JP2002243694A - 酸素濃度検出装置 - Google Patents

酸素濃度検出装置

Info

Publication number
JP2002243694A
JP2002243694A JP2001342103A JP2001342103A JP2002243694A JP 2002243694 A JP2002243694 A JP 2002243694A JP 2001342103 A JP2001342103 A JP 2001342103A JP 2001342103 A JP2001342103 A JP 2001342103A JP 2002243694 A JP2002243694 A JP 2002243694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
oxygen concentration
air
fuel ratio
microcomputer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001342103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3736430B2 (ja
Inventor
Takayoshi Honda
隆芳 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001342103A priority Critical patent/JP3736430B2/ja
Publication of JP2002243694A publication Critical patent/JP2002243694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3736430B2 publication Critical patent/JP3736430B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素濃度センサに印加する酸素濃度検出用電
圧を、高分解能且つ高精度に変えることができ、しかも
安価な酸素濃度検出装置を提供する。 【解決手段】 空燃比センサAFSの検出動作領域(ダ
イナミックレンジ)を最適化するために、そのセンサA
FSへの印加電圧を調節する空燃比検出装置1は、非反
転入力端子の電圧をセンサAFSの一方の端子AF−に
出力する演算増幅器16と、マイコン2の出力ポートP
WM1から出力されるPWM信号を平滑化して、上記演
算増幅器16の非反転入力端子に供給する2段直列のロ
ーパスフィルタ回路F1,F2とを備えている。そし
て、この装置1では、マイコン2が、上記PWM信号の
デューティ比によってセンサAFSへの印加電圧を変化
させる。このため、D/Aコンバータを用いることな
く、センサAFSへの印加電圧を高分解能に且つ高精度
に調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車載用エン
ジンの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車載用エンジンの空燃比制御
においては、例えば制御精度を高めるといった要望や環
境問題に起因するリーンバーン化への要望があり、これ
らの要望に対応すべく、被検出ガスとしての排気ガス中
の酸素濃度(延いては、エンジンに吸入される混合気の
空燃比)を広域に且つリニアに検出可能な酸素濃度セン
サ(以下、空燃比センサともいう)が提供されている。
【0003】そして、このような空燃比センサを用いた
空燃比検出装置(酸素濃度検出装置)としては、例えば
特開平11−201935号公報、特開平11−211
692号公報、及び特開平9−292364号公報など
に記載されているものがあり、この種の空燃比検出装置
では、空燃比センサへの印加電圧を任意に変化させて、
空燃比センサの検出動作領域(ダイナミックレンジ)を
最適化するようにしている。
【0004】具体的に説明すると、まず、この種の空燃
比検出装置に用いられる空燃比センサは、それの電圧−
電流特性を例示する図10のように、電圧の印加に伴っ
て排気ガス中の酸素濃度(延いては空燃比)に応じた電
流が流れるように構成されている。尚、図10におい
て、横軸である電圧軸Vは、空燃比センサへの印加電圧
の値を表し、縦軸である電流軸Iは、空燃比センサに流
れるセンサ電流の値を表している。
【0005】そして、図10において、電圧軸Vに並行
なセンサ電流の直線部分がセンサの限界電流を示してお
り、この限界電流の値が空燃比(A/F)の値に対応し
ている。このため、空燃比検出装置は、空燃比センサに
所定の電圧を印加しつつ、その空燃比センサに流れる上
記限界電流の値を検出して空燃比を算出するが、その限
界電流の値を正しく検出するために、空燃比センサへの
印加電圧をアクティブに調節する。
【0006】つまり、図10において、空燃比センサへ
の印加電圧を同図のVpoとした場合には、A/F=1
2からA/F=18までの限界電流は検出することがで
きるが、それ以上の空燃比では限界電流を検出すること
ができず、例えばA/F=20とA/F=21との区別
は出来なくなってしまう。
【0007】そこで、上記各公報に記載の空燃比検出装
置では、空燃比検出のための各種処理を実行するマイク
ロコンピュータ(以下、マイコンという)に内蔵された
D/Aコンバータ、或いは、そのマイコンの外部に設け
られたD/Aコンバータを用いて、空燃比センサへの印
加電圧を、空燃比センサの検出動作領域が最適となるよ
うに変化させるようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、マイ
コンにおいては、高速処理化及び高集積化に伴って、デ
ジタル化及び小型化が進められている。つまり、マイコ
ンにおいて、本来のデジタル処理を行うデジタル部は、
技術の進歩によって、年々、小型化されているが、D/
Aコンバータなどのアナログ部は、小型化するのに限度
があり、マイコン全体の小型化及び低コスト化の妨げに
なるため、近年では、そのようなアナログ部をマイコン
に内蔵させない傾向にある。
【0009】これに対して、例えば上記特開平11−2
01935号公報や特開平11−211692号公報に
記載の空燃比検出装置では、マイコンに内蔵されたD/
Aコンバータの出力電圧が、マイコン外部のバッファを
介して、空燃比センサの端子へ印加されるように構成
し、これにより、空燃比センサへの空燃比検出用の印加
電圧を可変にしている。
【0010】よって、上記両公報に記載の空燃比検出装
置では、使用されるマイコンを小型で安価なものにする
ことができず(換言すれば、D/Aコンバータを内蔵し
ない小型で安価なマイコンを用いることができず)、そ
の結果、装置全体の小型化及び低コスト化を達成するの
に限界が生じてしまう。
【0011】しかも、高速処理可能なマイコンでは、内
部で発生するノイズが大きい傾向にあるため、内蔵され
たD/Aコンバータの出力精度に悪影響を与える可能性
がある。このため、上記両公報に記載のように、マイコ
ンに内蔵のD/Aコンバータを用いて空燃比センサへの
印加電圧を変化させるように構成した場合には、空燃比
センサへの印加電圧の制御精度を向上させるという点に
おいても不利な面がある。
【0012】また、上記特開平9−292364号公報
に記載されているように、マイコンとは別体のD/Aコ
ンバータを用いることも考えられるが、空燃比検出装置
を構成する部品の数が増加することにより、装置の大型
化を招いてしまい、しかも、マイコンが外部のD/Aコ
ンバータを制御するためのシリアル通信線や多数の制御
線を装置内に配設しなければならないという問題が生じ
る。
【0013】一方更に、空燃比センサへの空燃比検出用
の印加電圧は、出来るだけ細かく且つ徐々に変えること
が望ましい。つまり、通常の空燃比検出時(酸素濃度検
出時)において、空燃比センサへの印加電圧を急に大き
く変えてしまうと、その電圧変化に伴う交流電流がセン
サに流れてしまい、本来の限界電流値を正確に検出する
ことができなくなってしまうからである。
【0014】そして、上記各公報に記載の技術では、空
燃比センサへの印加電圧を細かく変えるために、高分解
能で高価なD/Aコンバータが必要となってしまう。例
えば、D/Aコンバータの電源電圧(即ち最大出力電
圧)を5Vとすると、10ビット分解能の高価なD/A
コンバータを使用した場合、空燃比センサへの印加電圧
の可変分解能は約4.88mV(=5V/1024)に
まで小さくすることができるが、6ビット分解能の安価
なD/Aコンバータを使用したならば、空燃比センサへ
の印加電圧の可変分解能は約78mV(=5V/64)
にまで大きくなってしまい、空燃比センサへの印加電圧
は、0mV,78mV,156mV,234mV,31
2mV,390mV,468mVといった具合にしか変
えることができなくなってしまう。
【0015】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、酸素濃度センサへ酸素濃度を検出するために
印加する検出用電圧を、高分解能且つ高精度に変えるこ
とができ、しかも安価な酸素濃度検出装置を提供するこ
とを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1に記載の酸素濃度検
出装置は、入力部に入力される指令電圧に応じた電圧を
酸素濃度センサへ印加する電圧印加手段と、マイコン
(マイクロコンピュータ)とを備えている。そして、マ
イコンは、被検出ガス中の酸素濃度を検出するための検
出用電圧が酸素濃度センサへ印加されるように、電圧印
加手段への前記指令電圧を制御すると共に、酸素濃度セ
ンサに流れる電流を検出して被検出ガス中の酸素濃度を
算出する。
【0017】そして特に、請求項1の酸素濃度検出装置
では、マイコンの出力ポートから出力される2値振幅の
オン/オフ信号を積分回路で平滑化した電圧が、電圧印
加手段の入力部に指令電圧として供給されるようになっ
ており、マイコンは、上記出力ポートから出力するオン
/オフ信号のデューティ比により、電圧印加手段から酸
素濃度センサへの検出用電圧(即ち、酸素濃度検出用の
印加電圧)を変化させる。
【0018】つまり、オン/オフ信号は、オンに相当す
るハイレベルとオフに相当するローレベルとの2値振幅
の信号であり、それを積分回路で平滑化した電圧であっ
て、電圧印加手段の入力部に入力される指令電圧(延い
ては、酸素濃度センサへの印加電圧)は、そのオン/オ
フ信号のデューティ比に比例して、該デューティ比が大
きくなるほど高くなる。このため、マイコンは、積分回
路へのオン/オフ信号のデューティ比を変えることで、
電圧印加手段から酸素濃度センサへの印加電圧を調節す
ることができる。
【0019】このような請求項1の酸素濃度検出装置に
よれば、以下の効果が得られる。 (A)酸素濃度センサに印加する検出用電圧を、マイコ
ン内外のD/Aコンバータを用いることなく可変にする
ことができるため、装置の小型化及び低コスト化を達成
できる。
【0020】(B)印加電圧の可変分解能は、マイコン
が出力するオン/オフ信号のデューティ比の分解能に等
しいため、D/Aコンバータを用いる従来の方法と比べ
て、印加電圧を非常に細かく設定することができる。つ
まり、マイコンが出力するオン/オフ信号のデューティ
比の分解能を上げることは、日進月歩で高速化される近
年のマイコンにおいては極めて容易なことであり、この
ため、酸素濃度センサへの印加電圧を非常に細かい分解
能で可変にすることができる。
【0021】(C)マイコン内蔵のD/Aコンバータを
用いた場合のようにマイコン内部のノイズの影響がな
く、電圧印加手段への指令電圧及び酸素濃度センサへの
印加電圧は、マイコンからのオン/オフ信号のデューテ
ィ比に忠実なものとなるため、酸素濃度センサへの印加
電圧を精度良く制御することができる。
【0022】(D)マイコンからのオン/オフ信号を積
分回路で平滑化するため、酸素濃度センサへの印加電圧
をスムーズに変化させることができる。尚、D/Aコン
バータを用いた従来の方法でも積分回路は必要となる。
つまり、例えば10ビット分解能のD/Aコンバータを
用いたとしても、酸素濃度センサへの印加電圧の可変分
解能は約4.88mVであり、印加電圧の変更時に平滑
化しないと、センサ電流に少なからず影響を与えてしま
うからである。このため、マイコンからのオン/オフ信
号を積分回路で平滑化する本構成を採用したことで、回
路規模を特に大きくしてしまうことはない。
【0023】以上のことから、請求項1の酸素濃度検出
装置によれば、酸素濃度を検出するために酸素濃度セン
サへ印加する検出用電圧を、安価な構成で、しかも、高
分解能且つ高精度に変えることができるようになる。次
に、請求項2に記載の酸素濃度検出装置は、上記請求項
1の酸素濃度検出装置に対して、以下のような変換回路
を備えている。
【0024】即ち、変換回路は、マイコンの出力ポート
から出力されるオン/オフ信号を、該オン/オフ信号の
振幅を小さくし且つローレベルの電圧を変えたオン/オ
フ信号に変換して出力する。尚、ここでの振幅とは、オ
ン/オフ信号のローレベルからハイレベルまでの電圧差
のことである。
【0025】そして更に、請求項2の酸素濃度検出装置
では、上記変換回路の出力信号(即ち、振幅とローレベ
ル電圧とを変えた後のオン/オフ信号)を積分回路で平
滑化した電圧が、電圧印加手段の入力部に指令電圧とし
て供給されるようになっている。
【0026】そして、このような請求項2の酸素濃度検
出装置によれば、酸素濃度センサへの印加電圧を細かく
制御するのに非常に有利である。また、積分回路の構成
を簡素化することができると共に、酸素濃度センサへの
印加電圧を変える際の応答性を向上させることができ
る。
【0027】この理由について説明する。まず、一般
に、マイコンの電源電圧は5Vであり、マイコンの出力
ポートから出力されるオン/オフ信号は、振幅が5Vで
且つローレベルの電圧が0Vとなる。つまり、マイコン
から出力されるオン/オフ信号のハイレベルの電圧は5
Vであり、ローレベルの電圧は0Vである。
【0028】このため、請求項1に記載の酸素濃度検出
装置において、例えば、電圧印加手段が、入力部に入力
される指令電圧と同じ電圧を酸素濃度センサへ印加する
ものとして説明すると、マイコンから出力されるオン/
オフ信号のデューティ比を0%から100%までの全範
囲で変えれば、電圧印加手段から酸素濃度センサへの印
加電圧は、0Vから5Vまでの範囲で変わることとな
る。
【0029】これに対して、一般に、被検出ガス中の酸
素濃度を検出するために酸素濃度センサへ印加すべき検
出用電圧は、5Vも変化させる必要がなく、その検出用
電圧の最大可変幅は、5Vの10の1程度(例えば0.
4V程度)である。そして、このような場合、即ち、検
出用電圧の最大可変幅(上記例では0.4V)がマイコ
ンからのオン/オフ信号の振幅(上記例では5V)に対
して非常に小さい場合に、マイコンから出力されるオン
/オフ信号を、そのまま積分回路で平滑化した電圧が、
電圧印加手段の入力部に指令電圧として供給されるよう
に構成すると、酸素濃度センサへの印加電圧を検出用電
圧の最大可変範囲分だけ変化させるためのオン/オフ信
号のデューティ比範囲(以下、制御対象デューティ比範
囲という)が、0%から100%までの全範囲よりも非
常に狭い範囲になってしまい、酸素濃度センサへの印加
電圧を細かく制御するのには不利である。
【0030】つまり、オン/オフ信号のデューティ比の
可変分解能が同じであるならば、上記の制御対象デュー
ティ比範囲が狭い場合ほど、酸素濃度センサへの印加電
圧を検出用電圧の最大可変範囲で変化させる際の分解能
が荒くなってしまうからである。
【0031】そこで、請求項2に記載の酸素濃度検出装
置のように、マイコンから出力されるオン/オフ信号
を、そのオン/オフ信号の振幅を小さくし且つローレベ
ルの電圧を変えたオン/オフ信号に変換した上で、積分
回路に入力させるように構成すれば、上記の制御対象デ
ューティ比範囲を広くすることができ、酸素濃度センサ
への印加電圧を検出用電圧の最大可変範囲で変化させる
際の分解能を、非常に細かくすることができるのであ
る。
【0032】しかも、積分回路に入力されるオン/オフ
信号の振幅が小さくなるため、その積分回路での電圧平
滑化効果(即ち、フィルタ効果)が小さくても、平滑化
後の電圧に生じるリップル(即ち電圧の脈動)を小さく
抑えることができる。このため、積分回路の構成を簡素
化することができる。そして更に、積分回路での電圧平
滑化効果が小さくて済むため、マイコンからのオン/オ
フ信号のデューティ比を変えた際に、電圧印加手段への
指令電圧が速やかに変わることとなり、その結果、酸素
濃度センサへの印加電圧を変える際の応答性も向上させ
ることができる。
【0033】また特に、請求項2に記載の酸素濃度検出
装置において、変換回路から出力されるオン/オフ信号
の振幅及びローレベルの電圧は、請求項3に記載の如
く、マイコンの出力ポートから出力されるオン/オフ信
号のデューティ比を0%から100%までの全範囲で変
えることにより、電圧印加手段から酸素濃度センサへの
印加電圧が前記検出用電圧の最大可変範囲分だけ変わる
ように設定することが最も好ましい。
【0034】つまり、このように設定すれば、制御対象
デューティ比範囲が0%から100%までの全範囲とな
り、オン/オフ信号のデューティ比の可変分解能が同じ
であるならば、酸素濃度センサへの印加電圧を検出用電
圧の最大可変範囲で変化させる際の分解能を、最も細か
くすることができるからである。
【0035】次に、請求項4に記載の酸素濃度検出装置
では、上記請求項1〜3の何れかに記載の酸素濃度検出
装置において、マイコンは、積分回路で平滑化された電
圧を検出し、その検出値に基づいて、酸素濃度センサへ
の実際の印加電圧と、酸素濃度センサへの目標の印加電
圧(即ち、酸素濃度を検出するために酸素濃度センサへ
印加すべき目標の印加電圧であり、以下、目標印加電圧
という)との差が小さくなるように、上記オン/オフ信
号のデューティ比を変化させるようにしている。
【0036】つまり、請求項4の酸素濃度検出装置で
は、マイコンが、オン/オフ信号のデューティ比をフィ
ードバック制御するようにしており、このように構成す
れば、酸素濃度センサへの印加電圧を、より精度良く最
適値に調節することができる。尚、例えば、電圧印加手
段が、入力部に入力される指令電圧と同じ電圧を酸素濃
度センサへ印加するのであれば、マイコンは、積分回路
で平滑化された電圧の検出値と目標印加電圧とを比較し
て、その差が小さくなるように、オン/オフ信号のデュ
ーティ比を変化させれば良い。また、電圧印加手段が、
入力部に入力される指令電圧のn倍(n≠1)の電圧を
酸素濃度センサへ印加するのであれば、マイコンは、積
分回路で平滑化された電圧の検出値をn倍した値と目標
印加電圧とを比較して、その差が小さくなるように、オ
ン/オフ信号のデューティ比を変化させれば良い。
【0037】ところで、マイコンからのオン/オフ信号
を平滑化する積分回路は、請求項5に記載のように、コ
ンデンサと抵抗とからなる複数のローパスフィルタ回路
を直列に設けた構成のものとすれば、より効果的であ
る。つまり、積分回路として、コンデンサと抵抗とから
なる1つのローパスフィルタ回路を用いても良いが、そ
の場合、平滑化後の電圧に生じるリップルを小さく抑え
るためには、静電容量の大きいコンデンサと抵抗値の大
きい抵抗とが必要になる。そして、一般に、コンデンサ
は、静電容量が大きくなると単価が高くなり、また、電
子回路では、抵抗値の大きい抵抗を用いると、外来ノイ
ズに弱くなる傾向がある。
【0038】そこで、請求項5に記載の如く、積分回路
を、コンデンサと抵抗とからなるローパスフィルタ回路
を複数段直列に設けたものとすれば、比較的小さい静電
容量のコンデンサと低抵抗値の抵抗とを使用して、平滑
化後の電圧におけるリップルを十分に抑制できるように
なり、その結果、低コストでノイズに強い積分回路を得
ることができるのである。
【0039】一方、積分回路として、上記のように、コ
ンデンサと抵抗とからなる複数のローパスフィルタ回路
を直列に設けた構成のものを用いると共に、マイコン
が、オン/オフ信号のデューティ比をフィードバック制
御するように構成する場合には、請求項6に記載のよう
にしても良い。
【0040】即ち、請求項6に記載の酸素濃度検出装置
では、請求項1〜3の何れかに記載の酸素濃度検出装置
において、積分回路が、コンデンサと抵抗とからなる複
数のローパスフィルタ回路を直列に設けて構成されてい
る。そして、マイコンは、積分回路を成す複数のローパ
スフィルタ回路のうち、最終段のローパスフィルタ回路
以外のローパスフィルタ回路で平滑化された電圧をA/
D変換器によりA/D変換すると共に、そのA/D変換
値を平均化する平均化処理を行い、該平均化処理で算出
した平均値に基づいて、酸素濃度センサへの実際の印加
電圧と酸素濃度センサへの目標の印加電圧(目標印加電
圧)との差が小さくなるように、出力ポートからのオン
/オフ信号のデューティ比を変化させる。
【0041】尚、例えば、電圧印加手段が、入力部に入
力される指令電圧と同じ電圧を酸素濃度センサへ印加す
るのであれば、マイコンは、平均化処理で算出した平均
値と目標印加電圧とを比較して、その差が小さくなるよ
うに、オン/オフ信号のデューティ比を変化させれば良
い。また、電圧印加手段が、入力部に入力される指令電
圧のn倍(n≠1)の電圧を酸素濃度センサへ印加する
のであれば、マイコンは、平均化処理で算出した平均値
をn倍した値と目標印加電圧とを比較して、その差が小
さくなるように、オン/オフ信号のデューティ比を変化
させれば良い。
【0042】このような請求項6の酸素濃度検出装置に
よれば、酸素濃度センサにリップルがない一定の電圧を
印加することと、酸素濃度センサへの印加電圧を精度良
く制御することとを、両立させ易くすることができる。
つまり、まず、積分回路の最終段のローパスフィルタ回
路から出力される電圧Vendは、電圧印加手段への指
令電圧となるため、この電圧Vendは、酸素濃度セン
サへの印加電圧が脈動してしまわないように、十分に平
滑化されたものとなる。
【0043】よって、積分回路の最終段のローパスフィ
ルタ回路から出力される電圧VendをA/D変換器に
よりA/D変換するように構成した場合、そのA/D変
換器の分解能(1LSB)が大きいと、その電圧Ven
dの変化を捉えることができず、マイコンによるオン/
オフ信号のフィードバック制御の精度を上げることがで
きなくなる。
【0044】そこで、請求項6の酸素濃度検出装置で
は、最終段のローパスフィルタ回路以外のローパスフィ
ルタ回路で平滑化された電圧Vmidには、多少の脈動
が残っていることに着目して、その電圧VmidをA/
D変換器によりA/D変換すると共に、そのA/D変換
値を平均化する平均化処理を行い、その平均化処理で算
出した平均値を、電圧印加手段への指令電圧の検出値と
して、デューティ比のフィードバック制御に用いるよう
にしている。そして、このため、A/D変換器の分解能
以上の性能を出すことができ、延いては、酸素濃度セン
サにリップルがない一定の電圧を印加することと、酸素
濃度センサへの印加電圧を精度良く制御することとを、
高分解能で高価なA/D変換器を用いなくても、両立さ
せることができるようになるのである。
【0045】一方、上記請求項1〜6の酸素濃度検出装
置において、電圧印加手段は、請求項7に記載の如く、
酸素濃度センサの一対の各端子A,Bに対応して入力部
を2つ備え、そのうちの一方の入力部に入力される指令
電圧(以下、第1の指令電圧という)に応じた電圧を酸
素濃度センサの一方の端子Aに印加すると共に、他方の
入力部に入力される指令電圧(以下、第2の指令電圧と
いう)に応じた電圧を酸素濃度センサの他方の端子Bに
印加するように構成することができる。そして、この場
合には、請求項7に記載の如く、積分回路で平滑化され
た電圧(即ち、オン/オフ信号を積分回路で平滑化した
電圧)が、電圧印加手段の前記一方の入力部に第1の指
令電圧として供給され、電圧印加手段の他方の入力部へ
は、予め設定された基準電圧が第2の指令電圧として供
給されるように構成すれば良い。
【0046】つまり、この構成によれば、酸素濃度セン
サの一方の端子Aには、マイコンからのオン/オフ信号
のデューティ比に応じた電圧が印加され、酸素濃度セン
サの他方の端子Bには、基準電圧に対応した一定の電圧
が印加されることとなる。そして、酸素濃度センサの一
方の端子Aに印加される電圧が可変となることで、電圧
印加手段から酸素濃度センサへの印加電圧が可変とな
る。
【0047】但し、上記請求項7の構成を採用した場
合、マイコンの出力ポートから電圧印加手段の一方の入
力部に至るまでの回路の電圧応答特性と、電圧印加手段
の他方の入力部に上記基準電圧を供給するための回路の
電圧応答特性とが大きく異なっていると、電源投入時や
電源遮断時において、酸素濃度センサの各端子に夫々印
加される各電圧の立ち上がり特性及び立ち下がり特性が
大きく異なってしまい、その結果、酸素濃度センサの両
端子間に過大電圧あるいは負電圧がかかってしまう可能
性がある。
【0048】図11を用いて具体的に説明すると、まず
図11(a)は、酸素濃度センサのプラス側端子AF+
とマイナス側端子AF−とのうち、プラス側端子AF+
への印加電圧の変化特性の方が急峻である場合を表して
いる。そして、この場合、電源投入時(即ち、センサへ
の電圧印加開始時)には、酸素濃度センサに過大な電圧
がかかり、電源遮断時(即ち、センサへの電圧印加停止
時)には、酸素濃度センサに負電圧がかかってしまうこ
ととなる。
【0049】また、図11(b)は、酸素濃度センサの
プラス側端子AF+とマイナス側端子AF−とのうち、
マイナス側端子AF−への印加電圧の変化特性の方が急
峻である場合を表している。そして、この場合、電源投
入時には、酸素濃度センサに負電圧がかかり、電源遮断
時には、酸素濃度センサに過大電圧がかかってしまうこ
ととなる。
【0050】そこで、この問題を確実に回避するために
には、請求項8に記載の如く構成するのが効果的であ
る。即ち、まず、請求項8に記載の酸素濃度検出装置で
は、上記請求項7の酸素濃度検出装置と同様に、電圧印
加手段が、酸素濃度センサの一対の各端子A,Bに対応
して入力部を2つ備え、そのうちの一方の入力部に入力
される第1の指令電圧に応じた電圧を酸素濃度センサの
一方の端子Aに印加すると共に、他方の入力部に入力さ
れる第2の指令電圧に応じた電圧を酸素濃度センサの他
方の端子Bに印加するように構成されている。そして、
積分回路で平滑化された電圧(オン/オフ信号を積分回
路で平滑化した電圧)が、電圧印加手段の前記一方の入
力部に第1の指令電圧として供給される。
【0051】そして特に、請求項8の酸素濃度検出装置
では、電圧印加手段の前記他方の入力部に対しても、前
記積分回路と同じ構成の第2の積分回路が備えられてお
り、マイコンの前記出力ポートとは異なる出力ポート
(以下、第2の出力ポートという)から出力される2値
振幅のオン/オフ信号を前記第2の積分回路で平滑化し
た電圧が、電圧印加手段の前記他方の入力部に第2の指
令電圧として供給される。
【0052】つまり、請求項8の酸素濃度検出装置で
は、電圧印加手段の2つの入力部へ夫々供給する各指令
電圧を、同じ構成の回路で生成するようにしている。こ
のような請求項8の酸素濃度検出装置によれば、マイコ
ンの各出力ポートから電圧印加手段の各入力部に至るま
での各回路の電圧応答特性は、ほぼ等しくなるため、電
源投入時や電源遮断時において、酸素濃度センサの各端
子に夫々印加される各電圧の立ち上がり及び立ち下がり
特性が図11の如く異なってしまうことが防止される。
よって、電源投入時や電源遮断時において酸素濃度セン
サの両端子間に過大電圧や負電圧がかかってしまうこと
を確実に防止することができる。
【0053】しかも、請求項8の酸素濃度検出装置によ
れば、マイコンは、上記第2の出力ポートから出力する
オン/オフ信号のデューティ比を変えることで、電圧印
加手段への第2の指令電圧(延いては、酸素濃度センサ
の他方の端子Bへの印加電圧)も任意に変化させること
ができ、酸素濃度センサの各端子に印加される両方の電
圧を調節することができるという利点もある。
【0054】尚、請求項8の酸素濃度検出装置におい
て、請求項2に記載の変換回路を備える場合には、マイ
コンの上記第2の出力ポートと第2の積分回路との間
に、上記変換回路と同様の構成の回路(第2の変換回
路)を設けるようにして、マイコンの各出力ポートから
電圧印加手段の各入力部に至るまでの各回路の電圧応答
特性を、より一層等しくなるようにしても良い。
【0055】ところで、一般に、この種の酸素濃度検出
装置では、前述の特開平11−201935号公報や特
開平11−211692号公報に記載されているよう
に、酸素濃度センサの素子インピーダンスを定期的に検
出して、その検出値を、センサの温度を所定の活性化温
度(例えば700℃)にするためのヒータの制御に用い
たり、センサの劣化度合を判定するために用いたりして
いる。
【0056】そして、センサの素子インピーダンスを検
出する際には、センサへの印加電圧を急峻に変化させる
こととなり、例えば、印加電圧を急峻に変化させる直前
のセンサ電流と、印加電圧を急峻に変化させてから所定
時間が経過した時のセンサ電流とを検出して、その検出
した両センサ電流の差から素子インピーダンスを算出す
る。
【0057】そこで、請求項9に記載の酸素濃度検出装
置では、上記請求項7又は8の酸素濃度検出装置におい
て、電圧印加手段の前記2つの入力部のうちの何れか一
方に、電圧変更回路を接続するようにしており、この電
圧変更回路は、マイコンから上記オン/オフ信号とは別
に出力される2値振幅の制御信号に応じて、当該回路が
接続された電圧印加手段の入力部の電圧を瞬時に変化さ
せる。
【0058】そして、この請求項9の酸素濃度検出装置
において、マイコンは、酸素濃度センサの素子インピー
ダンスを検出する際には、上記電圧変更回路への制御信
号の出力レベルを切り替えることにより、電圧印加手段
から酸素濃度センサへの印加電圧を急峻に変化させる。
つまり、マイコンが上記制御信号の出力レベルを切り替
えると、電圧印加手段の一方の入力部への電圧が電圧変
更回路によって瞬時に変化され、それに伴い酸素濃度セ
ンサへの印加電圧が急峻に変化するからである。
【0059】そして、このような請求項9の酸素濃度検
出装置によれば、酸素濃度センサへの酸素濃度検出用の
印加電圧を調節することに関してだけではなく、酸素濃
度センサの素子インピーダンスを検出するために該セン
サへの印加電圧を急峻に変化させることに関しても、D
/Aコンバータを用いる必要がなくなる。よって、酸素
濃度センサの素子インピーダンスを検出する機能を備え
た酸素濃度検出装置を、より小型化及び低コスト化する
ことができる。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施形
態の空燃比検出装置(酸素濃度検出装置)について、図
面を用いて説明する。尚、本実施形態の空燃比検出装置
は、自動車に搭載される電子制御ガソリン噴射エンジン
に用いられるものであり、同エンジンの空燃比制御シス
テムにおいては、空燃比検出装置による検出結果に基づ
いてエンジンへの燃料噴射量を所望の空燃比に制御す
る。そして、以下の記載では、空燃比センサを用いた空
燃比の検出と、同センサの素子インピーダンス(交流イ
ンピーダンス)の検出とを行うための構成及び処理につ
いて詳細に説明する。
【0061】まず図1は、第1実施形態の空燃比検出装
置1の構成を表す回路図である。図1に示すように、空
燃比検出装置1には、酸素濃度センサとしての限界電流
式空燃比センサAFSが接続されており、この空燃比セ
ンサAFSは、図示しないエンジンの排気管に取り付け
られている。
【0062】尚、空燃比センサAFSは、特開平11−
201935号公報や特開平11−211692号公報
に記載されているように、固体電解質層の排気ガス側の
表面に排気ガス側電極層が固着されると共に、その固体
電解質層の大気側の表面に大気側電極層が固着され、更
に、上記排気ガス側電極層の外側に拡散抵抗層が形成さ
れたセンサ本体と、そのセンサ本体を加熱するヒータと
を備えた周知のものである。そして、この空燃比センサ
AFSには、電圧の印加に伴って排気ガス中の酸素濃度
に応じた電流が流れ、具体的には、センサ本体の上記固
体電解質層への検出空燃比(A/F)に応じた流入電流
(即ちセンサ電流)と、その固体電解質層への印加電圧
(即ちセンサへの印加電圧)とが、前述した図10のよ
うな関係となる。
【0063】そして、図1に示すように、空燃比検出装
置1は、マイコン2を備えており、そのマイコン2の3
つの端子AD1,AD2,AD3は、当該マイコン2に
内蔵されたA/Dコンバータ(A/D変換器)の入力端
子である。また、マイコン2の他の端子PB20,PB
21,PWM1のうち、端子PWM1は、マイコン2に
内蔵された図2(a)の如きPWM信号生成部3で生成
されるオン/オフ信号としてのPWM信号を外部へ出力
するためのPWM信号専用の出力ポートであり、端子P
B20,PB21は、通常の出力ポートである。
【0064】ここで、PWM信号生成部3は、図2
(a)に示すように、PWM信号の周期Tに相当するデ
ジタル値(以下、周期相当値という)がセットされるレ
ジスタ4と、PWM信号の1周期中のハイ時間Thに相
当するデジタル値(以下、ハイ時間相当値という)がセ
ットされるレジスタ5と、マイコン2の内部クロックに
よって0から1ずつカウントアップされると共に、その
カウント値が上記レジスタ4内の周期相当値に達する
と、次の内部クロックでカウント値が0に戻るタイマと
してのカウンタ6と、そのカウンタ6のカウント値が上
記レジスタ5内のハイ時間相当値よりも小さければ、ハ
イレベルを出力し、そうでなければ(カウンタ6のカウ
ント値がハイ時間相当値以上であれば)、ローレベルを
出力する比較部7とから構成されている。そして、上記
比較部7の出力が、PWM信号として、端子PWM1か
らマイコン2の外部へ出力される。
【0065】このため、上記内部クロックの周期を“T
ck”とし、レジスタ4内の周期相当値を“NT”と
し、レジスタ5内のハイ時間相当値を“NTh”とする
と、図2(b)に示すように、カウンタ6のカウント値
は0〜NTの間でTck毎に1ずつ変化すると共に、マ
イコン2の端子PWM1からは、周期Tが「Tck×
(NT+1)」で、ハイ時間Thが「Tck×NTh」
であるPWM信号が出力されることとなる。
【0066】更に、空燃比検出装置1は、図1に示すよ
うに、非反転入力端子がマイコン2の端子PWM1に接
続され、反転入力端子と出力端子とが共通接続されたバ
ッファとしての演算増幅器(オペアンプ)10と、演算
増幅器10の出力を平滑化する(積分する)抵抗R1及
びコンデンサC1からなるローパスフィルタ回路F1
と、そのローパスフィルタ回路F1で平滑化された電圧
を更に平滑化する抵抗R2及びコンデンサC2からなる
ローパスフィルタ回路F2と、そのローパスフィルタ回
路F2で平滑化された電圧が非反転入力端子に入力さ
れ、出力端子が抵抗12を介して空燃比センサAFSの
マイナス側端子(即ち、センサ本体の排気ガス側電極層
に接続された端子)AF−に接続され、反転入力端子が
抵抗14を介して空燃比センサAFSの上記マイナス側
端子AF−に接続された演算増幅器16とを備えてい
る。
【0067】そして、抵抗12と抵抗14との接続点の
電圧(即ち、空燃比センサAFSのマイナス側端子AF
−の電圧)Vmが、マイコン2の端子AD3へ入力され
るようになっている。また、空燃比検出装置1は、一定
の電源電圧Vcc(本実施形態では5V)と接地電位
(=0V)との間に順次直列に接続されて、電源電圧V
ccを分圧することにより所定の基準電圧Vr(本実施
形態では3.3V)を生成する2つの電圧生成用抵抗1
8,20と、その抵抗18,20同士の接続点に非反転
入力端子が接続され、反転入力端子と出力端子とが共通
接続されて、その出力端子から上記基準電圧Vr(=
3.3V)を出力するバッファとしての演算増幅器22
と、該演算増幅器22の出力端子に一端が接続された抵
抗24と、エミッタが接地電位に接続され、ベースがマ
イコン2の端子PB21に接続されたスイッチング素子
としてのNPN形トランジスタ26と、一端がトランジ
スタ26のコレクタに接続され、他端が抵抗24の演算
増幅器22側とは反対側の端部に接続された抵抗28
と、エミッタが電源電圧Vccに接続され、ベースがマ
イコン2の端子PB20に接続されたスイッチング素子
としてのPNP形トランジスタ30と、一端がトランジ
スタ30のコレクタに接続され、他端が抵抗24の演算
増幅器22側とは反対側の端部に接続された抵抗32
と、抵抗24,28,32同士の接続点と接地電位との
間に接続されて、その抵抗24,28,32と共にロー
パスフィルタを成すコンデンサ34とを備えている。
【0068】そして更に、空燃比検出装置1は、上記抵
抗24,28,32とコンデンサ34との接続点の電圧
Voが非反転入力端子に入力され、反転入力端子が抵抗
36を介して空燃比センサAFSのプラス側端子(即
ち、センサ本体の大気側電極層に接続された端子)AF
+に接続された演算増幅器38と、空燃比センサAFS
のプラス側端子AF+と演算増幅器38の出力端子との
間に接続されたシャント抵抗40と、非反転入力端子が
空燃比センサAFSのプラス側端子AF+に接続され、
反転入力端子と出力端子とが共通接続されたバッファと
しての演算増幅器42と、演算増幅器42の出力を、そ
のままマイコン2の端子AD1へ出力する入力回路44
と、非反転入力端子が演算増幅器38の出力端子に接続
され、反転入力端子と出力端子とが共通接続されたバッ
ファとしての演算増幅器46と、演算増幅器46の出力
を、そのままマイコン2の端子AD2へ出力する入力回
路48とを備えている。
【0069】尚、入力回路44は、一端が接地電位に接
続されたプルダウン用の抵抗50と、その抵抗50の他
端に一端が接続された抵抗52と、その抵抗52の抵抗
50側とは反対側の端部に一端が接続された抵抗54
と、アノードが抵抗52と抵抗54との接続点に接続さ
れ、カソードが電源電圧Vccに接続された過電圧保護
用のダイオード56と、抵抗54の抵抗52側とは反対
側の端部と接地電位との間に接続されたノイズ除去用の
コンデンサ58とを備えている。そして、この入力回路
44では、抵抗50と抵抗52との接続点が演算増幅器
42の出力端子に接続され、抵抗54とコンデンサ58
との接続点がマイコン2の端子AD1に接続されてい
る。また、入力回路48も、入力回路44と全く同じ回
路構成である。
【0070】以上のように構成された空燃比検出装置1
においては、演算増幅器16及び抵抗12,14からな
る出力回路が、演算増幅器16の非反転入力端子(一方
の入力部に相当)に入力される電圧(第1の指令電圧に
相当)と同じ電圧を、空燃比センサAFSのマイナス側
端子AF−に印加する。
【0071】また、マイコン2の端子PWM1から出力
されるPWM信号が、バッファとしての演算増幅器10
を介してローパスフィルタ回路F1に入力され、そのロ
ーパスフィルタ回路F1により、図2(b)の「1回積
分後の電圧」の段に示すように平滑化される。そして更
に、そのローパスフィルタ回路F1で平滑化された電圧
が、次段のローパスフィルタ回路F2によって、図2
(b)の「2回積分後の電圧」の段に示すように一層平
滑化され、そのローパスフィルタ回路F2の出力電圧
が、演算増幅器16の非反転入力端子に入力される。
【0072】よって、空燃比センサAFSのマイナス側
端子AF−には、マイコン2の端子PWM1から出力さ
れるPWM信号を2段直列のローパスフィルタ回路F
1,F2からなる積分回路で平滑化した電圧と同じ電圧
が、演算増幅器16及び抵抗12,14からなる出力回
路によって印加されることとなる。
【0073】このため、マイコン2は、端子PWM1か
ら常時出力するPWM信号のデューティ比を変えること
で、空燃比センサAFSのマイナス側端子AF−への印
加電圧を調節することができる。そこで、本実施形態に
おいて、マイコン2は、上記端子PWM1からのPWM
信号のデューティ比により、空燃比センサAFSのマイ
ナス側端子AF−への印加電圧を制御して、空燃比セン
サAFSの検出動作領域(ダイナミックレンジ)を最適
化するようにしている。尚、本実施形態では、空燃比セ
ンサAFSのマイナス側端子AF−へ、上記基準電圧V
r(=3.3V)よりも低い3V前後の電圧を、可変で
常時印加するようになっている。
【0074】一方、空燃比センサAFSのプラス側端子
AF+には、演算増幅器38,抵抗36,及びシャント
抵抗40からなる出力回路が、演算増幅器38の非反転
入力端子(他方の入力部に相当)に入力される電圧(第
2の指令電圧に相当)と同じ電圧を印加する。そして、
演算増幅器38の非反転入力端子には、抵抗24,2
8,32同士の接続点の電圧Voが入力される。
【0075】よって、2つのトランジスタ26,30が
共にオフ状態ならば、演算増幅器22から出力される基
準電圧Vr(=3.3V)が演算増幅器38の非反転入
力端子に入力されるため、空燃比センサAFSのプラス
側端子AF+には、その基準電圧Vrが印加される。
【0076】そして、このように、上記2つのトランジ
スタ26,30が共にオフ状態である通常時には、プラ
ス側端子AF+への基準電圧Vrと、マイコン2からの
PWM信号のデューティ比に比例したマイナス側端子A
F−への電圧Vmとの差圧(=Vr−Vm)が、空燃比
センサAFSの両端に、混合気の空燃比(排気ガス中の
酸素濃度)を検出するための検出用電圧として印加され
る。そして、その電圧の印加に伴い、空燃比センサAF
Sには、その時の排気ガス中の酸素濃度に応じた電流が
流れることとなる。
【0077】これに対し、2つのトランジスタ26,3
0のうちでトランジスタ26だけがオン状態ならば、基
準電圧Vrと接地電位との差圧(即ち、基準電圧Vr)
を抵抗24と抵抗28とで分圧した電圧(Vr−ΔV
a)が演算増幅器38の非反転入力端子に入力されるた
め、空燃比センサAFSのプラス側端子AF+には、基
準電圧VrよりもΔVaだけ低い上記分圧電圧(Vr−
ΔVa)が印加される。
【0078】逆に、2つのトランジスタ26,30のう
ちでトランジスタ30だけがオン状態ならば、電源電圧
Vccと基準電圧Vrとの差圧(Vcc−Vr)を抵抗
32と抵抗24とで分圧した電圧(Vr+ΔVb)が演
算増幅器38の非反転入力端子に入力されるため、空燃
比センサAFSのプラス側端子AF+には、基準電圧V
rよりもΔVbだけ高い上記分圧電圧(Vr+ΔVb)
が印加される。
【0079】尚、本実施形態では、例えば上記ΔVaと
ΔVbとが両方共に0.2Vとなるように、各抵抗2
4,28,32の抵抗値を設定している。また、本実施
形態の空燃比検出装置1において、シャント抵抗40に
は、空燃比センサAFSに流れる電流(センサ電流)I
と同じ電流が流れるため、そのシャント抵抗40の両端
電位差は、センサ電流Iに比例した値となる。
【0080】そして更に、空燃比センサAFSのプラス
側端子AF+に印加される電圧(即ち、シャント抵抗4
0の空燃比センサAFS側の電圧)Voと同じ電圧Vo
が、演算増幅器42及び入力回路44によってマイコン
2の端子AD1に入力され、また、シャント抵抗40の
空燃比センサAFS側とは反対側の電圧(即ち、演算増
幅器38の出力電圧)と同じ電圧Viが、演算増幅器4
6及び入力回路48によってマイコン2の端子AD2に
入力される。
【0081】このため、本実施形態の空燃比検出装置1
では、マイコン2が図3の検出処理と図4のPWM出力
制御処理とを定期的に実行することにより、空燃比セン
サAFSに流れるセンサ電流Iを検出して混合気の空燃
比(排気ガス中の酸素濃度)を求めると共に、所定時間
毎に空燃比センサAFSの素子インピーダンスを検出す
る。
【0082】ここで、図3の検出処理と図4のPWM出
力制御処理とを説明する前に、素子インピーダンスの検
出要領について、図5を用い説明しておく。まず、マイ
コン2は、空燃比を検出するために空燃比センサAFS
へ印加している電圧を、図5の如く所定時間T1(本実
施形態では128ms)毎に急峻に変化させる。そし
て、その際に、下記の(1)〜(7)の手順で空燃比セ
ンサAFSの素子インピーダンスを検出する。尚、本実
施形態では、プラス側端子AF+への印加電圧Voを急
峻に変化させるようにしており、図5(b)は、図5
(a)にて楕円で囲んだ部分を拡大して表すものであ
る。
【0083】(1)まず、マイコン2は、プラス側端子
AF+への印加電圧Voを変化させる直前の時刻t1
で、端子AD1に入力される電圧Voを検出する。尚、
以下、この時刻t1 で検出された電圧Voを「Vo(t1
)」と記す。 (2)更に、プラス側端子AF+への印加電圧Voを変
化させる直前で且つ時刻t1 直後の時刻t2 で、端子A
D2に入力される電圧Viを検出する。尚、以下、この
時刻t2 で検出された電圧Viを「Vi(t2 )」と記
す。
【0084】(3)そして更に、時刻t2 直後の時刻t
3 で、プラス側端子AF+への印加電圧Voを急峻に変
化させる。尚、この例では、プラス側端子AF+への印
加電圧Voを空燃比検出用の通常電圧よりも所定電圧Δ
Vaだけ低い電圧に変化させている。
【0085】(4)次に、時刻t3 から予め定められた
所定時間T2が経過した時刻t4 で、端子AD2に入力
される電圧Viを検出する。尚、以下、この時刻t4 で
検出された電圧Viを「Vi(t4 )」と記す。また、上
記所定時間T2は、時刻t3からセンサ電流Iの変化分
ΔIがピークになると予想される時間であり、本実施形
態では135μsに設定されている。
【0086】(5)更に、時刻t4 直後の時刻t5 で、
端子AD1に入力される電圧Voを検出する。尚、以
下、この時刻t5 で検出された電圧Voを「Vo(t5
)」と記す。そして、シャント抵抗40の抵抗値をRS
とすると、下記の式1により、空燃比センサAFSの素
子インピーダンスZを算出する。
【0087】
【数1】
【0088】尚、上記式1においては、{Vo(t1)−
Vo(t5)}が印加電圧の変化分ΔVであり、それ以外
の部分が、センサ電流Iの変化分ΔIの逆数(1/Δ
I)である。また、式1における{Vo(t1)−Vo(t
5)}は、既知のΔVaに置き換えることも可能である。
【0089】(6)その後、時刻t3 から予め定められ
た所定時間T3(本実施形態では200μs)が経過し
た時刻t6 で、プラス側端子AF+への印加電圧Voを
上記時刻t3 での変化とは反対側に急峻に変化させる。
尚、この例では、プラス側端子AF+への印加電圧Vo
を空燃比検出用の通常電圧よりも所定電圧ΔVbだけ高
い電圧に変化させている。
【0090】(7)そして、時刻t6 から予め定められ
た所定時間T4(本実施形態では上記T3と同じ200
μs)が経過した時刻t7 で、プラス側端子AF+への
印加電圧Voを空燃比検出用の電圧に戻す。つまり、本
実施形態の空燃比検出装置1では、式1からも分かるよ
うに、空燃比センサAFSへの印加電圧を急峻に変化さ
せる直前のセンサ電流「{Vi(t2)−Vo(t1)}/R
S 」と、印加電圧を急峻に変化させてから所定時間T2
が経過した時のセンサ電流「{Vi(t4)−Vo(t5)}
/RS 」との差に基づいて、素子インピーダンスZを算
出している。
【0091】尚、素子インピーダンスZの検出が終了し
た時刻t6 において、プラス側端子AF+への印加電圧
Voを時刻t3での変化とは反対側に変化させているの
は、センサ電流の収束を早めるためである。次に、マイ
コン2で実行される検出処理について、図3のフローチ
ャートに沿って説明する。尚、図3の検出処理は、4m
s毎に実行される。また、マイコン2の端子PB20,
PB21の初期出力レベルは、2つのトランジスタ2
6,30が共にオフするように、端子PB20がハイレ
ベル(5V)となっており、端子PB21がロウレベル
(0V)となっている。
【0092】図3に示すように、マイコン2が検出処理
の実行を開始すると、まずステップ(以下、単に「S」
と記す)110にて、端子AD1に入力される電圧(即
ち、空燃比センサAFSのプラス側端子AF+へ実際に
印加されている電圧)Voを検出し、その検出した電圧
Voを前述のVo(t1 )として記憶する。次にS120
にて、端子AD2に入力される電圧(即ち、シャント抵
抗40の空燃比センサAFS側とは反対側の電圧)Vi
を検出し、その検出した電圧Viを前述のVi(t2 )と
して記憶する。尚、マイコン2は、端子AD1,AD2
に夫々入力される各電圧Vo,Viを、自己に内蔵のA
/DコンバータでA/D変換することにより検出する。
【0093】そして、続くS130にて、S120で検
出した電圧Vi(t2 )とS110で検出した電圧Vo
(t1 )との差(Vi(t2 )−Vo(t1 ))を、シャント
抵抗40の抵抗値RS で割ることにより、センサ電流I
の電流値(限界電流値)を算出し、更に、その電流値と
予めマイコン2内のROMに記憶されている特性マップ
とを用いて、混合気の空燃比(排気ガス中の酸素濃度)
を算出する。
【0094】次に、S140にて、マイコン2内のRA
Mに設定されているカウンタCTの値が、素子インピー
ダンスの検出周期である所定時間T1(=128ms)
に相当する「31」であるか否かを判定する。ここで、
カウンタCTの値が「31」であると判定した場合に
は、素子インピーダンスの検出タイミングが到来したと
判断して、S160に移行し、今回のS120で検出し
た電圧Vi(t2 )が所定の判定電圧よりも大きいか否か
を判定する。尚、この判定電圧は、図10に示す空燃比
センサAFSのダイナミックレンジ内における所定値
(例えば中央値)の電流がシャント抵抗40に流れた場
合の演算増幅器38の出力電圧Viに設定されている。
【0095】そして、S160で上記電圧Vi(t2 )が
判定電圧よりも大きいと判断した場合(つまり、現在の
センサ電流Iがダイナミックレンジ内の上記所定値より
も大きい場合)には、続くS170にて、図6(a)の
時刻t3 に示すように、端子PB21の出力レベルをロ
ウレベルからハイレベルにしてトランジスタ26をオン
させ、その後、S190に移行する。すると、図6
(a)の時刻t3 に示すように、空燃比センサAFSの
プラス側端子AF+に印加される電圧Voが、基準電圧
Vrよりも前述したΔVa(=0.2V)だけ低い電圧
(=3.1V)に変化し、それに伴い、端子AD2への
入力電圧(演算増幅器38の出力電圧)Vi及びセンサ
電流Iも負側に変化することとなる。
【0096】また、S160で上記電圧Vi(t2 )が判
定電圧よりも大きくないと判断した場合(つまり、現在
のセンサ電流Iがダイナミックレンジ内の上記所定値よ
りも大きくない場合)には、S180に移行して、図6
(b)の時刻t3 に示すように、端子PB20の出力レ
ベルをハイレベルからロウレベルにしてトランジスタ3
0をオンさせ、その後、S190に進む。すると、図6
(b)の時刻t3 に示すように、空燃比センサAFSの
プラス側端子AF+に印加される電圧Voが、基準電圧
Vrよりも前述したΔVb(=0.2V)だけ高い電圧
(=3.5V)に変化し、それに伴い、端子AD2への
入力電圧Vi及びセンサ電流Iも正側に変化することと
なる。
【0097】S190では、上記S170或いは上記S
180の処理を行ってから、センサ電流Iの変化分ΔI
がピークになると予想される時間T2(=135μs)
が経過したか否かを判定し、その時間T2が経過するま
で待機する。そして、上記時間T2が経過したと判定す
ると、S200に進んで、端子AD2に入力される電圧
Viを検出し、その検出した電圧Viを前述のVi(t4
)として記憶する。そして更に、続くS210にて、端
子AD1に入力される電圧Voを検出し、その検出した
電圧Voを前述のVo(t5 )として記憶する。
【0098】そして、続くS220にて、上記S11
0,S120,S200,及びS210で今回検出した
Vo(t1 ),Vi(t2 ),Vi(t4 ),及びVo(t5 )
と、シャント抵抗40の抵抗値RS とから、前述の式1
を用いて空燃比センサAFSの素子インピーダンスZを
算出する。尚、ここで算出した素子インピーダンスZ
は、少なくとも空燃比センサAFSに備えられたヒータ
の加熱制御に用いられる。即ち、マイコン2は、図示し
ない加熱制御処理を実行することにより、上記S220
で算出した素子インピーダンスZと、空燃比センサAF
Sが十分に活性化していると思われる目標温度に対応す
る目標素子インピーダンスとの差が無くなるように、ヒ
ータへの通電電流を制御する。
【0099】次に、マイコン2は、続くS230にて、
上記S170或いは上記S180の処理を行ってから、
所定時間T3(=200μs)が経過したか否かを判定
し、その時間T3が経過するまで待機する。そして、上
記時間T3が経過したと判定すると、S240に進ん
で、S160の場合と全く同様に、S120で検出した
電圧Vi(t2 )が上記判定電圧よりも大きいか否かを判
定する。
【0100】そして、S240で上記電圧Vi(t2 )が
判定電圧よりも大きいと判断した場合には、続くS25
0にて、図6(a)の時刻t6 に示すように、端子PB
21の出力レベルをハイレベルからロウレベルに戻して
トランジスタ26をオフさせると共に、端子PB20の
出力レベルをハイレベルからロウレベルにしてトランジ
スタ30をオンさせ、その後、S270に移行する。す
ると、図6(a)の時刻t6 に示すように、空燃比セン
サAFSのプラス側端子AF+に印加される電圧Vo
が、基準電圧Vrよりも前述したΔVb(=0.2V)
だけ高い電圧(=3.5V)に変化し、それに伴い、端
子AD2への入力電圧Vi及びセンサ電流Iも正側に変
化することとなる。
【0101】また、S240で上記電圧Vi(t2 )が判
定電圧よりも大きくないと判断した場合には、S260
に移行して、図6(b)の時刻t6 に示すように、端子
PB20の出力レベルをロウレベルからハイレベルに戻
してトランジスタ30をオフさせると共に、端子PB2
1の出力レベルをロウレベルからハイレベルにしてトラ
ンジスタ26をオンさせ、その後、S270に進む。す
ると、図6(b)の時刻t6 に示すように、空燃比セン
サAFSのプラス側端子AF+に印加される電圧Vo
が、基準電圧Vrよりも前述したΔVa(=0.2V)
だけ低い電圧(=3.1V)に変化し、それに伴い、端
子AD2への入力電圧Vi及びセンサ電流Iも負側に変
化することとなる。
【0102】S270では、上記S250或いは上記S
260の処理を行ってから所定時間T4(=200μ
s)が経過したか否かを判定し、その時間T4が経過す
るまで待機する。そして、上記時間T4が経過したと判
定すると、S280に進んで、図6(a),(b)の時
刻t7 に示すように、端子PB21の出力レベルを初期
のロウレベルにしてトランジスタ26をオフさせると共
に、端子PB20の出力レベルを初期のハイレベルにし
てトランジスタ30をオフさせる。すると、図6
(a),(b)の時刻t7 に示すように、空燃比センサ
AFSのプラス側端子AF+に印加される電圧Voが元
の基準電圧Vrに戻り、端子AD2への入力電圧Vi及
びセンサ電流Iも元の状態に収束することとなる。
【0103】そして最後に、続くS290にて、カウン
タCTの値を「0」にリセットし、その後、当該検出処
理を終了する。一方、上記S140にて、カウンタCT
の値が「31」ではないと判定した場合には、128m
s毎の素子インピーダンス検出タイミングではないと判
断して、S150に進み、カウンタCTの値を1インク
リメントする。
【0104】そして、続くS155にて、今回のS13
0で算出した現在のセンサ電流値から、空燃比センサA
FSのマイナス側端子AF−に印加すべき電圧の値であ
る目標の印加電圧値V(k)を算出する。具体的には、
図10における特性線L(即ち、空燃比センサAFSの
各検出空燃比における限界電流域のほぼ中心を結んだ
線)において、今回のS130で算出したセンサ電流値
に対応する印加電圧を、空燃比センサAFSの両端に印
加すべき最適な印加電圧とし、その最適な印加電圧から
プラス側端子AF+への印加電圧である基準電圧Vrを
引いた値を、マイナス側端子AF−への目標の印加電圧
値V(k)として算出する。尚、前述のS220で現在
検出されている空燃比センサAFSの素子インピーダン
スZから、センサ温度(センサ本体の温度)を求め、そ
のセンサ温度をも加味して、目標の印加電圧値V(k)
を算出すれば、その印加電圧値V(k)をより最適化す
ることができる。
【0105】そして、続くS157にて、上記S155
で算出した印加電圧値V(k)を、PWM出力制御処理
で参照できるように記憶し、その後、当該検出処理を終
了する。次に、マイコン2で実行されるPWM出力制御
処理について、図4(a)のフローチャートに沿って説
明する。尚、このPWM出力制御処理は、PWM信号生
成部3のレジスタ4,5に値をセットして、端子PWM
1から出力されるPWM信号の周期Tとハイ時間Thと
を制御するための処理であり、図3の検出処理と並行し
て例えば1ms毎に実行される。
【0106】図4(a)に示すように、マイコン2がP
WM出力制御処理の実行を開始すると、まずS310に
て、端子AD3に入力される電圧(即ち、端子PWM1
から出力しているPWM信号を2個のローパスフィルタ
回路F1,F2からなる積分回路で平滑化した電圧であ
り、空燃比センサAFSのマイナス側端子AF−に現在
実際に印加されている電圧)VmをA/D変換して、電
圧検出値Vadとして読み込むと共に、図3の検出処理
におけるS157で記憶されたマイナス側端子AF−へ
の目標の印加電圧値V(k)を読み出し、上記電圧検出
値Vadが「目標の印加電圧値V(k)±α」の範囲内
に入っているか否かを判定する。
【0107】尚、αは、例えば数mV或いは数百mVと
いった極小さい値である。また、端子AD3に入力され
る電圧VmのA/D変換は、マイコン2に内蔵のA/D
コンバータによって行われる。そして、電圧検出値Va
dが「目標の印加電圧値V(k)±α」の範囲内に入っ
ていれば、そのままS350に移行して、現在の出力設
定値VsとPWM信号の周期Tとから、下記の式2に従
って、PWM信号のハイ時間Thを算出する。
【0108】Th=T×Vs/5 …式2 尚、出力設定値Vsは、空燃比センサAFSのマイナス
側端子AF−に印加しようとする1ms毎(当該PWM
出力制御処理の実行周期毎)の短期的な目標電圧値であ
る。また、式2における「5」は、バッファとしての演
算増幅器10から初段のローパスフィルタ回路F1へ出
力されるPWM信号のハイレベルの電圧値である。また
更に、本実施形態において、PWM信号の周期Tは、可
変ではなく、当該PWM出力制御処理の実行周期と同じ
1msとしている。
【0109】このS350でハイ時間Thを算出した
ら、続くS360にて、PWM信号生成部3にPWM信
号の周期Tとハイ時間Thとを設定する。つまり、S3
50で今回算出したハイ時間の値を“Thn”とする
と、PWM信号生成部3のレジスタ5に、ハイ時間相当
値として、PWM信号のハイ時間がThnとなる値(=
Thn/Tck)をセットすると共に、PWM信号生成
部3のレジスタ4に、周期相当値として、PWM信号の
周期が1msとなる値(=(1ms/Tck)−1)を
セットする。そして、その後、当該PWM出力制御処理
を一旦終了する。
【0110】一方、上記S310にて、電圧検出値Va
dが「目標の印加電圧値V(k)±α」の範囲内に入っ
ていないと判定した場合には、出力設定値Vs(延いて
は、PWM信号のハイ時間Th)を変更する必要がある
と判断して、S320に進む。
【0111】そして、このS320にて、今回の電圧検
出値Vadが目標の印加電圧値V(k)よりも小さいか
否かを判定し、VadがV(k)よりも小さい場合に
は、続くS330にて、出力設定値Vsを所定電圧値β
(本実施形態では1mV)だけ大きくし、その後、前述
のS350に進む。
【0112】また逆に、上記S320にてVadがV
(k)よりも小さくないと判定した場合には、S340
に移行して、出力設定値Vsを所定電圧値βだけ小さく
し、その後、前述のS350に進む。このようなPWM
出力制御処理においては、図7の期間K1に示すよう
に、電圧検出値Vadが「目標の印加電圧値V(k)−
α」よりも小さければ、S330の処理により、出力設
定値Vsが所定電圧値βだけ大きく設定され、それに伴
い、S350,S360の処理でPWM信号生成部3の
レジスタ5にセットされるハイ時間相当値が、図8に示
す如く、所定電圧値βに相当する値(β相当値)だけ大
きくなる。すると、端子PWM1から出力されるPWM
信号のハイ時間Thが所定電圧値βに相当する時間(=
上記β相当値×Tck)だけ長くなって、空燃比センサ
AFSのマイナス側端子AF−に実際に印加される電圧
Vm(延いては、次の電圧検出値Vad)が所定電圧値
βだけ高くなる。そして、このような動作が、図7の期
間K1に示すように、電圧検出値Vadが「目標の印加
電圧値V(k)±α」の範囲内に入るまで繰り返される
こととなる。
【0113】また、図7の期間K2に示すように、電圧
検出値Vadが「目標の印加電圧値V(k)+α」より
も大きければ、S340の処理により、出力設定値Vs
が所定電圧値βだけ小さく設定される。そして、それに
伴い、S350,S360の処理でPWM信号生成部3
のレジスタ5にセットされるハイ時間相当値が、所定電
圧値βに相当する値だけ小さくなる。すると、端子PW
M1から出力されるPWM信号のハイ時間Thが所定電
圧値βに相当する時間だけ短くなって、空燃比センサA
FSのマイナス側端子AF−に実際に印加される電圧V
mが所定電圧値βだけ低くなる。そして、このような動
作が、図7の期間K2に示すように、電圧検出値Vad
が「目標の印加電圧値V(k)±α」の範囲内に入るま
で繰り返されることとなる。
【0114】よって、検出処理のS155,S157に
より、目標の印加電圧値V(k)が大きく変更されたと
しても、空燃比センサAFSのマイナス側端子AF−へ
の印加電圧Vmは、最大でも「β/1ms=1mV/1
ms」の割合(1ms当たりに1mVの割合)で徐々に
変化されることとなり、通常の空燃比検出時において、
印加電圧の変化に伴いセンサAFSに不要な交流電流が
流れてしまうことを確実に防止することができる。
【0115】尚、電源投入直後など、早く目標印加電圧
へ近づけたい場合には、応答性を向上させるため、一時
的に上記βを通常値よりも大きい値に設定するように構
成しても良い。また、検出している空燃比が所定値より
も高い値の場合(例えば図10におけるA/F=22の
場合)に、センサAFSの素子インピーダンス値を求め
る際には、一時的に上記βを通常値よりも大きくし応答
性を向上させて、目標印加電圧を例えば図10のVpo
付近まで下げた後、図6に示した印加電圧の掃引処理を
行って素子インピーダンス値を算出し、その後、元の空
燃比検出用の印加電圧(この例ではA/F=22が検出
可能な印加電圧)まで戻す、といった制御を行うことも
できる。これは、A/F=22用の目標印加電圧の際に
掃引処理を行うと、交流電流検出用のA/D値などが、
A/D変換のダイナミックレンジを外れてしまう可能性
があるためであり、このような場合には、一時的に印加
電圧を変えて、素子インピーダンス値を求めるのであ
る。
【0116】また更に、PWM出力制御処理において、
その変形例を図4(b)に示すように、S310とS3
20では、電圧検出値Vadの代わりに、現在の出力設
定値Vsを用いるようにしても良い。つまり、S310
では、現在の出力設定値Vsが「目標の印加電圧値V
(k)±α」の範囲内に入っているか否かを判定し、S
320では、現在の出力設定値Vsが目標の印加電圧値
V(k)よりも小さいか否かを判定するのである。そし
て、PWM信号出力処理を図4(b)のように変形して
も、通常の空燃比検出時において印加電圧の変化に伴う
不要な交流電流がセンサAFSに流れてしまうことを確
実に防止することができる。
【0117】但し、図4(a)のPWM出力制御処理に
よれば、PWM信号を2段のローパスフィルタ回路F
1,F2で平滑化した電圧が検出されて、空燃比センサ
AFSのマイナス側端子AF−への実際の印加電圧と目
標の印加電圧値V(k)との差が小さくなるように、演
算増幅器10,16のオフセット分などの誤差要因まで
含め、PWM信号のデューティ比がフィードバック制御
されることとなるため、空燃比センサAFSへの印加電
圧を、より精度良く最適値に調節することができ非常に
有利である。
【0118】以上のように、本第1実施形態の空燃比検
出装置1では、マイコン2の出力ポートPWM1から出
力されるPWM信号を2段のローパスフィルタ回路F
1,F2からなる積分回路で平滑化した電圧が、空燃比
センサAFSのマイナス側端子AF−に対応した出力回
路を成す演算増幅器16の非反転入力端子に供給され、
マイコン2は、上記出力ポートPWM1から出力するP
WM信号のデューティ比により、空燃比センサAFS
(詳しくは、マイナス側端子AF−)に印加する空燃比
検出用電圧を変化させるようにしている。
【0119】よって、本第1実施形態の空燃比検出装置
1によれば、前述した(A)〜(D)の効果が得られ、
酸素濃度センサとしての空燃比センサAFSに印加する
空燃比検出用電圧を、安価な構成で、しかも、高分解能
且つ高精度に変えることができるようになる。
【0120】特に、分解能の面では、マイコン2の内部
クロックが一般的な10MHzであるとしても、その内
部クロックの周期Tckは0.1μsとなり、空燃比セ
ンサAFSのマイナス側端子AF−への印加電圧を、
{5V/(1ms/0.1μs)}=0.5mVの分解
能で調節することができ、10ビット分解能のD/Aコ
ンバータを用いた場合の約10分の1の高分解能で印加
電圧を調節することができる。
【0121】また、本第1実施形態の空燃比検出装置1
では、マイコン2からのPWM信号を、各々がコンデン
サと抵抗とからなる2段のローパスフィルタ回路F1,
F2で平滑化するようにしているため、静電容量が比較
的小さい低価格のコンデンサC1,C2と、耐ノイズ性
を悪化させることのない低抵抗値の抵抗R1,R2とを
使用して、平滑化後の電圧におけるリップルを十分に抑
制することができ、一層の低コスト化と高い耐ノイズ性
とを実現することができる。
【0122】そして更に、本第1実施形態の空燃比検出
装置1では、空燃比センサAFSのプラス側端子AF+
に対応した出力回路を成す演算増幅器38の非反転入力
端子に、抵抗24,28,32とトランジスタ26,3
0とからなる電圧変更回路を接続すると共に、マイコン
2は、空燃比センサAFSの素子インピーダンスを検出
する際に、通常の出力ポートPB20,PB21から上
記トランジスタ26,30への制御信号の出力レベルを
切り替えることにより、そのトランジスタ26,30を
オン/オフさせて、空燃比センサAFSのプラス側端子
AF+に印加される電圧Voを急峻に変化させている。
【0123】このため、素子インピーダンスの検出時に
おいて、空燃比センサAFSへの印加電圧を所望の正確
なタイミングで変化させることができ、延いては、同セ
ンサAFSの素子インピーダンスを正確に検出すること
ができるようになり、更に、素子インピーダンスを検出
するために印加電圧を急峻に変化させることに関して
も、D/Aコンバータを用いる必要がないため、マイコ
ン2の内外にD/Aコンバータを設ける必要性を完全に
無くすことができる。
【0124】尚、上記第1実施形態の空燃比検出装置1
では、空燃比センサAFSのマイナス側端子AF−に対
応して設けられた演算増幅器16及び抵抗12,14か
らなる出力回路と、空燃比センサAFSのプラス側端子
AF+に対応して設けられた演算増幅器38,抵抗3
6,及びシャント抵抗40からなる出力回路とが、電圧
印加手段に相当している。
【0125】次に、第2実施形態の空燃比検出装置につ
いて、図9を用いて説明する。尚、図9において、第1
実施形態の空燃比検出装置1(図1)と同じ構成要素に
ついては、同一の符号を付しているため説明は省略す
る。図9に示すように、第2実施形態の空燃比検出装置
60は、第1実施形態の空燃比検出装置1と比較する
と、電圧生成用抵抗18,20の代わりに、非反転入力
端子がマイコン2の端子PWM2に接続され、反転入力
端子と出力端子とが共通接続されたバッファとしての演
算増幅器62と、その演算増幅器62の出力を平滑化す
る抵抗R3及びコンデンサC3からなるローパスフィル
タ回路F3と、そのローパスフィルタ回路F3で平滑化
された電圧を更に平滑化して演算増幅器22の非反転入
力端子に出力する抵抗R4及びコンデンサC4からなる
ローパスフィルタ回路F4とが設けられている。そして
更に、この空燃比検出装置60では、演算増幅器22の
出力がマイコン2の端子AD4へ入力されるようになっ
ている。
【0126】ここで、マイコン2の上記端子PWM2
は、端子PWM1と同様のPWM信号専用の出力ポート
であり、上記端子AD4は、端子AD1,AD2,AD
3と同様のA/Dコンバータの入力端子であるまた、ロ
ーパスフィルタ回路F3はローパスフィルタ回路F1と
同じものであり、ローパスフィルタ回路F4はローパス
フィルタ回路F2と同じものである。
【0127】このような本第2実施形態の空燃比検出装
置60では、マイコン2の端子PWM2から出力される
PWM信号が、バッファとしての演算増幅器62を介し
て、2つのローパスフィルタ回路F3,F4からなる第
2の積分回路に供給される。よって、マイコン2の端子
PWM2から出力されるPWM信号をローパスフィルタ
回路F3,F4で平滑化した電圧が、演算増幅器22の
非反転入力端子に入力され、それと同じ電圧が演算増幅
器22から抵抗24の一端に出力されることとなる。
【0128】このため、本第2実施形態の空燃比検出装
置60において、マイコン2は、演算増幅器22の出力
(即ち、ローパスフィルタ回路F3,F4で平滑化され
た電圧)を端子AD4によって検出し、その検出値が基
準電圧Vrとなるように、端子PWM2から出力するP
WM信号のデューティ比を調節する。
【0129】つまり、第2実施形態の空燃比検出装置6
0では、空燃比センサAFSのプラス側端子AF+に対
応する出力回路(演算増幅器38及び抵抗36,40)
の方についても、ローパスフィルタ回路F1,F2と同
じローパスフィルタ回路F3,F4からなる第2の積分
回路を設け、センサAFSの素子インピーダンスを検出
しない通常時には、マイコン2の出力ポートPWM2か
ら出力されるPWM信号を上記第2の積分回路で平滑化
した電圧が、演算増幅器38の非反転入力端子に供給さ
れるようにしている。
【0130】このような第2実施形態の空燃比検出装置
60によれば、マイコンの端子PWM1,PWM2の各
々から演算増幅器16,38の各非反転入力端子に至る
までの各回路の電圧応答特性がほぼ等しくなる。このた
め、電源投入時や電源遮断時において、センサAFSの
各端子AF+,AF−に夫々印加される各電圧の立ち上
がり及び立ち下がり特性が前述した図11の如く異なっ
てしまうことが防止される。よって、電源投入時や電源
遮断時においてセンサAFSの両端子間に過大な電圧や
負電圧がかかってしまうことを確実に防止することがで
きる。
【0131】また、この空燃比検出装置60によれば、
マイコン2は、端子PWM2から出力するPWM信号の
デューティ比を変えることで、空燃比センサAFSのプ
ラス側端子AF+への印加電圧も任意に変化させること
ができるため、空燃比センサAFSに印加する空燃比検
出用電圧をより広範囲に調節することができるようにな
る。
【0132】尚、マイコン2が端子PWM2からのPW
M信号のデューティ比を変化させることに伴って、演算
増幅器22の非反転入力端子への基準電圧Vrが変わる
と、図5に示したΔVaとΔVbとの各値も変わるが、
素子インピーダンスの検出には影響がない。つまり、本
実施形態では、図5及び式1を用いて説明したように、
印加電圧の実際の変化分ΔV(=Vo(t1)−Vo(t
5))を検出し、それを用いて素子インピーダンスを算出
しているからである。
【0133】次に、第3実施形態の空燃比検出装置につ
いて、図12を用いて説明する。尚、ここでは、第1実
施形態の空燃比検出装置1と相違している点について説
明する。また、図12において、第1実施形態の空燃比
検出装置1(図1)と同じ構成要素については、同一の
符号を付している。また更に、第1実施形態では、空燃
比センサAFSのマイナス側端子AF−への印加電圧V
mを、基準電圧Vr(=3.3V)よりも低い3V前後
で可変にするとして説明したが、本第3実施形態では、
マイナス側端子AF−への印加電圧Vmを、2.8V〜
3.2Vの範囲で可変するものとする。
【0134】図12に示すように、第3実施形態の空燃
比検出装置70は、第1実施形態の空燃比検出装置1と
比較すると、演算増幅器10及びローパスフィルタ回路
F1の代わりに、一端がマイコン2の端子PWM1に接
続された抵抗71と、一端が電源電圧Vcc(=5v)
に接続され、他端が抵抗71のマイコン2側とは反対側
の端部に接続された抵抗72と、一端が接地電位(=0
V)に接続され、他端が抵抗71のマイコン2側とは反
対側の端部に接続された抵抗73と、上記3つの抵抗7
1〜73同士の接続点(以下、出力点という)Poに一
端が接続され、他端が接地電位に接続されたコンデンサ
74と、上記出力点Poに非反転入力端子が接続され、
出力端子が自己の反転入力端子とローパスフィルタ回路
F2の抵抗R2の一端とに接続されて、その出力端子か
らローパスフィルタ回路F2の抵抗R2へ上記出力点P
oの電圧を出力する、バッファとしての演算増幅器76
とを備えている。
【0135】ここで、3つの抵抗71〜73は、マイコ
ン2の端子PWM1から出力されるPWM信号を、その
PWM信号の振幅を0.4Vにし且つローレベルの電圧
(以下、オフセットともいう)を2.8Vに変えたPW
M信号(つまり、ローレベルが2.8Vでハイレベルが
3.2VのPWM信号)に変換して出力する振幅・オフ
セット変換回路(請求項2に記載の変換回路に相当)を
成すものである。
【0136】そして、各抵抗71〜73の抵抗値をr7
1,r72,r73とすると、その各抵抗値r71,r
72,r73は、上記振幅・オフセット変換回路として
の役割を果たすため、下記の式3及び式4を満たすよう
に設定されている。 5V×r73÷(r73+(r71//r72))=3.2V …式3 5V×(r71//r73)÷(r72+(r71//r73))=2.8V …式4 尚、式3における「r71//r72」は、抵抗71と抵抗7
2との並列抵抗値であり、式4における「r71//r73」
は、抵抗71と抵抗73との並列抵抗値である。また、
式3は、コンデンサ74が無いものとして、マイコン2
からのPWM信号がハイレベル(=5V)の時に、出力
点Poの電圧が3.2Vとなる条件を示しており、式4
は、コンデンサ74が無いものとして、マイコン2から
のPWM信号がローレベル(=0V)の時に、出力点P
oの電圧が2.8Vとなる条件を示している。そして、
本実施形態では、r71=110kΩ,r72=16k
Ω,r73=25kΩに設定されている。一方仮に、マ
イコン2からのPWM信号を、ローレベルが3.1Vで
ハイレベルが3.5VのPWM信号に変換するのであれ
ば、式3の右辺を3.5Vにすると共に、式4の右辺を
3.1Vにすれば良く、例えば、r71=125kΩ,
r72=16kΩ,r73=33kΩに設定すれば良
い。
【0137】このような第3実施形態の空燃比検出装置
70では、コンデンサ74が無いものとすると、マイコ
ン2の端子PWM1から出力されるPWM信号が、上記
3つの抵抗71〜73により、ローレベルが2.8Vで
ハイレベルが3.2VのPWM信号(振幅が0.4Vで
オフセットが2.8VのPWM信号)に変換され、その
変換後のPWM信号が出力点Poに現れる。
【0138】そして、実際には、コンデンサ74がある
ため、上記変換後のPWM信号は、コンデンサ74と抵
抗71〜73とのフィルタ効果(電圧平滑化効果)によ
り平滑化されて出力点Poに現れる。つまり、抵抗71
〜73は、振幅・オフセット変換回路としての役割だけ
でなく、コンデンサ74と共にローパスフィルタ回路と
しても機能しており、出力点Poからは、上記変換後の
PWM信号を平滑化した電圧が出力される。
【0139】そして更に、その出力点Poの電圧は、バ
ッファとしての演算増幅器76を介してローパスフィル
タ回路F2に入力され、そのローパスフィルタ回路F2
により一層平滑化されて、演算増幅器16の非反転入力
端子に入力される。よって、空燃比センサAFSのマイ
ナス側端子AF−には、上記変換後のPWM信号を、コ
ンデンサ74と抵抗71〜73からなるローパスフィル
タ回路と、その次段のローパスフィルタ回路F2とで平
滑化した電圧(図12のe点の電圧)と同じ電圧が、演
算増幅器16及び抵抗12,14からなる出力回路によ
って印加されることとなる。尚、コンデンサ74は、ロ
ーパスフィルタ回路F2のフィルタ効果が十分に大きけ
れば、削除しても良い。また、バッファとしての演算増
幅器76は、削除したり他の位置(例えば、マイコン2
の端子PWM1と抵抗71との間や、ローパスフィルタ
回路F2の後等)に設けても良い。
【0140】そして、本第3実施形態においても、マイ
コン2は、端子PWM1から出力するPWM信号のデュ
ーティ比を変えることで、空燃比センサAFSのマイナ
ス側端子AF−への印加電圧Vmを調節するが、以下の
点で第1実施形態の空燃比検出装置1と異なる。
【0141】即ち、まず、前述した第1実施形態の空燃
比検出装置1では、図13(a)に示すように、マイコ
ン2からのPWM信号のデューティ比を0%から100
%までの全範囲で変えれば、図1のc点の電圧(即ち、
ローパスフィルタ回路F2の出力電圧)及び空燃比セン
サAFSのマイナス側端子AF−への印加電圧Vmが、
0Vから5Vまでの範囲で変わることとなる。
【0142】これに対して、本第3実施形態の空燃比検
出装置70では、図13(b)に示すように、マイコン
2からのPWM信号のデューティ比を0%から100%
までの全範囲で変えれば、図12のe点の電圧(即ち、
ローパスフィルタ回路F2の出力電圧)及び空燃比セン
サAFSのマイナス側端子AF−への印加電圧Vmが、
空燃比検出用電圧の最大可変範囲分に相当する2.8V
から3.2Vまでの範囲で変わることとなる。つまり、
マイコン2が空燃比センサAFSへの印加電圧を空燃比
検出用電圧の最大可変範囲分だけ変化させるために制御
するPWM信号のデューティ比の範囲(前述の制御対象
デューティ比範囲)が、0%から100%までの全範囲
となる。
【0143】このため、ソフトウェアの面では、第1実
施形態の場合と比較して、マイコン2は、図4(a)の
PWM出力制御処理におけるS350にて、前述の式2
に代わる下記の式5に従って、PWM信号のハイ時間T
hを算出する。尚、式5において、Vmin は、マイナス
側端子AF−への印加電圧Vmの最小値(=2.8V)
であり、Vmax は、マイナス側端子AF−への印加電圧
Vmの最大値(=3.2V)である。
【0144】 Th=T×(Vs−Vmin )/(Vmax −Vmin ) …式5 以上のような第3実施形態の空燃比検出装置70によれ
ば、マイコン2から出力されるPWM信号のデューティ
比の全範囲(0%〜100%)を、空燃比センサAFS
への印加電圧の制御に使用することができるため、その
印加電圧を細かく制御するのに非常に有利である。
【0145】例えば、PWM信号の周期Tが1msであ
ると共に、PWM信号のハイ時間Thの可変分解能(即
ち、マイコン2における内部クロックの周期Tck)が
0.1μsであるとすると、前述したように、第1実施
形態の空燃比検出装置1では、空燃比センサAFSへの
印加電圧を、0.5mV={5V/(1ms/0.1μ
s)}の分解能で調節することができたが、それ以上
に、本第3実施形態の空燃比検出装置70では、空燃比
センサAFSへの印加電圧を、0.04mV={0.4
V/(1ms/0.1μs)}といった極細かい分解能
で調節することができる。
【0146】また、本第3実施形態の空燃比検出装置7
0によれば、PWM信号の周期Tが同じであるとする
と、PWM信号のハイ時間Thの可変分解能が1μsで
あっても、第1実施形態の場合と同等の0.4mV=
{0.4V/(1ms/1μs)}の分解能で空燃比セ
ンサAFSへの印加電圧を調節することができ、例え
ば、安価なマイコン2を用いることができるようにな
る。
【0147】しかも、本第3実施形態の空燃比検出装置
70によれば、抵抗71〜73からなる振幅・オフセッ
ト変換回路により、マイコン2からのPWM信号の振幅
を小さく変換しているため、マイコン2の端子PWM1
から演算増幅器16の非反転入力端子までの積分回路で
のフィルタ効果が小さくても、平滑化後の電圧に生じる
リップルを小さく抑えることができる。
【0148】このため、積分回路を簡素化することがで
きると共に、マイコン2からのPWM信号のデューティ
比を変えた際に、演算増幅器16の非反転入力端子への
指令電圧(図12のe点の電圧)が速やかに変わること
となり、その結果、空燃比センサAFSへの印加電圧を
変える際の応答性も向上させることができる。
【0149】積分回路を構成する各部品の具体的な定数
を挙げて説明すると、例えば、図1における抵抗R1,
R2の抵抗値が100kΩであり、図1におけるコンデ
ンサC1,C2の静電容量が0.1μFであるとする
と、図14に示す如く図12のe点の電圧を図1のc点
の電圧と同程度の滑らかさにするためには、コンデンサ
74の容量としては0.05μF程度で済む。そして、
このように積分回路全体でのフィルタ効果を小さくする
ことができるため、図14に示すように、図12のe点
の電圧は、図1のb点の電圧(ローパスフィルタ回路F
1の出力電圧)と同程度の速い変化応答性を有すること
となる。
【0150】一方更に、本第3実施形態の空燃比検出装
置70によれば、PWM信号のハイ時間Thの可変分解
能が第1実施形態の場合と同じ0.1μsであるとする
と、PWM信号の周期Tを第1実施形態の10分の1で
ある0.1msに設定しても、第1実施形態の場合と同
等の0.4mV={0.4V/(0.1ms/0.1μ
s)}の分解能で空燃比センサAFSへの印加電圧を調
節することができる。
【0151】そして、PWM信号の周期Tを短くする
(早くする)ことにより、図15における(a)と
(b)との比較からも分かるように、図12のe点の電
圧の脈動(振幅)を小さくすることができる。よって、
ローパスフィルタ回路F2のフィルタ定数を小さくする
ことができ、延いては、図12のe点の電圧を十分に平
滑化することと、そのe点の電圧の変化応答性を高める
こととを、高い次元で両立させることができる。
【0152】次に、第4実施形態の空燃比検出装置につ
いて、図16及び図17を用いて説明する。尚、ここで
は、第3実施形態の空燃比検出装置70と相違している
点について説明する。また、図16の回路図において、
第1及び第3実施形態の空燃比検出装置1,70(図
1,図12)と同じ構成要素については、同一の符号を
付している。
【0153】図16に示すように、第4実施形態の空燃
比検出装置80は、第3実施形態の空燃比検出装置70
と比較すると、抵抗12と抵抗14との接続点の電圧で
はなく、バッファとしての演算増幅器76の出力電圧
(即ち、最終段のローパスフィルタ回路F2で平滑化さ
れる前のd点の電圧であり、2.8V〜3.2Vに変換
された後のPWM信号をコンデンサ74及び抵抗71〜
73からなるローパスフィルタ回路で平滑化した電圧)
が、マイコン2の端子AD3へ入力されるようになって
いる。尚、d点の電圧は、出力点Poの電圧と同じであ
るため、マイコン2の端子AD3は、出力点Poと接続
しても良い。
【0154】そして、マイコン2は、図4(a)のPW
M出力制御処理におけるS310にて、端子AD3に入
力される電圧をA/D変換するのではなく、後述の処理
で算出したA/D変換値の平均値を、電圧検出値Vad
として用いる。即ち、本第4実施形態の空燃比検出装置
80において、マイコン2は、図17における黒丸印
(●)で示すように、端子PWM1から出力されるPW
M信号の立ち上がりと立ち下がりとの各タイミングで、
端子AD3に入力される電圧(d点の電圧)を内蔵のA
/DコンバータによりA/D変換すると共に、そのA/
D変換値を平均化する平均化処理を行う。そして、図4
(a)のS310では、上記平均化処理で算出している
平均値を、電圧検出値Vadとして読み込み、その電圧
検出値Vadが「目標の印加電圧値V(k)±α」の範
囲内に入っているか否かを判定するのである。
【0155】つまり、マイコン2は、最終段のローパス
フィルタ回路F2で平滑化される前の電圧であって、コ
ンデンサ74及び抵抗71〜73からなるローパスフィ
ルタ回路(以下、初段のローパスフィルタ回路という)
で平滑化された電圧をA/D変換すると共に、そのA/
D変換値を平均化する平均化処理(デジタル的な平滑化
の処理であり、所謂なましの処理)を行い、該平均化処
理で算出した平均値に基づいて、空燃比センサAFSの
マイナス側端子AF−への実際の印加電圧Vmと目標の
印加電圧値V(k)との差が小さくなるように、PWM
信号のデューティ比をフィードバック制御している。
【0156】このような第4実施形態の空燃比検出装置
80によれば、空燃比センサAFSにリップルがない一
定の電圧を印加することと、空燃比センサAFSへの印
加電圧を精度良く制御することとを、両立させ易くな
る。つまり、最終段のローパスフィルタ回路F2から出
力される電圧は、空燃比センサAFSへの印加電圧が脈
動してしまわないように、十分に平滑化されたものとな
る。よって、図12のようにローパスフィルタ回路F2
から出力される電圧と同じVmをマイコン2の端子AD
3に入力してA/D変換するように構成した場合、A/
Dコンバータの分解能(1LSB)が大きいと、その電
圧Vmの変化を捉えることができず、PWM信号のフィ
ードバック制御の精度を上げることができなくなる。
【0157】そこで、本第4実施形態では、初段のロー
パスフィルタ回路で平滑化された電圧(d点の電圧)に
は、多少の脈動が残っていることに着目して、そのd点
の電圧をA/DコンバータによりA/D変換すると共
に、そのA/D変換値を平均化する平均化処理を行い、
その平均化処理で算出した平均値を、演算増幅器16の
非反転入力端子への電圧の検出値として、デューティ比
のフィードバック制御に用いるようにしている。
【0158】このため、A/Dコンバータの分解能以上
の性能を出すことができ、延いては、空燃比センサAF
Sにリップルがない一定の電圧を印加することと、空燃
比センサAFSへの印加電圧を精度良く制御することと
を、高分解能で高価なA/Dコンバータを備えなくて
も、両立させることができるようになるのである。
【0159】尚、本第4実施形態の変形例として、:
マイコン2は、図17における白丸印(○)で示すよう
に、端子PWM1から出力されるPWM信号の立ち上が
りと立ち下がりとの中間付近の各タイミングで、端子A
D3に入力される電圧をA/D変換し、そのA/D変換
値を平均化するようにしても良い。:また、処理能力
に余裕があれば、マイコン2は、PWM信号の1周期中
に、端子AD3に入力される電圧を、PWM信号の周期
Tよりも非常に短いサンプリング周期でA/D変換し、
そのA/D変換値を平均化するようにしても良い。
【0160】一方、上記第4実施形態及びその変形例
,の手法は、第1及び第2実施形態の空燃比検出装
置1,60に対しても、全く同様に適用することができ
る。つまり、第1及び第2実施形態の各装置1,60に
おいて、ローパスフィルタ回路F1の出力電圧をマイコ
ン2の端子AD3に入力し、マイコン2は、上記第4実
施形態又はその変形例,と同じ手法で、端子PWM
1からのPWM信号のデューティ比を制御すれば良い。
また、第2実施形態の空燃比検出装置60については、
マイコン2の端子PWM2から出力するPWM信号のデ
ューティ比制御についても、同様の手法を採ることがで
きる。
【0161】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまで
もない。例えば、上記第4実施形態の空燃比検出装置8
0において、コンデンサ74を設けない場合には、マイ
コン2は、図18における黒丸印(●)で示すように、
端子PWM1から出力されるPWM信号がハイレベルで
ある期間とローレベルである期間との各々で、端子AD
3に入力される電圧をA/D変換し、更に、その各A/
D変換値と、その時のPWM信号のデューティ比とか
ら、図4(a)のS310で使用する電圧検出値Vad
(即ち、演算増幅器16の非反転入力端子に実際に入力
されていると見なす電圧)を計算によって求めるように
しても良い。
【0162】また、前述した第3又は第4実施形態及び
それらの変形例の構成及び手法は、図9に示した第2実
施形態の空燃比検出装置60に対しても適用することが
できる。そして、この場合には、マイコン2の端子PW
M2から演算増幅器22までの回路構成を、図12又は
図16におけるマイコン2の端子PWM1から演算増幅
器16までの回路構成と同様のものにすれば良い。
【0163】一方、上記各実施形態の空燃比検出装置に
おいて、バッファとしての演算増幅器22と抵抗24,
28,32とトランジスタ26,30とからなる回路
(即ち、素子インピーダンスの検出時にセンサAFSへ
の印加電圧を急峻に変化させるための回路)は、空燃比
センサAFSのマイナス側端子AF−に対応する出力回
路(演算増幅器16及び抵抗12,14)の方であっ
て、ローパスフィルタ回路F2と演算増幅器16の非反
転入力端子との間に設けるようにしても良い。
【0164】また、第1及び第2実施形態の空燃比検出
装置1,60において、バッファとしての演算増幅器1
0,62は省略することも可能である。また更に、マイ
コン2は、PWM信号専用の出力ポートからではなく、
通常の出力ポートから、ソフトウエア処理のみでPWM
信号を出力するようにしても良い。
【0165】一方、上記各実施形態では、積分回路とし
て、ローパスフィルタ回路F2(F4)を最終段とする
2段のローパスフィルタ回路を用いたが、ローパスフィ
ルタ回路の段数は、2段に限るものではなく、3段以
上、或いは場合によっては1段のみでも良い。
【0166】一方更に、上記各実施形態の空燃比検出装
置は、酸素濃度センサとして、限界電流式空燃比センサ
AFSを用い、同センサAFSに流れる限界電流から空
燃比を検出するものであったが、本発明は、酸素濃度セ
ンサとして、所謂ポンピングセルとセンシングセルとを
成す2層の固体電解質層を備えた積層型空燃比センサを
用いた場合にも、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の空燃比検出装置の構成を表す
回路図である。
【図2】 マイコンのPWM信号生成部を説明する説明
図である。
【図3】 マイコンが実行する検出処理を表すフローチ
ャートである。
【図4】 マイコンが実行するPWM出力制御処理を表
すフローチャートである。
【図5】 空燃比センサの素子インピーダンスを検出す
る手順を表すタイムチャートである。
【図6】 図3の検出処理の作用を説明するタイムチャ
ートである。
【図7】 PWM出力制御処理の作用を説明する第1の
説明図である。
【図8】 PWM出力制御処理の作用を説明する第2の
説明図である。
【図9】 第2実施形態の空燃比検出装置の構成を表す
回路図である。
【図10】 空燃比センサの電圧−電流特性を示すグラ
フである。
【図11】 センサの各端子への印加電圧の立ち上がり
/立ち下がり特性の違いによって起こる問題を説明する
説明図である。
【図12】 第3実施形態の空燃比検出装置の構成を表
す回路図である。
【図13】 第3実施形態の特徴を説明する説明図であ
る。
【図14】 第3実施形態の効果を説明する説明図のそ
の1である。
【図15】 第3実施形態の効果を説明する説明図のそ
の2である。
【図16】 第4実施形態の空燃比検出装置の構成を表
す回路図である。
【図17】 第4実施形態の空燃比検出装置のマイコン
が実施する処理の内容を説明する説明図である。
【図18】 第4実施形態の他の変形例を説明する説明
図である。
【符号の説明】
1,60,70,80…空燃比検出装置、AFS…空燃
比センサ、2…マイコン、3…PWM信号生成部、4,
5…レジスタ、6…カウンタ、7…比較部、10,1
6,22,38,42,46,62,76…演算増幅
器、44,48…入力回路、F1,F2,F3,F4…
ローパスフィルタ回路、12,14,18,20,2
4,28,32,36,40,50,52,54,7
1,72,73,R1,R2,R3,R4…抵抗、3
4,58,74,C1,C2,C3,C4…コンデン
サ、26…NPN形トランジスタ、30…PNP形トラ
ンジスタ、56…ダイオード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧の印加に伴い被検出ガス中の酸素濃
    度に応じた電流が流れる酸素濃度センサへ、入力部に入
    力される指令電圧に応じた電圧を印加する電圧印加手段
    と、 前記被検出ガス中の酸素濃度を検出するための検出用電
    圧が前記酸素濃度センサへ印加されるように、前記電圧
    印加手段への前記指令電圧を制御すると共に、前記酸素
    濃度センサに流れる電流を検出して前記被検出ガス中の
    酸素濃度を算出するマイクロコンピュータと、 を備えた酸素濃度検出装置において、 前記マイクロコンピュータの出力ポートから出力される
    2値振幅のオン/オフ信号を積分回路で平滑化した電圧
    が、前記電圧印加手段の入力部に前記指令電圧として供
    給され、 前記マイクロコンピュータは、前記オン/オフ信号のデ
    ューティ比により、前記電圧印加手段から前記酸素濃度
    センサへの印加電圧を変化させること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸素濃度検出装置にお
    いて、 前記マイクロコンピュータの出力ポートから出力される
    前記オン/オフ信号を、該オン/オフ信号の振幅を小さ
    くし且つローレベルの電圧を変えたオン/オフ信号に変
    換して出力する変換回路を備え、 前記変換回路の出力信号を前記積分回路で平滑化した電
    圧が、前記電圧印加手段の入力部に前記指令電圧として
    供給されること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の酸素濃度検出装置にお
    いて、 前記変換回路から出力されるオン/オフ信号の振幅及び
    ローレベルの電圧は、前記マイクロコンピュータの出力
    ポートから出力されるオン/オフ信号のデューティ比を
    0%から100%までの全範囲で変えることにより、前
    記電圧印加手段から前記酸素濃度センサへの印加電圧が
    前記検出用電圧の最大可変範囲分だけ変わるように設定
    されていること、を特徴とする酸素濃度検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の酸素濃度検出装置において、 前記マイクロコンピュータは、前記積分回路で平滑化さ
    れた電圧を検出し、その検出値に基づいて、前記酸素濃
    度センサへの実際の印加電圧と前記酸素濃度センサへの
    目標の印加電圧との差が小さくなるように、前記オン/
    オフ信号のデューティ比を変化させること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の何れかに記載
    の酸素濃度検出装置において、 前記積分回路は、コンデンサと抵抗とからなる複数のロ
    ーパスフィルタ回路を直列に設けて構成されているこ
    と、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
    の酸素濃度検出装置において、 前記積分回路は、コンデンサと抵抗とからなる複数のロ
    ーパスフィルタ回路を直列に設けて構成されており、 前記マイクロコンピュータは、前記複数のローパスフィ
    ルタ回路のうち、最終段のローパスフィルタ回路以外の
    ローパスフィルタ回路で平滑化された電圧をA/D変換
    器によりA/D変換すると共に、そのA/D変換値を平
    均化する平均化処理を行い、該平均化処理で算出した平
    均値に基づいて、前記酸素濃度センサへの実際の印加電
    圧と前記酸素濃度センサへの目標の印加電圧との差が小
    さくなるように、前記オン/オフ信号のデューティ比を
    変化させること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6の何れかに記載
    の酸素濃度検出装置において、 前記電圧印加手段は、前記酸素濃度センサの一対の各端
    子に対応して前記入力部を2つ備え、そのうちの一方の
    入力部に入力される指令電圧(以下、第1の指令電圧と
    いう)に応じた電圧を前記酸素濃度センサの一方の端子
    に印加すると共に、他方の入力部に入力される指令電圧
    (以下、第2の指令電圧という)に応じた電圧を前記酸
    素濃度センサの他方の端子に印加するように構成されて
    おり、 前記積分回路で平滑化された電圧が、前記一方の入力部
    に前記第1の指令電圧として供給され、前記他方の入力
    部へは、予め設定された基準電圧が前記第2の指令電圧
    として供給されるように構成されていること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6の何れかに記載
    の酸素濃度検出装置において、 前記電圧印加手段は、前記酸素濃度センサの一対の各端
    子に対応して前記入力部を2つ備え、そのうちの一方の
    入力部に入力される指令電圧(以下、第1の指令電圧と
    いう)に応じた電圧を前記酸素濃度センサの一方の端子
    に印加すると共に、他方の入力部に入力される指令電圧
    (以下、第2の指令電圧という)に応じた電圧を前記酸
    素濃度センサの他方の端子に印加するように構成されて
    おり、 前記積分回路で平滑化された電圧が、前記一方の入力部
    に前記第1の指令電圧として供給され、 更に、当該装置は、前記他方の入力部に対しても、前記
    積分回路と同じ構成の第2の積分回路を備えていると共
    に、前記マイクロコンピュータの前記出力ポートとは異
    なる出力ポートから出力される2値振幅のオン/オフ信
    号を前記第2の積分回路で平滑化した電圧が、前記他方
    の入力部に前記第2の指令電圧として供給されるように
    構成されていること、 を特徴とする酸素濃度検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は請求項8に記載の酸素濃度
    検出装置において、 前記電圧印加手段の2つの入力部のうちの何れか一方に
    は、前記マイクロコンピュータから出力される2値振幅
    の制御信号に応じて当該入力部の電圧を瞬時に変化させ
    る電圧変更回路が接続されており、 前記マイクロコンピュータは、前記酸素濃度センサの素
    子インピーダンスを検出する際に、前記電圧変更回路へ
    の前記制御信号の出力レベルを切り替えることにより、
    前記電圧印加手段から前記酸素濃度センサへの印加電圧
    を急峻に変化させること、を特徴とする酸素濃度検出装
    置。
JP2001342103A 2000-12-13 2001-11-07 酸素濃度検出装置 Expired - Fee Related JP3736430B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001342103A JP3736430B2 (ja) 2000-12-13 2001-11-07 酸素濃度検出装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000378895 2000-12-13
JP2000-378895 2000-12-13
JP2001342103A JP3736430B2 (ja) 2000-12-13 2001-11-07 酸素濃度検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002243694A true JP2002243694A (ja) 2002-08-28
JP3736430B2 JP3736430B2 (ja) 2006-01-18

Family

ID=26605751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001342103A Expired - Fee Related JP3736430B2 (ja) 2000-12-13 2001-11-07 酸素濃度検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3736430B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007017288A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Honda Motor Co Ltd 超音波疲労試験装置及び超音波疲労試験方法
CN101922368A (zh) * 2009-06-09 2010-12-22 株式会社电装 用于燃料喷射器的检测装置
WO2016098278A1 (en) 2014-12-19 2016-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Oil dilution rate calculation system of internal combustion engine
WO2016098276A1 (en) 2014-12-19 2016-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abnormality diagnosis system of air-fuel ratio sensor
US9523654B2 (en) 2014-02-05 2016-12-20 Denso Corporation Air-fuel ratio detection device
KR101710908B1 (ko) * 2015-10-22 2017-02-28 한국과학기술원 3전극 가스 센서의 구동 방법 및 이를 위한 장치

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007017288A (ja) * 2005-07-07 2007-01-25 Honda Motor Co Ltd 超音波疲労試験装置及び超音波疲労試験方法
JP4480640B2 (ja) * 2005-07-07 2010-06-16 本田技研工業株式会社 超音波疲労試験装置及び超音波疲労試験方法
CN101922368A (zh) * 2009-06-09 2010-12-22 株式会社电装 用于燃料喷射器的检测装置
JP2010285889A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Denso Corp 燃料噴射弁用検出装置
US8370094B2 (en) 2009-06-09 2013-02-05 Denso Corporation Detecting device for fuel injector
US9523654B2 (en) 2014-02-05 2016-12-20 Denso Corporation Air-fuel ratio detection device
WO2016098278A1 (en) 2014-12-19 2016-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Oil dilution rate calculation system of internal combustion engine
WO2016098276A1 (en) 2014-12-19 2016-06-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abnormality diagnosis system of air-fuel ratio sensor
US10323596B2 (en) 2014-12-19 2019-06-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Oil dilution rate calculation system of internal combustion engine
US10920704B2 (en) 2014-12-19 2021-02-16 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Abnormality diagnosis system of air-fuel ratio sensor
KR101710908B1 (ko) * 2015-10-22 2017-02-28 한국과학기술원 3전극 가스 센서의 구동 방법 및 이를 위한 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP3736430B2 (ja) 2006-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6377110B1 (en) Low-cost temperature sensor providing relatively high accuracy, a wide dynamic range and high linearity
US20150323493A1 (en) Air-fuel ratio sensor control device
JP6270403B2 (ja) 半導体装置及び電子制御装置
JP2002243694A (ja) 酸素濃度検出装置
JP3275547B2 (ja) 電圧−周波数変換回路
JPH11271265A (ja) ガス濃度センサの素子抵抗検出方法及びガス濃度検出装置
US4553424A (en) Method for detecting an oxygen concentration and a method for controlling an air-to-fuel ratio based on the detected oxygen concentration
US7473340B2 (en) Circuit configuration for operating a linear exhaust-gas probe
US20170067798A1 (en) Controller of air-fuel ratio sensor
US10739325B2 (en) Air-fuel ratio sensor control apparatus
JP6852523B2 (ja) 空燃比センサの制御装置
JP3292124B2 (ja) 酸素濃度センサの素子インピーダンス検出装置及び酸素濃度検出装置
JP2004069370A (ja) 酸素濃度検出装置
JP3296282B2 (ja) ガス濃度センサの素子温検出装置
JP3539199B2 (ja) 制御装置の補正データ生成方法及び装置
JP3633371B2 (ja) 空燃比検出装置
US6334359B1 (en) Thermal-type flowmeter for detecting flow rate of fluid
JP3622619B2 (ja) 酸素濃度センサの素子抵抗検出装置
JP6553164B2 (ja) アナログディジタル変換回路及び電子装置
JP6358133B2 (ja) ガス濃度センサの信号処理装置
JP2001208635A (ja) 物理量センサ
JPH08139386A (ja) 波形整形回路
JP2005147872A (ja) 酸素濃度センサの制御装置
JP2002091582A (ja) 定電圧電源回路
JP2578857B2 (ja) 積分型a/d変換器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051017

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091104

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101104

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111104

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees