JP2002255970A - 縮合ピラゾール化合物 - Google Patents
縮合ピラゾール化合物Info
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- JP2002255970A JP2002255970A JP2001044245A JP2001044245A JP2002255970A JP 2002255970 A JP2002255970 A JP 2002255970A JP 2001044245 A JP2001044245 A JP 2001044245A JP 2001044245 A JP2001044245 A JP 2001044245A JP 2002255970 A JP2002255970 A JP 2002255970A
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Abstract
療し得る新規化合物および医薬組成物を提供する。 【解決手段】 式(I): 【化1】 (式中、Ar1、Ar2およびAr3は、ハロゲン原子、
アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、チオカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキ
シアルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル
基またはチオアルキル基で任意に置換されたフェニル
基、チエニル基、ピロリル基およびフリル基からなる群
よりそれぞれ独立して選択され、XおよびYは、O、S
およびNHからそれぞれ独立して選択され、mは1〜3
の整数であり、nは0〜4の整数である)で示される縮
合ピラゾール化合物。
Description
ール化合物に関し、特に環状GMPレベルの低下に起因
する血小板凝集を抑制することにより、様々な循環器疾
患を治療しうる縮合ピラゾール化合物に関する。
ーであり、様々な細胞活性の制御に重要な役割を果たし
ている。環状GMPは可溶性グアニル酸シクラーゼ(s
GC)によってGTPから合成され、ホスホジエステラ
ーゼ(PDE)によって分解される。すなわち環状GM
Pレベルを上昇させるには、sGCの活性を高めるか、
または、PDEの活性を下げるかのいずれかによって達
成される。
化症、心筋梗塞症、不安定狭心症、血栓症、高血圧症等
の様々な循環器疾患の原因になる。細胞内で環状GMP
のレベルが低いことが血小板凝集の原因となるため、血
小板において環状GMPレベルを高めることはこれらの
疾患を治療する方法を供給する。細胞内環状GMPレベ
ルはまた、例えば陰茎勃起のような生理学的機能にも影
響を与えることが知られている。
抑制のいずれかによって細胞内環状GMPレベルを高め
ることは上記疾患に対して臨床的に重要である。ある種
のピラゾール化合物はsGCを活性化し、循環器疾患薬
として潜在的に有用であることが知られている。
Cの活性化またはPDEの抑制のいずれかによって細胞
内環状GMPレベルを高める効果を有する新規な化合物
を提供することである。
PDEの高い活性または血小板凝集に起因する疾患の治
療のための、そのような化合物を含む医薬組成物を提供
することである。
(1)式(I):
ロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、チオカルボニル基、アミノカルボニル
基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
ミノアルキル基またはチオアルキル基で任意に置換され
たフェニル基、チエニル基、ピロリル基およびフリル基
からなる群よりそれぞれ独立して選択され、XおよびY
は、O、SおよびNHからそれぞれ独立して選択され、
mは1〜3の整数であり、nは0〜4の整数である)で
示される縮合ピラゾール化合物、(2)XおよびYはO
であり、mは1である、(1)に記載の縮合ピラゾール
化合物、(3)Ar2は、ハロゲン原子、アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチオア
ルキル基で任意に置換されたフェニル基もしくはフリル
基である、(2)に記載の縮合ピラゾール化合物、
(4)Ar2は、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、
アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキ
シアルキル基、アミノアルキル基またはチオアルキル基
で任意に置換されたフェニル基である、(3)に記載の
縮合ピラゾール化合物、(5)Ar2は、ハロゲン原
子、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニ
ル基、チオカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロ
キシアルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキ
ル基またはチオアルキル基で任意に置換されたフリル基
である、(3)に記載の縮合ピラゾール化合物、(6)
Ar3は、チエニル基またはフェニル基である、(2)
〜(5)のいずれか一項に記載の縮合ピラゾール化合
物、(7)Ar3は、チエニル基である、(6)に記載
の縮合ピラゾール化合物、(8)Ar3は、フェニル基
である、(6)に記載の縮合ピラゾール化合物、(9)
Ar1は、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、アミ
ノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシア
ルキル基、アミノアルキル基またはチオアルキル基で任
意に置換されたフェニル基である、(2)〜(8)のい
ずれか一項に記載の縮合ピラゾール化合物、(10)A
r2は、ハロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、チオカルボニル基、アミノカ
ルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキ
ル基、アミノアルキル基またはチオアルキル基で任意に
置換されたフェニル基もしくはフリル基である、(1)
に記載の縮合ピラゾール化合物、(11)Ar1は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、チオカルボニル基、アミノカルボニル
基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
ミノアルキル基またはチオアルキル基で任意に置換され
たフェニル基である、(10)に記載の縮合ピラゾール
化合物、(12)Ar3はチエニル基またはフェニル基
である、(10)または(11))に記載の縮合ピラゾ
ール化合物。
2)に記載の縮合ピラゾール化合物、(14) Ar3
はフェニル基である、(12)に記載の縮合ピラゾール
化合物。
ニル基である、(1)に記載の縮合ピラゾール化合物。
キル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チ
オカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアル
キル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基また
はチオアルキル基で任意に置換されたフェニル基であ
る、(15)に記載の縮合ピラゾール化合物。
キル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チ
オカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアル
キル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基また
はチオアルキル基で任意に置換されたフリル基である、
(15)または(16)に記載の縮合ピラゾール化合
物。
ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオ
カルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキ
ル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基または
チオアルキル基で任意に置換されたフェニル基である、
(15)または(16)に記載の縮合ピラゾール化合
物。
r2は、C(2)位がピラゾール環と結合し、C(5)
位がメトキシメチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシ
カルボニル基またはヒドロキシカルボニル基で置換され
たフリル基であり、Ar3は、C(1)位およびC
(2)位が前記ピラゾール環と縮合環を形成し、C
(4)位およびC(5)位がそれぞれXおよびYで置換
されたフェニル基であり、XおよびYはOであり、mお
よびnは1である、(1)に記載の縮合ピラゾール化合
物、および(20)
合物、(21)(1)〜(20)のいずれか一項に記載
の縮合ピラゾール化合物を含む、血小板凝集に起因する
循環器疾患を治療するための医薬組成物、である。
合物は、式(I):
ロゲン原子、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシ
カルボニル基、チオカルボニル基、アミノカルボニル
基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ア
ミノアルキル基またはチオアルキル基で任意に置換され
たフェニル基、チエニル基、ピロリル基およびフリル基
からなる群よりそれぞれ独立して選択され、XおよびY
は、それぞれ独立して、O、SまたはNHであり、mは
1〜3の整数であり、nは0〜4の整数である)で示さ
れる。
基、接頭語“アルク(alk)−”の付く基(例えばア
ルコキシアルキル基)、および、接尾語“−アルキル
(alkyl)”の付く基(例えばヒドロキシアルキル
基)は、好ましくは炭素数1〜6のアルキルから構成さ
れる基である。このような置換基として、好ましくはメ
トキシカルボニル、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシ
メチルまたはメトキシメチルである。
またはNHであり、好ましくはいずれもOである。mは
1〜3の整数であり、好ましくは1である。nは0〜4
の整数であり、好ましくは1である。
して、XおよびYはOであり、mは1である化合物が挙
げられる。この化合物において、好ましくは、Ar2は
上記置換基で任意に置換されたフェニル基もしくはフリ
ル基であり、または、Ar3はチエニル基またはフェニ
ル基である。
で任意に置換されたフェニル基またはフリル基である化
合物が挙げられる。この化合物において、好ましくは、
Ar 1は上記置換基で任意に置換されたフェニル基であ
り、または、Ar3はチエニル基またはフェニル基であ
る。
ニル基またはフェニル基である化合物が挙げられる。こ
の化合物において、好ましくは、Ar1は上記置換基で
任意に置換されたフェニル基であり、Ar2は上記置換
基で任意に置換されたフリル基であり、または、Ar3
はフェニル基である。
ンジル−3−(5’−メトキシカルボニル−2’−フリ
ル)−5,6−メチレンジオキソインダゾール、1−ベ
ンジル−3−(5’−ヒドロキシカルボニル−2’−フ
リル)−5,6−メチレンジオキソインダゾール、1−
ベンジル−3−(5’−メトキシメチル−2’−フリ
ル)−5,6−メチレンジオキソインダゾール、また
は、1−ベンジル−3−(5’−ヒドロキシメチル−
2’−フリル)−5,6−メチレンジオキソインダゾー
ルが挙げられる。
−3−(5’−ヒドロキシカルボニル−2’−フリル)
−5,6−メチレンジオキソインダゾールの構造は、そ
れぞれの環中の原子に番号を付して以下のように示され
る。
こに開示されているが、本発明の主旨と範囲を超えるこ
となく様々な改変が可能である。例えば、1−ベンジル
−3−(5’−メトキシカルボニル−2’−フリル)−
5,6−メチレンジオキソインダゾールのアルキレンジ
オキソ基は、一つまたは二つの低級アルキル基(例えば
炭素数が1または2のアルキル基)を介して、縮合ピラ
ゾール化合物に付加されうる。このような他の実施形態
もまた請求項の範囲内である。
能であればそれらの塩も含む。このような塩は、例え
ば、正電荷を帯びた置換基(例えばアミノ基)と陰イオ
ンとの間で形成され得る。適切な塩としては、これらに
限定されないが、塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物、硫
酸塩、硝酸塩、リン酸塩または酢酸塩である。同様に、
このような塩は、負電荷を帯びた置換基(例えばカルボ
キシル基)と陽イオンとの間でも形成され得る。適切な
塩としては、これらに限定されないが、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウム
イオン、テトラメチルアンモニウムイオンのようなアン
モニウム系陽イオンである。
3−(5’−アミノメチル−2’−フリル)−5,6−
メチレンジオキソインダゾールの塩酸塩、および、1−
ベンジル−3−(5’−カルボキシル−2’−フリル)
−5,6−メチレンジオキソインダゾールのナトリウム
塩等が挙げられる。
方法を説明する。
方法によって合成される。まず、塩化アルキレンジオキ
ソアリールアシルとアリール化合物とを反応させ、アル
キレンジオキソアリールアリールケトンを生成する。次
に得られたケトンをヒドラジンと反応させヒドラゾンを
生成し、続いて得られたヒドラゾンを第一の触媒である
Pb(OAc)4の存在下で中間体に変換する。得られ
た中間体を精製せずに、第二触媒であるBF3・Et2O
の存在下で縮合ピラゾール化合物に変換する。ここで、
得られた縮合ピラゾール化合物に、例えばヒドロキシカ
ルボニル基またはヒドロキシアルキル基のような所望す
る官能基を導入することができ、それによってさらに改
変された縮合ピラゾール化合物を生成することができ
る。
を示した模式図である。また、化合物1〜4の合成方法
の詳細は、それぞれ実施例1〜4に示される。
PDEの抑制によって細胞内の環状GMPレベルを増加
させるために用いられる。すなわち本発明は、例えばイ
ンポテンスのような細胞内の低い環状GMPレベルに関
係する疾患、または、血小板凝集が関係する疾患を治療
するために、少なくとも1つの式(I)で示される縮合
ピラゾール化合物(またはその塩)の有効量、および、
医薬的に許容される担体、を含む医薬組成物に関する。
ここで“有効量”とは、治療対象に治療上の効果を与え
るのに必要とされる化合物の量のことである。動物およ
びヒトに対する投与量[体表面積(m2)あたりの量
(mg)]の相互関係は、Freireich et
al.,Cancer Chemother.Re
p.,1966,50,219に記載されている。体表
面積は、患者の身長および体重から概算される(Sci
entific Tables,Geigy Phar
maceuticals,Ardley,N.Y.,1
970,537を参照)。当業者によって理解されてい
るように、有効量は、投与経路、賦形剤の使用、およ
び、他の抗血小板凝集剤の使用を含む他の治療との併用
の可能性により多様である。
状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、セルロー
ス、ラウリル硫酸ナトリウムおよびD&C Yello
w#10(主として2−(2,3−ジヒドロ−1,3−
ジオキシ−1H−インデン−2−yl)−6−キノリン
スルホン酸および2−(2,3−ジヒドロ−1,3−ジ
オキシ−1H−インデン−2−yl)−8−キノリンス
ルホン酸の混合物からなる不活性薬剤成分)が挙げられ
る。
局所的な投与、皮下投与、腹腔内投与、筋肉内投与、静
脈内投与等、非経口投与されうる。非経口投与のための
製剤例としては、等張の塩、5%グルコースまたは任意
のその他周知の医薬的に許容される担体を含む活性化合
物の水溶液が挙げられる。例えばシクロデキストリンの
ような可溶化剤、または、当業者に周知の可溶化剤も、
本発明の医薬組成物中に含ませることができる。
方法による他の投与経路、例えば経口、粘膜経由または
経皮経由によっても投与され得る。本発明の医薬組成物
は、例えばカプセル、ゲル密封、錠剤の形態で経口投与
用に配合される。カプセルは、ゼラチンやセルロース誘
導体等の医薬的に許容される公知物質から形成できる。
錠剤は活物質、固形担体、潤滑剤の混合物を圧縮する慣
用手順に適合するように配合される。固形担体の例とし
ては、デンプンおよびベントナイトを含むものが挙げら
れる。また、化合物は、例えば結合剤としてラクトース
およびマンニトール、慣用の充填剤ならびに錠剤化薬剤
を含む硬殻タブレットやカプセルの形態で投与されう
る。
ゾール化合物を、このような薬剤を製造するために用い
ることは本発明の範囲内である。
インビトロ分析によって、上記疾患に対する治療の有効
性に関し予備的にスクリーニングされ得る。
有効性は、次のインビトロ分析によって評価される。ま
ず、洗浄した血小板を緩衝液に懸濁し、超音波によって
破砕する。次に得られた溶解液を遠心分離して上清を分
離し、sGC源とする。その上清および試験される化合
物を分取して、sGCの基質であるGTPを含む緩衝液
に加える。sGCの活性を、Gerzer et a
l.,J.Pharmacol.Exp.Ther.1
983,226:180に記載の方法によって測定する
が、この方法に限定されない。
効性は、次のインビトロ分析によって評価される。ま
ず、洗浄された血小板をトリス−HCl緩衝液に懸濁
し、超音波によって破砕する。次に得られた溶解液を遠
心分離して、PDEを含む上清を分離する。その上清を
分取して、PDEを含む溶液を調製する。試験される化
合物およびPDEの基質である環状GMPを、その溶液
に加える。続いてOphiophagus hanna
hヘビの毒液を加えて、PDEによって環状GMPから
変換された5’−GMP中のリン酸塩を除去し、電荷を
帯びないグアノシンを生成する。イオン交換樹脂を用い
て残留した環状GMPを除去する。次に環状GMPを含
まない溶液を遠心分離して上清を得、その上清を用いて
液体シンチレーション計数器により電荷を帯びないグア
ノシンを定量する。PDEの活性は、電荷を帯びないグ
アノシンの量に基づいて評価するが、ただしこの方法に
限定されない。
の有効性は、次のインビトロ分析によって評価される。
血小板凝集は、低い細胞内環状GMPレベルに起因す
る。例えば、試験される化合物を血小板凝集因子を含む
血小板懸濁液中でインキュベーションし、2チャンネル
の光学的血小板凝集計を用いて凝集の程度を混濁度測定
し、その結果をTeng et al.,Bioche
m.Biophys Acta.1987,924:3
75−382に記載の方法によってパーセンテージに変
換するが、この方法に限定されない。
ングも、当業界で周知の方法が適用され得る。
業者であれば本発明を最大限利用できるものと考えられ
る。ここで記載されたすべての文献は、ここに引用され
ることによってそれら全てを参照される。それゆえに下
記の実施例は、本発明の様々な化合物の合成および生物
学的試験を説明するものであるが、これらは単なる例示
であり、本発明の範囲はこれらに限られるものではな
い。
る。
メトキシカルボニル−2’−フリル)−5,6−メチレ
ンジオキソインダゾール(化合物1)の合成>まず5−
メトキシカルボニル−2−フリル−3’,4’−メチレ
ンジオキソフェニルケトンを以下のように合成した。
ol)および塩化3,4−メチレンジオキソベンゾイル
(52.4g、0.3mol)を、CCl4(40m
L)に溶解し、10分にわたりメチル−2−フロン酸
(25.2g、0.20mmol)を滴下して加えた。
その反応混合物を次に還流下で36時間加熱し、室温ま
で冷却し、水(120mL)を加えた。その混合物を1
時間撹拌し、二層(すなわち水層およびCCl4層)に
分離して沈殿を生じるまで静置した。その沈殿を回収し
てクロロホルムに溶解した。水層(上部)をクロロホル
ムで抽出した。その抽出物を沈殿の溶液と合わせ、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。ろ過した溶
媒を減圧下で除去し、残留物をイソプロパノールで再結
晶化し、5−メトキシカルボニル−2−フリル−3’,
4’−メチレンジオキソフェニルケトン 57.1gを
収率56.0%で得た。以下にその同定データを示す。
−3’,4’−メチレンジオキソフェニルケトン(6.
6g、0.024mol)を、メタノール(60mL)
に溶解した。ベンジルヒドラジン(9.0g、0.07
0mol)および酢酸(0.5mL)を、そのケトン溶
液に加えた。次にその溶液を反応が完了するまで還流下
で加熱した。その溶液を室温まで冷却し、溶媒を減圧下
で除去し、残留物を得た。その残留物をクロロホルムで
抽出し、得られた抽出物を希塩酸および水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に乾燥した溶液をろ
過し、ろ過した溶媒を除去し、5−メトキシカルボニル
フリルメチレンジオキソフェニルケトンベンジルヒドラ
ゾンを得た。
ラゾンをジクロロメタン(100mL)に溶解した。次
にその溶液をPb(OAc)4(28.2g、0.06
mol)のジクロロメタン溶液(400mL)に滴下し
て加えた。その混合物を30±2℃で30分加熱し、続
いてBF3・Et2O(47%BF3含有、122mL)
を加えた。その混合物を還流下で30分加熱した後、氷
水(1000mL)に注入し、反応を止めた。有機層を
分離し、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水洗に
より中性化し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過
し、減圧下で濃縮して油状の粗生成物を得た。次にその
粗生成物にエタノールを加え、その混合物を冷蔵庫中で
一晩静置して沈殿を形成した。その沈殿を回収し、エタ
ノールで再結晶化し、化合物1 5.7gを収率63.
8%で得た。以下にその同定データを示す。
ヒドロキシカルボニル−2’−フリル)−5,6−メチ
レンジオキソインダゾール(化合物2)の合成>化合物
1(120mg、0.32mmol)を、メタノール
(8mL)および水酸化ナトリウム水溶液(水3L中に
75mg)の混合物に溶解した。その溶液を還流下で加
熱し、冷却した後、溶媒を除去して残留物を得た。その
残留物を水(1.5mL)に溶解し、希塩酸で酸性化
し、沈殿を得た。その沈殿を回収し、アセトンで再結晶
化し、化合物2 87.5mgを収率75.5%で得
た。以下にその同定データを示す。
ヒドロキシメチル−2’−フリル)−5,6−メチレン
ジオキソインダゾール(化合物3)>無水塩化カルシウ
ム(88.8mg、0.8mmol)および水素化ホウ
素ナトリウム(60mg、1.6mmol)を無水TH
F(20mL)中で4時間攪拌することによって、水素
化ホウ素カルシウムを調製した。化合物1(101m
g、0.27mmol)を含むTHF(30mL)の溶
液を、得られた水素化ホウ素カルシウム溶液に30℃±
2℃で滴下して加えた。その混合物を還流下で6時間加
熱し、冷却し、氷で急冷した。次に溶媒を除去して固体
を得て、ジクロロメタン(50mL)に溶解した。石油
エーテルをそのジクロロメタン溶液に加え、沈殿を得
た。その沈殿を回収し、カラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル−ベンゼン)で精製し、化合物3 84.5m
gを収率90%で得た。以下にその同定データを示す。
メトキシメチル−2’−フリル)−5,6−メチレンジ
オキソインダゾール(化合物4)の合成>化合物1
(0.23g、0.66mmol)を、THF(5m
L)に溶解した。その溶液にNaH(0.8g、3.3
mmol)を0±2℃で加え、混合物を得、その温度で
0.5時間反応させた。その反応混合物にヨウ化メチル
(0.1g、0.66mmol)を加えさらに1時間攪
拌し、氷水で急冷した。得られた混合物をCH2Cl2で
抽出し、その抽出物を水で中性化し、洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、得ら
れた残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル−
ベンゼン)で精製し、化合物4 0.24gを収率80
%で得た。以下にその同定データを示す。
サギ血小板を、Teng et al.,Throm
b.Haemost.1988,59:304に記載さ
れている方法によって調製した。それらをpH7.4の
50mM トリス−HCl緩衝液に懸濁し、超音波で破
砕した。その破砕液を39,000×g、4℃で20
分、遠心分離し、上清を得、これをsGC源とした。そ
の上清50μlを含むサンプルを二本用意し、それぞれ
にpH7.4の50mM トリス−HCl緩衝液(15
0μL)を加えた。それぞれのサンプルが、GTP
(0.2mM、1×106cpm[α−32P]GTPを
含む)、MgCl2(5mM)、環状GMP(2.5m
M)、クレアチンリン酸(15mM)およびクレアチン
ホスホキナーゼ(30μg)を含むように調製した。そ
のうち一つに化合物3(25μg/mL)をさらに加え
た。加えなかったほうのサンプルを対照とした。これら
を37℃で10分インキュベーションした後、sGCに
よるGTPから環状GMPへの変換をHCl(200μ
L、0.5M)で止めた。その反応溶液を100℃で6
分加熱し、アイスバスで冷却した。続いてイミダゾール
(200μL、1mM)をそれぞれの溶液に加え、Wh
ite et al.,Anal.Biochem.1
971,41:372に記載の方法によって、中性アル
ミナでGTPおよび環状GMPを分離した。放射活性
([32P]環状GMP)を液体シンチレーション計数器
で測定し、GTP量を定量した。測定値はpmol環状
GMP/min/mgタンパク質として表した。その結
果を表1に示す。
sGCを活性化することがわかった。
ト血小板を、Teng et al.,Bioche
m.Biophys.Acta.1989,990:3
15−320に記載されている方法によって調製した。
次にpH7.4の50mM トリス−HCl緩衝液(5
mMMgCl2を含む)に懸濁し、血小板を4℃で超音
波により破砕した。その破砕液を39,000×g、4
℃で20分、遠心分離し、上清を得、これをPDE5溶
液とした。PDE5とは、PDEの7種類見出されてい
るサブタイプのなかの一つである。上清を分取してトリ
ス−HCl緩衝液に加え、PDE5溶液サンプルを二本
調製した。それぞれに化合物3および対照としてIBM
X(3−イソブチル−1−メチルキサンチン)を10μ
Mになるように加えた。両方の溶液を37℃で5分イン
キュベーションした後、10μM 環状GMP(0.1
μCi[3H]環状GMPを含む)を加えた。さらに3
7℃で30分インキュベーションして環状GMPをPD
Eによって5’−GMPに変換した後、両方の溶液を1
00℃で1分加熱し、室温まで冷却した。その溶液にO
phiophagushannahヘビの毒液(0.1
mL、1mg/mL)を加え、25℃で30分インキュ
ベーションして5’−GMPを電荷を帯びないグアノシ
ンに転換した。イオン交換樹脂スラリー(0.1mL;
Dowex−1、Sigma Chemical C
o.,St.Louis,MOより購入)を両方の溶液
に加え、残留した環状GMPを結合させて除去した。環
状GMPを含まない両方の溶液を遠心分離し、上清を分
取し(0.5mL)、これを用いて液体シンチレーショ
ン計数器で電荷を帯びないグアノシンを定量した。測定
値はIC50(PDE5の50%阻害)により濃度(μ
M)として表した。
著に抑制していることがわかった。また本発明の化合物
は、PDE5以外のサブタイプに属するホスホジエステ
ラーゼについても同様の活性を有することが推測され
る。
効であり、かつPDEの潜在的抑制剤であることがわか
った。
耳辺縁の静脈から採取された血液に、最終濃度が6mM
になるようにEDTAを加えた。そのEDTAを含む血
液を90×g、室温で10分、遠心分離し、血小板を多
量に含む血漿である上清を得た。その上清をさらに50
0×g、10分、遠心分離し、血小板を多量に含む沈殿
を得た。その沈殿をEDTA(2mM)および血清アル
ブミン(3.5mg/mL)を含む溶液で洗浄し、再び
500×g、10分、遠心分離し、沈殿を得た。その沈
殿をEDTAを含まないTyrode’s溶液[NaC
l(136.8mM)、KCl(2.8mM)、NaH
CO3(11.9mM)、MgCl2(1.1mM)、N
aH2PO4(0.33mM)、CaCl2(1.0m
M)およびグルコース(11.2mM)の組成である]
で洗浄し、同じ条件で再び遠心分離し、沈殿を得た。そ
の沈殿をEDTAを含まない前記Tyrode’s溶液
で洗浄した。血小板の数をコールターカウンター(Mo
del ZM)で数え、4.5×108個/mLの血小
板懸濁液を調製した。血小板懸濁液を等量を含むサンプ
ルを計20本用意した。
それぞれサンプルに加え、攪拌しながら(900rp
m)37℃で3分インキュベーションした。攪拌して1
分が経過した後、トロンビン(0.1U/mL)、コラ
ーゲン(10μg/mL)、アラキドン酸(AA)(1
00μM)および血小板凝集因子(PAF)(2ng/
mL)の4種の凝集誘導物質を、化合物1〜4およびア
スピリンを含む血小板懸濁液サンプルにそれぞれ加え、
血小板を凝集させた。
et al.,J.Physiol.1963,16
8:178−195に記載の混濁度測定方法によって、
2チャンネルの光学的血小板凝集計(Model 10
20、Payton,Canada)を用いて測定し
た。その血小板凝集の測定値は、それぞれに凝集誘導物
質を加えてから5分間後にTeng et al.,B
iochem.Biophys.Acta.1987,
924:375−382に記載の方法で測定した。以下
にその結果を示す。
る誘導物質によって誘導された血小板凝集に対して抑制
効果を有していた。それらのなかでも、特に化合物3
は、トロンビン、AAおよびPAFによって誘導された
血小板凝集に対して最も有効であった。
血小板凝集に起因する循環器疾患の治療、かつ医薬組成
物としても有用である。
Claims (21)
- 【請求項1】 式(I): 【化1】 (式中、Ar1、Ar2およびAr3は、ハロゲン原子、
アルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル
基、チオカルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキ
シアルキル基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル
基またはチオアルキル基で任意に置換されたフェニル
基、チエニル基、ピロリル基およびフリル基からなる群
よりそれぞれ独立して選択され、XおよびYは、O、S
およびNHからそれぞれ独立して選択され、mは1〜3
の整数であり、nは0〜4の整数である)で示される縮
合ピラゾール化合物。 - 【請求項2】 XおよびYはOであり、mは1である、
請求項1に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項3】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチオア
ルキル基で任意に置換されたフェニル基もしくはフリル
基である、請求項2に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項4】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチオア
ルキル基で任意に置換されたフェニル基である、請求項
3に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項5】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチオア
ルキル基で任意に置換されたフリル基である、請求項3
に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項6】 Ar3は、チエニル基またはフェニル基
である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の縮合ピラ
ゾール化合物。 - 【請求項7】 Ar3は、チエニル基である、請求項6
に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項8】 Ar3は、フェニル基である、請求項6
に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項9】 Ar1は、ハロゲン原子、アルキル基、
カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカルボ
ニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、
アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチオア
ルキル基で任意に置換されたフェニル基である、請求項
2〜8のいずれか一項に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項10】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカ
ルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチ
オアルキル基で任意に置換されたフェニル基もしくはフ
リル基である、請求項1に記載の縮合ピラゾール化合
物。 - 【請求項11】 Ar1は、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカ
ルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチ
オアルキル基で任意に置換されたフェニル基である、請
求項10に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項12】 Ar3はチエニル基またはフェニル基
である、請求項10または11に記載の縮合ピラゾール
化合物。 - 【請求項13】 Ar3はチエニル基である、請求項1
2に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項14】 Ar3はフェニル基である、請求項1
2に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項15】 Ar3はチエニル基またはフェニル基
である、請求項1に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項16】 Ar1は、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカ
ルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチ
オアルキル基で任意に置換されたフェニル基である、請
求項15に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項17】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカ
ルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチ
オアルキル基で任意に置換されたフリル基である、請求
項15または16に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項18】 Ar2は、ハロゲン原子、アルキル
基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、チオカ
ルボニル基、アミノカルボニル基、ヒドロキシアルキル
基、アルコキシアルキル基、アミノアルキル基またはチ
オアルキル基で任意に置換されたフェニル基である、請
求項15または16に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項19】 Ar1はフェニル基であり、 Ar2は、C(2)位がピラゾール環と結合し、C
(5)位がメトキシメチル基、ヒドロキシメチル基、メ
トキシカルボニル基またはヒドロキシカルボニル基で置
換されたフリル基であり、 Ar3は、C(1)位およびC(2)位が前記ピラゾー
ル環と縮合環を形成し、C(4)位およびC(5)位が
それぞれXおよびYで置換されたフェニル基であり、 XおよびYはOであり、mおよびnは1である、請求項
1に記載の縮合ピラゾール化合物。 - 【請求項20】 【化2】 である、請求項1に記載の縮合ピラゾール化合物。
- 【請求項21】 請求項1〜20のいずれか一項に記載
の縮合ピラゾール化合物を含む、血小板凝集に起因する
循環器疾患を治療するための医薬組成物。
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JPH07224057A (ja) * | 1994-02-14 | 1995-08-22 | Yongxin Pharmaceut Ind Co Ltd | 1−(置換ベンジル)−3−(置換アリル)縮合ピラゾール〔1−(substitutedbenzyl)−3−(substitutedaryl)condensed pyrazole〕の化合物及びその塩類とそれらの製造方法及びその応用 |
JPH08225535A (ja) * | 1994-11-15 | 1996-09-03 | Dai Ichi Seiyaku Co Ltd | インダゾール誘導体 |
JP2002080367A (ja) * | 2000-06-23 | 2002-03-19 | Yung Shin Pharmaceutical Industry Co Ltd | プロテアーゼ活性化受容体誘導性の細胞活性を阻害する薬剤 |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001044245A patent/JP4903941B2/ja not_active Expired - Fee Related
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