JPH08336755A - ウォータージェットピーニング処理装置および処理方法 - Google Patents

ウォータージェットピーニング処理装置および処理方法

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Publication number
JPH08336755A
JPH08336755A JP14771795A JP14771795A JPH08336755A JP H08336755 A JPH08336755 A JP H08336755A JP 14771795 A JP14771795 A JP 14771795A JP 14771795 A JP14771795 A JP 14771795A JP H08336755 A JPH08336755 A JP H08336755A
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JP
Japan
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nozzle
water
injection port
water jet
port
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Application number
JP14771795A
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English (en)
Inventor
Kunio Enomoto
邦夫 榎本
Koichi Kurosawa
孝一 黒沢
Eisaku Hayashi
英策 林
Katsuhiko Hirano
克彦 平野
Masahiro Otaka
正廣 大高
Kazuo Amano
和雄 天野
Kazunori Satou
一教 佐藤
Tadashi Morinaka
廉 守中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水中環境でウォータージェットを用いて金属
材料表面を打撃して塑性変形させることにより圧縮残留
応力を生成し、前もって存在している残留応力を改善す
る。 【構成】 活発なキャビテーション気泡を多発させるた
めに環状階段、逆噴射口、斜流板、副噴射口を設けたノ
ズル10を使用し、整流板、伸縮機構なども付設すると
ともに、大気中でも水中と同じ環境が得られかつ、ジェ
ットが飛散しないように密閉外筒17を設けた。このノ
ズル10はホルダ25を介してX−Y−Z駆動装置26
に取付けられ、ノズル10には調整水槽34の水が高圧
ポンプ27で昇圧された高圧水2が送られ、第1副噴射
口には低圧水14がポンプ29から、または窒素ガス3
1がボンベ30から送られ、第2副噴射口9には低圧ポ
ンプ27から低圧水14が送られる。ノズル10からの
噴出流体は排水ポンプ32で排出され、排水処理装置3
3で処理される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の表面に圧縮
残留応力を生成させ、溶接等の加工により前もって存在
する引張残留応力を軽減して応力腐食、腐食、疲労、腐
食疲労等の損傷を防止するためのウォータジェットピー
ニング処理装置と当該処理装置を使用したウォータージ
ェットピーニング処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイトステンレス鋼等の金属材
料からなる機器、特に高温水中で使用される機器におい
て、その溶接近傍部で応力腐食、腐食疲労、腐食、疲労
等の損傷、特に応力腐食割れが発生する危険性が高いこ
とがよく知られている。応力腐食、腐食疲労及び疲労等
の損傷発生およびその進展に対して、引張残留応力が存
在すると、前記応力腐食、腐食疲労及び疲労等の損傷の
進展が著しく加速される。しかし、引張残留応力を圧縮
側に改善すると、これらの損傷発生や進展は大幅に抑制
され、特に、応力腐食割れを防止することが可能にな
る。
【0003】引張残留応力を圧縮に改善する手段とし
て、例えば特開昭62−63614号公報に開示されて
いる技術がある。この技術は、熱交換器等の管の内部に
挿入したピーニングヘッドの回転ノズルから高圧液体ジ
ェットを噴出し、管内面に衝突させた時に生ずる衝突圧
力によって表面層に塑性変形を生じさせて、当該表面層
に圧縮残留応力を生成させている。
【0004】上記従来技術はノズルと対象物の距離が短
い熱交換器等の管内面の残留応力を改善する方法として
は有効である。しかし、上記従来技術において効力を発
揮するためにはノズルと対象物の距離(噴射距離)を短
くすることが必須であり、噴射距離が長い場合、もしく
は噴射距離が短くとも水中噴射のように噴射速度減衰が
著しい場合には、ピーニング効果を得ることが困難とな
る。また、大気中噴射では噴射速度減衰は少なくなる
が、上記従来技術のように衝突動圧のみを用いる場合
は、噴射圧力を超高圧にすることが要求される。そのた
めにポンプ、関連機器に高性能が要求され、コストが高
くならざるを得なくなっている。
【0005】そこで、本出願人は、特開平4−3621
24号公報記載のように、ノズルから噴出された高速の
噴出水流を水中環境中で、もしくは大気中で金属材料の
表面に衝突させ、前記ノズルから噴出させた高速の噴出
水流によりキャビテーションを発生させて前記金属材料
の表面に局部的高圧分布を降伏点以上の歪みを発生させ
ることにより前記金属材料に表面圧縮残留応力を発生さ
せるようにした残留応力改善方法をすでに提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人に
よる既出願の発明を実施するに際し、処理対象に応じて
多量のキャビテーションが要求される場合がある。
【0007】本発明はこのような技術的要求に応えるた
めになされたもので、その目的は、多量のキャビテーシ
ョンによってウォータージェットピーニング処理を実行
することができるウォータジェットピーニング処理装置
を提供することにある。また、他の目的は、当該処理装
置を使用したウォータジェットピーニング処理方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に本発明では、水中と類似の環境または水中環境に高速
で噴射したウォータージェット自身が有する1次キャビ
テーション、周囲環境とウォータージェットの相互作用
で生ずる2次キャビテーション及び金属体とウォーター
ジェットの相互作用で生ずる3次キャビテーションを金
属材料表面に衝突させて崩壊させ、キャビテーション崩
壊時に生ずる超高速のマイクロジェットで金属材料表面
ピーニングして表面に圧縮残留応力を生成するものであ
り、キャビテーション発生を活発化させる。
【0009】キャビテーション発生を活発化させるため
に、主噴射ノズルのオリフィスに続く末広がり状の開口
部にキャビテーション発生巣となる階段状のステップを
設け、さらに、大気中で施工した場合でも主噴射ジェッ
トが局部的な水中環境で包まれるように、水中と類似の
環境を作る円環状の副噴射口を主噴射口の周りに設ける
と共に、その外側に外筒を設ける。また、1次キャビテ
ーション発生を活発にするために、副噴射口の1つから
キャビテーション核となる空気、窒素等の気体を吹き込
む。
【0010】具体的には上記目的は下記の第1ないし第
23の手段によって達成される。
【0011】第1の手段は、ノズルから噴出させたキャ
ビテーション気泡を包含する高速流体を金属体に衝突さ
せて、該金属体の表面層に圧縮塑性変形と圧縮残留応力
を生成させるウォータージェットピーニング処理装置に
おいて、前記ノズルの円孔オリフィスに続く末拡がり状
に開口した主噴射口の内面に凹凸を形成したことを特徴
としている。
【0012】第2の手段は、第1の手段における凹凸を
断面階段状に形成したことを特徴としている。
【0013】第3の手段は、第1および2の手段におい
て、主噴射口が開口した端面に当該主噴射口を取り囲む
ような円環状の副噴射口をさらに設けたことを特徴とし
ている。
【0014】第4の手段は、第3の手段において、前記
主噴射口内で当該主噴射口から噴射される流体の噴射方
向と対向する方向に副噴射口の開口部を開口させたこと
を特徴としている。
【0015】第5の手段は、第4の手段において、副噴
射口から噴射される流体を気体としたことを特徴として
いる。
【0016】第6の手段は、第3の手段において、副噴
射口を複数個設けたことを特徴としている。
【0017】第7の手段は、第3ないし6の手段におい
て、副噴射口から噴射される流体の噴射速度を設定する
手段を設けたことを特徴としている。
【0018】第8の手段は、第7の手段において、噴射
速度を設定する手段によって設定される速度が、主噴射
口から噴出される速度と同一の速度に設定されているこ
とを特徴としている。
【0019】第9の手段は、第7の手段において、噴射
速度を設定する手段によって設定される速度が、主噴射
口から噴出される速度とは異なる速度に設定されている
ことを特徴としている。
【0020】第10の手段は、第7の手段において、噴
射速度を設定する手段によって設定される速度が、各副
噴射口ごとに異なる速度に設定されていることを特徴と
している。
【0021】第11の手段は、第3または6の手段にお
いて、副噴射口の流路内に主噴射口の軸線と平行な案内
板を設けたことを特徴としている。
【0022】第12の手段は、第3または6の手段にお
いて、副噴射口の流路内に主噴射口の軸線に対して斜行
した案内板(斜流板)を設けたことを特徴としている。
【0023】記載のウォータージェット処理装置。
【0024】第13の手段は、第1または2の手段にお
いて、ノズルの端面の主噴射口の外周に主噴射口の軸線
に対して平行に伸縮可能な外筒を設けたことを特徴とし
ている。
【0025】第14の手段は、第3、4、11および1
2の手段において、ノズルの端面の副噴射口の開口部分
の外周に主噴射口の軸線に対して平行に伸縮可能な外筒
を設けたことを特徴としている。
【0026】第15の手段は、第13または14の手段
において、外筒に排水管に接続される排水口を設けたこ
とを特徴としている。
【0027】第16の手段は、第15の手段において、
外筒の先端縁部に処理対象金属面との間で水を封止する
封水手段を設けたことを特徴としている。
【0028】第17の手段は、第1ないし6、および第
11ないし15の手段において、さらに、ノズルを支持
する支持手段と、この支持手段を駆動して前記ノズルの
先端部を処理すべき金属面に対向させる駆動手段と、こ
の駆動手段を制御して前記先端部を処理すべき金属面の
所望の位置に移動させる移動制御手段と、前記ノズルに
高圧の流体を供給するポンプと、このポンプを駆動制御
するポンプ制御手段と、前記ポンプに流体を供給する調
整水槽とを備えていることを特徴としている。
【0029】第18の手段は、第15の手段において、
さらに、ノズルを支持する支持手段と、この支持手段を
駆動して前記ノズルの先端部を処理すべき金属面に対向
させる駆動手段と、この駆動手段を制御して前記先端部
を処理すべき金属面の所望の位置に移動させる移動制御
手段と、前記ノズルに高圧の流体を供給するポンプと、
このポンプを駆動制御するポンプ制御手段と、前記ポン
プに流体を供給する調整水槽と、前記排水口から排水す
る排水ポンプとを備えていることを特徴としている。
【0030】第19の手段は、第3、4、6、11、1
2、14、15および16の手段において、ノズルを支
持する支持手段と、この支持手段を駆動して前記ノズル
の先端部を処理すべき金属面に対向させる駆動手段と、
この駆動手段を制御して前記先端部を処理すべき金属面
の所望の位置に移動させる移動制御手段と、主噴出口に
流体を供給する第1のポンプと、副噴射口に流体を供給
する第2のポンプと、第1および第2のポンプの駆動を
制御する制御手段と、第1および第2のポンプに流体を
供給する調整水槽とを備えていることを特徴としてい
る。
【0031】第20の手段は、第15の手段において、
ノズルを支持する支持手段と、この支持手段を駆動して
前記ノズルの先端部を処理すべき金属面に対向させる駆
動手段と、この駆動手段を制御して前記先端部を処理す
べき金属面の所望の位置に移動させる移動制御手段と、
主噴出口に流体を供給する第1のポンプと、副噴射口に
流体を供給する第2のポンプと、第1および第2のポン
プの駆動を制御する制御手段と、第1および第2のポン
プに流体を供給する調整水槽と、前記排水口から排水す
る排水ポンプとを備えていることを特徴としている。
【0032】第21の手段は、第13ないし第16の手
段における外筒の先端を、処理すべき金属に当接させ、
もしくは近接させて噴射口から流体を噴出させて金属表
面を処理することを特徴としている。
【0033】第22の手段は、第15の手段における排
水口を排水管に接続し、外筒の先端を、処理すべき金属
に当接させ、もしくは近接させて噴射口から流体を噴出
させ、前記排水口から排水しながら金属表面を処理する
ことを特徴としている。
【0034】第23の手段は、第16の手段における封
水手段を処理すべき金属の表面に密着させて噴射口から
流体を噴出させ、前記排水口から排水しながら金属表面
を処理すること特徴としている。
【0035】
【作用】上述の手段によれば、水中だけでなく空気中で
施工した場合でも、ウォータージェット噴出によりキャ
ビテーション気泡の発生と成長が活発になり、かつ、副
噴射口から噴射される水流が主噴射口から噴射される水
流を包むために成長したキャビテーションの崩壊寿命が
長くなるとともに、噴流速度の減衰が少なくなる。した
がって、金属体表面で崩壊するキャビテーションの数も
多くなり、キャビテーション崩壊時のマイクロジェット
の衝突水撃力も高くなる。そのために、金属表面により
大きな圧縮残留応力が短時間に効率よく生成される。す
なわち、前記ノズルの円孔オリフィスに続く末拡がり状
に開口した主噴射口の内面に凹凸を形成することによっ
て境界層部分で噴流が剥離し、その剥離によって生じた
水泡が核となってキャビテーション気泡の量を増加さ
せ、気泡の成長が活発になる。
【0036】また、外筒を処理すべき金属に当接させ、
もしくは近接させてウォータージェットピーニング処理
を行うと、空気中の施工であっても近似的に水中での施
工と同様の状態が実現できる。その際、排水口から処理
後の水を排水することで処理条件もしくは処理状態を一
定に保持して処理することができる。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照し本発明の実施例について
詳細に説明する。
【0038】〔第1実施例〕図1は本発明の第1の実施
例に係るウォータージェットピーニング処理装置のノズ
ルを断面した説明図である。同図において、ノズル1は
円孔オリフィス1−1に続く略円錐状に開口した主噴射
口1−2の内周面に断面階段上の凹凸1−3を形成した
ものである。このノズル1には、20ないし100MP
a、好ましくは40ないし80MPa、より好ましくは
50ないし70MPaの圧力に昇圧した高圧流体として
の高圧水2を供給し、主噴射口1−2から処理すべき金
属体3の処理面3−1に向けて主ジェット4として前記
高圧水2を噴射し、衝突させる。高圧水2は円孔オリフ
ィス1−1に続く主噴射口1−2で急激に膨脹するとと
もに、主噴射口1−2の内面との接触面で流れが乱され
るために乱流相互間および乱流と主噴射口1−2との間
で流れの剪断、剥離が起こり、キャビテーション気泡5
が多量に生じる。キャビテーション気泡5は主ジェット
4により運ばれる途中で成長し、一部は消滅するが、残
りは金属体3表面の処理面3−1に衝突し、ここで崩壊
して消滅する。金属体3に衝突したキャビテーション気
泡5は圧縮されて潰れ、超高速のマイクロジェットが生
じて崩壊して消滅する。この過程で、超高速のマイクロ
ジェットにより金属体3の表面に降伏点を上回る圧力が
加えられ、塑性変形を伴った圧縮応力が誘起される。こ
の圧縮応力はキャビテーション気泡5の消滅後もそのま
ま残留する。また、キャビテーション気泡5は断熱圧縮
となり、さらに、崩壊が次々と起こると塑性変形の繰り
返しとなることにより温度が上がる。実際には、表面は
水冷却されているために直ぐ冷却されるが、表面直下の
温度が高くなり、表面の圧縮応力誘起が助長されて、残
留応力改善効果が高くなる。
【0039】〔第2実施例〕図2は第2の実施例に係る
ウォータージェットピーニング処理装置のノズルの一部
を断面した説明図である。同図において、ノズル7は、
高圧水2を噴射する円錐形状の主噴射口6を取り囲んで
円環状の第1副噴射口8および第2副噴射口9が多重に
設けられて、多重ノズルを構成しており、主噴射口6か
ら主ジェット4を速度U、第1副噴射口8から副ジェッ
ト15を速度V、第2副噴射口9から副ジェット16を
速度Wで噴射し、金属体3に衝突させてウォータージェ
ットピーニング処理を行なう。
【0040】噴射速度は、望ましくはU≧V≧Wとし、
水中に置かれた金属体3に対して水中で噴射する。この
場合、U≧V≧Wの関係を保って水中噴射すると、主噴
射口6からの主ジェット4の噴出速度Uが減速しないの
で、噴射距離が長い場合でも、噴射されたキャビーショ
ン気泡5を途中で消滅させることなく金属体3に到達さ
せることができ、これによって良好なウォータージェッ
トによる残留応力改善効果を得ることができる。U>V
>Wの関係で噴射しても、主噴射口6からの単独噴射よ
りもよい効果が得られる。この場合は、第1および第2
副噴射口8,9に送りこむ水圧を高くせずに済むので装
置構成が容易、かつ、安価にできる。また、U>Vで施
工すると、主噴射口6からの主ジェット4と第2副噴射
口9からの副ジェット15との間に剪断作用による乱流
誘起キャビテーション気泡が生ずる。そのため、主噴射
口6からのキャビテーション気泡と剪断作用による乱流
誘起キャビテーション気泡が重畳するので金属体3の表
面層の圧縮応力生成効果をより高めることができる。そ
の他、特に説明しない各部は前述の第1の実施例と同等
に構成されている。
【0041】なお、この実施例では副噴射口を第1およ
び第2の2つ設けているが、さらに多数の副噴射口を第
1および第2の副噴射口8,9と同様に設けてもよい。
【0042】〔第3実施例〕図3は第3の実施例に係る
ウォータージェットピーニング処理装置のノズルの一部
を断面した説明図である。同図において、ノズル10は
高圧水2を噴射する円錐状の主噴射口6を取り囲んで円
環状の第1副噴射口8が逆噴射口11として主噴射流に
対向するように主噴射口6の開口部内に設けられ、逆噴
射ノズルとして構成されている。なお、第2副噴射口9
は第2の実施例と同様に構成されている。
【0043】このように構成すると、逆噴射口11から
は、主噴射口6から噴射する流体と同一流体をU>Vで
噴射するか、もしくは、空気好ましくは窒素ガスをU≫
Vで噴射する。第2副噴射口9からは、第2の実施例と
同様に、主噴射口6から噴射する流体と同一流体をU>
Wで噴射し、逆噴射口11から主噴射口6の噴射流体と
同一流体をU>Vで噴射する例によれば、主噴射流と逆
噴射口11の逆噴射流が対向するので剪断作用が大とな
り、乱流誘起キャビテーション気泡が多く発生し、金属
体3の表面層の圧縮応力生成効果が高まる。また、逆噴
射口11から空気等の気体を噴射すると、キャビテーシ
ョン気泡核が供給されることとなり、金属体3の表面層
の圧縮応力生成効果をさらに高めることができる。その
他、特に説明しない各部は前述の第1および第2の実施
例と同等に構成されている。
【0044】なお、この実施例では副噴射口を逆噴射口
11と第2の副噴射口9の2つ設けているが、さらに多
数の副噴射口を逆噴射口11や第2の副噴射口9と同様
にして設けてもよい。
【0045】〔第4実施例〕図4は第4の実施例に係る
ウォータージェットピーニング処理装置のノズルを断面
した説明図、図5は図4の右側面図である。この実施例
は、第1の副噴射口8の出口に整流板12−1,12−
2,12−3,………12−nを半径方向に設けて整流
ノズル13とした例である。整流ノズル13は、円孔オ
リフィス1−1に続く円錐状に開口した主噴射口13−
2を備えた主ノズル13−1と、前記整流板12−1〜
12−nを備えた第1の副噴射口8が形成された副ノズ
ル13−3とからなり、副ノズル13−3を主ノズル1
3−1のノズルの外周に被せて連結して構成されてい
る。主ノズル13−1には高圧水2が、副ノズル13−
3には低圧水14がそれぞれ供給される。副ノズル13
−3に供給される低圧水14は、副ノズル13−3本体
部に一体的に設けられた低圧水供給路13−4を介して
供給される。
【0046】このように構成すると、整流板12により整
流されて第1の副噴射口8から噴出するジェットは副ジ
ェット15となって遠方まで勢いを維持するので、これ
に包まれる主ジェット4も高速のまま遠方まで到達可能
となる。そのため、この実施例によれば、ノズル13か
ら離れてセットされた金属体3の表面層に大きな圧縮残
留応力を生成できる。特に、ノズル13と金属体3が大
気中に置かれた場合に、整流された副ジェット15は恰
も水中で施工されたと同様な環境を主ジェット4に提供
することになる。
【0047】その他、特に説明しない各部は前述の第1
および第2の実施例と同等に構成されている。
【0048】〔第5実施例〕図6は第5の実施例に係る
ウォータージェットピーニング処理装置のノズルを断面
した説明図である。この実施例は第4の実施例における
主噴出口13−2を第1の実施例の主噴出口1−2と同
様に階段状の凹凸1−3を設けて主噴出口18−2とす
るとともに、噴射された主ジェット4と副ジェット15
を取り囲むように外筒17−1を設けた外筒付ノズル1
7としたもので、特に説明しない各部は前述の第1の実
施例および第4の実施例と同等に構成されている。
【0049】図6において、外筒17−1は、副ノズル
18−1に圧力バランサー19−1を備えた伸縮締結機
構19を介して締結され、ジェットの噴出方向に平行に
あらかじめ設定されたストローク分、可動に設定されて
いる。
【0050】このように構成された外筒付ノズル17を
金属体3表面に押し付けて施工すると、主ジェット4と
副ジェット15が金属体3に衝突している部位における
圧力およびノズル押し付け圧力に釣り合うように圧力バ
ランサー19−1が働いて、外筒付ノズル17と金属体
3の間に隙間Dが形成され、噴出したジェット水はこの
隙間Dから排出される。このようにして施工すると、水
中施工および空気中施工、何れの場合でも主ジェット4
と副ジェット15の拡散が外筒17−1によって規制さ
れるので、外筒17−1に包まれる主ジェット4と副ジ
ェット15は速度損失が低く抑えられることになり、結
果として遠方まで到達することが可能となる。そのた
め、本実施例によれば、ノズル17から離れてセットさ
れた金属体3の表面層に大きな圧縮残留応力を生成する
ことができる。
【0051】図7に示した実施例は図6に示した第5の
実施例の第1の変形例である。この変形例に係る外筒付
ノズル18は、図6の外筒17−1の先端部17−3を
絞って絞り外筒17−2としたものである。このように
変形すると、外筒先端部17−3が絞られているために
途中で損失した速度を回復し、乱流が活発になって、さ
らに圧縮残留応力生成効果を高めることができる。
【0052】図8に示した実施例は第5の実施例の第2
の変形例である。この変形例に係る外筒付ノズル18
は、図6の外筒17−1に代えて、拡大した開口部を有
する2段がまえの段付外筒17−4としたものである。
このように構成すると、段付外筒17−4の先端が第1
の副噴出口8の外縁よりも大きく開口しているために、
大気中で施工した場合に、大径の外筒17−4内に噴出
されたジェット水が溜まり、供給されるジェット水の分
だけ金属体3の表面との隙間から漏出するが、外筒17
−4内部が水で満たされるために水中で施工したと同様
な環境での施工が可能となる。したがって、大きな水槽
を必要とせずに、例えば原子炉の圧力容器、シュラウ
ド、プラントのタンク、あるいは船舶などのような大型
機器を空気中で水中と同等の環境下で施工することがで
きる。
【0053】図9に示した実施例は、図8に示した第2
の変形例をさらに変形した第5の実施例の第3の変形例
である。この変形例は、図8における外筒17−4の上
部に排水口17−5を設けるとともに、金属体3の表面
との間から漏水しないような封水機構17−6を外筒1
7の開口部17−7に設け、密封外筒ノズル20とした
もので、その他、特に説明しない各部は第5の実施例と
同等に構成されている。
【0054】このように構成すると、この密閉外筒ノズ
ル20は金属体3に封水機構17−6を介して封水状態
を保ちつつ金属体3表面に移動可能に押し付けてセット
して施工する。その際、排水口17−5を備えているた
めに小さな押し付け力で封水状態を保つことができ、前
述と同様の大型機器を大気中で施工した場合に、水中で
施工したと同等の環境下での施工が可能となるととも
に、ジェット水の飛散を防止でき、水の回収も容易とな
る。
【0055】〔第6実施例〕図10ないし図12に示し
た実施例におけるノズル21は、図4に示した第4の実
施例における円錐形の主噴射口13−2の内面を第1の
実施例における主噴射口1−2と同様に同心円の階段状
の主噴射口21−2とし、さらに、副ノズル21−3を
主ノズル21−1の溝21−4内のねじ部に螺合させて
取り付けるようにしたもので、特に説明しない各部は図
4および図5に示した第4の実施例と同等に構成され、
同等の見なせる各部には同一の参照符号を付し、重複す
る説明は省略する。
【0056】この実施例では、整流板21−5は、主ノ
ズル21−1形成部材の外周部に形成され、当該主ノズ
ル21−1の前方(図では右方)から副ノズル21−3
を挿入して上述のようにして取り付けるようになってい
る。
【0057】このように構成すると、主ノズル21−1
の主噴射口21−2における階段状の段差のそれぞれに
よって生じる活発な乱流のために主ジェットに含まれる
キャビテーション気泡が多くなり、第4の実施例よりも
さらに大きな残留応力改善効果を得ることができる。
【0058】なお、この実施例では、整流板21−5は
主ノズル21−1の軸線L(主ジェットの噴出方向)と
平行な平板状に形成されているが、図13に示すよう
に、流れを斜めに流すような斜流板21−6に代えるこ
ともできる。このようにすると、斜流状に包み込むよう
に副ジェットが形成される。
【0059】〔第7実施例〕第7の実施例を図3を参照
して説明する。この実施例は第3の実施例における(前
記第1の副噴射口8に対応する)逆噴射口11からの空
気、好ましくは窒素ガスをU≫Vの速度で噴射し、第2
の副噴射口9からは第2の実施例と同様に主噴射口6か
ら噴射する流体と同一流体をU>Wの速度で噴射する。
その他、特に説明しない各部は第3の実施例と同等に構
成されている。この例によれば、キャビテーション気泡
核が逆噴射口11から供給されることとなり、キャビテ
ーション気泡5の発生が促進され、金属体3の表面層の
圧縮応力生成効果がより高くなる。
【0060】〔第8実施例〕図14に第1ないし第7の
実施例として説明した各種のノズルを使用してウォータ
ージェットピーニング処理を行う装置の概略構成を示
す。
【0061】この実施例ではノズル本体は第3の実施例
に係る逆噴射多重ノズル10からなり、その先端部に第
5の実施例における第3の変形例である密閉外筒17を
設けたものを使用している。当該ノズル10は、ホルダ
25によって支持され、当該ホルダ25は所定の空間軌
跡で移動なX−Y−Z駆動装置26に連結される。ノズ
ル10の主噴射口6には高圧ポンプ27から高圧水供給
管路27−1を介して高圧水が供給され、第2副噴射口
9には低圧ポンプ28から低圧水供給管路28−1を介
して低圧水14が供給される。第1噴射口8には供給管
路29−1を介して低圧水14または窒素ガス31が供
給される。この場合、低圧水14はポンプによって送出
され、窒素ガス31はボンベ30から供給される。低圧
水14と窒素ガス31のいずれを供給するかは、使用ノ
ズルと施工環境によって適宜に選択される。また、排水
口17−5からは排水管路32−1が接続され、排水ポ
ンプ32によって密閉外筒17内の余剰のジェット水を
排水するようになっており、排水された水は排水処理装
置33に排出され、処理される。なお、前記高圧ポンプ
27、低圧ポンプ28およびポンプ29には調整水槽3
4から水が供給され、これらのポンプ27,28,2
9,32は総合制御装置35によって制御され、オペレ
ータの指示に応じて自動的に、もしくは手動により給排
水され、、もしくはボンベから給気される。また、前記
X−Y−Z制御装置26も前記総合制御装置35によっ
て制御される。したがって、この実施例においては総合
制御装置35がノズルの移動制御手段として、また、ポ
ンプ制御手段として機能している。
【0062】このように構成すると、噴射距離とノズル
の走行速度および横行ピッチなどをX−Y−X駆動装置
26を介して、また、噴射圧力などを各ポンプ27,2
8,29,32を介して総合制御装置35により対象と
する金属体の形状に合わせて施工時間とともにシーケン
シャルに制御することによって適正な施工条件で実施す
ることができる。
【0063】なお、上記実施例では流体として水を使用
し、水を前提として説明しているが、キャビテーション
気泡が発生する液体であれば、適用できることは言うま
でもない。
【0064】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、本発
明によれば、以下のような効果を奏する。
【0065】すなわち、ノズルの円孔オリフィスに続く
末拡がり状に開口した主噴射口の内面に凹凸を形成した
請求項1記載の発明、および、前記凹凸を断面階段状に
形成した請求項2記載の発明によれば、ノズルから噴射
したウォータージェットの乱流の度合いを大きくしてキ
ャビテーション気泡をより多く包含させることが可能に
なり、これによって、金属体表面に対する圧縮残留応力
生成効果が高く、応力腐食割れ、腐食疲労および疲労等
の損傷を効果的に防止することができ、ピーニング処理
の処理時間を短縮することができる。
【0066】主噴射口が開口した端面に当該主噴射口を
取り囲むような円環状の副噴射口をさらに備えた請求項
3記載の発明によれば、副噴射口から主噴射口と同一の
液体、例えば水を噴出させることで主噴射口から噴出さ
れた水流を外部環境から遮断することが可能となり、水
中および空気中にかかわらず、同一の水環境下で施工す
ることができる。
【0067】副噴射口の開口部を主噴射口内で当該主噴
射口から噴射される流体の噴射方向と対向する方向に開
口させた請求項4記載の発明によれば、主噴射口から噴
射される流体と副噴射行から噴射される流体の噴射方向
が逆行するので、両流体間の剪断作用によって乱流誘起
キャビテーション気泡が多量に発生し、キャビテーショ
ン気泡による金属表面の圧縮応力の生成をより効率的に
行える。
【0068】副噴射口から気体を噴射させる請求項5記
載の発明によれば、キャビテーション気泡の核を主噴射
口から噴射させ、噴出流体中に供給するので、キャビテ
ーション気泡が多量に発生し、請求項4記載の発明と同
様の効果を奏する。
【0069】副噴射口を複数個設けた請求項6記載の発
明によれば、主噴射口からの主ジェットを複数の副ジェ
ットで包み込むようにして主ジェットを噴射するので、
水環境を請求項3記載の発明よりもさらに確実に現出し
て施工することができる。
【0070】副噴射口から噴射される流体の噴射速度を
設定する手段を備えた請求項7記載の発明によれば、副
噴射口から噴射される噴射速度を設定して水環境の現出
を制御することができ、水中および空気中にかかわらず
同一の水環境下で施工することができる。
【0071】噴射速度を設定する手段によって設定され
る速度が、主噴射口から噴出される速度と同一の速度に
設定された請求項8記載の発明によれば、副噴射口と主
噴射口から同速で液体を噴出させて水環境を現出するこ
とができる。
【0072】噴射速度を設定する手段によって設定され
る速度が、主噴射口から噴出される速度とは異なる速度
に設定された請求項9記載の発明によれば、副噴射口と
主噴射口との間の噴射速度を変えて、処理装置および処
理面の状況に応じて任意に水環境を現出させることがで
きる。
【0073】噴射速度を設定する手段によって設定され
る速度が各副噴射口ごとに異なる速度に設定された請求
項10記載の発明によれば、水環境の現出に際して副噴
射口からの噴出速度を制御し、処理装置および処理面の
状況に応じて任意に水環境を現出させることができる。
その際、副噴射口から噴射させる速度が外周側ほど低速
にすることによって噴出させるための装置が簡単にな
り、装置全体のコストを低減することができる。
【0074】副噴射口の流路内に主噴射口の軸線と平行
に案内板を設けた請求項11記載の発明によれば、整流
板によって流れが整えられて噴射するので、副ジェット
が遠方まで噴射速度を維持することが可能になり、これ
によって主ジェットも高速のまま遠方まで到達すること
ができ、離れた位置からのウォータージェットピーニン
グ処理が可能になる。
【0075】副噴射口の流路内に主噴射口の軸線に対し
て斜行した案内板を設けた請求項12記載の発明によれ
ば、請求項11記載の発明の効果に加えて、案内板が斜
行し、旋回流を主ジェットの外周に生じさせるので、両
者間の剪断作用によってキャビテーション気泡の発生を
多くすることができる。
【0076】ノズルの端面であって、主噴射口の外周に
主噴射口の軸線に対して平行に伸縮可能な外筒を備えた
請求項13記載の発明によれば、外筒によって主噴射口
から噴射される主ジェットをあたかも水槽内と同等の水
環境下に置くことが可能となり、空気中でも水中におけ
る水環境と同等の環境で施工することができる。
【0077】ノズルの端面であって、副噴射口の開口部
分の外周に前記主噴射口の軸線に対して平行に伸縮可能
な外筒を備えた請求項14記載の発明によれば、外筒の
先端を処理対象となる金属面に押し当てて処理すると、
処理後の水の圧力によって外筒が若干後退し、外筒の端
面と金属面との間の隙間から処理水が漏出するので、外
部に水が飛び散ることなく水中と同等の水環境下で施工
することができる。
【0078】外筒に排水管に接続される排水口を設けた
請求項15記載の発明によれば、処理後の水は排水口か
ら外部に導かれるので、外部に飛び散ることなく排出し
て水中と同等の水環境下で施工することができる。
【0079】外筒の先端縁部に処理対象金属面との間で
水を封入する封水手段を設けた請求項16記載の発明に
よれば、確実に金属面との間で封水が行えるので、外部
漏水を確実に抑えて施工することができる。
【0080】請求項17記載の発明によれば、支持手段
によってノズルを支持させ、制御手段を介して制御され
る駆動手段によってノズルの先端部を処理すべき金属面
に対向させ、ポンプ制御手段を介して制御されるポンプ
によって主噴射口からキャビテーション気泡を含む主ジ
ェットを噴出させて金属面に衝突させるので、キャビテ
ーション気泡の崩壊に伴う圧力によって金属面に所望の
圧縮残留応力を短時間で生じさせることができる。
【0081】請求項18記載の発明によれば、請求項1
7記載の発明に加えて外筒の排水口から排水ポンプによ
って処理後の水を回収することができるので、水を外部
に飛散させることなく請求項17記載の発明と同等の効
果を奏することができる。
【0082】請求項19記載の発明によれば、ポンプ制
御手段を介して制御される第1および第2のポンプによ
って主噴射口および副噴射口から流体を噴出させ、主噴
射口から噴射される主ジェットと副噴射口から噴射され
る副ジェットとの間の剪断作用によって主ジェットに多
量のキャビテーション気泡を発生させて金属面に衝突さ
せるので、キャビテーション気泡の崩壊に伴う圧力によ
って金属面に所望の圧縮残留応力を短時間で生じさせる
ことができる。その際、副ジェットによって主ジェット
を包み込むようにして噴出させるので、水環境下と同等
の環境下で処理することができる。
【0083】請求項20記載の発明によれば、請求項1
9記載の発明に加えて外筒の排水口から排水ポンプによ
って処理後の水を回収することができるので、水を外部
に飛散させることなく請求項19記載の発明と同等の効
果を奏することができる。
【0084】ウォータージェットピーニング処理装置の
外筒の先端を、処理すべき金属に当接させ、もしくは近
接させて噴射口から流体を噴出させて金属表面を処理す
る請求項21記載の発明によれば、キャビテーション気
泡を多量に含んだ主ジェットによって処理対象となる金
属面に短時間で効率的に残留圧縮応力を生じさせること
ができる。
【0085】排水口を排水管に接続し、外筒の先端を、
処理すべき金属に当接させ、もしくは近接させて噴射口
から流体を噴出させ、前記排水口から排水しながら金属
表面を処理する請求項22記載の発明によれば、処理後
の水を排水口から回収しながら処理することができるの
で、空気中でも処理水を飛散させることなく水中におけ
る水環境と同等の環境下での処理が可能となる。
【0086】封水手段を処理すべき金属の表面に密着さ
せて噴射口から流体を噴出させ、排水口から排水しなが
ら金属表面を処理する請求項23記載の発明によれば、
処理後の水を外部に漏出することも飛散させることもな
く、処理後の水を排水口から回収しながら処理すること
ができるので、空気中でも水中における水環境と同等の
環境下での処理が可能となる。これにより、例えば原子
炉の圧力容器、シュラウド、プラントのタンク、船舶な
どの大型建造物の溶接部分のウォーターピーニング処理
を空気中で効率良く行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る階段状開口ノズル
の噴射状態を示す図である。
【図2】第2の実施例に係る多重ノズルの噴射状態を示
す図である。
【図3】第3の実施例に係る逆噴射ノズルの噴射状態を
示す図である。
【図4】第4の実施例に係る整流ノズルの噴射状態を示
す図である。
【図5】図4の整流ノズルを噴射口側からみた側面図で
ある。
【図6】第5の実施例に係る外筒付ノズルの噴射状態を
示す図である。
【図7】第5の実施例の第1の変形例に係る外筒付ノズ
ルの噴射状態を示す図である。
【図8】第5の実施例の第2の変形例に係る段付外筒付
ノズルの噴射状態を示す図である。
【図9】第5の実施例の第3の変形例に係る密封外筒付
ノズルの噴射状態を示す図である。
【図10】第6の実施例に係る整流板付階段状開口ノズ
ルの縦断面図である。
【図11】図10の整流板付階段状開口ノズルを噴射口
側から見た側面図である。
【図12】図10の整流板付階段状開口ノズルの主ノズ
ル部分の一部を断面した正面図である。
【図13】第6の実施例の第1の変形例に係る主ノズル
部分の一部を断面した正面図である。
【図14】本発明の実施例に係るウォータージェットピ
ーニング処理装置のシステム構成を示す図である。
【符号の説明】
1 階段状開口ノズル 1−1 円孔オリフィス 1−2 階段状開口部 3 金属体 4 主ジェット 5 キャビテーション気泡 6 主噴射口 7 多重ノズル 8 第1副噴射口 9 第2副噴射口 10 逆噴射多重ノズル 11 逆噴射口 12,21−4 整流板 13 整流ノズル 15,16 副ジェット 17,18 外筒付ノズル 17−1,17−2,17−4 外筒 17−5 排水口 17−6 封水機構 19 伸縮締結機構 20 密閉外筒ノズル 21 ノズル 21−5 斜流板 25 ホルダ 26 X−Y−Z駆動装置 27 高圧ポンプ 28,29,32 ポンプ 30 ボンベ 35 総合制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 英策 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 平野 克彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大高 正廣 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 天野 和雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐藤 一教 広島県呉市宝町3番36号 バブコツク日立 株式会社呉研究所内 (72)発明者 守中 廉 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルから噴出させたキャビテーション
    気泡を包含する高速流体を金属体に衝突させて、該金属
    体の表面層に圧縮塑性変形と圧縮残留応力を生成させる
    ウォータージェットピーニング処理装置において、前記
    ノズルの円孔オリフィスに続く末拡がり状に開口した主
    噴射口の内面に凹凸が形成されていることを特徴とする
    ウォータージェットピーニング処理装置。
  2. 【請求項2】 前記凹凸が、断面階段状に形成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のウォータージェッ
    トピーニング処理装置。
  3. 【請求項3】 ノズルから噴出させたキャビテーション
    気泡を包含する高速流体を金属体に衝突させて、該金属
    体の表面層に圧縮塑性変形と圧縮残留応力を生成させる
    ウォータージェットピーニング処理装置において、前記
    ノズルの円孔オリフィスに続く末拡がり状に開口した主
    噴射口が開口した端面に当該主噴射口を取り囲むような
    円環状の副噴射口をさらに備えていることを特徴とする
    請求項1または2に記載のウォータージェットピーニン
    グ処理装置。
  4. 【請求項4】 前記副噴射口の開口部が前記主噴射口内
    で、当該主噴射口から噴射される流体の噴射方向と対向
    する方向に開口していることを特徴とする請求項3に記
    載のウォータージェットピーニング処理装置。
  5. 【請求項5】 前記副噴射口から噴射される流体が気体
    であることを特徴とする請求項4に記載のウォータージ
    ェットピーニング処理装置。
  6. 【請求項6】 前記副噴射口が複数個設けられているこ
    とを特徴とする請求項3に記載のウォータージェットピ
    ーニング処理装置。
  7. 【請求項7】 前記副噴射口から噴射される流体の噴射
    速度を設定する手段を備えていることを特徴とする請求
    項4ないし6のいずれか1に記載のウォータージェット
    ピーニング処理装置。
  8. 【請求項8】 前記噴射速度を設定する手段によって設
    定される速度が、前記主噴射口から噴出される速度と同
    一の速度に設定されていることを特徴とする請求項7に
    記載のウォータージェットピーニング処理装置。
  9. 【請求項9】 前記噴射速度を設定する手段によって設
    定される速度が、前記主噴射口から噴出される速度とは
    異なる速度に設定されていることを特徴とする請求項7
    に記載のウォータージェットピーニング処理装置。
  10. 【請求項10】 前記噴射速度を設定する手段によって
    設定される速度が各副噴射口ごとに異なる速度に設定さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載のウォーター
    ジェットピーニング処理装置。
  11. 【請求項11】 前記副噴射口の流路内に主噴射口の軸
    線と平行な案内板を設けたことを特徴とする請求項3ま
    たは6に記載のウォータージェットピーニング処理装
    置。
  12. 【請求項12】 前記副噴射口の流路内に主噴射口の軸
    線に対して斜行した案内板を設けたことを特徴とする請
    求項3または6に記載のウォータージェットピーニング
    処理装置。
  13. 【請求項13】 前記ノズルの端面であって、主噴射口
    の外周に主噴射口の軸線に対して平行に伸縮可能な外筒
    を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載
    のウォータージェットピーニング処理装置。
  14. 【請求項14】 前記ノズルの端面であって、副噴射口
    の開口部分の外周に前記主噴射口の軸線に対して平行に
    伸縮可能な外筒を備えていることを特徴とする請求項
    3、4、11および12のいずれか1に記載のウォータ
    ージェットピーニング処理装置。
  15. 【請求項15】 前記外筒に排水管に接続される排水口
    が設けられていることを特徴とする請求項13または1
    4に記載のウォータージェットピーニング処理装置。
  16. 【請求項16】 前記外筒の先端縁部に処理対象金属面
    との間で水を封止する封水手段を設けたことを特徴とす
    る請求項15記載のウォータージェットピーニング処理
    装置。
  17. 【請求項17】 前記ノズルを支持する支持手段と、こ
    の支持手段を駆動して前記ノズルの先端部を処理すべき
    金属面に対向させる駆動手段と、この駆動手段を制御し
    て前記先端部を処理すべき金属面の所望の位置に移動さ
    せる移動制御手段と、前記ノズルに高圧の流体を供給す
    るポンプと、このポンプを駆動制御するポンプ制御手段
    と、前記ポンプに流体を供給する調整水槽とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、1
    1、12、13、14、15および16のいずれか1に
    記載のウォータージェットピーニング処理装置。
  18. 【請求項18】 前記ノズルを支持する支持手段と、こ
    の支持手段を駆動して前記ノズルの先端部を処理すべき
    金属面に対向させる駆動手段と、この駆動手段を制御し
    て前記先端部を処理すべき金属面の所望の位置に移動さ
    せる移動制御手段と、前記ノズルに高圧の流体を供給す
    るポンプと、このポンプを駆動制御するポンプ制御手段
    と、前記ポンプに流体を供給する調整水槽と、前記排水
    口から排水する排水ポンプとを備えていることを特徴と
    する請求項15に記載のウォータージェットピーニング
    処理装置。
  19. 【請求項19】 前記ノズルを支持する支持手段と、こ
    の支持手段を駆動して前記ノズルの先端部を処理すべき
    金属面に対向させる駆動手段と、この駆動手段を制御し
    て前記先端部を処理すべき金属面の所望の位置に移動さ
    せる移動制御手段と、主噴出口に流体を供給する第1の
    ポンプと、副噴射口に流体を供給する第2のポンプと、
    第1および第2のポンプの駆動を制御する制御手段と、
    第1および第2のポンプに流体を供給する調整水槽とを
    備えていることを特徴とする請求項3、4、6、11、
    12、14、15および16のいずれか1に記載のウォ
    ータージェットピーニング処理装置。
  20. 【請求項20】 前記ノズルを支持する支持手段と、こ
    の支持手段を駆動して前記ノズルの先端部を処理すべき
    金属面に対向させる駆動手段と、この駆動手段を制御し
    て前記先端部を処理すべき金属面の所望の位置に移動さ
    せる移動制御手段と、主噴出口に流体を供給する第1の
    ポンプと、副噴射口に流体を供給する第2のポンプと、
    第1および第2のポンプの駆動を制御する制御手段と、
    第1および第2のポンプに流体を供給する調整水槽と、
    前記排水口から排水する排水ポンプとを備えていること
    を特徴とする請求項15に記載のウォータージェットピ
    ーニング処理装置。
  21. 【請求項21】 請求項13ないし16のいずれか1に
    記載のウォータージェットピーニング処理装置の外筒の
    先端を、処理すべき金属に当接させ、もしくは近接させ
    て噴射口から流体を噴出させて金属表面を処理すること
    を特徴とするウォータージェットピーニング処理方法。
  22. 【請求項22】 請求項15記載のウォータージェット
    ピーニング処理装置の排水口を排水管に接続し、外筒の
    先端を、処理すべき金属に当接させ、もしくは近接させ
    て噴射口から流体を噴出させ、前記排水口から排水しな
    がら金属表面を処理することを特徴とするウォータージ
    ェットピーニング処理方法。
  23. 【請求項23】 請求項16記載のウォータージェット
    ピーニング処理装置の封水手段を処理すべき金属の表面
    に密着させて噴射口から流体を噴出させ、前記排水口か
    ら排水しながら金属表面を処理すること特徴とするウォ
    ータージェットピーニング処理方法。
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