JP2002243309A - 吸収冷凍機 - Google Patents
吸収冷凍機Info
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
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- Y02B30/62—Absorption based systems
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- Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸収器内の管群で均一な冷媒蒸気の吸収を可
能にし、吸収器管群の吸収効率を向上させて小型化でき
る吸収冷凍機の提供を目的とする。 【解決手段】 蒸発器10内の管群に散布した液冷媒が
蒸発してなる冷媒蒸気rを吸収器20内の臭化リチウム
濃溶液Y1に吸収溶解させ、吸収器20を出た希薄溶液
を再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として
再生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、再
生器で蒸発した冷媒蒸気を凝縮器の管群内を流れる液冷
媒で冷却する吸収冷凍機において、吸収器20の内部に
配設される吸収器チューブ21の管群Pを溶液排出板2
3で上下方向に複数段の管群P1,P2,P3に仕切
り、各段毎に溶液散布管22を設置した。
能にし、吸収器管群の吸収効率を向上させて小型化でき
る吸収冷凍機の提供を目的とする。 【解決手段】 蒸発器10内の管群に散布した液冷媒が
蒸発してなる冷媒蒸気rを吸収器20内の臭化リチウム
濃溶液Y1に吸収溶解させ、吸収器20を出た希薄溶液
を再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として
再生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、再
生器で蒸発した冷媒蒸気を凝縮器の管群内を流れる液冷
媒で冷却する吸収冷凍機において、吸収器20の内部に
配設される吸収器チューブ21の管群Pを溶液排出板2
3で上下方向に複数段の管群P1,P2,P3に仕切
り、各段毎に溶液散布管22を設置した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒の相変化と溶
液の濃度変化とを利用して冷水を製造する吸収冷凍機に
係り、特に、吸収冷凍機に用いられている吸収器の能力
を向上させる技術に関する。
液の濃度変化とを利用して冷水を製造する吸収冷凍機に
係り、特に、吸収冷凍機に用いられている吸収器の能力
を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】吸収冷凍機は、水を冷媒、臭化リチウム
溶液を吸収剤とし、ガス燃料、油燃料または蒸気を加熱
エネルギー源とした冷凍機である。この吸収冷凍機は、
蒸発器と吸収器と再生器と凝縮器とを主要部材として構
成されており、蒸発器及び吸収器の内部は、高真空(絶
対圧力が6〜7mmHg)に保持されている。
溶液を吸収剤とし、ガス燃料、油燃料または蒸気を加熱
エネルギー源とした冷凍機である。この吸収冷凍機は、
蒸発器と吸収器と再生器と凝縮器とを主要部材として構
成されており、蒸発器及び吸収器の内部は、高真空(絶
対圧力が6〜7mmHg)に保持されている。
【0003】この蒸発器では、冷媒ポンプにより送られ
てきた液冷媒(水)を、冷水(たとえば12℃)が流通
する蒸発器チューブに向けて散布することにより、液冷
媒が加熱されて冷媒蒸気(ガス)となる。つまり、蒸発
器は高真空容器となっているので液体である水(冷媒)
は4〜6℃位で沸騰して蒸発気化するので、たとえば1
2℃の冷水を熱源水とすることができるのである。
てきた液冷媒(水)を、冷水(たとえば12℃)が流通
する蒸発器チューブに向けて散布することにより、液冷
媒が加熱されて冷媒蒸気(ガス)となる。つまり、蒸発
器は高真空容器となっているので液体である水(冷媒)
は4〜6℃位で沸騰して蒸発気化するので、たとえば1
2℃の冷水を熱源水とすることができるのである。
【0004】そして、冷水は、液冷媒(水)に与えた蒸
発潜熱分だけ温度低下(たとえば7℃になる)して蒸発
器から出ていく。このように温度低下(たとえば7℃と
なる)した冷水は、ビルの冷房装置等(冷房負荷)に送
られて冷房に利用される。冷房に利用された冷水は温度
上昇(たとえば12℃になる)して再び蒸発器の蒸発器
チューブに流入してくる。
発潜熱分だけ温度低下(たとえば7℃になる)して蒸発
器から出ていく。このように温度低下(たとえば7℃と
なる)した冷水は、ビルの冷房装置等(冷房負荷)に送
られて冷房に利用される。冷房に利用された冷水は温度
上昇(たとえば12℃になる)して再び蒸発器の蒸発器
チューブに流入してくる。
【0005】一方、吸収器では、蒸発器で発生した冷媒
蒸気を、臭化リチウム溶液により吸収する。水分を吸収
して濃度が低くなった臭化リチウム溶液(以下「臭化リ
チウム希溶液」と称する)は吸収器の底部に集められ
る。この吸収器では、冷媒蒸気が臭化リチウム溶液に吸
収されて気体(水蒸気)から液体(水)に変化するとき
の凝縮潜熱と、臭化リチウム溶液が水分を吸収して濃度
が薄くなるときの希釈熱が発生するので、冷却水(上記
「冷水」とは別の系に流通している)によりこれらの熱
を取り除いている。なお、臭化リチウム溶液は、その水
蒸気分圧が水の飽和蒸気よりも低いので、吸湿性に富
み、冷媒蒸気を吸収するのに好適な物質である。
蒸気を、臭化リチウム溶液により吸収する。水分を吸収
して濃度が低くなった臭化リチウム溶液(以下「臭化リ
チウム希溶液」と称する)は吸収器の底部に集められ
る。この吸収器では、冷媒蒸気が臭化リチウム溶液に吸
収されて気体(水蒸気)から液体(水)に変化するとき
の凝縮潜熱と、臭化リチウム溶液が水分を吸収して濃度
が薄くなるときの希釈熱が発生するので、冷却水(上記
「冷水」とは別の系に流通している)によりこれらの熱
を取り除いている。なお、臭化リチウム溶液は、その水
蒸気分圧が水の飽和蒸気よりも低いので、吸湿性に富
み、冷媒蒸気を吸収するのに好適な物質である。
【0006】そして、再生器では、吸収器から送られて
くる臭化リチウム希溶液を加熱する。このため、臭化リ
チウム希溶液中の冷媒は一部が蒸発気化し、溶液は濃縮
された臭化リチウム溶液(以下「臭化リチウム濃溶液」
と称する)となる。濃度が元の状態まで高められた臭化
リチウム濃溶液は、吸収器に送られ再び冷媒蒸気を吸収
する。一方、蒸発した冷媒蒸気は、後述する凝縮器に送
られる。
くる臭化リチウム希溶液を加熱する。このため、臭化リ
チウム希溶液中の冷媒は一部が蒸発気化し、溶液は濃縮
された臭化リチウム溶液(以下「臭化リチウム濃溶液」
と称する)となる。濃度が元の状態まで高められた臭化
リチウム濃溶液は、吸収器に送られ再び冷媒蒸気を吸収
する。一方、蒸発した冷媒蒸気は、後述する凝縮器に送
られる。
【0007】なお、実機では、熱効率を上げ加熱エネル
ギーを減少させる目的で、再生器を2段に配置した二重
効用型の吸収冷凍機が一般的に採用されている。この二
重効用型の吸収冷凍機では、再生器として、供給された
燃料を燃焼させることにより、あるいは高温の蒸気を導
入することにより臭化リチウム希溶液を加熱をする高圧
再生器と、高圧再生器で発生した高温の冷媒蒸気を加熱
源として臭化リチウム希溶液を加熱する低圧再生器とを
備えている。
ギーを減少させる目的で、再生器を2段に配置した二重
効用型の吸収冷凍機が一般的に採用されている。この二
重効用型の吸収冷凍機では、再生器として、供給された
燃料を燃焼させることにより、あるいは高温の蒸気を導
入することにより臭化リチウム希溶液を加熱をする高圧
再生器と、高圧再生器で発生した高温の冷媒蒸気を加熱
源として臭化リチウム希溶液を加熱する低圧再生器とを
備えている。
【0008】また、凝縮器では、再生器から送られてき
た冷媒蒸気を冷却水により冷却して、凝縮液化する。こ
の凝縮した水は、液冷媒(水)として再び蒸発器に供給
される。
た冷媒蒸気を冷却水により冷却して、凝縮液化する。こ
の凝縮した水は、液冷媒(水)として再び蒸発器に供給
される。
【0009】このように、吸収冷凍機では、冷媒(水)
が水−水蒸気−水と変化(相の変化)をすると共に、臭
化リチウム溶液が、濃溶液−希溶液−濃溶液と変化(濃
度の変化)をする。吸収冷凍機は、上述した相の変化
(冷媒)と濃度の変化(臭化リチウム溶液)の過程で、
水の蒸発潜熱により冷水を製造し、臭化リチウム溶液の
吸収能力により水蒸気を吸収する作用を、高真空密閉系
内で繰り返し行わせる装置である。
が水−水蒸気−水と変化(相の変化)をすると共に、臭
化リチウム溶液が、濃溶液−希溶液−濃溶液と変化(濃
度の変化)をする。吸収冷凍機は、上述した相の変化
(冷媒)と濃度の変化(臭化リチウム溶液)の過程で、
水の蒸発潜熱により冷水を製造し、臭化リチウム溶液の
吸収能力により水蒸気を吸収する作用を、高真空密閉系
内で繰り返し行わせる装置である。
【0010】かかる吸収冷凍機では、高圧再生器に供給
する燃料や蒸気の量を増加して加熱量を増大し、臭化リ
チウム溶液の濃度を濃くすることにより、蒸発器から出
ていく冷水の温度を下げることができる。逆に、高圧再
生器に供給する燃料や蒸気の量を減少して加熱量を減少
し、臭化リチウム溶液の濃度を薄くすることにより、蒸
発器から出ていく冷水の温度を上げることができる。こ
のように、臭化リチウム溶液の濃度調整をすることによ
り、冷水温度を制御して、蒸発器から出て行く冷水の温
度を設定温度(たとえば7℃)にしている。
する燃料や蒸気の量を増加して加熱量を増大し、臭化リ
チウム溶液の濃度を濃くすることにより、蒸発器から出
ていく冷水の温度を下げることができる。逆に、高圧再
生器に供給する燃料や蒸気の量を減少して加熱量を減少
し、臭化リチウム溶液の濃度を薄くすることにより、蒸
発器から出ていく冷水の温度を上げることができる。こ
のように、臭化リチウム溶液の濃度調整をすることによ
り、冷水温度を制御して、蒸発器から出て行く冷水の温
度を設定温度(たとえば7℃)にしている。
【0011】ここで、吸収冷凍機における熱交換器であ
る蒸発器、吸収器及び凝縮器について説明する。なお、
図6は、従来の吸収冷凍機の内部構造に係る概要を示す
断面図である。
る蒸発器、吸収器及び凝縮器について説明する。なお、
図6は、従来の吸収冷凍機の内部構造に係る概要を示す
断面図である。
【0012】従来の吸収冷凍機において、図6に示すよ
うに、蒸発器101と吸収器102とは同一のシェル内
に配設され、両者の間には気液分離器103が配設され
ており、吸収器102の上部に低圧再生器104が、こ
の低圧再生器104に隣接して凝縮器105がそれぞれ
配設されている。箱形のケース本体107内の一側に
は、複数の伝熱管112が水平方向に配列されている。
一方、箱形のケース本体107内の他側には、複数の伝
熱管114が水平方向に配列されて管群を構成してい
る。
うに、蒸発器101と吸収器102とは同一のシェル内
に配設され、両者の間には気液分離器103が配設され
ており、吸収器102の上部に低圧再生器104が、こ
の低圧再生器104に隣接して凝縮器105がそれぞれ
配設されている。箱形のケース本体107内の一側に
は、複数の伝熱管112が水平方向に配列されている。
一方、箱形のケース本体107内の他側には、複数の伝
熱管114が水平方向に配列されて管群を構成してい
る。
【0013】従って、蒸発器101では、冷房に利用さ
れて温度上昇した冷水が蒸発器チューブとしての複数の
伝熱管112に流動しており、この伝熱管112に向け
て冷媒が散布されると、この冷媒が加熱されて冷媒蒸気
となり、気液分離器103を通して吸収器102に流動
する。この吸収器102では、冷却水が吸収器チューブ
としての複数の伝熱管114に流動しており、この伝熱
管114に向けて臭化リチウム溶液が散布されると共
に、蒸発器101で発生した冷媒蒸気が臭化リチウム溶
液によって吸収される。
れて温度上昇した冷水が蒸発器チューブとしての複数の
伝熱管112に流動しており、この伝熱管112に向け
て冷媒が散布されると、この冷媒が加熱されて冷媒蒸気
となり、気液分離器103を通して吸収器102に流動
する。この吸収器102では、冷却水が吸収器チューブ
としての複数の伝熱管114に流動しており、この伝熱
管114に向けて臭化リチウム溶液が散布されると共
に、蒸発器101で発生した冷媒蒸気が臭化リチウム溶
液によって吸収される。
【0014】図7は、吸収器102の内部に配列された
多数の伝熱管114よりなる管群に臭化リチウム溶液L
を散布する従来構成を示している。この従来構成では、
吸収器102の上部に溶液散布管115が配置され、同
溶液散布管115に設けたノズルから臭化リチウムの高
濃度溶液を滴下させている。そして、冷媒蒸気を吸収し
た臭化リチウム溶液Lは、伝熱管114に接触すること
で内部を流れる冷却水により凝縮潜熱や希釈熱が取り除
かれ、低濃度となった臭化リチウム溶液Lはケース本体
107の底部に集められる。
多数の伝熱管114よりなる管群に臭化リチウム溶液L
を散布する従来構成を示している。この従来構成では、
吸収器102の上部に溶液散布管115が配置され、同
溶液散布管115に設けたノズルから臭化リチウムの高
濃度溶液を滴下させている。そして、冷媒蒸気を吸収し
た臭化リチウム溶液Lは、伝熱管114に接触すること
で内部を流れる冷却水により凝縮潜熱や希釈熱が取り除
かれ、低濃度となった臭化リチウム溶液Lはケース本体
107の底部に集められる。
【0015】また、吸収冷凍機においては、たとえば特
開2000−74521号公報や特開2000−227
262号公報などに開示されているように、蒸発器及び
吸収器を多段式にして成績係数(COP)を向上させる
ものが開発されている。この場合の各段の吸収器は、各
段毎に対応して設けられた異なる蒸発器からそれぞれ冷
凍蒸気の供給を受けるように構成されている。
開2000−74521号公報や特開2000−227
262号公報などに開示されているように、蒸発器及び
吸収器を多段式にして成績係数(COP)を向上させる
ものが開発されている。この場合の各段の吸収器は、各
段毎に対応して設けられた異なる蒸発器からそれぞれ冷
凍蒸気の供給を受けるように構成されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した吸
収冷凍機において使用する臭化リチウム溶液Lには、濃
度が高いほど、そして温度が低いほど冷媒蒸気の吸収能
力が高いという性質がある。しかしながら、従来構造の
吸収冷凍機では、吸収器内で高濃度の臭化リチウム溶液
Lを管群の上部から滴下して散布するように構成されて
いるため、管群の上段部側で冷媒蒸気の吸収が進んで下
段部側ほど溶液の濃度が低下してしまうという傾向があ
る。また、管群の下段部側では、吸収熱(凝縮潜熱)及
び希釈熱の発生により溶液温度が上昇している。このた
め、管群の下段部側では上段部側に比べて溶液濃度が低
下し、しかも溶液温度も高くなっているため、上段側に
比べて冷媒蒸気の吸収能力が低下するという問題があっ
た。
収冷凍機において使用する臭化リチウム溶液Lには、濃
度が高いほど、そして温度が低いほど冷媒蒸気の吸収能
力が高いという性質がある。しかしながら、従来構造の
吸収冷凍機では、吸収器内で高濃度の臭化リチウム溶液
Lを管群の上部から滴下して散布するように構成されて
いるため、管群の上段部側で冷媒蒸気の吸収が進んで下
段部側ほど溶液の濃度が低下してしまうという傾向があ
る。また、管群の下段部側では、吸収熱(凝縮潜熱)及
び希釈熱の発生により溶液温度が上昇している。このた
め、管群の下段部側では上段部側に比べて溶液濃度が低
下し、しかも溶液温度も高くなっているため、上段側に
比べて冷媒蒸気の吸収能力が低下するという問題があっ
た。
【0017】上述したように、管群の上段部側と下段部
側とで冷媒蒸気の吸収能力に差が生じると、吸収器(管
群)全体としての吸収効率が低下するため、必要な吸収
能力を確保するためには吸収器及びこれを備えた吸収冷
凍機が大型化する原因となっていた。このような問題
は、冷凍能力の大きい吸収冷凍機で吸収器における管群
の上下方向寸法が大きくなるほど顕著になる。また、吸
収効率が低いとその分溶液散布量を増加して吸収能力を
確保することになるため、特に下段側の伝熱管に付着す
る溶液の膜厚が厚くなってしまい、伝熱管内を流れる冷
却水との熱交換効率(溶液の冷却効率)を低下させるた
め、吸収能力がさらに低下するという問題もある。この
ため、管群における冷媒蒸気の吸収能力を均一化し、吸
収効率を向上させる技術の開発が望まれる。
側とで冷媒蒸気の吸収能力に差が生じると、吸収器(管
群)全体としての吸収効率が低下するため、必要な吸収
能力を確保するためには吸収器及びこれを備えた吸収冷
凍機が大型化する原因となっていた。このような問題
は、冷凍能力の大きい吸収冷凍機で吸収器における管群
の上下方向寸法が大きくなるほど顕著になる。また、吸
収効率が低いとその分溶液散布量を増加して吸収能力を
確保することになるため、特に下段側の伝熱管に付着す
る溶液の膜厚が厚くなってしまい、伝熱管内を流れる冷
却水との熱交換効率(溶液の冷却効率)を低下させるた
め、吸収能力がさらに低下するという問題もある。この
ため、管群における冷媒蒸気の吸収能力を均一化し、吸
収効率を向上させる技術の開発が望まれる。
【0018】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、吸収器内の管群で均一な冷媒蒸気の吸収を可能に
し、吸収器管群の吸収効率を向上させて小型化できる吸
収冷凍機の提供を目的としている。
ので、吸収器内の管群で均一な冷媒蒸気の吸収を可能に
し、吸収器管群の吸収効率を向上させて小型化できる吸
収冷凍機の提供を目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
吸収冷凍機は、蒸発器内の管群に散布した液冷媒が蒸発
してなる冷媒ガスを吸収器中の溶液に吸収溶解させ、該
吸収器を出た希薄溶液を再生器で加熱することにより高
温の高濃度溶液として再生し、この高濃度溶液を前記吸
収器へ戻すと共に、前記再生器で蒸発した冷媒ガスを凝
縮器の管群内を流れる液冷媒で冷却する吸収冷凍機にお
いて、前記吸収器の内部に配設される伝熱管の管群を溶
液排出板で上下方向に複数段に仕切り、各段毎に溶液散
布管を設置したことを特徴とするものである。
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
吸収冷凍機は、蒸発器内の管群に散布した液冷媒が蒸発
してなる冷媒ガスを吸収器中の溶液に吸収溶解させ、該
吸収器を出た希薄溶液を再生器で加熱することにより高
温の高濃度溶液として再生し、この高濃度溶液を前記吸
収器へ戻すと共に、前記再生器で蒸発した冷媒ガスを凝
縮器の管群内を流れる液冷媒で冷却する吸収冷凍機にお
いて、前記吸収器の内部に配設される伝熱管の管群を溶
液排出板で上下方向に複数段に仕切り、各段毎に溶液散
布管を設置したことを特徴とするものである。
【0020】このような吸収冷凍機によれば、管群の上
下方向を複数段に仕切り、各段毎に溶液散布管を設置し
て溶液を散布するようにしたので、上下方向における溶
液の散布(落下)領域を短くして濃度差や温度差を最小
限に抑えることができる。このため、下段部側での吸収
能力低下が防止され、吸収器全体の吸収能力を均一化す
ることができる。
下方向を複数段に仕切り、各段毎に溶液散布管を設置し
て溶液を散布するようにしたので、上下方向における溶
液の散布(落下)領域を短くして濃度差や温度差を最小
限に抑えることができる。このため、下段部側での吸収
能力低下が防止され、吸収器全体の吸収能力を均一化す
ることができる。
【0021】請求項2に記載の吸収冷凍機は、蒸発器内
の管群に散布した液冷媒が蒸発してなる冷媒ガスを吸収
器中の溶液に吸収溶解させ、該吸収器を出た希薄溶液を
再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として再
生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、前記
再生器で蒸発した冷媒ガスを凝縮器の管群内を流れる液
冷媒で冷却する吸収冷凍機において、前記吸収器の内部
に配設される伝熱管の管群を溶液排出板で上下方向に複
数段に仕切り、各段上部にそれぞれ溶液散布管を設置し
て前記溶液を滴下させたことを特徴とするものである。
の管群に散布した液冷媒が蒸発してなる冷媒ガスを吸収
器中の溶液に吸収溶解させ、該吸収器を出た希薄溶液を
再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として再
生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、前記
再生器で蒸発した冷媒ガスを凝縮器の管群内を流れる液
冷媒で冷却する吸収冷凍機において、前記吸収器の内部
に配設される伝熱管の管群を溶液排出板で上下方向に複
数段に仕切り、各段上部にそれぞれ溶液散布管を設置し
て前記溶液を滴下させたことを特徴とするものである。
【0022】このような吸収冷凍機によれば、管群の上
下方向を複数段に仕切り、各段上部にそれぞれ設置した
溶液散布管から溶液を滴下させて散布するようにしたの
で、上下方向における溶液の散布(滴下)領域を短く
し、濃度差や温度差を最小限に抑えることができる。こ
のため、下段部側での吸収能力低下が防止され、吸収器
全体の吸収能力を均一化することができる。この場合、
前記溶液散布管を中空板状部材で構成し、該中空板状部
材の上面を前記溶液排出板として利用することで、溶液
排出板と溶液散布管とを一体化することができる。
下方向を複数段に仕切り、各段上部にそれぞれ設置した
溶液散布管から溶液を滴下させて散布するようにしたの
で、上下方向における溶液の散布(滴下)領域を短く
し、濃度差や温度差を最小限に抑えることができる。こ
のため、下段部側での吸収能力低下が防止され、吸収器
全体の吸収能力を均一化することができる。この場合、
前記溶液散布管を中空板状部材で構成し、該中空板状部
材の上面を前記溶液排出板として利用することで、溶液
排出板と溶液散布管とを一体化することができる。
【0023】請求項4に記載の吸収冷凍機は、蒸発器内
の管群に散布した液冷媒が蒸発してなる冷媒ガスを吸収
器中の溶液に吸収溶解させ、該吸収器を出た希薄溶液を
再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として再
生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、前記
再生器で蒸発した冷媒ガスを凝縮器の管群内を流れる液
冷媒で冷却する吸収冷凍機において、前記吸収器の内部
に配設される伝熱管の管群を溶液排出板で上下方向に複
数段に仕切り、各段下部にそれぞれ溶液散布管を設置し
て前記溶液を上向きに噴出させたことを特徴とするもの
である。
の管群に散布した液冷媒が蒸発してなる冷媒ガスを吸収
器中の溶液に吸収溶解させ、該吸収器を出た希薄溶液を
再生器で加熱することにより高温の高濃度溶液として再
生し、この高濃度溶液を前記吸収器へ戻すと共に、前記
再生器で蒸発した冷媒ガスを凝縮器の管群内を流れる液
冷媒で冷却する吸収冷凍機において、前記吸収器の内部
に配設される伝熱管の管群を溶液排出板で上下方向に複
数段に仕切り、各段下部にそれぞれ溶液散布管を設置し
て前記溶液を上向きに噴出させたことを特徴とするもの
である。
【0024】このような吸収冷凍機によれば、管群の上
下方向を複数段に仕切り、各段下部にそれぞれ設置した
溶液散布管から溶液を上向きに噴出させて散布するよう
にしたので、溶液が上下に往復することから滞留時間が
長くなり、かつ、上下方向における溶液の散布(落下)
領域を短くできるので、上下方向における溶液の濃度差
や温度差を最小限に抑えることができる。このため、下
段部側での吸収能力低下が防止され、吸収器全体の吸収
能力を均一化することができる。
下方向を複数段に仕切り、各段下部にそれぞれ設置した
溶液散布管から溶液を上向きに噴出させて散布するよう
にしたので、溶液が上下に往復することから滞留時間が
長くなり、かつ、上下方向における溶液の散布(落下)
領域を短くできるので、上下方向における溶液の濃度差
や温度差を最小限に抑えることができる。このため、下
段部側での吸収能力低下が防止され、吸収器全体の吸収
能力を均一化することができる。
【0025】上述した吸収冷凍機においては、前記溶液
をミスト状に散布する噴霧ノズルを用いると、溶液の滞
留時間を長くすることができるため冷媒蒸気の吸収効率
が向上する。また、ミスト状の溶液は、管群を構成する
各伝熱管表面との接触状況も良好となるため、熱交換効
率の面でも有利になる。この場合、前記噴霧ノズルを前
記溶液散布管から分岐する枝管に取り付けることで、ミ
スト状の溶液を管群の全域にわたって均一に散布するこ
とができる。また、請求項4に記載の吸収冷凍機におい
ては、前記溶液散布管からの上向き噴射と前記噴霧ノズ
ルとを併用して、管群の全域にわたって溶液を均一に散
布してもよい。
をミスト状に散布する噴霧ノズルを用いると、溶液の滞
留時間を長くすることができるため冷媒蒸気の吸収効率
が向上する。また、ミスト状の溶液は、管群を構成する
各伝熱管表面との接触状況も良好となるため、熱交換効
率の面でも有利になる。この場合、前記噴霧ノズルを前
記溶液散布管から分岐する枝管に取り付けることで、ミ
スト状の溶液を管群の全域にわたって均一に散布するこ
とができる。また、請求項4に記載の吸収冷凍機におい
ては、前記溶液散布管からの上向き噴射と前記噴霧ノズ
ルとを併用して、管群の全域にわたって溶液を均一に散
布してもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る吸収冷凍機の
一実施形態を、図面に基づいて説明する。本実施形態の
吸収冷凍機に係る概略の全体構成を示す図5において、
蒸発器10と吸収器20は、同一のシェル(高真空容
器)内に配設されている。この蒸発器10内には蒸発器
チューブ(伝熱管)11が配置されている。この蒸発器
チューブ11には、冷水入口ラインL1を介して冷水W
1が供給され、蒸発器チューブ11を流通した冷水W1
は冷水出口ラインL2を介して外部に排出される。ま
た、冷媒ラインL11を介して冷媒ポンプPw1により
汲み上げられた冷媒(水)Rは、蒸発器チューブ11に
向けて散布される。散布された冷媒Rは、蒸発器チュー
ブ11内を流通する冷水W1から気化の潜熱を奪い、蒸
発気化して冷媒蒸気rとなる。この冷媒蒸気rは、気液
分離器70を通過して吸収器20側に流入していく。
一実施形態を、図面に基づいて説明する。本実施形態の
吸収冷凍機に係る概略の全体構成を示す図5において、
蒸発器10と吸収器20は、同一のシェル(高真空容
器)内に配設されている。この蒸発器10内には蒸発器
チューブ(伝熱管)11が配置されている。この蒸発器
チューブ11には、冷水入口ラインL1を介して冷水W
1が供給され、蒸発器チューブ11を流通した冷水W1
は冷水出口ラインL2を介して外部に排出される。ま
た、冷媒ラインL11を介して冷媒ポンプPw1により
汲み上げられた冷媒(水)Rは、蒸発器チューブ11に
向けて散布される。散布された冷媒Rは、蒸発器チュー
ブ11内を流通する冷水W1から気化の潜熱を奪い、蒸
発気化して冷媒蒸気rとなる。この冷媒蒸気rは、気液
分離器70を通過して吸収器20側に流入していく。
【0027】この冷水W1は、たとえば12℃の温度で
蒸発器10に入り、蒸発器チューブ11にて冷却され
て、蒸発器10からたとえば7℃の温度で排出される。
冷水出口ラインL2から出てくる7℃の冷水W1は、ビ
ルの冷房や工場のプロセス用として用いられる。ビル冷
房等の冷房負荷において冷房に供せられた冷水W1は温
度上昇し、たとえば12℃の温度となって再び蒸発器1
0に流入してくる。
蒸発器10に入り、蒸発器チューブ11にて冷却され
て、蒸発器10からたとえば7℃の温度で排出される。
冷水出口ラインL2から出てくる7℃の冷水W1は、ビ
ルの冷房や工場のプロセス用として用いられる。ビル冷
房等の冷房負荷において冷房に供せられた冷水W1は温
度上昇し、たとえば12℃の温度となって再び蒸発器1
0に流入してくる。
【0028】一方、吸収器20内には吸収器チューブ
(伝熱管)21が配置されている。この吸収器チューブ
21には、冷却水ラインL3を介して冷却水W2が供給
される。そして、溶液ラインL21を介して溶液ポンプ
Pw2により圧送されてきた臭化リチウム濃溶液Y1
は、吸収器チューブ21に向けて散布される。このた
め、散布された臭化リチウム濃溶液Y1は、吸収器20
側に流入してきた冷媒蒸気rを吸収して、濃度が薄くな
る。濃度が薄くなった臭化リチウム希溶液Y3は、吸収
器20の底部に集められる。なお、吸収器20内で発生
する熱は、吸収器チューブ21内を流通する冷却水W2
により冷却される。
(伝熱管)21が配置されている。この吸収器チューブ
21には、冷却水ラインL3を介して冷却水W2が供給
される。そして、溶液ラインL21を介して溶液ポンプ
Pw2により圧送されてきた臭化リチウム濃溶液Y1
は、吸収器チューブ21に向けて散布される。このた
め、散布された臭化リチウム濃溶液Y1は、吸収器20
側に流入してきた冷媒蒸気rを吸収して、濃度が薄くな
る。濃度が薄くなった臭化リチウム希溶液Y3は、吸収
器20の底部に集められる。なお、吸収器20内で発生
する熱は、吸収器チューブ21内を流通する冷却水W2
により冷却される。
【0029】この吸収器20の底部に集められた臭化リ
チウム希溶液Y3は、溶液ポンプP3により圧送され、
バルブV5,低温熱交換器30,溶液ラインL22,高
温熱交換器31,溶液ラインL23を介して、高圧再生
器40に供給される。
チウム希溶液Y3は、溶液ポンプP3により圧送され、
バルブV5,低温熱交換器30,溶液ラインL22,高
温熱交換器31,溶液ラインL23を介して、高圧再生
器40に供給される。
【0030】高圧再生器40は、炉筒及び伝熱管を胴内
に収めると共に、バーナを装備している。この高圧再生
器40は、ガスラインL31、バルブV21及び燃料制
御弁V22を介して燃料ガスGが供給されることによ
り、燃料ガスGを燃焼して臭化リチウム希溶液Y3を加
熱する。高圧再生器40に供給された臭化リチウム希溶
液Y3は、加熱され、冷媒の一部が蒸発気化して濃度が
中程度の臭化リチウム中溶液Y2となる。この臭化リチ
ウム中溶液Y2は、溶液ラインL24,高温熱交換器3
1を通って低圧再生器50に供給される。
に収めると共に、バーナを装備している。この高圧再生
器40は、ガスラインL31、バルブV21及び燃料制
御弁V22を介して燃料ガスGが供給されることによ
り、燃料ガスGを燃焼して臭化リチウム希溶液Y3を加
熱する。高圧再生器40に供給された臭化リチウム希溶
液Y3は、加熱され、冷媒の一部が蒸発気化して濃度が
中程度の臭化リチウム中溶液Y2となる。この臭化リチ
ウム中溶液Y2は、溶液ラインL24,高温熱交換器3
1を通って低圧再生器50に供給される。
【0031】一方、高圧再生器40にて蒸発した冷媒蒸
気rは、冷媒ラインL12を介して、低圧再生器50の
低圧再生器チューブ51に供給され、さらに、冷媒ライ
ンL13を介して凝縮器60に供給される。なお、低圧
再生器50と凝縮器60は、同一のシェル内に配設され
ている。
気rは、冷媒ラインL12を介して、低圧再生器50の
低圧再生器チューブ51に供給され、さらに、冷媒ライ
ンL13を介して凝縮器60に供給される。なお、低圧
再生器50と凝縮器60は、同一のシェル内に配設され
ている。
【0032】この低圧再生器50では、溶液ラインL2
4を介して臭化リチウム中溶液Y2が供給されるととも
に、溶液ラインL25を介して溶液ラインL22から分
岐してきた臭化リチウム希溶液Y3が低圧再生器チュー
ブ51に向けて散布される。この低圧再生器50では、
低圧再生器チューブ51により溶液Y2,Y3が加熱さ
れ、冷媒の一部が蒸発して溶液の濃度がさらに濃くな
り、高濃度の臭化リチウム濃溶液Y1が低圧再生器50
の底部に集められる。この臭化リチウム濃溶液Y1は、
溶液ポンプPw2により、再び吸収器20に供給され
る。
4を介して臭化リチウム中溶液Y2が供給されるととも
に、溶液ラインL25を介して溶液ラインL22から分
岐してきた臭化リチウム希溶液Y3が低圧再生器チュー
ブ51に向けて散布される。この低圧再生器50では、
低圧再生器チューブ51により溶液Y2,Y3が加熱さ
れ、冷媒の一部が蒸発して溶液の濃度がさらに濃くな
り、高濃度の臭化リチウム濃溶液Y1が低圧再生器50
の底部に集められる。この臭化リチウム濃溶液Y1は、
溶液ポンプPw2により、再び吸収器20に供給され
る。
【0033】また、凝縮器60には、冷却水ラインL4
により冷却水W2が供給される凝縮器チューブ61を配
置してある。この凝縮器60では、高圧再生器40にて
蒸発して冷媒ラインL12、低圧再生器チューブ51及
び冷媒ラインL13を介して供給されてきた冷媒蒸気r
と、低圧再生器50にて蒸発して凝縮器60側に流入し
てきた冷媒蒸気rとが、凝縮器チューブ61にて冷却凝
縮されて、冷媒(水)Rとなる。この冷媒Rは、重力及
び圧力差により、冷媒ラインL14を介して蒸発器10
に送られる。蒸発器10の底部に集められた冷媒Rは、
冷媒ポンプPw1により再び冷媒ラインL11を介して
蒸発器チューブ11に向けて散布される。
により冷却水W2が供給される凝縮器チューブ61を配
置してある。この凝縮器60では、高圧再生器40にて
蒸発して冷媒ラインL12、低圧再生器チューブ51及
び冷媒ラインL13を介して供給されてきた冷媒蒸気r
と、低圧再生器50にて蒸発して凝縮器60側に流入し
てきた冷媒蒸気rとが、凝縮器チューブ61にて冷却凝
縮されて、冷媒(水)Rとなる。この冷媒Rは、重力及
び圧力差により、冷媒ラインL14を介して蒸発器10
に送られる。蒸発器10の底部に集められた冷媒Rは、
冷媒ポンプPw1により再び冷媒ラインL11を介して
蒸発器チューブ11に向けて散布される。
【0034】なお、上述した吸収冷凍機にて、冷房運転
時には、バルブV1,V2,V3,V4は閉じており
(図では黒塗りして示している)、バルブV5,V1
1,V12,V13,V14は開いている(図では白抜
きして示している)。また、吸収冷凍機は暖房運転をす
ることもできるが、本発明には関係がないので、暖房運
転時の動作説明は割愛する。
時には、バルブV1,V2,V3,V4は閉じており
(図では黒塗りして示している)、バルブV5,V1
1,V12,V13,V14は開いている(図では白抜
きして示している)。また、吸収冷凍機は暖房運転をす
ることもできるが、本発明には関係がないので、暖房運
転時の動作説明は割愛する。
【0035】以下では、本発明に係る吸収冷凍機の特徴
的な構成について、第1の実施形態を示す図1に基づい
て詳述する。上述した吸収冷凍機において、吸収器20
の内部には水平方向に設置された吸収器チューブ(伝熱
管)21が上下左右に多数配列され、これら多数の吸収
器チューブ21によって管群Pを形成している。各吸収
器チューブ21内は、上述した冷却水ラインL3より供
給される冷却水W2が流れている。また、この吸収器2
0は、気液分離器70を介して蒸発器10と隣接してお
り、同蒸発器10内で蒸発気化して発生した冷媒蒸気r
が、気液分離器70を通過して吸収器20に流入してく
る。
的な構成について、第1の実施形態を示す図1に基づい
て詳述する。上述した吸収冷凍機において、吸収器20
の内部には水平方向に設置された吸収器チューブ(伝熱
管)21が上下左右に多数配列され、これら多数の吸収
器チューブ21によって管群Pを形成している。各吸収
器チューブ21内は、上述した冷却水ラインL3より供
給される冷却水W2が流れている。また、この吸収器2
0は、気液分離器70を介して蒸発器10と隣接してお
り、同蒸発器10内で蒸発気化して発生した冷媒蒸気r
が、気液分離器70を通過して吸収器20に流入してく
る。
【0036】本発明の構成では、上述した管群Pの上下
方向を溶液排出板23で複数段に仕切って分割し、それ
ぞれの管群毎に溶液散布管22を設置している。図1に
示す例では、管群Pが上下方向に3分割され、最上段の
管群P1と中段の管群P2との間及び中段の管群P2と
最下段管群P3との間にはそれぞれ溶液排出板23が設
置されている。溶液散布管22は、溶液ラインL21か
らそれぞれ分岐したもので、溶液ポンプPw2で圧送さ
れてきた臭化リチウム濃溶液Y1を吸収器チューブ21
へ散布するものである。溶液散布管22には、適当なピ
ッチで溶液散布孔または溶液散布ノズル(不図示)が設
けられている。なお、この溶液散布管22は、管群P
1,P2,P3に対して平面視で均等に溶液散布ができ
るようにするため、たとえば吸収器チューブ21の長手
方向に等ピッチで多数並べて設けたり、あるいは格子状
に枝管を設けるなどしてある。
方向を溶液排出板23で複数段に仕切って分割し、それ
ぞれの管群毎に溶液散布管22を設置している。図1に
示す例では、管群Pが上下方向に3分割され、最上段の
管群P1と中段の管群P2との間及び中段の管群P2と
最下段管群P3との間にはそれぞれ溶液排出板23が設
置されている。溶液散布管22は、溶液ラインL21か
らそれぞれ分岐したもので、溶液ポンプPw2で圧送さ
れてきた臭化リチウム濃溶液Y1を吸収器チューブ21
へ散布するものである。溶液散布管22には、適当なピ
ッチで溶液散布孔または溶液散布ノズル(不図示)が設
けられている。なお、この溶液散布管22は、管群P
1,P2,P3に対して平面視で均等に溶液散布ができ
るようにするため、たとえば吸収器チューブ21の長手
方向に等ピッチで多数並べて設けたり、あるいは格子状
に枝管を設けるなどしてある。
【0037】溶液排出板23は、各管群P1,P2,P
3の上部にそれぞれ設置されている溶液散布管22から
滴下した臭化リチウム濃溶液Y1が冷媒蒸気rを吸収し
て臭化リチウム希溶液Y3となったものを受けて集め、
吸収器20内の一側端部から底部に落下させる機能を有
している。このため、溶液排出板23には、出口の一辺
を除いて上向きに折曲した止水板23aを設けてある。
また、溶液排出板23は、止水板23aのない出口の一
辺側が最も低くなるように傾斜した状態で、設置されて
いる。すなわち、溶液排出板23は、臭化リチウム希溶
液Y3が下段側に位置する管群を通過することなく底部
に集まるようにするため、管群を複数に分割して仕切る
ように設けた部材である。なお、最下段の管群P3につ
いては、臭化リチウム希溶液Y3を直接底部に落下させ
ても他の管群P1,P2に何ら影響がないため、溶液排
出板23を省略することができる。
3の上部にそれぞれ設置されている溶液散布管22から
滴下した臭化リチウム濃溶液Y1が冷媒蒸気rを吸収し
て臭化リチウム希溶液Y3となったものを受けて集め、
吸収器20内の一側端部から底部に落下させる機能を有
している。このため、溶液排出板23には、出口の一辺
を除いて上向きに折曲した止水板23aを設けてある。
また、溶液排出板23は、止水板23aのない出口の一
辺側が最も低くなるように傾斜した状態で、設置されて
いる。すなわち、溶液排出板23は、臭化リチウム希溶
液Y3が下段側に位置する管群を通過することなく底部
に集まるようにするため、管群を複数に分割して仕切る
ように設けた部材である。なお、最下段の管群P3につ
いては、臭化リチウム希溶液Y3を直接底部に落下させ
ても他の管群P1,P2に何ら影響がないため、溶液排
出板23を省略することができる。
【0038】このような構成とすれば、溶液散布管22
から滴下して散布された臭化リチウム濃溶液Y1は、溶
液排出板23に分割されて上下方向が短い(低い)それ
ぞれの管群P1,P2,P3内において、吸収器チュー
ブ21を伝って降下しながら冷媒蒸気rを吸収する。こ
のため、溶液散布管22に最も近い各管群内の最上段部
と、溶液排出板23に最も近い各管群内の最下段部とを
比較した場合、臭化リチウム溶液の濃度差や温度差は上
下方向の降下距離が短縮されたことによって小さなもの
となる。換言すれば、溶液散布管22から散布された臭
化リチウム膿溶液Y1と、溶液排出板23で回収される
臭化リチウム希溶液Y3との濃度差や温度差は従来より
かなり小さなものとなる。このため、溶液散布管22に
近い各管群内上部と溶液排出管23に近い各管群内下部
との冷媒蒸気吸収能力の差が小さくなり、吸収器20全
体としての吸収能力が上下方向で均一化されるので、吸
収器20の管群Pでは吸収能力が上昇し、吸収効率の向
上に貢献することとなる。
から滴下して散布された臭化リチウム濃溶液Y1は、溶
液排出板23に分割されて上下方向が短い(低い)それ
ぞれの管群P1,P2,P3内において、吸収器チュー
ブ21を伝って降下しながら冷媒蒸気rを吸収する。こ
のため、溶液散布管22に最も近い各管群内の最上段部
と、溶液排出板23に最も近い各管群内の最下段部とを
比較した場合、臭化リチウム溶液の濃度差や温度差は上
下方向の降下距離が短縮されたことによって小さなもの
となる。換言すれば、溶液散布管22から散布された臭
化リチウム膿溶液Y1と、溶液排出板23で回収される
臭化リチウム希溶液Y3との濃度差や温度差は従来より
かなり小さなものとなる。このため、溶液散布管22に
近い各管群内上部と溶液排出管23に近い各管群内下部
との冷媒蒸気吸収能力の差が小さくなり、吸収器20全
体としての吸収能力が上下方向で均一化されるので、吸
収器20の管群Pでは吸収能力が上昇し、吸収効率の向
上に貢献することとなる。
【0039】そして、このように管群Pの吸収能力が上
昇し吸収効率が向上すると、臭化リチウム濃溶液の散布
量を低減して最適化を図ることができるので、特に下段
側に位置する吸収器チューブ21に付着する溶液の膜厚
も概ね10分の1程度まで薄くして最適化して熱交換効
率を向上させることができる。この結果、吸収器チュー
ブ21内を流れる冷却水W2による臭化リチウム溶液の
冷却(凝縮潜熱や希釈熱の除去)が促進されて低温とな
るので、冷媒蒸気rの吸収能力をさらに向上させること
ができる。
昇し吸収効率が向上すると、臭化リチウム濃溶液の散布
量を低減して最適化を図ることができるので、特に下段
側に位置する吸収器チューブ21に付着する溶液の膜厚
も概ね10分の1程度まで薄くして最適化して熱交換効
率を向上させることができる。この結果、吸収器チュー
ブ21内を流れる冷却水W2による臭化リチウム溶液の
冷却(凝縮潜熱や希釈熱の除去)が促進されて低温とな
るので、冷媒蒸気rの吸収能力をさらに向上させること
ができる。
【0040】続いて、上述した第1の実施形態の変形例
を図2に基づいて説明する。この変形例では、隣接する
管群の溶液排出板23と溶液散布管22、たとえば最上
段の管群P1から臭化リチウム希溶液Y3を回収する溶
液排出板23と中段の管群P2に臭化リチウム濃溶液Y
1を散布する溶液散布管22とを一体化してある。この
場合、溶液流路となる溶液散布管22の代わりに中空板
状部材22Aを用い、その上面を溶液排出板23として
利用している。そして、中空板状部材22Aの下面に
は、溶液散布ノズル(孔)24が適当なピッチで多数配
設されている。また、中空板状部材22Aの上面周囲に
は、傾斜により最も低くなった出口の1辺を除いて、止
水板23aが設けられている。なお、最上段の管群P1
に臭化リチウム濃溶液Y1を散布する溶液散布管につい
ては、上述した図1のものと同様の溶液散布管22を採
用してもよいし、あるいは、止水板23aを設けない中
空板状部材22Aを採用してもよい。
を図2に基づいて説明する。この変形例では、隣接する
管群の溶液排出板23と溶液散布管22、たとえば最上
段の管群P1から臭化リチウム希溶液Y3を回収する溶
液排出板23と中段の管群P2に臭化リチウム濃溶液Y
1を散布する溶液散布管22とを一体化してある。この
場合、溶液流路となる溶液散布管22の代わりに中空板
状部材22Aを用い、その上面を溶液排出板23として
利用している。そして、中空板状部材22Aの下面に
は、溶液散布ノズル(孔)24が適当なピッチで多数配
設されている。また、中空板状部材22Aの上面周囲に
は、傾斜により最も低くなった出口の1辺を除いて、止
水板23aが設けられている。なお、最上段の管群P1
に臭化リチウム濃溶液Y1を散布する溶液散布管につい
ては、上述した図1のものと同様の溶液散布管22を採
用してもよいし、あるいは、止水板23aを設けない中
空板状部材22Aを採用してもよい。
【0041】このように構成しても、上述した第1の実
施形態と同様に、中空板状部材22Aに近い各管群内上
部と溶液排出管23に近い各管群内下部との冷媒蒸気吸
収能力の差が小さくなり、吸収器20全体としての吸収
能力が上下方向で均一化される。また、中空板状部材よ
りなる溶液散布管と溶液排出板との一体化により部品点
数が低減されるので、吸収冷凍機の組立工数低減にも有
効である。
施形態と同様に、中空板状部材22Aに近い各管群内上
部と溶液排出管23に近い各管群内下部との冷媒蒸気吸
収能力の差が小さくなり、吸収器20全体としての吸収
能力が上下方向で均一化される。また、中空板状部材よ
りなる溶液散布管と溶液排出板との一体化により部品点
数が低減されるので、吸収冷凍機の組立工数低減にも有
効である。
【0042】次に、本発明による吸収冷凍機の第2の実
施形態を図3に基づいて説明する。この実施形態では、
上述した第1の実施形態と溶液散布管22の設置位置が
異なっている。すなわち、図1及び図2に示した実施形
態では、溶液散布管22あるいは中空板状部材22Aを
溶液排出板23で仕切られた各管群P1,P2,P3の
上部に設置していたが、この第2の実施形態では、各管
群の下部に設置してある。そして、臭化リチウム濃溶液
Y1を溶液散布管22から上向きに、各管群内の上部ま
で液柱や噴霧として噴出させることができるように、溶
液散布ノズルの散布形式やノズル孔の径などを選定する
と共に、必要に応じてブースターポンプPbを設置す
る。なお、ブースターポンプPbは、十分な吐出圧力を
得て噴出高さを確保するためのもので、その最適な設置
位置は、溶液ライン21における低温熱交換器30の下
流側となる。
施形態を図3に基づいて説明する。この実施形態では、
上述した第1の実施形態と溶液散布管22の設置位置が
異なっている。すなわち、図1及び図2に示した実施形
態では、溶液散布管22あるいは中空板状部材22Aを
溶液排出板23で仕切られた各管群P1,P2,P3の
上部に設置していたが、この第2の実施形態では、各管
群の下部に設置してある。そして、臭化リチウム濃溶液
Y1を溶液散布管22から上向きに、各管群内の上部ま
で液柱や噴霧として噴出させることができるように、溶
液散布ノズルの散布形式やノズル孔の径などを選定する
と共に、必要に応じてブースターポンプPbを設置す
る。なお、ブースターポンプPbは、十分な吐出圧力を
得て噴出高さを確保するためのもので、その最適な設置
位置は、溶液ライン21における低温熱交換器30の下
流側となる。
【0043】このような構成とすれば、溶液排出板23
で仕切られた各管群P1,P2,P3内において、それ
ぞれの溶液散布管22から上向きに噴出した臭化リチウ
ム濃溶液Y1がいったん上向きに管群内を通過した後、
上部より溶液散布管22を伝って溶液排出板23に落下
する。このため、臭化リチウム濃溶液Y1は、上下の往
復で冷媒蒸気rを吸収することができる。すなわち、管
群内における滞留時間が長くなり、その分冷媒蒸気rを
均一にかつ効率よく吸収することができる。もちろん、
第1の実施形態と同様に管群が上下方向に区分されてい
るので、溶液の落下距離が短くなって濃度差や温度差が
小さくなり、管群全体としての均一な冷媒蒸気吸収を可
能にし、吸収能力も向上している。
で仕切られた各管群P1,P2,P3内において、それ
ぞれの溶液散布管22から上向きに噴出した臭化リチウ
ム濃溶液Y1がいったん上向きに管群内を通過した後、
上部より溶液散布管22を伝って溶液排出板23に落下
する。このため、臭化リチウム濃溶液Y1は、上下の往
復で冷媒蒸気rを吸収することができる。すなわち、管
群内における滞留時間が長くなり、その分冷媒蒸気rを
均一にかつ効率よく吸収することができる。もちろん、
第1の実施形態と同様に管群が上下方向に区分されてい
るので、溶液の落下距離が短くなって濃度差や温度差が
小さくなり、管群全体としての均一な冷媒蒸気吸収を可
能にし、吸収能力も向上している。
【0044】さて、上述した第1及び第2の実施形態で
は、溶液散布管22を各管群P1,P2,P3毎に、管
群内の上部または下部に設置するものとして説明した
が、溶液散布管22の設置には、管群内における溶液の
均一散布という観点から種々の散布変形例が可能であ
る。以下、この散布変形例を図4に基づいて説明する。
図4(a)または(b)に示す第1及び第2の散布変形
例では、溶液散布管22から上下方向に枝管22aを設
け、同枝管22aから臭化リチウム濃溶液Y1を散布す
るようにしてある。このような溶液散布方式は、区分さ
れた後の管群上下方向寸法が大きい場合はもちろんのこ
と、特に、溶液をミスト状に散布する噴霧ノズル25を
用いる場合に有効である。
は、溶液散布管22を各管群P1,P2,P3毎に、管
群内の上部または下部に設置するものとして説明した
が、溶液散布管22の設置には、管群内における溶液の
均一散布という観点から種々の散布変形例が可能であ
る。以下、この散布変形例を図4に基づいて説明する。
図4(a)または(b)に示す第1及び第2の散布変形
例では、溶液散布管22から上下方向に枝管22aを設
け、同枝管22aから臭化リチウム濃溶液Y1を散布す
るようにしてある。このような溶液散布方式は、区分さ
れた後の管群上下方向寸法が大きい場合はもちろんのこ
と、特に、溶液をミスト状に散布する噴霧ノズル25を
用いる場合に有効である。
【0045】上述した噴霧ノズル25は、一般に粒子径
が小さくなるため、落下速度が遅くなって滞留時間を長
くとりやすいという利点を有している反面、吐出圧力を
高くしても射程を得にくいという問題がある。従って、
噴霧ノズル25から管群内に噴霧を均一に散布するため
にはその設置位置や噴霧方向を考慮する必要があり、溶
液散布管22に直接取り付けて設けることももちろん可
能ではあるが、所望の方向に分岐させた枝管22aに噴
霧ノズル25を設けることは、短い射程を補う上で特に
有効な手段となる。なお、図示の例では単に上下方向の
枝管22aを設けてあるが、この枝管22aからさらに
水平方向などに分岐する枝管を設けてもよい。
が小さくなるため、落下速度が遅くなって滞留時間を長
くとりやすいという利点を有している反面、吐出圧力を
高くしても射程を得にくいという問題がある。従って、
噴霧ノズル25から管群内に噴霧を均一に散布するため
にはその設置位置や噴霧方向を考慮する必要があり、溶
液散布管22に直接取り付けて設けることももちろん可
能ではあるが、所望の方向に分岐させた枝管22aに噴
霧ノズル25を設けることは、短い射程を補う上で特に
有効な手段となる。なお、図示の例では単に上下方向の
枝管22aを設けてあるが、この枝管22aからさらに
水平方向などに分岐する枝管を設けてもよい。
【0046】図4(c)に示す第3の散布変形例は、溶
液散布管22を管群の下部に設置したものへの適用例を
示している。この変形例では、第2の実施形態で説明し
た上向きの噴射と、枝管22aに取り付けた噴霧ノズル
25とを組み合わせて、管群内の溶液散布を均一化して
いる。なお、本明細書における「溶液の均一散布」と
は、管群内の全領域において冷媒蒸気を均一に吸収でき
るように臭化リチウム濃溶液Y1を散布することを意味
しており、従って、管群内に溶液を均一に散布すること
と必ずしも一致するものではない。
液散布管22を管群の下部に設置したものへの適用例を
示している。この変形例では、第2の実施形態で説明し
た上向きの噴射と、枝管22aに取り付けた噴霧ノズル
25とを組み合わせて、管群内の溶液散布を均一化して
いる。なお、本明細書における「溶液の均一散布」と
は、管群内の全領域において冷媒蒸気を均一に吸収でき
るように臭化リチウム濃溶液Y1を散布することを意味
しており、従って、管群内に溶液を均一に散布すること
と必ずしも一致するものではない。
【0047】上述したように、噴霧ノズル25を用いた
り、あるいは枝管22aから溶液散布を行うようにすれ
ば、管群内における滞留時間が長くなり、その分冷媒蒸
気rを均一にかつ効率よく吸収することができる。そし
て、管群が上下方向に区分されているので、溶液の落下
距離が短くなって濃度差や温度差が小さくなるので、相
乗効果によって管群全体としてより均一な冷媒蒸気吸収
を可能にし、吸収能力をより一層向上させることができ
る。
り、あるいは枝管22aから溶液散布を行うようにすれ
ば、管群内における滞留時間が長くなり、その分冷媒蒸
気rを均一にかつ効率よく吸収することができる。そし
て、管群が上下方向に区分されているので、溶液の落下
距離が短くなって濃度差や温度差が小さくなるので、相
乗効果によって管群全体としてより均一な冷媒蒸気吸収
を可能にし、吸収能力をより一層向上させることができ
る。
【0048】本発明の構成は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて適宜変更することができる。たとえば、管群Pの
分割段数や各管群内に配列される溶液散布管22の本数
については、諸条件を考慮して最適値を適宜選択する設
計事項である。また、溶液散布管22の設置位置につい
ても、必ずしも管群内の上部または下部に限定されるも
のではなく、中間位置への配置や枝管との組合せも含め
た最適位置の選択が可能である。さらに、吸収冷凍機の
構成についても図5に示した実施形態に限定されること
はなく、たとえば蒸発器及び吸収器を多段式にした構成
の吸収冷凍機において、各段毎に独立して設けられる吸
収器内の管群を上下に仕切るようにして、上述した本発
明の構成を適用することも可能である。
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて適宜変更することができる。たとえば、管群Pの
分割段数や各管群内に配列される溶液散布管22の本数
については、諸条件を考慮して最適値を適宜選択する設
計事項である。また、溶液散布管22の設置位置につい
ても、必ずしも管群内の上部または下部に限定されるも
のではなく、中間位置への配置や枝管との組合せも含め
た最適位置の選択が可能である。さらに、吸収冷凍機の
構成についても図5に示した実施形態に限定されること
はなく、たとえば蒸発器及び吸収器を多段式にした構成
の吸収冷凍機において、各段毎に独立して設けられる吸
収器内の管群を上下に仕切るようにして、上述した本発
明の構成を適用することも可能である。
【0049】
【発明の効果】上述した本発明の吸収冷凍機によれば、
以下の効果を奏する。 (1)吸収器の管群を上下に仕切り、溶液が落下しなが
ら冷媒蒸気を吸収する領域を短く設定したので、領域内
における溶液の濃度差や温度差が小さくなり、均一な吸
収が可能となる。このため、吸収冷凍機の能力に最も大
きな影響を及ぼす吸収器において管群全体としての吸収
能力が上昇するので、吸収冷凍機の能力向上に大きな効
果を奏する。また、臭化リチウム溶液の散布量を最適化
して、吸収器チューブに付着する膜厚を薄くできるの
で、溶液を低温に保つことで吸収能力をさらに向上させ
ることもできる。 (2)吸収器において管群の吸収能力が上昇するので、
必要な能力を確保しても吸収器管群容積を小さく設計す
ることが可能となる。従って、吸収冷凍機全体の小型化
を達成できる。 (3)特に大型の吸収冷凍機の場合、管群を仕切ること
で管群全体の上部から下部まで吸収能力の分布を均一化
できるため、効率がよく無駄のない最適設計が可能とな
る。
以下の効果を奏する。 (1)吸収器の管群を上下に仕切り、溶液が落下しなが
ら冷媒蒸気を吸収する領域を短く設定したので、領域内
における溶液の濃度差や温度差が小さくなり、均一な吸
収が可能となる。このため、吸収冷凍機の能力に最も大
きな影響を及ぼす吸収器において管群全体としての吸収
能力が上昇するので、吸収冷凍機の能力向上に大きな効
果を奏する。また、臭化リチウム溶液の散布量を最適化
して、吸収器チューブに付着する膜厚を薄くできるの
で、溶液を低温に保つことで吸収能力をさらに向上させ
ることもできる。 (2)吸収器において管群の吸収能力が上昇するので、
必要な能力を確保しても吸収器管群容積を小さく設計す
ることが可能となる。従って、吸収冷凍機全体の小型化
を達成できる。 (3)特に大型の吸収冷凍機の場合、管群を仕切ること
で管群全体の上部から下部まで吸収能力の分布を均一化
できるため、効率がよく無駄のない最適設計が可能とな
る。
【図1】 本発明に係る吸収冷凍機の第1の実施形態を
示す図で、吸収器の概略構成図である。
示す図で、吸収器の概略構成図である。
【図2】 図1に示した第1の実施形態の変形例を示す
吸収器の概略構成図である。
吸収器の概略構成図である。
【図3】 本発明に係る吸収冷凍機の第2の実施形態を
示す図で、吸収器の概略構成図である。
示す図で、吸収器の概略構成図である。
【図4】 第1及び第2の実施形態における散布変形例
を示す図で、(a)は第1の散布変形例、(b)は第2
の散布変形例、(c)は第3の散布変形例を示してい
る。
を示す図で、(a)は第1の散布変形例、(b)は第2
の散布変形例、(c)は第3の散布変形例を示してい
る。
【図5】 本発明に係る吸収冷凍機の概略構成を示す図
である。
である。
【図6】 従来の吸収冷凍機の内部構造に係る概要を示
す断面図である。
す断面図である。
【図7】 従来の吸収器における溶液散布の構成例を示
す図である。
す図である。
10 蒸発器 20 吸収器 21 吸収器チューブ(管群) 22 溶液散布管 22A 中空板状部材 23 溶液排出板 23a 止水板 24 溶液散布ノズル(孔) 25 噴霧ノズル 70 気液分離器 P,P1,P2,P3 管群 L21 溶液ライン Pw2 溶液ポンプ Pb ブースターポンプ Y1 臭化リチウム濃溶液 Y3 臭化リチウム希溶液 r 冷媒蒸気
Claims (7)
- 【請求項1】 蒸発器内の管群に散布した液冷媒が蒸
発してなる冷媒ガスを吸収器中の溶液に吸収溶解させ、
該吸収器を出た希薄溶液を再生器で加熱することにより
高温の高濃度溶液として再生し、この高濃度溶液を前記
吸収器へ戻すと共に、前記再生器で蒸発した冷媒ガスを
凝縮器の管群内を流れる液冷媒で冷却する吸収冷凍機に
おいて、 前記吸収器の内部に配設される伝熱管の管群を溶液排出
板で上下方向に複数段に仕切り、各段毎に溶液散布管を
設置したことを特徴とする吸収冷凍機。 - 【請求項2】 蒸発器内の管群に散布した液冷媒が蒸
発してなる冷媒ガスを吸収器中の溶液に吸収溶解させ、
該吸収器を出た希薄溶液を再生器で加熱することにより
高温の高濃度溶液として再生し、この高濃度溶液を前記
吸収器へ戻すと共に、前記再生器で蒸発した冷媒ガスを
凝縮器の管群内を流れる液冷媒で冷却する吸収冷凍機に
おいて、 前記吸収器の内部に配設される伝熱管の管群を溶液排出
板で上下方向に複数段に仕切り、各段上部にそれぞれ溶
液散布管を設置して前記溶液を滴下させたことを特徴と
する吸収冷凍機。 - 【請求項3】 前記溶液散布管を中空板状部材で構成
し、該中空板状部材の上面を前記溶液排出板として利用
したことを特徴とする請求項2に記載の吸収冷凍機。 - 【請求項4】 蒸発器内の管群に散布した液冷媒が蒸
発してなる冷媒ガスを吸収器中の溶液に吸収溶解させ、
該吸収器を出た希薄溶液を再生器で加熱することにより
高温の高濃度溶液として再生し、この高濃度溶液を前記
吸収器へ戻すと共に、前記再生器で蒸発した冷媒ガスを
凝縮器の管群内を流れる液冷媒で冷却する吸収冷凍機に
おいて、 前記吸収器の内部に配設される伝熱管の管群を溶液排出
板で上下方向に複数段に仕切り、各段下部にそれぞれ溶
液散布管を設置して前記溶液を上向きに噴出させたこと
を特徴とする吸収冷凍機。 - 【請求項5】 前記溶液をミスト状に散布する噴霧ノ
ズルを用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれ
かに記載の吸収冷凍機。 - 【請求項6】 前記噴霧ノズルが、前記溶液散布管か
ら分岐する枝管に取り付けられたことを特徴とする請求
項5に記載の吸収冷凍機。 - 【請求項7】 前記溶液散布管からの上向き噴射と前
記噴霧ノズルとを併用したことを特徴とする請求項4に
記載の吸収冷凍機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001044924A JP2002243309A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 吸収冷凍機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001044924A JP2002243309A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 吸収冷凍機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002243309A true JP2002243309A (ja) | 2002-08-28 |
Family
ID=18906826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001044924A Withdrawn JP2002243309A (ja) | 2001-02-21 | 2001-02-21 | 吸収冷凍機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002243309A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009068723A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Osaka Gas Co Ltd | 吸収冷凍機 |
JP2013253741A (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-19 | Osaka Gas Co Ltd | 吸収式冷凍機の吸収器 |
JP2020056532A (ja) * | 2018-10-02 | 2020-04-09 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器 |
WO2023080181A1 (ja) * | 2021-11-08 | 2023-05-11 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器、その運転方法及びそれを備えた冷凍装置 |
-
2001
- 2001-02-21 JP JP2001044924A patent/JP2002243309A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009068723A (ja) * | 2007-09-10 | 2009-04-02 | Osaka Gas Co Ltd | 吸収冷凍機 |
JP2013253741A (ja) * | 2012-06-07 | 2013-12-19 | Osaka Gas Co Ltd | 吸収式冷凍機の吸収器 |
JP2020056532A (ja) * | 2018-10-02 | 2020-04-09 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器 |
JP7174927B2 (ja) | 2018-10-02 | 2022-11-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器 |
WO2023080181A1 (ja) * | 2021-11-08 | 2023-05-11 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | シェルアンドチューブ式熱交換器、その運転方法及びそれを備えた冷凍装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080513 |