JP2007044856A - 被処理物への穿孔方法およびそのための装置 - Google Patents

被処理物への穿孔方法およびそのための装置 Download PDF

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Abstract

【課題】環境圧力が高くても、簡易な構成で大きな動力を要さずにパーフォレーションを好適に行うことを可能とする穿孔方法と、この方法に好適に利用可能な装置を提供する。
【解決手段】被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行う穿孔方法であって、混合室内に液体を噴射して混合室内の圧力を低下させることにより混合室内に研磨材および気体を吸引し、気体を伴いかつ研磨材を含む液流を一つのノズル開口から噴射して穿孔する工程を有する穿孔方法。この方法に用いる穿孔用ジェットノズル。この穿孔用ジェットノズルを備える穿孔用ノズルシステムおよび穿孔装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、高水圧環境下における鋼管内部からの鋼管側壁への穿孔などに好適な穿孔方法およびそのための装置に関する。
水溶性天然ガスの生産井や還元井及びそれらの廃坑時における処理として、パーフォレーションを挙げることができる。パーフォレーションは、各種坑井作業のために行うケーシングの側壁への穿孔処理である。
特許文献1には、研磨材(アブレシブ)を含む液体をノズルから噴射するアブレシブジェットを利用したパーフォレーションに好適な技術が記載される。
また特許文献2には、水中における切削能力の減衰を抑えるために、アブレシブジェットを噴射する噴射孔を備えた内管と、内管の外周囲を覆いエアージェットを噴射する噴射孔を備えた外管とからなるアブレシブジェット噴射ノズルにより、アブレシブジェットの周辺からエアージェットを噴射し、アブレシブジェットの外周囲をエアージェットで被ったアブレシブジェットにより被切削物を切削することが開示される。
特開2005−103651号公報 特開平11−123661号公報
特許文献1記載の技術によれば、坑井において環境圧力下で鋼管に対して効果的に穿孔処理を行うことができる。しかし、坑井のより一層深い位置において、すなわちより高い環境圧力において、パーフォレーションを好適に行うことのできる技術が求められていた。
特許文献2記載の技術によれば、外管からエアージェットを噴射することにより、水中における切削能力の減衰を抑えることができる。しかし、外管側すなわちエアーにも環境水圧がそのままかかるため、エアーが環境水圧を超える圧力を有することが必要であり、特に環境圧力が高い場合には、エアーの昇圧のために大がかりな装置および大きな動力を必要とする。
本発明の目的は、環境圧力が高い場合であっても、簡易な構成で、大きな動力を要さずに、パーフォレーションを好適に行うことを可能とする穿孔方法を提供することである。
本発明の別の目的は、このような穿孔方法に好適に利用することのできる穿孔用ジェットノズル、穿孔用ノズルシステムおよび穿孔装置を提供することである。
本発明によれば、被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔用ジェットノズルであって、
該研磨材を含む液流を噴射するための第一のノズル流路;
該第一のノズル流路に連通する混合室;
該混合室内に液体を噴射するための第二のノズル流路;
該第二のノズル流路に該液流のための液体を供給するための液体供給路;
該液体供給路に液体を導入するための液体導入口;
該混合室に研磨材を供給するための研磨材供給路;
該研磨材供給路に研磨材を導入するための研磨材導入口;
該混合室に気体を供給するための気体供給路;および、
該気体供給路に気体を導入するための気体導入口
を少なくとも有し、
該第二のノズル流路が、液体の噴射によって前記研磨材供給路からの研磨材の前記混合室内への供給と前記気体供給路からの気体の前記混合室内への供給を行うための混合室内の圧力低下を発生させるとともに、前記第一のノズル流路から研磨材を含む液体を気体とともに噴射し得る位置に配置された穿孔用ジェットノズルが提供される。
上記穿孔用ジェットノズルにおいて、前記研磨材供給路が、U字状部を有することが好ましい。
上記穿孔用ジェットノズルにおいて、前記気体供給路の混合室への開口位置が、前記研磨材供給路の混合室への開口位置より、液体の流れ方向について下流に配されることが好ましい。
上記穿孔用ジェットノズルにおいて、前記研磨材供給路が、前記混合室への研磨材の供給方向と前記第二のノズル流路からの液体噴射方向とが鋭角もしくは垂直をなすよう該混合室に接続され、
前記気体供給路が、該混合室への気体の供給方向と前記第二のノズル流路からの液体噴射方向とが鋭角もしくは垂直をなすよう該混合室に接続される
ことが好ましい。
上記穿孔用ジェットノズルにおいて、キャビテーション係数が0.05以上の環境において穿孔可能とすることができる。
本発明により、被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔用ノズルシステムであって、
上記の穿孔用ジェットノズル;
該穿孔用ジェットノズルに供給される研磨材を貯溜する研磨材タンク;
該研磨材タンクから前記研磨材導入口へ研磨材を送る研磨材流路;および、
該穿孔用ジェットノズルを固定するための固定手段
を有する穿孔用ノズルシステムが提供される。
上記穿孔用ノズルシステムにおいて、前記研磨材流路に、研磨材流量を調節するためのゴム製の絞りを備えることが好ましい。
上記穿孔用ノズルシステムにおいて、前記研磨材タンクが、外部と連通する開口を有することが好ましい。
上記穿孔用ノズルシステムにおいて、さらに、前記気体を貯溜するガスボンベを備えることができる。
上記穿孔用ノズルシステムにおいて、前記ガスボンベがレギュレータを備え、
該レギュレータが、前記液体供給路に導入される液体と同じ液体によって駆動されるピストンによって駆動されることが好ましい。
本発明により、被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔装置であって、
上記の穿孔用ジェットノズル;
該穿孔用ジェットノズルを固定する固定手段;
該穿孔用ジェットノズルに研磨材を供給する研磨材供給手段;
該穿孔用ジェットノズルに該液流のための液体を供給する液体供給手段;および、
該穿孔用ジェットノズルに前記気体を供給する気体供給手段
を有する穿孔装置が提供される。
上記穿孔装置において、前記研磨材供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルと一体化、または穿孔用ジェットノズルに近接して設けられた研磨材タンクを有することができる。
上記穿孔装置において、前記気体供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルと一体化、または穿孔用ジェットノズルに近接して設けられたボンベを有することができる。
上記穿孔装置において、前記被処理物が坑井のケーシングを構成する鋼管であり、
前記研磨材供給手段、前記液体供給手段および前記気体供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルが該鋼管内に挿入された際に、該鋼管内の穿孔用ジェットノズルに地上からそれぞれ研磨材、液体及び気体を供給し得る構成を有することができる。
本発明により、被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行う穿孔方法であって、
混合室内に液体を噴射して混合室内の圧力を低下させることにより該混合室内に研磨材および気体を吸引し、気体を伴いかつ研磨材を含む液流を一つのノズル開口から噴射して穿孔する工程を有する穿孔方法が提供される。
上記穿孔方法において、前記ノズル開口が、上記の穿孔用ジェットノズルの第一のノズル流路の開口であることが好ましい。
本発明によれば、環境圧力が高い場合であっても、簡易な構成で、大きな動力を要さずに、パーフォレーションを好適に行うことを可能とする穿孔方法が提供される。
また本発明によれば、このような穿孔方法に好適に利用することのできる穿孔用ジェットノズル、穿孔用ノズルシステムおよび穿孔装置が提供される。
本発明の穿孔方法では、混合室内に液体を噴射して混合室内に圧力低下を発生させることにより混合室内に研磨材および気体を吸引し、気体を伴いかつ研磨材を含む液流を一つのノズル開口から噴射し、噴射された液流を被処理物に当てて穿孔する。
本発明において穿孔の対象とする被処理物の材質は、鋼などの金属であってもよく、塩化ビニルなどの樹脂、またガラス繊維などで強化された強化プラスチックなどであってもよい。本発明によれば高い穿孔能力を得ることができるので、金属製の被処理物において本発明の効果は顕著である。また、被処理物の形状は、管状、特には円管状が代表的であるが、その限りではなく、板状などであってもよい。被処理物の代表例として、坑井などに用いられる鋼管を挙げることができる。
本発明は穿孔に利用されるが、穿孔する位置を移動させて被処理物を切断することが可能であるので、本発明において穿孔は切断を含む概念である。
以下、被処理物が鋼管である場合を例に、本発明について説明する。
鋼管を穿孔するために、鋼管内部に挿入配置した穿孔用ジェットノズルの一つのノズル開口から、研磨材が液体に混合されさらに気体を伴った液流を噴射させ、このジェット噴射を鋼管の所定位置の内壁に衝突させることができる。穿孔用ジェットノズルが複数のノズル開口を有し、それぞれのノズル開口から気体を伴い研磨材を含む液流を噴射してもよい。複数の穿孔用ジェットノズルを用いて穿孔することもできる。
研磨材を含む液流に使用する液体としては、通常は水が利用される。穿孔処理を行う場所やそこに充満している液体の種類などに応じて、噴射する液体は水以外(充満している液体と同じ液体など)に設定することも可能である。
研磨材としては、鋼管の管壁に孔を開けるために利用できるものであればよく、例えばガーネット粉末、あるいはそれと同等の硬度を有するものなどが好ましく利用できる。なお、研磨材の平均粒径(直径)は、高い穿孔能力を得ることと、ノズル内部およびノズル開口部の寸法上の兼ね合い等の観点から、例えば0.1mm〜0.6mm程度であればよい。
上記気体としては、入手容易性から空気や窒素ガス等が好ましいが、他のガスを適宜用いることもできる。大量のガスを小容積のボンベに収容可能とする観点から、HFC−134a等の、加圧により常温で液化可能な気体を用いることも好ましい。
図1に穿孔用ジェットノズルの一例を示す。図1(a)は斜視図、(b)はA−A'断面における断面図、(c)はB−B'断面における断面図である。
例えば、穿孔用ジェットノズルは坑井の鋼管ケーシング内に挿入され、鋼管の内壁に研磨材を含む液流(アブレシブジェット)が当たるように配置される。図1の紙面上下方向は、このような利用状況における鉛直上下方向と一致する。
この穿孔用ジェットノズルは2つのノズル流路を複合的に用いた構造を有する。具体的には、アブレシブジェットを噴射するための第一のノズル流路1a(第一のノズル流路の開口1bは鋼管の内壁へ向けて開口する)を有する第一のノズル(アブレシブノズル)1;第一のノズル流路に連通する混合室3;アブレシブジェットを形成するために用いられる液体を混合室内に噴射するための第二のノズル流路2a(第二のノズル流路の開口2bは、混合室に開口する)を有する第二のノズル2;第二のノズル流路に上記液体を供給する液体供給路4;液体供給路に上記液体を導入する液体導入口5;混合室に研磨材を供給するための研磨材供給路6;研磨材供給路に研磨材を導入する研磨材導入口7;混合室に気体を供給するための気体供給路8;および、気体供給路に気体を導入する気体導入口9が、ノズル本体10に設けられる。
第二のノズル流路2aから水等の液体が噴射される。第二のノズル流路の配置は、この液体噴射によって、研磨材供給路6から混合室3内への研磨材供給と気体供給路8から混合室3内への気体供給を行うための圧力低下によるアスピレーター作用を発生させるとともに、第一のノズル流路1aから研磨材を含む液体を気体とともに噴射し得る位置とされる。
このような構成によって、第二のノズル流路からの液体噴射(液体が水である場合はウォータージェット)によるアスピレーター作用によって、研磨材および気体が吸引され、第一のノズル流路から、アブレシブジェットが気体を伴って噴出される。
上記圧力低下は、アスピレーター作用を得るために環境圧力未満に低下させる。圧力低下幅が大きい程、強いアスピレーター作用が得られると言う観点から、混合室内の気圧が大気圧程度まで低下することが好ましく、大気中でも容易に研磨材を吸引する効果が得られるという観点から、大気圧未満まで圧力低下することがより好ましい。
アブレシブジェットが気体を伴うことにより、穿孔用ジェットノズルが高圧の液体環境下で使用される場合の切削能力の減衰を抑えることができる。しかも、研磨材のみならず気体も混合室において吸引されるので、高圧の液体環境下で使用される場合であっても、気体を環境圧力を超える圧力に加圧して穿孔用ジェットノズルに供給する必要はない。従って、気体の昇圧のために大がかりな設備や大きな動力を必要としない。また、一つの混合室において研磨材と気体を吸引でき、ノズルの構造自体がシンプルである。
気体供給路8の混合室への開口位置が、研磨材供給路6の混合室への開口位置より、液体の流れ方向(噴射方向)について、下流であることが好ましい。これにより、第二のノズル流路2aから噴出される液体噴射に先ず研磨材が吸引され、次いで気体が吸引される。その結果、第一のノズル流路から外部に噴射される噴流は、概略、研磨材を含む液体の噴流の外側に気体の層が形成された構造を有することになる。アブレシブジェットの外側に気体の層があると、アブレシブジェットの流速が環境液体の抵抗によって弱まることが優れて防止され、アブレシブジェットの穿孔能力の減衰が優れて防止される。この観点から、研磨材供給路の混合室への開口はできる限り上流側へ、気体供給路の混合室への開口は出来る限り下流側へ配することが好ましい。
研磨材供給路6がU字状部を有することが好ましい。図1においては、研磨材導入口7から供給された研磨材は、下方に向かい、その方向を水平に変え、さらにその方向を上方に変え、混合室3に供給される。このように研磨材供給路6がU字状部を有することにより、アブレシブジェットを噴出しない際には、研磨材がU字状部に溜まり、研磨材の混合室への流入が自然に停止するようにすることができる。
なお、研磨材の流れをスムーズにするために、研磨材は液体に分散された状態で研磨材供給路6を流れるようにすること、すなわち研磨材供給路には研磨材分散液を流すことが好ましい。この研磨材を分散させる液体としては、通常は環境水等の環境液体を用いることが簡便であり好ましい。
穿孔用ジェットノズルのコンパクト化の観点から、研磨材供給路6および気体供給路8は、第二のノズル流路2bからの液体の噴射方向(第二のノズル流路の中心軸方向)に対して実質的に垂直な方向で混合室3に接続されることが好ましい。図1においては、アブレシブジェットは横方向(水平方向)に噴射され、研磨材供給路6の混合室に接続される部分は上下方向(鉛直方向)上向きとされ、気体供給路8は下向きとされる。穿孔用ジェットノズルは、例えば鋼管内に挿入されて使用され、横方向(水平方向)の大きさが制限されることが多い。上記のような配置は、横方向において穿孔用ジェットノズルのコンパクト化を図るうえで効果的である。ここで述べた効果が損なわれない限り、ここでいう垂直は、必ずしも厳密に垂直である必要はない。また、高い穿孔能力を得ると言う観点からは、研磨材供給路6および気体供給路8は、第二のノズル流路2bからの液体の噴射方向に向けて傾けて交差させることが好ましい。従って、混合室への研磨材供給方向および気体供給方向はそれぞれ第二のノズル流路からの液体噴射方向と鋭角もしくは直角をなすことが好ましい。例えばこの角度は0度〜90度が好ましい。穿孔能力だけの観点からは、この角度は理想的には0度がよいが、実際にはノズル寸法等から加工可能な角度は制限されることが多い。
第一のノズル流路1a、混合室3、混合室に連通する研磨材供給路6と気体供給路8、第二のノズル流路2aの構造及び配置は、第一のノズル流路の開口1bから穿孔に好適な噴流が生じ、かつ混合室内の圧力低下によるアスピレーター作用によって必要とされる研磨材および気体の配合量が得られるように適宜選択できる。
図1に示す例では、第一のノズル流路1aを長手方向に均一な内径の流路(ここでは噴流方向上流側端部に面取り加工を施してある。面取り加工は施さなくてもよい)とし、第二のノズル流路2aを内径が混合室方向に減少するテーパー状流路の先に直管部を有する形状の円錐型ストレートノズルとし、これらのノズルの内径の中心が一致するように配置している。第二のノズル流路のテーパー状部は、液体供給路からの液流を収束させて強い噴流を形成するために有効である。
これらのノズルの形状は、本発明の効果が得られる範囲内であれば、特に限定されず、例えば、ストレートノズル、円錐型ストレートノズル、オリフィス型ノズル、噴射方向に向かって内径が小さくなるテーパー状のノズル、あるいは吐出方向に向かって内径が大きくなるホーン型ノズル、更にはこれらのノズル形状を噴射方向に組合わせて配置したノズルなどが利用できる。通常、キャビテーションがほとんど発生しない高圧液(水)中環境において、アブレシブノズル(第一のノズル)は、ストレートノズル(図1の1に示したように、面取り部や、テーパー部を有してもよい)の使用が好ましい。ウォータージェットノズル(第二のノズル)については、高圧水中下でも高い穿孔能力が得られると言う観点から、上記の円錐型ストレートノズルの使用が好ましい。
ノズル本体10の有する各部のサイズや形状は、上記の要件に加えて、穿孔用ジェットノズルが挿入される鋼管のサイズや処理位置(環境圧力)に応じて設定され、特に限定されない。
例えば、第一のノズル開口1bの位置を固定手段などで規制した状態でのノズル開口1bと鋼管内壁の穿孔しようとする部分との距離(スタンドオフディスタンス)は、短い方が高い穿孔能力が得られると言う観点からは、10mm以下に設定されることが好ましく、5mm以下がより好ましい。またこの距離は、被処理物に跳ね返されたアブレシブジェットによって第一のノズルが損傷することを防止する観点から2mm以上が好ましい。
図2に第一のノズル、混合室、第二のノズルを含む部分の拡大図を示す。第一のノズル流路1aの長さL1は、高圧水中下では短いほどアブレシブウォータージェットの穿孔能力が高くなると言う観点から、35mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは12mm〜15mm程度とする。第一のノズル流路の開口1bの直径d1は、小さいほど穿孔能力は増すと言う観点から7mm以下であることが好ましく、3mm以下がより好ましい。またd1は、被処理物の穿孔の大きさを考慮すれば2mm以上が好ましい。第二のノズル2の直管部の長さL3は、第二のノズル開口部から噴射させるウォータージェットを収束させる観点から、第二のノズル流路の開口2bの直径(図2に示すd2)の2倍程度以上が好ましく、圧力損失が生じウォータージェットの速度が減衰することを防止する観点から、第二のノズル流路の開口2bの直径4倍程度以下が望ましい。
第一のノズル流路の直径d1と第二のノズル流路の直径d2の大きさは、第二のノズルからの液流によって第一のノズルからの噴流をスムーズに形成する観点からd1>d2の関係とし、比率はd1がd2の2〜4倍が好ましく、なかでも3倍程度がより望ましい。
また、第二のノズル流路の図2に示す部分L2(第二のノズルの開口から第一のノズルまでの距離)、L4(第二のノズルのテーパー部の長さ)、d2の長さ及び角度θ(第二のノズルのテーパー角)は、例えば以下のように設定される。
L2:5mm〜10mm程度、(第二のノズル開口部2bから噴射されるウォータージェットの減衰を小さくすることと、より強力なアスピレーター作用を発生させるために好ましい範囲)、
L4:d2の10〜50倍、(第二のノズル開口部2bから噴射されるウォータージェットの乱流を抑制するために好ましい範囲)、
d2:1mm〜2mm、(使用する高圧ポンプの吐出水量にもよるが、穿孔のための運動エネルギーを大きくするために好ましい範囲)、
θ:10°〜14°(高圧水の収束と乱流抑制の観点から好ましい)。
本発明にかかる穿孔用ジェットノズルは、鋼管ケーシング内の水が充満している部分に挿入した状態で穿孔処理を行うに好適なもので、この処理は処理位置の深度に応じた水圧環境下での処理となる。ノズル本体10やその内部に設置する各ノズルなど、穿孔用ジェットノズルを構成する部材は、そのような環境圧力に耐えられる材質及び構造で適宜形成することができる。そのような材料としては、例えば各種ステンレス材などを挙げることができる。第一のノズルは研磨材を含んだ液流が流れるため、耐久性の観点から、タングステンカーバイド(例えば(株)トーカロイ製、商品名:SS15)などの硬い材料で形成することが好ましい。
第二のノズル流路2aからの液体噴射量は、第一のノズル流路1aからの噴流によって被処理物を穿孔できるように設定され、例えば200g/秒以上に設定することができる。
また、第二のノズル流路2aからの噴射の圧力も、穿孔処理を行う環境圧力や鋼管の材質、その側壁の厚さなどに応じて設定されるが、例えば、40MPaG(Gはゲージ圧を意味する)以上、好ましくは60MPaG以上で、より高圧である方が高い穿孔能力が得られると言う観点から好ましい。
第一のノズルから噴射されるアブレシブジェット中の研磨材と第二のノズルから噴射される液体(例えば水)との配合割合(または噴射割合)は、目的とする穿孔処理が可能であれば特に限定されないが、例えば、水に対して30質量%以下の研磨材量とすることができる。第二のノズル流路2aからの液体(例えば水)と、研磨材供給路6から供給される研磨材(例えば、水に研磨材が分散した分散液として供給される)の混合割合(あるいは混合室への流入量の比)は、上記の配合割合に応じて適宜設定することができる。
また、第一のノズル流路1aからの噴流の圧力も、穿孔処理を行う環境圧力や鋼管の材質、その側壁の厚さなどに応じて第二のノズル流路2aからの噴射の圧力を変化させることにより適宜設定できる。
図3に、液体ジェットノズルを用いた鋼管穿孔用ノズルシステム及び穿孔装置の一例を、穿孔用システムの配置位置における拡大図を含めて模式的に示す。穿孔用ノズルシステムは、穿孔用ジェットノズルに必要に応じて固定手段、研磨材タンク、ガスボンベなどの穿孔用ジェットノズルに付随する機器を接続したもので、例えば鋼管の中に挿入されて用いられる。
この穿孔用ノズルシステム21は、穿孔用ジェットノズル20の直上に研磨材タンク(アブレシブタンク)11を設けてユニット化し、このユニットの上下に固定手段としてのスタビライザー12aおよび12bを接続した構成を有する。研磨材を貯留する研磨材タンク11には、研磨材タンクと穿孔用ジェットノズルの研磨材導入口とを接続する研磨材流路(図3では不図示)及び、研磨材タンク内の中心部を通る液体の流路と穿孔用ジェットノズル20の液体導入口とを繋ぐ流路(図3では不図示)が接続される。この穿孔用ノズルシステムは、処理現場に設置したタンク14内の液体(通常は水)を高圧ポンプ15で送り込む高圧ホース13によって鋼管16の内部に吊り下げられており、高圧ホース13はアダプタを用いることによって上スタビライザー12aの頂部に接続される。高圧ホースから供給される液体は、上スタビライザー12a内および研磨材タンク内に設けられた液体の流路(図3では不図示)を通り、穿孔用ジェットノズル20の液体導入口まで到達する。
研磨材の穿孔用ジェットノズル20への供給は、第二のノズル流路からの液体の噴射によって圧力低下の生じた混合室内に研磨材タンク11から研磨材分散液が送り込まれることで行われる。このような研磨材の供給における供給量の制御は、例えば、研磨材流路にゴム製の絞りを設けることで行うことができる。ゴム製の絞りとしては、例えば、ゴム製の円板の好ましくは中央部に貫通孔を設けたドーナツ状の構造を有するゴムワッシャーを用いることができ、貫通孔の径などを適宜選ぶことにより、所望の研磨材供給量を得ることができる。ゴムは研磨材によってセルフライニングされ、殆ど摩耗しない。また構造が簡易で良好に機能するため、ゴム製の絞りを用いて研磨材の供給量を制御することが好ましい。ゴムとしてはNR(天然ゴム)やNBR(ニトリルゴム)などが好ましい。ゴム製の絞りとして例えば、(株)ケイヒン製のワッシャー式定流量弁(商品名:RSSP−10)用のパーツとして入手可能なゴムワッシャーを用いることができる。
研磨材供給をスムーズに行う観点から、研磨材タンクには、外部(環境)と連通する開口を設けることが好ましく、さらにこの開口にはゴム製の絞り径以上の異物が研磨材タンクに混入することを防止するためにメッシュ(金網など)を設けることが好ましい。タンクには研磨材のみを投入しておいても、開口より環境液体が入るため、研磨材はタンク内で環境液体に浸った状態となる。研磨材は、第二のノズル流路からの液体の噴射によって圧力低下の生じた混合室内に、研磨材タンク11からタンク内に流入した環境液体とともに研磨材分散液となって吸引されるため、分散剤を使用する必要はない。
気体の穿孔用ジェットノズルへの供給は、第二のノズル流路からの液体の噴射によって圧力低下の生じた混合室内に地上から不図示の気体用ホースを通して気体を送り込むことで行われる。このような気体供給量の制御は、流量調節バルブを好ましくは地上に設置して行うことができる。
穿孔用ジェットノズルを鋼管内で固定する固定手段としては、例えば図3に示すように、水圧で複数本のアームが開くことで坑内に穿孔用ジェットノズルを固定し得るスタビライザー12を、穿孔用ジェットノズル20に六角ニップル等のアダプタを用いることにより近接して接続する。例えば、液体ジェットノズルの上下に接続することにより行うことができる。なお、別の固定手段として、穿孔用ジェットノズルのノズル開口1bと対向する背面に、ノズル開口1bからの液流の噴射時に鋼管内壁と接することでノズル開口の鋼管の軸方向に垂直な面での位置を規制する構造を有するものを利用することもできる。固定の確実さの観点からは、上述のスタビライザーが好ましいが、両者を合わせて使用するとさらに好ましい。
このような固定手段を設けたことで、鋼管16の長手方向、並びにこの長手方向の中心軸に垂直な面での穿孔用ジェットノズル、特にはノズル開口1bの振れ(ズレ)が防止される。
穿孔用ジェットノズル20の上下に配置されたスタビライザー12としては、例えば塩化ビニル製のケーシングへの穿孔処理において利用されているものなどが好適に利用できる。
図示した例におけるスタビライザーでは、アームが鋼管内壁を押圧することでシステムの位置固定を行っているが、アームを片方に配置して、アームの押圧力でシステムの反対側を鋼管内壁面に押し付けて位置固定を行う構成とすることもできる。
更に、スタビライザーの羽またはアームを広げる際の圧力は、穿孔用ジェットノズルへ供給される水などの圧力を利用してもよいし、別途設けた供給系から供給される水や油などの液体による圧力を利用してもよい。装置の小型化や構成の簡易化には、穿孔用ジェットノズルへ供給される液体の圧力、例えば水圧を利用すると都合が良い。
このようなシステムで、坑井内の所定位置に穿孔用ジェットノズルが停止した段階で、地上の井戸元に設置したタンク14内の流体を高圧ポンプ15で加圧して液体供給ラインの高圧ホース13に送り込む。また気体用ホースを地上にて大気開放し大気が自然に吸い込まれるようにするか、必要であればコンプレッサーで空気を適宜昇圧して気体ホースに送り込む。すると、第二のノズル流路2aからの液体噴射によって圧力低下の生じた混合室3内に研磨材の混合流体が流入し、また気体が流入し、それらが穿孔用ジェットノズルの開口1bから噴射されることで穿孔処理が行われる。
深度の深い場所での処理においては、液体を地上からホースを経由して穿孔用ジェットノズルに供給し、研磨材を坑内に挿入したジェットノズルの直上部に取り付けられた研磨材タンク(アブレシブタンク)から穿孔用ジェットノズルに供給することが、供給経路の距離が短いことで研磨材が詰まることなく供給がスムーズに行われると言う観点から好ましい。穿孔処理を行う場所が浅い場合は、研磨材を地上に設置したタンクからホースなどを用いて液体ジェットノズルに供給するようにしてもよい。
また、気体の穿孔用ジェットノズルへの供給は、地上からホースを経由して行ってもよいし、気体を収容したガスボンベを備える穿孔用ノズルシステムを用いてボンベから穿孔用ジェットノズルに気体を供給することもできる。例えばスタビライザー12aの上部にボンベを設置することができる。深い位置での処理においては、地上から気体を供給すると気体供給用の配管が長くなり圧力損失が大きくなるので、それに打ち勝つコンプレッサー等の動力が必要になるが、ガスボンベを備えるノズルシステムは混合室に生じるアスピレーター作用だけでガスを供給できるので好ましい。
ガスボンベから供給されるガス流量の調整は、例えばボンベにレギュレータやガスノズルを接続し、レギュレータの設定圧力やガスノズルの内径を適宜設定することにより行うことが可能である。また、ガスボンベから気体を供給する場合、ガスボンベに取り付けたレギュレータを駆動させるための高圧水(第二のノズルから噴出する液体、すなわち液体供給路に導入される液体と同じ液体)によって駆動するピストンを備えていることが、高圧水の圧力操作のみにより高圧水の供給とガスの供給を同時に開始および停止できる観点から好ましい。
また、鋼管16の長手方向における穿孔用ジェットノズル20の位置については、図3に示すような吊り下げ用の高圧ホース13などのノズル本体挿入手段によって設定することができる。
本発明の穿孔用の液体ジェットノズル及びそれを用いたシステムあるいは装置は、上記の坑井のケーシングを構成する鋼管内壁への穿孔処理に限定されず、液体ジェットノズルの固定手段の構成を適宜変更することで、各種タンクや液体が貯溜されている箇所、湖水や河川、あるいは海中に設置された施設や装置などにおいて、水などの液体中からの被処理物への穿孔処理に好適に利用できる。その際、研磨材を含む噴流の噴射方向は、目的とする穿孔処理を可能とする方向に適宜設定することができる。
本発明は、深い坑井内など、高圧の液体環境下において穿孔するに好適である。キャビテーション係数が0.05以上になるとキャビテーションによるアブレシブウォータージェット穿孔性能の向上効果があまり認められなくなり、0.1以上になるとキャビテーションが殆ど発生しなくなって上記向上効果が期待できなくなる。本発明によれば、このような場合であっても良好に穿孔を行えるので、キャビテーション係数が0.05以上、さらには0.1以上において本発明の効果が特に顕著である。例えば、第二のノズルからの高圧水吐出圧が40MPaGの場合、1.8MPaG以上の環境圧力下において本発明の効果が顕著であり、さらに3.5MPaG以上の環境圧力下において特に顕著であることになる。
なお、キャビテーション係数は次式で定義される。式中、飽和蒸気圧は環境液体の飽和蒸気圧、ジェット吐出圧力は穿孔用ジェットノズルの第二のノズルから吐出される液流の圧力である。また式中の各圧力は絶対圧とする。
Figure 2007044856
本発明の穿孔用ジェットノズルはシンプルかつコンパクト化可能な構造を有し、例えば、23/8TBG(内直径51.8mmの鋼管)の内部からの穿孔を行うことが可能である。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
〔実施例1〕
図4及び図5に概要を示す装置を用いて本発明にかかる液体ジェットノズルの機能について確認した。
図4に示す実験装置は、貯水タンク、高圧水ポンプ、圧力調整バルブ、流量切り替えバルブ、耐圧設計の穿孔試験用圧力容器、耐圧設計のサイクロン式沈殿槽、環境圧力調整バルブおよび穿孔試験用圧力容器内の穿孔用ノズルシステム(図4では不図示)を有する。なお、穿孔試験用圧力容器内から排出された研磨材を含む水は、耐圧設計のサイクロン式沈殿槽に回収して研磨材を取り除いてから環境圧力調整バルブを通過させて装置外へ排出した。このサイクロン式沈殿槽の設置により、環境圧力調整バルブの損傷を防止した。作動液体(第二のノズルから噴射する液体)および環境液体としては水道水を用いた。
図5に使用した穿孔用ノズルシステムの概要を示す。研磨材は穿孔用ジェットノズル20上方に取り付けた研磨材タンク11より供給する。研磨材供給をスムーズに行う観点から、研磨材タンクは上部を開放し、タンク内に環境水が流入可能な構造とした。研磨材の流量調節は研磨材流路101に設けたゴムワッシャー31を用いて行った。ウォータージェットを噴射していない際に、研磨材が自然流下することを防止するために、混合室3の下方において研磨材供給路6にU字管部を設けた。研磨材はウォータージェット噴射によるアスピレーター作用により吸引されて供給され、ウォータージェットの噴射を停止すると研磨材の供給は停止した。
気体としては窒素ガスを用い、高圧水経路上のアダプタ41に取り付けたガスボンベ52より供給した。アダプタ41はライン102からの高圧水をライン103とライン104に二分岐させる。ライン103は穿孔用ジェットノズル20へ接続されており、ライン104はピストン54へ接続されている。ガスボンベ52及びレギュレータ53は環境圧力が加わらないように耐圧設計の圧力容器51内に格納した。ライン104から高圧水を供給するとレギュレータ上方のピストン54が押し込まれてレギュレータのスイッチが入りガスがガスノズル55を通過してライン105に供給される。高圧水の供給が停止するとばねによりピストンが戻されガスの供給が停止される。ガス流量の調整は例えば、内径が0.6mm〜1.0mmの黄銅製ガスノズル55を適宜交換して用いることにより行うことが可能である。
研磨材としては、#36〜80のガーネット粉末を利用し、この場合の水とガーネット粉末との混合割合は、ゴムワッシャーの貫通孔の径を選ぶこと(内径2.5mm〜4.2mm)により調整した。
穿孔用ジェットノズルとしては図1に示した構造のものを用いた。研磨材供給路6および気体供給路8は、第二のノズル流路2bからの液体の噴射方向(第二のノズル流路の中心軸方向)に対して垂直な方向で混合室3に接続される。研磨材供給路の混合室への開口位置は、気体供給路の開口よりも上流側へ配した。ゴムワッシャーとしては(株)ケイヒン製のワッシャー式定流量弁(商品名:RSSP−10)用のパーツを用いた。
その他の穿孔試験条件は次のとおりとした。
第一のノズルは、長手方向に均一な内径の流路1aをもつストレートノズルである。
第一のノズル流路開口の直径d1:3mm、
第一のノズル流路の長さL1:12mm。
第二のノズルは、内径が混合室方向に減少するテーパー状流路の先に直管部を有する形状の流路2aを持つ円錐型ストレートノズルである。
第二のノズル流路開口の直径d2:1mm、
第二のノズル2の直管部長さL3:4mm(開口2b直径の4倍)、
第二のノズルのテーパー部分の長さL4:11mm(開口d2の11倍)、
第二のノズルのテーパー部分の角度θ:14°、
第一のノズル流路の直径と第二のノズル流路の直径の比率(d1/d2):3倍、
スタンドオフディスタンス(第一のノズル流路開口から被処理物までの距離):5mm、
第1のノズルと第二のノズルとの距離L2:5mm、
第二のノズルからの吐出圧力:40MPaG、
環境圧力:2.87MPaG、3.55MPaG、4.19MPaG、5.13MPaGの4ケース(それぞれキャビテーション係数:0.08、0.10、0.12、0.15に相当)、
第一のノズルからの噴射圧力:第二のノズルの吐出圧力−環境圧力、
研磨材流量:約0.6〜1.0kg/min、
噴射時間:1min、
被処理物:呼び径2−3/8"TBG(内直径51.8mm)油井用鋼管(API J55)、肉厚約4.15mmの鋼管を円筒形に切断したもの、
ノズル本体の材質:SUS304、
第二のノズルの材質:SUS440C焼入れ((株)トーカロイ製)、
第一のノズルの材質:タングステンカーバイド((株)トーカロイ製、SS15)、
ガスボンベ:(日本炭酸瓦斯(株)、ミニガスカートリッジ、窒素、充填量14.2NL、充填圧力19MPaG)、
レギュレータ:(日本炭酸瓦斯(株)、フリーザー、減圧機構なし、放出流量7NL/min(φ0.5ノズル、一次圧6MPaG時))、
ガス流量:約14.2NL/min、
高圧水流量:約13L/min、
ここでNLは0℃、0.101MPaにおけるリットルを意味する。
なお、ノズルシステムは穿孔試験用圧力容器の上蓋にネジ止めし、吊り下げた。ノズルシステムの穿孔用ジェットノズルに試料ホールダを6本のボルトで固定し、試料ホールダに6本のボルトにより試料を固定した。研磨材はタンクに水浸状態で入れられている。
図6に、試験結果を示す。図中の実線はガス吹込みがない場合(気体の供給を強制的に停止)、破線はガス吹込みがある場合であり、それぞれの場合について研磨材1kg当たりの切削深さを示している。
いずれの環境圧力においても、ガス吹込みがある場合の方がガス吹込みがない場合に比べて大きく、また、その差は環境圧力が大きくなるほど大きくなった。
図の上軸に各データ点に対応するキャビテーション係数の値を示した。水中ウォータージェットでは、おおよそキャビテーション係数が0.1以上になるとキャビテーションがほとんど発生しなくなる。従って、本発明によれば、特にキャビテーションがほとんど発生しない条件下において、気体を伴わない水中アブレシブウォータージェットに比べ、優れた穿孔を行うことができることがわかる。
本発明の穿孔方法及びそれに用いる穿孔用ジェットノズル、穿孔用ノズルシステムおよび穿孔装置は、例えば、天然ガスを含む地下かん水、石油、ガス、地下水、温泉などの液体を土壌中から汲み上げるための坑井のケーシングを構成する鋼管などの穿孔処理に好適に利用できる。
穿孔用ジェットノズルの一例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はA−A'断面図、(c)はB−B'断面図である。 図1(c)の部分拡大図である。 鋼管を穿孔するための穿孔用ノズルシステムおよび穿孔装置の一例を示す模式図である。 実施例で用いた実験装置の概要を示す模式図である。 実施例で用いた穿孔用ノズルシステムの概要を示す模式図である。 実施例の試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 第一のノズル
1a 第一のノズル流路
1b 第一のノズル流路の開口(噴出口)
2 第二のノズル
2a 第二のノズル流路
2b 第二のノズル流路の開口(噴出口)
3 混合室
4 液体供給路
5 液体導入口
6 研磨材供給路
7 研磨材導入路
8 気体供給路
9 気体導入口
10 ノズル本体
11 研磨材タンク
12a、12b スタビライザー
13 高圧ホース
14 水槽
15 高圧ポンプ
16 鋼管
20 穿孔用ジェットノズル
21 穿孔用ノズルシステム
31 ゴムワッシャー
41 アダプター
51 ガスボンベ用圧力容器
52 ガスボンベ
53 レギュレータ
54 ピストン
55 ガスノズル
101 研磨材供給ライン
102、103、104 液体(高圧水)供給ライン
105 気体供給ライン

Claims (16)

  1. 被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔用ジェットノズルであって、
    該研磨材を含む液流を噴射するための第一のノズル流路;
    該第一のノズル流路に連通する混合室;
    該混合室内に液体を噴射するための第二のノズル流路;
    該第二のノズル流路に該液流のための液体を供給するための液体供給路;
    該液体供給路に液体を導入するための液体導入口;
    該混合室に研磨材を供給するための研磨材供給路;
    該研磨材供給路に研磨材を導入するための研磨材導入口;
    該混合室に気体を供給するための気体供給路;および、
    該気体供給路に気体を導入するための気体導入口
    を少なくとも有し、
    該第二のノズル流路が、液体の噴射によって前記研磨材供給路からの研磨材の前記混合室内への供給と前記気体供給路からの気体の前記混合室内への供給を行うための混合室内の圧力低下を発生させるとともに、前記第一のノズル流路から研磨材を含む液体を気体とともに噴射し得る位置に配置された穿孔用ジェットノズル。
  2. 前記研磨材供給路が、U字状部を有する請求項1記載の穿孔用ジェットノズル。
  3. 前記気体供給路の混合室への開口位置が、前記研磨材供給路の混合室への開口位置より、液体の流れ方向について下流に配された請求項1または2記載の穿孔用ジェットノズル。
  4. 前記研磨材供給路が、前記混合室への研磨材の供給方向と前記第二のノズル流路からの液体噴射方向とが鋭角もしくは垂直をなすよう該混合室に接続され、
    前記気体供給路が、該混合室への気体の供給方向と前記第二のノズル流路からの液体噴射方向とが鋭角もしくは垂直をなすよう該混合室に接続された
    請求項1〜3の何れか一項記載の穿孔用ジェットノズル。
  5. キャビテーション係数が0.05以上の環境において穿孔可能な請求項1〜4の何れか一項記載の穿孔用ジェットノズル。
  6. 被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔用ノズルシステムであって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の穿孔用ジェットノズル;
    該穿孔用ジェットノズルに供給される研磨材を貯溜する研磨材タンク;
    該研磨材タンクから前記研磨材導入口へ研磨材を送る研磨材流路;および、
    該穿孔用ジェットノズルを固定するための固定手段
    を有する穿孔用ノズルシステム。
  7. 前記研磨材流路に、研磨材流量を調節するためのゴム製の絞りを備える請求項6記載の穿孔用ノズルシステム。
  8. 前記研磨材タンクが、外部と連通する開口を有する請求項6または7記載の穿孔用ノズルシステム。
  9. さらに、前記気体を貯溜するガスボンベを備える請求項6〜8の何れか一項記載の穿孔用ノズルシステム。
  10. 前記ガスボンベがレギュレータを備え、
    該レギュレータが、前記液体供給路に導入される液体と同じ液体によって駆動されるピストンによって駆動される請求項9記載の穿孔用ノズルシステム。
  11. 被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行うための穿孔装置であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載の穿孔用ジェットノズル;
    該穿孔用ジェットノズルを固定する固定手段;
    該穿孔用ジェットノズルに研磨材を供給する研磨材供給手段;
    該穿孔用ジェットノズルに該液流のための液体を供給する液体供給手段;および、
    該穿孔用ジェットノズルに前記気体を供給する気体供給手段
    を有する穿孔装置。
  12. 前記研磨材供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルと一体化、または穿孔用ジェットノズルに近接して設けられた研磨材タンクを有する請求項11記載の穿孔装置。
  13. 前記気体供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルと一体化、または穿孔用ジェットノズルに近接して設けられたボンベを有する請求項11または12に記載の穿孔装置。
  14. 前記被処理物が坑井のケーシングを構成する鋼管であり、
    前記研磨材供給手段、前記液体供給手段および前記気体供給手段が、前記穿孔用ジェットノズルが該鋼管内に挿入された際に、該鋼管内の穿孔用ジェットノズルに地上からそれぞれ研磨材、液体及び気体を供給し得る構成を有する請求項11に記載の穿孔装置。
  15. 被処理物に研磨材を含む液流を当てて穿孔を行う穿孔方法であって、
    混合室内に液体を噴射して混合室内の圧力を低下させることにより該混合室内に研磨材および気体を吸引し、気体を伴いかつ研磨材を含む液流を一つのノズル開口から噴射して穿孔する工程を有する穿孔方法。
  16. 前記ノズル開口が、請求項1〜5の何れかに記載の穿孔用ジェットノズルの第一のノズル流路の開口である請求項15記載の穿孔方法。

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