JP2002255375A - シート材の送り装置 - Google Patents

シート材の送り装置

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JP2002255375A
JP2002255375A JP2001051044A JP2001051044A JP2002255375A JP 2002255375 A JP2002255375 A JP 2002255375A JP 2001051044 A JP2001051044 A JP 2001051044A JP 2001051044 A JP2001051044 A JP 2001051044A JP 2002255375 A JP2002255375 A JP 2002255375A
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rotation
roller
coil spring
feed
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JP2001051044A
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Takashi Kubo
隆 久保
Yasumasa Morimoto
泰正 森本
Akira Nakajima
章 中島
Masanobu Deguchi
正信 出口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動用モータの切換後にも送りローラの適量
の回転を継続させ、後続する搬送手段への受け渡しを確
実に行わせることができるようにする。 【解決手段】 回転軸20と一体回転するクラッチボス40
に送りローラ2を遊嵌し、クラッチボス40に巻装された
コイルばね41の一側に、他部よりも大なる巻き径を有す
る大径部43を設け、この大径部43の端部に設けた係合突
起44を、送りローラ2の端面に径方向に延びる長孔とし
て形成された係合溝23に嵌め合わせて係合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、コピー
機、プリンタ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置
の給紙部に用いられ、該給紙部に保持された記録紙、封
筒、樹脂シート等のシート材を、これの表面に転接する
送りローラの回転により送り出す動作をなすシート材の
送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コピー機、プリンタ装置、ファクシミリ
装置等の画像形成装置は、画像形成部の両側に記録紙の
搬送路を延設し、該搬送路の始端に設けた給紙部にセッ
トされた記録紙を前記画像形成部に送り込み、該画像形
成部の動作により所望の画像を形成して送り出し、前記
搬送路の終端に設けた排紙部に取り出す構成となってい
る。図6は、画像形成装置の一例としてのインクジェッ
ト記録装置の概略構成を示す模式図である。
【0003】このインクジェット記録装置は、画像形成
部としてのインクヘッド1の下位置にプラテン10を配
し、該プラテン10の前側(図の左側)に、排紙ローラ11
及び排紙トレイ12を備える排紙路を設け、同じく後側
(図の右側)に、上下一対のPSローラ13及び従動ロー
ラ14、並びに給紙ガイド板15を備える給紙路を設け、該
給紙路の始端に臨ませて送りローラ2及び分離手段3を
配して構成されている。
【0004】送りローラ2は、ゴム材等、高摩擦係数を
有する材料製の円筒体であり、前記給紙路と直交するよ
うに横架された回転軸20の回転に応じて、図中に矢符に
て示す向きに回転駆動されている。また分離手段3は、
前記給紙ガイド板15の後側に臨ませて配され、ホルダ30
に固定支持された捌き板31を押しばね32により押圧付勢
し、送りローラ2の周面に押し付けて構成されている。
【0005】以上の如く構成されたインクジェット記録
装置は、図示しない給紙トレイに保持された記録紙Pを
送りローラ2の周面に転接させ、図示しない制御手段か
らの動作指令に従って画像形成動作を開始する。これに
より送りローラ2が回転し、前記記録紙Pは、送りロー
ラ2の周面と分離手段3の捌き板31との間に挾まれなが
ら給紙ガイド板15上に送り出され、PSローラ13と従動
ローラ14との転接部に到達する。このとき分離手段3
は、前記記録紙Pの裏面に重なる他の記録紙に前記捌き
板31の摩擦抵抗を加えて複数枚の記録紙の重送を阻止す
る作用をなす。
【0006】送りローラ2は、記録紙PがPSローラ13
に到達した時点で回転を止め、これと共にPSローラ13
が、図中に矢符により示す向きに回転を開始し、従動ロ
ーラ14との間に記録紙Pを挾持してプラテン10上に搬送
する。この記録紙Pに対し、インクヘッド2から噴射さ
れるインクにより所望の画像が形成され、画像形成を終
えた記録紙Pは、排紙ローラ11の回転により排紙トレイ
12上に排出されて外部に取り出される。
【0007】前記送りローラ2と前記PSローラ13と
は、多くの場合、共通の駆動モータに各別の一方向クラ
ッチを介して連結され、該駆動モータの正転時に送りロ
ーラ2が、また逆転時にPSローラ13が夫々回転するよ
うに構成されている。ここで送りローラ2及びPSロー
ラ13は、紙詰まりの発生時の対応を可能とするため、詰
まりを生じた記録紙が送り出しの方向に引っ張られたと
き、この記録紙からの作用力により遊転し得る必要があ
り、この遊転を可能とするため従来から、前記一方向ク
ラッチとして、コイルばねの巻き締めを利用するスプリ
ングクラッチが使用されている。
【0008】図7は、送りローラ2におけるスプリング
クラッチの組み込み構造を示す断面図である。本図に示
す如くスプリングクラッチ5は、送りローラ2の回転軸
20の中途部に外嵌固定されたクラッチボス50と、該クラ
ッチボス50の一側半部の外周に巻装されたコイルばね51
とを備えてなる。送りローラ2は、短寸の円筒体であ
り、前記クラッチボス50の他側半部の外周に遊転自在に
嵌合されており、前記コイルばね51の一端部は、送りロ
ーラ2の端面に係合されている。
【0009】図8は、図7に示すスプリングクラッチ5
の動作説明図であり、図7のVIII−VIII線による横断面
が示されている。図8(a),(b)は、送りローラ2
の回転軸20が正転している状態であり、スプリングクラ
ッチ5のクラッチボス50は、前記回転軸20と共に矢符に
より示す向きに回転する。
【0010】このとき、クラッチボス50に巻装されたコ
イルばね51の内周面には、前記回転の方向の摩擦力が作
用し、この作用方向は、前記コイルばね51を巻き締めす
る方向であるため、該コイルばね51は、巻き締めにより
縮径し、前記クラッチボス50を外側から強固に掴持して
該クラッチボス50と一体回転するようになり、送りロー
ラ2は、コイルばね51との係合部Aにより引かれ、図8
(b)に示す如く、前記回転軸20の回転の方向に回転駆
動される。
【0011】図8(c)は、送りローラ2の回転軸20が
逆転している状態であり、スプリングクラッチ5のクラ
ッチボス50は、前記回転軸20と共に矢符により示す向き
に回転し、該クラッチボス50に巻装されたコイルばね51
の内周面には、正転時と同様に摩擦力が作用するが、こ
の摩擦力の作用方向は、コイルばね51を巻き戻す方向で
あり、該コイルばね51は、前記クラッチボス50の周面に
対して滑りを伴って遊転し、前記送りローラ2は、コイ
ルばね51との係合部Aから何らの力を受けることなく停
止状態を保つ。
【0012】また図8(c)の状態において、前記送り
ローラ2の外周に、図中に白抜矢符にて示す向きの回転
力が加えられた場合、この回転力は、コイルばね51の係
合部Aに同向きに作用するが、この作用方向は、該コイ
ルばね51を巻き戻す方向であるため、前記送りローラ2
は前記回転力の作用方向に遊転させることができる。従
って、紙詰まりの発生時には、詰まりを生じた記録紙を
送りの方向に引き出すことにより速やかに解消すること
ができる。また送りローラ2の遊転は、前記回転軸20の
逆転時においても可能であり、前記PSローラ13の回転
による記録紙Pの送りが阻害されることはない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如く構成
されたインクジェット記録装置においては、一般的な記
録紙Pだけでなく、封筒、葉書等の厚手の紙を記録担体
として扱う場合があり、更には、OHP(Over Head Pr
ojector )に用いる透光性の樹脂シート等、紙以外のシ
ート材を扱う場合もある。
【0014】ところが、このようなシート材を扱う場
合、前記送りローラ2の回転による送り出しに際し、該
送りローラ2自身の滑り、前記分離手段3による摩擦抵
抗の増大等の不具合が生じ、送りローラ2からPSロー
ラ13への駆動用モータの切換えが、前記シート材(記録
紙P)の先端がPSローラ13に到達する前、即ち、前記
図6中に示す状態において行われる場合があり、該PS
ローラ13へのシート材の受け渡しがなされず、その後の
搬送及び画像形成に支障を来す虞れがあった。
【0015】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、駆動用モータの切換後にも送りローラの適量の
回転を継続させることにより、PSローラ等の後続する
搬送手段への受け渡しを確実に行わせることができるシ
ート材の送り装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
シート材の送り装置は、シート材の表面に転接する円筒
形の送りローラと、該送りローラを遊嵌保持して正逆転
する回転軸との間に、該回転軸又はこれと一体回転する
部材に巻装され、前記送りローラに一端を係合させたコ
イルばねを有するスプリングクラッチを備え、前記回転
軸の正転時にのみ前記コイルばねの巻き締めを伴って生
じる前記送りローラの回転により、前記シート材に送り
を加えるようにしたシート材の送り装置において、前記
回転軸の逆転への転換時に、前記コイルばねの巻き戻し
復元力の作用により前記送りローラの回転を継続させる
継続手段を備えることを特徴とする。
【0017】本発明においては、送りローラと回転軸と
の間に介装されたスプリングクラッチのコイルばねが、
回転軸の正転から逆転への転換に伴って巻き締め状態か
ら復元するとき、この復元力が送りローラに作用し、該
送りローラの適量の回転を継続させる。
【0018】また本発明の第2発明に係るシート材の送
り装置は、第1発明における継続手段が、前記コイルば
ねの前記送りローラとの係合端から所定長に亘って設け
た大巻き径部と、前記送りローラに設けられ、前記係合
端を前記コイルばねの径方向への移動を許容して案内す
る係合溝とを備えることを特徴とする。
【0019】この発明においては、スプリングクラッチ
のコイルばねの係合端近傍を他部よりも大径とし、送り
ローラに設けた係合溝に径方向の移動を許容して係合さ
せておき、該コイルばねが巻き締め状態から復元すると
き、前記大径部が前記係合溝内での摺動を伴って本来の
直径となるまで拡径する間に、前記係合溝に周方向に加
わる力を利用して送りローラの回転を継続させる。
【0020】更に本発明の第3発明に係るシート材の送
り装置は、第1又は第2発明におけるコイルばねが、前
記送りローラの内側に設けた空洞部内に収容させてある
ことを特徴とする。
【0021】本発明においては、送りローラの内側に空
洞部を設け、この空洞部内にスプリングクラッチのコイ
ルばねを収容し、外部ヘの露出を最小限に抑えて、塵埃
等の異物の付着による動作不良の発生を未然に防止し、
また使用者の誤った接触による事故の発生を防止する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るシー
ト材の送り装置を備える画像形成装置の一例としてのイ
ンクジェット記録装置の概略構成を示す模式図である。
【0023】このインクジェット記録装置は、図中に2
点鎖線により示す本体ハウジングHの内部に、画像形成
部としてのインクヘッド1を備えている。該インクヘッ
ド1は、紙面と直交する方向に横架されたガイド棒に支
持され、図示しない駆動手段からの伝動により、前記ガ
イド棒に沿って走査されつつ下向きにインクを噴射する
構成となっている。
【0024】このようなインクヘッド1の下部には、該
インクヘッド1の移動域の全長に亘って平板状のプラテ
ン10が架設されており、該プラテン10の前側(図の左
側)には、排紙ローラ11及び排紙トレイ12を備える排紙
路が設けられ、同じく後側(図の右側)には、上下一対
のPSローラ13及び従動ローラ14、並びに給紙ガイド板
15を備える給紙路が設けられ、この給紙路の始端となる
給紙ガイド板15の後側には、送りローラ2及び分離手段
3、並びに複数枚の記録紙P,P…を収容する給紙トレ
イ16が配設されている。
【0025】送りローラ2は、ゴム材等、高摩擦係数を
有する材料製の円筒体であり、前記給紙路と直交するよ
うに横架された回転軸20の中途部に、後述するスプリン
グクラッチ4を介して取付けられており、前記回転軸20
の回転に応じて、図中に矢符にて示す向きに回転駆動さ
れている。また分離手段3は、図6に示す分離手段3と
同様、ホルダ30に固定支持された捌き板31を押しばね32
により押圧付勢し、送りローラ2の周面に押し付けてな
り、給紙ガイド板15と給紙トレイ16との間に架け渡すよ
うに配してある。
【0026】給紙トレイ16に収容された記録紙P,P…
は、該給紙トレイ16に備えられた押し板17により裏面側
から押圧され、前記送りローラ2の周面に押し付けられ
るようになしてある。この押し付け下にて送りローラ2
が回転すると、該送りローラ2に転接する最上部の記録
紙Pが、分離手段3の捌き板31との間に挾まれながら給
紙ガイド板15上に送り出される。
【0027】図2及び図3は、記録紙Pの搬送状態の説
明図である。送りローラ2の回転により送り出される記
録紙Pは、給紙ガイド板15に沿って案内されながら、P
Sローラ13と従動ローラ14との転接部に到達する。なお
前記分離手段3は、送りローラ2の周面に押し付けられ
た捌き板31により、前記送りローラ2と転接する記録紙
Pの裏面に摩擦抵抗を加え、該記録紙Pと重なって送り
出されようとする他の記録紙を分離させ、複数枚の記録
紙の重送を阻止する作用をなす。
【0028】送りローラ2の回転は、図2に示す如く、
送り出される記録紙Pの先端がPSローラ13の配設位置
に達し、従動ローラ14との間に挾持が可能となったタイ
ミングにおいて停止される。なお図3には、記録紙Pの
先端がPSローラ13の配設位置に達する前の状態が示さ
れている。この後PSローラ13が、図2中に矢符により
示す向きに回転を開始し、従動ローラ14との間に記録紙
Pを挾持してプラテン10上に搬送する。この記録紙Pに
対し、インクヘッド2から噴射されるインクにより所望
の画像が形成され、画像形成を終えた記録紙Pは、排紙
ローラ11の回転により排紙トレイ12上に排出されて外部
に取り出される。
【0029】前記送りローラ2及びPSローラ13は、図
示しない共通の駆動モータに各別のスプリングクラッチ
を介して連結されており、該駆動モータの一方向の回転
(正転)時に送りローラ2が回転し、また他方向の回転
(逆転)時にPSローラ13が回転するように構成されて
いる。これにより、前述したタイミングでの送りローラ
2の回転停止とPSローラ13の回転開始とを、前記駆動
モータの正逆転の切換え制御により、簡易に、しかも確
実に行わせることができる。
【0030】以上の切換えは、送りローラ2の出側に配
した給紙センサS(図1参照)により記録紙Pの送り出
しを検出し、この検出がなされた時点から予め設定され
た所定時間が経過したタイミングにて行われる。前記所
定時間は、給紙センサSの配設位置からPSローラ13の
配設位置までの間の搬送距離を、送りローラ2により記
録紙Pに加えられる送り速度により除して求められる。
【0031】しかしながらインクジェット記録装置にお
いては、封筒、葉書等の厚手の紙、OHP用の樹脂シー
ト等、一般的な記録紙P以外のシート材を取り扱う場合
がある。この場合、送りローラ2の回転による送り速度
が、該送りローラ2自身の滑り、前記分離手段3による
摩擦抵抗の増大等に起因して変動し易く、前記所定時間
の経過の間に所望の送り量が得られないフィードミスが
発生し、前述のタイミングでの切換えが、該当するシー
ト材がPSローラ13の配設位置に到達する前になされ、
該PSローラ13へのシート材の受け渡しが確実に行えな
くなる虞れがあった。
【0032】本発明の特徴は、前記送りローラ2及びP
Sローラ13とこれらの駆動モータとを連結するスプリン
グクラッチの構成にあり、特に、上流側に位置する送り
ローラ2におけるスプリングクラッチの構成にある。図
4は、送りローラ2におけるスプリングクラッチの組み
込み構造を示す断面図である。
【0033】送りローラ2は、ゴム材等、高摩擦係数を
有する材料からなる短寸の円筒体であり、図3に示す如
く、長寸の回転軸20の略中央部に配してあり、この送り
ローラ2と回転軸20とを係脱するスプリングクラッチ4
は、送りローラ2の内側空洞部に組み込まれている。送
りローラ2は、回転軸20の軸長方向に複数並設してもよ
く、この場合、夫々の送りローラ2,2…に後述するス
プリングクラッチ4を組み込めばよい。なお図3中の21
は、駆動モータからの伝動のために回転軸20の端部に嵌
着固定された駆動ギヤであり、同じく18は、駆動モータ
からの伝動のためにPSローラ13の端部に嵌着固定され
た駆動ギヤである。
【0034】図4に示す如くスプリングクラッチ4は、
図7に示す従来のスプリングクラッチ5と同様に、前記
回転軸20の中途部に外嵌固定されたクラッチボス40と、
該クラッチボス40の一側半部の外周に巻装されたコイル
ばね41とを備えてなる。短寸円筒形をなす送りローラ2
は、前記クラッチボス40の他側半部に遊転自在に外嵌さ
れており、スプリングクラッチ4のコイルばね41の一端
部は、送りローラ2の端面に係合されている。
【0035】前記送りローラ2は、前記コイルばね41の
外側を囲繞する薄肉の延長部22を備えており、この延長
部22の開口端は、前記クラッチボス40の同側端部に周設
された円板形のフランジ部42により閉止されている。即
ち、スプリングクラッチ4のコイルばね41は、前記延長
部22の内側空洞部内に、外部への露出を最小限に抑えて
収容されており、後述する動作を、塵埃等の異物の付着
により阻害されることなく良好に行わせることができ、
また、使用者の誤った接触による事故の発生を未然に防
止することができる。
【0036】このように収容されたコイルばね41は、送
りローラ2との係合側に、他部よりも大なる巻き径を有
する大径部43を備えており、送りローラ2との係合は、
前記大径部43の端部を軸方向に曲げ成形してなる係合突
起44を、前記送りローラ2の端面に設けた係合溝23に嵌
め込んで実現されている。
【0037】図5は、図4に示すスプリングクラッチ4
の動作説明図であり、図4のV−V線による横断面が示
されている。本図に示す如くコイルばね41の大径部43
は、前記係合端側の半巻き分の巻き径(=L2 )を、他
部の巻き径(=L1 )よりも大として構成されており、
このような大径部43の端部に設けた係合突起44が係合さ
れる送りローラ2側の係合溝23は、該送りローラ2の径
方向に適宜の長さを有して延びる長溝として形成されて
いる。
【0038】ここで、コイルばね41の大径部43の巻き径
2 は、送りローラ2の内側空洞部の内径の範囲内にお
いて適宜に設定することができ、またコイルばね41の巻
き数も、図示の半巻きに限らず適宜に設定することがで
きる。なおこれらの設定は、後述する送りローラ2の継
続回転の量を適正化すべく行われる。
【0039】図5(a)は、送りローラ2の回転軸20が
回転していない初期状態を示している。このとき前記コ
イルばね41の大径部43は、前記巻き径L2 を保ってお
り、大径部43の端部に設けた係合突起44は、前記係合溝
23の外周側端部に係合した状態にある。
【0040】図5(b)は、送りローラ2の回転軸20が
正転を始めた直後の状態を示している。このとき、スプ
リングクラッチ4のクラッチボス40は、前記回転軸20と
共に図中に矢符により示す向きに回転し、この回転によ
り、前記クラッチボス40に巻装されたコイルばね41の内
周面には、前記回転の方向の摩擦力が作用する。この摩
擦力の作用方向は、前記コイルばね41を巻き締めする方
向であり、該コイルばね41は、巻き締め力の作用により
縮径し、前記クラッチボス40を外側から強固に掴持して
該クラッチボス40と一体回転するようになる。
【0041】この巻き締め力は、コイルばね41の大径部
43にも作用し、該大径部43は、前記係合溝23内での係合
突起44の係合位置を内向きに移行させつつ縮径せしめら
れ、図5(b)に示す如く、前記係合位置が係合溝23の
内周側端部に達した状態となる。この状態になった後の
送りローラ2は、係合溝23に係合する係合突起44により
引かれ、図5(c)に示す如く、クラッチボス40及びコ
イルばね41と共に、回転軸20の回転の方向に回転駆動さ
れる。
【0042】図5(d)は、送りローラ2の回転軸20が
逆転に転換した直後の状態を示している。この転換によ
り、スプリングクラッチ4のクラッチボス40は、前記回
転軸20と共に図中に矢符により示す向きの回転を開始
し、この回転により、前記クラッチボス40に巻装された
コイルばね41の内周面には、正転時と同様に摩擦力が作
用するが、この摩擦力の作用方向は、正転時とは逆に、
コイルばね41を巻き戻す方向であり、該コイルばね41に
よるクラッチボス40の掴持は解除される。
【0043】このとき、コイルばね41の大径部43は、巻
き戻しにより初期の巻き径L2 に復帰しようとし、図5
(d)中に矢符により示す如く、前記係合溝23内での係
合突起44の係合位置を外向きに移行させつつ拡径せしめ
られ、図5(e)に示す如く、前記係合位置が係合溝23
の外周側端部に達した状態となる。この間、即ち、図5
(d)の状態から図5(e)の状態へ移行する間、送り
ローラ2に形成された係合溝23には、拡径を伴う前記大
径部43の巻き戻し復元力が係合突起44を介して作用する
が、この作用方向は、送りローラ2の周方向に見たと
き、前記回転軸20及びクラッチボス40の回転(逆転)の
向きと逆向きであり、この巻き戻し復元力の作用により
送りローラ2は、図5(e)中に矢符により示す如く、
前記回転軸20及びクラッチボス40と逆向きに回転(正
転)する。
【0044】以上の動作により送りローラ2は、回転軸
20の逆転への転換後も所定の回転を継続する。従って、
一般的な記録紙P以外のシート材の取り扱い時に前述し
たフィードミスが発生し、送りローラ2からPSローラ
13への切換えが、該PSローラ13へのシート材の到達前
になされた場合であっても、該シート材には送りローラ
2の継続回転による送りが加えられ、フィードミスによ
る不足分が補われ、PSローラ13への受け渡しを確実に
行わせることができる。送りローラ2の継続回転の量
は、前記コイルばね41の大径部43の巻き径L2 及び巻き
数により適宜に設定することができ、これらを、取り扱
い対象となる各種のシート材の送りに際して発生し得る
フィードミスの予想量に応じて設定することにより、P
Sローラ13への確実な受け渡しを補償することができ
る。
【0045】このような継続回転を終えた図5(e)に
示す状態において、コイルばね41によるクラッチボス40
の掴持が解除されているため、この後の送りローラ2
は、前記コイルばね41から何らの力を受けずに停止す
る。なお、図5(e)の状態にある送りローラ2は、そ
の周面に正転方向に加えられる回転力に対して遊転する
ことができ、前記PSローラ13の回転による記録紙Pの
送りが阻害されることはない。また送りローラ2の遊転
は、前記回転軸20の停止中においても可能であり、紙詰
まりの発生時には、詰まりを生じた記録紙を送りの方向
に引き出すことができ、紙詰まり状態を容易に解消する
ことができる。
【0046】なお以上の実施の形態においては、インク
ジェット記録装置の給紙部における本発明の適用例につ
いて述べたが、本発明は、コピー機、ファクシミリ装置
等の画像形成装置全般において、記録担体となすべきシ
ート材の送り装置としての適用が可能であることは言う
までもない。更には、画像形成装置に限らず、送りロー
ラの回転によりシート材を送り出すことが要求される種
々の装置への適用が可能である。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るシート材の送り装置においては、シート材に転接する
送りローラと回転軸との間に介装されたスプリングクラ
ッチのコイルばねが、前記回転軸の正転から逆転への転
換に応じて巻き締め状態から復元するとき、この復元力
を送りローラに加えて適量の継続回転を行わせる構成と
したから、この継続回転により付加的に送られるシート
材を後続する搬送手段に確実に受け渡すことができ、例
えば、インクジェット記録装置等の画像形成装置への適
用時に、記録担体としてのシート材のフィードミスを未
然に防止し、良質な画像形成を確実に行わせることが可
能となる。
【0048】また第2発明に係るシート材の送り装置に
おいては、継続回転を行わせるための手段が、スプリン
グクラッチのコイルばねに設けた大巻き径部と、送りロ
ーラに設けられ、前記大巻き径部の端部の係合端を径方
向への移動を許容して案内する係合溝とを備えるから、
付加的な部品を必要としない簡素な構成により継続回転
を行わせ、後続する搬送手段へのシート材の受け渡しを
確実に行わせることができる。
【0049】更に第3発明に係るシート材の送り装置に
おいては、スプリングクラッチのコイルばねを送りロー
ラの内側空洞部に収容したから、該コイルばねへの塵埃
等の異物の付着による動作不良の発生、また使用者の誤
った接触による事故の発生を未然に防止することができ
る等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート材の送り装置を備える画像
形成装置の一例としてのインクジェット記録装置の概略
構成を示す模式図である。
【図2】記録紙の搬送状態の説明図である。
【図3】記録紙の搬送状態の説明図である。
【図4】送りローラにおけるスプリングクラッチの組み
込み構造を示す断面図である。
【図5】図4に示すスプリングクラッチの動作説明図で
ある。
【図6】従来のインクジェット記録装置の概略構成を示
す模式図である。
【図7】送りローラにおける従来のスプリングクラッチ
の組み込み構造を示す断面図である。
【図8】図7に示すスプリングクラッチの動作説明図で
ある。
【符号の説明】
1 インクヘッド 2 送りローラ 3 分離手段 4 スプリングクラッチ 13 PSローラ 20 回転軸 23 係合溝 40 クラッチボス 41 コイルばね 43 大径部 44 係合突起 P 記録紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 章 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 出口 正信 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 3F343 FA02 FB02 FB03 FB04 FC01 GA01 GB01 GC01 GD01 HA12 JA14 KB05 LA04 LA16 LB08 LC07 LD04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材の表面に転接する円筒形の送り
    ローラと、該送りローラを遊嵌保持して正逆転する回転
    軸との間に、該回転軸又はこれと一体回転する部材に巻
    装され、前記送りローラに一端を係合させたコイルばね
    を有するスプリングクラッチを備え、前記回転軸の正転
    時にのみ前記コイルばねの巻き締めを伴って生じる前記
    送りローラの回転により、前記シート材に送りを加える
    ようにしたシート材の送り装置において、 前記回転軸の逆転への転換時に、前記コイルばねの巻き
    戻し復元力の作用により前記送りローラの回転を継続さ
    せる継続手段を備えることを特徴とするシート材の送り
    装置。
  2. 【請求項2】 前記継続手段は、前記コイルばねの前記
    送りローラとの係合端から所定長に亘って設けた大巻き
    径部と、前記送りローラに設けられ、前記係合端を前記
    コイルばねの径方向への移動を許容して案内する係合溝
    とを備える請求項1記載のシート材の送り装置。
  3. 【請求項3】 前記コイルばねは、前記送りローラの内
    側に設けた空洞部内に収容させてある請求項1又は請求
    項2記載のシート材の送り装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019210084A (ja) * 2018-06-01 2019-12-12 シャープ株式会社 シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置並びにシート搬送方法
JP7034009B2 (ja) 2018-06-01 2022-03-11 シャープ株式会社 シート搬送装置及びそれを備えた画像形成装置並びにシート搬送方法

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