JP2002250438A - 油圧駆動車両の変速装置 - Google Patents
油圧駆動車両の変速装置Info
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Abstract
繰り返される場合の操作性を向上できるようにする。 【解決手段】 可変容量型の油圧ポンプ51と固定容量
型の油圧モータ52を有する油圧式無段変速装置23に
より変速して走行を行なう油圧駆動車両において、主変
速操作具7の回動位置を検知するセンサー111、副変
速操作具10の変速位置を検知するセンサー116、前
後進切換操作具8の回動位置を検出するスイッチ10
2、油圧ポンプの可動斜板53の傾倒角度を検知するセ
ンサー64、該可動斜板の傾倒角度を変更するアクチュ
エータ67を設けて、これらをコントローラ110と接
続するとともに、設定速度以上となる高速変速位置に変
速すると、前後進切換操作具の後進操作では後進しない
ように制御した。
Description
(以下HST)により変速を行なう油圧駆動車両におい
て、高速変速時に後進走行を規制する技術に関する。
主変速装置の変速方式としては、スライダを摺動させて
歯車を選択したり、または、油圧クラッチを用いて常時
噛合している変速比の異なる歯車を選択して動力を伝え
るようにしたりするものがあり、主変速装置に加えて、
前後進切換装置を設けた技術も公知となっている。一
方、HST式変速装置は可変容量型の油圧ポンプの可動
斜板を主変速レバーと連動連結して、該主変速レバーを
回動することにより油圧ポンプからの吐出量を変更して
出力回転数を変更して主変速を行い。主変速レバーを中
立位置から逆方向に回動することにより前後進を切り換
えて、同時に変速も行なえるようにしていた。
所謂メカミッションにおいては、変速段(変速比)が決
まっているため、変速段数を多くしないと、きめ細かな
速度設定は難しくなる。また、変速段が多いと変速レバ
ーによる変速操作が煩わしく、特に、前後進の切換が多
い作業ほど煩わしくなる。そこで、HST式変速装置を
用いて無段階に変速できるようにし、該HSTの可動斜
板を主変速レバーまたは前後進ペダルで変速できるよう
にし、更に、前後進切換レバーを設けて、該前後進切換
レバーの操作で前進または後進するように構成すること
ができるが、高速段に変速された状態で前後進切換レバ
ーを後進に操作すると、操作直後から徐々に速度が上昇
し、主変速で設定された速度に達したときには運転者の
予想を越える速度なっていた。
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、請求項1においては、可変容量型の油圧ポンプと固
定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速装置によ
り変速して走行を行なう油圧駆動車両において、主変速
操作具の回動位置を検知する手段、副変速操作具の変速
位置を検知する手段、前後進切換操作具の回動位置を検
出する手段、油圧ポンプの可動斜板の傾倒角度を検知す
る手段、該可動斜板の傾倒角度を変更する手段を設け
て、各手段をコントローラと接続するとともに、設定速
度以上となる高速変速位置に変速すると、前後進切換操
作具の後進操作では後進しないように制御した。
油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無
段変速装置により変速して走行を行なう油圧駆動車両に
おいて、主変速操作具の回動位置を検知する手段、副変
速操作具の変速位置を検知する手段、前後進切換操作具
の回動位置を検出する手段、油圧ポンプの可動斜板の傾
倒角度を検知する手段、該可動斜板の傾倒角度を変更す
る手段を設けて、各手段をコントローラと接続するとと
もに、設定速度以上となる高速変速位置に変速して、前
後進切換操作具を後進側へ操作すると、可動斜板を中立
位置に回動するようにした。また、高速変速位置におい
ては、主変速操作具の操作のみによって、後進操作を可
能としたものである。
は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の
一実施例を説明する。図1は本発明の変速装置を装備し
たトラクタの平面図、図2はミッションケースの側面図
断面図、図3は駆動伝達機構を示すスケルトン図、図4
はミッションケースの変速部側面図、図5は油圧回路
図、図6は前後進切換レバー取付部の斜視図、図7は同
じく側面図断面図、図8は前後進切換レバーを切り換え
た状態を示す平面図、図9は制御ブロック図、図10は
主変速レバー取付部の側面図、図11は副変速レバー取
付部の側面図、図12はフローチャートである。
圧駆動車両の一実施例であるトラクタの概略構成につい
て説明する。図1において、本機前部のボンネット3内
にエンジン2が配置され、該エンジン2をボンネット3
にて覆い、該ボンネット3の後部のダッシュボード4上
に操向手段となるハンドル5を配置している。該ダッシ
ュボード4側部にアクセルレバーと前後進切換操作具と
なる前後進切換レバー8が突出され、前記ハンドル5の
後方に座席シート6を配設し、該座席シート6近傍に副
変速操作具となる副変速レバー10とPTO変速レバー
11と作業機昇降レバー12が配置され、フェンダー2
1上に主変速操作具となる主変速レバー7が配置され、
該座席シート6及びハンドル5が配設されている部分を
操縦部9としている。なお、前記各レバーの配置位置は
限定するものではなく、操縦部9の近傍であればよい。
架し、後部両側に後輪14・14を支架している。ま
た、前記座席シート6下部にミッションケース15が配
置され、該ミッションケース15の後方に各種作業機を
装着するための三点リンク式の作業機装着装置16が取
り付けられている。該ミッションケース15の後面より
PTO軸27が突出されて、作業機を駆動可能としてい
る。
2、図3を用いて説明する。前記エンジン2の出力軸の
後部にダンパー20またはクラッチを介してミッション
ケース15内に配置したHST(油圧式無段変速装置)
23の油圧ポンプ51の入力軸33に動力が伝えられ、
該入力軸33は油圧ポンプ51を貫通して後方に延出さ
れて、油圧ポンプ51を駆動するとともに、PTO変速
機構26を介してPTO軸27に動力が伝達される。ま
た、前記エンジン2の出力軸近傍に回転数センサー11
3が配置され、エンジンの回転数を検知するようにし、
該回転数センサー113はコントローラ110と接続さ
れている。
51と固定容量型の油圧モータ52から構成され、油圧
ポンプ51を構成する可動斜板53は、後述するアクチ
ュエータとなる油圧シリンダ67の作動により傾倒さ
れ、該油圧シリンダ67は主変速レバー(HSTレバ
ー)7等の操作で駆動されるようにしている。該主変速
レバー7は操縦部9に配置され、図10に示すように、
本実施例ではフェンダー21上に配置されており、フェ
ンダー21上にレバーガイド54を設けて、クランク状
に構成したガイド溝に主変速レバー7を挿入して、該主
変速レバー7の回動基部近傍に主変速レバー7の回動位
置を検知する手段となる角度センサーからなるレバーセ
ンサー111が配置されている。具体的には、主変速レ
バー7の回動軸55をミッションケース15上の油圧ケ
ース56から突出し、該回動軸55からアーム57を突
出し、該アーム57に形成した溝にレバーセンサー11
1のセンサーアーム111aより突出ピンを挿入して回
動を伝え、主変速レバー7の回動位置を検知する構成と
している。該レバーセンサー111はコントローラ11
0と接続されている。
経路の下流側に副変速装置24が設けられ、HST23
の油圧モータ52の出力軸25から副変速装置24に動
力が伝えられ、該副変速装置24は摺動歯車31を摺動
させることによって3段の変速を可能としている。該摺
動歯車31は図示しないシフターにより摺動され、該シ
フターは図11に示す副変速操作軸69と連結され、該
副変速操作軸69はミッションケース15より側方に突
出されて副変速アーム58を固設し、該副変速アーム5
8の先端には副変速レバーリンク59が連結され、該副
変速レバーリンク59の他端は副変速レバー10の端部
に連結されている。こうして副変速レバー10はリンク
機構を介して副変速装置24の摺動歯車31と連動連結
されている。そして、該副変速レバー10は前記主変速
レバー7と反対側の油圧ケース56側面に配置されて、
該油圧ケース56の側面より突出した支点軸60に副変
速レバー10の下部が枢支されている。そして、副変速
レバー10の基部、つまり、支点軸60近傍に副変速レ
バーセンサー116が配置され、該副変速レバーセンサ
ー116のセンサーアーム116aが副変速レバー10
より突出したピンに当接するように配置して、副変速レ
バー10の回動位置を検知する構成としている。但し、
該副変速レバーセンサー116は支点軸10上に配置す
ることもできる。また、副変速レバー10や前記主変速
レバー7はダッシュボード4等に配置することもでき限
定するものではない。
ライブ軸30として、前記副変速装置24で変速された
後の動力が、該ドライブ軸30の後端に設けたドライブ
ピニオン32を介して後輪デフ装置34に動力が伝えら
れ、該後輪デフ装置34より左右のデフヨーク軸35L
・35R、最終減速機構36・36を介して後輪14・
14が駆動される構成としている。この後輪14の回転
数は回転数センサー112で検知され、本実施例ではデ
フヨーク軸35Lの回転を検知する構成としているが、
最終減速機構36の歯車の回転数や後輪14を固定した
車軸の回転数やドライブ軸30の回転数を検知する構成
とすることもできる。
車40が固設され、該前輪駆動歯車40より二連のカウ
ンター歯車41を介して前輪変速装置29に伝えられ
る。該前輪変速装置29は咬合式の4輪駆動クラッチ3
7と前輪増速クラッチ38からなり、両クラッチがOF
Fの場合には後輪のみの2輪駆動となり、路上走行等で
作動される。4輪駆動クラッチ37がONされると、前
輪13・13と後輪14・14が同速で駆動され、作業
時等で作動される。前輪増速クラッチ38は作業時にお
いてハンドル5を設定角度以上回転させると、ONされ
て前輪13・13の駆動速度を後輪14・14よりも増
速し、約2倍の速度で駆動するようにしている。
の動力は出力軸より伝動軸19を介してフロントアクス
ルケース内のフロントデフ装置43に動力が伝達され、
該フロントデフ装置43より両側のデフヨーク軸44L
・44R、最終減速機構45を介して前輪13・13を
駆動するようにしている。
図4に示すように、トラニオン軸(変速軸)61が連結
されて、該トラニオン軸61はHST収納ケース62よ
り突出されて、その先端にシフトアーム63が固定され
ている。該シフトアーム63の一端は角度センサー64
のセンサーアーム64aに係合され、該角度センサー6
4はトラニオン軸61上方のHST収納ケース62上に
固定されて、シフトアーム63(トラニオン軸61)の
回動角を検知している。つまり、HST23の変速位置
を検知し、後述するコントローラ110に接続されてい
る。なお、該角度センサー64はポテンショメータやロ
ータリスイッチやロータリエンコーダ等により構成さ
れ、限定するものではなく、また、角度センサー64は
トラニオン軸61上またはその周囲に配置することも可
能であり、取付位置も限定するものではない。
されて連結リンク65の一端に枢支され、該連結リンク
65の他端は後方へ延出されて、連結アーム66の一端
に枢支され、該連結アーム66の他端がアクチュエータ
となる油圧シリンダ67のピストンロッド先端に枢支さ
れている。該連結アーム66はその中途部がミッション
ケース15側面に固定した支点ブラケット68に立設し
たピンに枢支されている。
てアクチュエータとなる油圧シリンダ67と連動連結さ
れ、該油圧シリンダ67を前記コントローラ110の制
御信号により後述する制御バルブ86を切り換えて伸縮
させることにより、連結アーム66、連結リンク65、
シフトアーム63を介してトラニオン軸61が回動さ
れ、可動斜板53を傾倒することができ、その傾倒角は
角度センサー64で検知され、コントローラ110にフ
ィードバックするようにしているのである。
ジン2の駆動により、第一ポンプ71と第二ポンプ72
とチャージポンプ73と油圧ポンプ51が駆動され、ミ
ッションケース15内の作動油をフィルタを介して吸込
み、該第二ポンプ72からの圧油が図示しない作業機昇
降用の油圧シリンダや作業機水平制御用の油圧シリンダ
へ送油されて駆動できるようにしている。前記第一ポン
プ71の吐出側には分流弁74が接続され、該分流弁7
4はプライオリティバルブとなっており、優先側の分流
油路にHST23と制御用の油圧シリンダ67に接続さ
れ、他方はパワーステアリング用制御バルブ75、及
び、パワステシリンダ76に接続されている。
シリンダ67の制御圧を設定するリリーフバルブ77と
制御バルブ86に接続されてる。該制御バルブ86は、
油圧シリンダ67の伸長を制御する電磁バルブ78と、
縮小を制御する電磁バルブ79と、チャージポンプ73
へ流れる量を制御する電磁バルブ80から構成されてい
る。但し、電磁バルブ78・79・80は一つの電磁バ
ルブで構成することも可能である。該電磁バルブ80は
PWM制御によりデューティー比を調整して開閉制御し
流量を制御することにより、油圧シリンダ67への油圧
を制御するようにしている。
は後述する操作により切り換えられて、油圧シリンダ6
7が伸長または縮小して、可動斜板53の傾倒角を変更
して油圧ポンプ51の吐出量及び吐出方向を変更して、
油圧モータ52の出力軸25を前進回転または後進回転
させ、前進または後進させることができる。前記HST
23は油圧ポンプ51と油圧モータ52の間を油路81
・82により接続して閉回路を構成し、該油路81・8
2の油圧は圧力センサー114・115によって検知さ
れ、該圧力センサー114・115はコントローラ11
0と接続されている。前記閉回路には前記チャージポン
プ73からの圧油がフィルタ83、絞り84、チェック
バルブ85を介して補給可能に接続している。
いて、図6、図7、図8より説明する。前記ダッシュボ
ード4に配設したハンドル軸を支持するステアリング取
付台90に、取付ステー91を介して取付ブラケット9
2が固定され、該取付ブラケット92は断面視コ字状に
構成され、該取付ブラケット92を構成する上プレート
92aと下プレート92bの中央部にレバー回転軸93
がブッシュ94を介して上下方向に回転自在に支持され
ている。
とレバー支持体96が固定され、該シフトプレート95
は前記上プレート92aと平行に固定され、該シフトプ
レート95の一端にはデテントボール係合孔95a・9
5a・95aがレバー回転軸93を中心とした円弧上に
所定間隔を開けて配置されている。一方、前記取付ブラ
ケット92にブッシュ97を固定して、該ブッシュ97
にデテントボール98と付勢バネ99を収納して、デテ
ントボール98を前記デテントボール係合孔95aに向
けて付勢している。こうしてデテント機構を構成してい
る。
5bが開口され、該長孔95bにセンサーアーム100
より突出したピン101を挿入している。該センサーア
ーム100は取付ブラケット92に固定した方向切換ス
イッチ102の検知軸102aに固定し、該方向切換ス
イッチ102により前後進切換レバー8の回動位置を検
出している。該方向切換スイッチ102はコントローラ
110と接続されている。
を平面視U字状に構成して、基部側の谷部に前記レバー
回動軸93が固定され、先端側に支点軸103を横架し
て、該支点軸103に前後進切換レバー8の基部8aを
枢支している。そして、該基部8aはプレート状に構成
して、下端を中立位置で前記下プレート92bに設けた
切欠92cに係合可能とし、該基部8a下端と取付部9
2の間にバネ104を介装して、中立位置に保持して、
誤って当たっても前後進切換レバー8が容易に回動しな
いようにし、操作するときには前後進切換レバー8を一
旦持ち上げて係合を解除し、前方または後方に回動する
ようにし、前進位置または後進位置では前記デテント機
構により保持される構成としている。
行制御コントローラ110には、主変速レバー7の回動
位置(変速位置)を検知する主変速レバーセンサー11
1、副変速レバー10の回動位置(変速位置)を検知す
る副変速レバーセンサー116、前記トラニオン軸61
の回動角を検知する角度センサー64、前後進切換レバ
ー8の回動位置を検知する方向切換スイッチ102、車
軸の回転数を検知する車軸回転数センサー112、エン
ジン2の回転数を検知するエンジン回転数センサー11
3、HST23の油路81・82の圧力を検知する圧力
センサー114・115が接続されている。そして、走
行制御コントローラ110に電磁バルブ78・79のソ
レノイド78a・79aが接続され、コントローラ11
0からの制御信号により電磁バルブ78・79を切り換
えて、油圧シリンダ67を伸縮駆動して可動斜板53の
角度を変更できるようにしている。
(油圧シリンダ67)の制御を図12に示すフローチャ
ートを参照して説明すると。まず、現在の主変速レバー
7の回動位置と、副変速レバー10の回動位置と、トラ
ニオン軸61の回動位置がそれぞれセンサー111・1
16・64によって読み込まれ(201)、次に方向切
換スイッチ102の信号がコントローラ110に入力さ
れて、前後進切換レバー8がどの位置にあるかを判断す
る(202)。
ー8が中立位置に操作された場合には、可動斜板53が
中立位置以外の位置にあると、電磁バルブ78または電
磁バルブ79が作動されて、油圧シリンダ67を伸縮
し、可動斜板53を中立位置へ傾倒させる。つまり、可
動斜板53の目標値を読み込み(203)、この場合主
変速レバー7の位置に関係なく中立位置の値を読み込
む。そして、可動斜板53の現在の位置Tから目標値
(中立)Tmまでの角度(偏差D=Tm−T)を演算し
て(204)、その偏差Dを不感帯(許容)値Kと比較
して(205)、不感帯(許容)(−K≦D≦K)内に
あれば油圧シリンダ67は伸縮させず(207)、この
とき油圧モータ52の出力軸25は回転されない。前進
側に傾倒している場合には(D<−K)、後進側へ油圧
シリンダ67を作動し(208)、後進側に傾倒してい
る場合には(D>K)、前進側へ油圧シリンダ67を作
動させる(206)。なお、前後進切換レバー8が中立
位置において、角度センサー64が中立位置以外の信号
を出力していたり、車軸回転数センサー112から出力
があったり、圧力センサー114と圧力センサー115
の値に差があると油圧モータ52の出力軸25が回転し
ている可能性があるので、この場合は圧力センサー11
4と圧力センサー115の値が同じとなるように、また
は、車軸回転数センサー112から出力がゼロとなるよ
うに油圧シリンダ67を伸縮駆動する。
び副変速レバー10を所望の変速位置に操作し、主変速
レバー7の回動位置は主変速レバーセンサー111によ
って検知され、副変速レバー10の回動位置は副変速レ
バーセンサー116で検知され、コントローラ110に
入力されてその値が読み込まれている。そして、前後進
切換レバー8を上方に持ち上げて基部8aを切欠92c
より解除して、図8(a)の如く前方へ回動すると、方
向切換スイッチ102が前方側回動したと検知してコン
トローラ110に出力し(202)、前記主変速レバー
7で設定された主変速レバーセンサー111の値を読み
込んで目標値をTmを演算し(210)、該目標値Tm
と現在の可動斜板53の傾倒角度(トラニオン軸の角
度)Tから偏差(D=Tm−T)を演算し(204)、
前進側電磁バルブ78を作動させて、主変速レバー7で
設定した走行速度に相当する角度となるまで油圧シリン
ダ67を作動させる。このときの可動斜板53の回動角
は角度センサー64で検知され、主変速レバー7で設定
した角度(目標値)と一致しているか判断して、一致し
た位置で油圧シリンダ67の作動を停止させる。なお、
車軸回転数センサー112からの値によって、設定速度
となった時点で油圧シリンダ67の作動を停止させるこ
ともできる。主変速レバー7をクランク状のレバーガイ
ド54の後方位置に操作したとき、従来通り主変速レバ
ー7のシフト操作により後進が可能となる。
レバー8を後進側へ回動したときは、方向切換スイッチ
102によりその操作が検知されて(202)、本発明
では設定速度以上の速度となると予測される場合にはト
ラニオン軸61(可動斜板53)を中立に戻し、後進し
ないように制御している。つまり、高速変速位置と判断
すると(211)、可動斜板53を中立方向へ回動する
ように(203)油圧シリンダ67を作動させる(20
6、208)。本実施例では、副変速レバー10の操作
位置が3速または4速を高速位置と判断するようにして
いる。なお、高速で後進したい場合には、副変速レバー
10を高速位置に変速して、前後進切換レバー8を前進
側に切り換えて、主変速レバー7をレバーガイド54に
沿って後進側へ回動することによって高速後進が可能と
なる。つまり、高速変速位置においては、主変速レバー
7の操作のみによって、後進操作が可能となるのであ
る。このとき、オペレーターは後進するという意志があ
って後進操作するために、慎重な速度操作で運転するこ
とになり、安全性は確保できる。
バー7の回動角と副変速レバー10の変速位置から後進
速度の予想値Sdを演算し(212)、該予想値Sdと
安全速度Smax を比較し(213)、越える場合には可
動斜板53を中立方向へ回動し(203)、越えない場
合には目標速度となるように前述のように油圧シリンダ
67によって可動斜板53を回動させる。なお、高速変
速位置で前後進切換レバー8を後進側に変速したときに
中立となって走行しなくなるので、この走行しない状態
であることを、操縦部9に設けた表示装着で表示するよ
うにすることもできる。このようにして、オペレーター
が予期しないような状態では高速後進しないようにして
安全性を向上しているのである。
より、次のような効果が得られる。即ち、請求項1の如
く、可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の油圧モータ
を有する油圧式無段変速装置により変速して走行を行な
う油圧駆動車両において、主変速操作具の回動位置を検
知する手段、副変速操作具の変速位置を検知する手段、
前後進切換操作具の回動位置を検出する手段、油圧ポン
プの可動斜板の傾倒角度を検知する手段、該可動斜板の
傾倒角度を変更する手段を設けて、各手段をコントロー
ラと接続するとともに、設定速度以上となる高速変速位
置に変速すると、前後進切換操作具の後進操作では後進
しないように制御したので、高速走行の変速位置の状態
のままで、誤って前後進切換レバーを後進側に切り換え
ても、オペレーターが予期せず高速で後進発進すること
はなく、安全性を向上することができたのである。
ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変
速装置により変速して走行を行なう油圧駆動車両におい
て、主変速操作具の回動位置を検知する手段、副変速操
作具の変速位置を検知する手段、前後進切換操作具の回
動位置を検出する手段、油圧ポンプの可動斜板の傾倒角
度を検知する手段、該可動斜板の傾倒角度を変更する手
段を設けて、各手段をコントローラと接続するととも
に、設定速度以上となる高速変速位置に変速して、前後
進切換操作具を後進側へ操作すると、可動斜板を中立位
置に回動するようにしたので、機体は高速で後方へ発進
することがなく、安全性を向上でき、前後進切換レバー
を回動しても走行しないので、操作に誤りがあることを
オペレーターに容易に認識させることができる。
う場合には、前後進切換操作具を前進位置にして、主変
速操作具を後進位置に操作することにより、オペレータ
ーが後進の速度を確実に認識して運転動作を行なうこと
になり、安全性を確保することができる。
である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
走行を行なう油圧駆動車両において、主変速操作具の回
動位置を検知する手段、副変速操作具の変速位置を検知
する手段、前後進切換操作具の回動位置を検出する手
段、油圧ポンプの可動斜板の傾倒角度を検知する手段、
該可動斜板の傾倒角度を変更する手段を設けて、各手段
をコントローラと接続するとともに、設定速度以上とな
る高速変速位置に変速すると、前後進切換操作具の後進
操作では後進しないように制御したことを特徴とする油
圧駆動車両の変速装置。 - 【請求項2】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
走行を行なう油圧駆動車両において、主変速操作具の回
動位置を検知する手段、副変速操作具の変速位置を検知
する手段、前後進切換操作具の回動位置を検出する手
段、油圧ポンプの可動斜板の傾倒角度を検知する手段、
該可動斜板の傾倒角度を変更する手段を設けて、各手段
をコントローラと接続するとともに、設定速度以上とな
る高速変速位置に変速して、前後進切換操作具を後進側
へ操作すると、可動斜板を中立位置に回動することを特
徴とする油圧駆動車両の変速装置。 - 【請求項3】 高速変速位置においては、主変速操作具
の操作のみによって、後進操作が可能とすることを特徴
とする請求項1もしくは請求項2記載の油圧駆動車両の
変速装置。
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