JP2002255536A - 人工ゼオライトの製造方法及び装置 - Google Patents

人工ゼオライトの製造方法及び装置

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JP2002255536A
JP2002255536A JP2001047083A JP2001047083A JP2002255536A JP 2002255536 A JP2002255536 A JP 2002255536A JP 2001047083 A JP2001047083 A JP 2001047083A JP 2001047083 A JP2001047083 A JP 2001047083A JP 2002255536 A JP2002255536 A JP 2002255536A
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Akio Henmi
彰男 逸見
Tama Ogasawara
玉 小笠原
Masanobu Yoshida
昌信 吉田
Soichiro Shinohara
壮一郎 篠原
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ZEOJIKKU KK
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SHINNIPPON ZEOLITE KK
ZEOJIKKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質の人工ゼオライトを製造できる人工ゼ
オライトの製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 釜の中で加熱し反応させるという従来の
考えを捨て、反応温度まで上昇させた原料(スラリー)
を反応器に入れ、反応器では基本的には保温した状態で
反応温度で反応時間を経過させ、実験室並の人工ゼオラ
イトを製造する。釜型と分散釜型と、チューブ型、直管
型がある。分散釜型ではその前段に一対設けた熱交換器
に対し、各釜をサイクリックに運転する。チューブ型で
はほとんど反応誤差ゼロの運転ができ、高品質の人工ゼ
オライトを製造できる。水ガラス再利用の人工ゼオライ
トは合成ゼオライト並のCECを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭灰、天然パー
ライトの焼成物など人工ゼオライトの原料粉末にアルカ
リ水溶液を添加してスラリー化し、これを100℃未満
又は以上の所定温度に所定時間保持した後冷却し、Na
型又はK型人工ゼオライトを製造する方法及び装置に関
する。特に、100℃以上、例えば130℃の高温加圧
下における熱水処理を簡易な設備で効率よく実行して製
品を割安に製造し得ると共に、その加熱保持及び冷却の
制御を予め定められた仕様書通りに正確に行うことによ
り、完成された人工ゼオライトの品質、特に陽イオン交
換能力(CEC)を格別高くすることができるようにし
た人工ゼオライトの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、人工ゼオライトの需要が高まり、
その製造装置たるプラントが各所で建設されつつある。
従来の人工ゼオライトの製造方法及び装置の例として
は、例えば特開平6−321525号公報(改質石炭灰
の製造方法)に示されるものの例がある。この方法は、
その公報の特許請求の範囲に記載の通り、「石炭灰にア
ルカリ水溶液を添加し、撹拌しながらスラリー化して温
度90〜100℃にて熱水処理した後に、該スラリー温
度70℃以下の条件にて脱液機により余剰のアルカリ水
溶液と生成結晶物を分離精製することを特徴とする改質
石炭灰の製造方法」である。
【0003】この方法は、100℃以上の高温、例えば
130℃で熱水処理すると、必然的に加圧処理が必要で
設備が大型となり運転費も高くなることを避けるため、
100℃以下の低温で処理するようにしたものである。
現在実際プラント建設されて稼働され、人工ゼオライ
ト、特に石炭灰の改質設備として注目され、一つの見本
となっている。
【0004】しかしながら、実際建設され、見本となっ
ている上記プラントにあっては、実際稼働すると、次の
ような不具合いが散見される。まず、バッチ処理であ
り、固液比、即ち1kgの原料粉末に対して3〜4リッ
トルのアルカリ水溶液を混合するため、スラリー容量が
大であり、1回当たり10トンの人工ゼオライトを製造
するには最低40トンのタンクが必要であり、必ずしも
設備を小型化できない。又大型釜によるバッチ処理であ
るので、自ずと最大処理能力に限界が生ずる。
【0005】また、90〜100℃の低温処理であり、
反応時間が2〜3時間と多大になり、1日当たりの処理
回数がせいぜい2回となる。1日当たりの処理量を大と
するためには、タンク数を増すか、タンク容量を増すし
かなく、運転費が結局高くなる。
【0006】さらに、完成される人工ゼオライトの品質
が安定せず、高品質の人工ゼオライト、即ち陽イオン交
換容量CEC(meq/100g)を高くできない。そ
の理由について示すと、一般に人工ゼオライトの熱水処
理では次表1に示すように、一定の反応温度で一定時間
保持することにより最高のCECが得られることが知ら
れている。また識者の知見では、投入及び排出を含め昇
温、降温は直線的温度変化であることを予定して、反応
時間の1/2内とすべきであることが教示されている。
いわば台形的制御が基本構成となっている。オーバ反応
は厳密であることも教示されている。
【0007】
【表1】 にも拘わらず、従来の低温釜型の人工ゼオライト製造装
置では、投入時間、加熱時間、排出時間が反応に大きく
影響し、反応誤差、即ち最大反応及び最小反応の偏差が
余りにも大きく、上記教示の枠を超え、品質を大幅に劣
化しているのである。
【0008】釜の容量40トン、100℃、2時間半の
処理において、70℃に予熱したスラリーを内径15c
mのパイプで釜に投入するには、投入流速1m/sec
として37分を要する。取出しについても同様である。
この限りにおいて上記教示は守られている。ところが、
投入後の液温が70℃から100℃に到達(平衡)する
には、蒸気式の2重釜の場合1〜2時間を要する。この
場合、スラリー各部分の処理時間は最低で187分、最
大で224分となり相当の時間誤差が生ずる。また、処
理中、仲々反応温度に到達せず大きな温度誤差を生じ、
勢い反応時間を長く設定しなければならなくなり、あい
まいさも生ずる。
【0009】これらの誤差、あいまいさを無くすため、
投入スラリーの液温をはじめから反応温度近くまで上昇
させておくことが考えられる。しかしながら、この場
合、短時間で大容量のスラリーを投入しなければならな
い関係で極めて容量の熱設備を必要とする。
【0010】例えば、40トンを30分で30℃上昇さ
せるには、120万kcal必要で、これを電力で賄う
と、電力会社に対し2791kWの契約が必要である。
我国の場合、これは需要設備として特別高圧の引込み設
備(数億円を要する)が必要で、kW当たり1790円
の契約料(月々500万円)が使用電力料金とは別途に
必要である。即ち、設備費が相当嵩む。これらの点か
ら、従来の人工ゼオライトの製造方法及び装置では、投
入温度を中途半端に上昇せざるを得なかった。
【0011】以上のように、従来の100℃以下の低温
処理による製造方法及び装置は、思ったようには生産量
が上らず、設備費が返って嵩み、品質、特にCECを高
くできないという致命的な問題点があった。因みに、従
来の製造装置で製造した人工ゼオライトのCECは、平
均的に200程度であり、用途にも限界が生ずる。
【0012】また、従来の人工ゼオライトの製造方法及
び装置では、ゼオライト化後のスラリーを遠心分離機を
用いて洗浄しケーキ化しており、その後イオン交換処理
をしており、そのために多大の労と設備を要し、生産コ
ストを上昇させているという問題点があった。即ち、従
来、スラリーは遠心分離器で脱液処理されているが、パ
ーライトのように粒子の小さい人工ゼオライトでは、3
〜5kg入りの不織布に小分けして後10袋程度づつ外
周に並べて遠心分離されなければならない。このため1
0トンの人工ゼオライトでは、1袋5kgとして200
0袋となり、これを10袋づつ遠心分離し、洗浄、乾燥
するには多大の設備と時間及び人手を必要とする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く、従来の人
工ゼオライトの製造方法及び装置は、生産量と設備のか
ね合いが難しく、反応時間が長く、反応温度及び時間が
あいまいで、高品質即ちCECの高い人工ゼオライトを
安価に製造することができなかった。また、洗浄及び乾
燥を遠心分離機で直接的に行っているため、洗浄及び乾
燥を効率的に行うことができず、労を要しひいては製造
コストを高くしていた。
【0014】そこで本発明は、日産生産量を調整でき、
ゼオライト反応を正確に制御できて高品質即ちCECの
高い人工ゼオライトを製造でき、洗浄及び乾燥に関して
も少ない労で効率的に行うことができる人工ゼオライト
の製造方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、特許請求の範囲に記載の通りの人工ゼオライ
トの製造方法及び装置を構成した。
【0016】本発明は、原料粉末をアルカリ水溶液中に
分散して成る原料液を100℃より上の温度で保持する
加圧反応器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及
び所定の反応時間保持反応させて後、所定の冷却温度ま
で冷却し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する
人工ゼオライト製造方法において、前記反応器の前後段
に前記反応時間の1/3以下の時間で入出力する熱交換
器を夫々設け、前記原料液を前記前段熱交換器で前記反
応温度まで急上昇させて投入し、前記反応器では基本的
には温度保持のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前
記反応温度から前記冷却温度まで急冷し排出するように
したことを特徴とする。
【0017】反応器の前後に設けられる熱交換器は、前
段熱交換器にあっては、予熱温度(例えば70℃)から
反応温度(例えば130℃)までを反応時間の1/3以
下の時間(例えば9分)で加熱処理することが要件であ
る。後段熱交換にあっては、反応温度から冷却温度(例
えば70℃)までを反応時間の1/3以下の時間で冷却
処理することが要件である。これにより、従来の台形制
御の教示を十分クリアできる。このような熱交換器は、
例えば反応器(オートクレーブ)容量を水換算で150
0リットルとする場合、これを60℃加熱又は冷却する
ものであるから、所要熱量9万kcalであり、ボイラ
容量60万kcal/Hで足り、電力換算で700kW
契約(高圧B)で済み設備も大がかりとならず、実用的
である。また、従来より規準とされている反応時間の1
/2の時間よりも短い1/3以下の時間とするので時間
的誤差が30%程度小さくなり、品質、即ちCECを高
くすることができる。1500リットルのオートクレー
ブでは従来例と比べて処理量が小さく見えるが、本例で
は、オートクレーブ30分処理、熱交換器9分処理であ
り、これをサイクリックに運転すれば、大型タンク45
トン処理と同等の生産能力を有する。しかも反応温度を
例えば140℃とすれば、生産量はその2倍にもでき
る。即ち、小型装置ながらも融通性があって生産能力が
高く、特にCECを300〜400と格別高くすること
ができる。
【0018】本発明は、上記人工ゼオライト製造方法に
おいて、前記原料液のケイバン比を適切に調節して後、
前記前段熱交換器に供給することを特徴とする。
【0019】ケイバン比はSiOとAlの分子
比であり、その調整によって反応後のゼオライト比を高
くすることができ、全体的にはCECを100以上高く
することができる。通常、天然パーライトの焼成物のケ
イバン比は4程度であるが、これを3.0に近づけるこ
とにより高品質の人工ゼオライトを製造することができ
る。ケイバン比調節には、塩化アルミニウムAl−Cl
(1),Al−Cl(2),AlClの水溶液の
他、アルミドロスやアルミサッシュの洗浄水等を使うこ
とができる。
【0020】本発明は原料粉末をアルカリ水溶液に分散
して成る原料液を反応器中で所定の反応温度及び所定の
反応時間反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、Na
型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト
製造方法において、前記冷却温度まで急冷し排出されて
できた液状の人工ゼオライトを容器内で一定時間自然放
置して上澄液と湿潤ケーキとに分離し、その中間層にで
きた水ガラス(和水ケイ酸ソーダ)を固液比及びケイバ
ン比調節後に前記原料液として再利用し、陽イオン交換
能力がより高い準合成ゼオライトを製造することを特徴
とする。
【0021】水ガラスを原料液としてできた人工ゼオラ
イトは粒度が百オングストローム〜0.1μmと極めて
小さく、純度が高く、CECを650〜700と合成ゼ
オライト並とすることができる。いわば合成ゼオライト
を工業的に生産できるので、ここではこれを準合成ゼオ
ライトと呼ぶ。
【0022】本発明は、原料粉末をアルカリ水溶液に分
散して成る原料液を反応器中で所定の反応温度及び所定
の反応時間反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、N
a型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオライ
ト製造方法において、前記冷却温度まで急冷し排出され
てできた液状の人工ゼオライト(スラリー)を容器内で
一定時間自然放置して上澄液と湿潤ケーキとに分離する
と共に、前記容器の底部から洗浄用の水を供給し、前記
容器の底部から前記湿潤ケーキを介して上方に湧出さ
せ、前記湿潤ケーキを洗浄することを特徴とする。
【0023】従来、熱水処理されたスラリーは遠心分離
器に入れられてアルカリ水溶液を排出後、新鮮な水を加
えて撹拌し水を排出することを5〜6回繰り返すことで
洗浄しようとしていた。しかし、パーライト等粒度の小
さい人工ゼオライトでは、そのままでは遠心分離するこ
とが難しく、3〜5kgの不織布製布袋に入れ換えてか
ら遠心分離器にかけねばならない。これらに要する時間
は多大なものである。これに対し、本発明では、熱水処
理後のスラリーを容器内で自然放置し、上澄液を回収す
ることと洗浄することを自然の力で行う。ここで要する
洗浄水の量は、遠心分離機で要する洗浄水の量より少な
い量で済む。省力的で、省エネ的であり、効率、品質共
に向上し、割安に製造することができる。
【0024】また、本発明は、上記洗浄方式に加えて、
前記湿潤ケーキを遠心分離することなく、イオン交換処
理に移行させることを特徴とする。即ち、Na型又はK
型として生成された人工ゼオライトは、用途に応じFe
型、H型、Al型、Mg型、Ca型、Ti型、Cu型等
他のイオンに置換される。このとき、従来は、遠心分離
機等にかけて乾燥後にイオン交換し再度洗浄、乾燥して
いた。本発明では、これらイオン置換工程に移行させる
Na型人工ゼオライトに対しては脱水、乾燥せず、湿潤
ケーキのままでイオン置換工程へ移す。従って、本発明
では、手間のかかる遠心分離作業を完全に省略し得て製
造コストを下げることができる。
【0025】本発明は、原料粉末をアルカリ水溶液中に
分散して成る原料液を100℃より上の温度で保持する
加圧反応器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及
び所定の反応時間保持反応させて後、所定の冷却温度ま
で冷却し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する
人工ゼオライト製造装置において、前記反応器を前記原
料液を内蔵する釜と、前記原料液を撹拌する撹拌手段
と、前記釜を前記反応温度で保持する加熱保持手段とで
構成し、前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以
下の時間で入出力する熱交換器を夫々設け、前記原料液
を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上昇させて投
入し、前記反応器では基本的には温度保持のみ行うよう
にし、前記後段熱交換器で前記反応温度から前記冷却温
度まで急冷し排出するようにしたことを特徴とする。
【0026】また、本発明は、原料粉末をアルカリ水溶
液中に分散して成る原料液を1000℃より上の温度で
保持する加圧反応器に投入し、前記反応器中で所定の反
応温度及び所定の反応時間保持反応させて後所定の冷却
温度まで冷却し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製
造する人工ゼオライト装置において、前記反応器を、全
体生産量を複数分割して定められた容器の複数の小型反
応器で構成し、全小型反応器群の前後段に、単位反応器
に対し前記反応時間の1/3以下の時間で入出力できる
一対の熱交換器を設け、夫々の熱交換器を各反応器に対
して順次切換え接続するようにし、各反応器に対して
は、前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで
急上昇させて投入し、各反応器では基本的には温度保持
のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度か
ら前記冷却温度まで急冷排出できるようにし、各反応器
をサイクリックに運転するようにしたことを特徴とす
る。
【0027】本発明では、各反応器に対して切換接続で
きる一対の前後段熱交換器と例えば3個又は6個と複数
に小分けされた反応器群とでシステム構成される。各熱
交換器を順次各反応器に切換接続して反応器をサイクリ
ックに稼働させるので、小さい熱交換容量及び小さい処
理量であっても生産能力を所望の通りに大きくでき、設
備も小型コンパクトに形成できる。しかも、小型熱交換
器で小容量づつ分散処理するので、単位処理熱量を小さ
くでき、反応時間の制御も正確に行うことができ、CE
Cを400〜550とすることができる。熱設備又は電
力設備を小さくできる点については前述した通りであ
る。
【0028】本発明は、原料粉末をアルカリ水溶液中に
分散して成る原料液を100℃より上の温度で保持する
加圧反応器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及
び所定の反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで
冷却し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人
工ゼオライト製造装置において、前記反応器を、前記原
料液中の粒子が停滞することが無い流速とすると共に入
出力時間が前記反応時間と一致するよう長さを定めたチ
ューブと、該チューブを前記反応温度に保持する加熱保
持手段とで構成し、前記反応器の前後段に前記反応時間
の1/3以下の短い時間で入出力する熱交換器を夫々接
続し、前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度ま
で急上昇させて加圧投入し、前記反応器では基本的には
温度保持のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前記反
応温度から前記冷却温度まで急冷し排出するようにした
ことを特徴とする。
【0029】本発明では、釜型の反応器に代えてチュー
ブ型の反応器で反応させる。その内部で粒子が停滞する
ことのない流速を例えば30cm/s、反応時間を30
分とすればチューブ長さは540mであり容易に実施で
きる。また、この例でチューブ内径を50mmとした場
合、スラリーの処理量は、10分当たり1060リット
ルで、1時間当たり2120リットル処理できる。
【0030】チューブ内径を大とし、又は並列配置する
ことにより処理量は更に大きくすることができる。スラ
リー中の粒子がチューブ内で停滞することがないように
するためには、流速に加えてチューブ配置を平面内蛇行
させたものを階層構造としたり、上下蛇行の幅を1〜2
m内にとどめ、これを階層構造とする等種々の工夫をす
ることができる。反応温度での加熱保持は、これらチュ
ーブを囲繞する容器内に飽和蒸気を送ること等ででき
る。基本的には保温であるが、より正確な温度で反応さ
せるには、ある程度加熱能力があった方がよく、周囲を
飽和蒸気で加熱保持するのが好ましい。
【0031】本発明では、チューブ内のスラリーが入力
されてから出力されるまでの間が反応時間となり、スラ
リー各部分において正確に反応時間を制御できる利点が
あり、反応処理の時間誤差をほとんどゼロとすることが
でき、CECを500〜600と格別高くすることがで
きる。
【0032】また、本発明は、上記チューブ式の反応器
において、前記反応器を、前記原料中の粒子が停滞する
ことが無い流速で入出力時間が前記反応時間となるよう
径及び長さを調節したチューブと、該チューブを油中に
内蔵して加熱し保温する油槽式の加熱保持手段とで構成
したことを特徴とする。油槽式の加熱保持手段で保温、
加熱すれば大気圧で処理でき、設備簡単であり、管理が
楽である。目的とする保温、加熱温度は例えば130℃
で、管理温度は±1℃程度でよいので、熱伝導率の低い
油であっても容易に追従可能である。
【0033】本発明は、原料粉末をアルカリ水溶液中に
分散して成る原料液を100℃より上の温度で保持する
加圧反応器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及
び所定の反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで
冷却し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人
工ゼオライト製造装置において、前記反応器を、前記原
料液を微速で通過させる大径の直管と、その内部でねじ
やスクリュー等により沈殿粒子を前記微速で送る送り手
段と前記直管を前記反応温度に保持する加熱保持手段と
で構成し、前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3
以下の時間で入出力する熱交換器を夫々接続し、前記原
料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上昇させ
て加圧投入し、前記反応器では基本的には温度保持のみ
行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度から前
記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを特徴と
する。
【0034】本発明の直管型の反応器では、直管内で沈
殿粒子を微速で送る送り手段を設け、スラリー全体を微
速、例えば5mm/secで正確に送るので、チューブ
型と同様の効果を持ち、全スラリーに同一反応を与える
ことができる。また、管内径を例えば300mmと大径
にすることができ、管長を例えば10mと短くすること
ができる。例えば内径300mm、長さ10mの直管式
の反応器では、反応時間30分で707リットルのスラ
リーを熱処理できる。
【0035】本発明は、垂直面内で上下配置したチュー
ブを連結し蛇行させたチューブ型反応器を用いた人工ゼ
オライト製造装置であって、チューブ内流速をV、大径
粒子の沈降速度をvとするとき、チューブ立上げ部内で
の粒子速度がV−v、立下げ部内での粒子速度がV+v
であり、粒子の流速Vに対する遅延率がv2/(V2−v
2)であることに鑑みて、流速Vを粒子の沈降速度に応
じて調節し、チューブ内通過粒子を故意に所望の時間だ
け遅延させ、粒径に応じて反応時間を調節制御すること
を特徴とする。
【0036】式中、遅延率は、粒子のチューブ内通過時
間t2と流速の通過時間t1の差を時間t1で徐して求
めた値である。この粒子遅延制御式チューブ型人工ゼオ
ライト製造装置では、大径粒子の沈降速度及び細径粒子
の反応時間に応じて流速を定め、経径粒子の反応時間を
20分、大径粒子の反応時間を30分、40分のように
粒径に応じた最適制御を流速の設定、即ち供給量の調
節、又は管径の設定のみで極めて容易に行える。
【0037】本発明は、チューブ型反応器の途中で1又
は複数の箇所に、大径粒子を破砕、特に反応の一過程で
ある粒子柔軟化作用の生じている粒子を、軽い操作力で
細粒化する粒子破砕装置を設け、前記破砕装置に入力さ
れた大径粒子を破砕し細粒化すると共に、破砕されるま
での間破砕装置内に止め、破砕後チューブ内流速中に送
り、大径粒子は前記破砕装置内で止めることによって反
応時間を遅延させ、粒径に応じた反応時間の調節を行う
ようにしたことを特徴とする。
【0038】この破砕装置付粒子遅延制御式人工ゼオラ
イト製造装置では、反応中の大径粒子を破砕し、細粒化
すると共に、破砕されるまでの間破砕装置内に止め、反
応終了寸前までの間破砕装置内で止めることによって反
応時間を調節し、粒径に応じた反応時間を与えることが
できる。
【0039】本発明は、スラリーを入力し熱水処理して
冷却し人工ゼオライト化するまでの一連の熱水処理部を
全自動化し、前記熱水処理部の主要熱量を電力で賄うよ
うにし、前記電力を他の電力部分と区別して深夜電力で
受電する深夜電力受電設備を設け、前記熱水処理部を前
記深夜電力で稼働させ、翌朝完成された人工ゼオライト
を洗浄、乾燥、イオン交換等次の工程作業を実行できる
よう設備したことを特徴とする。
【0040】深夜電力は割安である。火力あるいは原子
力発電では、夜間のみ出力を低下させることが困難で、
夜間電力が余る結果である。我国では、電力会社によっ
て深夜電力A及びBが設定され、夜間の夜10時から翌
朝8時まで、夜11時から朝7時まで等とランク付けさ
れた電力料金が設定され、いずれのランクでも契約電力
料金は1/3〜1/5、使用電力料金は1/2程度と昼
間に比べて1/2以下の価格が設定されている。そこ
で、本発明では、人工ゼオライトの主要部がスラリーの
熱水処理であり、本発明の熱水処理部が従来釜型のバッ
チ処理と異なり、半連続又は完全連続になっていて、全
自動化が容易に実行可能であることに鑑みて、夜間ない
し深夜電力を利用できるようにした。
【0041】これにより、主要熱量部分についての電気
料金を昼間電気料金の1/2以下にすることができ、無
人化経費を加えて製造コストを相当低下させることがで
きる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を天然パ
ーライトの人工ゼオライト化の例で示す。天然パーライ
トは、流紋岩、真珠岩、松脂岩等の火山性ガラス又はそ
れが変質したもので、本発明では、完成された人工ゼオ
ライトが純白であることを望んでいる点から、できるだ
け黒色成分を含まない純粋なパーライトを選択利用す
る。この鉱物を700〜1000℃で加熱し、構造水を
脱離し発泡させたものを粉末化し、原料粉末とする。原
料粉末の化学成分は、重量比で概ねSiO(75
%)、Al(14%)、FeO(0.3%)、N
O(3.2%)、KO(2.9%)、MgO
(0.3%)、CaO(0.2%)である。本例では、
アルカリ水溶液として苛性ソーダ水溶液を用いNa型の
人工ゼオライトを製造するが、K型の人工ゼオライトを
製造する場合には苛性カリ水溶液を用いる。
【0043】図1は、反応器を分散釜型(オートクレー
ブ)とした場合の人工ゼオライト製造装置1のシステム
構成を示す説明図である。図左上方に示す分級手段2
は、焼成、粉砕されて入荷された最大粒度1.2mmの
原料粉末を0.1mm以上、0.1〜0.01mm、1
0〜1μm、1μm以下の4段階に分級する手段を示
す。この分級手段としては、ふるい装置や、風水選装置
の例がある。
【0044】分級された原料粉末は下部にシャッタを備
えた吊り容器3内に入れられ、伝導ホイスト4で受入れ
ホッパ5の上部に移送される。容器3のシャッタを開く
ことで受入ホッパ5に原料粉末を入れることができる。
【0045】受入れホッパ5に入れられた原料粉末は、
その底部から排出され、フライトベヤー6でストックビ
ン7に移送される。ストックビン7の原料粉末は、その
底部から排出され、フライトベヤー8でパーライト計量
ホッパー9に移送される。
【0046】前記計量ホッパ9の側部にはケイバン比調
整のための塩化アルミニウム溶液を計量する計量ホッパ
ー10と、3.5Nとされた苛性ソーダ溶液を計量する
NaOH計量ホッパー11が配置され、これらホッパー
9,10,11の下方に、これらホッパー9,10,1
1で計量された材料を受入れ撹拌するスラリー貯槽12
が配置されている。スラリー貯槽12は、後述する熱水
処理の少なくとも1回分の量を受入れ、混合撹拌するも
のである。ここでは固液比は4リットル/kgとする。
パーライトより生成される原料粉末は、嵩比重0.19
g/ccと相当軽く、これをスラリー化するためには、
十分な撹拌を行う必要がある。
【0047】前記スラリー貯槽12の側部にはスラリー
ポンプ13を介して大容量のバッファータンク14が設
けられている。バッファータンク14の容量は、スラリ
ー貯槽より大きく、単位の熱水処理量の3〜5倍程度に
される。スラリー貯槽12のスラリーは、バッファータ
ンク14に移され、ここで安定化されて後ダイヤフラム
式のスラリー供給ポンプ15を介して熱水処理部へ移行
される。
【0048】前記苛性ソーダ計量用の計量ホッパ11
は、3.5Nの苛性ソーダ水溶液を保留する苛性ソーダ
溶液タンク16とポンプ及び配管を介して接続されてい
る。溶液タンク16は、原液タンク17及び水タンク1
8と適宜ポンプを介して接続されている。従って、原液
タンク17の例えば25%の苛性ソーダは、水タンク1
8より供給された水と混合され、3.5Nに調節されて
計量ホッパ11に供給される。また、溶液タンク16
は、後述する後段熱交換器23Bの冷却を行って、70
℃に加熱されるようその内部に熱交換用の加熱コイル2
0を備えている。アルカリ濃度は図示省略の濃度センサ
と、ポンプ制御装置等で調節される。
【0049】以上の構成により、溶液タンク16中の苛
性ソーダは3.5Nに調節され、70℃に保温されてN
aOH計量ホッパー11に供給され、他の材料と合わさ
れてスラリー貯槽12で撹拌され、バッファータンク1
4に移される。従って、スラリー貯槽12の温度及びバ
ッファータンク14の温度も70℃程度になる。温度管
理は重要な要素であり、バッファータンク14の温度を
例えば70℃に調節するには、バッファータンク14内
にも加熱コイル21を設け、この加熱コイル21に前記
溶液タンク16の加熱コイル、その他の熱源と接続す
る。温度調節用のセンサ及びバルブ切換装置、及び電気
制御等については図示を省略する。
【0050】前記スラリー供給ポンプ15は、配管22
を介して以下に示す熱水処理部と接続される。熱水処理
部は、前段熱交換器23Aと、分散配置された反応釜群
24(24−1〜24−6)と、後段熱交換器23B等
で構成される。
【0051】前記前段熱交換器23Aは、前記スラリー
供給ポンプ15との間の配管22及び反応釜群24と接
続される配管25に対し夫々ヘッダー26,27を介し
て接続される。前段熱交換器23Aは、例えば圧力容器
28内に130℃の飽和蒸気を送り、その内部に多数の
細管29を通して構成される。飽和蒸気はゲージ圧で
0.2MPaの飽和蒸気を出力する蒸気ボイラー30か
ら供給される。圧力容器28の底部にはドレン排出のた
めの蒸気トラップ31が設けられている。
【0052】スラリーの量及び熱勘定を示すと、原料粉
末330kgに対し固液比4の割合でスラリーを製造す
ると、その量は約1500lとなる。このスラリーを反
応時間の1/3以下の時間例えば5分で130℃に加熱
し、ヘッダー27から出力し各釜24−1〜24−6へ
投入するとする。配管22のサイズを2B(内径5c
m)とすると、スラリー供給ポンプ15の吐出量を5リ
ットル/sとすることで5分間に1500リットルのス
ラリーを吐出することができる。一方、前段熱交換器2
3Aは、例えば内径10mmで25〜30本、管長18
mの細管として流速30cm/s、通過時間1分で13
0℃のスラリーを出力することができる。所要熱量は、
1500リットル、70℃のスラリーを60℃昇温させ
るので、全エンタルピー9万kcalであり、ボイラー
30の能力は108万kcal/hで足りる。電力なら
ば、1256kwで、高圧Bの受電で足りる。釜容量を
6倍とするならば、ボイラー能力はこれらの6倍必要
で、極めて大型となる所以である。言い換えれば、本発
明では、反応釜を複数に分散するので、受電設備又はボ
イラー設備を相当小さくすることができる。
【0053】以上により、前段熱交換器23Aは、スラ
リー供給ポンプ15より供給されるスラリーを70℃よ
り130℃に温度上昇させ、ヘッダー27より配管25
に対して出力することができる。所要スラリーを出力後
は、内部スラリーを排出するため、溶液タンク16の苛
性ソーダ溶液を流し、内部配管を洗浄する。従って、前
段熱交換器23Aは、次の熱交換処理までの間、細管内
部に苛性ソーダ溶液を保持する。
【0054】前記前段熱交換器23の出力側に位置する
配管25は、6個の切換バルブ32を介して各反応釜2
4−1〜24−6と順次接続されるようになっている。
各反応釜の構成は同一である。第1の反応釜24−1の
詳細な構造を図2に示した。
【0055】図2に示すように、反応釜24−1は、釜
本体を0.2MPaの飽和蒸気で130℃に加熱保温す
るようになっている。実際の反応温度は検出して制御す
るので、飽和蒸気音頭は例えば132℃であっても良
い。釜24−1上部には、点検蓋33と、内部撹拌器3
4を回転させるモータ35と、空気抜弁36と、シャワ
ー37と、圧力及び温度センサ等のセンサ38,39と
が設けられている。底部には外側中空部分に連通する蒸
気トラップ40と、熱水処理終了後のスラリーを排出す
るためのバルブ41とが設けられている。バルブ31,
41の取付けられる配管は、夫々2B程度とされる。熱
水処理中両バルブ31,41は共に閉じられている。熱
水処理後、排出用のバルブ41が開かれ、内部スラリー
は、内圧でバルブ41を介して排出される。排出後はシ
ャワー37より水又は苛性ソーダ水溶液を噴出し、内壁
を洗浄する。洗浄液はバルブ41を介して排出され、そ
の後バルブ41を閉じて次の処理を待つ。排出時間10
分以内を条件として5分程度で行う。反応保持時間は、
丁度30分とする。
【0056】以上により、前段熱交換器23Aを介して
5分間で投入されたスラリーは反応釜24−1で130
℃に30分間保温されて保持され、反応後バルブ41を
介して後段熱交換器23Bに対して出力される。第1の
反応釜24−1へのスラリー投入後10分経過すると次
の反応釜24−2に対してスラリー投入され、10分毎
に次の反応釜24−3,24−4,24−5,24−6
へと投入され、続いて第1の反応釜24−1へとサイク
リックに運転する。スラリー取出しについても同様であ
る。前段熱交換器23Aでは、スラリーを反応温度13
0℃まで上昇させることを基本とするが、誤差の範囲で
の加温不足、例えば125℃は許容される。不足温度は
誤差範囲なら反応釜24内で迅速に加温できるからであ
る。
【0057】前記後段熱交換器23Bは、前記前段熱交
換器23Aと同様に細管で構成され前後配管42,43
に対してはヘッダー44,45を介して夫々接続され
る。後段熱交換器23Bはその内部を3区HC−1,H
C−2,HC−3に区切られ、第1区HC−1は、前記
溶液タンク16の加熱コイル20と接続され、70℃以
下の苛性ソーダ溶液で80℃程度まで冷却されるように
なっている。第2区HC−2は、図上方に示される乾燥
室44を加温する温水タンク45と接続され、60℃程
度まで冷却されるようになっている。第3区は、図上方
に示されるクーリングタワー46で冷却される冷水タン
ク47と接続され、40℃程度まで冷却されるようにな
っている。各区の温度は図示しない温度センサで検出さ
れ、各部の温度が予め定められた管理温度となるよう、
苛性ソーダ、温水、冷水が切換え手段48を介して切換
えられ、適正制御される。
【0058】前記切換え手段48は、廃熱を有効に利用
するため、溶液タンク16及びバッファータンク14、
次いで温水タンク45をできるだけ加熱し、冷却不足が
生じる分のみ冷水タンク47の冷却水を利用するよう制
御する。
【0059】以上の如くして熱水処理され、後段熱交換
器23Bより排出されたスラリーは、配管43を介して
静置バッファータンク49に移される。静置バッファー
タンク49は、図3に示すように、前記反応釜24から
出力されるスラリーの複数回分、例えば6回分約900
0lを1時間かけて受け、上澄液である苛性ソーダ液を
排出管50より排出しつつ、その底部に湿潤人工ゼオラ
イト51を蓄積してゆくものである。容量は、例えば5
トン程度に製作される。底部には水供給配管52が接続
され、その上部には多数の穴が明けられたパンチングメ
タル又は金網53が布設され、その上部に不織布54が
敷設されている。配管43よりスラリーが供給されてい
る間は、水供給配管52のバルブは閉じられている。
【0060】前記静置バッファタンク49の排出管50
は、分岐され、一方の管50Aは図1左下方に示される
沈殿タンク55と接続され、他方の管50Bは図1右下
方に示す排水処理槽56と接続されている。静置バッフ
ァータンク49は、コンクリート製の大型槽で構成する
こともできる。
【0061】図3に示す静置バッファータンク49にお
いて、スラリーが間欠的に1500づつ供給されると、
それをタンク側部で受け、邪魔板57を介してできるだ
け上澄液58中に微粒子が混ざらないようにする。時間
が経つと湿潤人工ゼオライト51上に水ガラス59が浮
く。水ガラス59はゼオライト化できなかった和水ケイ
酸ソーダの微粒子であり、幾分は溶液58と混ざる。ス
ラリーを一定量受入れたら、受入れを停止して静置し、
水供給配管52のバルブを開き、底部より水を供給開始
する。すると、この水は湿潤人工ゼオライト51を介し
て上方に湧出し、湿潤人工ゼオライトを洗浄する。洗浄
後の水は、内部苛性ソーダを上方へ押し出し、水ガラス
と共に排出管50に流れる。そこで、分岐配管のバルブ
を例えば時間制御し、1〜3時間の間は管50Aを開
き、その後閉じ、管50Bを開ける。これにより、水ガ
ラス混じりの苛性ソーダが沈殿タンク55へ通され、希
薄苛性ソーダ混じりの洗浄水が排水処理槽56へ排出さ
れる。
【0062】前記沈殿タンク55では、時間の経過によ
って底部に水ガラスが溜まるので、これは配管55Cを
介して図1左上方に示した水ガラスタンク60へ回収す
る。沈殿タンク55の上澄液は苛性ソーダであるので溶
液タンク16へ返す。
【0063】前記水ガラスタンク60へ回収された水ガ
ラスは、これに、苛性ソーダと、塩化アルミニウムとを
加えてスラリー貯槽12で混合され、原料液として再利
用される。水ガラスの再利用により生成される人工ゼオ
ライトは、粒度が1μm以下と小さく、不純物が少な
く、CECが650〜700と合成ゼオライト並の極め
て高品質の人工ゼオライトとなる。ここでは、この人工
ゼオライトを準合成ゼオライトとも呼ぶ。
【0064】図4に、スラリーを熱水処理して後の製品
化工程をフローチャートで示した。( )内の数字は工
程を示す。前述のように、熱処理を終了したスラリー
(400)は、湿潤人工ゼオライト(401)と、水ガ
ラス(402)と、アルカリ水溶液(403)と、洗浄
水(404)とに分離される。アルカリ水溶液(40
3)は回収(405)され、再利用(406)される。
洗浄水(404)は、中和(407)され、排水(40
8)される。水ガラス(402)は回収(409)さ
れ、再利用(410)され、準合成ゼオライト(41
1)とされる。
【0065】以上のようにして製造されたNa型又はK
型の湿潤人工ゼオライト(401)は、そのままで製品
としてビニル詰(412)されることもある。多くの場
合は不織布に3〜5kg単位で袋詰めされ、遠心分離
(413)される。図中袋詰めされることを矢印上に○
印で示した。不織布に詰めるのは、パーライトが微粉で
あるため、遠心分離器に直接かけることが困難だからで
ある。袋詰めされた湿潤人工ゼオライトは遠心分離(4
13)され、水分含有率40%程度のケーキとされてビ
ニル詰(414)され製品化されるか、又は乾燥室44
で充分乾燥(415)されて袋詰(416)されて製品
化される。例えばFe型の人工ゼオライトをコンクリー
ト中に混入し魚礁を製造する場合、ゼオライトとしては
湿潤したもので十分である。このような場合には、工程
(412)や(414)で作られた湿潤製品を使用でき
る。
【0066】一方、湿潤人工ゼオライト(401)は不
織布に詰められて後イオン交換(417)され洗浄(4
18)されてビニル詰(412)されるか、又は洗浄
(418)後遠心分離(413)される。イオン交換前
に不織布詰めするのは、後で遠心分離(413)するた
めであり、遠心分離不要のものについてはこの限りでな
い。以上の如くして、Na型又はK型、あるいはNaイ
オンを各種イオンCa,Cu,H,Ti,Mg等で置換
した人工ゼオライトが湿潤したまま、あるいは遠心分離
され、乾燥され製品化できる。本例では、手間のかかる
遠心分離作業を極力省略し、洗浄を静置バッファータン
ク49で行える。また、湿潤状態で出荷できる製品を考
案した。さらに、イオン交換する前に遠心分離するのを
止め、湿潤状態から直接イオン交換に移行させた。これ
らの手順により手間のかかる遠心分離作業を極力省略化
し、製造コストの低減を図ることができる。
【0067】図5,図6は、本発明の分散釜型の人工ゼ
オライト製造装置1の時間及び温度の制御特性を比較例
と共に示す説明図である。図5(a)に設計曲線Iで示
すように、反応温度を130℃、反応時間を30分とす
る場合、その1/2の時間(15分)で昇圧又は降圧
し、投入、排出することを条件とすると、(b)図に比
較曲線IIで示すようにスラリー各部において、最初に投
入され温度上昇を始めたものと、最後に投入され温度上
昇が遅れたものと、排出前後で部分的な反応誤差が生ず
る。また、昇圧時の暫時の温度上昇、加熱不足、降圧時
の温度維持により全体的な反応誤差が生ずる。2重釜に
よる加熱処理では、実際平衡温度に達するのに、多大の
時間を要し、大きな反応誤差を生ずる。これらの誤差は
図6(a)の反応分布曲線IIIで示すように反応超過3
0%、反応不足50%に及び品質不良を生ずるものであ
る。即ち、未反応はある程度認められるが、超過反応は
勢いCECの劣化を生じ、全体としてCECが相当低く
なる。具体的にはCEC200〜250を出すのが難し
い。また、反応時間の30分を25分又は35分と変更
することでそれを改善できないかと考えられるが、この
従来の大型釜による反応はあいまいさを伴っており、そ
の改善は困難である。一方、図5(c)の実施曲線IVで
示すように、本発明では、10分以内(5分)で投入と
共に前段熱交換器23Aで完全に反応温度まで温度上昇
させ、後段熱交換器23Bで温度低下させる。従って、
投入及び排出の誤差は最大で10分(33%)であり、
図6(b)の実施分布曲線Vで示すように偏差が大変小
さく、品質向上できる。因みに本発明では、図6(c)
の比較分布曲線IIIにおいてCEC200〜250が限
度であったのに対し、CEC300〜400以上と陽イ
オン交換能力を大幅に向上できる。
【0068】また、図6(b)の分布は、反応時間の調
節、温度の調節、投入、排出時間の縮小等により分布を
さらに向上することができ、品質をさらに向上すること
ができ、CECを400〜550以上とすることも可能
である。
【0069】図7及び図8は、図1に示す分散釜型人工
ゼオライト製造装置1の反応釜24を直管型連続反応器
61とした実施形態を示す断面説明図である。図7は縦
断面を、図8は横断面を示す。直管型反応器61は管内
径5〜30cm程度、長さ5〜15m程度に製作され
る。設置は横置き状態とするが、内部粒子の異動を適切
にするため数度程度傾斜させることもある。処理量は直
管一端から入力されたスラリーを他端から出力すること
を条件として、管内径面積に長さを乗じた量となる。例
えば、内径25cmで長さ10mの場合、130℃×3
0分の反応をさせる場合、30分当たりのスラリー処理
量は、490リットルで、固液比4の場合、約110k
gの人工ゼオライトを製造できる。この場合、スラリー
の送り速度は約5.6mm/sである。
【0070】図示のように、直管62は2重管とされそ
の外側中空部には飽和蒸気で例えば130℃に加熱保温
すべく蒸気通路63が形成される。管の一端に備えられ
た投入管64は、前記前段熱交換器23Aに接続され、
直管内部に反応温度まで加熱されたスラリーが入力され
るようになっている。直管62の長手方向に沿っては回
転軸65が架設され、該軸には、一定間隔で軸の回りに
45°づつずらせて撹拌板66が取付けられている。前
記撹拌板66の先端位置に沿っては4本の補強筋67が
張設され、前記回転軸65の周りで該補強筋67に沿っ
て直径1〜2mmのワイヤーが一定間隔、例えば送り速
度に合わせた11mmピッチで巻回し固定されている。
ワイヤー外部は直管62の底部と軽く接触するよう、前
記回転軸65の中間位置には、適宜ユニバーサルジョイ
ント(図示せず)が設けられる。前記回転軸65の一端
で直管外部には、回転軸65を所定の回転速度で例えば
2秒間で1回回転させるプーリ又はスプロケット68が
設けられる。従って、スプロケット68を介して回転軸
65を所定の回転速度で回転させると、ワイヤ69がス
クリューの役目を為し、管底部分の沈殿物を入力端から
出力端にかけて一定の送り速度で送ることができる。
【0071】以上の構成の直管型反応器61において、
直管62の一端からラリーが入力されると、スラリーは
入力量に応じて所定の速度、例えば5.6mm/sで出
力端へ向かう。このとき流速は微速であるので大きな粒
子は管底に沈むことになる。ここに、本例ではワイヤー
69による送り手段を設けたのでこの沈殿粒子を流速と
同速で撹拌しながら出力端に向けて送ることができ、ス
ラリーを均一に反応させることができる。回転軸65、
撹拌板66、補強筋67、スプロケット68、ワイヤー
69から成る送り手段70は、図示のものに限定され
ず、要するに沈殿粒子を流速と同速で入力端から出力端
へ向けて送れれば良い。チェーンのようなものを循環移
動させるものや、定ピッチのねじを回転させるもの等の
例がある。
【0072】図9は、反応器をチューブ型連続反応器7
1Aとした実施形態を示す。図7及び図8で示した直管
型の例では送り速度が微速であるため粒子の沈殿が生ず
る。そこで、送り速度を粒子が沈殿しないだけの高速、
例えば25cm/s以上とし、かつ、流速に対し遅れ粒
子が問題とならないようにすれば、チューブ内での反応
が可能となる。反応は連続型となる。図1に示したもの
のように各反応器に対し切換制御しない。チューブ内径
を例えば30mm、送り速度を30cm/s、反応温度
130℃、反応時間30分とする場合、管長は540m
で、スラリー処理量は30分当たり382リットル(ゼ
オライト85kg)であり、十分実用的である。処理量
を大きくしたい場合には、チューブ径を増すかチューブ
数を増せば良い。反応温度を上げ、流速を増すこともで
きる。
【0073】図9において、本例のチューブ型連続反応
器71Aは、前段熱交換器23A及び後段熱交換器23
Bと夫々接続されるようになっている。ただし、スラリ
ーポンプ15の圧力緩和のため前段熱交換器23Aとの
接続部には圧力緩和器72を設ける。後段熱交換器23
Bの材料排出口にはゲージ圧で0.3MPa程度の減圧
器73を設ける。従って、スラリーは反応温度に加熱さ
れてチューブ型連続反応器71Aに入力され、ゲージ圧
0.3MPa程度に加圧された状態で反応される。
【0074】チューブ型連続反応器71Aは、圧力容器
74内にチューブ75を内装して製作される。チューブ
75内には、流体撹拌のため、適宜位置に螺旋コイル7
5Cが配置されている。チューブ75は例えば540m
と長尺であるため平行管を順次接続して蛇行させ、1段
又は複数段に積層して形成される。垂直面内での上下の
蛇行は好ましい。沈殿しようとする粒子が、上向きで遅
れ、下向きでは加速するため、粒子速度が遅れるからで
ある。粒子の流速に対する遅れは、反応適正時間の関係
から寧ろ好ましい。
【0075】粒子の遅れが好ましい点について詳述す
る。流速をVcm/s、例えば直径1mmの粒子の苛性
ソーダ溶液内での沈降速度をvcm/sとすると、垂直
配置したチューブ内において立上り時の粒子速度はV−
v、立下り時の粒子速度はV+vとなる。チューブ立上
り又は立下りの距離をLcmとすると流速の通過時間t
1は、(2L)/Vであり、粒子の通過時間t2は、L
/(V−v)とL/(V+v)の和である。そこで、こ
の場合の粒子の流速Vに対する遅れ率(t2−t1)/
t1を求めると、d=v2/(V2−v2)となる。具体
的には、流速Vを粒子の沈降速度vの2倍とすると、d
=1/3となり、3倍とするとd=1/8となり、流速
Vによって遅れ率を制御できる。パーライトの場合、直
径1mmの沈降速度は約15cm/sである。
【0076】苛性ソーダ又は苛性カリ等アルカリ水溶液
による原料粉末のゼオライト化では、アルカリが粉末粒
子中に浸み込み、粉末組織を結晶単位まで分解しゼオラ
イト化を行っている。即ち、粒子が容易に結晶単位まで
手揉み力程度で粉砕できるまでは、一般に定められる反
応時間より長い時間反応分解させた方が好ましく、粒子
は流速に対して遅らせた方が良いのである。
【0077】また、上述の手揉み力程度によって破砕で
きるようになった粒子は、既に反応間近か、或いは、反
応を終了している。そこで、図9において、チューブ7
5の中間位置の管底に沈殿粒子を粉砕する破砕装置75
Dを1又は複数ヶ所設け、その内部でローラやスクリュ
ー75Eで反応粒子を破砕し、破砕した微粒子を流速中
に流し、不要な遅延を行わないようにすることができ
る。沈殿粒子を破砕する装置としては、モータMを使わ
ず、管内水流でスクリューを回転させ、その回転軸に取
付けた管転体と管壁との間で粒子を破砕するようなもの
(図示せず)も利用できる。
【0078】これらのように、流量即ち流速による粒子
遅延制御をし、粒子をその大きさに応じて適度に遅ら
せ、かつ反応済みの粒子は粉砕して流速中に混入させる
ことにより、粒度に応じて最も適切な反応を行わせ、C
ECを最も高く制御することが可能である。また、従来
反応時間は例えば130℃で30分が好適であるとされ
ていたが、それは大径粒子例えば100μm以上の粒子
が含まれていることを想定して平均的、妥協的に定めら
れた装置であり、その見直しが必要とされる。
【0079】即ち、本発明の図9に示すチューブ型の反
応器71Aでは、粒径に応じて適度の遅延制御ができ、
未反応粒子を遅らせつつ反応済み粒子を流速中に送るこ
とができるので、結晶構造又はそれに近い微粒子の反応
時間を通常反応時間(30分)より短い時間例えば15
〜20分と定め、過剰反応を完全に防止した制御を行え
る。前述のように、過剰反応は禁物でCECを格別低下
させる原因である。それを確実に防止できる点は本発明
の大きなメリットの1つである。しかも、本発明では、
粒径に応じて未反応粒子を遅延させ、確実に反応させて
から又は反応させつつ流速中に送ったので、全体に最適
の反応を行わせることができ、CECを最も高く、50
0〜600以上とすることが可能となるのである。
【0080】さらに、粒子の遅延制御の一例として、チ
ューブ型反応器の中間位置に粒子破砕装置75Dを設
け、管径を定めて破砕装置までのチューブ内流速は、大
径粒子の沈降速度(例えば200mm/s)より速い速
度(例えば300mm/s)とし、破砕装置より後のチ
ューブ内流速はそれより遅い速度(例えば100mm/
s)とし、後段チューブ内には細径の粒子(例えば10
μm以下)のみを送るようにし、粒径に応じて反応時間
を調節できるようにしても良い。この場合、粒径が大き
な粒子は、破砕装置で破砕されるまでの間破砕装置の止
まることになるが、アルカリ水溶液による反応の一過程
として粒子が結晶単位まで破砕され、柔らかく破砕され
易くなることが条件であるので、大径粒子については十
分な反応時間が補償され、小径粒子は過剰な反応時間が
与えられないよう調節でき、最適な制御形式となる。
【0081】蒸気バルブ76から入力された蒸気はドレ
ンとなり、蒸気トラップ77から排出される。チューブ
内でのスラリー撹拌手段としては、前述コイルの他、チ
ューブ内に網を張り、或いはピンや邪魔板を取付け、あ
るいは超音波その他の振動を与える等の手段を施すこと
ができる。
【0082】図10は、図9に示すチューブ型連続反応
器71Aに対し加熱保持を蒸気でなく、大気圧開放の加
熱油とした実施形態に係る反応器71Bを示す。本例で
は反応容器79は開放でよく、内部に天ぷら油や機械油
等反応温度で安全に使用できる油80が充填される。油
の加熱は加熱コイル81に蒸気を通すこと等で行うこと
ができる。正確な図示は省略するが、温度均一化のため
油80中に適宜の撹拌手段82を設ける必要がある。粒
子の遅延制御を行える点については、前例と同様であ
る。
【0083】また、図10において、反応容器7の前段
部を仕切壁79Aで仕切り、この仕切部を前段熱交換器
23Aとしている。チューブ内径を小さくし、高速に熱
交換して反応温度に到達できる場合には、この手法を用
いることができる。そのためには、前段熱交換器23A
とする部分のチューブを細径とし、この部分に十分な熱
量を供給できるよう、加熱コイル81に工夫をすれば良
い。反応容器79内で十分高速、即ち例えば30分の反
応時間に対し1分内で反応温度まで加熱できるようにす
ることができるようなら、形式的には前段熱交換器23
Aを省略した形とすることも可能である。但し、形式的
にはとも角、実質的には前段熱交換器23Aは必須であ
る。
【0084】図11に、図7〜図10に示した直管型又
はチューブ型の連続反応器61,71A,71Bの作用
を示した。これら直管型又はチューブ型の連続反応器6
1,71A,71Bによれば、投入と同時に反応開始さ
れ、排出と同時に冷却されるので投入時間や排出時間に
伴う反応誤差が無くなり、図11(a)にチューブ型実
施曲線VIとして示すように、前段熱交換器23A、後段
熱交換器23Bによる短時間(1分程度)の予熱反応の
みが誤差となり、ほとんど問題とならない値となる。従
って同図(b)にチューブ型実施分布曲線として示すよ
うに、反応温度換算による分布が反応時間に対してピー
ク値として表現できるようになり、実験室並、即ち合成
ゼオライト並のゼオライトを製造することが可能とな
る。具体的には、これら直管型又はチューブ型連続反応
器61,71A,71Bを用いれば、例えばパーライト
の人工ゼオライト化においてCECを500以上とする
ことが可能となる。また水ガラスの再利用による人工ゼ
オライトでは、CECを650〜700とすることがで
きる。加えて前述の粒子遅延制御を行えば、CECを更
に高くすることが可能である。
【0085】図12及び図13は、図9,図10に示し
たチューブ型連続反応器61,71A,71Bを更に発
展させ、プラントを簡易に設置できるようにした実施形
態を示す説明図である。本例についても、前述の粒子遅
延制御を行うことができる。
【0086】図12に示す設計は、飽和圧を水圧で抑え
ることができる高さの塔(図示せず)を設け、反応前の
スラリーを受ける前容器83をより高い位置に、反応後
のスラリーを受ける後容器84をより低い位置に配置
し、前容器83及び後容器84を前段熱交換器23A及
び後段熱交換器23Bを備えたチューブ型連続反応器7
1Aの前後に夫々接続したものである。前容器83はス
ラリー供給ポンプ15より供給されるスラリーを入れ
る。後容器84の高さは、反応温度で定まる飽和蒸気圧
例えば0.2MPaに対し5〜10m程度高い位置とす
る。このようにすれば、反応器前後に圧力飽和器や減圧
器等何らの圧力調節機構なしで安定して連続製造でき
る。反応時間はスラリー供給ポンプ15の供給量で定ま
る。
【0087】図13は、図12に示したスラリー供給方
式を更に簡易化したもので、塔を建設せず、山85の傾
斜面を利用したものである。山85のふもとに反応器7
1Bを配置し、反応温度130℃の場合、飽和蒸気圧は
ゲージ圧で0.2MPaであるので30m高さに前容器
83を、それより少し低い高さで飽和蒸気圧を抑えるこ
とができる高さの25m位置に後容器84を備える。こ
れにより、前容器83にスラリーを一定量づつ供給する
と、後容器84に一定量づつ熱処理後のスラリーが出力
される。本例でも、反応器71B前後に何らの圧力調節
機構が要らず、安定した連続製造を行うことができる。
塔の建設も要らず、簡易である。これらのプラントで製
造できる人工ゼオライトは、反応温度、時間共に実験室
並に正確に制御できるので、図11で示したように高品
質で、高CECとすることができる。
【0088】以上の各実施形態により製造されたパーラ
イト製の人工ゼオライトは白色で高品質の人工ゼオライ
ト又は準合成ゼオライトである。Na,K型以外のイオ
ン交換された人工ゼオライトも多くの場合白色である
が、Cu型の場合は薄い抹茶色となる。これら着色され
た人工ゼオライトでも、白色の配合対象に対し5%以内
ならほとんど着色を感じさせない程度である。これら人
工ゼオライトは、そのままで、又はコンクリート、セメ
ント、漆喰、塗料、プラスチック等各種の資材に混入さ
れて利用され、イオン種別に応じて土壌改良、殺菌、防
菌、浄化、浄水、培養等各種機能剤として多用できる。
【0089】深夜電力の応用が考えられる。即ち、図1
や図9以下に示したプラントでは、スラリーの温度制御
に多量の熱量を必要とする。50トンの水を100℃上
昇させると考えると、1日当たり500万kcal(重
油約500リットル)で、電力量換算約5800KWH
程度である。
【0090】これらの熱量を昼間電力で賄うと多大の電
力代を必要とする。そこで、上記プラントでは、Na又
はK型の湿潤人工ゼオライトを製造する工程は無人化が
可能であることに鑑みて、主要熱量を深夜電力で賄えば
良い。昼間電力料金に対し約1/2の電力料金(契約料
金は約1/5、使用量料金は約1/2)で済み、運転経
費を格別低下させることができ、製品コストの低下を図
ることができる。我が国の電力会社の規定では、深夜電
力は、夜10時から朝8時までと、夜11時から朝7時
まで等と、段階的に定められ、夫々割安料金が設定され
ている。このためには、熱水処理部を無人化ラインと
し、主要熱量に対し深夜電力を受電し、朝、静置バッフ
ァータンク49へ自動的に貯えられた湿潤人工ゼオライ
ト51をイオン交換、袋詰め、遠心分離等の作業を行い
易くするようライン構築しておけば良い。
【0091】本発明は、上記実施形態に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施でき
る。パーライトを原料とする人工ゼオライトの例で示し
たが、フライアッシュその他の鉱物を原料とし、人工ゼ
オライト(準合成ゼオライト)を製造できることは勿論
である。
【0092】
【発明の効果】以上の通り本発明は特許請求の範囲に記
載の通りの人工ゼオライトの製造方法及び装置であるの
で次のような効果が得られる。
【0093】反応器を原料投入されてから加熱するので
はなく、基本的には反応温度に上昇させてから保温した
状態で反応させることとしたので、所定温度で所定時間
の正確な反応をさせることができ、CECを高くするこ
とができる。
【0094】ケイバン比を適切に調節した上で反応させ
れば、ゼオライト化される比率を高くすることができ、
ゼオライト量を多くすることができ、平均的にCECを
高くすることができる。
【0095】熱処理されたスラリー中の水ガラスを再利
用し、ケイバン比及び固液比を調節した上で再反応させ
れば、より粒子が細かく高CEC高品質の準合成ゼオラ
イトを製造できる。
【0096】静置バッファータンクを設け、熱水処理後
のスラリーを静置しておき、その下面より洗浄水を供給
することにより、遠心分離機等を使用することなく簡単
に大量の人工ゼオライトを洗浄できる。
【0097】静置バッファータンクで洗浄されてできた
湿潤人工ゼオライトを、そのままイオン交換工程に移せ
ば、その間の乾燥工程が不要であり、特に微粒子成分が
多く遠心分離が困難なパーライトを原料とする人工ゼオ
ライトにあっては手間を省略して製造コストの低い人工
ゼオライトを提供することができる。
【0098】反応器を、原料液を内蔵する釜と、撹拌中
段と、保温(加熱保持)手段で構成し、その前後に前段
熱交換器又は後段熱交換器を設けた装置にあっては、釜
を基本的には保温手段とするので、加熱時間における温
度誤差が発生せず、反応を正確にして高品質の人工ゼオ
ライトを製造することができる。
【0099】釜を複数に分散配置し、反応器群の前段及
び後段に設けた一対の前段及び後段熱交換器に対しサイ
クリックに運転する装置では、単位反応器に対してスラ
リーを入出力できる小型の熱交換器を一対設ければよ
く、プラントを小型に作れる。また、各反応器は単位容
量は小さいがサイクリックに準連続的な動作を行えるの
で、一日当たりの製造量も調節でき、大量生産もでき
る。
【0100】反応器をチューブ型にする場合、反応誤差
はチューブ前後の熱交換器の処理時間の設定のみとな
り、この設定を適宜小さくすることにより極めて高品質
の反応とすることができ、高品質の人工ゼオライトを連
続的に製造することができる。
【0101】チューブを飽和蒸気でなく油中で保温する
場合には、保温処理を大気圧下での油温で管理でき、設
備を簡易としながらも高品質の人工ゼオライトを製造す
ることができる。
【0102】直管型の人工ゼオライト製造装置では、そ
の内部に沈殿粒子を流速に合わせて送る送り手段を設け
ることにより、比較的短い長さの反応器を形成すること
ができ、スラリー各部を均一に反応させることができ、
高品質の人工ゼオライトを製造することができる。
【0103】前記チューブ型の製造装置は、塔の高さや
山の傾斜面を利用して、スラリー入出力用の前容器及び
後容器を飽和蒸気圧を水圧で抑えられるよう、またスラ
リーが前容器から後容器に対し自然流下できるよう設置
することができ、この場合には、反応容器後に圧力調節
機構が不要となり、プラントを極めてコンパクトに効率
よく形成できる。立型設置のチューブにおいて流速制御
を行えば、粒子遅延制御を行うことができ、全体を均一
に反応させることができ、かつ過剰反応を防止でき、最
も合理的な反応を行わせることにより、CECを格別高
くすることができる。
【0104】チューブ型反応器に反応により柔軟化され
た粒子を破砕する破砕装置を組合わせると、粒径に応じ
て更に細かな反応時間の最適調節を行うことができる。
【0105】熱水処理部の主要熱量を深夜電力で賄うよ
うにした人工ゼオライト製造装置では、主要熱量を割安
の深夜電力で賄うことができ、電気料金が割安になり、
無人化された経費削減に相俟って製造コストを大幅に低
下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応器を複数タンクとした場合の本発明の一実
施形態を示すシステム構成図である。
【図2】分散釜の構造を示す断面説明図である。
【図3】静置式分離洗浄容器の構造を示す断面説明図で
ある。
【図4】スラリーを熱水処理して後の製品化工程を示す
フローチャートである。
【図5】本発明の分散釜型の人工ゼオライト製造装置の
時間及び温度の制御特性を比較例と共に示す説明図であ
る。
【図6】本発明の釜型の人工ゼオライト製造装置の製品
における反応度(130℃換算)分布状況を比較例と共
に示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る直管型連続反応器を
示す縦断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る直管型連続反応器を
示す横断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るチューブ型連続反応
器を示す断面説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る他のチューブ型連
続反応器を示す断面説明図である。
【図11】本発明の直管型及びチューブ型連続反応器の
作用を示す説明図である。
【図12】高架式チューブ型連続反応器の応用に係るプ
ラント設計方式を示す説明図である。
【図13】高台利用式チューブ連続反応器の応用に係る
プラント設計方式を示す説明図である。
【符号の説明】
1 分散釜型人工ゼオライト製造装置。 2 分級手段 3 吊り容器 4 電動ホイスト 5 受入ホッパー 6,8 フライトベヤー 7 ストックビン 9 パーライト計量ホッパー 10 Al−Cl計量ホッパー 11 NaOH計量ホッパー 12 スラリー貯槽 13 スラリーポンプ 14 バッファータンク 15 スラリー供給ポンプ 16 NaOH溶液タンク 17 原液タンク 18 水タンク 20,21 加熱コイル 22,25 配管 23A 前段熱交換器 23B 後段熱交換器 24 反応釜群 26,27 ヘッダー 28 圧力容器 29 細管 30 蒸気ボイラー 31 蒸気トラップ 32 切換バルブ 33 点検蓋 34 攪拌器 35 モータ 36 空気抜弁 37 シャワー 38 圧力センサ 39 温度センサ 40 蒸気トラップ 41 バルブ 42 配管 43 配管 44 乾燥室 45 温水タンク 46 クーリングタワー 47 冷水タンク 48 切換え手段 49 静置バッファータンク 50 排出管 50A 沈殿タンク接続管 50B 排水処理槽接続管 51 湿潤人工ゼオライト 52 水供給配管 53 金網 54 不織布 55 沈殿タンク 56 排水処理槽 57 邪魔板 58 上澄液 59 水ガラス 60 水ガラスタンク 61 直管型連続反応器 62 直管 63 蒸気通路 64 投入管 65 回転軸 66 攪拌板 67 補強筋 68 スプロケット 69 ワイヤー 70 送り手段 71A,71B チューブ型反応器 72 圧力飽和器 73 減圧器 74 圧力容器 75 チューブ 75D 破砕装置 75E スクリュー 76 蒸気バルブ 77 蒸気トラップ 78 チューブ型連続反応器 79 反応容器 79A 仕切り壁 80 油 81 加熱コイル 82 攪拌手段 83 前容器 84 後容器 85 山 HC−1 第1区 HC−2 第2区 HC−3 第3区 I 設計曲線 II 比較曲線 III 比較分布曲線 IV 実施曲線 V 実施分布曲線 VI チューブ型実施曲線 VII チューブ型実施分布曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 昌信 京都府京都市中京区壬生坊城町8−29 株 式会社ゼオジック内 (72)発明者 篠原 壮一郎 愛媛県新居浜市新田町3−3−20 篠原鉄 工株式会社内 Fターム(参考) 4G073 AA05 BA04 BA05 BA48 CB09 CM07 CZ01 FB03 FB04 FB18 FB36 FC01 FC25 FD01 FD08 FD18 UB07 UB19 UB25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反応
    器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定の
    反応時間保持反応させて後、所定の冷却温度まで冷却
    し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼ
    オライト製造方法において、 前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以下の時間
    で入出力する熱交換器を夫々設け、 前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上
    昇させて投入し、前記反応器では基本的には温度保持の
    み行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度から
    前記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを特徴
    とする人工ゼオライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の人工ゼオライト製造方
    法において、前記原料液のケイバン比を適切に調節して
    後、前記前段熱交換器に供給することを特徴とする人工
    ゼオライトの製造方法。
  3. 【請求項3】 原料粉末をアルカリ水溶液に分散して成
    る原料液を反応器中で所定の反応温度及び所定の反応時
    間反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、Na型又は
    K型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト製造方
    法において、 前記冷却温度まで急冷し排出されてできた液状の人工ゼ
    オライトを容器内で一定時間自然放置して上澄液と湿潤
    ケーキとに分離し、その中間層にできた水ガラスを固液
    比及びケイバン比調節後に前記原料液として再利用し、
    陽イオン交換能力がより高い準合成ゼオライトを製造す
    ることを特徴とする人工ゼオライトの製造方法。
  4. 【請求項4】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を反応器中で所定の反応温度及び所定の反応
    時間反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、Na型又
    はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト製造
    方法において、 前記冷却温度まで急冷し排出されてできた液状の人工ゼ
    オライトを容器内で一定時間自然放置して上澄液と湿潤
    ケーキとに分散すると共に、前記容器の底部から洗浄用
    の水を供給し、前記容器の底部から前記湿潤ケーキを介
    して上方に湧出させ、前記湿潤ケーキを洗浄することを
    特徴とする人工ゼオライトの製造方法。
  5. 【請求項5】 原料粉末をアルカリ水溶液に分散して成
    る原料液を反応器中で所定の反応温度及び所定の反応時
    間反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、Na型又は
    K型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオライト製造方
    法において、 前記冷却温度まで急冷し排出されてできた液状の人工ゼ
    オライトを容器内で一定時間自然放置して上澄液と湿潤
    ケーキとに分離すると共に、前記容器の底部から洗浄用
    の水を供給し、前記容器の底部から前記湿潤ケーキを介
    して上方に湧出させ、前記湿潤ケーキを洗浄し、前記湿
    潤ケーキを遠心分離することなくイオン交換処理に移行
    させることを特徴とする人工ゼオライトの製造方法。
  6. 【請求項6】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反応
    器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定の
    反応時間保持反応させて後、所定の冷却温度まで冷却
    し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼ
    オライト製造装置において、 前記反応器を前記原料液を内蔵する釜と、前記原料液を
    撹拌する撹拌手段と、前記釜を前記反応温度で保持する
    加熱保持手段とで構成し、 前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以下の時間
    で入出力する熱交換器を夫々設け、 前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上
    昇させて投入し、前記反応器では基本的には温度保持の
    み行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度から
    前記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを特徴
    とする人工ゼオライト製造装置。
  7. 【請求項7】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反応
    器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定の
    反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、
    Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオラ
    イト装置において、 前記反応器を、全体生産量を複数分割して定められた容
    量の複数の小型反応器で構成し、 全小型反応器群の前後段に、単位反応器に対し前記反応
    時間の1/3以下の時間で入出力できる一対の熱交換器
    を設け、 夫々の熱交換器を各反応器に対して順次切換え接続する
    ようにし、各反応器に対しては、前記原料液を前記前段
    熱交換器で前記反応温度まで急上昇させて投入し、各反
    応器では基本的には温度保持のみ行うようにし、前記後
    段熱交換器で前記反応温度から前記冷却温度まで急冷排
    出できるようにし、各反応器をサイクリックに運転する
    ようにしたことを特徴とする人工ゼオライト製造装置。
  8. 【請求項8】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反応
    器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定の
    反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、
    Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオラ
    イト製造装置において、 前記反応器を、前記原料液中の粒子が停滞することが無
    い流速とすると共に入出力時間が前記反応時間と一致す
    るよう長さを定めたチューブと、該チューブを前記反応
    温度に保持する加熱保持手段とで構成し、 前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以下の時間
    で入出力する熱交換器を夫々接続し、 前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上
    昇させて加圧投入し、前記反応器では基本的には温度保
    持のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度
    から前記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを
    特徴とする人工ゼオライト製造装置。
  9. 【請求項9】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散して
    成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反応
    器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定の
    反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで冷却し、
    Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼオラ
    イト製造装置において、 前記反応器を、前記原料液中の粒子が停滞することが無
    い流速とすると共に入出力時間が前記反応時間となるよ
    う径及び長さを調節したチューブと、該チューブを油中
    に内蔵して加熱し保温する油槽式の加熱保持手段とで構
    成し、 前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以下の時間
    で入出力する熱交換器を夫々接続し、 前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上
    昇させて加圧投入し、前記反応器では基本的には温度保
    持のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度
    から前記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを
    特徴とする連続チューブ油槽式の人工ゼオライト製造装
    置。
  10. 【請求項10】 原料粉末をアルカリ水溶液中に分散し
    て成る原料液を100℃より上の温度で保持する加圧反
    応器に投入し、前記反応器中で所定の反応温度及び所定
    の反応時間保持反応させて後所定の冷却温度まで冷却
    し、Na型又はK型の人工ゼオライトを製造する人工ゼ
    オライト製造装置において、 前記反応器を、前記原料液を微速で通過させる大径の直
    管と、その内部でねじやスクリュー等により沈殿粒子を
    前記微速で送る送り手段と、前記直管を前記反応温度に
    保持する加熱保持手段とで構成し、 前記反応器の前後段に前記反応時間の1/3以下の時間
    で入出力する熱交換器を夫々接続し、 前記原料液を前記前段熱交換器で前記反応温度まで急上
    昇させて加圧投入し、前記反応器では基本的には温度保
    持のみ行うようにし、前記後段熱交換器で前記反応温度
    から前記冷却温度まで急冷し排出するようにしたことを
    特徴とする直管型人工ゼオライト製造装置。
  11. 【請求項11】 垂直面内で上下配置したチューブを連
    結し蛇行させたチューブ型反応器を用いた人工ゼオライ
    ト製造装置であって、 チューブ内流速をV、大径粒子の沈降速度をvとすると
    き、チューブ立上げ部内での粒子速度がV−v、立下げ
    部内での粒子速度がV+vであり、粒子の流速Vに対す
    る遅延率がv2/(V2−v2)であることに鑑みて、流
    速Vを粒子の沈降速度に応じて調節し、チューブ内通過
    粒子を故意に所望の時間だけ遅延させ、粒径に応じて反
    応時間を調節制御することを特徴とする粒子遅延制御式
    チューブ型人工ゼオライト製造装置。
  12. 【請求項12】 チューブ型反応器の途中で1又は複数
    の箇所に、大径粒子を破砕、特に反応の一過程である粒
    子柔軟化作図の生じている粒子を、軽い操作力で細粒化
    する粒子破砕装置を設け、 前記破砕装置に入力された大径粒子を破砕し細粒化する
    と共に、破砕されるまでの間破砕装置内に止め、破砕後
    チューブ内流速中に送り、大径粒子は前記破砕装置内で
    止めることによって反応時間を遅延させ、粒径に応じた
    反応時間の調節を行うようにしたことを特徴とする破砕
    装置付粒子遅延制御式人工ゼオライト製造装置。
  13. 【請求項13】 スラリーを入力し熱水処理して冷却し
    人工ゼオライト化するまでの一連の熱水処理部を全自動
    化し、前記熱水処理部の主要熱量を電力で賄うように
    し、前記電力を他の電力部分と区別して深夜電力で受電
    する深夜電力受電設備を設け、 前記熱水処理部を前記深夜電力で稼働させ、翌朝完成さ
    れた人工ゼオライトを洗浄、乾燥、イオン交換等次の工
    程作業を実行できるよう設備したことを特徴とする深夜
    電力を利用した人工ゼオライトの製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003081628A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd 人工ゼオライトの連続製造装置及び連続製造方法
JP2004203731A (ja) * 2002-12-10 2004-07-22 Toshio Shimoda 石炭灰を主原料とする単結晶高機能ゼオライトの製造方法及びそのための製造装置
JP2008008508A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Sanken Setsubi Kogyo Co Ltd 冷水製造システム

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