JP2002242909A - クイックレバー締付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、操作方法が特定されて誤作動防
止を完全に図ることのできるクイックレバー締付装置の
提供にある。 【解決手段】 外周縁に回止め係合片部６ｃとレバー係
止片部６ｂを一体に離隔接続した回止めワッシャー６を
クイックレバー締付装置１における頭部４の内側に挟持
配置して、レバー３を軸受する頭部４の回止めを行い誤
作動を防止したクイックレバー締付装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】この発明は、レバーを回転し
て頭部による締め付けが行えないようにして誤作動を防
止したクイックレバー締付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、自転車においてクイックレバーに
よる締付機構、すなわち、クイックレバーシステムは、
前後の車輪軸をフレームとの取り外し自在の取付機構
に、サドルの上下調節締付け等にと広く用いられるもの
であって、レバーを軸方向に半回転させ、締付け軸の一
端に被嵌する頭部をレバーと一体のエキセンカムにより
移動し、その頭部と締付け軸に螺合するナットとの間隔
を拡縮し、その間を締付け固持するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
クイックレバーシステムでは、前後の車輪軸の固定、サ
ドルポストの固定等を行うものであったが、ナットは手
で回すことができるようになっているから、正しい方法
は、先ず、クイックレバーを緩めた状態でナットを手で
回して仮締め位置まで締め、それから、レバーを軸方向
に半回転して本締めを行うものであった。しかし、専門
知識をもつ、サイクリスト、アマチュアロードレーサー
等は別として、このことを知らない一般ユーザーは、レ
バーをぐるぐると回転して行う不完全なナット締めを完
全な締付け状態であると錯覚を起こしてしまうものであ
った。

【０００４】この発明は、かかる観点から、レバーは、
締付け軸が回転する方向には全く回転できないように
し、レバーを軸方向に半回転して軸方向にスライドでき
るだけとし、従来の欠点である締付け誤作動を防止する
ことを目的になされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】外周縁に回止め係合片部
とレバー係止片部を一体に離隔接続した回止めワッシャ
ーをクイックレバー締付装置における頭部の内側に挟持
配置して、レバーを軸受する頭部の回止めを行い誤作動
を防止したクイックレバー締付装置にある。

【０００６】回止めワッシャーは、中心に締付け軸の嵌
入孔を開口し、外周縁に相互に離隔して、レバーの軸部
屈曲端側外周面に係合する係合溝を具えたレバー係止片
部と、被締付け部に形成された回止め凹陥部に嵌入する
回止め係合片部とを屈曲成形してもよいものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】中心に締付け軸の嵌入孔を開口
し、外周縁に相互に離隔して、レバーの軸部屈曲端側外
周面に係合する係合溝を具えたレバー係止片部と、被締
付け部に形成された回止め凹陥部に嵌入する回止め係合
片部とを屈曲成形した回止めワッシャーをクイックレバ
ー締付装置における頭部の内側に挟持配置して、レバー
を軸受する頭部の回止めを行い誤作動を防止したクイッ
クレバー締付装置。

【０００８】

【実施例】以下、この発明の誤作動を防止したクイック
レバー締付装置を実施例として示す図面により説明する
と、実施例の誤作動を防止したクイックレバー締付装置
１は、締付け軸２と、レバー３を具えた頭部４と、ナッ
ト５と、回止めワッシャー６とから構成されるものであ
る。

【０００９】前記締付け軸２は、一端を頭部４を被冠し
てスライド自在に嵌合し、その横断方向にエキセンカム
軸受孔２ａ１を開口しているピストン部２ａと、他端に
前記ナット５を螺合するネジ部２ｂとを形成して有す
る。

【００１０】前記レバー３は、レバー部３ａに対してＬ
型に屈曲した軸部３ｂを有し、その軸部３ｂは、レバー
部３ａ側を大径軸部３ｂ１に形成し、先端側を小径軸部
３ｂ２に形成し、中間を大径軸部３ｂ１の外形内におい
てエキセンカム部３ｂ３に形成して具える。

【００１１】前記頭部４は、締付け面４ａに前記締付け
軸２の一端に形成したピストン部２ａを軸方向にスライ
ド自在に嵌入するシリンダー状嵌入孔４ｂを開口し、こ
のシリンダー状嵌入孔４ｂに前記ピストン部２ａを嵌入
し、このピストン部２ａにおいて、その軸方向と横断方
向に開口したエキセンカム軸受孔２ａ１に、前記レバー
３の軸部３ｂのエキセンカム部３ｂ３を嵌合連係し、レ
バー部３ａ側の大径軸部３ｂ１を頭部４の大径軸受孔４
ｃ１に遊嵌軸受し、レバー部３ａ側の先端側の小径軸部
３ｂ２を頭部４の小径軸受孔４ｃ２に遊嵌軸受し、レバ
ー部３ａの小径軸部３ｂ２の先端外方の突出部３ｂ２１
に外止めクリップ７を係合して組み付けてなるものであ
る。

【００１２】前記回止めワッシャー６は、中心に締付け
軸２の嵌入孔６ａを開口し、外周縁に相互に離隔して、
レバー３の軸部屈曲端側外周面３ｂ４に係合する係合溝
６ｂ１を具えたレバー係止片部６ｂと、被締付け部８に
形成された回止め凹陥部８ａに嵌入する回止め係合片部
６ｃとを具えてなるものである。

【００１３】この発明の誤作動防止クイックレバー締付
装置１は、前述のように構成されるものであるから、例
えば、前車輪と後車輪を支えるフレーム９を中間で分割
した前半部９ａと後半部９ｂとを対応部で枢支し、この
枢支軸１０を中心に、例えば図３に示す展開走行状態
と、図４に示す折畳み縮小状態に回動自可能な折畳み自
転車の締付け装置に利用した場合を説明すると、後半部
９ｂの軸受筒１１に支承した締付け軸２を前半部９ａの
重合連係板１２ａ、１２ｂの前記枢支軸１０を中心とす
る弧状孔１３ａ、１３ｂに貫通し、重合連係板１２ａ、
１２ｂの両側に締付け軸２の頭部４とナット５を配置
し、フレームの前半部９ａと後半部９ｂを枢支軸１０を
中心に回動し、締付け軸２を頭部４とナット５と共に、
弧状孔１３ａ、１３ｂに沿って回動することができ、ま
た回止めワッシャー６を頭部４の内側に配置して、その
回止め係合片部６ｃを対応する重合連係板１２ａを前記
被締付け部８に相当するものとし、また、弧状孔１３ａ
を、前記回止め凹陥部８ａに相当するものとして嵌入す
ると、レバー係止片部部６ｂの係合溝６ｂ１をレバー３
の軸部３ｂに係合しているから、頭部４と連係する締付
け軸２をレバー３をもって軸回りに回転することができ
なく、どの位置でもレバー３を軸方向下側に半回転し
て、重合連係板１２ａ、１２ｂを締付け軸２の頭部４と
ナット５で挟持固定の操作を行うことができる。すなわ
ち、図６に示すフリーの位置から図７に締付け位置へ軸
方向にレバー３を半回転されると、エキセンカム部３ｂ
３が半回転して頭部４に対して締付け軸２をスライドさ
せ、頭部４とナット５との間隔を縮小し、重合連係板１
２ａ、１２ｂを挟持固定するものである。締付け力の解
放は、レバー３を前記締付け挟持固定とは反対の上方に
操作して行うことができる。

【００１４】

【発明の効果】この発明の誤作動防止クイックレバー締
付装置は、実施例のように、フレームの前半部と後半部
を展開した走行状態での挟持固定と、フレームの前半部
と後半部を枢支部を中心として展開または折曲折畳み状
態に回動する時、重合連係板の弧状孔に回止めワッシャ
ーに常時嵌入しているから、どの位置でも回り止めがな
されて、また、どの位置でも締付けることができ、その
利用範囲は広く、例えば、フレームを適宜に縮小した状
態で押し歩き移動もでき、混雑する所および狭い駐輪場
での取扱に便利である。

【００１５】よって、この発明の誤作動防止クイックレ
バー締付装置は、以上のようになるから、クイックレバ
ーの操作方法から特定されて、一般ユーザーが誤作動を
起こすことを完全に防止することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の誤作動を防止したクイックレバー締
付装置の全体斜視図である。

【図２】同じく、この発明の誤作動を防止したクイック
レバー締付装置に使用される回止めワッシャー単体の斜
視図である。

【図３】同じく、この発明の誤作動を防止したクイック
レバー締付装置を実施した折畳み自転車を展開した走行
状態の部分斜視図である。

【図４】同じく、折畳み自転車を縮小した折畳み状態の
部分斜視図である。

【図５】同じく、折畳み自転車の折畳み枢支部における
誤作動を防止するクイックレバー締付装置の配置状況の
実施例を示す一部拡大断面説明図である。

【図６】同じく、誤作動を防止したクイックレバー締付
装置の締付けた状態の一部拡大断面説明図である。

【図７】同じく、クイックレバー締付装置の緩めた状態
の一部拡大断面説明図である。

【図８】図６のＡ−Ａ線に沿う説明断面図である。

【符号の説明】

１ クイックレバー締付装置 ２ 締付け軸 ２ａ ピストン部 ２ａ１ エキセンカム軸受孔 ２ｂ ネジ部 ３ レバー ３ａ レバー部 ３ｂ 軸部 ３ｂ１ 大径軸部 ３ｂ２ 小径軸部 ３ｂ２１ 突出部 ３ｂ３ エキセンカム部 ３ｂ４ 軸部屈曲端側外周面 ４ 頭部 ４ａ 締付け面 ４ｂ シリンダー状嵌入孔 ４ｃ１ 大径軸受孔 ４ｃ２ 小径軸受孔 ５ ナット ６ 回止めワッシャー ６ａ 嵌入孔 ６ｂ レバー係止片部 ６ｂ１ 係合溝 ６ｃ 回止め係合片部 ７ 外止めクリップ ８ 被締付け部 ８ａ 回止め凹陥部 ９ フレーム ９ａ 前半部 ９ｂ 後半部 １０ 枢支軸 １１ 軸受筒 １２ａ 重合連係板 １２ｂ 重合連係板 １３ａ 弧状孔 １３ｂ 弧状孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周縁に回止め係合片部とレバー係止片
   部を一体に離隔接続した回止めワッシャーをクイックレ
   バー締付装置における頭部の内側に挟持配置して、レバ
   ーを軸受する頭部の回止めを行い誤作動を防止したクイ
   ックレバー締付装置。
2. 【請求項２】 回止めワッシャーは、中心に締付け軸の
   嵌入孔を開口し、外周縁に相互に離隔して、レバーの軸
   部屈曲端側外周面に係合する係合溝を具えたレバー係止
   片部と、被締付け部に形成された回止め凹陥部に嵌入す
   る回止め係合片部とを屈曲成形してなる請求項１のクイ
   ックレバー締付装置。