JP2002244116A - 液晶光学素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子及びその製造方法

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JP2002244116A
JP2002244116A JP2001035960A JP2001035960A JP2002244116A JP 2002244116 A JP2002244116 A JP 2002244116A JP 2001035960 A JP2001035960 A JP 2001035960A JP 2001035960 A JP2001035960 A JP 2001035960A JP 2002244116 A JP2002244116 A JP 2002244116A
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light
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crystal optical
interference exposure
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JP2001035960A
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Tomohisa Goto
智久 五藤
Ken Sumiyoshi
研 住吉
Hiroji Mimura
広二 三村
Hideya Murai
秀哉 村井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体積空間から波長の異なる複数の色を選択
反射することができ、しかも、R(赤)、G(緑)、B
(青)を効率良く反射することで明るい白色を表示する
ことができる液晶光学素子及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の液晶光学素子は、一対の基板
1,2間に、透明性固体材料と液晶とを含む調光層5を
設け、この調光層は透明性固体材料と液晶との比率が周
期的に変化する周期構造を複数種備えたものであり、か
つ、これらの周期構造は周期間隔6、7が互いに異なる
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の波長の光を
制御する液晶光学素子及びその製造方法に関し、特に、
文字、図形等を表示する表示装置、入射光の反射または
透過と遮断を制御するライトバルブ等に用いて好適な液
晶光学素子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、入射光の反射または透過を制御す
る光学素子の一つとして、反射型の液晶光学素子がある
(例えば、特開平5−134266号公報参照)。この
液晶光学素子は、規則的に並んだ液晶滴と高分子材料の
屈折率差に起因する光の干渉を利用して光の反射/透過
を制御するもので、ホログラフィック高分子分散液晶光
学素子(HPDLC)と称されている。この液晶光学素
子では、高分子材料の屈折率は液晶滴の常光屈折率近傍
に設定されているので、電圧が無印加の状態では、液晶
滴中の液晶分子はランダムに配向しており、高分子材料
と屈折率差が生じている。この屈折率差と液晶滴の周期
により特定の波長の光が選択的に反射されるのである。
【0003】ここで、この液晶光学素子に電圧を印加し
ていくと、高分子材料と液晶滴との屈折率差が小さくな
り、選択的に反射される光強度が低下していく。この液
晶光学素子は、偏光板を要しないため光の利用効率が高
い、TFT(薄膜トランジスタ)、メタルインシュレー
ターメタル(MIM:Metal Insulator Metal)のアク
ティブ素子での駆動が可能、という利点を有している。
なお、同様に透過と散乱を制御する光学素子としては、
ネマチックな液晶材料を用いた液晶光学装置がある(特
公平3−52843号公報参照)。また、多色の反射光
を制御する表示素子として、R(赤)、G(緑)、B
(青)の各色を選択反射する画素を並置あるいは積層し
た表示素子が提案されている(特開平5−134266
号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のホログラフィック高分子分散液晶素子は、1種類の
二光束干渉露光で製造されているため、選択反射光の半
値幅が狭いという問題点があった。この問題点を解決す
る方法として、2種類の二光束干渉露光を同時に行う方
法が提案されているが、この方法では、不必要な干渉パ
ターンが発生し、その結果、目的とする選択反射光以外
の反射光が観察されてしまうという問題点がある。この
ように、従来のホログラフィック高分子分散液晶素子で
は、選択反射波長だけを形成することが非常に難しい。
【0005】また、上述したホログラフィック高分子分
散液晶素子では、白色表示を得るための構造として、R
(赤)、G(緑)、B(青)を一平面上に並置した並置
構造あるいは上下方向に積層した積層構造が提案されて
いる。しかしながら、並置構造では、画素を分割してい
るため、より微細な画素パターンを作製することが必要
となり、製造プロセスが複雑となるという問題点があっ
た。また、積層構造では、光学素子を構成する調光層、
基板、電極層の数が増えるために、不要な反射や吸収が
増加し、結果として反射光または透過光の強度が低下す
るという問題点があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、一体積空間から波長の異なる複数の色を選
択反射することができ、しかも、R(赤)、G(緑)、
B(青)を効率良く反射することで明るい白色を表示す
ることができる液晶光学素子及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次の様な液晶光学素子及びその製造方法を
採用した。すなわち、本発明の請求項1記載の液晶光学
素子は、一対の基板間に、少なくとも透明な固体と液晶
とを含む調光層が設けられ、前記透明な固体と前記液晶
との比率が前記調光層内で周期的に変化する周期構造を
複数種備え、これらの周期構造は周期間隔が互いに異な
ることを特徴とする。
【0008】請求項2記載の液晶光学素子は、請求項1
記載の液晶光学素子において、前記基板間に複数の画素
領域が形成され、各々の画素領域は前記複数種の周期構
造を備えていることを特徴とする。
【0009】請求項3記載の液晶光学素子は、請求項1
または2記載の液晶光学素子において、前記複数種の周
期構造は、それぞれの周期構造が互いに異なる波長の可
視光を選択的に反射することを特徴とする。
【0010】請求項4記載の液晶光学素子は、請求項
1、2または3記載の液晶光学素子において、前記複数
種の周期構造は、少なくとも3種類の周期構造とされ、
各周期構造は、赤色光、緑色光、青色光のいずれか1種
を互いに重ならない様に選択的に反射することを特徴と
する。
【0011】請求項5記載の液晶光学素子は、請求項1
ないし4のいずれか1項記載の液晶光学素子において、
前記調光層は、外部から負荷が加わらない場合に白色光
を選択的に反射し、外部から負荷が加わった場合に透明
状態となることを特徴とする。
【0012】請求項6記載の液晶光学素子の製造方法
は、一対の基板間に、少なくとも透明な固体と液晶とを
含む調光層が設けられ、前記透明な固体と前記液晶との
比率が前記調光層内で周期的に変化する周期構造を複数
種備え、これらの周期構造は周期間隔が互いに異なる液
晶光学素子の製造方法であって、前記透明な固体の前駆
体、前記液晶および重合開始剤を含む溶液を一対の基板
で挟持し、その後、前記溶液に対し少なくとも2種類以
上の二光束干渉露光を時分割露光することを特徴とす
る。
【0013】請求項7記載の液晶光学素子の製造方法
は、請求項6記載の液晶光学素子の製造方法において、
前記時分割露光の周期が1Hz以上であることを特徴と
する。
【0014】請求項8記載の液晶光学素子の製造方法
は、請求項6または7記載の液晶光学素子の製造方法に
おいて、前記時分割露光における1周期内の露光時間比
(デューティー)を変化させることを特徴とする。
【0015】請求項9記載の液晶光学素子の製造方法
は、請求項6、7または8記載の液晶光学素子の製造方
法において、前記二光束干渉露光の各干渉露光に用いる
レーザ光の偏光が異なることを特徴とする。
【0016】請求項10記載の液晶光学素子の製造方法
は、請求項6ないし9のいずれか1項記載の液晶光学素
子の製造方法において、前記二光束干渉露光の各干渉露
光における光強度が異なることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の液晶光学素子及びその製
造方法の一実施の形態について図面に基づき説明する。
図1は、本実施の形態の液晶光学素子を示す断面図であ
り、図において、符号1、2は基板であり、これらの基
板1、2の内側表面には、各々電極層3、4が形成され
ており、これら電極層3、4間には、少なくとも透明性
固体材料(透明な固体)と液晶とを含む調光層5が形成
されている。
【0018】基板1、2は、ガラス、プラスチック等が
使用できる。これらの基板1,2は光学素子として機能
するために、使用の際には少なくとも一方、すなわち少
なくとも入射側の基板1が光学的に透明であることが必
要である。基板1、2の間隔設定には、通常のガラスま
たは高分子樹脂等から成るロッド状、球状のスペーサー
を使用することができ、その間隔は2μm以上50μm
以下程度が望ましい。
【0019】調光層5は、透明性固体材料と液晶との比
率が周期的に変化する周期構造を備えたものであり、周
期間隔6と周期間隔7というように周期構造の周期間隔
が一体積空間中(一画素領域)に2種類以上存在する。
この調光層5における一体積空間とは、一つの画素電極
部を示し、詳しくは、一対の電極間に挟持された部分を
示す。すなわち、一般の液晶光学素子におけるR、G、
Bに画素を空間分割した構成は本実施形態の液晶光学素
子における3つの体積空間となる。本実施形態の調光層
5が選択反射する複数の波長の光は、必ずしも同一方向
である必要はないが、加法混色により異なる色を表示さ
せる場合は、同一であることが望ましい。
【0020】調光層5の厚みは、外部負荷の種類に対応
して任意に設定できるが、電界を利用する場合は2μm
〜50μmの範囲の厚みが望ましい。また、本実施形態
における波長の異なる二つの可視光を同一空間(同一画
素領域)から選択反射することは、異なる外部負荷を印
加することにより色が変化することを示す。ここで、透
明性固体材料とは、透明性固体材料前駆体を光重合させ
て高分子化したものである。透明性固体材料前駆体につ
いては後述する。
【0021】液晶としては、ネマチック液晶、スメクチ
ック液晶、コレステリック液晶等が好適に用いられる
が、素子の構成、駆動方法により正の誘電異方性を有す
る液晶を利用することもできるし、負の誘電異方性を有
する液晶を利用することもできる。また、周波数により
誘電異方性の符号が変化する2周波駆動液晶も利用でき
る。低駆動電圧および高反射率特性の点からは、誘電率
の異方性が大きく、かつ屈折率の異方性が大きいものが
望ましい。また、本実施形態の素子をTFT等の能動素
子として駆動させるためには、液晶の電気抵抗が大き
く、電荷保持率が大きいことが望ましく、フッ素系、塩
素系等の高抵抗の液晶が利用できる。
【0022】本実施形態の液晶光学素子は、特定の波長
の光を回折し選択反射する反射型素子に利用できるが、
反射型の光学素子とする場合は光吸収層を付加すること
が望ましい。光吸収層の位置としては、調光層5を形成
した基板2の反対の面に付加することもできるし、電極
層4の上に光吸収層を直接形成することもできる。この
場合、光吸収層と調光層5との間にガラス等の基板が無
いため、不要な反射等を抑制できる。
【0023】また、この調光層5と光吸収層の保護のた
めに、保護膜や保護基板を付与することもできる。光吸
収層は可視光を吸収する物質で構成されていれば無機物
でも有機物でも構わない。吸収強度または吸収波長は目
的とする素子特性により任意に変更できるが、一般に黒
色であることが望ましい。また、本実施形態の液晶光学
素子は反射型のみならず透過型としても用いることがで
きる。すなわち、透過型としては、特定の波長を通さな
いフィルタとして利用できる。本実施形態の液晶光学素
子における外部負荷を電界とした場合の電極層の材料と
しては、ITO(Indium Tin Oxide)等の通常の電極材
料が利用できる。
【0024】また、使用する基板自体が導電性を有して
いる場合は、基板を電極としても利用することもでき
る。また、TFT、MIM等のアクティブ素子を付加す
ることもできる。さらに、必要に応じ電極層をパターニ
ングすることもできる。また、電極の形状、配置は、目
的とする反射光により任意に設定できる。
【0025】本実施形態に係る液晶光学素子は、図1に
示すように入射光11のある特定の波長を回折し、外部
負荷に応じて、各々波長の異なる反射光12および/ま
たは反射光13を選択反射、あるいは透過吸収する。な
お、本実施形態において反射とはブラッグ反射を示し、
周期構造の方向により光を反射する場合もあるし、光を
屈折させる場合もある。
【0026】ここで、上述した透明性固体材料前駆体と
しては、下記に挙げるものが好適に用いられるが、下記
に限定されるものではない。2−エチルヘキシルアクリ
レート、ブチルエチルアクリレート、ブトキシエチルア
クリレート、2−シアノエチルアクリレート、ベンジル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−エトキシエチルアク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、グリシジルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、モルホリン
アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノ
キシジエチレングリコールアクリレート、2,2,2−
トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピルアクレート、2,2,3,3
−テトラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチルアクリレート等の単
官能アクリレート化合物。
【0027】あるいは、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ブチルエチルメタクリレート、ブトキシエチルメ
タクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エトキシ
エチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロ
ペンテニルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボニ
ルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、モルホリンメタクリレート、フェノ
キシエチルメタクリレート、フェノキシジエチレングリ
コールメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキ
サフルオロブチルメタクリレート等の単官能メタクリレ
ート化合物。
【0028】あるいは、4,4’−ビフェニルジアクリ
レート、ジエチルスチルベストロールジアクリレート、
1,4−ビスアクリロイルオキシベンゼン、4,4’−
ビスアクリロイルオキシジフェニルエーテル、4,4’
−ビスアクリロイルオキシジフェニルメタン、3,9−
ビス[1,1−ジメチル−2−アクリロイルオキシエチ
ル]−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウン
デカン、α、α’−ビス[4−アクリロイルオキシフェ
ニル]−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビ
スアクリロイルオキシテトラフルオロベンゼン、4,
4’−ビスアクリロイルオキシオクタフルオロビフェニ
ル、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレー
ト、グリセロールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等
の多官能アクリレート化合物。
【0029】あるいは、トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
モノヒドロキシペンタアクリレート、4,4’−ジアク
リロイルオキシスチルベン、4,4’−ジアクリロイル
オキシジメチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイル
オキシジエチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイル
オキシジプロピルスチルベン、4,4’−ジアクリロイ
ルオキシジブチルスチルベン、4,4’−ジアクリロイ
ルオキシジペンチルスチルベン、4,4’−ジアクリロ
イルオキシジヘキシルスチルベン、4,4’−ジアクリ
ロイルオキシジフルオロスチルベン、2,2,3,3,
4,4−ヘキサフルオロペンタンジオール 1,5−ジ
アクリレート、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル−1,3−ジアクリレート、ウレタンアクリ
レートオリゴマー等の多官能アクリレート化合物。
【0030】あるいは、ジエチレングリコールジメタク
リレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジシク
ロペンタニルジメタクリレートグリセロールジメタクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
メタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジ
ペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレ
ート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロペンタ
ンジオール1,5−ジメタクリレート、ウレタンメタク
リレートオリゴマー等の多官能メタクリレート化合物、
スチレン、アミノスチレン、酢酸ビニル等。
【0031】さらに、フッ素元素を含む透明性固体材料
前駆体としては、2,2,3,3,4,4−ヘキサフル
オロペンタンジオール1,5−ジアクリレート、1,
1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロピル−1,3
−ジアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルア
クリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロ
ピルアクレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロ
ピルアクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロ
エチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオ
ロプロピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−
ヘキサフルオロブチルメタクリレート、フッ素含有ウレ
タンアクリレートオリゴマー等を含む化合物が挙げられ
る。
【0032】これらの透明性固体材料前駆体は単独で利
用することもできるし、二種類以上を混合することもで
きるが、光硬化後の透明性固体材料の強度や安定性か
ら、透明性固体材料前駆体は少なくとも1種類の多官能
性の化合物を含有していることが好ましい。一方、透明
性固体材料前駆体および透明性固体材料は光学的に等方
性であることに限定されず、光学異方性を有していても
良い。すなわち、透明性固体材料の前駆体は液晶性を有
していても構わない。
【0033】また、透明性固体材料の屈折率およびその
異方性は、目的とする液晶光学素子の反射特性または透
過特性により任意に設定できる。その一例として、高分
子材料の屈折率を液晶の常光屈折率またはその近傍の値
に設定した場合がある。この透明性固体材料前駆体は、
光照射による重合を起しやすくするために、光重合開始
剤を添加することが望ましい。
【0034】光重合開始剤としては、具体的には、アセ
トフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオ
キサンソン系等の通常の光重合開始剤が使用できる。例
えば、カンファーキノン、5,7−ヨード−3−ブトキ
シ−6−フルオレン、ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロチオ
キサンソン、2−メチルチオキサンソン等、およびこれ
らの化合物の誘導体等である。
【0035】光重合開始剤は、固体でも液体でも構わな
いが、素子の均一性の点から液晶中に溶解または相溶す
るものが望ましい。この光重合開始剤の濃度は透明性固
体材料前駆体の30重量%以下が好ましい。また、必要
に応じて、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルア
ミノ安息香酸等の光重合開始助剤を添加することもでき
る。さらに、光重合開始剤の吸収励起波長が光重合に使
用する可視光の光源の波長と合わなければ、長波長の可
視光を吸収して重合開始剤にエネルギートランスファー
する光増感色素を添加することができる。
【0036】光増感色素は、可視光により励起され、エ
ネルギーを光重合開始時に移動させるものであればいず
れのものでも構わない。光増感色素の例としては、クマ
リン系色素、ケトクマリン系色素、ローダミン系色素、
オキサジン系色素、カルボシアニン系色素、ジカルボシ
アン系色素、トリカルボシアン系色素、テトラカルボシ
アン系色素、ペンタカルボシアン系色素、オキソノール
系色素、スチリル系色素、キサンテン系色素、メロシア
ニン系色素、ローダシアニン系色素、ポルフィリン系色
素、アクリジン系色素等が挙げられるが、これらに限定
されるものでは無い。
【0037】本実施形態の液晶光学素子における透明性
固体材料の屈折率または液晶の屈折率とは、液晶光学素
子を形成した後の屈折率を示し、各材料単独の場合もあ
るし、各材料の混合等により各材料単独の場合と異なる
場合もある。また、屈折率のミスマッチングとは、透明
性固体材料と液晶との屈折率が異なることを示す。な
お、本実施形態において透明性固体材料と液晶の屈折率
が異なるということは、調光層5内に周期構造を形成し
た時に可視光等を選択反射、すなわちブラッグ反射する
ことを示す。屈折率差の値は0.0001以上、好まし
くは0.01以上、さらに好ましくは0.02以上であ
る。
【0038】図2及び図3は、本実施の形態の液晶光学
素子の他の例を示す断面図であり、図2は調光層21に
外部から負荷が加わらない場合、図3は調光層21に外
部から負荷が加わった場合、をそれぞれ示している。こ
の調光層21は、周期間隔22〜24というように周期
構造の周期間隔が一体積空間中(一画素領域)に3種類
あるもので、各周期構造が、赤色光(R)、緑色光
(G)、青色光(B)のいずれか1種を互いに重ならな
い様に選択的に反射している。
【0039】この液晶光学素子によれば、赤色光
(R)、緑色光(G)、青色光(B)の加法混色により
白色を表示することができる。例えば、調光層21に外
部から負荷が加わらない場合、図2に示すように白色光
25を選択的に反射し、外部から負荷が加わった場合、
図3に示すように透過光26が透過する状態となる。
【0040】本実施形態の液晶光学素子における周期構
造の代表的なものを図4に示す。この周期構造27は、
液晶28と透明性固体材料29が交互に配置された構造
で、この周期性の周期間隔に起因したある特定の波長が
ブラッグ反射すなわち選択反射されるものであり、選択
反射光の波長は周期間隔および透明性固体材料29の屈
折率と液晶28の屈折率により任意に設定できる。な
お、周期構造は、必ずしもその周期性が基板平面に平行
である必要はなく、基板平面に対して傾斜していても良
いし、基板平面に垂直に配列していても構わない。
【0041】ここで、液晶の領域の大きさが周期的に変
化する構造の具体的態様としては、透明性固体材料の中
に小さな液晶の領域、すなわち小ドロップレットが形成
された層と、大きな液晶の領域、すなわち大ドロップレ
ットが形成された層とが、交互に形成されている構造が
挙げられる。なお、上記何れの層構造においても、各層
は、隣接する層と必ずしも明確に区別できるものでなく
てもよく、漸次隣接する層の構成に変化する構造であっ
てもよい。
【0042】この液晶光学素子を製造する場合、主とし
て干渉光の光強度が強い領域において透明性固体材料前
駆体が硬化し、主として干渉光の光強度が弱い領域にお
いて液晶が集るので、干渉幅に対応した周期構造が形成
できる。なお、周期構造は、基板に平行に形成すること
ができるが、必ずしもこれに限定されず、基板平面に対
して傾斜して配列した構造や、基板平面に対して垂直に
配列した構造としてもよい。また、周期構造が湾曲して
いても構わない。
【0043】次に、本実施形態の液晶光学素子の製造方
法について説明する。本実施形態の液晶光学素子の製造
方法は、二枚の基板間に透明性固体材料の前駆体材料、
液晶および重合開始剤の混合溶液を挟持し、その後、少
なくとも二種類以上の二光束干渉露光を時分割露光す
る。この二光束干渉露光の光源には、通常のレーザー等
のコヒーレント光源が利用できる。例えば、アルゴンイ
オンレーザー等のガスレーザーやNd−YAG等の固体
レーザーがある。なお、選択反射波長は照射光の波長お
よび交差角度を調整することにより任意に設定できる。
【0044】本実施形態における一体積中に2つ以上の
周期構造を製造する方法とは、同一部に二種類以上の二
光束干渉露光を時分割露光して形成するものである。こ
こで、二光束干渉露光を行うために用いられる二光束干
渉露光装置について図面に基づき説明する。図5は二光
束干渉露光方法に適用される二光束干渉露光装置を示す
構成図であり、図において、符号31はレーザ光源、3
2はレーザ光束、33はEO変調器、34は波形発生
器、35〜37はビームスプリッタ、38〜41はミラ
ー、42はHPDLC前駆体セルである。この二光束干
渉露光装置では、1本のコヒーレント光源を複数のビー
ムスプリッタ35〜37で分岐して複数の二光束干渉露
光を行うことができる。
【0045】図6は二光束干渉露光方法に適用される二
光束干渉露光装置の他の例を示す構成図であり、図にお
いて、符号51、52はレーザ光源、53、54はレー
ザ光束、55、56はEO変調器、57は波形発生器、
58〜61はビームスプリッタ、62〜65はミラー、
66はHPDLC前駆体セルである。この二光束干渉露
光装置では、異なる波長のコヒーレント光源を複数使用
して二種類以上の二光束干渉露光を行うことができる。
【0046】また、以上の方法を組み合わせても構わな
い。なお、二光束干渉露光の時分割の周期としては、1
Hz以上が望ましい。1Hz以下の周期で二種類以上の
二光束干渉露光を行うと二種類以上の周期構造が均等に
形成されないという問題が発生する。なお、本発明の時
分割露光における1周期内の露光時間比(デューティ
ー)は、任意に設定でき、露光時間により選択反射強度
を制御することができる。
【0047】ここで、図5に示す二光束干渉露光装置を
用いて、少なくとも二種類以上の二光束干渉露光を時分
割露光する方法について説明する。まず、1つのレーザ
ー光源を複数のビームスプリッターで分岐して複数の二
光束干渉露光を時分割で行う方法を説明する。レーザ光
源31からのレーザ光束32をEO変調器33で2つに
分岐し、さらにそれぞれのレーザ光をビームスプリッタ
ー35〜37で分岐することにより、2種類の二光束干
渉露光の光学系を作製する。
【0048】この光学系では、波形発生器34からEO
変調器33に入力する信号により第一の二光束干渉露光
と第二の二光束干渉露光の時間を任意に変更することが
できる。HPDLC前駆体セル42をレーザ光の交差位
置に設置することにより、このHPDLC前駆体セル4
2内のHPDLC前駆体溶液にレーザ干渉光のエネルギ
ーが与えられる。
【0049】図7はEO変調器の駆動波形を示してい
る。このとき、時間T1では、第一の二光束干渉露光に
よる干渉パターンで、特定間隔(たとえば2500Å間
隔)でレーザ光に強弱が生じたパターンが得られる。次
に時間T2では、第二の二光束干渉露光による干渉パタ
ーンで、特定間隔(たとえば2000Å間隔)でレーザ
光に強弱が生じたパターンが得られる。なお、時分割を
行っているため、第一の二光束干渉露光と第二の二光束
干渉露光が同時に行われることはないため、第一の二光
束干渉露光と第二の二光束干渉露光から別の干渉パター
ンが生成することはなく、目的とする選択反射波長の光
だけが得られる。
【0050】なお、図7は時間T1と時間T2が同じ場
合、すなわち、第一の二光束干渉露光と第二の二光束干
渉露光の時間が同じ場合であるが、図8のように、時間
T1と時間T2が異なるように設定することもできる。
それにより、選択反射光の強度の比を任意に変更するこ
とが可能となる。
【0051】また、EO変調器34による時分割露光で
は、各光路に波長板を設置することができる。図9は、
この二光束干渉露光装置を示す構成図であり、図におい
て、符号71、72は波長板であり、これ以外の構成要
素については図5に示す二光束干渉露光装置と全く同様
である。この二光束干渉露光装置では、各光学系で偏光
方向を変えることで、より確実に必要な干渉構造のみを
形成させることができる。
【0052】なお、二光束干渉露光では、光の強弱は光
の波長と2つの光の入射角により決定される微細な間隔
で生ずる。このとき、HPDLC前駆体溶液中の透明性
固体材料前駆体は、主として干渉光の光強度が強い領域
で硬化する。このため、光の弱い領域には主に液晶が集
る。この結果、液晶のみを含んだ、またはこれを多く含
んだ層と、透明性固体材料のみを含んだ、またはこれを
多く含んだ層とが分離された微細な多層構造が作製でき
る。
【0053】また、レーザ光の強度が強く、硬化速度が
速くなると、液晶は液晶ドロップレットとして析出す
る。この液晶ドロップレットの大きさは硬化速度が速い
ほど小さい。すなわち、光の干渉により光の強度が強ま
った領域にたとえば直径数100Åの小さい液晶ドロッ
プレットが形成されるようになる。また、光強度が弱い
領域には、たとえば直径1000Å程度かそれ以上の大
きさの液晶ドロップレットが形成される。このとき、小
さな液晶ドロップレットが形成された小ドロップレット
層と、硬化速度が比較的遅い領域に大きな液晶ドロップ
レットが形成された大ドロップレット層との多層構造が
できる。
【0054】そして、小ドロップレット層と大ドロップ
レット層とでは液晶材料等の含有率が異なるので、液晶
性高分子材料と液晶材料との比率が異なる多層構造から
なる周期構造を形成することができる。また、この二光
束干渉露光では、2つのレーザー光の照射方向を変える
ことによって周期構造の方向、間隔を任意に変えること
ができる。
【0055】ここで、図6に示す二光束干渉露光装置を
用いて、異なる波長の2つのレーザ光源を使用して二種
類の二光束干渉露光を行う方法について説明する。2つ
のレーザ光源51、52にそれぞれEO変調器55、5
6を設置する。EO変調器55、56はON−OFFの
シャッターとして利用するため、各EO変調器55、5
6から出射される2本のレーザ光の一方は露光には使用
しない。なお、2つのEO変調器55、56は同期させ
ておく。それぞれのEO変調器55、56を通ったレー
ザ光をビームスプリッタ60、61で分岐することによ
り、2種類の二光束干渉露光の光学系が作製できる。
【0056】この光学系では、波形発生器57からEO
変調器55、56に入力する信号により第一の二光束干
渉露光と第二の二光束干渉露光の時間を任意に変更する
ことができる。HPDLC前駆体セル66をレーザ光の
交差位置に設置することにより、HPDLC前駆体溶液
にレーザー干渉光のエネルギーが与えられる。このと
き、時間T1では第一の二光束干渉露光による干渉パタ
ーンで、特定間隔(たとえば2500Å間隔)でレーザ
ー光に強弱が生じたパターンが得られる。次に時間T2
では、第二の二光束干渉露光による干渉パターンで、特
定間隔(たとえば2000Å間隔)でレーザー光に強弱
が生じたパターンが得られる。
【0057】なお、時分割を行っているため、第一の二
光束干渉露光と第二の二光束干渉露光で2つの周期構造
を独立して製造できるため、周期構造をより明確なもの
とし、強い選択反射特性する液晶光学素子が得られる。
なお、EO変調器を使用しないで、第一の二光束干渉露
光と第二の二光束干渉露光を同時に行った場合、レーザ
ー光が異なるために不要な干渉パターンは発生せず、不
要な反射ピーク形成は抑制されるが、2つの周期構造が
同時に形成されてしまうため、周期構造が不明確なもの
となり、液晶光学素子の選択反射強度は低くなる。
【0058】次に、本発明の実施例及び比較例について
説明する。 「実施例1」まず、5μmのガラスロッドをスペーサー
として、ITO電極を有する2枚のガラス基板を用いて
空セルを作製した。次に、正の誘電率異方性のネマチッ
ク液晶BL36(メルク社製)0.3部と、透明性固体
材料前駆体ラックストラックLCR208(東亜合成社
製)0.69部、光重合開始剤BTTB0.005部、
光増感色素0.005部の混合溶液を作製し、この混合
溶液を上述した空セルに注入し、HPDLC前駆体セル
を作製した。
【0059】次に、波長488nmのレーザ光源をEO
変調器で光路を切替え、さらにそれぞれのレーザ光を分
岐し、2種類の二光束干渉露光の光学系を作製した。こ
のとき、一方の二光束干渉露光の交差角を180度、も
う一方の二光束干渉露光の交差角を90度とした。この
光学系を使用し、室温下でHPDLC前駆体セルに干渉
露光を行った。なお、EO変調器は10Hzで切り替え
た(露光時間比は1:1)。製造された液晶光学素子は
電圧無印加時で緑色と青色の光を同時に選択反射した
(図10)。緑色と青色の反射強度はほぼ1:1であっ
た。この素子に電圧(100Hz、100Vの矩形波)
を印加したところ、2つの選択反射波長は同時に消失し
た。
【0060】「実施例2」時分割露光における1周期内
の露光時間比(デューティー)を3:7に変更した以外
は全て実施例1と同じ条件で液晶光学素子を製造した。
液晶光学素子は電圧無印加時で緑色と青色の光を同時に
選択反射し、緑色と青色の反射強度比は約1:3であっ
た。この素子に電圧(100Hz、100Vの矩形波)
を印加したところ2つの選択反射波長は同時に消失し
た。
【0061】「実施例3」まず、5μmのガラスロッド
をスペーサーとして、ITO電極を有する2枚のガラス
基板を用いて空セルを作製した。次に、正の誘電率異方
性のネマチック液晶BL36(メルク社製)0.3部と
透明性固体材料前駆体ラックストラックLCR208
(東亜合成社製)0.69部、光重合開始剤BTTB
0.005部、光増感色素0.005部の混合溶液を作
製し、この混合溶液を上述した空セルに注入し、HPD
LC前駆体セルを作製した。
【0062】次に、光源として波長488nmのレーザ
ー(第一の二光束干渉露光の光学系)と波長532nm
のレーザー(第二の二光束干渉露光の光学系)を使用し
て2種類の二光束干渉露光の光学系を作製した。このと
き、一方の二光束干渉露光の交差角を90度、もう一方
の二光束干渉露光の交差角を180度とした。この光学
系を使用し、室温下でHPDLC前駆体セルに干渉露光
を行った。なお、時分割は10Hzで行った。製造され
た液晶光学素子は電圧無印加時で青色と赤色の光を同時
に選択反射した。この素子に電圧(100Hz、100
Vの矩形波)を印加したところ2つの選択反射波長は同
時に消失した。
【0063】「実施例4」まず、5μmのガラスロッド
をスペーサーとして、ITO電極を有する2枚のガラス
基板を用いて空セルを作製した。次に、正の誘電率異方
性のネマチック液晶BL36(メルク社製)0.3部と
透明性固体材料前駆体ラックストラックLCR208
(東亜合成社製)0.68部、光重合開始剤BTTB
0.010部、488nm用光増感色素0.005部およ
び532nm用光増感色素0.005部の混合溶液を作
製し、この混合溶液を上述した空セルに注入し、HPD
LC前駆体セルを作製した。
【0064】次に、波長488nmのレーザ光源をEO
変調器で光路を切替え、さらにそれぞれのレーザー光を
分岐し、2種類の二光束干渉露光の光学系を作製し、さ
らにこの光学系に波長532nmのレーザ光源およびE
O変調器を加え、3種類の二光束干渉露光の光学系を作
製した。
【0065】このとき、488nmのレーザー光の一方
の二光束干渉露光の交差角を180度(第一の二光束干
渉露光の光学系)、もう一方の二光束干渉露光の交差角
を90度(第ニの二光束干渉露光の光学系)とした。ま
た、532nmのレーザ光の二光束干渉露光の交差角を
90度(第三の光学系)とした。2つのEO変調器を同
期させ、時分割露光の周期を10Hzとし、第一、第
二、第三の光学系のデューティ−比を3:3:4とした。
干渉露光は室温下で行った。製造された液晶光学素子は
電圧無印加時で白色光を選択反射した(図11)。この
素子に電圧(100Hz、100Vの矩形波)を印加し
たところ白色光は消失した。
【0066】「比較例1」時分割露光を行わないで、2
種類の二光束干渉露光を同時に行う以外は、実施例1と
同様の方法で行った。製造された液晶光学素子は電圧無
印加時で緑色と青色以外に複数の波長の光を同時に選択
反射した。結果として、選択反射光の色純度は著しく低
下した。
【0067】本実施の形態によれば、一体積空間より複
数の色を反射させることができるため、反射波長領域が
拡大し、明るい表示が得られる。また、周期構造の周期
間隔が一体積空間中に3種類あり、その周期構造がそれ
ぞれ赤色、緑色、青色の光を選択的に反射する構成とす
れば、R、G、Bの加法混色により白色を表示すること
ができる。以上により、一体積空間から波長の異なる複
数の色を選択反射する新しい液晶光学素子を提供するこ
とができる。
【0068】以上、本発明の液晶光学素子及びその製造
方法の一実施の形態について図面に基づき説明してきた
が、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可
能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の液晶光学素
子によれば、一対の基板間に、少なくとも透明な固体と
液晶とを含む調光層が設けられ、前記透明な固体と前記
液晶との比率が前記調光層内で周期的に変化する周期構
造を複数種備え、これらの周期構造は周期間隔が互いに
異なることとしたので、一体積空間より複数の色を反射
させることができ、反射波長領域を拡大することがで
き、明るい表示を得ることができる。したがって、一体
積空間から波長の異なる複数の色を選択反射する新しい
液晶光学素子を提供することができる。
【0070】本発明の他の液晶光学素子によれば、前記
複数種の周期構造を少なくとも3種類の周期構造とし、
各周期構造を、赤色光、緑色光、青色光のいずれか1種
を互いに重ならない様に選択的に反射することとしたの
で、赤色、緑色、青色の加法混色により、明るい白色を
表示することができる。
【0071】本発明の液晶光学素子の製造方法によれ
ば、透明な固体の前駆体、前記液晶および重合開始剤を
含む溶液を一対の基板で挟持し、その後、前記溶液に対
し少なくとも2種類以上の二光束干渉露光を時分割露光
するので、一体積空間より複数の色を反射させることが
でき、反射波長領域を拡大することができ、明るい表示
を得ることができる液晶光学素子を、容易に作製するこ
とができる。また、特に高価な製造装置を必要としない
ので、製造コストが上昇するおそれがなく、製品を比較
的安価で提供することができる。
【0072】以上により、一体積空間から波長の異なる
複数の色を選択反射することができ、しかも、R
(赤)、G(緑)、B(青)を効率良く反射することで
明るい白色を表示することができる液晶光学素子及びそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子を示す
断面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子の他の
例の構成及び動作を示す断面図である。
【図3】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子の他の
例の構成及び動作を示す断面図である。
【図4】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子の周期
構造の代表例を示す断面図である。
【図5】 本発明の一実施の形態の二光束干渉露光方法
に適用される二光束干渉露光装置を示す構成図である。
【図6】 本発明の一実施の形態の二光束干渉露光方法
に適用される二光束干渉露光装置の他の例を示す構成図
である。
【図7】 本発明の一実施の形態の時分割露光における
1周期内の露光時間比(デューティー)の一例を示す図
である。
【図8】 本発明の一実施の形態の時分割露光における
1周期内の露光時間比(デューティー)の他の一例を示
す図である。
【図9】 本発明の一実施の形態の二光束干渉露光方法
に適用される二光束干渉露光装置の他の例を示す構成図
である。
【図10】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子の実
施例1における電圧無印加時の反射スペクトルを示す図
である。
【図11】 本発明の一実施の形態の液晶光学素子の実
施例3における電圧印加時の反射スペクトルを示す図で
ある。
【符号の説明】
1、2 基板 3、4 電極層 5 調光層 6、7 周期間隔 11 入射光 12、13 反射光 21 調光層 22〜24 周期間隔 25 反射光 26 透過光 27 周期構造 28 液晶 29 透明性固体材料 31 レーザ光源 32 レーザ光束 33 EO変調器 34 波形発生器 35 〜37 ビームスプリッタ 38 〜41 ミラー 42 HPDLC前駆体セル 51、52 レーザ光源 53、54 レーザ光束 55、56 EO変調器 57 波形発生器 58〜61 ビームスプリッタ 62〜65 ミラー 66 HPDLC前駆体セル 71、72 波長板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/30 348 G09F 9/30 348Z 349 349D (72)発明者 三村 広二 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 村井 秀哉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA22 HA02 HA11 JA04 KA04 MA06 2H089 HA04 NA35 TA02 5C094 AA10 AA43 BA03 BA43 CA19 CA24 ED02 GB10 5G435 AA03 AA17 BB12 BB16 CC09 GG12 KK05 KK07 KK10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に、少なくとも透明な固体
    と液晶とを含む調光層が設けられ、 前記透明な固体と前記液晶との比率が前記調光層内で周
    期的に変化する周期構造を複数種備え、これらの周期構
    造は周期間隔が互いに異なることを特徴とする液晶光学
    素子。
  2. 【請求項2】 前記基板間に複数の画素領域が形成さ
    れ、各々の画素領域は前記複数種の周期構造を備えてい
    ることを特徴とする請求項1記載の液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 前記複数種の周期構造は、それぞれの周
    期構造が互いに異なる波長の可視光を選択的に反射する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の液晶光学素
    子。
  4. 【請求項4】 前記複数種の周期構造は、少なくとも3
    種類の周期構造とされ、各周期構造は、赤色光、緑色
    光、青色光のいずれか1種を互いに重ならない様に選択
    的に反射することを特徴とする請求項1、2または3記
    載の液晶光学素子。
  5. 【請求項5】 前記調光層は、外部から負荷が加わらな
    い場合に白色光を選択的に反射し、外部から負荷が加わ
    った場合に透明状態となることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1項記載の液晶光学素子。
  6. 【請求項6】 一対の基板間に、少なくとも透明な固体
    と液晶とを含む調光層が設けられ、 前記透明な固体と前記液晶との比率が前記調光層内で周
    期的に変化する周期構造を複数種備え、これらの周期構
    造は周期間隔が互いに異なる液晶光学素子の製造方法で
    あって、 前記透明な固体の前駆体、前記液晶および重合開始剤を
    含む溶液を一対の基板で挟持し、その後、前記溶液に対
    し少なくとも2種類以上の二光束干渉露光を時分割露光
    することを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記時分割露光の周期が1Hz以上であ
    ることを特徴とする請求項6記載の液晶光学素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記時分割露光における1周期内の露光
    時間比を変化させることを特徴とする請求項6または7
    記載の液晶光学素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記二光束干渉露光の各干渉露光に用い
    るレーザ光の偏光が異なることを特徴とする請求項6、
    7または8記載の液晶光学素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記二光束干渉露光の各干渉露光にお
    ける光強度が異なることを特徴とする請求項6ないし9
    のいずれか1項記載の液晶光学素子の製造方法。
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