JP2002242900A - キャビテーション噴流用ノズル - Google Patents

キャビテーション噴流用ノズル

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JP2002242900A JP2001035653A JP2001035653A JP2002242900A JP 2002242900 A JP2002242900 A JP 2002242900A JP 2001035653 A JP2001035653 A JP 2001035653A JP 2001035653 A JP2001035653 A JP 2001035653A JP 2002242900 A JP2002242900 A JP 2002242900A
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廉 守中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残留応力改善性能を保持したまま水の供給量
が抑えられるようにしたウォータージェットピーニング
用のキャビテーション噴流用ノズルを提供すること。 【解決手段】 キャビテーション噴流用ノズル1に、収
束部10と高圧水加速部11、ホーン部12、それに吸
込通路13を設け、収束部10と高圧水加速部11、そ
れに吸込通路13によりエゼクタ部15が形成されるよ
うにし、エゼクタ部15の働きにより、吸込通路13か
ら環境水101が取り込まれ、供給水100に混合され
るようにしたもの。 【効果】 ポンプからノズルに供給すべき水の量が抑え
られるので、装置の小型軽量化、残留応力の高効率改善
効果が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料表面の残留応
力状態を改善して、応力腐食割れ感受性の低減と疲労強
度の向上を図るためのウォータージェットピーニング装
置に係り、特に、そのためのキャビテーション噴流用の
ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】構造体の残留応力の状態を改善して、応
力腐食割れ感受性の低減と疲労強度の向上を図るする方
法としては、従来から、小さな鋼球を気流で被加工物の
表面に吹付けるショットブラストや、砂粒を用いたサン
ドブラスト、氷粒を用いたクライオブラストなどのピー
ニング処理が広く用いられているが、近年、これらにウ
ォータージェットによるピーニング処理が加わってき
た。
【0003】ここで、このウォータージェットによるピ
ーニング処理、いわゆるウォータージェットピーニング
とは、キャビテーション発生用の噴射ノズルを用い、こ
の噴射ノズルから水中で高圧水を噴射し、そのときに発
生するキャビテーション噴流を被加工物に吹付け、被加
工物の表面及び表面近傍で崩壊するキャビテーション気
泡の崩壊圧を利用して被加工物表面層を塑性変形させ、
その表面層の残留応力を圧縮にすることにより、応力腐
食割れ、疲労等の材料特性を向上させる方法のことであ
る。
【0004】そして、このウォータージェットピーニン
グによれば、水中でピーニング処理を行うこともできる
ので、原子力プラント構造物などを対象とした表面残留
応力の改善に好適であり、近年、注目を集めているが、
例えば特開昭62−63614号、特開平7−3288
55号、特開平7−328860号、特開平8−719
19号の各公報に開示されているように、かなり早くか
ら知られていたものである。
【0005】そして、更に、このウォータージェットピ
ーニングに関しては、例えば特開平7−328858号
公報では、広範囲にキャビテーションを衝突させる方法
について、また、特開平7−328856号公報では、
気体又は気体を含む水を高圧水に供給することによりキ
ャビテーション発生効率を改善する方法について、夫々
開示している。
【0006】また、他にも、大気中で高圧水を被対象物
に衝突させる方法について開示したものとしては、特開
平7−328857号公報と特開平6−47665号公
報があり、更に、エゼクタ効果を利用して高圧水と外気
や環境水や溶剤を混合する方法については、例えば特開
平5−137764号、特開平7−43270号、特開
平10−310032号の各公報がある。
【0007】しかし、これらの開示は、何れもエゼクタ
により高圧水中に気泡を混入させることを目的とした
り、供給水に所定の量の環境水や溶剤を混合することを
目的としているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このウォー
タージェットピーニングでは、残留応力の改善に有効な
キャビテーションを発生させるため、高圧で水をノズル
から噴射させる必要があり、このため噴射ノズルには、
水の噴射を支えるための大きな反力が働くが、上記従来
技術では、この点について配慮がされておらず、このた
め、噴射ノズルを支持する機構が大掛りになってしまう
という問題があった。
【0009】また、このウォータージェットピーニング
で充分な残留応力の改善を得るためには、噴射ノズルに
多量の水を供給する必要があるが、上記従来技術では、
この点についても配慮がされておらず、このため、給水
装置が大掛りになり、ピーニング装置の全体も大掛りに
なってしまうという問題があった。
【0010】ここで、上記特開平7−328856号公
報では、キャビテーションの発生効率を向上させるため
に、キャビテーションの核となる気体、又は気体を多く
含む水を積極的に供給している。しかし、このように気
体を基に生成されたキャビテーションの崩壊圧は、高圧
の水だでで生成されるキャビテーションの崩壊圧に比べ
て小さいため、残留応力の改善には期待が持てない。
【0011】本発明の目的は、残留応力改善性能を保持
したまま水の供給量が抑えられるようにしたウォーター
ジェットピーニング用の高効率噴射ノズルを提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ウォーター
ジェットピーニングのためのキャビテーション噴流用ノ
ズルにおいて、供給水の流路の断面を減少させる収束部
と、前記収束部に連通し、供給水の流速を上昇させる高
圧水加速部と、前記高圧水加速部に連通し、ノズル周り
にある環境水を吸入し、供給水と混合して下流側に射出
するエゼクタ部と、前記エゼクタ部に連通し、環境水が
混合された供給水の流路の断面を拡大するホーン部とを
備えることによって達成される。
【0013】このとき、前記エゼクタ部を形成する吸込
通路が、前記収束部の任意位置と前記高圧水加速部の任
意位置、それに前記ホーン部の任意位置の何れかに設け
られているようにしても良く、前記エゼクタ部を形成す
る吸込通路が、ノズルの中心軸に対してらせん状をなし
て形成されているようにしても良い。
【0014】また、このとき、前記エゼクタ部を形成す
る吸込通路が、少なくとも2個、設けられているように
しても良く、前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノ
ズルの中心線に対して供給水の通流方向の上流側に倒れ
た90°以下の角度で交わるようにして形成されている
ようにしても良い。
【0015】更に、このとき、前記エゼクタ部に吸込ま
れた環境水と高圧高速環境水が混合する部分が、耐摩耗
性に優れた材料で被覆されているようにしても良く、前
記ホーン部の少なくとも一部が、耐摩耗性に優れた材料
で被覆されているようにしても良い。
【0016】同じく、このとき、前記高圧水加速部が、
流路の径が段階的に異なっている部分を有するようにし
ても良い。
【0017】換言すると、本発明では、ノズルに供給さ
れる高圧水の流速を上昇させる高圧水加速部、噴射ノズ
ル周りにある環境水を吸込んで、高圧ポンプから供給さ
れる供給水と一緒に下流に射出するエゼクタ部、ノズル
最下流部に流路断面積が徐々に拡大するホーン部を設け
た。
【0018】本発明のノズルは従来のウォータージェッ
トピーニング装置用ノズルが有する高圧水加速部と、ホ
ーン部はそのまま有しており、これにエゼクタ部を付加
し、環境水を高圧水に巻込むことにより、キャビテーシ
ョン気泡核が増殖されることになり、従って、残留応力
改善効果は従来と同等以上である。
【0019】このとき、ノズルに水を供給するためのポ
ンプの吐出圧は高くなるが、吐出流量は低減される。ま
た、ポンプ吐出量の低減により、配管の小口径化が可能
となり、配管の曲げ剛性が小さくなる。そして、このた
め、残留応力改善効果を従来と同じにすれば流量の低
減、圧力の低減が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるキャビテーシ
ョン噴流用ノズルについて、図示の実施の形態により、
詳細に説明する。図1は、本発明に係るキャビテーショ
ン噴流用ノズルの第1の実施形態で、図において、1が
キャビテーション噴流用ノズルを表わし、図の(a)はキ
ャビテーション噴流用ノズル1の側面図で、(b)は正面
図、(c)は側断面図、そして(d)はA−A線による断面図
である。
【0021】このキャビテーション噴流用ノズル1は、
収束部10と高圧水加速部11、ホーン部12、それに
吸込通路13を備えている。そして、収束部10と高圧
水加速部11、それに吸込通路13によりエゼクタ部1
5が形成されている。なお、図で、100は供給水(高
圧の水)を表わす。
【0022】そして、まず、収束部10は、導通路径が
連続的に収束された部分で、このキャビテーション噴流
用ノズル1に供給された供給水100の動圧をさらに昇
圧、加速させる働きをする。次に、高圧水加速部11
は、収束部10で昇圧、加速させた供給水100をエゼ
クタ部からホーン部12に導く働きをする。
【0023】また、ホーン部12は、高圧水加速部11
から噴射された供給水100によるジェット噴流によ
り、この噴流用ノズル1の周りにある環境水(図示して
ない)を巻込み、これら両者の間で激しい乱流を起こさ
せ、高密度なキャビテーションジェットを形成する働き
をする。
【0024】そして、エゼクタ部15は、供給水100
の流速が作り出す圧力とノズル周りの環境水の流速が作
り出す圧力の差により、環境水を吸込通路13から吸い
込む働きをする。
【0025】このため、このエゼクタ部15にある吸込
通路13は、その中心線Dが、ノズルの主軸Cと90°
以下の角度θで交わり、且つ、この角度θは、主軸Cに
おける供給水100の流れの方向と反対の方向に向かっ
て90°以下になるようにして、ノズル1に設けてあ
る。
【0026】また、この吸込通路13は、図示のよう
に、キャビテーション噴流用ノズル1の本体の外周面か
ら中心に向かって複数個、設けてあり、このとき、中心
から螺旋状に形成さされるようにしても良い。ここで、
キャビテーション生成効率と吸入効果を考慮すると、こ
の角度θの値は、40°から60°の範囲にするのが望
ましい。
【0027】次に、図2は、一般的なウォータージェッ
トピーニング装置に、キャビテーション噴流用ノズル1
を適用したシステムの概略で、キャビテーション噴流用
ノズル1は高圧ホース2を介して高圧のポンプ3の吐出
管に連通されている。
【0028】そして、高圧のポンプ3はタンク4からに
水を取り込み、所定の圧力に加圧した上で、高圧ホース
2を介してキャビテーション噴流用ノズル1に供給水1
00を供給するようになっている。ここで、101は、
キャビテーション噴流用ノズル1の周りにある環境水を
表わす。
【0029】次に、キャビテーション噴流用ノズル1内
における供給水100と環境水101の挙動について、
図3の模式図により説明する。ここで、矢印で示すよう
にして、キャビテーション噴流用ノズル1内に送り込ま
れた供給水100は、まず収束部10に導かれる。この
収束部10では、供給水100の流路(配管径)が連続的
に狭められ、流路が狭まることにより、供給水100は
収束部10内で昇圧され、高圧水加速部11を通ってホ
ーン部12に導かれる。
【0030】このとき、高圧水加速部11では、流路が
一定の断面になっているので、供給水100は加速さ
れ、ホーン部12に達すると、今度は流路が連続的に拡
がるので、加圧、加速された供給水100は、ここで急
激に減圧され、ジェット噴流となる。
【0031】このホーン部12の入り口近傍に現われる
急激な減圧により、エゼクタ部15が機能し、この結
果、矢印で示すように、環境水101が吸込通路13を
通って吸いこまれ、加速された供給水100と環境水1
01が混合される。そして、これがジェット噴流に巻込
まれて乱流が生じ、高密度なキャビテーション噴流が生
成される。
【0032】このとき、供給水100自身の減圧と、供
給水100と環境水101の界面に表れる剪断力によ
り、供給水100内で局所的に沸騰現象が生じ、キャビ
テーション20が生成される。なお、正確には、キャビ
テーションにより発生した気泡が20であるが、ここで
は、単にキャビテーション20と記載する。
【0033】また、このとき、加速された供給水100
には更に流れの乱れが生じ、この乱れがキャビテーショ
ン20の生成核となるので、供給水100中でのキャビ
テーション20の濃度が更に高められる。生成された高
密度なキャビテーション噴流は、ホーン部12を通って
噴出される。
【0034】ここで、高圧水加速部11の径を段階的に
変化させ、吸込通路13と高圧水加速部11が合体する
位置に、高圧水加速部11より径の大きいキャビテーシ
ョン混合部14を設けるようにしても良く、このことに
より、更に環境水101と供給水100の混合が活発に
なるので、キャビテーション20の生成を大きく促進さ
せることができる。
【0035】ところで、この混合部14では、キャビテ
ーション20が活発に生成されるので、これによる摩耗
を考慮して、この混合部14に耐摩耗性に優れた材料を
被覆するようにしても良い。また、このことは、ホーン
部12でも同じであるから、このホーン部12にも耐摩
耗性に優れた材料を被覆するようにしても良い。
【0036】こうしてキャビテーション噴流用ノズル1
により生成されたキャビテーション20は、供給水10
0の流れに乗り、その中の一部は対象構造物103(図
2)の表面まで到達する。このときの対象構造物103
周りの詳細模式図を図4に示す。まず、キャビテーショ
ン噴流用ノズル1により生成されたキャビテーション2
0は、内部が真空状態に極めて近い状態にある。
【0037】そこで、生成されたキャビテーション20
の一部は、途中で、21で示すように周りの水圧により
収縮され、22で示すように消滅する。一方、一部のキ
ャビテーション20は対象構造物103の表面まで到達
し、当該キャビテーション周りの局所的な噴流の力によ
り、その位置で噴流方向に押し潰され、23と24で示
すように、変形してゆく。
【0038】更に噴流の力が加わると、24で示したキ
ャビテーションは更に押し潰され、25、26で示すよ
うに、対象構造物103の表面、又は表面の近傍で崩壊
し、このとき、供給時の噴流の流速より高速度のマイク
ロジェットが噴流方向に生成され、対象構造物103を
叩いて衝撃を与え、対象構造物103表面を引延ばす方
向に塑性変形させ、塑性変形痕27を生成させる。
【0039】このようにして対象構造物103表面を引
延ばす方向に発生した塑性変形は、周辺に弾性拘束され
るため、圧縮方向にスプリングバックし、この結果、表
面層に圧縮方向の残留応力が生成されるのである。
【0040】図1の実施形態によれば、吸込通路13か
ら吸引した環境水101の分だけ供給水100の量が低
減され、供給水100と環境水101の割合(供給水/
環境水)が小さくなり、従来報告されているウォーター
ジェットピーニング装置のノズルと同程度に対象構造物
103の表面残留応力を改善しようとした場合、供給水
100の量は大幅に削減される。
【0041】すなわち、本発明によるキャビテーション
噴流用ノズル1によれば、エゼクタ部15を付加し、環
境水を供給水に巻込むようにしたので、キャビテーショ
ン気泡核が増殖され、この結果、残留応力改善効果は従
来と同等以上である。
【0042】従って、本発明によるキャビテーション噴
流用ノズル1によれば、それに水を供給するためのポン
プの吐出圧は高くなるが、吐出流量は低減され、ポンプ
吐出量の低減により、配管の小口径化が可能になるの
で、配管の曲げ剛性も小さくなる。
【0043】また、このため、残留応力改善効果が従来
と同じにしても、流量の低減と圧力の低減が図れること
になり、給水装置が大掛りになったり、ピーニング装置
の全体が大掛りになってしまう虞れがなくなる。
【0044】次に、本発明によるキャビテーション噴流
用ノズルの他の実施形態について説明する。本発明の実
施形態の場合、その吸込通路を設ける位置については、
収束部の上流側、高圧水加速部、それにホーン部の何れ
かが考えられる。
【0045】まず、図5は、吸込通路13を収束部10
の上流側に設けた場合の一実施形態で、この図5のキャ
ビテーション噴流用ノズル1でも、従来報告されている
ウォータージェットピーニング装置のノズルと比べ、キ
ャビテーションの発生効率、残留応力改善効果には影響
は与えない。
【0046】次に、図6は、図1と同じで、吸込通路1
3を高圧水加速部11に設けた場合の一実施形態で、こ
の図6のキャビテーション噴流用ノズル1の場合、上記
したように、供給水100と環境水101が混合される
位置において流れに乱れが生じるため、その周りでキャ
ビテーションが生成され、更にホーン部12でもキャビ
テーションの密度の上昇が得られることになり、この結
果、従来報告されているウォータージェットピーニング
装置のノズルに比べ、残留応力改善効果が向上する。
【0047】また、図7は、吸込通路13をホーン部1
2に取付けた場合の一実施形態で、供給水100と環境
水101が混合される位置が、ホーン部12でキャビテ
ーションが生成された後になるため、キャビテーション
生成には影響を与えず、むしろ吸込通路13からの環境
水101が噴流の流れの妨げになるため、キャビテーシ
ョン密度は低下する。
【0048】しかし、吸込通路13周りにおいて流れの
乱れに起因するキャビテーションが生成され、そのキャ
ビテーションが流れに乗って対象構造物103に噴射さ
れるため、噴射面積が、従来報告されているウォーター
ジェットピーニング装置のノズルに比べ大きくなるとい
う利点がある。
【0049】ここで、図8は、本発明によるキャビテー
ション噴流用ノズル1において、吸込通路13の取付け
位置と性能の関係を纏めた結果で、夫々特色があり、従
って、本発明の実施形態によれば、要求される種々の性
能に容易に対応できることが判る。
【0050】次に、図9は、一定時間噴射による残留応
力の改善結果を、各種のノズルについて示したもので、
ここで、直線で示した特性40は対象構造物103の初
期残留応力を表わし、曲線の特性41は従来技術(エゼ
クタ機構無)によるノズルの特性を表わしている。
【0051】そして、特性42と特性43、それに特性
44が本発明のキャビテーション噴流用ノズル1による
もので、まず、特性42は、図5に示した実施形態によ
る特性で、次に、曲線43は、図6の実施形態による特
性、そして特性44は、図7の実施形態による特性であ
る。
【0052】この図9から明らかなように、まず、図5
と図6の実施形態によれば、従来技術のノズルと同等
か、それ以上の高性能が得られることが判り、他方、図
7の実施形態の場合には、残留応力改善の点では劣るも
のの、同時に広い範囲についての残留応力改善処理が得
られることが判る。従って、この点でも、本発明の実施
形態によれば、要求される種々の性能に容易に対応でき
ることが判る。
【0053】次に、本発明によるキャビテーション噴流
用ノズル1を用いて、原子力プラント構造物の表面残留
応力を改善する例について、図10により説明する。ま
ず、原子力プラント構造物(圧力容器)の中にある上フラ
ンジ111の上に定着固定体112を取付け、その上に
ターンテーブル113を設置する。
【0054】そして、このターンテーブル113の上
に、固定用のフレーム114を介して残留応力改善装置
110を設置する。これにより、残留応力改善装置11
0は、ターンテーブル113により旋回できるようにし
て、原子力プラント構造物の内部に設置されることにな
る。
【0055】また、このとき、残留応力改善装置110
の本体には、キャビテーション噴流用ノズル1を所定の
位置に保持するためのアーム115とポール116が取
付けてあり、従って、キャビテーション噴流用ノズル1
は、ターンテーブル113の旋回と、アーム115の伸
縮及びポール116の上下昇降により、残留応力改善装
置110が設置されている上フランジ111に対して旋
回と上下昇降ができ、更にキャビテーション噴流用ノズ
ル1自体も噴射方向が変化できるように構成されてい
る。
【0056】そして、このようにキャビテーション噴流
用ノズル1を取付けることにより、原子力プラント構造
物(圧力容器)内にある冷却水をそのまま環境水101と
して、残留応力改善処理を施工することができるが、こ
のとき、本発明にかかるキャビテーション噴流用ノズル
1を適用したことにより、供給水の量が低減でき、残留
応力改善装置110全体の構造部品を軽量化することが
でき、また、高圧ホース2が従来と比較して細くなるた
め、高圧ホース2の引回し、駆動機構の軽量化が可能に
なる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、ウォータージェットピ
ーニング装置における高圧ポンプからノズルへ供給する
水を低減することができる。また、貯水タンクの小型化
が図れると共に、供給水の水量が低減し、反力が小さく
なるため、装置自体の小型化が図れる。
【0058】更に、供給水の水量が低減されるため、例
えば原子力プラント内で本装置を使用した場合、汚染さ
れた水の発生を抑制することができる。同じく、本発明
によれば、エゼクタ部を設けたことにより、ノズル内の
水の流れを複雑化し、キャビテーションの発生を活発化
することができるので、効率良く残留応力を改善するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
一実施の形態を示す説明図である。
【図2】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
適用対象となるウォータージェットピーニング装置の一
例を示す説明図である。
【図3】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
一実施の形態におけるキャビテーション生成の説明図で
ある。
【図4】被加工対象物表面近傍におけるキャビテーショ
ン挙動の説明図である。
【図5】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
第1の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
第3の実施の形態を示す断面図である。
【図8】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
特性を各実施の形態で比較して示した説明図である。
【図9】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの
性能を従来技術と比較して各実施形態毎に示した特性図
である。
【図10】本発明によるキャビテーション噴流用ノズル
を原子力プラント構造物の残留応力改善処理に適用した
場合の説明図である。
【符号の説明】
1 キャビテーション噴流用ノズル 2 高圧ホース 3 高圧ポンプ 4 供給水タンク 10 収束部 11 高圧水加速部 12 ホーン部 13 吸込通路 14 キャビテーション混合部 15 エゼクタ部 20 キャビテーション(気泡) 21 収縮キャビテーション 22 消滅キャビテーション 23〜26 変形キャビテーション 27 塑性変形痕 40 初期残留応力特性 41 従来技術のノズルによるウォータージェットピー
ニング後残留応力分布(エゼクタ機構無)特性 42 図5の実施形態によるウォータージェットピーニ
ング後残留応力分布特性 43 図6の実施形態によるウォータージェットピーニ
ング後残留応力分布特性 44 図7の実施形態によるウォータージェットピーニ
ング後残留応力分布特性 100 供給水 101 環境水 103 対象構造物 110 残留応力改善装置 111 上フランジ 112 定着固定体 113 ターンテーブル 114 フレーム 115 アーム 116 ポール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守中 廉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 吉村 敏彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 榎本 邦夫 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 日立エンジニアリングコンサルティング株 式会社 Fターム(参考) 3H079 AA15 AA23 BB10 CC19 DD03 DD16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウォータージェットピーニングのための
    キャビテーション発生用のノズルにおいて、 供給水の流路の断面を減少させる収束部と、 前記収束部に連通し、供給水の流速を上昇させる高圧水
    加速部と、 前記高圧水加速部に連通し、ノズル周りにある環境水を
    吸入し、供給水と混合して下流側に射出するエゼクタ部
    と、 前記エゼクタ部に連通し、環境水が混合された供給水の
    流路の断面を拡大するホーン部とを備えたことを特徴と
    するキャビテーション噴流用ノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、 前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、前記収束部の任
    意位置と前記高圧水加速部の任意位置、それに前記ホー
    ン部の任意位置の何れかに設けられていることを特徴と
    するキャビテーション噴流用ノズル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、 前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心軸
    に対してらせん状をなして形成されていることを特徴と
    するキャビテーション噴流用ノズル。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の発明において、 前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、少なくとも2
    個、設けられていることを特徴とするキャビテーション
    噴流用ノズル。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の発明において、 前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心線
    に対して供給水の通流方向の上流側に倒れた90°以下
    の角度で交わるようにして形成されていることを特徴と
    するキャビテーション噴流用ノズル。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の発明において、 前記エゼクタ部に吸込まれた環境水と高圧高速環境水が
    混合する部分が、耐摩耗性に優れた材料で被覆されてい
    ることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の発明において、 前記ホーン部の少なくとも一部が、耐摩耗性に優れた材
    料で被覆されていることを特徴とするキャビテーション
    噴流用ノズル。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の発明において、 前記高圧水加速部が、流路の径が段階的に異なっている
    部分を有することを特徴とするキャビテーション噴流用
    ノズル。
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JP2011185876A (ja) * 2010-03-10 2011-09-22 Toshiba Corp 沸騰水型原子炉のジェットポンプの支持構造およびジェットポンプ流量計測配管の支持構造
JP2015089533A (ja) * 2013-11-06 2015-05-11 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ウォータージェットピーニング用ノズル、ウォータージェットピーニング装置及びウォータージェットピーニング施工方法
JP2019130599A (ja) * 2018-01-29 2019-08-08 公立大学法人山陽小野田市立山口東京理科大学 超高温高圧キャビテーションを発生させる方法、物質の表面に圧縮残留応力を付与するとともに、表面の幾何学的形状、機械的特性および耐食性を変化させる方法、及び、超高温高圧キャビテーションの発生装置

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