JP3633371B2 - 空燃比検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空燃比検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関に供給される混合気の空燃比を目標値に制御するため、内燃機関の排気管に空燃比検出装置を設け、検出した空燃比に応じて燃料供給量をフィードバック制御する技術が広く用いられている。
【0003】
このような空燃比検出装置は、空燃比の検出部(空燃比センサ)と、当該検出部を駆動する駆動回路と、当該駆動回路の出力信号を処理することにより空燃比を求めるためのA/D変換器およびマイクロコンピュータとから構成されており、検出部としてジルコニア固体電解質を利用したものが一般に使われている。
【0004】
図7は、検出部(空燃比センサ)の一例の概略構造を示す一部断面図である。検出部101は、ジルコニア固体電解質102、ヒータ103、電極104,105、拡散抵抗体106から構成されている。
コップ型の検出部101は内燃機関の排気管(図示略)中に配置されている。
【0005】
袋管状のジルコニア固体電解質102の内部には大気が導入されている。ジルコニア固体電解質102の内部に配置された棒状のヒータ103は、ジルコニア固体電解質102を少なくとも600℃以上に加熱して酸素イオンの導電性を向上させている。
【0006】
ジルコニア固体電解質102の大気雰囲気側には大気側電極104が形成され、排気ガス雰囲気側には排気側電極105が形成されている。尚、各電極104,105は膜厚が数μm〜数十μmの多孔質の白金材料から形成されている。
電極105の表面に形成された拡散抵抗体106は、排気ガス雰囲気中から電極105へ拡散によって流入する酸素や未撚ガスである一酸化炭素などの流入を抑制する。尚、拡散抵抗体106はスピネルなどをプラズマ溶射することにより多孔質に形成されており、拡散抵抗率を大きくするため膜厚は数百μmに設定されている。
【0007】
図8に、検出部101を駆動するための従来の駆動回路81を示す。
駆動回路81は、オペアンプ82,83および抵抗R1〜R4から構成されている。
オペアンプ82の出力端子は、抵抗R1を介して検出部101の電極104に接続されると共に、各抵抗R1,R3を介してオペアンプ82の反転入力端子に接続されている。また、オペアンプ83の出力端子は抵抗R2を介して検出部101の電極105に接続されると共に、各抵抗R2,R4を介してオペアンプ83の反転入力端子に接続されている。そして、オペアンプ82の非反転入力端子には大気側印加電圧VAF+が印加され、オペアンプ83の非反転入力端子には排気側印加電圧VAF−が印加されている。ここで、各オペアンプ82,83は、プラス側電源VBおよびグランドに接続されて電源供給がなされ単電源動作を行うようになっている。以下、各抵抗R1〜R4の抵抗値をそれぞれ「R1」〜「R4」と表記する。
【0008】
検出部101の電極104にはオペアンプ82から電圧VAF+が印加され、電極105にはオペアンプ83から電圧VAF−が印加されるため、各電極104,105間には各電圧VAF+,VAF−の差電圧VR(=VAF+−VAF−)が印加されることになる。
【0009】
空気過剰率λが1より大きいリーン領域(λ>1)においては、電極105の電圧が電極104の電圧よりもVRだけ低いため、この励起電圧(印加電圧)VRによって排気ガス雰囲気中の残存酸素は拡散抵抗体106を介して電極105で酸素イオンに変換され、この酸素イオンはジルコニア固体電解質102中を酸素ポンプ作用によって電極104側へ移送され、電極104で再び酸化されて酸素ガスになり大気雰囲気中へ放出される。このとき、酸素イオンの流れとは逆向きに電極104から電極105へセンサ電流(ポンプ電流)Ipが流れる。このセンサ電流Ipは、排気ガス雰囲気中から拡散抵抗体106を介して電極105へ拡散によって流入する酸素量に対応する。
【0010】
空気過剰率λが1の理論空燃比(λ=1)においては、拡散抵抗体106を介して電極105へ拡散で流入する排気ガス中の残存酸素の量と一酸化炭素などの残存未燃ガスの量とは化学当量比であり、電極105の触媒作用により両者は完全に燃焼する。そのため、電極105の近傍には酸素がなくなり、各電極104,105間に電圧が励起されても、ジルコニア固体電解質102中を移送される酸素イオンはなくなる。従って、各電極104,105間に流れるセンサ電流Ipは零になる(Ip=0)。
【0011】
空気過剰率λが1より小さいリッチ領域(λ<1)においては、リーン領域の場合とは逆に、電極104から電極105へ酸素イオンが流れ、この酸素イオン流は電極105の近傍の酸素濃度を高めるように作用し、電極105で再び酸化されて酸素ガスになり、この酸素ガスは、拡散抵抗体106を介して排気ガス雰囲気中から電極105へ拡散で流入する一酸化炭素などの未燃ガスを燃焼させる。従って、ジルコニア固体電解質102中を電極104側から電極105側へ移送される酸素イオンの量は、電極105へ拡散で流入する未燃ガスの量に対応した値になる。このとき、酸素イオンの流れとは逆向きに電極105から電極104へセンサ電流Ipが流れる。
【0012】
抵抗R1の両端はそれぞれA/D変換器84に接続されている。A/D変換器84は、マイクロコンピュータ85の制御に従い、抵抗R1におけるオペアンプ82側の電圧V1と検出部101側の電圧V2とをそれぞれA/D変換し、そのA/D変換値をマイクロコンピュータ85に出力する。ここで、A/D変換器84はプラス側電源VCおよびグランドに接続されて電源供給がなされている。以下、各電源VB,VCの電圧をそれぞれ「VB」,「VC」と表記する。
【0013】
マイクロコンピュータ85は、CPU,ROM,RAM,I/O回路を有する周知の構成であり、式(1)に示すように、抵抗R1の両端の電圧V1,V2と抵抗R1の抵抗値R1とに基づいて、検出部101の各電極104,105間に流れるセンサ電流Ipを算出する。
Ip=(V1−V2)/R1 ………(式1)
そして、マイクロコンピュータ85は、センサ電流Ipに基づいて空燃比を算出し、算出した空燃比に応じて内燃機関への燃料供給量をフィードバック制御することにより、内燃機関に供給される混合気の空燃比を目標値に制御する。
【0014】
ところで、駆動回路81において、抵抗R2は、オペアンプ83の非反転入力端子が電源VBとショートした場合、過大な電流がオペアンプ83の非反転入力端子に流れ込んだり出力端子から流れ出したりしてオペアンプ83が破壊されるのを防止すると共に、静電気からオペアンプ83の出力端子を保護するために設けられており、その抵抗値は47Ω程度に設定されている。
【0015】
尚、オペアンプ82については抵抗R1が設けられているため、その抵抗値を47Ω以上に設定することにより、オペアンプ82の非反転入力端子が電源VBとショートした場合、過大な電流がオペアンプ82の非反転入力端子に流れ込んだり出力端子から流れ出したりしてオペアンプ82が破壊されるのを防止すると共に、静電気からオペアンプ82の出力端子を保護することができる。
【0016】
また、各抵抗R3,R4は、静電気から各オペアンプ82,83の出力端子を保護するために設けられており、その抵抗値は1kΩ程度に設定されている。
ここで、オペアンプ82の非反転入力端子に印加される電圧VAF+が固定の場合、電圧V2は電圧VAF+と等しくなるため、マイクロコンピュータ85は電圧V2の値を予め内蔵ROMに記憶しておくことにより認知することが可能であり、A/D変換器84において電圧V2をA/D変換する必要はない。しかし、オペアンプ82にオフセット電圧が存在する場合など、電圧V2が電圧VAF+と等しくならない場合にもセンサ電流Ipを正確に検出するため、上記のようにA/D変換器84において電圧V2をA/D変換することが望ましい。
【0017】
ちなみに、検出部101のジルコニア固体電解質102の形状については、図7に示す袋管状のものだけでなく、図9に示すように平板状のものもある。尚、図9に示す検出部101において、図7に示すものと同じ構成部材については符号を等しくしてある。
【0018】
図9に示すように、平板状のジルコニア固体電解質102には、通路111および拡散室112が設けられている。通路111の内壁におけるジルコニア固体電解質102には電極104が形成され、拡散室112の内壁におけるジルコニア固体電解質102には電極105が形成されている。また、拡散室112には外部と連通する1個の孔が設けられており、この孔により拡散抵抗体106が構成されている。そして、大気は通路111を介して電極104へ導入され、排気ガス中の残存酸素や未燃ガスは拡散抵抗体106から拡散室112を介して電極105へ拡散で流入する。また、ジルコニア固体電解質102にはアルミナから成る絶縁層113が固着され、その絶縁層113内には線状のヒータ103が配置されている。そして、ヒータ103は、絶縁層113を介してジルコニア固体電解質102を加熱して酸素イオンの導電性を向上させる。
【0019】
以下、図7に示す検出部101を「コップ型検出部101」と呼び、図9に示す検出部101を「積層型検出部101」と呼ぶことにより両者を区別する。
ところで、特開昭61−180131号公報には、図8に示す駆動回路81と類似の回路が開示されている。同公報の図3に記載の回路において、駆動回路81と異なるのは、各抵抗R2〜R4が省かれて短絡されている点と、オペアンプ83の出力端子とオペアンプ82の非反転入力端子との間に励起電圧VRの設定用の電圧源が接続されている点だけである。尚、各抵抗R2〜R4の作用は上記の通りであり、各抵抗R2〜R4を省いて短絡した場合でも駆動回路81の基本的な動作には影響を与えない。また、駆動回路81では各電圧VAF+,VAF−を各オペアンプ82,83の非反転入力端子に印加しており、各電圧VAF+,VAF−の差電圧VRが励起電圧となるため、同公報に記載の電圧源と同様に機能する。従って、同公報に記載の回路は駆動回路81と基本的には同じ動作を行う。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来の空燃比検出装置において、検出部101におけるジルコニア固体電解質102の温度が変化すると、励起電圧(印加電圧)VRに対するセンサ電流Ipの特性が変動するため、空燃比の検出精度が低下するという問題がある。この問題を解決するには、検出部101における各電極104,105間の交流的な抵抗(検出部101の内部インピーダンス)Zを検出し、当該内部インピーダンスZが一定値になるようにヒータ103をオン・オフ制御することにより、ジルコニア固体電解質102の温度を常に一定に保ち、励起電圧VRに対するセンサ電流Ipの特性変動を防止することが考えられる。
【0021】
ここで、検出部101の内部インピーダンスZを検出するには、駆動回路81において、オペアンプ82の非反転入力端子に印加する大気側印加電圧VAF+を変化させ、それに伴うセンサ電流Ipの変化を検出し、式(2)に示すように、電圧VAF+の変化量ΔVAF+とセンサ電流Ipの変化量ΔIとに基づいて、内部インピーダンスZを算出する方法が考えられる。
Z=ΔVAF+/ΔI ………(式2)
しかし、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipが小さく、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipが大きい場合、各電圧V1,V2を1つのA/D変換器84を用いて検出するとなると、センサ電流Ipを検出する際に高い検出精度が得られないという問題がある。
【0022】
図10に、図9に示す積層型検出部101におけるジルコニア固体電解質102の温度に対する内部インピーダンスZの特性例を示す。
図11に、図9に示す積層型検出部101における空燃比(A/F)に対するセンサ電流Ipの特性例を示す。
【0023】
図10に示すように、積層型検出部101のジルコニア固体電解質102の温度範囲が700〜750℃の場合、内部インピーダンスZは約50Ωになる。
ところで、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipの変化量ΔIは、式(2)を変形した式(3)により表される。
ΔI=ΔVAF+/Z ………(式3)
ここで、電圧VAF+の変化量ΔVAF+を0.2Vにした場合、Z=50Ωとすると、式(3)よりセンサ電流Ipの変化量ΔIは4mAとなる。
【0024】
ところが、図11に示すように、空燃比(A/F)の範囲が13〜18の場合、センサ電流Ipの範囲は約−0.4〜約+0.4mAになる。
つまり、図10,図11に示す特性例では、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipが約±0.4mAと小さいのに対して、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipは4mAと大きく、両センサ電流Ipには10倍以上の差がある。よって、空燃比を検出する際の電圧値(V1−V2)と、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際の電圧値(V1−V2)とにも10倍以上の差があることになり、両電圧値を1つのA/D変換器84を用いて検出するとなると、高い検出精度が得られないことになる。その結果、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipと、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipとの両センサ電流Ipを共に精度良く検出することはできなくなる。
【0025】
ところで、電圧VAF+の変化量ΔVAF+を小さくすれば、式(3)より、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipを小さくすることができる。例えば、電圧VAF+の変化量ΔVAF+を0.02Vにした場合、Z=50Ωとすると、式(3)より、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipの変化量ΔIは0.4mAとなり、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipが約±0.4mAの場合でも、両センサ電流Ipを共に精度良く検出することが可能になる。
【0026】
しかしながら、抵抗R1の両端電圧V1,V2に生じるノイズの影響や、A/D変換器84のA/D変換精度などを考慮すると、電圧VAF+の変化量ΔVAF+はできるだけ大きくすることが望ましく、変化量ΔVAF+を0.2Vより小さくするのは空燃比の検出精度低下を招くおそれがあることから避けたい。
【0027】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ジルコニア固体電解質の温度変化による検出精度の低下を回避した上で、空燃比を高精度に検出可能な空燃比検出装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、ジルコニア固体電解質と、該ジルコニア固体電解質の大気雰囲気側に形成された大気側電極と、該ジルコニア固体電解質の排気雰囲気側に形成された排気側電極と、排気雰囲気から該排気側電極へ拡散で流入するガスを抑制する拡散抵抗体とを備えた検出部と、該検出部の大気側電極および排気側電極に対してそれぞれ電圧を印加する駆動回路部と、前記検出部の大気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流を検出し、その電流値に基づいて、空燃比と、前記検出部の大気側電極と排気側電極との間の内部インピーダンスとを検出する検出回路部とを備えた空燃比検出装置である。そして、前記駆動回路部は、前記検出部の大気側電極に印加される大気側印加電圧を生成する大気側電圧生成手段と、前記検出部の排気側電極に印加される排気側印加電圧を生成する排気側電圧生成手段と、前記検出部の大気側電極と前記大気側電圧生成手段との間に接続された電流検出用抵抗とを備える。また、前記検出回路部は、前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記大気側電圧生成手段側の電圧を増幅する電圧増幅手段と、前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記大気側電圧生成手段側の第1電圧を検出すると共に、前記電圧増幅手段の増幅した第2電圧を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段によって検出された第2電圧から前記電流検出用抵抗に流れる電流値を検出し、その電流値に基づいて空燃比を算出する空燃比算出手段と、前記大気側電圧生成手段と前記排気側電圧生成手段にて生成される各電圧による前記検出部の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧を所定電圧変化させると共に、その電圧の変化によって生じる前記電流検出用抵抗に流れる電流の変化量を前記電圧検出手段によって検出される第1電圧から検出し、その際の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧の変化量と、前記第1電圧から検出した前記電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出手段とを備える。そして、空燃比検出装置は、該内部インピーダンス算出手段の算出した内部インピーダンスが一定になるように前記検出部のジルコニア固体電解質の温度を一定に制御する。
【0029】
従って、請求項1に記載の発明によれば、空燃比を検出する際には電圧増幅手段を用いて増幅した第2電圧により電流検出用抵抗に流れる電流値を検出し、検出部の内部インピーダンスを検出する際には第1電圧により電流検出用抵抗に流れる電流値を検出するようにしている。そのため、空燃比を検出する際における電流検出用抵抗の両端の電圧が、内部インピーダンスを検出する際における電流検出用抵抗の両端の電圧よりも小さい場合でも、第1電圧と第2電圧との差が少なくなるように、電圧増幅手段の増幅率を設定することにより、第1電圧と第2電圧とを1つの電圧検出手段を用いて精度良く検出することが可能になる。従って、空燃比を検出する際に電流検出用抵抗に流れる電流値と、検出部の内部インピーダンスを検出する際に電流検出用抵抗に流れる電流値との差が大きい場合でも、両電流値を共に精度良く検出することが可能になる。その結果、ジルコニア固体電解質の温度変化による検出精度の低下を回避した上で、空燃比を高精度に検出することができる。
【0030】
次に、請求項2に記載の発明は、ジルコニア固体電解質と、該ジルコニア固体電解質の大気雰囲気側に形成された大気側電極と、該ジルコニア固体電解質の排気雰囲気側に形成された排気側電極と、排気雰囲気から該排気側電極へ拡散で流入するガスを抑制する拡散抵抗体とを備えた検出部と、該検出部の大気側電極および排気側電極に対してそれぞれ電圧を印加する駆動回路部と、前記検出部の排気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流を検出し、その電流値に基づいて、空燃比と、前記検出部の大気側電極と排気側電極との間の内部インピーダンスとを検出する検出回路部とを備えた空燃比検出装置である。そして、前記駆動回路部は、前記検出部の大気側電極に印加される大気側印加電圧を生成する大気側電圧生成手段と、前記検出部の排気側電極に印加される排気側印加電圧を生成する排気側電圧生成手段と、前記検出部の排気側電極と前記排気側電圧生成手段との間に接続された電流検出用抵抗とを備える。また、前記検出回路部は、前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記排気側電圧生成手段側の電圧を増幅する電圧増幅手段と、前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記排気側電圧生成手段側の第1電圧を検出すると共に、前記電圧増幅手段の増幅した第2電圧を検出する電圧検出手段と、該電圧検出手段によって検出された第2電圧から前記電流検出用抵抗に流れる電流値を検出し、その電流値に基づいて空燃比を算出する空燃比算出手段と、前記大気側電圧生成手段と前記排気側電圧生成手段にて生成される各電圧による前記検出部の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧を所定電圧変化させると共に、その電圧の変化によって生じる前記電流検出用抵抗に流れる電流の変化量を前記電圧検出手段によって検出される第1電圧から検出し、その際の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧の変化量と、前記第1電圧から検出した前記電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出手段とを備える。そして、空燃比検出装置は、該内部インピーダンス算出手段の算出した内部インピーダンスが一定になるように前記検出部のジルコニア固体電解質の温度を一定に制御する。
【0031】
従って、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同じ作用・効果を得ることができる。
加えて、請求項2に記載の発明によれば、検出部の大気側電極ではなく、排気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流を検出し、その電流値に基づいて空燃比を検出するため、高い領域の空燃比まで高精度に検出することが可能になり、リッチ領域および理論空燃比からリーン領域へ空燃比の検出範囲を拡大することができる。そして、電流検出用抵抗の抵抗値を小さくしなくても高い領域の空燃比を検出することが可能になるため、電圧検出手段をA/D変換器にて具体化した場合にそのA/D変換精度が低下するおそれがなくなり、空燃比算出手段にて算出される空燃比の精度を高めることができる。
【0032】
ところで、請求項3に記載の発明のように、請求項1または請求項2に記載の空燃比検出装置において、前記検出部のジルコニア固体電解質を加熱するヒータを備え、前記内部インピーダンスが一定になるように該ヒータの作動を制御するようにしてもよい。
【0033】
このようにすれば、前記内部インピーダンスが一定になるように前記検出部のジルコニア固体電解質の温度を一定に制御することができる。
また、請求項4に記載の発明のように、請求項1に記載の空燃比検出装置において、前記大気側電圧生成手段の生成する大気側印加電圧を変化させ、その電圧の変化量と、その電圧の変化によって生じた前記検出部の大気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを検出するようにしてもよい。
【0034】
また、請求項5に記載の発明のように、請求項2に記載の空燃比検出装置において、前記排気側電圧生成手段の生成する排気側印加電圧を変化させ、その電圧の変化量と、その電圧の変化によって生じた前記検出部の排気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを検出するようにしてもよい。
【0035】
請求項4または請求項5に記載の発明によれば、前記内部インピーダンスを正確に検出することができる。そして、前記内部インピーダンスを検出する際の電圧の変化量を比較的大きな値にすることが可能になるため、電流検出用抵抗の両端電圧に生じるノイズの影響や、電圧検出手段の検出精度などにより、空燃比の検出精度が低下するのを防止することができる。
【0036】
尚、以下に述べる発明の実施の形態において、特許請求の範囲または課題を解決するための手段に記載の「検出回路部」はA/D変換器84およびマイクロコンピュータ85から構成され、同じく「大気側電圧生成手段」はオペアンプ82から構成され、同じく「排気側電圧生成手段」はオペアンプ83から構成され、同じく「電流検出用抵抗」は抵抗R1に相当し、同じく「電圧増幅手段」は反転増幅器17から構成され、同じく「電圧検出手段」はA/D変換器84から構成され、同じく「電流検出手段」はマイクロコンピュータ85におけるS102の処理に相当し、同じく「空燃比算出手段」はマイクロコンピュータ85におけるS103の処理に相当し、同じく「内部インピーダンス算出手段」はマイクロコンピュータ85におけるS201〜S204の処理に相当し、同じく「第1電圧」は電圧V1に相当し、同じく「第2電圧」は電圧V3に相当する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した各実施形態を図面と共に説明する。尚、各実施形態において、図7〜図11に示した従来の形態と同じ構成部材については符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0038】
図2に、各実施形態の空燃比検出装置を用いた自動車用内燃機関の制御装置の全体構成を示す。
制御装置11は、入力バッファ12、出力バッファ13、駆動回路14(21)、A/D変換器84、マイクロコンピュータ85から構成されている。
【0039】
内燃機関の回転数を検出する回転センサからの回転数検出信号NE,自動車の車速を検出する車速センサからの車速検出信号SPD,スタータスイッチが操作されたか否かに対応するスタータスイッチ操作検出信号STAなどのディジタル信号は、入力バッファ12にてノイズ除去および波形整形が施されて0Vまたは5Vの信号に変換され、マイクロコンピュータ85に入力される。
【0040】
また、内燃機関の吸入空気量を検出する空気量センサからの吸入空気量検出信号VG,スロットル開度を検出するスロットル開度センサからのスロットル開度検出信号VTA,内燃機関の冷却水温を検出する冷却水温センサからの水温検出信号THWなどのアナログ信号は、A/D変換器84にてA/D変換され、マイクロコンピュータ85に入力される。
【0041】
駆動回路14(21)は検出部101を駆動し、駆動回路14(21)から出力される各電圧V1〜V3はA/D変換器84にてA/D変換され、マイクロコンピュータ85に入力される。
マイクロコンピュータ85は、入力バッファ12およびA/D変換器84から入力された各種信号に基づいて、インジェクタから内燃機関へ供給される燃料噴射量の制御信号INJ,点火時期の制御信号IGT,アイドル回転制御用バルブの制御信号ISC,検出部101のヒータ103を制御するための制御信号HTなどを生成する。マイクロコンピュータ85の生成したこれらの制御信号は、出力バッファ13を介して制御装置11の外部へ出力される。
【0042】
また、マイクロコンピュータ85は、後述するように、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際に、印加電圧VAF+(またはVAF−)を変化させるための制御信号を生成し、その制御信号を駆動回路14(21)へ出力する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態の駆動回路14の内部構成を示す。
【0043】
本第1実施形態の駆動回路14において、従来の駆動回路81と異なるのは以下の点である。
(1−1)駆動回路14は、オペアンプ82,83および抵抗R1〜R4に加えて、オペアンプ15,16、反転増幅器17、抵抗R5〜R7,R11〜R15,R21,R22、コンデンサC1,C2、トランジスタTr1,Tr2から構成されている。以下、各抵抗R1〜R22の抵抗値をそれぞれ「R1」〜「R22」と表記し、各コンデンサC1,C2の容量値をそれぞれ「C1」「C2」と表記する。
【0044】
(1−2)オペアンプ82の非反転入力端子と電源VCとの間に、PNPトランジスタTr1および抵抗R11が直列に接続されている。
(1−3)オペアンプ82の非反転入力端子とグランドとの間に、直列に接続されたNPNトランジスタTr2および抵抗R12と、コンデンサC1とが並列に接続されている。
【0045】
(1−4)各トランジスタTr1,Tr2のゲートはそれぞれ各抵抗R13,R14を介してマイクロコンピュータ85に接続され、各トランジスタTr1,Tr2のオン・オフはマイクロコンピュータ85によって制御される。
尚、各抵抗R13,R14は、静電気から各トランジスタTr1,Tr2を保護するために設けられている。
【0046】
(1−5)電源VCとグランドとの間に直列接続された各抵抗R5〜R7による抵抗分圧回路により、各電圧VAF+,VAF−が生成されている。各抵抗R5,R6間で生成された電圧VAF+は、オペアンプ15から構成されるボルテージホロワから抵抗R15を介して、オペアンプ82の非反転入力端子に印加されている。各抵抗R6,R7間で生成された電圧VAF−は、オペアンプ83の非反転入力端子に直接印加されている。
【0047】
尚、オペアンプ15から構成されるボルテージホロワは、各トランジスタTr1,Tr2のオン・オフ制御時に各抵抗R5〜R7が影響を及ぼすのを防止するために設けられている。
(1−6)反転増幅器17は、オペアンプ16、抵抗R21,R22,コンデンサC2から構成され、抵抗R1の両端の電圧V1,V2を増幅して電圧V3を生成し、その電圧V3をA/D変換器84へ出力する。すなわち、抵抗R1におけるオペアンプ82側の電圧V1は抵抗R21を介してオペアンプ16の反転入力端子に入力され、抵抗R1における検出部101側の電圧V2はオペアンプ16の非反転入力端子に入力される。オペアンプ16の反転入力端子と出力端子との間には、抵抗R22とコンデンサC2とが並列に接続されている。尚、オペアンプ16は、プラス側電源VBおよびグランドに接続されて電源供給がなされ単電源動作を行うようになっている。
【0048】
ここで、反転増幅器17の直流増幅率(直流ゲイン)Av(DC)は式(4)により表されるため、式(5)が成り立つ。
Av(DC)=−R22/R21 ………(式4)
V2−V3=R22/R21(V1−V2) ………(式5)
また、抵抗R22に対してコンデンサC2が並列に接続されており、各抵抗R21,R22、コンデンサC2、オペアンプ16により積分回路(ローパスフィルタ)が構成されている。このローパスフィルタのロールオフポイントf0は式(6)により表され、0dBポイントfCは式(7)により表される。
fO=1/(2π・C2・R22) ………(式6)
fC=1/(2π・C2・R21) ………(式7)
このように構成されたローパスフィルタは、電圧V3に生じる高周波ノイズ成分を除去するために設けられている。尚、各抵抗R21,R22の抵抗値は、後述する直流増幅率Av(DC)が得られるように設定されている。また、コンデンサC2の容量値は、高周波ノイズの除去が確実に行われるよう実験的に設定されている。
【0049】
次に、本第1実施形態における駆動回路14の作用について説明する。
まず、本第1実施形態において、空燃比を検出するためにマイクロコンピュータ85が実行する処理の詳細を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。イグニッションスイッチがオンされて車載バッテリから電源が供給されることによりマイクロコンピュータ85が起動すると、内蔵ROMに記録されている制御プログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の各ステップの処理を実行する。
【0050】
まず、ステップ(以下、「S」と記載する)101において、抵抗R1における検出部101側の電圧V2と反転増幅器17から出力された電圧V3とのA/D変換をA/D変換器84に実行させ、そのA/D変換値を受け取る。
次に、S102において、式(8)に示すように、駆動回路14から出力される各電圧V2,V3と各抵抗R1,R21,R22の抵抗値とに基づいて、検出部101の各電極104,105間に流れるセンサ電流Ipを算出する。
Ip=(V2−V3)R21/(R22・R1) ………(式8)
次に、S103において、予め内蔵ROMに記録されているデータテーブルを用いたテーブル補間により、センサ電流Ipに対応した空燃比(A/F)を算出する。ここで、センサ電流Ipと空燃比とは完全にリニアな直線関係にはならないため、予め何点かのセンサ電流Ipに対応する空燃比を求めてデータテーブルを作成しておく必要がある。
【0051】
次に、S101へ戻るが、本第1実施形態ではこのS101からS103のルーチンを8msのタイミングで繰り返し行う。
但し、センサ電流Ipを算出する際に、式(8)に示す演算をそのまま行うと、反転増幅器17にて増幅した分が元に戻ってしまうため、マイクロコンピュータ85にて何倍かした後で式(8)に示す演算を行うか、または、(V2−V3)をそのまま使用してテーブル補間を行う必要がある。
【0052】
そして、マイクロコンピュータ85は、算出した空燃比に応じて燃料噴射量をフィードバック制御して燃料噴射量制御信号INJを生成することにより、内燃機関に供給される混合気の空燃比を目標値に制御する。
次に、本第1実施形態において、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際にマイクロコンピュータ85が実行する処理の詳細を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
【0053】
図5に、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際における、各トランジスタTr1,Tr2のオン・オフ状態および各電圧VAF+(=V2),V1の時間変位を示す。尚、オペアンプ82にオフセット電圧が存在しないとしているため、電圧VAF+は電圧V2と等しくなる。
【0054】
図4に示すように、まず、S201において、抵抗R1の両端の電圧V1,V2のA/D変換をA/D変換器84に実行させ、そのA/D変換値を受け取る。このとき、各トランジスタTr1,Tr2は共にオフさせておく。図5に示すように、ここで検出した電圧V1の電圧値を電圧V10と表記し、電圧V2の電圧値を電圧V20と表記する。また、このときに流れるセンサ電流Ip(以下、「I0」と表記する)は、式(9)により表される。
Ip=I0=(V10−V20)/R1 ………(式9)
次に、S202において、トランジスタTr2をオンさせると共に、マイクロコンピュータ85の内蔵カウンタのカウンタ値をクリアする。
【0055】
次に、S203において、S202にて内蔵カウンタのカウンタ値をクリアしてから135μs経過したか否かを判定し、135μs経過した時点でS204へ移行する。
S204において、抵抗R1の両端の電圧V1,V2のA/D変換をA/D変換器84に実行させ、そのA/D変換値を受け取る。
【0056】
このとき、トランジスタTr1はオフ、トランジスタTr2はオンされている。そのため、電圧VAF+は、オペアンプ15から構成されるボルテージホロワの出力電圧(各抵抗R5,R6間で生成された電圧)である前記電圧V20が各抵抗R15,R12により分圧された電圧値となり、その電圧値は、図5に示すように、前記電圧V20より低い電圧V21になる。また、電圧VAF+の低下に伴い、電圧V1の電圧値も低下して前記電圧V10より低い電圧V11になる。従って、リッチ領域の場合と同様に、電極105から電極104へセンサ電流Ipが流れる。このときに流れるセンサ電流Ip(以下、「I1」と表記する)は、式(10)により表される。
Ip=I1=(V11−V21)/R1 ………(式10)
式(9)(10)より、電圧VAF+の変化に伴うセンサ電流Ipの変化量ΔIは式(11)により表される。また、電圧VAF+の変化量ΔVは式(12)により表される。
ΔI=I1−I0 ………(式11)
ΔV=V21−V20 ………(式12)
式(11)(12)より、検出部101の内部インピーダンスZは式(13)により表される。
Z=ΔV/ΔI ………(式13)
従って、内部インピーダンスZが一定値になるように、検出部101のヒータ103をオン・オフ制御するための制御信号HTを生成する。
【0057】
次に、S205において、S202にて内蔵カウンタのカウンタ値をクリアしてから200μs経過したか否かを判定し、200μs経過した時点でS206へ移行する。
次に、S206において、トランジスタTr1をオン、トランジスタTr2をオフさせると共に、内蔵カウンタのカウンタ値をクリアする。このとき、電圧VAF+は、電源電圧VCからオペアンプ15から構成されるボルテージホロワの出力電圧(各抵抗R5,R6間で生成された電圧)を差し引いた電圧値が各抵抗R11,R15により分圧された電圧値分だけ当該ボルテージホロワの出力電圧である前記電圧V20から上昇した電圧値となり、その電圧値は、図5に示すように、前記電圧V20より高い電圧V22になる。また、電圧VAF+の上昇に伴い、電圧V1の電圧値も上昇して前記電圧V10より高い電圧V12になる。
【0058】
次に、S207において、S206にて内蔵カウンタのカウンタ値をクリアしてから200μs経過したか否かを判定し、200μs経過した時点でS208へ移行する。
次に、S208において、トランジスタTr1をオフさせる。
【0059】
このとき、S206にて各電圧VAF+,V1はそれぞれ各電圧V22,V12と高い電圧値にされているため、センサ電流Ipは速やかに元の電流値I0に復帰する。すなわち、S204にて各電圧VAF+,V1はそれぞれ各電圧V21,V11と低い電圧値にされているため、S206にて各トランジスタTr1,Tr2を共にオフさせたとしても、センサ電流Ipは元の電流値I0にすぐには復帰しない。そこで、S204にて一旦低下させた各電圧VAF+,V1をS206にて上昇させて逆方向に振ることにより、センサ電流Ipを速やかに元の電流値I0に復帰させることができる。
【0060】
次に、S201へ戻るが、本第1実施形態ではこのS201からS208のルーチンを128msのタイミングで繰り返し行う。
尚、S201からのルーチンを開始するタイミングは、図3に示すS101からのルーチンを開始するタイミングの中間のタイミングに設定する。すなわち、図3に示すS101からのルーチンは8msのタイミングで繰り返されるため、S201からのルーチンを開始するタイミングは、S101からのルーチンを開始してから4ms後に設定する。これは、S201からのルーチンにより各電圧VAF+,V1が変化してから安定化するまでにある程度の時間を要するためであり、各電圧VAF+,V1が安定化した後にS101からのルーチンを行うことでセンサ電流Ipを正確に検出することができる。
【0061】
ところで、コンデンサC1は、図5に示すように、各電圧VAF+,V1の波形の立ち下がりを鈍らせるために設けられている。すなわち、コンデンサC1を省いた場合には、各電圧VAF+,V1の波形にオーバーシュートやリンギングが生じ、そのオーバーシュートやリンギングにより各電圧V21,V11の電圧値が変動するおそれがある。そこで、コンデンサC1を設けることにより、各抵抗R11,R12,R15およびコンデンサC1により規定される時定数によって各電圧VAF+,V1の波形の立ち下がりを鈍らせ、オーバーシュートやリンギングの発生を防止して、各電圧V21,V11を安定化することができる。
【0062】
ところで、本第1実施形態において、内部インピーダンスZを検出する際におけるセンサ電流Ipの検出範囲は、以下のように求められる。
ここで、VC=5V、VAF+(=V20)=3.3V、VAF−=3.0V、V21=3.1V、V22=3.5Vとし、オペアンプ83の出力可能な最低電圧VCE=1.6Vとする。
【0063】
A/D変換器84はプラス側電源VCおよびグランドに接続されて電源供給がなされているため、電源電圧VCが5Vの場合、A/D変換値の最大値は5Vになる。そのため、電圧V1の最大値は、A/D変換値の最大値と同じ5Vになる。また、電圧V1の最小値は、電圧VCEと同じ1.6Vとなる。
【0064】
その結果、電圧値(V1−V2)の最大値V(max)は、式(14)に示すようになる。また、電圧値(V1−V2)の最小値V(min)は、式(15)に示すようになる。
V(max)=VC−V22=5V−3.5V=1.5V ………(式14)
V(min)=VCE−V21=1.6V−3.1V=−1.5V………(式15)
ここで、R1=200Ωとすると、センサ電流Ipの最大値Ip(max)は式(16)に示すようになり、センサ電流Ipの最小値Ip(min)は式(17)に示すようになる。
Ip(max)=V(max)/R1=1.5V/200Ω=7.5mA………(式16)
Ip(min)=V(min)/R1=−1.5V/200Ω=−7.5mA………(式17)
ここで、V21=3.1V、V22=3.5Vであるため、電圧VAF+の変化量ΔVは式(18)に示すようになる。また、電圧VAF+の変化に伴うセンサ電流Ipの変化量ΔI(すなわち、内部インピーダンスZを検出する際におけるセンサ電流Ipの検出範囲)は式(19)に示すようになる。
ΔV=V22−V21=0.4V ………(式18)
ΔI=Ip(max)−Ip(min)=15mA ………(式19)
そのため、式(18)(19)で得られた値を式(13)に代入することにより、検出部101の内部インピーダンスZは27Ωとなる。従って、図10に示すように、積層型検出部101のジルコニア固体電解質102の温度が850℃になるまで、内部インピーダンスZを検出可能なことがわかる。
【0065】
このように、本第1実施形態の駆動回路14によれば、検出部101の内部インピーダンスZを検出し、当該内部インピーダンスZが一定値になるようにヒータ103をオン・オフ制御することにより、ジルコニア固体電解質102の温度を常に一定に保ち、励起電圧(印加電圧)VRに対するセンサ電流Ipの特性変動を防止することが可能になる。
【0066】
ところで、本第1実施形態において、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipは、以下のように求められる。
図11に示すように、空燃比(A/F)の範囲が13〜18の場合のセンサ電流Ipの範囲は約−0.4〜約+0.4mAになる。このとき、抵抗R1の両端間電圧(V1−V2)の範囲は約−0.08V〜約+0.08Vにしかならない。そのため、図8に示す従来の形態の駆動回路81のように、式(1)に示すように各電圧V1,V2と抵抗R1の抵抗値とに基づいてセンサ電流Ipを検出する場合、A/D変換器84が10bitのA/D変換を行い、電源電圧VCを5Vとすると、32LSB(=0.16V×210/5V)にしかならない。
【0067】
それに対して、式(19)に示すように、内部インピーダンスZを検出する際におけるセンサ電流Ipの検出範囲は15mAと大きい。そのため、従来の形態の駆動回路81では、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipが小さく、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipが大きいため、両センサ電流Ipを1つのA/D変換器84を用いて検出するとなると、高い検出精度が得られなかった
そこで、本第1実施形態では、反転増幅器17を用いて各電圧V1,V2を増幅することにより、式(4)(5)より、大きな電圧V3を得るようにしている。ここで、R21=2kΩ、R22=20kΩとすると、式(4)より、直流増幅率Av(DC)は10となる。そして、センサ電流Ipの範囲が約−0.4〜約+0.4mAのとき、電圧(V2−V3)の範囲は、抵抗R1の両端間電圧(V1−V2)の範囲に直流増幅率Av(DC)(=10)を乗算した値の範囲(=−0.8V〜+0.8V)になる。そのため、本第1実施形態において、A/D変換器84が10bitのA/D変換を行い、電源電圧VCを5Vとすると、327LSB(=1.6V×210/5V)になる。
【0068】
このように、本第1実施形態の駆動回路14によれば、空燃比を検出する際には反転増幅器17を用いて増幅した電圧V3と電圧V2とによりセンサ電流Ipを検出し、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際には従来と同じく各電圧V1,V2によりセンサ電流Ipを検出するようにしている。そのため、空燃比を検出する際における抵抗R1の両端電圧V1,V2が、内部インピーダンスZを検出する際における抵抗R1の両端電圧V1,V2よりも小さい場合でも、電圧値(V2−V3)と電圧値(V1−V2)の差が少なくなるように、反転増幅器17の直流増幅率Av(DC)を設定することにより、当該両電圧を1つのA/D変換器84を用いて精度良く検出することが可能になる。従って、空燃比を検出する際のセンサ電流Ipと、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際のセンサ電流Ipとの差が大きい場合でも、両センサ電流Ipを共に精度良く検出することが可能になる。その結果、ジルコニア固体電解質102の温度変化による検出精度の低下を回避した上で、空燃比を高精度に検出することができる。
【0069】
そして、本第1実施形態においては、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際に、電圧VAF+の変化量ΔVAF+を0.2Vと比較的大きな値にすることから、抵抗R1の両端電圧V1,V2に生じるノイズの影響や、A/D変換器84のA/D変換精度などにより、空燃比の検出精度が低下するのを防止することができる。
【0070】
ところで、オペアンプ82の非反転入力端子に印加される電圧VAF+が固定の場合、電圧V2は電圧VAF+と等しくなるため、マイクロコンピュータ85は電圧V2の値を予め内蔵ROMに記憶しておくことにより認知することが可能であり、A/D変換器84において電圧V2をA/D変換する必要はない。しかし、オペアンプ83にオフセット電圧が存在する場合など、電圧V2が電圧VAF+と等しくならない場合にもセンサ電流Ipを正確に検出するため、上記のようにA/D変換器84において電圧V2をA/D変換することが望ましい。但し、電圧V2が電圧VAF+と等しい条件が満足されるならば、A/D変換器84における電圧V2のA/D変換を省くことも可能である。
【0071】
尚、本第1実施形態においては、トランジスタTr1をオフ、トランジスタTr2をオンさせて各電圧VAF+,V1を低下させ、リッチ領域の場合と同様に電極105から電極104へセンサ電流Ipを流すことにより、前記変化量ΔI,ΔVを求めている。しかし、本第1実施形態とは逆に、トランジスタTr1をオン、トランジスタTr2をオフさせて各電圧VAF+,V1を上昇させ、リーン領域の場合と同様に電極104から電極105へセンサ電流Ipを流すことにより、前記変化量ΔI,ΔVを求めるようにしてもよい。
【0072】
但し、センサ電流Ipの検出範囲には制限があるため、リーン領域に対応する空燃比を検出する際に、リーン領域の場合と同様に電極104から電極105へセンサ電流Ipを流すと、センサ電流Ipが検出範囲を越えるおそれがある。また、リッチ領域に対応する空燃比を検出する際に、リッチ領域の場合と同様に電極105から電極104へセンサ電流Ipを流すと、センサ電流Ipが検出範囲を越えるおそれがある。
【0073】
従って、リーン領域に対応する空燃比を検出する際には、本第1実施形態のように、リッチ領域の場合と同じ方向にセンサ電流Ipを流すことにより、前記変化量ΔI,ΔVを求めるのが望ましい。また、リッチ領域に対応する空燃比を検出する際には、リーン領域の場合と同じ方向にセンサ電流Ipを流すことにより、前記変化量ΔI,ΔVを求めるのが望ましい。
【0074】
ちなみに、検出部101の内部インピーダンスZを検出し、当該内部インピーダンスZが一定値になるようにヒータ103を制御する技術については、特開昭59−214756号公報に開示されている。しかし、同公報に記載の技術は、酸素センサ(本第1実施形態の検出部101に相当する)の出力側に所定周波数のバイアス電圧を抵抗を介して印加し、酸素センサの合成出力電圧の振幅レベルを検出し、当該振幅レベルに基づいてヒータの作動を制御するというものであり、本第1実施形態とは全く異なるものである。
【0075】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図面と共に説明する。尚、本第2実施形態において、第1実施形態と同じ構成部材については符号を等しくしてその詳細な説明を省略する。
【0076】
図6に、第2実施形態の駆動回路21の内部構成を示す。
本第2実施形態の駆動回路21において、第1実施形態の駆動回路14と異なるのは以下の点である。
(2−1)オペアンプ82の出力端子は、抵抗R2を介して検出部101の電極104(大気雰囲気側)に接続されると共に、各抵抗R2,R3を介してオペアンプ82の反転入力端子に接続されている。
【0077】
(2−2)オペアンプ83の出力端子は抵抗R1を介して検出部101の電極105(排気ガス雰囲気側)に接続されると共に、各抵抗R1,R4を介してオペアンプ83の反転入力端子に接続されている。
(2−3)A/D変換器84は、抵抗R1におけるオペアンプ83側の電圧V1および検出部101側の電圧V2と、反転増幅器17の出力した電圧V3とをそれぞれA/D変換し、そのA/D変換値をマイクロコンピュータ85に出力する。
【0078】
(2−4)オペアンプ83の非反転入力端子と電源VCとの間に、PNPトランジスタTr1および抵抗R11が直列に接続されている。
(2−5)オペアンプ83の非反転入力端子とグランドとの間に、直列に接続されたNPNトランジスタTr2および抵抗R12と、コンデンサC1とが並列に接続されている。
【0079】
(2−6)各抵抗R5,R6間で生成された電圧VAF+は、オペアンプ82の非反転入力端子に直接印加されている。各抵抗R6,R7間で生成された電圧VAF−は、オペアンプ15から構成されるボルテージホロワから抵抗R15を介して、オペアンプ83の非反転入力端子に印加されている。
【0080】
(2−7)抵抗R1におけるオペアンプ83側の電圧V1は抵抗R21を介してオペアンプ16の反転入力端子に入力され、抵抗R1における検出部101側の電圧V2はオペアンプ16の非反転入力端子に入力される。
次に、本第2実施形態の駆動回路21の作用について説明する。
【0081】
前記したように、リーン領域においては、電極104から電極105へセンサ電流Ipが流れる。このとき、オペアンプ83の出力可能な最低電圧をVCEとすると、電圧V1は式(20)により表される。
V1≧VCE ………(式20)
オペアンプ83にオフセット電圧が存在しないとすると電圧V2は電圧VAF−と等しくなり、電圧V2は式(21)により表される。
V2=VAF−=V1+Ip・R1 ………(式21)
検出部101の各電極104,105間に印加される電圧VRは各電圧VAF+,VAF−の差電圧であるため、電圧VAF+は式(22)により表される。
VAF+=VAF−+VR ………(式22)
オペアンプ82の出力電圧VOPは式(23)により表される。
VOP=VAF++Ip・R2 ………(式23)
ここで、Ip=23mA、VCE=1.5V、VR=0.9V、R1=100Ω、R2=47Ωとして式(20)〜(23)に代入すると、各電圧V2,V1,VAF+,VOPの値は式(24)〜(27)に示すようになる。
V1≧1.5V ………(式24)
V2=VAF−≧3.8V ………(式25)
VAF+≧4.7V ………(式26)
VOP≧5.781V ………(式27)
また、センサ電流Ipの検出可能な最大値Ip(max)は、式(20)〜(23)から求められる式(28)により表される。
Ip(max)=(VC−VR−VCE)/R1=26mA ………(式28)
従って、式(25)(26)を満足するように各電圧VAF+,VAF−を設定することにより、各電圧V1,V2を共に5V以下にすることができる。A/D変換器84はプラス側電源VCおよびグランドに接続されて電源供給がなされているため、電源電圧VCを5Vとすると、A/D変換値の最大値は5Vとなる。よって、式(24)(25)より、各電圧V1,V2はA/D変換器84にてA/D変換可能になる。
【0082】
尚、式(27)より、オペアンプ82の出力電圧VOPは5Vを越えるが、各オペアンプ82,83の電源VBを車載バッテリから供給するようにすれば、車載バッテリの電圧は14Vであることから、オペアンプ82の出力電圧VOPの最大値は14Vになり何ら問題とはならない。
【0083】
本第2実施形態において、空燃比を検出する際にマイクロコンピュータ85が実行する処理は図3に示す第1実施形態の処理と同じである。
また、本第2実施形態において、検出部101の内部インピーダンスZを検出する際にマイクロコンピュータ85が実行する処理にて、図4に示す第1実施形態の処理と異なるのは、第1実施形態の処理中の電圧VAF+を、第2実施形態の処理では電圧VAF−に置き換える点だけであり、その他は同じである。
【0084】
このように、本第2実施形態の駆動回路21においては、第1実施形態の駆動回路14の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
すなわち、本第2実施形態の駆動回路21によれば、高い領域の空燃比を検出することが可能になるため、内燃機関の制御装置11は高い領域の空燃比におけるリーンバーン制御を行うことができる。そして、抵抗R1の抵抗値を小さくする必要がないため、高い領域の空燃比を検出する際にも、A/D変換器84の変換精度が低下するおそれはなく、マイクロコンピュータ85の算出する空燃比の精度を高めることができる。従って、検出精度を低下させることなく、リッチ領域および理論空燃比からリーン領域へ空燃比の検出領域を拡大することができる。
【0085】
ところで、オペアンプ83の非反転入力端子に印加される電圧VAF−が固定の場合、電圧V2は電圧VAF−と等しくなるため、マイクロコンピュータ85は電圧V2の値を予め内蔵ROMに記憶しておくことにより認知することが可能であり、A/D変換器84において電圧V2をA/D変換する必要はない。しかし、オペアンプ83にオフセット電圧が存在する場合など、電圧V2が電圧VAF−と等しくならない場合にもセンサ電流Ipを正確に検出するため、上記のようにA/D変換器84において電圧V2をA/D変換することが望ましい。但し、電圧V2が電圧VAF−と等しい条件が満足されるならば、A/D変換器84における電圧V2のA/D変換を省くことも可能である。
【0086】
尚、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜変更を加えてもよく、例えば、センサ電流Ipに対して各オペアンプ82,83の出力電流の供給能力が不足する場合には、各オペアンプ82,83の出力端子に、プッシュプル構成のトランジスタによる電流増幅回路を接続し、その電流増幅回路にて各オペアンプ82,83の出力電流を必要なレベルまで増幅すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態の駆動回路を示す回路図。
【図2】本発明を具体化した第1,第2実施形態の空燃比検出装置を用いた自動車用内燃機関の制御装置を示すブロック図。
【図3】第1,第2実施形態におけるマイクロコンピュータの処理内容を説明するためのフローチャート。
【図4】第1,第2実施形態におけるマイクロコンピュータの処理内容を説明するためのフローチャート。
【図5】第1実施形態の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図6】第2実施形態の駆動回路を示す回路図。
【図7】検出部の概略構造を示す一部断面図。
【図8】従来の駆動回路を示す回路図。
【図9】検出部の概略構造を示す一部断面図。
【図10】図9に示す検出部の特性図。
【図11】図9に示す検出部の特性図。
【符号の説明】
14,21…駆動回路 15,16,82,83…オペアンプ
17…反転増幅器 84…A/D変換器 85…マイクロコンピュータ
101…検出部 102…ジルコニア固体電解質 103…ヒータ
104…大気側電極 105…排気側電極 106…拡散抵抗体
R1〜R22…抵抗 Tr1,Tr2…トランジスタ

Claims (5)

  1. ジルコニア固体電解質と、該ジルコニア固体電解質の大気雰囲気側に形成された大気側電極と、該ジルコニア固体電解質の排気雰囲気側に形成された排気側電極と、排気雰囲気から該排気側電極へ拡散で流入するガスを抑制する拡散抵抗体とを備えた検出部と、
    該検出部の大気側電極および排気側電極に対してそれぞれ電圧を印加する駆動回路部と、
    前記検出部の大気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流を検出し、その電流値に基づいて、空燃比と、前記検出部の大気側電極と排気側電極との間の内部インピーダンスとを検出する検出回路部と
    を備えた空燃比検出装置であって、
    前記駆動回路部は、
    前記検出部の大気側電極に印加される大気側印加電圧を生成する大気側電圧生成手段と、
    前記検出部の排気側電極に印加される排気側印加電圧を生成する排気側電圧生成手段と、
    前記検出部の大気側電極と前記大気側電圧生成手段との間に接続された電流検出用抵抗とを備え、
    前記検出回路部は、
    前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記大気側電圧生成手段側の電圧を増幅する電圧増幅手段と、
    前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記大気側電圧生成手段側の第1電圧を検出すると共に、前記電圧増幅手段の増幅した第2電圧を検出する電圧検出手段と、
    該電圧検出手段によって検出された第2電圧から前記電流検出用抵抗に流れる電流値を検出し、その電流値に基づいて空燃比を算出する空燃比算出手段と、
    前記大気側電圧生成手段と前記排気側電圧生成手段にて生成される各電圧による前記検出部の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧を所定電圧変化させると共に、その電圧の変化によって生じる前記電流検出用抵抗に流れる電流の変化量を前記電圧検出手段によって検出される第1電圧から検出し、その際の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧の変化量と、前記第1電圧から検出した前記電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出手段とを備え、
    該内部インピーダンス算出手段の算出した内部インピーダンスが一定になるように前記検出部のジルコニア固体電解質の温度を一定に制御することを特徴とする空燃比検出装置。
  2. ジルコニア固体電解質と、該ジルコニア固体電解質の大気雰囲気側に形成された大気側電極と、該ジルコニア固体電解質の排気雰囲気側に形成された排気側電極と、排気雰囲気から該排気側電極へ拡散で流入するガスを抑制する拡散抵抗体とを備えた検出部と、
    該検出部の大気側電極および排気側電極に対してそれぞれ電圧を印加する駆動回路部と、
    前記検出部の排気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流を検出し、その電流値に基づいて、空燃比と、前記検出部の大気側電極と排気側電極との間の内部インピーダンスとを検出する検出回路部と
    を備えた空燃比検出装置であって、
    前記駆動回路部は、
    前記検出部の大気側電極に印加される大気側印加電圧を生成する大気側電圧生成手段と、
    前記検出部の排気側電極に印加される排気側印加電圧を生成する排気側電圧生成手段と、
    前記検出部の排気側電極と前記排気側電圧生成手段との間に接続された電流検出用抵抗とを備え、
    前記検出回路部は、
    前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記排気側電圧生成手段側の電圧を増幅する電圧増幅手段と、
    前記駆動回路部の電流検出用抵抗の両端の電圧のうち少なくとも前記排気側電圧生成手段側の第1電圧を検出すると共に、前記電圧増幅手段の増幅した第2電圧を検出する電圧検出手段と、
    該電圧検出手段によって検出された第2電圧から前記電流検出用抵抗に流れる電流値を検出し、その電流値に基づいて空燃比を算出する空燃比算出手段と、
    前記大気側電圧生成手段と前記排気側電圧生成手段にて生成される各電圧による前記検出部の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧を所定電圧変化させると共に、その電圧の変化によって生じる前記電流検出用抵抗に流れる電流の変化量を前記電圧検出手段によって検出される第1電圧から検出し、その際の前記大気側電極と前記排気側電極との間の電圧の変化量と、前記第1電圧から検出した前記電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを算出する内部インピーダンス算出手段とを備え、
    該内部インピーダンス算出手段の算出した内部インピーダンスが一定になるように前記検出部のジルコニア固体電解質の温度を一定に制御することを特徴とする空燃比検出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の空燃比検出装置において、
    前記検出部のジルコニア固体電解質を加熱するヒータを備え、前記内部インピーダンスが一定になるように該ヒータの作動を制御することを特徴とする空燃比検出装置。
  4. 請求項1に記載の空燃比検出装置において、
    前記大気側電圧生成手段の生成する大気側印加電圧を変化させ、その電圧の変化量と、その電圧の変化によって生じた前記検出部の大気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを検出することを特徴とする空燃比検出装置。
  5. 請求項2に記載の空燃比検出装置において、
    前記排気側電圧生成手段の生成する排気側印加電圧を変化させ、その電圧の変化量と、その電圧の変化によって生じた前記検出部の排気側電極から流れ出すか又は流れ込む電流の変化量とに基づいて前記内部インピーダンスを検出することを特徴とする空燃比検出装置。
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