JP2002156617A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

Info

Publication number
JP2002156617A
JP2002156617A JP2000352090A JP2000352090A JP2002156617A JP 2002156617 A JP2002156617 A JP 2002156617A JP 2000352090 A JP2000352090 A JP 2000352090A JP 2000352090 A JP2000352090 A JP 2000352090A JP 2002156617 A JP2002156617 A JP 2002156617A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image display
optical path
display device
image
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000352090A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Sugimoto
浩之 杉本
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
Kenji Kameyama
健司 亀山
Ikuo Kato
幾雄 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000352090A priority Critical patent/JP2002156617A/ja
Publication of JP2002156617A publication Critical patent/JP2002156617A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動や回転機構を用いること無く、高速に光
路の切換えによる画素シフトを行い、見かけ上の画素を
増倍するための画像表示装置を提供する。 【解決手段】 スクリーン6の直前に配置したポリマー
分散液晶構造のブラッグ回折素子を用いた光路偏向手段
9によって、画像光を画素の配列方向に任意の距離だけ
シフトする。シフト量は画素ピッチの整数分の1とす
る。画素の配列方向に対して2倍の画像増倍を行う場合
は画素ピッチの1/2にする。シフト量に応じて液晶パ
ネル4を駆動する画像信号をシフト量分だけ補正するこ
とで、見かけ上高精細な画像を表示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関
し、より詳細には、プロジェクションディスプレイ,ヘ
ッドマウントディスプレイなどの電子ディスプレイ装置
に応用可能な、画像情報に従って光を制御可能な複数の
画素を有する小型の画像表示用素子をレンズで拡大した
画像を観察するための画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像情報に従って光を制御可能な複数の
画素を有する画像表示用素子をレンズで拡大した画像を
観察する画像表示装置としては、フロントプロジェク
タ,リアプロジェクタ,ヘッドマウンテッドディスプレ
イ等の商品名で広く使用されている。この画像表示用素
子としては、CRT,液晶パネル,DMD(商品名:テ
キサスインストルメント社:米国)等が商品として使用
されており、また無機EL,無機LED,有機LED等
も研究されている。また、小型の画像表示用素子をレン
ズで拡大した画像を観察するのではなく、等倍で観察す
る画像表示装置としては、既述のCRT,液晶パネル,
無機EL,無機LED,有機LED以外に、プラズマデ
ィスプレイ,蛍光表示管等が商品として使用されてお
り、またFED(フィールドエミッションディスプレ
イ),PALC(プラズマアドレッシングディスプレ
イ)等も研究されている。これらは、自発光型と空間光
変調器型の2つに大きく分類されるが、いずれも光を制
御可能な複数の画素を有するものである。
【0003】これらの画像表示装置に共通の課題は、高
解像度化、つまりは大画素数化であり、ブロードキャス
トの表示を目的とした走査線1000本程度のHDTV
用の表示装置が既に商品化され、ワークステーションコ
ンピュータの高解像度表示を目的とした走査線2000
本程度の開発品が、液晶パネルを用いた技術で発表され
ている。しかしながら、画素数を増加させることは、液
晶パネルの歩留まりを低下させ、また開口率を減少する
などにより、コストが増加したり、輝度やコントラスト
が低下したり、消費電力が増加したりしていた。
【0004】これらの問題に対して、特開平4−113
308号公報,特開平5−289004号公報,特開平
6−324320号公報等には、単一の画像表示用素子
を用いて2倍の画素数を有するインタレース表示を行う
画像表示装置が記載されている。また、特開平7−36
504号公報には、単一の画像表示用素子を用いて4倍
以上の画素数を有する表示装置が記載されている。これ
らは、画像表示用素子から出射した光路を時分割で高速
に変更させ、見かけ上画素数を増大させる方法、いわゆ
る画素シフト方式である。
【0005】特開平6−324320号公報に記載の
「画像表示装置、画像表示装置の解像度改善方法、撮像
方法、記録装置および再生装置」においては、LCD等
の画像表示装置の画素数を増加させることなく、表示画
像の解像度を、見掛け上、向上させている。縦方向及び
横方向に配列された複数個の画素の各々が、表示画素パ
ターンに応じて発光することにより、画像を表示する画
像表示装置を有し、その画像表示装置と観測者またはス
クリーンとの間に、光路をフィールドごとに変更する光
学部材を配する。また、フィールド毎に、光路の変更に
応じて表示位置がずれている状態の表示画素パターンを
画像表示装置に表示する。光路の変更は、屈折率が異な
る部位が、画像情報のフィールドごとに、交互に、画像
表示装置と観測者またはスクリーンとの間の光路中に現
れるようにすることにより行われる。光路を変更する手
段として、電気光学素子と複屈折材料の組合わせ機構,
レンズシフト機構,バリアングルプリズム,回転ミラ
ー,回転ガラス等が記載されている。また、特開平7−
104278号公報には、光路を変更する手段としてウ
エッジプリズムを移動する手段が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電気光学効果を示す部
材と複屈折結晶との組み合わせは、従来から光通信分野
での光分配、光スイッチとして用いられている偏向手段
として公知の技術である。しかし、比較的大きな複屈折
結晶を必要とし、装置コストがアップする。また、レン
ズシフト機構、つまりは往復運動させる駆動系として
は、ボイスコイル,圧電素子,バイモルフ,ステップモ
ータ,ソレイドコイル等が記載されているが、数十から
数百Hz程度で往復運動を行うと振動や音の発生が問題
なる。バリアングルプリズムも基板が往復運動するた
め、振動や音が問題となる。
【0007】特開平5−313116号公報には、画像
表示用素子自体を画素ピッチよりも小さい距離だけ高速
に揺動させる画素シフト方式が記載されている。この方
式では、光学系は固定されているで諸収差の発生が少な
いが、画像表示素子自体を正確かつ高速に平行移動させ
る必要があるため、可動部の精度や耐久性が要求され、
振動や音が問題となる。
【0008】また、特開平10−133135号公報に
は、回転機械要素を不要化でき、全体の小型化、高精度
・高分解能化を実現でき、しかも外部からの振動の影響
を受け難い光ビーム偏向装置が記載されている。この光
ビーム偏光装置は、光ビームの進行路上に配置される透
光性の圧電素子と、この圧電素子の表面に設けられた透
明の電極と、圧電素子の光ビーム入射面と光ビーム出射
面との間の光路長を変化させて光ビームの光軸を偏向さ
せるために電極を介して圧電素子に電圧を印加する電圧
印加手段とを備えている。すなわち、透光性の圧電素子
を透明の電極で挟み、電圧を印加することで厚みを変化
させて光路をシフトさせる方式を採用している。しかし
ながら、比較的大きな透明圧電素子を必要とし、装置コ
ストがアップする。
【0009】特開平6−208345号公報や特開平6
−324320号公報には、透明な板状の屈折板の厚さ
や傾斜角度を切換えることによって光路のシフト量を変
化させる方法の記載があり、切換え方式として一枚の円
形回転体の屈折板の厚さや傾斜角度が部分的に異なる構
成が例示されている。しかし、一枚の円形回転体では一
次元方向のみの光路シフトであること、比較的大きな円
形回転体を有することから光学系全体が大型化してしま
うという問題がある。
【0010】なお、米国特許6082862号明細書
「IMAGE TILING TECHNIQUE BASED ONELECTRICALLY SWIT
CHABLE HOLOGRAMS」には、電気的スイッチングが可能な
ホログラフィック光学素子を用いたプロジェクションシ
ステムが記載されており、このシステムは、液晶材料か
ら成るホログラフィック光学素子により光路の角度を高
速に変化させ、表示画像の位置を高速にシフトさせるよ
う構成されている。
【0011】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたものであり、振動や回転機構を用いること無く、高
速に光路の切換えによる画素シフトを行い、見かけ上の
画素増倍が可能な画像表示装置を提供することをその目
的とする。また、本発明は、画素シフト量を正確に制御
し、高精細表示が可能な画像表示装置を提供することを
その目的とする。さらに、本発明は、比較的薄型で高精
細表示が可能な投射型の画像表示装置を提供することを
その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、画像
情報に従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配
列した画像表示素子と、該画像表示素子を照明する光源
と、該画像表示素子に表示した画像パターンを観察する
ための光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した
複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子からの出射
光の光路を偏向する光路偏向手段とを有し、該光路偏向
手段による前記サブフィールド毎の光路の偏向に応じて
表示位置をずらせた状態の画像パターンを表示すること
で、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示す
る画像表示装置であって、前記光路偏向手段は、ポリマ
ー分散液晶構造のブラッグ回折素子を有することを特徴
としたものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記光学部材は投射レンズと透過型スクリーンとを
有し、前記ブラッグ回折素子を前記透過型スクリーンと
投射レンズとの間に配置したことを特徴としたものであ
る。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記ブラッグ回折素子を前記画像表示素子と光学部
材との間に配置したことを特徴としたものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、前記光路偏向手段は、光路上に回折角度の略
等しい2つの透過型のブラッグ回折素子を直列に配置
し、光路を略平行にシフトさせることを特徴としたもの
である。
【0016】請求項5の発明は、請求項1乃至4の発明
において、当該画像表示装置はRGBの加法混色による
カラー表示を行い、前記光路偏向手段は、RGB各色用
のブラッグ回折素子を直列に配置し、各色の偏向角度或
いはシフト量の設定を最適化することで画素シフト時の
シフト量を一致させることを特徴としたものである。
【0017】請求項6の発明は、画像情報に従って光を
制御可能な複数の画素を二次元的に配列した画像表示素
子と、該画像表示素子を照明する光源と、該画像表示素
子に表示した画像パターンを観察するための、投射レン
ズ及び透過型スクリーンを有する光学部材と、画像フィ
ールドを時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前
記画像表示素子からの出射光の光路を偏向するための、
ポリマー分散液晶構造のブラッグ回折素子と反射板を有
する反射型の光路偏向手段であって、前記投射レンズと
透過型スクリーンとの間に配置された光路偏向手段と、
を有し、該光路偏向手段による前記サブフィールド毎の
光路の偏向に応じて表示位置をずらせた状態の画像パタ
ーンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素
数を増倍して表示することを特徴とする画像表示装置で
ある。
【0018】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記ブラッグ回折素子は、入射光の位置による入射
角度に従って、該ブラッグ回折素子の格子周期と格子面
の傾斜角度を変化させたことを特徴としたものである。
【0019】請求項8の発明は、請求項6の発明におい
て、当該画像表示装置はRGBの加法混色によるカラー
表示を行い、前記光路偏向手段は、RGB各色用のブラ
ッグ回折素子及び反射板を有し、各色の偏向角度の設定
を最適化することで画素シフト時のシフト量を一致させ
ることを特徴としたものである。
【0020】請求項9の発明は、請求項6乃至8の発明
において、前記ブラッグ回折素子は、反射型光制御層と
該反射型光制御層を挟む2つの透明性基板とを有する反
射型のブラッグ回折素子であり、前記画像表示素子から
入射する側と反対側の透明性基板を透過して反射板で反
射された光と前記反射型制御層で反射された光とを平行
に保ち、且つ光路のシフト量が一定になるように、該透
明性基板の厚さを連続的又は階段状に変化させてあり、
前記光路偏向手段は、前記投射レンズにより投射された
画像パターンを前記反射型ブラッグ回折素子により反射
させ前記透過型スクリーンに表示位置がずれた画像パタ
ーンを表示するように配置されたことを特徴としたもの
である。
【0021】請求項10の発明は、請求項1乃至9の発
明において、前記表示位置をずらすシフト量は画素ピッ
チの整数分の1の距離又は画素ピッチの整数倍+整数分
の1の距離に設定し、該シフト量に応じて前記画像表示
素子を駆動する画像信号を補正することを特徴としたも
のである。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態によ
る画像表示装置の構成の概要を示す図である。図1中、
1はLEDランプを2次元アレイ状に配列した照明光
源、2は拡散板、3はコンデンサレンズ、4は画像表示
素子としての透過型液晶パネル、5,6はそれぞれ画像
表示素子4に表示した画像パターンを観察するための光
学部材である投射レンズ,スクリーン、7は光源1のド
ライブ部、8は液晶パネル4のドライブ部、9は光路偏
向手段、10は光路偏向手段9のドライブ部である。
【0023】本実施形態の画像表示装置は、画像情報に
従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した
画像表示素子4と、該画像表示素子4を照明する光源1
と、該画像表示素子4に表示した画像パターンを観察す
るための光学部材5,6と、画像フィールドを時間的に
分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子4
からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段9とを有
し、該光路偏向手段9による前記サブフィールド毎の光
路の偏向に応じて表示位置をずらせた状態の画像パター
ンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素数
を増倍して表示するよう構成されている。ここで、前記
光路偏向手段9は、ポリマー分散液晶構造のブラッグ回
折素子を有することを特徴としている。前記表示位置を
ずらすシフト量は画素ピッチの整数分の1の距離又は画
素ピッチの整数倍+整数分の1の距離に設定し、該シフ
ト量に応じて前記画像表示素子4を駆動する画像信号を
補正するようにしている。
【0024】本実施形態の画像表示装置は、さらに、前
記光学部材5,6は投射レンズ5と透過型スクリーン6
とを有し、前記光路偏向手段9としてブラッグ回折素子
を前記透過型スクリーン6と投射レンズ5との間に配置
するようにしてもよい。また、前記透過型スクリーン6
の投射レンズ5側に当接して配置するようにしてもよ
い。
【0025】光源ドライブ部7で制御されて照明光源1
から放出された照明光は、拡散板2により均一化された
照明光となり、コンデンサレンズ3により液晶ドライブ
部8で照明光源と同期して制御されて液晶パネル4をク
リティカルに照明する。この液晶パネル4で空間光変調
された照明光は、画像光として投射レンズ5で拡大され
スクリーン6に投射される。このとき、スクリーン6の
直前に配置された光路偏向手段9によって画像光が画素
の配列方向に任意の距離だけシフトされる。シフト量は
画素ピッチの整数分の1であることが好ましい。画素の
配列方向に対して2倍の画像増倍を行う場合は画素ピッ
チの1/2にし、3倍の画素増倍を行う場合は画素ピッ
チの1/3にする。また、光路偏向手段9の構成によっ
てシフト量が大きくなる場合には、シフト量を画素ピッ
チの(整数倍+整数分の1)の距離に設定しても良い。い
ずれの場合も、シフト量に応じて液晶パネル4を駆動す
る画像信号をシフト量分だけ補正することで、見かけ上
高精細な画像を表示することができる。
【0026】次に光路偏向手段9について説明する。本
発明では、光路偏向手段としてポリマー分散液晶構造の
ブラッグ回折素子を用いることを特徴としている。この
素子の他の応用例として、特開平5−134266号公
報には、液晶と高分子材料から構成された反射型の液晶
素子が開示されている。この種の液晶光学素子では、規
則的に並んだ液晶滴と高分子材料との屈折率差に起因す
る光の干渉を利用して光の選択反射/透過を制御してお
り、この種の素子はホログラフィックポリマー分散液晶
素子と呼ばれている。
【0027】図2は、本発明で用いるブラッグ回折素子
の構成例を示す図であり、図2(A)は電源ON時(屈
折率マッチ時)の、図2(B)は電源OFF時(格子形
成時)の、ブラッグ回析素子を示す図である。図2で例
示するブラッグ回折素子20は、透明電極層221,2
2を有する二枚の基板211,212間に光制御層23
を有し、両電極221,222間に電圧を印加するための
電源26が接続されている。光制御層23は、マトリッ
クス樹脂24中に液晶材料の液晶滴25が分散した構成
を有するものとする。電源26がONの時には、マトリ
ックス樹脂24と液晶滴25の材料の屈折率がマッチし
て光をそのまま透過させるが(図2(A))、OFFの
時には屈折率はマッチせずに特定の波長をもつ光のみ回
析(ブラッグ反射)するようになる(図2(B))。な
お、マトリックス樹脂24中に分散する液晶材料はネッ
トワーク状に連結していても構わない。
【0028】光制御層23の一例としてはホログラフィ
ックポリマー分散液晶がある。ホログラフィックポリマ
ー分散液晶においては、可視光をブラッグ反射あるいは
回折するように液晶材料はマトリックス樹脂中に周期性
を有して分散している。このとき液晶材料が滴を形成し
ていても構わないし、マトリックス樹脂が微粒子となり
液晶材料中に存在しても構わない。それらの周期性は制
御する光の波長に応じて設定することができる。ここで
液晶滴の大きさは数百nm程度と光の波長程度かそれ以
下とする。液晶滴がこれ以上に大きくなると、液晶滴に
よる光散乱作用が生じ、素子の透過率が低下してしま
う。また、液晶滴のサイズを小さくすることで、外部電
場に対する液晶の応答性が早くなる効果も現れることも
本発明の特徴である。液晶滴を数百nm、光制御層厚さ
を数μm、印加電圧を交流数十ボルトとした場合、素子
の応答速度は数十マイクロ秒の高速応答性が得られる。
したがって、比較的低電力で高速応答なので、時間分割
で画素シフトを行う画像表示素子に用いる光路偏向手段
として適している。
【0029】本発明に係るブラッグ回折素子に用いられ
る基板21の材質としては、ガラス,プラスチック等を
使用できる。基板21は光学的に透明であることが望ま
しい。また、電極層221,222は光制御層23側にな
るように設置する。電極層221,222の材料としては
ITO(Indium Tin Oxide)等が利用できる。また、使
用する基板自身が導電性を有している場合は、基板を電
極としても利用することができる。電極層221,222
を有する透明性基板211,212は、液晶が配向するよ
うに処理されている必要はないが、配向処理がなされて
いても構わない。これらの配向処理には、TN液晶,S
TN液晶等に用いられるポリイミド等の通常の配向膜が
利用できる。また、ラビング処理を施しても構わない。
さらに、基板211,212には絶縁膜を付加することも
できる。
【0030】基板の間隔設定には、通常の液晶デバイス
に用いられるガラス又は高分子樹脂等からなるロッド
状,球状などのスペーサを使用することができ、その基
板の間隔は3μm以上30μm以下程度が望ましい。こ
れ以上薄いとブラッグ反射の反射面が短くなり回折格子
としての効果が生じ、複数の回折光が現れてしまう。ま
た、これ以上厚くすると印加電圧が大きくなってしま
う。
【0031】一般にブラッグ回折素子は、反射型及び透
過型のいずれでも作成することができるが、画素シフト
動作のように光路を僅かに偏向する場合には、透過型の
ブラッグ回折素子を用いることが好ましい。なお、反射
型のブラッグ回折素子を用いた画像表示装置については
後述する。
【0032】光制御層23は、前述のようにマトリック
ス樹脂24と液晶滴25の液晶材料とから構成されてい
る。マトリックス樹脂24は、光照射によりポリマー化
するモノマー,オリゴマー又はモノマーとオリゴマーと
の混合物等を重合させることにより製造される。マトリ
ックス樹脂の前駆体は、アクリロイル基,メタクリロイ
ル基等の通常のビニル基から構成される光重合性基を有
した化合物であればいずれも使用できる。光重合性基
は、マトリックス樹脂の前駆体一分子中に複数あっても
構わない。例えば、上記前駆体としては、2−エチルヘ
キシルアクリレート、ブチルエチルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エトキ
シエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペン
テニルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラ
ヒドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート等の
単官能アクリレート化合物が挙げられる。
【0033】その他に前駆体としては、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、ブチルエチルメタクリレート、ブ
トキシエチルメタクリレート、2−シアノエチルメタク
リレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−エトキシエチルアクリレート、N,N−ジエチ
ルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリ
レート、ジシクロペンテニルメタクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレ
ート、イソボニルメタクリレート、イソデシルメタクリ
レート、ラウリルメタクリレート、モルホリンメタクリ
レート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシ
ジエチレングリコールメタクリレート等の単官能メタク
リレート化合物、
【0034】ジエチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、ジシクロペンタニルジ
アクリレート、グリセロールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプロパ
ンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシ
ペンタアクリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー
等の多官能アクリレート化合物、
【0035】ジエチレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジメタクリレート、ジシクロペンタニ
ルジメタクリレートグリセロールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、テトラエチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリ
レート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジ
トリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリ
スリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ウレ
タンメタクリレートオリゴマー等の多官能メタクリレー
ト化合物、などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0036】また、マトリックス樹脂24の前駆体及び
マトリックス樹脂24は光学的に等方性であることに限
定されず、光学異方性を有していても構わない。すなわ
ち、マトリックス樹脂24の前駆体は液晶性を有してい
ても構わない。マトリックス樹脂24の屈折率及びその
異方性は、目的とするブラッグ回折素子の反射又は透過
特性により任意に設定できる。一例としては、マトリッ
クス樹脂24の屈折率を液晶材料の常光屈折率又はその
近くに設定した場合がある。このとき、ランダムに配列
した液晶滴25の屈折率とマトリックス樹脂24の屈折
率との間に屈折率差が生じ、液晶滴25がブラッグ反射
を起こすような間隔で規則的に配列していた場合、光制
御層23でブラッグ反射が起こる。偏向を制御する光
(入射光)の波長をλ、屈折率差による格子周期(屈折
率変調周期)をd、光変調層の平均屈折率をnB、回折
次数をNとすると、次のブラッグ条件を満たす角度θB
で、選択反射が起こる。 2dsinθB=N(λ/nB)
【0037】図3は、図2におけるブラッグ回折条件を
説明するための図、図4は、図3に基づく光路振れ角度
の計算結果を示す図である。上式において、図3のよう
に基板21(211,212)に対する液晶面25′の傾
斜角度θ1がブラッグ角θBと一致するように設定する
と、透過型のブラッグ回折素子となる。ここで、透明電
極層の厚みは無視し、光制御層23の平均屈折率nB=
1.70,透明基板212の屈折率n2=1.50とした
場合の光路の出射角度(振れ角度)θ3の計算結果を図
4に示す。図4中には光の波長が450nm,550n
m,650nmの場合を示している。任意の波長の光に
対して狙いの角度θ3が決まれば、ブラッグの法則から
格子周期dと基板21に対する液晶面25′の傾斜角度
θ1が決まる。
【0038】この液晶滴25中の液晶材料を電場又は磁
場などで配向させて、液晶滴25の屈折率とマトリック
ス樹脂24の屈折率をほぼ一致させると、ブラッグ反射
条件が崩れ、入射光は光制御層23をそのまま透過す
る。したがって、電場や磁場などによって、光の透過
(直進)と回折(偏向)を制御することができる。
【0039】光制御層23中のマトリックス樹脂24
は、液晶材料に対して10重量%以上90重量%以下、
特に20重量%以上80重量%以下含有されていること
が望ましい。マトリックス樹脂24が多すぎると素子の
駆動電圧が高くなり、少なすぎると液晶滴25の規則的
な配列が形成されず光の回折効率が低下する。
【0040】マトリックス樹脂24の前駆体には、光照
射による重合を起こしやすくするために光重合開始剤を
添加することが望ましい。光重合開始剤としては、アセ
トフェノン系,ベンゾイン系,ベンゾフェノン系,チオ
キサンソン系等の通常の光重合開始剤が使用できる。具
体的には、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1フェニルプロパン−1−オ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロチオキ
サンソン、2−メチルチオキサンソン等が挙げられる。
光重合開始剤は、固体でも液体でも構わないが、素子の
均一性の点から液晶中に溶解又は相溶するものが望まし
い。光重合開始剤の濃度は、マトリックス樹脂前駆体の
30重量%以下が好ましい。また、必要に応じてメチル
ジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸等の
光開始助剤を添加することもできる。
【0041】さらに、光重合開始剤の吸収励起波長が光
重合に使用する光源の波長と合わなければ、長波長の
光、例えば可視の光を吸収して重合開始剤にエネルギー
トランスファーをする色素材料を添加することができ
る。色素材料としては、クマリン系色素,ローダミン系
色素,オキサジン系色素,カルボシアニン系色素,ジカ
ルボシアン系色素,トリカルボシアン系色素,テトラカ
ルボシアン系色素,ペンタカルボシアン系色素,オキソ
ノール系色素,スチリル系色素,キサンテン系色素,メ
ロシアニン系色素,ローダシアニン系色素,ポルフィリ
ン系色素,アクリジン系色素等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。色素材料は可視光により励
起され、エネルギーを光重合開始に移動させるものであ
ればいずれのものでも構わない。
【0042】本発明に係るブラッグ回折素子に使用され
る液晶材料としては、通常のネマチック液晶,スメクチ
ック液晶,コレステリック液晶などが挙げられる。ま
た、強誘電性液晶でも構わないし、必要に応じ二色性色
素を添加することもできる。
【0043】本発明に係る液晶光学素子における光制御
層の形成において、マトリクッス樹脂前駆体の光重合に
用いられる光線としては、紫外線や可視光を使用するこ
とができる。例えば、光制御層としてホログラフィック
ポリマー分散液晶を製造する場合、光重合はレーザー干
渉露光により行う。すなわち、二つのレーザー光を基板
に入射し、レーザー光が干渉した状態で光重合を行う。
赤色、緑色、青色にそれぞれ対応したブラッグ回折素子
を得るためには、レーザーの入射角度を調整したり、異
なる波長のレーザー光源を使用する。レーザー光源とし
ては、アルゴンイオンレーザーや各種の半導体レーザー
等が使用できる。光照射時には、フォトマスク等の光遮
蔽膜を使用し、任意のパターンを形成することもでき
る。なお、一つの光制御層中に二種以上の回折格子を作
製するために二光束以上のレーザー光束を使用しても構
わない。また、光制御層製造時、すなわち光照射時に電
場あるいは磁場等を光制御層の前駆体に印加することも
できる。
【0044】上述のブラッグ回折素子は、特定の波長の
光に対してのみ作用し、その光路を屈曲させるだけであ
る。図1のようにスクリーン6の直前に光路偏向手段9
を配置する場合、光路の偏向角度θ3が比較的大きくて
も、適度な画素シフト量を得ることができる。図1では
スクリーン6とブラッグ回折素子9が接して設置してあ
るが、この構成には限定されない。
【0045】図5は、本発明に係る光路偏光手段の構成
例を示す図で、図1におけるスクリーンとブラッグ回折
素子付近を拡大して示した図である。本実施形態の画像
表示装置は、当該画像表示装置はRGBの加法混色によ
るカラー表示を行い、前述の光路偏向手段9は、RGB
各色用のブラッグ回折素子20R,20G,20Bを直列
に配置し、各色の偏向角度或いはシフト量の設定を最適
化することで画素シフト時のシフト量を一致させるよう
にしている。
【0046】スクリーン6としては拡散粒子タイプや光
学ビーズタイブなどの透過型スクリーンならば全て用い
ることができる。また、RGBの加法混色によるカラー
表示を行う場合、透明性基板(電極を含む)と赤色偏光
層23R,緑色偏光層23G,青色偏光層23Bをそれぞ
れ有する、各色用のブラッグ回折素子20R,20G,2
Bを設ける。各色の偏向角度の設定を最適化すること
で、画素シフト時のシフト量Lを一致させることができ
る。
【0047】図6は、図5の構成で一枚の基板厚さをt
=2mmとした場合の各色用素子における格子周期dと
スクリーン上でのシフト量Lの関係の計算値を示す図で
ある。スクリーン6から遠い位置にある青色偏向層23
Bでは小さな偏向角度とし、近い位置にある赤色偏向層
23Rでは大きな偏向角度とすれば、各色でシフト量を
一致させることができる。例えば、スクリーン6上の一
画素サイズが125μmの場合、図中○で示す条件のよ
うに、青色用(波長450nm,偏向光路10mm)は
格子周期dを8μm、緑色用(波長550nm,偏向光
路6mm)はdを5.8μm、赤色用(波長650n
m,偏向光路2mm)はdを2.5μmとすることで、
各色のシフト量を1.5画素分の375μm程度の同じ
値に設定することができる。この時、格子周期の8μm
程度に対して、一画素のサイズが125μmと十分に大
きいので、解像度への影響は少ない。但し、この構成で
はブラッグ回折素子の面積がスクリーン程度と大きくな
るため、基板の材質や強度などを最適化する必要があ
る。ブラッグ回折素子の製造コストなどを考慮すると、
素子面積が小さくても良いような装置構成とすることが
好ましい。
【0048】図7は、本発明の他の実施形態による画像
表示装置の構成の概要を示す図で、この画像表示装置
は、前述のブラッグ回折素子20を画像表示素子4と光
学部材(5,6)との間に配置するものであるが、ブラ
ッグ回折素子20は、画像表示素子4と当接して配置し
てもよい。図7に示す例では、図1を用いて説明した画
像表示装置と異なり、液晶パネル4の直後に光路偏向手
段19を設けているので、光路偏向手段のサイズを液晶
パネルと同等のサイズに小型化できる。この配置で光の
偏向角度よる画素シフトを行う場合には、偏向角度を1
度以下程度と非常に小さく設定する必要がある。ブラッ
グ反射の原理では、偏向角度を小さくするためには、格
子周期dを大きくする必要がある。しかし、液晶パネル
直後での一画素のサイズは10μm程度であり、格子周
期をその大きさ程度以上にすると解像度が低下してしま
うという問題がある。したがって、格子周期dは光路偏
向手段部での画素サイズよりも十分小さくする必要が有
り、必然的に偏向角度は数十度程度と大きく設定せざる
を得ない。
【0049】図8は、本発明に係る光路偏光手段の他の
構成例を示す図で、図7における光路偏光手段を拡大し
て示した図である。図9は、図8におけるブラッグ回折
条件を説明するための図である。本実施形態の画像表示
装置は、前述の光路偏向手段19は、光路上に回折角度
の略等しい2つの透過型ブラッグ回折素子201,202
を直列に配置し、光路を略平行にシフトさせるようにし
ている。
【0050】本実施形態においては、図8及び図9のよ
うに、電極を含む透明性基板と偏光層231,232をそ
れぞれ有するブラッグ回折素子を2枚(201,202
重ねて、1枚目で屈曲した光を2枚目で再度屈曲させ、
ほぼ平行にシフトさせる。この場合のシフト量Lは主に
ブラッグ角θBと中間の基板部の厚さDで決まる(L≒
Dtanθ2)。基板の厚さを十分に薄くすることで、
シフト量を数十μm程度に設定することができる。
【0051】図10は、図8及び図9の構成で基板の厚
さを変えた場合のシフト量Lの変化の計算値、すなわち
2枚重ねによる光路シフト量の計算値を示す図である。
例えば、基板の強度を強くするために一枚の基板厚さを
1mmとした場合、中間基板の厚さDは2mmになり、
シフト量は1000μm程度と大きくなる。図9のモデ
ルでの屈折率などは図4の計算と同じ値を用いた。この
場合でも、シフト量の精度が数μm以内に設定されてい
れば、1画素の数百倍+1画素の半ピッチ分のシフト量
になり、画素増倍効果を得ることができる。この場合、
画像表示部の周辺部の数百画素分は画素増倍効果を得る
ことはできないが、画面の周辺部には高精細表示を必要
とする画像を表示することは稀であり、実用上問題ない
と考えられる。カラーの画像表示装置の場合、青色,緑
色,赤色の投射光成分のそれぞれに対して上記のブラッ
グ回折素子の対が必要なので合計6枚が必要となる。こ
のように2枚のブラッグ回折素子の組み合わせること
で、光路を精度良く平行シフトさせることができるが、
素子枚数が2倍必要であり、ガラス基板自体や接着界面
での透過光量の低下が懸念される。
【0052】図11は、本発明の他の実施形態による画
像表示装置の構成を説明するための図である。図12
は、本発明に係る光路偏向手段の他の構成例を示す図
で、図11における光路偏光手段を拡大した図である。
上述の各実施形態においては、表示画像を画素ピッチの
数倍から数十倍程度の距離で高速にシフトさせることに
より画素増倍効果を得たが、表示画面を一画面分大きく
シフトさせることでも画素増倍効果を得ることできる。
この様な画面シフトを行うための画像表示装置を本実施
形態で説明する。
【0053】本実施形態の画像表示装置は、画像情報に
従って光を制御可能な複数の画素を二次元的に配列した
画像表示素子4と、該画像表示素子4を照明する光源1
と、該画像表示素子4に表示した画像パターンを観察す
るための、投射レンズ5及び透過型スクリーン6を有す
る光学部材と、画像フィールドを時間的に分割した複数
のサブフィールド毎に前記画像表示素子4からの出射光
の光路を偏向するための、ポリマー分散液晶構造のブラ
ッグ回折素子と反射板34を有する反射型の光路偏向手
段29であって、前記投射レンズ5と透過型スクリーン
6との間に配置された光路偏向手段29と、を有し、該
光路偏向手段29による前記サブフィールド毎の光路の
偏向に応じて表示位置をずらせた状態の画像パターンを
表示することで、画像表示素子4の見かけ上の画素数を
増倍して表示するようにしている。また、前記ブラッグ
回折素子は、入射光の位置による入射角度θ1に従っ
て、該ブラッグ回折素子の格子周期dと格子面の傾斜角
度θxを変化させることが好ましい。
【0054】図11の構成では、投射レンズ5とスクリ
ーン6の間のミラーを光路偏向手段29としているの
で、投射型の画像表示装置自体を薄型化することが可能
であり、かつ、光路偏向手段29のサイズを比較的小型
化することができる。また、特定の波長に対して一枚の
ブラッグ回折素子を設ければ良く、コスト的にも有利に
なる。光路偏向手段29はブラッグ回折素子と反射板か
ら成り、機械的強度アップや界面での光のロスを低減さ
せるために、ブラッグ回折素子の基板と反射板の反射面
が接着されていることが好ましい。
【0055】図12の光路偏向手段においては、透過型
のブラッグ回折素子を用いている。透過型ブラッグ回折
素子の場合は、図12に示すように、入射角θ1で電極
を含む透明性基板311に入射した光は、透過型光制御
層33を透過して反射板34の反射面で反射される場合
(図中、細線で示す)と、透過型光制御層33でのブラ
ッグ回折により光路が曲げられ反射板34の反射面への
入射角度が変化して反射される場合(図中、太線で示
す)とで切換えられる。光制御層33で回折された光は
反射後に再度光制御層33に入射するが、反射光の入射
角度ではブラッグ条件が崩れているため、ただ透過する
だけである。光路の角度をΔθだけ偏向することができ
る。この場合は、入射位置に応じて入射角度θ1が変化
してもブラッグ反射条件を満足するように、一枚の光制
御層の中で格子周期dと格子面の傾斜角度θxを変化さ
せる必要がある(図中、θ1′,θx′,格子周期を参
照)。格子周期dと格子面の傾斜角度θxの変化は、レ
ーザー光による露光条件を場所により変化させる。
【0056】図13は、図12において波長550nm
の光の偏向角度Δθが場所に依らず30度で一定に設定
するためのブラッグ回折素子の設計条件の計算値を示す
図である。ブラッグ回折素子上への入射角度θ1の変化
に対して、格子周期dと格子面傾斜角度θxの組み合わ
せを適宜設計することで、偏向角度を一定値に設定する
ことができる。
【0057】図14は、本発明に係る光路偏光手段の他
の構成例を示す図で、反射型ブラッグ回折素子と反射板
による光路偏光手段を示す図である。ブラッグ回折素子
は、反射型と透過型のいずれも用いることができ、反射
型ブラッグ回折素子の場合は、図11のような画面シフ
ト方式ではなく、光軸をシフトさせて実画素数を増倍さ
せる数十画素程度の画素シフト方式に適している。
【0058】本実施形態の画像表示装置においては、前
述のブラッグ回折素子は、反射型光制御層33と該反射
型光制御層33を挟む2つの透明性基板311,312
を有する反射型のブラッグ回折素子であり、前述の画像
表示素子4から入射する側と反対側の透明性基板312
を透過して反射板34で反射された光と前記反射型制御
層33で反射された光とを平行に保ち、且つ光路のシフ
ト量が一定になるように、該透明性基板312の厚さを
連続的又は階段状に変化させてあり、前述の光路偏向手
段は、前記投射レンズ5により投射された画像パターン
を前記反射型ブラッグ回折素子により反射させ前記透過
型スクリーン6に表示位置がずれた画像パターンを表示
するように配置されるようにしている。
【0059】図14に示すように、入射角θ1で電極を
含む透明性基板311に入射した光は、反射型光制御層
33を透過して反射板34で鏡面反射される場合と、反
射型光制御層33でブラッグ反射される場合とで切換え
られ、光路を平行シフトすることができる。この時、素
子への光の入射角度と光制御層33と反射板34の間の
基板312の厚さDでシフト量Lが決まる。しかし、光
路偏向手段上の位置によって入射角度θ1が変化するの
で、厚さDが一定の場合はシフト量が変化してしまうと
いう問題がある。そこで、光路偏向手段上の入射位置に
よらず、シフト量Lがほぼ一定値となるように基板31
2の厚さDを変化させることが好ましい。基板312の厚
さの変化は連続的でも良いが、図14中の厚さD及び
D′のように階段状にして反射面34が光制御層33と
平行を保つようにすると反射角度への影響が少なく好ま
しい。この場合、階段状の面積方向ピッチは、画素サイ
ズと同じかそれ以下とする。さらに、入射位置に応じて
入射角度が変化してブラッグ反射条件を満足するよう
に、一枚の光制御層33の中で格子周期dを変化させる
必要がある。格子周期dの変化は、レーザー光による露
光条件を場所により変化させる。
【0060】図15は、本発明の他の実施形態による画
像表示装置の構成を説明するための図で、図14の光路
偏光手段を用いた投射型画像表示装置を説明するための
図である。上記方式では、各色用のブラッグ回折素子を
積層したものに反射板を設けると、各色に対して基板厚
さDを最適化することが困難なので、各色毎に反射板を
設けたブラッグ回折素子を設定する必要がある。そこ
で、図15のように投射光路を薄型化するための複数の
反射部材をブラッグ回折素子と反射板に置きかえること
ができる。本実施形態の画像表示装置においては、当該
画像表示装置はRGBの加法混色によるカラー表示を行
い、光路偏向手段39は、RGB各色用のブラッグ回折
素子及び反射板39R,39G,39Bを有し、各色の偏
向角度の設定を最適化することで画素シフト時のシフト
量を一致させるようにしている。
【0061】図15では、3枚の反射板が青色用光路偏
向手段39B、緑色用光路偏向手段39G、赤色用光路偏
向手段39Rから構成されている。ここでは、スクリー
ン6に近い光路偏向手段ほど大きな面積が必要である
が、比較的大きな反射面は通常の反射鏡で構成し、比較
的面積が小さく設定できる投射レンズ5側の反射部にブ
ラッグ回折素子を設けても良い。また、各色用の光路偏
向手段でのシフト量Lの絶対値は、光路偏向手段の配置
に応じて適宜設定する。
【0062】以下、上述の各実施形態による画像表示装
置の実施例を説明する。 (実施例1)画像表示素子として対角0.9インチXGA
(1024×768ドット)のポリシリコンTFT液晶
パネルを用いた。画素ピッチは縦横ともに約18μmで
あり、画素の開口率は約50%である。この画像表示素
子の投影面側に開口幅が約9μmで18μmピッチの縦
線上の遮光マスクを貼り付けて、見かけ上画素サイズの
幅が9μmと小さい画像表示素子とした。また、画像表
示素子の光源側にマイクロレンズアレイを設けて照明光
の集光率を高める構成とした。
【0063】本実施例では、光源としてRGB三色のL
ED光源を用い、上記の一枚の液晶パネルに照射する光
の色を高速に切換えてカラー表示を行う、いわゆるフィ
ールドシーケンシャル方式を採用している。一般的に
は、画像表示のフレーム周波数が60Hzの場合、1フ
レーム内をさらに3色分に分割するため、各色に対応し
た画像を180Hzで切換える。液晶パネルの各色の画
像の表示タイミングに合わせて、対応した色のLED光
源をON/OFFすることで、観察者にはフルカラー画
像が見える。この方式はカラーフィルタを使用せず、一
枚の液晶パネルで良いので、画像の高精細化と装置の小
型化に有利である。
【0064】本実施例では、フィールドシーケンシャル
方式に画素シフト方式を組み合わせている。画像の横方
向に二倍の画素増倍を行うためには、サブフィールド画
像の切換えは120Hzで8.3ミリ秒の期間である。
この期間内には、光路が切り変わるのに必要な時間(光
路切換え時間)Δtと液晶パネルが画像表示に使用でき
る時間を含んでいる。画像表示に使用できる時間が長い
ほど、フィールドシーケンシャル方式のLED発光時間
を長くできるため、LEDの発光輝度を小さくすること
ができ、LED光源の負担が小さくなる。したがって、
光路切換え時間Δtはできるだけ短い方が好ましく、高
速な光路切換え手段が必要になる。本発明の比較例とし
て、高速動作が可能な光路切換え手段として圧電アクチ
ュエータなどの揺動機構を用いて屈折板の傾斜角度を変
化させる方式も可能であるが、揺動運動によって振動や
音が発生する場合があるため好ましくない。
【0065】次に、ポリマー分散液晶を用いたブラッグ
回折素子の作成に関し、詳細に説明する。2枚のITO
付きガラス基板(3cm×4cm,厚さ2mm)の間に
30μmのスペーサを挟んでを用いて空セルを作製し
た。このセルの中に、マトリックス樹脂の前駆体である
紫外線硬化型アクリレートモノマーと誘電率異方性が正
のネマチック液晶BL36(メルク社製)との混合溶液
(液晶濃度30重量%)を常圧下で注入した。この液晶
セルに二光束干渉法により波長488nmのアルゴンレ
ーザーを照射して光重合を行い、青色用のブラッグ回折
素子を作成した。製造された素子は図3で傾斜角θ1が
1.0度、格子周期8μmとなり、電圧無印加時には波
長450nmの青色光に対して出射角度θ3が3.2度
の特性が得られた。50Vの交流電圧を印加時には青色
光に対する回折効果は無くなった。また、電圧ON/O
FF時の応答速度(光路切換え時間Δtに相当)は約
0.1ミリ秒であり、上記の8.3ミリ秒に比べて十分
に高速であることが確認できた。
【0066】同様にして、二光束干渉法により波長48
8nmのアルゴンレーザーの照射条件を変化させて緑色
用のブラッグ回折素子を作成した。製造された素子は傾
斜角θ1が1.6度、格子周期5.8μmとなり、電圧無
印加時には波長550nmの緑色光に対して出射角度θ
3が5.4度の特性が得られた。また、波長514.5
nmのアルゴンイオンレーザーの二光束干渉により赤色
用のブラッグ回折素子を作成した。製造された素子は傾
斜角θ1が4.4度、格子周期2.5μmとなり、電圧
無印加時には波長650nmの赤色光に対して出射角度
θ3が15.0度の特性が得られた。いずれの素子も同
様な高速応答性を示した。
【0067】上記3つのブラッグ回折素子と拡散スクリ
ーンを図5のように接着し、画像シフト機能付き拡散ス
クリーンの小型モデルを作成した。市販のプロジェクタ
を用いてスクリーン上での1画素サイズが125μmに
なるように設置し、青色,緑色,赤色の単色の画像を表
示した状態で、それぞれの色用のブラッグ回折素子を動
作させたところ、いずれの色でもスクリーン上で画像が
1.5画素分の375μm程度シフトした。したがっ
て、この素子により画素シフトによる高精細画像表示装
置が実現できることが確認できた。
【0068】(実施例2)2枚のITO付きガラス基板
(3cm×4cm,厚さ1mm)の間に30μmのスペ
ーサを挟んでを用いて空セルを作製した。このセルの中
に、マトリックス樹脂の前駆体である紫外線硬化型アク
リレートモノマーと誘電率異方性が正のネマチック液晶
BL36(メルク社製)との混合溶液(液晶濃度30重
量%)を常圧下で注入した。この液晶セルに二光束干渉
法により波長488nmのアルゴンレーザーを照射して
光重合を行い、青色用のブラッグ回折素子を作成した。
製造された素子は図3で傾斜角θ1が6.23、格子周
期1.22μmとなり、電圧無印加時には波長450n
mの青色光に対して出射角度θ3が21.5度の特性が
得られた。50Vの交流電圧を印加時には青色光に対す
る回折効果は無くなった。また、電圧ON/OFF時の
応答速度(光路切換え時間Δtに相当)は約0.1ミリ
秒であり、上記の8.3ミリ秒に比べて十分に高速であ
ることが確認できた。
【0069】同様にして、二光束干渉法により波長48
8nmのアルゴンレーザーの照射条件を変化させて緑色
用のブラッグ回折素子を作成した。製造された素子は傾
斜角θ1が6.23度、格子周期1.49μmとなり、電
圧無印加時には波長550nmの緑色光に対して出射角
度θ3が21.5度の特性が得られた。また、波長51
4.5nmのアルゴンイオンレーザーの二光束干渉によ
り赤色用のブラッグ回折素子を作成した。製造された素
子は傾斜角θ1が6.23度、格子周期1.76μmとな
り、電圧無印加時には波長650nmの赤色光に対して
出射角度θ3が21.5度の特性が得られた。いずれの
素子も同様な高速応答性を示した。
【0070】上記3つのブラッグ回折素子を図8のよう
にそれぞれ二枚づづ張り合わせた。各色用の素子に対し
て、素子の裏面から画像光を照射し、透過光画素を顕微
鏡観察した。いずれの素子も画像が505μm程度平行
にシフトした。これは、画素ピッチが10μmの液晶パ
ネルを用いる場合、50.5画素ピッチ分シフト量に相
当する。画素シフト動作のタイミング合わせて液晶パネ
ルに0.5画素分ずらしデータを送ると同時に、50画
素分だけ表示画像自体をシフトさせることで、画素増倍
効果を得ることができる。この平行シフト素子により高
精細画像表示装置が実現できることが確認できた。
【0071】(実施例3)2枚のITO付きガラス基板
(9cm×12cm,厚さ1mm)の間に30μmのス
ペーサを挟んでを用いて空セルを作製した。このセルの
中に、マトリックス樹脂の前駆体である紫外線硬化型ア
クリレートモノマーと誘電率異方性が正のネマチック液
晶BL36(メルク社製)との混合溶液(液晶濃度30
重量%)を常圧下で注入した。この液晶セルに二光束干
渉法により波長488nmのアルゴンレーザーを照射し
て光重合を行い、青色用のブラッグ回折素子を作成し
た。この時、素子の上下方向の位置に応じて格子周期が
0.91μm〜1.34μmに、格子面の傾斜角が11.
3度〜29.6度に変化するように露光条件を設定し
た。同様に、緑色用は格子周期が1.11μm〜1.85
μmに、格子面の傾斜角が11.3度〜29.6度に変化
するように露光条件を設定した。赤色用は格子周期が
1.31μm〜2.18μmに、格子面の傾斜角が11.
3度〜29.6度に変化するように露光条件を設定し
た。各色のブラッグ回折素子を張り合わせ、更に片側に
反射板を貼り付けて、反射型の光路偏向素子を作成し
た。
【0072】投射角度が30度のプロジェクタ装置の投
射光路中に反射型光路偏向装置を配置した。光路偏向素
子に対する入射角度が5度〜40度になり、この入射角
度の変化に対して、ブラッグ回折素子の動作による偏向
角度は常に30度±0.03度であった。表示画像デー
タを2分割し、120Hzで交互に投射表示するように
液晶パネル4を駆動した。そのタイミングに合わせて、
図11のように120Hzで画面投射位置を30度偏向
させることによって、見かけ上、画素数が2倍になっ
た。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、画像表示装置におい
て、ポリマー分散液晶構造のブラッグ回折格子を用いた
光路偏向手段を具備することにより、高速に光路を切換
えることができ、見かけ上画素が増倍した高解像表示が
可能となる。
【0074】本発明によれば、さらに、透過型のブラッ
グ回折格子を二枚組合わせることにより、画素ピッチの
数分の一から数十倍程度の範囲で光路を平行に、かつ正
確にシフトさせることが可能となる。
【0075】本発明によれば、ブラッグ回折格子と反射
板を組合わせた光路偏向手段を用いることにより、比ブ
ラッグ回折角度を比較的大きく設定でき、かつ、投射型
画像表示装置を小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による画像表示装置の構
成の概要を示す図である。
【図2】 本発明で用いるブラッグ回折素子の構成例を
示す図である。
【図3】 図2におけるブラッグ回折条件を説明するた
めの図である。
【図4】 図3に基づく光路振れ角度の計算結果を示す
図である。
【図5】 本発明に係る光路偏光手段の構成例を示す図
である。
【図6】 図5の構成で一枚の基板厚さをt=2mmと
した場合の各色用素子における格子周期dとスクリーン
上でのシフト量Lの関係の計算値を示す図である。
【図7】 本発明の他の実施形態による画像表示装置の
構成の概要を示す図である。
【図8】 本発明に係る光路偏光手段の他の構成例を示
す図で、図7における光路偏光手段を拡大して示した図
である。
【図9】 図8におけるブラッグ回折条件を説明するた
めの図である。
【図10】 図8及び図9の構成で基板の厚さを変えた
場合のシフト量Lの変化の計算値を示す図である。
【図11】 本発明の他の実施形態による画像表示装置
の構成を説明するための図である。
【図12】 本発明に係る光路偏光手段の他の構成例を
示す図で、図11における光路偏光手段を拡大した図で
ある。
【図13】 図12において波長550nmの光の偏向
角度Δθが場所に依らず30度で一定に設定するための
ブラッグ回折素子の設計条件の計算値を示す図である。
【図14】 本発明に係る光路偏光手段の他の構成例を
示す図で、反射型ブラッグ回折素子と反射板による光路
偏光手段を示す図である。
【図15】 本発明の他の実施形態による画像表示装置
の構成を説明するための図で、図14の光路偏光手段を
用いた投射型画像表示装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1…照明光源、2…拡散板、3…コンデンサレンズ、4
…透過型液晶パネル、5…投射レンズ、6…スクリー
ン、7…光源のドライブ部、8…液晶パネルのドライブ
部、9,19…光路偏向手段、10…光路偏向手段のド
ライブ部、20…ブラッグ回折素子、20R,20G,2
B…各色用のブラッグ回折素子、211,212,3
1,312…透明性基板、221,222…透明電極層、
23…光制御層、23R…赤色偏光層、23G…緑色偏光
層、23B…青色偏光層、24…マトリックス樹脂、2
5…液晶滴、25′…液晶面、26…電源、33…透過
型光制御層、34…反射板、39B…青色用光路偏向手
段、39G…緑色用光路偏向手段、39R…赤色用光路偏
向手段、θ1,θ1′…入斜角度、θB…ブラッグ角、
n1,n2,n3,nB…屈折率、θ3…出射角度(振
れ角度)、Δθ…偏向する角度、d…格子周期、θx,
θx′…格子面の傾斜角度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/74 H04N 9/31 C 5C060 9/31 G02F 1/1335 530 (72)発明者 滝口 康之 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 亀山 健司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 幾雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H088 EA13 EA18 GA02 GA03 HA08 HA18 HA24 HA28 JA05 JA13 JA19 MA20 2H089 HA04 KA08 QA16 RA05 RA10 RA13 TA09 TA15 TA17 TA18 UA05 2H091 FA26Z FA29Z FA32Z FA45Z GA13 HA07 HA10 HA12 LA30 MA07 2K002 AA07 AB04 BA06 CA14 EA07 HA02 5C058 BA23 BA25 EA01 EA11 EA32 5C060 BA04 BC01 BD02 BE05 BE10 EA01 GA02 GB06 HC00 HC07 HC11 JA00 JB06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に従って光を制御可能な複数の
    画素を二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示
    素子を照明する光源と、該画像表示素子に表示した画像
    パターンを観察するための光学部材と、画像フィールド
    を時間的に分割した複数のサブフィールド毎に前記画像
    表示素子からの出射光の光路を偏向する光路偏向手段と
    を有し、該光路偏向手段による前記サブフィールド毎の
    光路の偏向に応じて表示位置をずらせた状態の画像パタ
    ーンを表示することで、画像表示素子の見かけ上の画素
    数を増倍して表示する画像表示装置であって、前記光路
    偏向手段は、ポリマー分散液晶構造のブラッグ回折素子
    を有することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光学部材は投射レンズと透過型スク
    リーンとを有し、前記ブラッグ回折素子を前記透過型ス
    クリーンと投射レンズとの間に配置したことを特徴とす
    る請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記ブラッグ回折素子を前記画像表示素
    子と光学部材との間に配置したことを特徴とする請求項
    1記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光路偏向手段は、光路上に回折角度
    の略等しい2つの透過型のブラッグ回折素子を直列に配
    置し、光路を略平行にシフトさせることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 当該画像表示装置はRGBの加法混色に
    よるカラー表示を行い、前記光路偏向手段は、RGB各
    色用のブラッグ回折素子を直列に配置し、各色の偏向角
    度或いはシフト量の設定を最適化することで画素シフト
    時のシフト量を一致させることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1記載の画像表示装置。
  6. 【請求項6】 画像情報に従って光を制御可能な複数の
    画素を二次元的に配列した画像表示素子と、該画像表示
    素子を照明する光源と、該画像表示素子に表示した画像
    パターンを観察するための、投射レンズ及び透過型スク
    リーンを有する光学部材と、画像フィールドを時間的に
    分割した複数のサブフィールド毎に前記画像表示素子か
    らの出射光の光路を偏向するための、ポリマー分散液晶
    構造のブラッグ回折素子と反射板を有する反射型の光路
    偏向手段であって、前記投射レンズと透過型スクリーン
    との間に配置された光路偏向手段と、を有し、該光路偏
    向手段による前記サブフィールド毎の光路の偏向に応じ
    て表示位置をずらせた状態の画像パターンを表示するこ
    とで、画像表示素子の見かけ上の画素数を増倍して表示
    することを特徴とする画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記ブラッグ回折素子は、入射光の位置
    による入射角度に従って、該ブラッグ回折素子の格子周
    期と格子面の傾斜角度を変化させたことを特徴とする請
    求項6記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】 当該画像表示装置はRGBの加法混色に
    よるカラー表示を行い、前記光路偏向手段は、RGB各
    色用のブラッグ回折素子及び反射板を有し、各色の偏向
    角度の設定を最適化することで画素シフト時のシフト量
    を一致させることを特徴とする請求項6記載の画像表示
    装置。
  9. 【請求項9】 前記ブラッグ回折素子は、反射型光制御
    層と該反射型光制御層を挟む2つの透明性基板とを有す
    る反射型のブラッグ回折素子であり、前記画像表示素子
    から入射する側と反対側の透明性基板を透過して反射板
    で反射された光と前記反射型制御層で反射された光とを
    平行に保ち、且つ光路のシフト量が一定になるように、
    該透明性基板の厚さを連続的又は階段状に変化させてあ
    り、前記光路偏向手段は、前記投射レンズにより投射さ
    れた画像パターンを前記反射型ブラッグ回折素子により
    反射させ前記透過型スクリーンに表示位置がずれた画像
    パターンを表示するように配置されたことを特徴とする
    請求項6乃至8のいずれか1記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記表示位置をずらすシフト量は画素
    ピッチの整数分の1の距離又は画素ピッチの整数倍+整
    数分の1の距離に設定し、該シフト量に応じて前記画像
    表示素子を駆動する画像信号を補正することを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれか1記載の画像表示装置。
JP2000352090A 2000-11-20 2000-11-20 画像表示装置 Pending JP2002156617A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352090A JP2002156617A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 画像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000352090A JP2002156617A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 画像表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002156617A true JP2002156617A (ja) 2002-05-31

Family

ID=18825039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000352090A Pending JP2002156617A (ja) 2000-11-20 2000-11-20 画像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002156617A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10245104A1 (de) * 2002-09-27 2004-04-08 Carl Zeiss Jena Gmbh Projektionsanordnung und Projektionsverfahren
WO2008026452A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Sony Corporation Dispositif de projection et dispositif d'affichage d'image
CN104635364A (zh) * 2013-11-11 2015-05-20 中强光电股份有限公司 影像显示系统与应用其中的信号同步装置
JP2018179876A (ja) * 2017-04-19 2018-11-15 株式会社日立製作所 姿勢推定システム、距離画像カメラ、及び姿勢推定装置
CN111221127A (zh) * 2019-07-31 2020-06-02 友达光电股份有限公司 近眼显示装置
EP3698214A4 (en) * 2017-10-16 2021-10-27 Digilens Inc. SYSTEMS AND METHODS FOR MULTIPLICATION OF THE IMAGE RESOLUTION OF A PIXELIZED DISPLAY
US11307432B2 (en) 2014-08-08 2022-04-19 Digilens Inc. Waveguide laser illuminator incorporating a Despeckler
US11448937B2 (en) 2012-11-16 2022-09-20 Digilens Inc. Transparent waveguide display for tiling a display having plural optical powers using overlapping and offset FOV tiles
US11543594B2 (en) 2019-02-15 2023-01-03 Digilens Inc. Methods and apparatuses for providing a holographic waveguide display using integrated gratings
US11561409B2 (en) 2007-07-26 2023-01-24 Digilens Inc. Laser illumination device
US11586046B2 (en) 2017-01-05 2023-02-21 Digilens Inc. Wearable heads up displays
US11592614B2 (en) 2019-08-29 2023-02-28 Digilens Inc. Evacuated gratings and methods of manufacturing
US11681143B2 (en) 2019-07-29 2023-06-20 Digilens Inc. Methods and apparatus for multiplying the image resolution and field-of-view of a pixelated display
US11703645B2 (en) 2015-02-12 2023-07-18 Digilens Inc. Waveguide grating device
US11726332B2 (en) 2009-04-27 2023-08-15 Digilens Inc. Diffractive projection apparatus
US11740472B2 (en) 2015-01-12 2023-08-29 Digilens Inc. Environmentally isolated waveguide display
US11754842B2 (en) 2015-10-05 2023-09-12 Digilens Inc. Apparatus for providing waveguide displays with two-dimensional pupil expansion

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04113308A (ja) * 1990-09-03 1992-04-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 投影表示装置
JPH06308471A (ja) * 1993-02-23 1994-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子とその製造方法
JPH07104278A (ja) * 1993-09-30 1995-04-21 Sony Corp 光軸変換装置及びビデオプロジェクター
JPH07143499A (ja) * 1993-11-18 1995-06-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 撮像装置
JPH1078569A (ja) * 1996-09-04 1998-03-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子及び該光学素子の駆動方法並びに表示装置
JP2002525646A (ja) * 1998-09-14 2002-08-13 デジレンズ・インコーポレイテッド ホログラフィー照明装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04113308A (ja) * 1990-09-03 1992-04-14 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 投影表示装置
JPH06308471A (ja) * 1993-02-23 1994-11-04 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子とその製造方法
JPH07104278A (ja) * 1993-09-30 1995-04-21 Sony Corp 光軸変換装置及びビデオプロジェクター
JPH07143499A (ja) * 1993-11-18 1995-06-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 撮像装置
JPH1078569A (ja) * 1996-09-04 1998-03-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光学素子及び該光学素子の駆動方法並びに表示装置
JP2002525646A (ja) * 1998-09-14 2002-08-13 デジレンズ・インコーポレイテッド ホログラフィー照明装置

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10245104B4 (de) * 2002-09-27 2008-08-07 Carl Zeiss Jena Gmbh Projektionsanordnung und Projektionsverfahren
DE10245104A1 (de) * 2002-09-27 2004-04-08 Carl Zeiss Jena Gmbh Projektionsanordnung und Projektionsverfahren
WO2008026452A1 (fr) * 2006-08-31 2008-03-06 Sony Corporation Dispositif de projection et dispositif d'affichage d'image
JP2008058665A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Sony Corp 投射装置および画像表示装置
US8042950B2 (en) 2006-08-31 2011-10-25 Sony Corporation Projection apparatus and image display apparatus with individual color light diffusion and microlens array
US11561409B2 (en) 2007-07-26 2023-01-24 Digilens Inc. Laser illumination device
US11726332B2 (en) 2009-04-27 2023-08-15 Digilens Inc. Diffractive projection apparatus
US11448937B2 (en) 2012-11-16 2022-09-20 Digilens Inc. Transparent waveguide display for tiling a display having plural optical powers using overlapping and offset FOV tiles
CN104635364A (zh) * 2013-11-11 2015-05-20 中强光电股份有限公司 影像显示系统与应用其中的信号同步装置
US11307432B2 (en) 2014-08-08 2022-04-19 Digilens Inc. Waveguide laser illuminator incorporating a Despeckler
US11709373B2 (en) 2014-08-08 2023-07-25 Digilens Inc. Waveguide laser illuminator incorporating a despeckler
US11740472B2 (en) 2015-01-12 2023-08-29 Digilens Inc. Environmentally isolated waveguide display
US11703645B2 (en) 2015-02-12 2023-07-18 Digilens Inc. Waveguide grating device
US11754842B2 (en) 2015-10-05 2023-09-12 Digilens Inc. Apparatus for providing waveguide displays with two-dimensional pupil expansion
US11586046B2 (en) 2017-01-05 2023-02-21 Digilens Inc. Wearable heads up displays
JP2018179876A (ja) * 2017-04-19 2018-11-15 株式会社日立製作所 姿勢推定システム、距離画像カメラ、及び姿勢推定装置
EP3698214A4 (en) * 2017-10-16 2021-10-27 Digilens Inc. SYSTEMS AND METHODS FOR MULTIPLICATION OF THE IMAGE RESOLUTION OF A PIXELIZED DISPLAY
US11543594B2 (en) 2019-02-15 2023-01-03 Digilens Inc. Methods and apparatuses for providing a holographic waveguide display using integrated gratings
US11681143B2 (en) 2019-07-29 2023-06-20 Digilens Inc. Methods and apparatus for multiplying the image resolution and field-of-view of a pixelated display
CN111221127A (zh) * 2019-07-31 2020-06-02 友达光电股份有限公司 近眼显示装置
US11592614B2 (en) 2019-08-29 2023-02-28 Digilens Inc. Evacuated gratings and methods of manufacturing
US11899238B2 (en) 2019-08-29 2024-02-13 Digilens Inc. Evacuated gratings and methods of manufacturing

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11561409B2 (en) Laser illumination device
US6185016B1 (en) System for generating an image
JP2002156617A (ja) 画像表示装置
JP3909812B2 (ja) 表示素子及び露光素子
US6646636B1 (en) Display system utilizing ambient light and a dedicated light source
US6504629B1 (en) Method and apparatus for illuminating a display
JP3418508B2 (ja) 投影型画像表示装置
CN116149058A (zh) 用于倍增像素化显示器的图像分辨率的系统和方法
JP3729438B2 (ja) 回折空間光変調器およびディスプレイ
KR20210100174A (ko) 단일 격자층 컬러 홀로그램 도파관 디스플레이를 제공하기 위한 방법 및 장치
WO2000023832A1 (en) Holographic display system
JP2002268014A (ja) 画像表示装置
JP4052803B2 (ja) 画像表示装置
US20230266512A1 (en) Nanoparticle-Based Holographic Photopolymer Materials and Related Applications
WO2000039641A1 (en) Method for producing a multi-layer holographic device
US7106389B2 (en) Optical shifter and projection type optical display system
JP2002372701A (ja) 画像表示装置
JP4846940B2 (ja) 画像表示装置
US6424437B1 (en) Projection display employing switchable holographic optical elements
JP4057320B2 (ja) 光路偏向装置及び画像表示装置
JP2003066405A (ja) 光路偏向素子、画像表示装置および光路偏向素子の制御方法
JP3781287B2 (ja) 画像表示装置
JP4047596B2 (ja) 光偏向素子および画像表示装置
JP4165167B2 (ja) 照明装置および投射型表示装置
US6744483B2 (en) Liquid crystal display and projector having electrode section with equal areas and different heights

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304