JP2002243636A - 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ - Google Patents

全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ

Info

Publication number
JP2002243636A
JP2002243636A JP2001035491A JP2001035491A JP2002243636A JP 2002243636 A JP2002243636 A JP 2002243636A JP 2001035491 A JP2001035491 A JP 2001035491A JP 2001035491 A JP2001035491 A JP 2001035491A JP 2002243636 A JP2002243636 A JP 2002243636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric block
chip
total reflection
thin film
light beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001035491A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuaki Muraishi
勝明 村石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001035491A priority Critical patent/JP2002243636A/ja
Publication of JP2002243636A publication Critical patent/JP2002243636A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全反射減衰を利用したセンサーにおいて、測
定チップを所定位置において位置ズレを生じることなく
安定に保持する。 【解決手段】 測定チップ10を、金属膜12が形成される
面11a、光ビームの入射端面11bおよび出射端面11cを
備えた誘電体ブロック11と、金属膜12上に試料を保持す
る試料保持部13とを一体として構成し、ターンテーブル
20に測定チップ保持孔21と該保持孔21の隣接する2辺に
板バネ23を備え、測定チップ10を保持孔21に挿入し、そ
の測定チップ10を板バネ23により保持孔21の角Cに対し
て付勢して保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モンセンサー等の、全反射減衰を利用したセンサーおよ
び該センサーに用いられる測定チップに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモンセンサーが種々提案されている。
そして、それらの中で特に良く知られているものとし
て、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げ
られる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロ
ックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に
接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源
と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体
ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られ、かつ
表面プラズモン共鳴による全反射減衰が生じ得るように
種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射し
た光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状
態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを
備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを入射角を変えて上記界面に
入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で
入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを
上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射させ
てもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射角の
変化にしたがって反射角が変化する光ビームを、上記反
射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によって
検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセ
ンサによって検出することができる。一方後者の場合
は、種々の反射角で反射した各光ビーム成分を全て受光
できる方向に延びるエリアセンサによって検出すること
ができる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中
に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネ
ッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズ
モンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが
表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立してい
るとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面
プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強
度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検
出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPから表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求め
ることができる。
【0010】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第
1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27
頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。こ
の漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に
形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一
面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形
成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビーム
を発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロッ
クに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で
全反射条件が得られ、かつ光導波層での導波モードの励
起による全反射減衰が生じ得るように種々の角度で入射
させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度
を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状
態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0011】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0012】上記の系を用いる従来の表面プラズモンセ
ンサーや漏洩モードセンサーにおいて、実用上は、試料
に接触させる薄膜層を測定毎に交換する必要がある。そ
こで従来は、この薄膜層を平坦な板状の誘電体ブロック
に固定し、それとは別に前記全反射を生じさせるための
光カップラーとしてのプリズム状誘電体ブロックを設
け、この後者の誘電体ブロックの一面に前者の誘電体ブ
ロックを一体化するという手法が採用されていた。その
ようにすれば、後者の誘電体ブロックは光学系に対して
固定としておき、前者の薄膜層が固定された平板状誘電
体ブロックを測定チップとして、この測定チップのみを
試料毎に交換することが可能となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この交換可能
とされた従来の測定チップを用いる場合は、平板状誘電
体ブロックとプリズム状誘電体ブロックとの間に空隙が
生じて屈折率が不連続となることを防止するため、それ
ら両誘電体ブロックを屈折率マッチング液を介して一体
化する必要が生じる。そのようにして両誘電体ブロック
を一体化する作業は非常に煩雑であり、そのため、この
従来の測定チップは、測定に際しての取扱い性が良くな
い。特に、測定チップをターレット等の上に自動装填
し、このターレットを回転させることにより、測定チッ
プを光ビームを受ける測定位置に自動供給して測定を自
動化するような場合は、測定チップの装填、取外しに手
間取り、それが自動測定の能率向上を妨げる原因となり
やすい。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、屈折率マッチング液を使用する必要がなく、測
定用光学系に対して簡単に交換することができる全反射
減衰を利用したセンサーおよび測定チップを提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の全反射減衰を利
用したセンサーは、光ビームを発生させる光源と、該光
ビームに対して透明な誘電体ブロック、この誘電体ブロ
ックの一面に形成された薄膜層および該薄膜層上に試料
を保持する試料保持機構を備えた測定チップと、前記測
定チップを所定位置に保持する保持機構と、前記光ビー
ムを前記誘電体ブロックを通して、該誘電体ブロックと
前記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種々
の角度で入射させる光学系と、前記界面で全反射した光
ビームの強度を測定して、全反射減衰の状態を検知する
光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサ
ーであって、前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入
射端面、出射端面および前記薄膜層が形成される一面の
全てを含む1つのブロックとして形成されたものであ
り、前記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜
層および前記試料保持機構が一体的に形成されたもので
あり、前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合す
る係合部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手
段を備えたものであることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明による別の全反射減衰を利用
したセンサーは、特に前述の表面プラズモンセンサーと
して構成されたものであり、光ビームを発生させる光源
と、該光ビームに対して透明な誘電体ブロック、この誘
電体ブロックの一面に形成された金属膜からなる薄膜層
および該薄膜層上に試料を保持する試料保持機構を備え
た測定チップと、前記測定チップを所定位置に保持する
保持機構と、前記光ビームを前記誘電体ブロックを通し
て、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条
件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面
プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検
出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーで
あって、前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端
面、出射端面および前記薄膜層が形成される一面の全て
を含む1つのブロックとして形成されたものであり、前
記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜層およ
び前記試料保持機構が一体的に形成されたものであり、
前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合する係合
部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手段を備
えたものであることを特徴とするものである。
【0017】また、本発明によるさらに別の全反射減衰
を利用したセンサーは、特に前述の漏洩モードセンサー
として構成されたものであり、光ビームを発生させる光
源と、該光ビームに対して透明な誘電体ブロック、この
誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層とその上
に形成された光導波層とからなる薄膜層、および該薄膜
層上に試料を保持する試料保持機構を備えた測定チップ
と、前記測定チップを所定位置に保持する保持機構と、
前記光ビームを前記誘電体ブロックを通して、該誘電体
ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
ように種々の角度で入射させる光学系と、前記界面で全
反射した光ビームの強度を測定して、前記光導波層にお
ける導波モードの励起に伴う全反射減衰の状態を検知す
る光検出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセン
サーであって、前記誘電体ブロックが、前記光ビームの
入射端面、出射端面および前記薄膜層が形成される一面
の全てを含む1つのブロックとして形成されたものであ
り、前記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜
層および前記試料保持機構が一体的に形成されたもので
あり、前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合す
る係合部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手
段を備えたものであることを特徴とするものである。
【0018】本発明の全反射減衰を利用したセンサーに
用いられる測定チップは、誘電体ブロック、該誘電体ブ
ロックの一面に形成された薄膜層および該薄膜層上に試
料を保持する試料保持機構が一体的に形成されてなり、
該測定チップを保持する保持機構が有する係合部に係合
するように形成された被係合部を備えたことを特徴とす
るものである。
【0019】なお、本発明の測定チップは、上述の薄膜
層として、金属膜からなるものを備え、表面プラズモン
共鳴に伴う全反射減衰を利用したセンサーに用いられる
ものであってもよいし、薄膜層として、クラッド層とそ
の上に形成される光導波層とからなるものを備え、該光
導波層における導波モードの励起に伴う全反射減衰を利
用したセンサーに用いられるものであってもよい。
【0020】なお、上記測定チップの誘電体ブロックお
よび試料保持部を一体成形するために好適な材料として
は、例えばガラスや透明樹脂を挙げることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明による全反射減衰を利用したセン
サーは、誘電体ブロックが、光ビームの入射面、出射面
および金属膜が形成される一面の全てを含む1つのブロ
ック(これは、上述の通り光ビームの入射面および出射
面を備えているので、光カップラーとしても機能するも
のである)として形成されたものであり、測定チップと
して、この誘電体ブロック、その一面に形成された薄膜
層、およびこの薄膜層上に試料を保持する試料保持機構
とが一体的に形成されたものを用いているので、この測
定チップを光学系に対して装脱するだけで簡単に交換可
能となる。
【0022】つまり、従来技術におけるように、光学系
に対して固定した光カップラー単体としての誘電体ブロ
ックに別の誘電体ブロックを一体化する構成ではないの
で、両誘電体ブロックを屈折率マッチング液を介して一
体化する必要がなく、この屈折率マッチング液を用いる
ことによる取扱い性の悪さを解消することができる。
【0023】また、保持機構が、測定チップの一部に係
合する係合部と、該測定チップを該係合部に付勢する付
勢手段を備えたものであるため、測定チップは保持機構
の係合部により位置決めされ、付勢手段により固定され
る。従って、測定チップの位置が変動することなく安定
な測定を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態による、全反射減衰を利用したセンサーの全体図
を示すものである。この第1の実施形態のセンサーは前
述の表面プラズモンセンサーとして構成されたものであ
る。なお、図2はこの装置の要部の側面形状を示し、図
3は測定チップ10および保持台の一部の(A)上面図お
よび(B)X−X線断面図を示している。
【0025】図1に示すように、この表面プラズモンセ
ンサーは、複数の測定チップ10を保持する保持台である
ターンテーブル20と、測定用の光ビーム(レーザビー
ム)30を発生させる半導体レーザ等のレーザ光源31と、
入射光学系を構成する集光レンズ32と、光検出器40と、
上記ターンテーブル20を間欠的に回動させる駆動手段50
と、この駆動手段50の駆動を制御するとともに、上記光
検出器40の出力信号Sを受けて後述の処理を行なうコン
トローラ60と、試料自動供給機構70とを有している。
【0026】上記測定チップ10は図2および図3に示す
通り、例えば透明樹脂等を用いて形成された概略、四角
錘の一部を切り取った形状で上方(図示のように使用状
態に配した場合の上方。以下、同様)に向かって次第に
大きくなるテーパ状の外形部分を備え、上方に鍔部16を
有するものとなっている。この測定チップ10の上部には
上面から下方に向かって次第に径が縮小する、断面円形
の試料保持穴13aが形成されて試料保持部13が構成され
ており、この試料保持穴13aの底面(後述の誘電体ブロ
ックの一面11a)には、金属膜12が形成されている。ま
たこの測定チップ10の試料保持部13の下部が誘電体ブロ
ック11であり、その4つの側面のうちの対面する2面が
それぞれ光入射端面11b、光出射端面11cとされてい
る。これらの光入射端面11bおよび光出射端面11cは、
全体的に透明に形成されてもよいし、光ビームが通過す
る一部領域のみ透明に形成されてもよい。残りの2つの
側面は、両端面11b、11cと同様に形成されてもよい
し、あるいは半透明に形成されてもよい。すなわち、こ
の測定チップ10は、例えば金、銀、銅、アルミニウム等
からなる金属膜12が形成される面11a、光ビームの入射
端面11bおよび出射端面11cを含む一つのブロックから
なる誘電体ブロック11と、金属膜12と、この金属膜12上
に試料を保持するための容器状の試料保持部13とが一体
として構成されて、ターンテーブル20に対して交換可能
とされている。特に、誘電体ブロック11と容器状の試料
保持部13は前述の通り、樹脂等により一体成形されたも
のである。この測定チップ10の材料である透明樹脂の好
ましいものとしては、PMMA、ポリカーボネート、非
晶性ポリオレフィン、シクロオレフィン等を挙げること
ができる。その他の材料として、ガラスも好適である。
また誘電体ブロック11を形成する材料として一般には、
屈折率が1.45〜2.5程度の範囲内にあるものを用いるの
が望ましい。その理由は、この屈折率範囲で実用的なS
PR共鳴角が得られるからである。なお、試料保持部13
の中には、後述のようにして例えば液体の試料15が貯え
られる。また本例では、金属膜12の上にセンシング媒体
14が固定されているが、それについては後述する。
【0027】ターンテーブル20は複数(本例では12
個)の上記測定チップ10を、その回動軸20aを中心とす
る円周上に等角度間隔で保持するように構成されてい
る。駆動手段50はステッピングモータ等から構成され、
ターンテーブル20を測定チップ10の配置角度と等しい角
度ずつ間欠的に回動させる。また、ターンテーブル20
は、図3に示すように四角形のチップ保持孔21を有して
おり、保持孔21の隣り合う2辺に該保持孔21に挿入され
た測定チップ10を付勢するための付勢部材である板ばね
22がネジ23によりターンテーブル上に固定されている。
【0028】測定チップ10は、上記チップ保持孔21に上
方から挿し込まれ、その鍔部16によりターンテーブル20
に係止される。すなわち、この鍔部16とターンテーブル
20の当接面とが互いに係合部と被係合部の関係にある。
なお測定チップ10の保持孔21への挿入の際には、板ばね
22は、弾性的に撓められて後方に退避し測定チップ10お
よびその鍔部16の挿入を許容することとなる。係止され
た測定チップ10は二つの板ばね22により対角方向の保持
孔40の角Cに対して付勢され位置決め固定される。この
ように板ばね22により保持孔21の角Cに対して付勢して
固定することにより、測定チップ10を正確に位置決めす
ることができると共に、安定して保持することができる
ため、測定精度が向上する。
【0029】集光レンズ32は図2に示す通り、光ビーム
30を集光して収束光状態で誘電体ブロック11に通し、誘
電体ブロック11と金属膜12との界面11aに対して種々の
入射角が得られるように入射させる。この入射角の範囲
は、上記界面11aにおいて光ビーム30の全反射条件が得
られ、かつ、表面プラズモン共鳴が生じ得る角度範囲と
される。なお、集光レンズ32等の光学系は、光ビーム30
を界面11aにデフォーカス状態で入射させるように構成
されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴
の状態検出(例えば前記暗線の位置測定)の誤差が平均
化されて、測定精度が高められる。
【0030】なお、光ビーム30は、界面11aに対してp
偏光で入射する。そのようにするためには、予めレーザ
光源31をその偏光方向が所定方向となるように配設すれ
ばよい。その他、波長板や偏光板で光ビーム30の偏光の
向きを制御してもよい。
【0031】光検出器40は、多数の受光素子が1列に配
されてなるラインセンサーから構成されており、受光素
子の並び方向が図2中の矢印X方向となるように配され
ている。
【0032】一方コントローラ60は、駆動手段50からそ
の回動停止位置を示すアドレス信号Aを受けるととも
に、所定のシーケンスに基づいてこの駆動手段50を作動
させる駆動信号Dを出力する。またこのコントローラ60
は、上記光検出器40の出力信号Sを受ける信号処理部61
と、この信号処理部61からの出力を受ける表示部62とを
備えている。
【0033】試料自動供給機構70は、例えば液体試料を
所定量だけ吸引保持するピペット71と、このピペット71
を移動させる手段72とから構成されたものであり、所定
位置にセットされた試料容器73から試料15をピペット71
に吸引保持し、所定の停止位置にある測定チップ10の試
料保持部13内にその試料15を滴下供給する。
【0034】以下、上記構成の表面プラズモンセンサー
による試料分析について説明する。試料分析に際してタ
ーンテーブル20は、前述のように支持体駆動手段50によ
って間欠的に回動される。そして、ターンテーブル20が
停止したとき所定位置に静止した測定チップ10の試料保
持部13に、上記試料自動供給機構70によって試料15が供
給される。
【0035】その後ターンテーブル20が何回か回動され
てから停止すると、試料保持部13に試料15を保持してい
る測定チップ10が、その誘電体ブロック11に前記光ビー
ム30が入射する測定位置(図2中の右側の測定チップ10
の位置)に静止する状態となる。この状態のとき、コン
トローラ60からの指令でレーザ光源31が駆動され、そこ
から発せられた光ビーム30が前述のように収束する状態
で、誘電体ブロック11と金属膜12との界面11aに入射す
る。この界面11aで全反射した光ビーム30は、光検出器
40によって検出される。
【0036】光ビーム30は界面11aに対して種々の入射
角が得られるように入射され、該界面11aで反射される
ため、この反射した光ビーム30には、種々の反射角で反
射する成分が含まれることになる。
【0037】上述のように光ビーム30が全反射すると
き、界面11aから金属膜12側にエバネッセント波がしみ
出す。そして、光ビーム30が界面11aに対してある特定
の入射角θSPで入射した場合は、このエバネッセント
波が金属膜12の表面に励起する表面プラズモンと共鳴す
るので、この光については反射光強度Iが鋭く低下す
る。なお図4には、この全反射減衰現象が生じた際の入
射角θと反射光強度Iとの関係を概略的に示してある。
【0038】そこで、光検出器40が出力する光量検出信
号Sから各受光素子毎の検出光量を調べ、暗線を検出し
た受光素子の位置に基づいて上記入射角(全反射減衰
角)θ SPを求め、予め求めておいた反射光強度Iと入
射角θとの関係曲線に基づけば、試料15中の特定物質を
定量分析することができる。コントローラ60の信号処理
部61は、以上の原理に基づいて試料15中の特定物質を定
量分析し、その分析結果が表示部62に表示される。
【0039】測定を1つの試料15に対して1回だけ行な
う場合は、以上の操作で測定が完了するので、測定を終
えた測定チップ10をターンテーブル20から手操作によ
り、あるいは自動排出手段を用いて排出すればよい。一
方、1つの試料15に対して測定を複数回行なう場合は、
測定終了後も測定チップ10をそのままターンテーブル20
に支持させておけば、ターンテーブル20の1回転後に、
その測定チップ10に保持されている試料15を再度測定に
かけることができる。
【0040】以上説明した通り、この表面プラズモンセ
ンサーは、複数の測定チップ10をターンテーブル20に支
持させ、このターンテーブル20を移動させて各測定チッ
プ10を順次測定位置に配置するように構成されているか
ら、複数の測定チップ10の各試料保持部13に保持させた
試料15を、ターンテーブル20の移動にともなって次々と
測定に供することができる。それにより、この表面プラ
ズモンセンサーによれば、多数の試料15についての測定
を短時間で行なうことが可能になる。
【0041】また本例では、誘電体ブロック11、金属膜
12および試料保持部13を一体化して測定チップ10を構成
し、この測定チップ10をターンテーブル20に対して交換
可能としているので、測定が終了した試料15を保持して
いる測定チップ10をターンテーブル20から取り外して新
しい測定チップ10を該ターンテーブル20に支持させるこ
とにより、新しい試料15を次々と測定に供することがで
き、多数の試料15についての測定をより一層短時間で行
なうことが可能になる。
【0042】この測定チップ10は、従来なされていたよ
うに金属膜が設けられる誘電体ブロックを屈折率マッチ
ング液を介して光カップラーとなる他の誘電体ブロック
と光学的に結合させるような必要がないため、取扱い性
が良く、交換時の利便性が高い。また、測定チップは板
ばね20により付勢されて位置決め保持されているので、
正確な位置決めがなされるとともに、測定時に位置ズレ
等を生じることもなく安定性が高い。特に、ターンテー
ブル20を複数回回動させて同一試料について複数回の測
定を行うような場合にも測定チップ10の位置ズレが生じ
ないため信頼性の高い測定が可能となる。
【0043】なお金属膜12の表面に固定されているセン
シング媒体14は、試料15中の特定物質と結合するもので
ある。このような特定物質とセンシング媒体14との組合
せとしては、例えば抗原と抗体とが挙げられる。その場
合は、全反射減衰角θSPに基づいて抗原抗体反応を検
出することができる。
【0044】また、本実施形態では、測定チップを保持
する保持台として回動するターンテーブル20が用いられ
ているが、保持台の形状や移動方式はこれに限られるも
のではない。例えば、複数の測定チップを保持した保持
台を往復直線移動するように構成し、その移動にともな
って複数の測定チップを順次測定部にセットするように
しても構わない。
【0045】その場合、1つの試料に対して複数回の測
定を行なう必要があるときは、光ビームを測定チップに
照射する光学系と光検出手段とを備えてなる測定部を複
数設けておけば、保持台の移動にともなって測定チップ
が順次測定部にセットされ、各測定部で測定を行なえる
ようになる。あるいは、そのような測定部を1つだけ設
け、保持台を一方向に移動させて測定チップを測定部に
セットし、測定を行なった後、保持台を逆方向に移動さ
せてその測定チップを再度測定部にセットし、測定を行
なうようにしてもよい。
【0046】このように保持台を正、逆方向に移動させ
る方式は、上述のターンテーブル20を用いる場合にも適
用可能である。またこのターンテーブル20を用いる場合
に、測定部を複数設けて、ターンテーブル20が1回転す
る間に1つの測定チップに関して複数回測定を行なうよ
うに構成することも可能である。
【0047】さらに、測定チップの自動供給、排出手段
が備えられた場合の本実施形態の表面プラズモンセンサ
ーについて図5および図6を参照して説明する。図5と
図6はそれぞれ、この表面プラズモンセンサーの全体側
面形状と全体平面形状を示している。
【0048】図5および図6に示される通りこの表面プ
ラズモンセンサーにおいては、ターンテーブル20に30
°の角度間隔で12個の測定チップ10が支持され、ター
ンテーブル20は30°ずつ間欠的に矢印Y方向に回動す
るようになっている。そしてターンテーブル20が停止し
たとき、該ターンテーブル20の4つの測定チップ保持部
が、図6にそれぞれP1、P2、P3およびP4で示す
測定チップ供給位置、試料供給位置、測定位置および測
定チップ排出位置で順次静止する。
【0049】測定チップ供給位置P1に静止した測定チ
ップ保持部に対しては、測定チップ10を複数収納したカ
セット75から、チップ供給手段76によって取り出された
測定チップ10が供給される。なおチップ供給手段76は、
公知のエアサクションカップと、それを移動させる機構
等から構成されたものであり、例えばカセット75の底部
に設けられた取り出し口から1つずつ測定チップ10を吸
着して取り出し、それを移動させて上記測定チップ保持
部に供給可能とされている。
【0050】試料供給位置P2に静止した測定チップ保
持部に保持されている測定チップ10に対しては、試料自
動供給機構70を用いて試料が供給される。
【0051】また、測定位置P3に静止した測定チップ
保持部に保持されている測定チップ10に対して、該測定
チップ10が保持している試料について分析がなされる。
この試料分析は先に説明した通りである。
【0052】また、測定チップ排出位置P4に静止した
測定チップ保持部に支持されている測定チップ10は、チ
ップ排出手段78によってターンテーブル20から排出され
る。このようにして空になった測定チップ保持部は、次
にターンテーブル20が3回回動すると上記測定チップ供
給位置P1に静止し、以後は上述したのと同様の処理が
繰り返される。
【0053】このように、測定チップの自動供給、排出
手段を備えれば、多数の試料についての測定を簡便に効
率よく行うことができる。
【0054】次に、図7を参照して本発明の第2の実施
形態について説明する。図7は本発明の第2の実施形態
による表面プラズモンセンサーの要部側面形状を示すも
のである。なお、この図7において図2中の要素と同等
の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に
必要のない限り省略する(以下、同様)。
【0055】この第2の実施形態による表面プラズモン
センサーは、第1の実施形態の装置と比較して、測定チ
ップ10の試料保持孔13aの底面(誘電体ブロックの一面
11a)に配された金属膜12上のセンシング媒体が除かれ
ている点のみが異なるものである。したがってこの場
合、試料15中の特定物質とセンシング媒体14との結合は
なされず、試料15の被測定物質について通常に定量分析
がなされる。
【0056】上述の点以外はすべて第1の実施形態によ
る表面プラズモンセンサーと同様の構成を有する。
【0057】次に、図8を参照して本発明の第3の実施
形態について説明する。この第4実施形態の全反射減衰
を利用したセンサーは、先に説明した漏洩モードセンサ
ーであり、上述の表面プラズモンセンサーの場合と同様
に一体型の測定チップ10’を用いる。但し、本実施形態
においては、測定チップ10’の試料保持孔13aの底面
(誘電体ブロック11の一面11a)にはクラッド層42が形
成され、さらにその上には光導波層43が形成されてい
る。
【0058】この測定チップ10’は、上述の第1の実施
形態の場合と同様に、例えば合成樹脂やBK7等の光学
ガラスを用いて形成されている。一方クラッド層42は、
誘電体ブロック11よりも低屈折率の誘電体や、金等の金
属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層43
は、クラッド層42よりも高屈折率の誘電体、例えばPM
MAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド
層42の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5n
m、光導波層43の膜厚は、例えばPMMAから形成する
場合で700nm程度とする。
【0059】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光源31から出射した光ビーム30を誘電体ブロック11を通
してクラッド層42に対して全反射角以上の入射角で入射
させると、該光ビーム30が誘電体ブロック11とクラッド
層42との界面11aで全反射するが、クラッド層42を透過
して光導波層43に特定入射角で入射した特定波数の光
は、該光導波層43を導波モードで伝搬するようになる。
こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんど
が光導波層43に取り込まれるので、上記界面11aで全反
射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0060】光導波層43における導波光の波数は、該光
導波層43の上の試料15の屈折率に依存するので、全反射
減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料
15の屈折率や、それに関連する試料15の特性を分析する
ことができる。
【0061】この場合も、第1の実施形態の場合と同様
に測定チップ10’を板ばね22により位置決め保持してい
るため同様の効果を得ることができる。なお、光導波層
43上に試料15中の特定物質と結合するセンシング媒体を
配してもよい。
【0062】次に、図9および図10を参照して本発明
の第4の実施形態について説明する。この第4実施形態
の全反射減衰を利用したセンサーは、第1の実施形態と
同様に表面プラズモンセンサーとして構成されたもので
ある。図9は該表面プラズモンセンサーの要部断面図で
あり、図10は測定チップおよびその保持機構の(a)
上面図と(b)Y−Y線断面図を示すものである。
【0063】本実施形態の表面プラズモンセンサーは、
図9に示すように、上述の第1の実施形態の装置と異な
り、光源31および光検出手段40がターンテーブル120の
下方に配されているのではなく、上方に配されている。
したがって、光源31からの光ビーム30を測定チップ110
下部の誘電体ブロック111の入射端面111bから界面111a
に入射させるために、入射光学系にミラー91を備え、光
源31から発せられた光ビーム30は集光レンズ32で集光さ
れミラー91で反射して界面11aに入射する。また、光検
出器40側の光学系には、ミラー92およびコリメータレン
ズ93を備え、界面で全反射した光ビーム30は誘電体ブロ
ック111の出射端面111cから出射されて光ミラー92で反
射し、コリメータレンズ93で平行光化されて光検出器40
に受光される。この光検出器40の出力信号Sは、コント
ローラ60の信号処理部61に入力され、試料分析のために
供される。この出力信号Sに基づく試料分析は、第1実
施形態で説明したものと同様にしてなされる。
【0064】また、本実施形態の表面プラズモンセンサ
ーで用いられる測定チップ110は、図9および図10に
示す通り、例えば透明樹脂等を用いて形成された概略、
四角錘の一部を切り取った形状で上方に向かって次第に
大きくなるテーパ状の外形部分を備えているが、底部の
一部にテーパー状でない部分118を有するものとなって
いる。なお、この底部の一部に非テーパー状部118を備
えたことと、鍔部がないことを除き第一の実施形態で用
いられる測定チップ10と同様に構成されている。
【0065】ターンテーブル120は、第一の実施形態の
ターンテーブル20と同様に複数の上記測定チップ110
を、その回動軸を中心とする円周上に等角度間隔で保持
するように構成されている。一方、このターンテーブル
120は、チップ保持孔に代えてチップ位置決め用のL状
固定凸部122と該L状固定凸部122に対して測定チップ10
0を付勢するための付勢手段124が備えられており、のL
状固定凸部122に測定チップ110の非テーパー状部118を
当接させて付勢して位置決め固定する保持機構となって
いる。なお、このL状固定凸部122と非測定チップ110の
非テーパー部118とが互いに係合部、被係合部である。
【0066】付勢手段124は、L状固定凸部122と共に測
定チップ110を挟みこむ係止部材125と、その係止部材12
5をL状固定凸部122の方向に付勢させるための引張バネ
126とを備えている。係止部材125はネジ127によってタ
ーンテーブル120上に固定されており、このネジ止め位
置を中心にして回動するようになっている。なお、係止
部材125の端部に対して矢印P方向に力を加えることに
より付勢状態が解除され、測定チップ110の供給および
排出が可能となる。
【0067】このように、引張バネ126の張力と係止部
材125により測定チップ110を凸部122に対して付勢して
固定することにより、測定チップ110を正確に位置決め
することができると共に、安定して保持することができ
るため、測定精度も向上する。
【0068】さらに、測定チップを安定に保持するため
の他の形態を図11〜14を参照して説明する。
【0069】図11(A)は測定チップおよびその保持
機構の上面図、同図(B)はZ−Z線断面図を示す。図
11に示す測定チップ10は第1の実施形態と同様のもの
である。一方、ターンテーブル140は、測定チップ10の
外形に合わせて、下方に向かって断面形状が次第に小さ
くなるテーパ状のチップ保持孔141と、該保持孔141に挿
入された測定チップを上方から抑えつけて固定するため
の付勢手段142が備えられている。
【0070】付勢手段142は、測定チップ10の上面から
ターンテーブル140に対して該チップ10を抑えつける抑
え部144と、この抑え部144を付勢させるための引張バネ
145と、抑え部144がネジ止めされてそのネジ止め位置を
中心として回動可能となるように支持する、ターンテー
ブル140から垂直方向に延びて固定されている支持部146
とからなる。
【0071】測定チップ10は抑え部144が図11(B)
に一点鎖線で示す退避位置にある状態で供給および排出
される。測定チップ10は保持孔141に上方から挿入さ
れ、その鍔部16でターンテーブル140に係止される。測
定チップ10が保持孔141に挿入された後、抑え部144が測
定チップ10の上面抑え位置に戻される。抑え部144は引
張バネ145によりその一部を引張られることにより測定
チップ10に対して付勢され、測定チップ10を位置決め固
定する。
【0072】図12(A)はさらに別の形態の測定チッ
プおよびその保持機構の上面図、同図(B)はIV−I
V線断面図を示す。図12に示す測定チップ10は第1の
実施形態と同様のものである。一方、ターンテーブル15
0は、測定チップ10の外形に合わせて、下方に向かって
断面形状が次第に小さくなるテーパ状のチップ保持孔15
1と、該保持孔151に挿入された測定チップ10を上方から
抑えつけて固定するための付勢手段152が備えられてい
る。また、保持孔151の周縁は測定チップ10の鍔部16と
係合するように段差が設けられて係合部158とされてい
る。
【0073】付勢手段152は、測定チップ10を付勢する
板バネ154と、該板バネ154をターンテーブル150上に固
定するネジ155とからなり、板バネ154は、ネジ止め位置
を中心に回動するように構成されており、測定チップ10
のチップ保持孔151への供給および保持孔151からの排出
時には図12(A)中一点鎖線で示す退避位置へ退避さ
せておく。
【0074】測定チップ10は、板バネ154が退避位置に
ある状態で、保持孔151に上方から挿入され、その鍔部1
6でターンテーブル150の係合部158に係止される。測定
チップ10が保持孔151に挿入された後、板バネ154を回動
させて測定チップ10の上面抑え位置に戻される。板バネ
154はその弾性により測定チップ10を下方に付勢し、位
置決め固定する。
【0075】さらに別の測定チップおよびその保持機構
について図13および14を参照して説明する。図13
(A)は測定チップおよびその保持機構の上面図、同図
(B)はV−V線断面図、同図(C)のVI−VI線断
面図であり、図14は測定チップの保持機構を説明する
ための断面図である。
【0076】図13および図14に示す測定チップ160
は、上述の測定チップ10と同様に、例えば透明樹脂等を
用いて形成された概略、四角錘の一部を切り取った形状
で上方に向かって次第に大きくなるテーパ状の外形部分
を備えたものであるが、鍔部を有しないこと、および4
つの側面のうち対面する2面に、後述する係合部と係合
する水平方向に延びる線状の溝165a,165bを有している
という点で異なっている。
【0077】ターンテーブル170 は、四角形のチップ保
持孔171とその保持孔171の一辺から突き出して前述の測
定チップ160の溝165aと係合する板状固定係合部172と、
該一辺に対面する他の一辺から突き出して測定チップ16
0の溝165bに係合する板状可動係合部174とを備えてい
る。可動係合部174は、図13および図14に示すよう
に、圧縮バネ175に繋がれ矢印X方向に可動となってい
る。可動係合部174はまた、図13(C)に示すよう
に、ターンテーブル170に設けられている溝部177と摺動
自在に組み合うガイド部174aを備え、この溝部177に沿
って可動とされている。可動係合部174は、測定チップ1
60が挿入されていない状態で図14に実線で示す位置と
なるように設定されている。
【0078】固定係合部172と可動係合部174との隙間が
ちょうど測定チップ160の底面の幅よりやや大きくなっ
ており、上方から測定チップ160をこの隙間へ侵入させ
ると、可動係合部174は測定チップ160の側面に押されて
矢印X1方向へ退避する。測定チップ160の溝165aと固
定係合部172とが係合する位置まで測定チップ160が挿入
されると、可動係合部174が測定チップ160の他方の溝16
5bと係合し、該可動係合部174が圧縮バネ175により固定
係合部172の方向に付勢されて測定チップ160が固定保持
される。なお、測定チップ160を排出する場合には、上
方もしくは下方から測定チップ160に力を加えることに
より、可動係合部174が矢印X1方向に退避させればよ
い。
【0079】なお、上記各実施形態における各測定チッ
プの供給、排出は手動で行ってもよいし、それぞれに応
じた機構を備えて自動で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表面プラズモン
センサーの全体を示す斜視図
【図2】図1の表面プラズモンセンサーの要部を示す一
部破断側面図
【図3】図1の表面プラズモンセンサーに用いられた測
定チップおよび保持機構を示す(A)上面図および
(B)断面図
【図4】表面プラズモンセンサーにおける光ビーム入射
角と、光検出器による検出光強度との概略関係を示すグ
ラフ
【図5】測定チップ自動供給、排出手段を備えた表面プ
ラズモンセンサーの要部構成を示す概略側面図
【図6】図5の表面プラズモンセンサーの要部を示す平
面図
【図7】本発明の第2の実施形態による表面プラズモン
センサーの要部を示す一部破断側面図
【図8】本発明の第3の実施形態による漏洩モードセン
サーの要部を示す一部破断側面図
【図9】本発明の第4の実施形態による表面プラズモン
センサーの要部を示す一部破断側面図
【図10】別の形態による測定チップおよびその保持機
構を示す(A)上面図および(B)側面図
【図11】さらに別の形態による測定チップおよびその
保持機構を示す(A)上面図および(B)側面図
【図12】さらに別の形態による測定チップおよびその
保持機構を示す(A)上面図および(B)側面図
【図13】さらに別の形態による測定チップおよびその
保持機構を示す(A)上面図、(B)側面図、および
(C)一部断面図
【図14】図13に示す形態における測定チップ保持機
構について説明するための図
【符号の説明】
10、10’、110、160 測定チップ 11、11’、111 誘電体ブロック 11a 誘電体ブロックと金属膜との界面 12 金属膜 13、113 試料保持部 14 センシング媒体 15 試料 16 鍔部 20、120、140、150、170 ターンテーブル 21、141、151、171 チップ保持孔 22 板バネ 23 ネジ 30 光ビーム 31 レーザ光源 32 集光レンズ 40 光検出器 45 クラッド層 46 光導波層 50 支持体駆動手段 60 コントローラ 61 信号処理部 62 表示部 70 試料自動供給機構 75 カセット 76 チップ供給手段 77 表面プラズモン共鳴測定手段 78 チップ排出手段 124、142、152 付勢手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 35/04 G01N 35/04 A Fターム(参考) 2G057 AA02 AA05 AB04 AB07 AC01 BA01 BB01 BB06 HA04 HB03 2G058 CA00 CA04 CB04 CF02 CF12 CF21 CF28 EA02 ED02 GA02 2G059 AA01 AA02 BB04 CC17 DD12 DD13 EE02 EE04 EE05 FF11 GG01 GG04 JJ11 JJ13 JJ19 KK04 PP01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを発生させる光源と、 該光ビームに対して透明な誘電体ブロック、この誘電体
    ブロックの一面に形成された薄膜層および該薄膜層上に
    試料を保持する試料保持機構を備えた測定チップと、 前記測定チップを所定位置に保持する保持機構と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックを通して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、全反
    射減衰の状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反
    射減衰を利用したセンサーであって、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端面、出射
    端面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1
    つのブロックとして形成されたものであり、 前記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜層お
    よび前記試料保持機構が一体的に形成されたものであ
    り、 前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合する係合
    部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手段を備
    えたものであることを特徴とする全反射減衰を利用した
    センサー。
  2. 【請求項2】 光ビームを発生させる光源と、 該光ビームに対して透明な誘電体ブロック、この誘電体
    ブロックの一面に形成された金属膜からなる薄膜層およ
    び該薄膜層上に試料を保持する試料保持機構を備えた測
    定チップと、 前記測定チップを所定位置に保持する保持機構と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックを通して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、表面
    プラズモン共鳴に伴う全反射減衰の状態を検知する光検
    出手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーで
    あって、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端面、出射
    端面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1
    つのブロックとして形成されたものであり、 前記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜層お
    よび前記試料保持機構が一体的に形成されたものであ
    り、 前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合する係合
    部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手段を備
    えたものであることを特徴とする全反射減衰を利用した
    センサー。
  3. 【請求項3】 光ビームを発生させる光源と、 該光ビームに対して透明な誘電体ブロック、この誘電体
    ブロックの一面に形成されたクラッド層とその上に形成
    された光導波層とからなる薄膜層、および該薄膜層上に
    試料を保持する試料保持機構を備えた測定チップと、 前記測定チップを所定位置に保持する保持機構と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックを通して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して、前記
    光導波層における導波モードの励起に伴う全反射減衰の
    状態を検知する光検出手段とを備えてなる全反射減衰を
    利用したセンサーであって、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射端面、出射
    端面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1
    つのブロックとして形成されたものであり、 前記測定チップが、前記誘電体ブロック、前記薄膜層お
    よび前記試料保持機構が一体的に形成されたものであ
    り、 前記保持機構が、前記測定チップの一部に係合する係合
    部と、該測定チップを該係合部に付勢する付勢手段を備
    えたものであることを特徴とする全反射減衰を利用した
    センサー。
  4. 【請求項4】 全反射減衰を利用したセンサーに用いら
    れる測定チップであって、 誘電体ブロック、該誘電体ブロックの一面に形成された
    薄膜層および該薄膜層上に試料を保持する試料保持機構
    が一体的に形成されてなり、該測定チップを保持する保
    持機構が有する係合部に係合するように形成された被係
    合部を備えたことを特徴とする測定チップ。
  5. 【請求項5】 前記薄膜層が金属膜であり、表面プラズ
    モン共鳴に伴う全反射減衰を利用したセンサーに用いら
    れるものであることを特徴とする請求項4記載の測定チ
    ップ。
  6. 【請求項6】 前記薄膜層が、前記誘電体ブロックの一
    面に形成されたクラッド層とその上に形成された光導波
    層とからなり、該光導波層における導波モードの励起に
    伴う全反射減衰を利用したセンサーに用いられるもので
    あることを特徴とする請求項4記載の測定チップ。
JP2001035491A 2001-02-13 2001-02-13 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ Pending JP2002243636A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001035491A JP2002243636A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001035491A JP2002243636A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002243636A true JP2002243636A (ja) 2002-08-28

Family

ID=18898925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001035491A Pending JP2002243636A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002243636A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006098338A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Toshiba Corp 濃度測定装置
JP2006322851A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Fujifilm Holdings Corp 全反射減衰を利用した測定装置及びその測定方法
JP2007178325A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toshiba Corp 光学測定装置検査用チップ、光学測定装置の検査方法、光学測定装置の製造方法、及び光学測定装置の使用方法
JP2007248428A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Fujifilm Corp センサユニット及び全反射プリズム
JP2009168594A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 表面プラズモン共鳴現象測定装置の試料セル固定構造
US8211386B2 (en) 2004-06-08 2012-07-03 Biokit, S.A. Tapered cuvette and method of collecting magnetic particles
JP2014089157A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Jasco Corp 分光装置
JP2014532877A (ja) * 2011-11-01 2014-12-08 サウジ アラビアン オイル カンパニー 光学方式測定のためのマルチキュベット自動サンプラー
WO2020075806A1 (ja) * 2018-10-10 2020-04-16 株式会社Lsiメディエンス 係止構造
JP2020098173A (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 株式会社島津製作所 前処理装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8211386B2 (en) 2004-06-08 2012-07-03 Biokit, S.A. Tapered cuvette and method of collecting magnetic particles
JP2006098338A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Toshiba Corp 濃度測定装置
JP2006322851A (ja) * 2005-05-19 2006-11-30 Fujifilm Holdings Corp 全反射減衰を利用した測定装置及びその測定方法
JP4516477B2 (ja) * 2005-05-19 2010-08-04 富士フイルム株式会社 全反射減衰を利用した測定装置及びその測定方法
JP2007178325A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toshiba Corp 光学測定装置検査用チップ、光学測定装置の検査方法、光学測定装置の製造方法、及び光学測定装置の使用方法
JP2007248428A (ja) * 2006-03-20 2007-09-27 Fujifilm Corp センサユニット及び全反射プリズム
JP4664221B2 (ja) * 2006-03-20 2011-04-06 富士フイルム株式会社 センサユニット及び全反射プリズム
JP2009168594A (ja) * 2008-01-16 2009-07-30 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 表面プラズモン共鳴現象測定装置の試料セル固定構造
EP2773965B1 (en) * 2011-11-01 2018-03-21 Saudi Arabian Oil Company Multi-cuvette autosampler for photo-optical measurements
JP2014532877A (ja) * 2011-11-01 2014-12-08 サウジ アラビアン オイル カンパニー 光学方式測定のためのマルチキュベット自動サンプラー
JP2016176960A (ja) * 2011-11-01 2016-10-06 サウジ アラビアン オイル カンパニー 光学方式測定のためのマルチキュベット自動サンプラー
JP2014089157A (ja) * 2012-10-31 2014-05-15 Jasco Corp 分光装置
WO2020075806A1 (ja) * 2018-10-10 2020-04-16 株式会社Lsiメディエンス 係止構造
JPWO2020075806A1 (ja) * 2018-10-10 2021-09-02 株式会社Lsiメディエンス 係止構造
JP7321179B2 (ja) 2018-10-10 2023-08-04 株式会社Lsiメディエンス 係止構造
JP2020098173A (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 株式会社島津製作所 前処理装置
JP7273357B2 (ja) 2018-12-19 2023-05-15 株式会社島津製作所 前処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6864984B2 (en) Measuring method and apparatus using attenuation in total reflection
US6597456B2 (en) Measuring chip for quantitative analysis of substances
JP2001330560A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および装置
US7064837B2 (en) Measuring sensor utilizing attenuated total reflection and measuring chip assembly
JP2002243636A (ja) 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ
US7009706B2 (en) Measuring chip
US20020127706A1 (en) Surface plasmon resonance measuring chip and method of manufacture thereof
US6788415B2 (en) Turntable measuring apparatus utilizing attenuated total reflection
JP2002243637A (ja) 全反射減衰を利用したセンサーおよび測定チップ
JP3883926B2 (ja) 測定装置
JP2002296177A (ja) 表面プラズモン共鳴測定チップ
JP2002277390A (ja) 測定チップ
JP4053246B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2003139687A (ja) 測定チップ集合体および測定チップ取出し装置
JP2007155403A (ja) 全反射減衰を利用した測定装置及び方法
JP2003194712A (ja) 全反射減衰を利用した測定装置および測定チップ
JP2002310903A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
US7944563B2 (en) Sensing apparatus
JP4170350B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2002048707A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および装置
JP3830827B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2005098793A (ja) センサウェルユニットおよび測定装置
KR100820235B1 (ko) 다 매질에서 측정 가능한 광학계를 이용한 표면 플라즈몬공명 장치
JP2004053279A (ja) 測定チップ位置決め機構
JP2002310904A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060113

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071009

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226