマトグラフィーとしては、イオン交換クロマトグラフィー又はゲル濾過クロマトグラフィーまたは疎水性相互作用クロマトグラフィーあるいはそれらの組合せを用いるのが有利である。
ここでいう、分子量10万以上の画分とは、ゲル濾過クロマトグラフィーにおいて、球状タンパク質を標準分子量物質として用いて、溶出画分の分子量を算出した結果が10万以上の分子量に相当する画分をいう。
本発明の自己免疫増強剤を好適に製造するには、マイトジェン能をもつ赤血球凝集素精製標品の0.1ミリリットルをTSKゲル G3000 PWXLカラムに添加し、ゲル濾過クロマトグラフィーにかけ、ゲル濾過クロマトグラフィーカラムから0.1ミリリットルずつ溶出画分を集める。この際、標準分子量物質として、チログロブリン(分子量669,000)、フェリチン(分子量440,000)、うし血清アルブミン(分子量67,000)、オボアルブミン(分子量43,000)を用いる。その結果、マイトジェン能をもつ赤血球凝集素の溶出した画分(赤血球凝集活性の画分)を示す凝集活性を有するピークの頂点は分子量5.64×105に相当することがわかった。
このようにして得られる本発明の自己免疫増強剤はさらに次に示す事項によって特徴付けられている。
(1)プロナーゼ処理したヒツジ赤血球を凝集させる性質を有し、かつこの凝集活性が単糖類又は二糖類では阻害されないが、フェツイン又はアシアロフェツインで阻害されること、
(2)ウサギ赤血球に対する凝集活性がイオン強度により変化すること、
(3)球状タンパク質を標準分子量物質として使用したときのゲル濾過クロマトグラフィーにおいて、分子量100,000以上に相当する画分に溶出すること、
(4)細胞性免疫能力賦活活性を有すること、
(5)100℃、10分間の熱処理後も糖鎖結合活性を有すること、
(6)ヒトリンパ球を幼若化する活性を有すること、
(7)トリチウムラベルしたチミジンの細胞核への取り込みを促進させること。
本発明の自己免疫増強剤は、紅藻類由来の新規なものであって、イオン強度により凝集活性が制御でき、認識糖鎖選択性に優れ、細胞性免疫能力賦活など自己免疫増強活性を有し、100℃、10分間の熱処理後も糖結合活性を有するという利点がある。
次に、実施例により本発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(イ)水溶性画分の抽出工程
ツルシラモ(徳島県吉野川河口域産)を0.15M塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、天日乾燥して乾燥物を得た。この乾燥物100gに0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)700mlを加えてホモゲナイズしたのち、このホモゲナイズした液を4℃で6時間放置後、遠心分離して上澄である粗抽出液を得た。
(ロ)粗活性画分の分別工程
次いで、この粗抽出液に、最終濃度が35%飽和濃度の溶液になるように硫酸アンモニウムを加えて1段目の塩析を行った。硫酸アンモニウムの添加終了後、4℃で1時間放置、生成した沈殿を遠心分離して除去した。この操作で色素などの夾雑物が沈殿画分として除去された。次に、遠心分離で得た上澄に、最終濃度が70%飽和濃度の溶液になるように硫酸アンモニウムを添加し、添加終了後、4℃で一晩放置した。生成した沈殿を遠心分離して分別した。得られた沈殿画分を、0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)に再溶解し、粗活性画分を得た。得られた粗活性画分のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は256単位であり、比活性は3372.9単位/mgプロテイン、活性回収率は62.4%であった。ここで、凝集活性の単位は、凝集活性が検出できる試料の最大希釈率の逆数と定義した。これらの結果を表5に示す。
(ハ)凝集素の精製工程
次に、このようにして得られた粗活性画分に100℃、10分間の熱処理を行い、遠心分離し不溶性の夾雑タンパク質を除去後、ゲル濾過クロマトグラフィーで分子量10万以上の画分を分画し、TSKgelDEAE−5PWを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、精製標品を得た。得られた精製標品のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性を示す最小タンパク質濃度は0.8763μg/mlであった。以上の結果から、本発明の自己免疫増強剤を用いると、紅藻類由来の赤血球凝集素が、その活性を保持したまま効果的に得られることが分かる。
精製標品について、ウサギ赤血球に対する凝集活性のイオン強度依存性を試験したところ、0.15M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は2048単位であり、一方0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は8単位であった。これらの結果を表6に示す。
精製標品に100℃、10分間の熱処理を行った後での凝集活性は2048単位であり、熱処理による凝集活性の消失は認められなかった。赤血球凝集素の凝集活性は、赤血球凝集素の糖結合活性の指標の一つであるので、以上の結果から本発明の自己免疫増強剤の赤血球凝集素への糖結合活性は熱に対して安定なことが分かる。
精製標品についてマイトジェン活性を調べるために、ヒトリンパ球幼若化試験を行った。リンパ球幼若化試験は、患者や健常人の末梢血リンパ球のDNA合成能を測定、比較するのによく用いられる。この反応は一般的な細胞性免疫反応能力を示すと考えられている。測定方法としては、固定染色標本で染色体の出現した細胞数を数える方法、形態学的に観察する方法等もあるが、本例では、3H−チミジンの細胞核への取り込みを測定する方法を行った。健常人3名分の検体からのリンパ球を用いて実験した。
培養液として、純水100mlに対してRPMI 1640 1.05g、NaHCO3 0.2g、ペニシリン10000Unit、ストレプトマイシン10mg、ウシ胎児血清10mlの割合で溶解した水溶液を準備し、フィルターで濾過滅菌後、使用量に合わせて小びんにつめ、密栓して−20℃で保存した。
比較用マイトジェンとしてインゲンマメレクチンを培養液に溶解して濃度10〜50μg/mlに調製した。滅菌小試験管に分注、密栓して−20℃で保存した。
リンパ球の分離は次のように行った。すなわち、ヘパリン添加血液よりフィコール・コンレイ(Ficoll−Conray)法にてリンパ球を分離し、CMF−PBS(pH7.0)で3回洗浄した。分離したリンパ球を培養液1mlに懸濁し、リンパ球数を算定した。次いで培養液で5×105個/mlに調整したリンパ球浮遊液を得た。
リンパ球の培養は次のように行った。すなわち、マイクロプレートの各ウェルに、リンパ球浮遊液を200μlずつ分注した。次いでマイトジェン溶液として、精製標品、陽性コントロールとしての比較用マイトジェン、陰性コントロールとしてのリン酸緩衝液(PES)を各ウェルに20μlずつ分注した。次いでCO2濃度5%、37℃の空気中、湿潤状態で、3日間培養した。培養終了8時間前に3H−チミジンを培養液中の最終濃度が1μCi/mlになるように各ウェルに分注した。
活性の測定は次のように行った。すなわち、Labo−MASHを用いて食塩水でウェル内をハーベストしつつ、細胞をグラスファイバーフィルター上に集め、これを連続吸引してフィルター上の細胞を洗浄した(約20秒間、生理食塩水約1.5ml)。次いでグラスフィルター上の細胞固着部を剥離し、カウンティングバイアルに入れた。十分に乾燥させた後、液体シンチレーターとしてトルエンシンチレーター(POPO 0.1g+PPO 5g/リットル トルエン)5mlをディスペンサーを用いて各バイアルに分注し、シンチレーションカウンターにて計測した。結果を1検体あたり3回の測定の平均値として表1に示す。
Figure 0004581082
この表から、本発明の自己免疫増強剤は、従来知られている陸上植物由来の赤血球凝集素よりも高いマイトジェン活性を示すことが分かる。
(イ) 水溶性画分の抽出工程
ツルシラモ(徳島県吉野川河口域産)湿質量500gを0.15M塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、−30℃で凍結した。30mM塩化カリウムと3μM硫酸亜鉛、5mM2−メルカプトエタノールを含んだ0.5Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8.2)を抽出用緩衝液として使用し、細かく粉砕した凍結海藻(ツルシラモ湿質量500g相当)に対し、抽出用緩衝液800mlを加えてホモゲナイズしたのち、このホモゲナイズした液を4℃で6時間放置後、遠心分離して上澄である粗抽出液を得た。
(ロ) 粗活性画分の分別工程
次いで、この粗抽出液に、最終濃度35質量%飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを加えて1段目の塩析を行った。硫酸アンモニウムの添加終了後、4℃で1時間放置したのち、生成した沈殿を遠心分離して除去した。この操作で色素などの夾雑物が沈殿画分として除去された。次に、遠心分離で得た上澄に、最終濃度70%飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを添加し添加終了後、4℃で一晩放置したのち、生成した沈殿を遠心分離して分別した。分別した沈殿画分を、0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)で再溶解し、次いで0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)に対して透析し、粗活性画分を得た。得られた粗活性画分のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は256単位であった。ここで、凝集活性の単位は、凝集活性が検出できる試料の最大希釈率の逆数と定義した。
(ハ)凝集素の精製工程
次に、このようにして得られた粗活性画分を100℃1分間で熱処理、遠心分離し不溶性の夾雑タンパク質を除去後、ゲル濾過クロマトグラフィーで分子量10万以上の画分を分画し、TSKgelDEAE−5PWを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、精製標品を得た。このようにして得た精製標品のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は2048単位であった。以上の結果から、本発明の自己免疫増強剤が、その活性を保持したまま得られることが分かる。
精製標品について、ウサギ赤血球に対する凝集活性のイオン強度依存性を検討したところ、0.15M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は2048単位であるのに対し、0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は8単位であった。
また、精製標品を100℃10分間の熱処理を行った後での凝集活性を測定したところ2048単位であり、熱処理による凝集活性の低下は認められなかった。
粗活性画分及び精製標品についてマイトジェン活性を測定した。ヒトリンパ球幼若化試験を行った。
次に、3H−チミジンの取り込みによる、ヒトリンパ球幼若化試験を行って、粗活性画分と精製標品についてのマイトジェン活性を測定した。この場合、すべての細胞培養に要する材料、例えば、マイクロプレート、セルハーベスター、グラスファイバーフィルター、カウンティングバイアル、3H−チミジン、トルエンシンチレーター(POPO 0.1g+PPO 5g/リットル トルエン)、液体シンチレーションカウンターの準備及びこれらを用いて行う操作はいずれも無菌的に行った。
次に、培養液として、純水100mlに対してRPMI 1640 1.05g、NaHCO3 0.2g、ペニシリン10000Unit、ストレプトマイシン10mg、ウシ胎児血清10mlの割合で溶解した水溶液を準備し、フィルターで濾過滅菌後、使用量にあわせて小びんにつめ、密栓して−20℃で保存した。この状態で2か月は保存使用可能であった。使用時には使い切るようにし、凍結融解は繰り返さないようにした。
リンパ球は、ヘパリン添加血液からフィコール・コンレイ法により分離した。次いでCMF−PBS(pH7.0)で3回洗浄したのち、培養液1mlに懸濁し、リンパ球数を算定した。次いで培養液で5x105個/mlに調整した。
リンパ球の培養は、マイクロプレートの各ウェルに、リンパ球浮遊液を200μlずつ分注して行った。
次いで、リンパ球の入ったマイクロプレートをクリーンブース内に置いた。3つの実験区により実験を行った。紫外線照射を行わず、30分間クリーンブース内に放置した対照実験区を実験区Aとした。マイクロプレート内のリンパ球に対して上方から紫外線照射を30分間行った実験区を実験区Bとした。マイクロプレート内のリンパ球に対して上方から紫外線照射を16時間行った実験区を実験区Cとした。紫外線照射は次のように行った。マイクロプレートをクロマトビューポータブル暗箱(フナコシ株式会社製)に入れ、暗箱上部取り付けた6ワット・ハンディ型UVランプUVL−56型ブラックレイランプ(フナコシ株式会社製)より、長波長(365nm)の紫外線を照射した。この際の365nmの紫外線強度は、デジタル式UVX RADIOMETER紫外線強度計(フナコシ株式会社製)にMODEL UVX−36センサー(フナコシ株式会社製)を接続して測定した。マイクロプレートの位置での紫外線強度は、0.63mW/cm2であった。
次いで、それぞれの実験区に対して、マイトジェン溶液として、粗活性画分、精製標品、リン酸緩衝液(PES)を各ウェルに20μlずつ分注した。粗活性画分は、緩衝液で希釈した希釈液(10倍希釈から320倍希釈)を調製し、実験に供した。粗活性画分での3H−チミジンの取り込み量(cpm)は、希釈液での測定値に希釈倍率を乗じて原液に換算した値を算出することにより求めた。精製標品は、緩衝液で希釈した希釈液(10倍希釈から320倍希釈)を調製し、希釈液を実験に供した。精製標品での3H−チミジンの取り込み量(cpm)は、希釈液での測定値に希釈倍率を乗じて原液に換算した値を算出することにより求めた。
次いで5%CO2含有空気中37℃の湿潤状態で、3日間培養した。培養終了8時間前に3H−チミジンを培養液当りの最終濃度が1μCi/mlになるように各ウェルに分注した。
活性の測定は次のように行った。Labo−MASH等を用いて食塩水でウェル内をハーベストしつつ、細胞をグラスファイバーフィルター上に集め、これを連続吸引してフィルター上の細胞を洗浄した(約20秒間、生理食塩水約1.5ml)。次いでグラスフィルター上の細胞固着部を剥離し、カウンティングバイアルに入れた。次いで充分乾燥させた後、液体シンチレーター 5mlをディスペンサーを用いて各バイアルに分注し、シンチレーションカウンターにて計測した。実施例1で用いた3人とは別の3人の検体(以下、検体a、b及びcという)からのリンパ球を用いて実験した。ある実験条件での実験数を3回(表には1、2、3と記載)とし、平均は3回の測定の平均値を示す。その検体aについての結果を表2、検体bについての結果を表3、検体cについての結果を表4にそれぞれ示す。
Figure 0004581082
Figure 0004581082
Figure 0004581082
表2ないし4の実験区Aから明らかなように、実施例2で得られた粗活性画分及び精製標品からなる本発明の自己免疫増強剤は、陰性コントロールと比べて、3H−チミジンの取り込み量がそれぞれ600倍以上及び3400倍以上と著しく多いので、優れたマイトジェン活性を示すことが分かる。
また、表2ないし4の陰性コントロールの平均値から明らかなように、紫外線を照射すると、3H−チミジンの取り込み量、すなわち免疫力が低下することが分かるが、実験区B及びCの結果から明らかなように、本発明の自己免疫増強剤を添加することにより、紫外線を照射しても3H−チミジンの取り込みが促進されることが分かる。
以上の結果から、自己免疫増強成分の粗活性画分・精製標品を紫外線照射処理によりDNA合成能力(3H−チミジンの取り込みなど)など免疫力が低下したヒトリンパ球に対して添加することにより、当該リンパ球のDNA合成能力など免疫力を増強させることができる。また、紫外線照射時間が30分以内であれば、紫外線を照射しなかったヒトリンパ球に自己免疫増強成分を添加した場合と同等のDNA合成能力まで上昇させることができる。紫外線を16時間照射しても、紫外線を照射しなかったヒトリンパ球に自己免疫増強成分を添加した場合の50%以上のDNA合成能力まで上昇させることができるし、紫外線を照射しなかった陰性コントロールと比較すると、3H−チミジンの取り込み量がはるかに多いことが分かる。
比較例1
実施例1−(ロ)の粗活性画分の分別工程において、硫酸アンモニウム添加による2段階の塩析による分別処理の代わりに、50質量%エタノールによる分別処理[「フィトケミストリー(Phytochemistry)」第27巻、第2063〜2067ページ(1988年)参照]を行った以外は、実施例1と同様にして粗活性画分を得た。この粗活性画分のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は4単位、比活性は53.4単位/mgプロテイン、活性回収率は5.0%であった。これらの結果を表5に示す。
比較例2
常用の方法[「コンパラティブ・バイオケミストリー・アンド・フィジオロジー(Comp.Biochem.Phisiol.)」第102B巻、第445〜449ページ(1992年)に記載されている方法]に従って、紅藻類由来の赤血球凝集素を得た。得られた粗活性画分の赤血球凝集活性は16単位、比活性は149.5単位/mgプロテイン、活性回収率は19.5%であった。これらの結果を表5に示す。また、精製標品のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性を示す最小タンパク質濃度は32.6μg/mlであり、実施例1の約1/40の比活性に相当した。
Figure 0004581082
比較例3
紅藻類から常用の方法[「コンパラティブ・バイオケミストリー・アンド・フィジオロジー(Comp.Biochem.Phisiol.)」第102B巻、第445〜449ページ(1992年)に記載されている方法]に従って精製した分子量50,000の凝集素について、ウサギ赤血球に対する凝集活性のイオン濃度依存性を検討した。0.15M塩化ナトリウム濃度及び0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性はともに1024単位であり、凝集活性のイオン強度依存性は見られなかった。これらの結果を表6に示す。
比較例4
Con A[和光純薬(株)製]25mgをリン酸緩衝液100mlに溶解し、ウサギ赤血球凝集活性のイオン濃度依存性を検討した。0.15M塩化ナトリウム濃度及び0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性はともに64単位であり、凝集活性のイオン強度依存性は見られなかった。これらの結果を表6に示す。
Figure 0004581082
Con Aを100℃、10分間の熱処理を行った後での凝集活性は検出されず、熱処理により凝集活性の消失が認められた。
表5から明らかなように、実施例1で得られた粗活性画分からなる本発明の自己免疫増強剤は、比較例1及び2のものに比べて、凝集活性、比活性、活性回収率がいずれも高く、活性回収率は比較例1の約12倍、比較例2の約3倍、比活性は比較例1の約63倍、比較例2の約23倍である。また、表6から実施例1の精製凝集素は比較例3及び4のものと異なり、ウサギ赤血球に対する凝集活性がイオン強度により制御されることが分かる。
本発明の自己免疫増強剤は、臨床分野、医療分野、生化学工業分野における治療用、検査用材料など、及び化粧品分野の添加剤として有用である。

Claims (14)

  1. オゴノリ属紅藻類を塩類水溶液により抽出し、得られた抽出液に、先ず最終濃度35〜40%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度60〜80%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、粗活性画分を沈殿として回収し、沈殿を適当な溶媒で溶解することにより細胞性免疫能力賦活活性を示す液状抽出物を分離し、捕集したのち、液状抽出物をさらに100℃において1〜10分間熱処理して夾雑タンパク質を除去し、ゲル濾過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画することを特徴とする、糖及びタンパク質を含む免疫増強剤の製造方法。
  2. 前記塩類水溶液が塩化ナトリウムを含むリン酸緩衝液である請求項1記載の糖及びタンパク質を含む免疫増強剤の製造方法。
  3. 前記塩類水溶液が塩化カリウム、硫酸亜鉛及び2−メルカプトエタノールから選ばれた少なくとも1種を含むトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液である請求項1記載の糖及びタンパク質を含む免疫増強剤の製造方法。
  4. 前記オゴノリ属紅藻類がオゴノリ(Gracilariaverrucosa)又はツルシラモ(Gracilaria chorda)あるいはそれらの亜種である請求項1〜3のうちいずれか一項記載の糖及びタンパク質を含む免疫増強剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、プロナーゼ処理したヒツジ赤血球を凝集させる性質を有し、かつこの凝集活性が単糖類又は二糖類では阻害されないが、フェツイン又はアシアロフェツインで阻害される免疫増強剤。
  6. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、ウサギ赤血球に対する凝集活性がイオン強度により変化する免疫増強剤。
  7. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、細胞性免疫能力賦活活性を有する免疫増強剤。
  8. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、100℃、10分間の熱処理後も糖鎖結合活性を有する免疫増強剤。
  9. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、ヒトリンパ球を幼若化する活性を有する免疫増強剤。
  10. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤であって、トリチウムラベルしたチミジンの細胞核への取り込みを促進する免疫増強剤。
  11. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される免疫増強剤であって、糖及びタンパク質を含み、該タンパク質の質量が糖の質量に対し0.4以下である免疫増強剤。
  12. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載の免疫増強剤の製造方法により製造される糖及びタンパク質を含む免疫増強剤を含有することを特徴とする化粧料。
  13. オゴノリ属紅藻類を塩類水溶液により抽出し、得られた抽出液に、先ず最終濃度35〜40%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度60〜80%飽和濃度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、粗活性画分を沈殿として回収し、沈殿を適当な溶媒で溶解することにより得られる細胞性免疫能力賦活活性を示す液状抽出物であって、球状タンパク質を標準分子量物質として使用するゲルろ過クロマトグラフィーにおいて、分子量100,000以上に相当する画分に溶出し、100℃、10分間の熱処理後も糖鎖結合活性を有する液状抽出物を有効成分とする、糖及びタンパク質を含む免疫増強剤。
  14. 請求項13記載の糖及びタンパク質を含む免役増強剤を含有することを特徴とする化粧料。
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