JP2002252973A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング電源装置において、無負荷時に
おける入力電力の削減が求められているが、従来は、
0.1W程度まで低減することが限界であった。 【解決手段】 スイッチングトランス4からのパルス電
源を受け負荷の接続されていない無負荷時にメイントラ
ンジスタ5のスイッチングを間欠発振させる間欠発振制
御回路18を備えることにより、無負荷時のパルス周期
を延ばし、入力電力も0.01W以下まで低減すること
ができる優れたスイッチング電源装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RCC(リンギン
グチョークコンバータ)スイッチング方式の電源装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自励式リンギングチョークコンバ
ータ回路を搭載したACアダプタに代表されるAC−D
C変換装置(以下、スイッチング電源装置という)で
は、入力電力の省電力化を実現する為、出力負荷の無い
無負荷時にメイントランジスタのスイッチングを安定さ
せてスイッチング電源装置の出力を安定させているスイ
ッチング制御安定用負荷抵抗を搭載せずスイッチングト
ランジスタの周辺部品定数を設定する事で出力負荷の無
い無負荷時にメイントランジスタのスイッチングを安定
させることにより入力電力の省電力化を計っている構成
が多い。以下、図面を参考にしながら上述したようなス
イッチング回路構成について説明する。図3において、
1は電源、2は整流部、3は平滑部であり、この電源1
〜平滑部3により電源部が形成されている。4は1次巻
線、2次巻線、及び補助巻線からなるスイッチングトラ
ンス、5はメイントランジスタ、6は出力電流整流ダイ
オード、7は出力平滑電解コンデンサ、8は出力電流検
出抵抗、9は出力電流検出回路、10は出力電圧検出回
路、11は出力伝達回路部、12はサブトランジスタ、
13は出力電流、14は出力電圧、15はスイッチング
安定用セラミックコンデンサ、16はスイッチング安定
用ダイオードである。
【0003】スイッチング電源装置の出力電流及び出力
電圧の制御方法は、電源1より供給されたAC入力電圧
を整流部2及び平滑部3により直流電源に変換し、その
直流電源をメイントランジスタ5のスイッチングによっ
てパルス変換してスイッチングトランス4へ供給する事
により出力側回路部へ出力している。スイッチング電源
装置の出力電流13及び出力電圧14を出力電流検出回
路9及び出力電圧検出回路10にて検出し、その検出結
果出力を出力伝達回路部11へ出力してサブトランジス
タ12の制御を行う事によりメイントランジスタ5のス
イッチングコントロールを行いスイッチング電源装置の
出力電流13及び出力電圧14の出力を安定させる制御
を行っている。また、出力側回路部のスイッチング制御
安定用セラミックコンデンサ15の容量を調整する事に
より出力負荷の無い無負荷時はメイントランジスタ5の
スイッチングを間欠発振とすることで出力負荷のない無
負荷時には入力電力の省電力化を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の様なスイッチン
グ制御方法では、通常出力負荷の無い無負荷時にメイン
トランジスタ5のスイッチングを安定させてスイッチン
グ電源装置の出力を安定させているスイッチング制御安
定用負荷抵抗を搭載していないため、スイッチング制御
安定用セラミックコンデンサ15の容量を調整する事に
より、無負荷時のメイントランジスタ5のスイッチング
を間欠発振させ、入力電力の省電力化がある程度まで計
る事ができていた。
【0005】しかしながら、昨今、環境への配慮などの
理由により、更なる省電力化、待機電力の削減が求めら
れているが、上記従来のメイントランジスタの間欠発振
周波数は自励式リンギングチョークコンバータ方式電源
のため1次―2次の伝達係数のみで設定され部品定数の
設定では大きく変更する事ができず、出力負荷のない無
負荷時の入力電力はあるレベル以下に減少させる事は不
可能であった。具体的には、無負荷時のパルス周期を2
00〜300マイクロ秒程度にするのが限界であり、そ
れ以上周期を長くすることはできなかった。このため、
無負荷時における入力電力は、0.1W程度まで低減す
ることが限界であった。
【0006】本発明はこの様な問題点を解決するもの
で、出力負荷の無い無負荷時にのみメイントランジスタ
のスイッチングを1次―2次の伝達係数に依存せず間欠
発振周波数を変化させることにより、出力に負荷のない
無負荷時の入力電力を例えば0.01ワット以下に抑え
ることを目的とする。また、無負荷時からスイッチング
電源装置の出力に負荷が接続され出力電流が発生した時
でも、一定以上の出力電流を出力できるように、負荷接
続された後は出力電流及び出力電圧の出力制御を行う制
御方法に切り変える事が可能な待機電力省電力型のスイ
ッチング電源装置を提供する事を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、直流電源を供給する電源部と、前記電源部
からの電源をパルス変換するメイントランジスタと、こ
のパルス電源が印加される1次巻線、2次巻線及び補助
巻線からなるスイッチングトランスと、前記スイッチン
グトランスからの出力電流を検出する出力電流検出部
と、前記スイッチングトランスからの出力電圧を検出す
る出力電圧検出回路と、前記出力電流検出部からの出力
及び前記出力電圧検出回路からの出力を入力とする出力
伝達回路部と、前記出力伝達回路部からの出力を受け前
記メイントランジスタの制御を行うサブトランジスタと
を備えたスイッチング電源装置であり、前記スイッチン
グトランスからのパルス電源を受け負荷の接続されてい
ない無負荷時に前記メイントランジスタのスイッチング
を間欠発振させる間欠発振制御回路を備えたことを特徴
とするものである。その間欠発振制御回路は、スイッチ
ングトランスからのパルス電源を受けて直流電源に変換
する変換手段と、前記変換手段からの直流電源を受けて
メイントランジスタのスイッチングを間欠発振させる無
安定マルチバイブレータ回路とからなるものである。
【0008】これにより、出力負荷の無い無負荷時にの
みメイントランジスタのスイッチングを1次―2次の伝
達係数に依存せず間欠発振周波数を変化させることがで
き、パルス周期を大幅に延ばして、出力に負荷のない無
負荷時の入力電力を例えば0.01ワット以下に抑える
省電力化を図ることができる。
【0009】また間欠発振制御回路による間欠発振制御
動作中に負荷が接続されたことが検出された際に、間欠
発振制御動作を停止させるものである。詳しくは、間欠
発振制御回路による間欠発振制御動作中に負荷が接続さ
れたことが検出された際に、スイッチングトランスの補
助巻線の出力電圧増加を検出して無安定マルチバイブレ
ータ回路からの制御を停止させるものである。そして、
停止後はスイッチング電源装置の出力電流及び出力電圧
を検出し、その検出結果の出力を出力伝達回路部へ出力
してサブトランジスタの制御を行う事によりメイントラ
ンジスタのスイッチング制御を行い、スイッチング電源
装置の出力電流及び出力電圧の出力を安定させる通常の
制御方法に切り変えるものである。
【0010】これにより、間欠発振制御動作中に負荷が
接続され出力電流が発生した際にも、通常の制御方法に
戻すことが可能となり、必要な出力電流を供給すること
ができる優れた効果を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1、2を用いて本発明の
実施の形態について詳細に説明する。図1において、1
は電源、2は整流部、3は平滑部であり、この電源1〜
平滑部3により電源部が形成されている。4は1次巻
線、2次巻線、及び補助巻線からなるスイッチングトラ
ンス、5はメイントランジスタ、6は出力電流整流ダイ
オード、7は出力平滑電解コンデンサ、8は出力電流検
出抵抗、9は出力電流検出回路であり、出力電流検出部
はこの出力電流検出抵抗8と出力電流検出回路9からな
る。10は出力電圧検出回路、11は出力伝達回路部、
12はサブトランジスタ、13は出力電流、14は出力
電圧、15はスイッチング安定用セラミックコンデン
サ、16はスイッチング安定用ダイオード、17はスイ
ッチングトランス補助巻線、18は間欠発振制御回路で
ある。スイッチング電源装置の出力電流及び出力電圧の
制御方法は、電源1より供給されたAC入力電圧を整流
部2及び平滑部3により直流電源に変換し、その直流電
源をメイントランジスタ5のスイッチングによってパル
ス変換してスイッチングトランス4へパルス電源を供給
する事により出力側回路部へ出力し、スイッチング電源
装置の出力電流13及び出力電圧14を出力電流検出回
路9及び出力電圧検出回路10にて検出し、その検出結
果出力を出力伝達回路部11へ出力してサブトランジス
タ12の制御を行う事によりメイントランジスタ5のス
イッチングを行いスイッチング電源装置の出力電流13
及び出力電圧14の出力制御を行っている。
【0012】出力負荷の無い無負荷時においては間欠発
振制御回路18が間欠発振制御回路内部の部品定数によ
りメイントランジスタ5のスイッチング制御を出力負荷
のない無負荷時の入力電力が0.01ワット以下になる
様に間欠発振制御を行う。また、間欠発振制御回路18
が動作制御した状態ではスイッチング電源装置の出力に
負荷が接続され出力電流が発生した時、一定以上の出力
電流を出力する事が不可能となるため、スイッチング電
源装置の出力に負荷が接続された事によりスイッチング
トランス補助巻線17の出力電圧が増加する事を利用
し、これを検出して間欠発振制御回路18によるメイン
トランジスタ5の間欠発振制御動作を停止し、スイッチ
ング電源装置の出力電流13及び出力電圧14を出力電
圧検出回路10及び出力電流検出回路9にて検出し、そ
の検出結果の出力を出力伝達回路部11へ出力してサブ
トランジスタ12の制御を行う事によりメイントランジ
スタ5のスイッチングコントロールを行いスイッチング
電源装置の出力電流及び出力電圧の出力が安定する制御
方法に切り変える。
【0013】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照しながら詳細に説明する。図2には、図1におけ
る間欠発振制御回路18を示している。同図の間欠発振
制御回路構成において、D511、D512は逆流防止
ダイオード、D514は整流ダイオード、C511、C
512は間欠発振周波数設定コンデンサ、C513、C
514は電圧平滑コンデンサ、R511、R512、R
513、R514は間欠発振周波数設定抵抗、R51
5、R516はQ504駆動用分圧抵抗、Q503はメ
イントランジスタ制御トランジスタ、Q504は間欠発
振制御回路動作制御停止トランジスタ、Q511、Q5
12は間欠発振周波数設定トランジスタである。図2に
示した入出力端A〜Cは、図1に同番号で示した部分に
接続されている。
【0014】出力負荷のない無負荷時において、トラン
ス補助巻線より出力されたパルス電圧は変換手段である
D514とC514により平滑されて直流電圧となる。
その直流電圧を電源電圧として、R511、R512、
R513、R514、C511、C512、Q511、
Q512、D511、D512にて構成する無安定マル
チバイブレータ回路を駆動して、その無安定マルチバイ
ブレータ回路より出力される電圧でQ503を駆動する
事によりメイントランジスタ5を駆動する。また、R5
11、R512、R513、R514、C511、C5
12の部品定数設定により、メイントランジスタ5のオ
ン時間とオフ時間を設定して、無負荷時のパルス周期を
30ミリ秒程度と従来に比べて大幅に長くすることがで
きる。これにより、メイントランジスタ5の間欠発振周
波数を設定する事で負荷のない無負荷時においての入力
電力を0.01ワット以下に抑える事が可能となる。ま
た、トランス補助巻線より出力されたパルス電圧はD5
13とC513により平滑され直流電圧となり、出力負
荷のない無負荷時は、トランス補助巻線から出力された
パルス電圧が小さい為Q504のゲート電圧はQ504
が駆動する電圧まで上昇しない。このため、トランジス
タQ504は駆動せずメイントランジスタ5のスイッチ
ング制御は間欠発振制御回路によって間欠発振制御され
ることになる。
【0015】そして、スイッチング電源装置の出力に負
荷が接続され出力電流が出力された時、D513及びC
513で平滑された直流電圧は上昇し、Q504を駆動
させQ503のゲート電圧を降下させることにより、Q
503は駆動不可能となり間欠発振制御回路によるメイ
ントランジスタ5のスイッチング制御が不可能となり、
メイントランジスタ5のスイッチング制御はスイッチン
グ電源装置の出力電流及び出力電圧を出力電圧検出回路
及び出力電流検出回路にて検出し、その検出結果出力を
出力伝達回路部へ出力してサブトランジスタの制御を行
う事によりメイントランジスタ5のスイッチングを行い
スイッチング電源装置の出力電流及び出力電圧の出力制
御を行う通常の制御方法に切り変える事が可能となる。
【0016】なお、本実施の形態においては、メイント
ランジスタ5を用いているが、これをパワーMOSFE
Tとしても良い。
【0017】
【発明の効果】上記発明の実施の形態に示したとおり、
本発明によると、1次―2次の伝達係数のみで設定され
部品定数の設定では大きく変更する事ができないため、
出力負荷のない無負荷時の入力電力はあるレベル以下に
減少させる事は不可能であったという課題を解決し、無
負荷時のパルス周期を200〜300マイクロ秒程度で
あったものを20ミリ秒程度まで延ばし、その結果、無
負荷時における入力電力は、0.1W程度であったもの
を0.01W程度まで低減することができ、昨今の更な
る省電力化、待機電力の削減という市場要求に答えるこ
とができる。
【0018】その際に、無負荷時からスイッチング電源
装置の出力に負荷が接続され出力電流が発生した時で
も、一定以上の出力電流を出力できるように、負荷接続
された後は出力電流及び出力電圧の出力制御を行う制御
方法に切り変えることにより、負荷が接続されていない
時のみ省電力となり、通常時は必要な電源供給を行うこ
とができる待機電力省電力型のスイッチング電源装置を
提供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気回路概略図
【図2】間欠発振制御回路図
【図3】従来の低待機電力機能をもった電気回路略図
【符号の説明】
1 電源 2 整流部 3 平滑部 4 スイッチングトランス 5 メイントランジスタ 6 出力電流整流ダイオード 7 出力平滑電解コンデンサ 8 出力電流検出抵抗 9 出力電圧検出回路 10 出力電流検出回路 11 出力伝達回路部 12 サブトランジスタ 13 出力電流 14 出力電圧 15 スイッチング安定用負荷抵抗 16 スイッチング安定用セラミックコンデンサ 17 スイッチングトランス補助巻線 18 間欠発振制御回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源を供給する電源部と、前記電源
    部からの電源をパルス変換するメイントランジスタと、
    このパルス電源が印加される1次巻線、2次巻線及び補
    助巻線からなるスイッチングトランスと、前記スイッチ
    ングトランスからの出力電流を検出する出力電流検出部
    と、前記スイッチングトランスからの出力電圧を検出す
    る出力電圧検出回路と、前記出力電流検出部からの出力
    及び前記出力電圧検出回路からの出力を入力とする出力
    伝達回路部と、前記出力伝達回路部からの出力を受け前
    記メイントランジスタの制御を行うサブトランジスタと
    を備えたスイッチング電源装置であり、 前記スイッチングトランスからのパルス電源を受け負荷
    の接続されていない無負荷時に前記メイントランジスタ
    のスイッチングを間欠発振させる間欠発振制御回路を備
    えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】 間欠発振制御回路は、スイッチングトラ
    ンスからのパルス電源を受けて直流電源に変換する変換
    手段と、前記変換手段からの直流電源を受けてメイント
    ランジスタのスイッチングを間欠発振させる無安定マル
    チバイブレータ回路とからなることを特徴とする請求項
    1記載のスイッチング電源装置。
  3. 【請求項3】 間欠発振制御回路による間欠発振制御動
    作中に負荷が接続されたことが検出された際に、間欠発
    振制御動作を停止させることを特徴とする請求項1記載
    のスイッチング電源装置。
  4. 【請求項4】 間欠発振制御回路による間欠発振制御動
    作中に負荷が接続されたことが検出された際に、スイッ
    チングトランスの補助巻線の出力電圧増加を検出して無
    安定マルチバイブレータ回路からの制御を停止させるこ
    とを特徴とする請求項2記載のスイッチング電源装置。
  5. 【請求項5】 間欠発振制御回路による間欠発振制御動
    作中に負荷が接続されたことが検出された際にはその制
    御を停止させ、スイッチング電源装置の出力電流及び出
    力電圧を検出し、その検出結果の出力を出力伝達回路部
    へ出力してサブトランジスタの制御を行う事によりメイ
    ントランジスタのスイッチング制御を行い、スイッチン
    グ電源装置の出力電流及び出力電圧の出力を安定させる
    制御方法に切り変える事を特徴とする請求項3または4
    いずれかに記載のスイッチング電源装置。
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