JP2001154179A - 液晶光学素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶光学素子およびその製造方法

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JP2001154179A
JP2001154179A JP33543899A JP33543899A JP2001154179A JP 2001154179 A JP2001154179 A JP 2001154179A JP 33543899 A JP33543899 A JP 33543899A JP 33543899 A JP33543899 A JP 33543899A JP 2001154179 A JP2001154179 A JP 2001154179A
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liquid crystal
layer
optical element
matrix resin
depolymerized
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JP33543899A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Goto
智久 五藤
Hideya Murai
秀哉 村井
Daisaku Nakada
大作 中田
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NEC Corp
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
New Energy and Industrial Technology Development Organization
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
NEC Corp
New Energy and Industrial Technology Development Organization
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視差が少なくかつ一画素でマルチカラーを表
示する液晶光学素子およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 液晶材料31がマトリックス樹脂41中
に分散している調光層61を有する液晶光学素子におい
て、調光層61中の表示画素に少なくとも一つのホール
(又は溝)51が調光層61の深さ方向に形成される。
本発明では、先にポリマーだけから成るホログラムフィ
ルムを形成するため調光層間に基板を使用せずにITO
等の電極層を形成できる。各画素ごとにホール又は溝を
設けることにより、解重合型レジスト材料の除去が容
易、TFTへの接続用の壁型電極層の形成が可能、液晶
材料の注入が容易となる。液晶材料としては任意のもの
を選択でき、又、ポリマー中の液晶材料の溶け込みが無
いためポリマーとの屈折率差の低下もなく、高い反射率
が得られる。更に表示画素ごとに液晶材料を注入するた
め大面積化を容易に実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は偏光板、カラーフィ
ルターが不要な選択反射型のホログラフィック高分子分
散液晶光学素子(HPDLC)等に関するものである。
本発明の液晶光学素子は、文字、図形等を表示する表示
装置、入射光の反射または透過と遮断を制御するライト
バルブ等に利用される。
【0002】
【従来の技術】近年、低消費電力化を目標にバックライ
トが不要な反射型の液晶光学素子が提案されている。例
えば、特開平5−134266号公報には、液晶と高分
子から構成された反射型の液晶素子が開示されている。
この開示技術の液晶光学素子では規則的に並んだ液晶滴
と高分子材料の屈折率差に起因する光の干渉を利用して
光の反射/透過を制御しており、ホログラフィック高分
子分散液晶素子(HPDLC)と呼ばれている。この素
子中の高分子材料の屈折率は、液晶材料の常光屈折率近
傍に設定されている。電圧無印加状態では、液晶滴中の
液晶分子はランダムに配向しており、高分子材料と屈折
率差が生じている。この屈折率差と液晶滴の周期により
特定の波長の光が選択的に反射される。また、この液晶
光学素子に電圧を印加していくと、高分子材料と液晶滴
との屈折率差が小さくなり、選択反射光強度が低下して
いく。この液晶光学素子は、特公平3−52843号公
報等で開示されている液晶をカプセル化し高分子材料中
に分散した透過/散乱型の液晶光学素子と同様に偏光板
を要しないため光の利用効率が高いということ、TFT
(薄膜トランジスタ:thin film transistor)、MIM
(metal insulator metal)等のアクティブ素子での駆動
が可能であるという利点を有している。なお、この液晶
光学素子では、液晶滴の間隔の設定により選択反射波長
が異なる液晶光学素子が製造できるため、RGB(赤、
緑、青)の各波長を選択反射する画素を並置あるいは積
層することによりマルチカラーやフルカラー表示がカラ
ーフィルター無しで実現できる。
【0003】上記特開平5−134266号公報で開示
されたホログラフィック高分子分散液晶は、赤色反射、
緑色反射、青色反射の各パネルを積層化した液晶ディス
プレイが提案されているが、画素サイズに比べパネルの
厚みが十分に厚くなると視差が発生するという問題があ
る。この問題を解決するために、調光層間の基板を排除
した構造が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術にお
いて2つの課題がある。一つは、調光層を積層した場合
に調光層間の電極層の形成が困難という点である。すな
わち、液晶材料とマトリックス樹脂から成る調光層上に
直接およびスパッタや蒸着等により電極層を形成する方
法は、高温や減圧という電極の形成条件のため調光層に
ダメージを与え、電気光学特性が低下してしまう。ま
た、有機溶剤中に導電性材料を分散した溶液を調光層上
に塗布後、乾燥させて同様に調光層上に電極層だけを形
成させるキャスト法では、塗布時に使用される有機溶剤
によって調光層の膨潤、液晶の抽出を引き起こし、同様
に電気光学特性を低下させるという課題を有す。このよ
うに、液晶材料とマトリックス樹脂から成る調光層に影
響を与えない効果的な電極層製造方法は開示されていな
い。また、液晶材料とマトリックス樹脂から成る調光層
間に両面に電極層が形成された層間フィルムを設置する
方法も提案されているが、表示画素のサイズが小さくな
った場合、フィルムの厚みを非常に薄くしないと視差が
発生し、表示品質を著しく低下させるという問題があ
る。また、フィルムの設置により不要な反射が発生する
と共に、薄いフィルムは取り扱いが非常に困難であると
いう課題がある。さらに、各HPDLC層をTFT等の
アクティブー素子で駆動させる場合、層間フィルム上の
電極を取り出して、別のガラス等の基板上に形成された
TFTへ接続することは極めて難しい。
【0005】もう一つの課題は、液晶材料とマトリック
ス樹脂を任意に組み合わせることが出来ないということ
である。調光層は液晶材料がマトリックス樹脂中に周期
的に分散した構成であり、この構成はマトリックス樹脂
前駆体と液晶材料の混合物にレーザーの干渉露光を行い
製造される。レーザーの干渉露光前はマトリックス樹脂
前駆体と液晶材料の混合物はアイソトロピックであり、
干渉露光によりマトリックス樹脂前駆体が重合して、そ
れに伴い液晶材料が析出する。すなわち、液晶材料とマ
トリックス樹脂前駆体が混合してアイソトロピックであ
ること、マトリックス樹脂前駆体の光重合により液晶材
料が析出して目的とするサイズや周期の液晶滴を形成す
ることが前提条件となる。また、前述した条件が満たさ
れてマトリックス樹脂中に液晶滴の周期構造が形成され
たとしても、液晶材料とマトリックス樹脂の相分離は1
00%ではなく、マトリックス樹脂中に液晶材料は残存
しいる。この液晶光学素子の動作原理から、マトリック
ス樹脂中の液晶材料の残存は、マトリックス樹脂と液晶
材料の屈折率差が低下を引き起こし、結果として、素子
のコントラストは低下する。
【0006】本発明の目的は、視差が少なくかつ一画素
でマルチカラーを表示できかつ高コントラストの積層型
の液晶光学素子およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によ
れば、マトリックス樹脂と、該マトリックス樹脂中に分
散された液晶材料とを有する調光層を有する液晶光学素
子において、調光層中の表示画素にホールまたは溝が調
光層の深さ方向に形成されていることを特徴とする液晶
光学素子が得られる。
【0008】本発明の第2の態様によれば、上記第1の
態様による液晶光学素子において、液晶材料はマトリッ
クス樹脂中に周期的に分散されていることを特徴とする
液晶光学素子が得られる。
【0009】本発明の第3の態様によれば、上記第1ま
たは上記第2の態様による液晶光学素子において、調光
層が可視光を選択的に反射することを特徴とする液晶光
学素子が得られる。
【0010】本発明の第4の態様によれば、上記第1、
上記第2、上記第3のいずれかの態様による液晶光学素
子において、前記調光層上に電極層を介してもう一つの
調光層が積層されていること特徴とする液晶光学素子が
得られる。
【0011】調光層が電極層を介して複数積層されてい
ること特徴とする液晶光学素子が得られる。
【0012】本発明の第5の態様によれば、マトリック
ス樹脂と、該マトリックス樹脂中に分散された液晶材料
とを有する調光層を有する液晶光学素子を製造する方法
において、前記マトリックス樹脂と、該マトリックス樹
脂中に分散された解重合型レジスト材料とを有するレジ
スト分散樹脂層を用意し、前記レジスト分散樹脂層から
前記解重合型レジスト材料を除去し、前記レジスト分散
樹脂層に、除去された前記解重合型レジスト材料の代り
に、液晶材料を注入することにより、前記調光層を得る
ことを特徴とする液晶光学素子の製造方法が得られる。
【0013】本発明の第6の態様によれば、上記第5の
態様による液晶光学素子の製造方法において、前記レジ
スト分散樹脂層から前記解重合型レジスト材料を加熱に
より除去することを特徴とする液晶光学素子の製造方
法。
【0014】本発明の第7の態様によれば、上記第5の
態様による液晶光学素子の製造方法において、前記レジ
スト分散樹脂層から前記解重合型レジスト材料を光照射
により除去することを特徴とする液晶光学素子の製造方
法が得られる。
【0015】本発明の第8の態様によれば、マトリック
ス樹脂と、該マトリックス樹脂中に周期的に分散された
液晶材料とを有する調光層を有する液晶光学素子を製造
する方法において、前記マトリックス樹脂と、該マトリ
ックス樹脂中に周期的に分散された解重合型レジスト材
料とを有するホログラム層を用意し、前記ホログラム層
から前記解重合型レジスト材料を除去し、前記ホログラ
ム層に、除去された前記解重合型レジスト材料の代り
に、液晶材料を注入することにより、前記調光層を得る
ことを特徴とする液晶光学素子の製造方法が得られる。
【0016】本発明の第9の態様によれば、上記第8の
態様による液晶光学素子の製造方法において、前記ホロ
グラム層から前記解重合型レジスト材料を加熱により除
去することを特徴とする液晶光学素子の製造方法が得ら
れる。
【0017】本発明の第10の態様によれば、上記第8
の態様による液晶光学素子の製造方法において、前記ホ
ログラム層から前記解重合型レジスト材料を光照射によ
り除去することを特徴とする液晶光学素子の製造方法が
得られる。
【0018】本発明の第11の態様によれば、マトリッ
クス樹脂と、該マトリックス樹脂中に分散された液晶材
料とを有する調光層を有する液晶光学素子を製造する方
法において、前記マトリックス樹脂と、該マトリックス
樹脂中に分散された解重合型レジスト材料とを有するレ
ジスト分散樹脂層を用意し、前記レジスト分散樹脂層に
ホールまたは溝を形成し、前記ホールまたは前記溝を介
して、前記レジスト分散樹脂層から前記解重合型レジス
ト材料を除去し、前記ホールまたは前記溝を介して、前
記レジスト分散樹脂層に、除去された前記解重合型レジ
スト材料の代りに、液晶材料を注入することにより、前
記調光層を得ることを特徴とする液晶光学素子の製造方
法が得られる。
【0019】本発明の第12の態様によれば、マトリッ
クス樹脂と、該マトリックス樹脂中に周期的に分散され
た液晶材料とを有する調光層を有する液晶光学素子を製
造する方法において、前記マトリックス樹脂と、該マト
リックス樹脂中に周期的に分散された解重合型レジスト
材料とを有するホログラム層を用意し、前記ホログラム
層にホールまたは溝を形成し、前記ホールまたは前記溝
を介して、前記ホログラム層から前記解重合型レジスト
材料を除去し、前記ホールまたは前記溝を介して、前記
ホログラム層に、除去された前記解重合型レジスト材料
の代りに、液晶材料を注入することにより、前記調光層
を得ることを特徴とする液晶光学素子の製造方法が得ら
れる。
【0020】本発明の第13の態様によれば、上記第1
2の態様による液晶光学素子の製造方法において、前記
ホールまたは前記溝の側面に電極を形成することを特徴
とする液晶光学素子の製造方法が得られる。
【0021】本発明の第14の態様によれば、電極層付
基板上に解重合型レジスト材料とマトリックス樹脂前駆
体からなるホログラム前駆体層を形成する工程と、その
ホログラム前駆体層にレーザー干渉露光を行いマトリッ
クス樹脂前駆体をマトリックス樹脂に硬化させ、解重合
型レジスト材料がマトリックス樹脂中に周期的に分散し
たホログラム層とする工程と、前記ホログラム層上に電
極層を形成する工程と、前記ホログラム層にホールまた
は溝を形成する工程と、前記ホールまたは前記溝を介し
て、前記ホログラム層から前記解重合型レジスト材料を
除去する工程と、前記ホールまたは前記溝を介して、前
記ホログラム層に、除去された前記解重合型レジスト材
料の代りに、液晶材料を注入する工程とを有することを
特徴とする液晶光学素子の製造方法が得られる。
【0022】本発明の第15の態様によれば、上記第1
4の態様による液晶光学素子の製造方法において、前記
ホールまたは前記溝の側面に電極を形成する工程を、更
に有することを特徴とする液晶光学素子の製造方法が得
られる。
【0023】上述したように、本発明の液晶光学素子
は、液晶材料がマトリックス樹脂中に分散している調光
層を有する液晶光学素子において、調光層中の表示画素
にホールまたは溝が調光層の深さ方向に形成されている
ことを特徴とする。また、調光層は解重合型レジスト材
料が分散したマトリックス樹脂から解重合型レジスト材
料を除去した後、液晶材料を注入することにより製造さ
れることも特徴である。
【0024】本発明の液晶光学素子およびその製造方法
によれば、先にポリマーだけから成るホログラムフィル
ムを形成するため調光層間に基板を使用せずにITO等
の電極層を形成することができる。また、表示画素にホ
ールまたは溝を設けることにより、解重合型レジスト材
料の除去が容易、TFTへの接続用の壁型電極層の形成
が可能、液晶材料の注入が容易となる。液晶材料として
は任意のものを選択でき、また、ポリマー中への液晶材
料の溶け込みが無いためポリマーとの屈折率差の低下も
なく、高い反射率が得られるという利点を有する。さら
に、表示画素ごとに液晶材料を注入するため、大面積化
を容易に実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の上記の目的、特徴および
利点を明確にすべく、添付した図面を参照しながら、本
発明の実施の形態を以下に詳述する。
【0026】図1を参照すると、本発明の液晶光学素子
は、マトリックス樹脂41と、該マトリックス樹脂41
中に分散された液晶滴(または液晶材料)31とを有す
る調光層61を有し、調光層61中の表示画素にホール
(または溝)51が調光層61の深さ方向に形成されて
いる。
【0027】この液晶光学素子において、液晶滴(また
は液晶材料)31はマトリックス樹脂41中に周期的に
分散されている。
【0028】なお、調光層61は、基板11上に形成さ
れた第1の電極層21上に形成されている。調光層61
上に第2の電極層22が形成されている。基板61の下
面には光吸収層12が形成されている。
【0029】この液晶光学素子において、調光層61
は、入射光1として入射された可視光を選択的に反射光
2として反射する。
【0030】調光層61上に電極層を介してもう一つの
調光層が積層されていても良い。
【0031】図1に示した、マトリックス樹脂41と、
該マトリックス樹脂41中に周期的に分散された液晶材
料とを有する調光層61を有する液晶光学素子を製造す
る際には、マトリックス樹脂41と、該マトリックス樹
脂41中に周期的に分散された解重合型レジスト材料と
を有するホログラム層を用意し、前記ホログラム層にホ
ール(または溝)51を形成し、前記ホール(または前
記溝)51を介して、前記ホログラム層から前記解重合
型レジスト材料を除去し、前記ホール(または前記溝)
51を介して、前記ホログラム層に、除去された前記解
重合型レジスト材料の代りに、液晶滴(または液晶材
料)31を注入することにより、調光層61を得る。
【0032】前記ホログラム層から前記解重合型レジス
ト材料を加熱により除去しても良いし、前記ホログラム
層から前記解重合型レジスト材料を光照射により除去し
ても良い。
【0033】後述するように、前記ホール(または前記
溝)51の側面には電極(壁電極)が形成されても良
い。
【0034】図1に示した本発明の液晶光学素子の構成
において重要な特徴は、表示画素に、ホール(または
溝)51を有するということであり、前記ホール(また
は溝)51の機能は以下の機能を有している。
【0035】まず、前記ホール(または溝)51の機能
は、解重合型レジスト材料を除去するためのものであ
る。体積型のホログラム層では、屈折率の周期構造は図
1中の液晶滴31とマトリックス樹脂41の配置関係の
ように、基板11に水平に近い状態となっており、この
ような構造のホログラム層から一方のポリマーを電極層
が形成された上面からホログラムの微細な構造を維持し
た状態で除去することは困難である。しかしながら、解
重合性レジスト材料が解重合して揮発性物質となり、各
画素にホール(または溝)51が形成されていれば、ホ
ログラムの微細構造を維持した状態で解重合型レジスト
材料だけをそのホール(または溝)51から完全に除去
することができる。他の特徴は、調光層61間にある電
極層と基板上にある取り出し電極とを接続する壁型電極
層をホール(または溝)51の側面に形成することがで
きるということである。
【0036】さらに、ホール(または溝)51は、液晶
材料を注入する注入口の機能も有する。解重合型レジス
ト材料が抜けた空隙のサイズは160nmから220n
m程度で基板に水平方向にだけ繋がっている。この微小
空隙に液晶を注入する場合、通常の液晶光学素子のよう
に1つの注入口では困難であるが、各画素ごとに注入口
が設けられているためにこの微小空隙に注入が初めて可
能となった。フィルターのような多孔質ポリマー中に液
晶材料を注入し、光の透過/散乱を制御する液晶光学素
子を製造する方法は一般的に知られているが、これらの
多孔質ポリマーは3次元ネットワーク状でその孔のサイ
ズも1μm程度と非常に大きいものであり、これらの多
孔質ポリマーへの注入が可能であるからといって、体積
型のホログラムの微細な空隙に注入ができるものとは到
底考えられない。
【0037】上述したように、本発明の液晶光学素子の
製造方法によれば、先にポリマーだけから成るホログラ
ム層を形成するためプラスチックやガラス等の基板を調
光層間に設置しなくても電極層を形成することができ
る。また、各画素ごとにホールまたは溝を設けることに
より、解重合型レジスト材料の除去が容易、TFT等へ
の取り出し電極に接続するための壁型電極層の形成が可
能、液晶材料の注入が容易となる。さらに、各画素ごと
に液晶を注入するため大画面化が可能となることは言う
までもない。液晶材料としては任意のものを選択でき、
また、マトリックス樹脂中への液晶材料の溶け込みが無
いためマトリックス樹脂との屈折率差の低下もな無く、
高い反射率が得られるという利点を有する。また、解重
合型レジスト材料は光または熱により解重合を起こし、
低分子量の化合物となるため、減圧乾燥等により容易に
除去できる。すなわち、本発明の液晶光学素子に利用さ
れる解重合型レジスト材料は乾式プロセスによりホログ
ラム層から除去されるため、マトリックス樹脂の膨潤や
基板からの剥離も起こらないという利点もある。
【0038】本発明で使用する液晶材料としてはネマチ
ック液晶、スメクチック液晶などが使用可能である。素
子の構成、駆動方法により正の誘電異方性を有する液晶
材料を利用することもできるし、負の誘電異方性を有す
る液晶材料を利用することもできる。また、周波数によ
り誘電異方性の符号が変化する2周波駆動液晶も利用で
きる。低駆動電圧および高反射率特性の点からは、誘電
率の異方性が大きく、屈折率の異方性が大きいものが望
ましい。また、本発明の素子をTFT等の能動素子とし
て駆動させるためには、液晶材料の電気抵抗が大きく、
電荷保持率の大きいことが望ましく、フッ素系、塩素系
等の高抵抗の液晶材料が利用できる。本発明の液晶光学
素子では、液晶材料をマトリックス樹脂中に形成された
空隙に注入して調光層を製造するため、液晶材料がマト
リックス樹脂前駆体と相溶する必要性は全くない。
【0039】本発明で利用されるマトリックス樹脂はマ
トリックス樹脂前駆体が光により高分子化すなわち光重
合したものである。マトリックス樹脂前駆体としては、
2-エチルヘキシルアクリレート、ブチルエチルアクリレ
ート、ブトキシエチルアクリレート、2-シアノエチルア
クリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-エ
トキシエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル
アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルアクリレート、グリシジルアクリレート、テトラヒ
ドロフルフリルアクリレート、イソボニルアクリレー
ト、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、
モルホリンアクリレート、フェノキシエチルアクリレー
ト、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、2,
2,2-トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3-ペン
タフルオロプロピルアクレート、2,2,3,3-テトラフルオ
ロプロピルアクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロ
ブチルアクリレート等の単官能アクリレート化合物、2-
エチルヘキシルメタクリレート、ブチルエチルメタクリ
レート、ブトキシエチルメタクリレート、2-シアノエチ
ルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2-エトキシエチルアクリレート、N,N-ジエチル
アミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレー
ト、ジシクロペンテニルメタクリレート、グリシジルメ
タクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、イソボニルメタクリレート、イソデシルメタクリレ
ート、ラウリルメタクリレート、モルホリンメタクリレ
ート、フェノキシエチルメタクリレート、フェノキシジ
エチレングリコールメタクリレート、2,2,2-トリフルオ
ロエチルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチ
ルメタクリレート等の単官能メタクリレート化合物、4,
4'-ビフェニルジアクリレート、ジエチルスチルベスト
ロールジアクリレート、1,4-ビスアクリロイルオキシベ
ンゼン、4,4'-ビスアクリロイルオキシジフェニルエー
テル、4,4'-ビスアクリロイルオキシジフェニルメタ
ン、3.9-ビス[1,1-ジメチル-2-アクリロイルオキシエ
チル]-2,4,8,10-テトラスピロ[5,5]ウンデカン、
α、α'-ビス[4-アクリロイルオキシフェニル]-1,4-
ジイソプロピルベンゼン、1,4-ビスアクリロイルオキシ
テトラフルオロベンゼン、4,4'-ビスアクリロイルオキ
シオクタフルオロビフェニル、ジエチレングリコールジ
アクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,
3-ブチレングリコールジアクリレート、ジシクロペンタ
ニルジアクリレート、グリセロールジアクリレート、1,
6-ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ジトリメチロールプ
ロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロ
キシペンタアクリレート、4,4'-ジアクリロイルオキシ
スチルベン、4,4'-ジアクリロイルオキシジメチルスチ
ルベン、4,4'-ジアクリロイルオキシジエチルスチルベ
ン、4,4'-ジアクリロイルオキシジプロピルスチルベ
ン、4,4'-ジアクリロイルオキシジブチルスチルベン、
4,4'-ジアクリロイルオキシジペンチルスチルベン、4,
4'-ジアクリロイルオキシジヘキシルスチルベン、4,4'-
ジアクリロイルオキシジフルオロスチルベン、2,2,3,3,
4,4-ヘキサフルオロペンタンジオール 1,5-ジアクリレ
ート、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロピル-1,3-ジア
クリレート、ウレタンアクリレートオリゴマー等の多官
能アクリレート化合物、ジエチレングリコールジメタク
リレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,3-
ブチレングリコールジメタクリレート、ジシクロペンタ
ニルジメタクリレートグリセロールジメタクリレート、
1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチル
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジトリ
メチロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタメタクリレート、2,2,3,3,
4,4-ヘキサフルオロペンタンジオール 1,5-ジメタクリ
レート、ウレタンメタクリレートオリゴマー等の多官能
メタクリレート化合物、スチレン、アミノスチレン、酢
酸ビニル等がある。さらにフッ素元素を含マトリックス
樹脂前駆体として、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロペンタ
ンジオール 1,5-ジアクリレート、1,1,2,2,3,3-ヘキサ
フルオロプロピル-1,3-ジアクリレート、2,2,2-トリフ
ルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロ
プロピルアクレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル
アクリレート、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルアク
リレート、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート、
2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,
3,4,4,4-ヘキサフルオロブチルメタクリレート、フッ素
含有ウレタンアクリレートオリゴマー等を含む化合物が
挙げられるがこれに限定されるものではない。これらの
マトリックス樹脂前駆体は単独で利用することもできる
し、二種類以上を混合することもできるが、光硬化後の
マトリックス樹脂の強度や安定性から、マトリックス樹
脂前駆体は少なくとも1種類の多官能性の化合物を含有
していることが好ましい。一方、マトリックス樹脂前駆
体およびマトリックス樹脂は光学的に等方性であること
に限定されず、光学異方性を有していても良い。すなわ
ち、マトリックス樹脂の前駆体は液晶性を有していても
構わない。マトリックス樹脂の屈折率およびその異方性
は目的とする液晶光学素子の反射または透過特性により
任意に設定できる。その一例としては、高分子材料の屈
折率は液晶材料の常光屈折率またはその近くに設定した
場合がある。
【0040】マトリックス樹脂前駆体には、光照射によ
る重合を起こしやすくするために光重合開始剤を添加す
ることが望ましい。具体的には、光重合開始剤として
は、アセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン
系、チオキサンソン系等の通常の光重合開始剤が使用で
きる。例えば、カンファーキノン、、5,7−ヨード−3−
ブトキシ−6−フルオレン、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン
−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、4−フェニルベンゾフェノン、2−クロロ
チオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等およびこ
れらの化合物の誘導体がある。開始剤は固体でも液体で
も構わないが素子の均一性の点から液晶中に溶解または
相溶するものが望ましい。開始剤濃度はマトリックス樹
脂の前駆体の30重量%以下が好ましい。また、必要の
応じてメチルジエタノールアミン、4-ジメチルアミノ安
息香酸等の光開始助剤を添加することもできる。さら
に、重合開始剤の吸収励起波長が光重合に使用する可視
光の光源の波長と合わなければ、長波長の可視の光を吸
収して重合開始剤にエネルギートランスファーする色素
増感剤を添加することができる。色素材料としてはクマ
リン系色素、ケトクマリン系色素、ローダミン系色素、
オキサジン系色素、カルボシアニン系色素、ジカルボシ
アン系色素、トリカルボシアン系色素、テトラカルボシ
アン系色素、ペンタカルボシアン系色素、オキソノール
系色素、スチリル系色素、キサンテン系色素、メロシア
ニン系色素、ローダシアニン系色素、ポルフィリン系色
素、アクリジン系色素等が挙げられるが、これに限定さ
れるものでは無い。色素材料は可視光により励起され、
エネルギーを光重合開始に移動させるものであればいず
れのもの構わない。
【0041】本発明の調光層を形成するマトリックス樹
脂の前駆体の光重合に用いられる光線としては可視光レ
ーザーが利用できる。特に、調光層内に格子状に高分子
材料を配置するために光重合は図2に示すような2光束
レーザー干渉露光により行う。図2において、レーザー
90から出射されたレーザビーム91はビームスプリッ
タ92によって2つのレーザー光にわかれる。2つのレ
ーザー光は、2つのミラー93をよってホログラム前駆
体付基板101に交差角が90°となるように入射され
る。
【0042】図3は、2つのレーザー光71および72
が交差角180°でホログラム前駆体付基板(これは、
図3の場合、基板11と、該基板11上に電極層21を
介して形成されたホログラム前駆体層81とを有する)
に入射される場合を示している。すなわち、図3に示す
ように、2つのレーザー光71および72を基板11に
入射しレーザー光が干渉した状態で光重合を行う。赤
色、緑色、青色の選択反射を得るためには、レーザー光
71および72の入射角度(レーザー光71および72
の交差角度)を調整したり、異なる波長のレーザー光源
を使用する。レーザー光源としてはアルゴンイオンレー
ザーや各種の半導体レーザー等が使用できる。
【0043】例えば図2のレーザー干渉露光装置におい
て、レーザー光源90として波長488nmのアルゴン
イオンレーザーを使用し、90度の交差角度で2光束を
入射させて本発明の液晶光学素子を作製すると、電圧印
加時に緑色の選択反射を示す特性が得られる。レーザー
照射時には、フォトマスク等の光遮蔽膜を使用し、任意
のパターンを形成することもできる。
【0044】なお、図4に示すような1つの調光層中に
液晶滴間隔の異なる2つの周期構造(図4に170およ
び171で示した周期構造1および周期構造2)すなわ
ち回折格子を作製するために2光束以上のレーザー光束
を使用しても構わない。この時、波長の異なる2つのレ
ーザーを使用して4光束を同時に照射することができる
し、図5に示すように、一つのレーザー90のレーザー
ビーム91を、3つのビームスプリッタ92とミラー9
4と5つのミラー93とを用いて4つに分岐し、4つの
分岐レーザー光をホログラム前駆体付基板101に入射
し、2つの干渉縞を作製し、間隔が異なる2つの周期を
作製しても良い。さらに、調光層製造時、すなわち光照
射時に電場あるいは磁場等を調光層前駆体に印加するこ
ともできる。
【0045】図1において、本発明の調光層61とは、
マトリックス樹脂41中に液晶滴(液晶材料)31が分
散した構成である。マトリックス樹脂41中に分散する
液晶滴(液晶材料)31はネットワーク上に連結してい
ても構わない。調光層61の一例としてはホログラフィ
ック高分子分散液晶(HPDLC)がある(図23参
照)。ホログラフィック高分子分散液晶(HPDLC)
においては可視光を選択反射するように液晶滴(液晶材
料)31はマトリックス樹脂41中に周期性を有して分
散している。それらの周期性は目的とする選択反射波長
により任意に設定することができる。また、特定の波長
を反射あるいは吸収する特性を有する調光層61(HP
DLC)を積層して(図23参照)、マルチカラーを表
示する場合、その積層の順番は任意に選択できる。な
お、本発明の液晶光学素子における調光層61の表示画
素とは、一般の液晶ディスプレイにおける一つの画素を
示しており、電極を含んだ繰り返し表示部の一つであ
る。
【0046】本発明の液晶光学素子における調光層61
の深さ方向に形成されているホール(または溝)51は
表示画素内あるいはその周辺に位置する。調光層61の
深さ方向とは基板11平面の法線方向を示し、簡単には
調光層61の厚さ方向を示している。ホール(または
溝)51の深さやサイズは調光層61の積層構成や表示
画素形状により異なるが、その一例として深さは調光層
61の上面から底面までがある。サイズは壁型電極層の
形状等により決められる、素子の開口率を考慮して表示
画素面積の30%以下であることが望ましい。
【0047】図6、図7、図8、及び図9に示すよう
に、表示画素160,161,162,163に対する
ホール(または溝)54、55、56、57の形状や個
数は任意に選択できる。図10に示すように、ホール
(または溝)58は二つ以上の表示画素164で共有し
ていることもでき、また、図11に示すように連続する
表示画素164間で溝59が繋がっておりストライプ状
になっていても構わない。さらに各表示画素がそのスト
ライプで完全に分離されている構造も含む。また、表示
画素中におけるホール(または溝)の位置は、任意に選
ぶことができるが、ホログラム層の解重合性レジストを
完全に除去できる位置が好ましい。
【0048】図1において、電極層21および22の材
料としてはITO等の通常の電極材料が利用できる。ま
た、使用する基板11自身が導電性を有している場合は
基板11を電極21としても利用することもできる。ま
た、薄膜トランジスタ(TFT)、メタルインシュレー
ターメタル(MIM)等のアクティブ素子を付加するこ
ともできる。必要に応じ電極層をパターニングすること
もできる。また、調光層61を積層した場合、調光層6
1間の電極層21を基板11上に形成されたTFT等に
接続するための電極としてホール(または溝)51の壁
を利用した壁型電極層(例えば、図23の第1および第
2の壁電極25および26である。)を形成させること
ができる。壁型電極層の材料としてもITO等の通常の
電極材料が利用できる。
【0049】図1において、本発明の液晶光学素子で
は、調光層61は電極層21および22に挟持されてい
る。調光層61を積層した場合、2つの調光層61間に
は電極層が一層であることが好ましいが、絶縁層等を介
して2層の電極層を設けても構わない。また、電極層を
スパッタ等で形成する場合、ホログラム層の表面を保護
するために適当な保護膜を設けることができる。
【0050】本発明に用いられる基板11は、ガラス、
プラスチック等が使用できる。本発明の基板11は光学
素子と機能するために、使用の際には少なくとも一方が
透明であることが必要である。基板11は光学的に透明
であることが望ましい。基板11の間隔設定には、通常
の液晶素子に用いられるガラスまたは高分子樹脂等から
成るロッド状、球状のスペーサーを使用することがで
き、その間隔は3μm以上30μm以下程度が望まし
い。本発明の液晶光学素子は特定の波長を回折し選択的
に反射する反射型液晶素子に利用できるが、反射型の液
晶光学素子とする場合は光吸収層12を付加することが
望ましい。光吸収層12の設置場所としては調光層61
を形成した基板11の反対の面に光吸収層12を付加す
ることもできるし、電極層を形成した調光層の上に光吸
収層を直接形成することもできる。この場合、光吸収層
と調光層の間にガラス等に基板が無いため、不要な反射
等を抑制できる。また、この調光層と光吸収層の保護の
ために、保護膜や保護基板を付与することもできる。光
吸収層12は可視光を吸収する材料で構成されていれば
無機材料でも有機材料でも構わない。吸収強度または吸
収波長は目的とする素子特性により任意に変更できる
が、一般に黒色であることが望ましい。一方、本発明の
液晶光学素子は反射型のみならず透過型としても用いる
ことができる。すなわち、透過型としては、特定の波長
を通さないフィルターとして利用できる。
【0051】本発明の液晶光学素子は単層構造のみなら
ず積層構造にも適応でき、その積層数に制限はないが、
カラー反射型の液晶光学素子として利用する場合は、赤
色反射層、緑色反射層、青色反射層の3層を積層するこ
とによりフルカラーの表示が可能となり特に有効であ
る。赤色反射層、緑色反射層、青色反射層の3層を積層
する場合、積層の順番、各層の厚み等は任意に選択でき
る。
【0052】本発明に利用される解重合型レジスト材料
としては、ポリフタルアルデヒド誘導体、ポリカーボネ
ート誘導体、ポリアセタール誘導体等があるがこれに限
定されず、解重合を起こし低分子量化するポリマー材料
であればいずれのものも使用できる。解重合性レジスト
材料を解重合させる方法としては、加熱または光照射が
あるが、加熱により解重合性レジスト材料を解重合させ
る場合、マトリックス樹脂の分解温度以下、好ましくは
ガラス転移温度以下に温度を設定する。加温は常圧下で
も減圧下でも構わない。光照射により解重合性レジスト
材料を解重合させる場合、光の波長は任意に選択できる
が、UVを利用することが好ましい。このとき、解重合
を促進させるために光酸発生剤を予め添加しておくこと
が好ましい。この光酸発生剤としては、トリフェニルス
ルホニウム塩系材料、ジフェニルヨードニウム塩系材
料、スルホン酸エステル系材料等があるがこの限りでは
ない。
【0053】解重合レジスト材料とマトリックス樹脂前
駆体からなるホログラム前駆体の基板上への設置は、塗
布やスピンコート等の通常のコート方法が利用できる。
このとき、ホログラム前駆体の粘度が高い場合は、適当
な有機溶媒を用いることができる。
【0054】本発明の液晶光学素子の液晶滴(液晶材
料)31は、表示画素に設けられたホール(または溝)
51から注入される。注入は減圧下で行うことが好まし
い。また、ホール(または溝)51は基板11上に形成
された調光層61全体に塗布して注入されても構わない
が、印刷方式を利用して各ホールまたは溝だけに液晶材
料を充填することもできる。この印刷方式としては、イ
ンクジェット、バブルジェット等の方式や、シール印刷
等の方式が利用できる。液晶滴(液晶材料)31の注入
後は、表面に保護フィルムを形成することが好ましい。
また、ガラス等の基板を張り合わせることもできる。こ
の時、張り合わせる基板の調光層61側に電極層を形成
しておき、調光層61の最上部の電極層として利用する
こともできる。また、液晶滴(液晶材料)31を注入前
に表面に保護フィルムを形成することもできるが、この
場合、各表示画素周辺に形成されるホール(または溝5
1は連結しており、調光層61の側面からの注入が可能
であることが望ましい。
【0055】図1において、壁型電極層(例えば、図2
3の第1および第2の壁電極25および26である。)
の形成をより容易にするために、ホール(または溝)5
1の深さ方向即ち基板11平面の垂直方向に対して傾斜
(図12)や段差(図13)を設けることができる。図
12および図13において、151、152、153は
赤色反射ホログラム層、緑色反射ホログラム層、青色反
射ホログラム層であり、21、22、23、24は第1
乃至第4の電極層であり、500が傾斜を設けたホール
(または溝)であり、510が段差を設けたホール(ま
たは溝)である。
【0056】図1において、ホール(または溝)51
に、上述の傾斜(図12)や上述の段差(図13)を設
けることにより、調光層61を積層した場合の調光層6
1間の電極層と壁型電極層との接続がより容易になる。
この時、図14に示すように第2の電極層29や第3の
電極層28をパターン化させて壁型電極との接続の容易
化、ショートの防止を行うことができる。
【0057】本発明における液晶光学素子の製造方法の
一例を、以下に具体的に述べる。
【0058】図15を参照して、まず、第1の電極層2
1付透明基板11上に解重合型レジスト材料111とマ
トリックス樹脂前駆体(図示せず)とからなるホログラ
ム前駆体層(図示せず)を塗布する。次に、塗布したホ
ログラム前駆体層にレーザー干渉露光を行い、前記マト
リックス樹脂前駆体をマトリックス樹脂41に硬化さ
せ、解重合型レジスト材料111がマトリックス樹脂4
1中に周期的に分散したホログラム層を形成する。
【0059】次に図16示されるように、解重合型レジ
スト材料111がマトリックス樹脂41中に周期的に分
散したホログラム層上に電極層22を形成する。
【0060】次に、図17のように、表示画素にホール
(または溝)51を形成する。
【0061】そして、図18のように、UV光(紫外線
光)等の光または熱により、解重合型レジスト材料11
1を解重合させて除去し、図19に示されるようにマト
リックス樹脂41中に空隙121を作製する。解重合型
レジスト材料111が抜けた空隙121にホール(また
は溝)51から液晶材料(液晶滴)31を注入し、図2
0に示されるマトリックス樹脂41中に液晶材料31が
周期的に分散した調光層61(図1)を作製する。
【0062】さらに、3層積層の液晶光学素子の製造方
法の一例を具体的に述べる。
【0063】図21を参照して、第1の電極層21が付
いた透明基板11上に、図15を参照して説明した方法
と同様の方法で、解重合型レジスト材料111(図1)が
マトリックス樹脂41(図1)中に周期的に分散した第1
のホログラム層(赤色反射ホログラム層)151を形成
する。
【0064】その第1のホログラム層151に第2の電
極層22を形成する。
【0065】その第2の電極層22上に、解重合型レジ
スト材料111がマトリックス樹脂41中に周期的に分
散した第2のホログラム層(緑色反射ホログラム層)1
52を、上述と同様にして形成する。
【0066】その第2のホログラム層152上に第3の
電極層23を形成する。
【0067】その第3の電極層23上に、解重合型レジ
スト材料111がマトリックス樹脂41中に周期的に分
散した第3のホログラム層(青色反射ホログラム層)1
53を、上述と同様にして形成する。
【0068】その第3のホログラム層153上に第4の
電極層24を形成する。
【0069】その状態で、図22に示すように、表示画
素にホール(または溝)51を形成する。
【0070】そして、熱または光により、解重合型レジ
スト材料111を解重合させて、解重合型レジスト材料
111をホール(または溝)51を介して除去する。
【0071】次に、ホール(または溝)51の側面に第
1および第2の壁電極25および26を形成する。
【0072】そして、解重合型レジスト材料111が抜
けた空隙に、ホール(または溝)51から液晶滴(液晶
材料)31を注入する。
【0073】このようにして、図23に示す液晶光学素
子が得られる。
【0074】以上説明したように、本発明の液晶光学素
子およびその製造方法によれば、先にポリマーだけから
成るホログラムフィルムを形成するため調光層間に基板
を使用せずにITO等の電極層を形成することができ
る。また、各画素ごとにホールまたは溝を設けることに
より、解重合型レジスト材料の除去が容易、TFTへの
接続用の壁型電極層の形成が可能、液晶材料の注入が容
易となる。液晶材料としては任意のものを選択でき、ま
た、ポリマー中への液晶材料の溶け込みが無いためポリ
マーとの屈折率差の低下もなく、高い反射率が得られる
という利点を有する。さらに、表示画素に液晶材料を注
入するため、大面積化が容易に実現できる。
【0075】なお、本発明は上記実施例に限定されず、
本発明の技術思考の範囲内において、各実施例は適宜変
更され得ることは明らかである。
【0076】次に本発明の具体例について述べる。
【0077】具体例1 ポリフタルアルデヒドと多官能アクリレートとカンファ
ーキノン誘導体およびアミン化合物の混合物をITO付
きガラス基板上にコートした。厚さは5μmとした。こ
の液晶セルに二光束干渉法により波長488nmのアル
ゴンレーザーを交差角90度で照射し光重合を行ない緑
色を反射する体積ホログラム層を作製した。このホログ
ラム層の表面に電極層を形成した後、画素サイズの10
%のサイズであるホールを調光層に形成した。ホールの
深さは調光層の上面から底面までとした。次に、この体
積ホログラム層付の基板を200℃に加熱しポリフタル
アルデヒドを解重合させ、減圧状態で除去した。減圧下
でホールに正の誘電率異方性のネマチック液晶材料BL
036を充填し、ポリフタルアルデヒドを除去した空隙
に液晶材料を注入し調光層を作製した。最後に基板の調
光層と反対側の面に光吸収層を形成した。電界の無印加
状態では、調光層は緑色を選択反射していた。対向する
電極間に100Hz、100Vの交流電界を印加したと
ころ、緑色の選択反射は完全に消失した。
【0078】具体例2 ポリフタルアルデヒド、トリフェニルスルホニウム塩系
材料、多官能アクリレート、カンファーキノン誘導体お
よびアミン化合物の混合物をITO付きガラス基板上に
コートした。厚さは5μmとした。この液晶セルに二光
束干渉法により波長488nmのアルゴンレーザーを交
差角180度で照射し光重合を行ない青色を反射するホ
ログラム層を作製した。この体積ホログラム層の表面に
電極層を形成した後、画素サイズの10%のサイズであ
るホールを調光層に形成した。ホールは調光層の上面か
ら底面までとした。次に、この体積型のホログラム層付
の基板にUVを照射し、ポリフタルアルデヒドを解重合
させ、減圧状態で除去した。減圧下でホールに正の誘電
率異方性のネマチック液晶材料BL036を充填し、ポ
リフタルアルデヒドを除去した空隙に液晶材料を注入し
調光層を作製した。最後に基板の調光層と反対側の面に
光吸収層を形成した。電圧の無印加状態では、調光層は
青色を選択反射していた。対向する電極間に100H
z、100Vの交流電界を印加したところ、青色の選択
反射は完全に消失した。
【0079】具体例3 ポリフタルアルデヒドと多官能アクリレートとカンファ
ーキノン誘導体およびアミン化合物の混合物を第1の電
極層と第2の電極層の取り出し電極が付いたガラス基板
上にコートした。厚さは5μmとした。この液晶セルに
2光束干渉法により波長488nmのアルゴンレーザー
を交差角90度で照射し光重合を行ない緑色を反射する
第1のホログラム層を作製した。この第1のホログラム
層の表面に第2のITO電極層を形成した。その上にポ
リフタルアルデヒドと多官能アクリレートとカンファー
キノン誘導体およびアミン化合物の混合物を5μmの厚
さにコートし、2光束干渉法により波長488nmのア
ルゴンレーザーを交差角180度で照射し光重合を行な
い青色を反射する第2のホログラム層を作製した。第2
のホログラム層の表面に電極層を形成した後、画素サイ
ズの15%のサイズであるホールを調光層に形成した。
ホールは第3の電極層面から第1の調光層の底面までと
した。ホールの側面に一端が第2の電極層と接続し、も
う一端が基板上に形成された第2の電極層の取り出し電
極と接続した壁型電極層を形成した。この2つのホログ
ラム層が付いた基板を200℃に加熱しポリフタルアル
デヒドを解重合させ、減圧下で除去した。冷却後、減圧
下でホールに液晶材料を充填し、ポリフタルアルデヒド
を除去した第1のホログラム層と第2のホログラム層の
空隙に液晶材料を同時に注入し第1の調光層および第2
の調光層を作製した。最後に基板の調光層と反対側の面
に光吸収層を形成した。電圧の無印加状態では、緑色と
青色が動じに選択反射されていた。第1の電極層と第3
の電極層をグランド(0V)に接続し、第2の電極層に
100Hz、100Vの交流電圧を印加したところ、二
つの調光層からの選択反射光は同時に消失した。一方、
第1の電極層をグランド(0V)に接続し、第2の電極
層と第3の電極層に100Hz、100Vの同じ電圧を
印加したところ緑色の選択反射光だけが消失し、青色だ
けの選択反射光が観察された。また、第3の電極層をグ
ランドに接続し、第1の電極層と第2の電極層に100
Hz、100Vの同じ電圧を印加したところ青色の選択
反射光だけが消失し、緑色だけの選択反射光が観察され
た。
【0080】具体例4 ポリフタルアルデヒドと多官能アクリレートとカンファ
ーキノン誘導体およびアミン化合物の混合物を第1の電
極層と第2の電極層の取り出し電極と第3の電極層の取
り出し電極が付いたガラス基板上にコートした。厚さは
5μmとした。この液晶セルに2光束干渉法により波長
488nmのアルゴンレーザーを交差角90度で照射し
光重合を行ない緑色を反射する第1のホログラム層を作
製した。この第1のホログラム層の表面に第2のITO
電極層のパターンを形成した。その上にポリフタルアル
デヒドと多官能アクリレートとカンファーキノン誘導体
およびアミン化合物の混合物を5μmの厚さにコート
し、2光束干渉法により波長488nmのアルゴンレー
ザーを交差角180度で照射し光重合を行ない青色を反
射する第2のホログラム層を作製した。第2のホログラ
ム層の表面に第3の電極層のパターンを形成した後、ポ
リフタルアルデヒドと多官能アクリレートと有機過酸化
物(BTTB)およびケトクマリン系色素の混合物を第
3の電極層上にコートした。厚さは5μmとした。この
第3のホログラム前駆体に2光束干渉法により波長53
2nmの固体レーザーを交差角60度で照射し光重合を
行ない赤色を反射する第3のホログラム層を作製した。
その表面に第4の電極層のパターンを形成した後、画素
サイズの15%のサイズであるホールを調光層に形成し
た。ホールは第4の電極層面から第1の調光層の底面ま
でとした。ホールの側面に一端が第2の電極層と接続
し、もう一端が基板上に形成された第2の電極層の取り
出し電極と接続した第1の壁型電極層および一端が第3
の電極層と接続し、もう一端が基板上に形成された第3
の電極層の取り出し電極と接続した第2の壁型電極層を
形成した。この3つのホログラム層が付いた基板を20
0℃に加熱しポリフタルアルデヒドを解重合させ、減圧
下で除去した。さらに、減圧下でホールにの誘電率異方
性のネマチック液晶材料BL036を充填し、ポリフタ
ルアルデヒドを除去して形成された第1のホログラム層
と第2のホログラム層および第3のホログラム層内の空
隙に液晶材料BL036を同時に注入し、第1の調光層
と第2の調光層および第3の調光層を作製した。最後
に、基板の調光層と反対側の面に光吸収層を形成した。
電界の無印加状態では、緑色と青色と赤色は同時に選択
反射されて白色を表示していた。第1と第3の電極層を
グランドに接続し、第2と第4の電極層に100Hz,
100Vの電圧を印加したところ、全ての調光層からの
選択反射光が消失し、結果として黒の表示が確認でき
た。また、第1と第2と第4の電極層をグランドに接続
し、第3の電極層に100Hz、100Vの電圧を印加
したところ、第1の調光層からの選択反射光である緑色
が観察された。また、第2と第3の電極層をグランドに
接続し、第1と第4の電極層に100Hz、100Vの
電圧を印加したところ、第2の調光層からの選択反射光
である青色が観察された。さらに、第1と第3と第4の
電極層をグランドに接続し、第2の電極層に100H
z、100Vの電圧を印加したところ、第3の調光層か
らの選択反射光である赤色が観察された。また、第1、
第2、第3、第4の電圧設定によりフルカラーの選択反
射が観察された。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、視
差が少なくかつ一画素でマルチカラーを表示できかつ高
コントラストの液晶光学素子およびその製造方法を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子の模式的な断面図であ
る。
【図2】本発明の液晶光学素子におけるホログラム層を
製造するためのレーザー干渉露光の模式的な光学系であ
る。
【図3】本発明の液晶光学素子におけるホログラム層の
製造に係わる模式的な光照射方法を示す。
【図4】複数の回折格子を有する液晶光学素子の断面模
式図である。
【図5】複数の回折格子を製造するためのレーザー干渉
露光装置の模式的な光学系を示す。
【図6】本発明の液晶光学素子におけるホールが形成さ
れた表示画素の模式的な上面図である。
【図7】本発明の液晶光学素子におけるホールが形成さ
れた表示画素の模式的な上面図である。
【図8】本発明の液晶光学素子におけるホールが形成さ
れた表示画素の模式的な上面図である。
【図9】本発明の液晶光学素子におけるホールが形成さ
れた表示画素の模式的な上面図である。
【図10】本発明の液晶光学素子におけるホールが形成
された表示画素の模式的な上面図である。
【図11】本発明の液晶光学素子における溝が形成され
た表示画素の模式的な上面図である。
【図12】本発明における積層化し、ホールを形成した
ホログラム層の断面模式図である。
【図13】本発明における積層化し、ホールを形成した
ホログラム層の断面模式図である。
【図14】本発明における積層化した液晶光学素子の第
2の電極層と第3の電極層の形状の一例を示している。
【図15】本発明の液晶光学素子の製造工程におけるホ
ログラム層である。
【図16】本発明の液晶光学素子の製造工程におけるホ
ログラム層の電極層形成後の断面模式図である。
【図17】本発明の液晶光学素子の製造工程におけるホ
ール形成後のホログラム層の断面模式図である。
【図18】本発明の液晶光学素子の製造工程における解
重合型レジストを解重合させるためのUV光の模式的な
照射方法を示す。
【図19】本発明の液晶光学素子の製造工程における解
重合型レジスト除去後のホログラム層の断面模式図であ
る。
【図20】本発明の液晶光学素子の製造工程における液
晶注入後の断面模式図である。
【図21】本発明の実施例における積層化したホログラ
ム層の断面模式図である。
【図22】本発明の実施例における積層化しホールを形
成したホログラム層の断面模式図である。
【図23】本発明の実施例における積層構造の液晶光学
素子の断面模式図である。
【符号の説明】
1 入射光 2 反射光 11 基板 12 光吸収層 21 第1の電極層 22 第2の電極層 23 第3の電極層 24 第4の電極層 25 第1の壁電極 26 第2の壁電極 28 第3の電極層 29 第2の電極層 31 液晶滴(液晶材料) 41 マトリックス樹脂 51 ホール 54 ホール 55 ホール 56 ホール 57 ホール 58 ホール 59 溝 61 調光層 71 レーザー光 72 レーザー光 81 ホログラム前駆体層 90 レーザー光源 91 レーザービーム 92 ビームスプリッタ 93 ミラー 101 ホログラム前駆体付基板 111 解重合型レジスト材料 121 空隙 130 UV光 141 赤色反射HPDLC 142 緑色反射HPDLC 143 青色反射HPDLC 151 赤色反射ホログラム層 152 緑色反射ホログラム層 153 青色反射ホログラム層 160 表示画素 161 表示画素 162 表示画素 163 表示画素 164 表示画素 170 周期構造1 171 周期構造2
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五藤 智久 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 村井 秀哉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 中田 大作 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2H089 HA04 KA04 QA16 TA09 5C094 AA10 AA43 BA03 BA43 CA19 CA24 DA13 FB01 FB20 GB01 HA10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂と、該マトリックス樹
    脂中に分散された液晶材料とを有する調光層を有する液
    晶光学素子において、調光層中の表示画素にホールまた
    は溝が調光層の深さ方向に形成されていることを特徴と
    する液晶光学素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶光学素子におい
    て、液晶材料はマトリックス樹脂中に周期的に分散され
    ていることを特徴とする液晶光学素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の液晶光学素子
    において、調光層が可視光を選択的に反射することを特
    徴とする液晶光学素子。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、3のいずれかに記載の液
    晶光学素子において、前記調光層上に電極層を介しても
    う一つの調光層が積層されていること特徴とする液晶光
    学素子。
  5. 【請求項5】 マトリックス樹脂と、該マトリックス樹
    脂中に分散された液晶材料とを有する調光層を有する液
    晶光学素子を製造する方法において、前記マトリックス
    樹脂と、該マトリックス樹脂中に分散された解重合型レ
    ジスト材料とを有するレジスト分散樹脂層を用意し、前
    記レジスト分散樹脂層から前記解重合型レジスト材料を
    除去し、前記レジスト分散樹脂層に、除去された前記解
    重合型レジスト材料の代りに、液晶材料を注入すること
    により、前記調光層を得ることを特徴とする液晶光学素
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液晶光学素子の製造方
    法において、前記レジスト分散樹脂層から前記解重合型
    レジスト材料を加熱により除去することを特徴とする液
    晶光学素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の液晶光学素子の製造方
    法において、前記レジスト分散樹脂層から前記解重合型
    レジスト材料を光照射により除去することを特徴とする
    液晶光学素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 マトリックス樹脂と、該マトリックス樹
    脂中に周期的に分散された液晶材料とを有する調光層を
    有する液晶光学素子を製造する方法において、前記マト
    リックス樹脂と、該マトリックス樹脂中に周期的に分散
    された解重合型レジスト材料とを有するホログラム層を
    用意し、前記ホログラム層から前記解重合型レジスト材
    料を除去し、前記ホログラム層に、除去された前記解重
    合型レジスト材料の代りに、液晶材料を注入することに
    より、前記調光層を得ることを特徴とする液晶光学素子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の液晶光学素子の製造方
    法において、前記ホログラム層から前記解重合型レジス
    ト材料を加熱により除去することを特徴とする液晶光学
    素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の液晶光学素子の製造
    方法において、前記ホログラム層から前記解重合型レジ
    スト材料を光照射により除去することを特徴とする液晶
    光学素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 マトリックス樹脂と、該マトリックス
    樹脂中に分散された液晶材料とを有する調光層を有する
    液晶光学素子を製造する方法において、前記マトリック
    ス樹脂と、該マトリックス樹脂中に分散された解重合型
    レジスト材料とを有するレジスト分散樹脂層を用意し、
    前記レジスト分散樹脂層にホールまたは溝を形成し、前
    記ホールまたは前記溝を介して、前記レジスト分散樹脂
    層から前記解重合型レジスト材料を除去し、前記ホール
    または前記溝を介して、前記レジスト分散樹脂層に、除
    去された前記解重合型レジスト材料の代りに、液晶材料
    を注入することにより、前記調光層を得ることを特徴と
    する液晶光学素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 マトリックス樹脂と、該マトリックス
    樹脂中に周期的に分散された液晶材料とを有する調光層
    を有する液晶光学素子を製造する方法において、前記マ
    トリックス樹脂と、該マトリックス樹脂中に周期的に分
    散された解重合型レジスト材料とを有するホログラム層
    を用意し、前記ホログラム層にホールまたは溝を形成
    し、前記ホールまたは前記溝を介して、前記ホログラム
    層から前記解重合型レジスト材料を除去し、前記ホール
    または前記溝を介して、前記ホログラム層に、除去され
    た前記解重合型レジスト材料の代りに、液晶材料を注入
    することにより、前記調光層を得ることを特徴とする液
    晶光学素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の液晶光学素子の製
    造方法において、前記ホールまたは前記溝の側面に電極
    を形成することを特徴とする液晶光学素子の製造方法。
  14. 【請求項14】 電極層付基板上に解重合型レジスト材
    料とマトリックス樹脂前駆体からなるホログラム前駆体
    層を形成する工程と、そのホログラム前駆体層にレーザ
    ー干渉露光を行いマトリックス樹脂前駆体をマトリック
    ス樹脂に硬化させ、解重合型レジスト材料がマトリック
    ス樹脂中に周期的に分散したホログラム層とする工程
    と、前記ホログラム層上に電極層を形成する工程と、前
    記ホログラム層にホールまたは溝を形成する工程と、前
    記ホールまたは前記溝を介して、前記ホログラム層から
    前記解重合型レジスト材料を除去する工程と、前記ホー
    ルまたは前記溝を介して、前記ホログラム層に、除去さ
    れた前記解重合型レジスト材料の代りに、液晶材料を注
    入する工程とを有することを特徴とする液晶光学素子の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の液晶光学素子の製
    造方法において、前記ホールまたは前記溝の側面に電極
    を形成する工程を、更に有することを特徴とする液晶光
    学素子の製造方法。
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