JP3781975B2 - キャビテーション噴流用ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、材料表面の残留応力状態を改善して、応力腐食割れ感受性の低減と疲労強度の向上を図るためのウォータージェットピーニング装置に係り、特に、そのためのキャビテーション噴流用のノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
構造体の残留応力の状態を改善して、応力腐食割れ感受性の低減と疲労強度の向上を図るする方法としては、従来から、小さな鋼球を気流で被加工物の表面に吹付けるショットブラストや、砂粒を用いたサンドブラスト、氷粒を用いたクライオブラストなどのピーニング処理が広く用いられているが、近年、これらにウォータージェットによるピーニング処理が加わってきた。
【0003】
ここで、このウォータージェットによるピーニング処理、いわゆるウォータージェットピーニングとは、キャビテーション発生用の噴射ノズルを用い、この噴射ノズルから水中で高圧水を噴射し、そのときに発生するキャビテーション噴流を被加工物に吹付け、被加工物の表面及び表面近傍で崩壊するキャビテーション気泡の崩壊圧を利用して被加工物表面層を塑性変形させ、その表面層の残留応力を圧縮にすることにより、応力腐食割れ、疲労等の材料特性を向上させる方法のことである。
【0004】
そして、このウォータージェットピーニングによれば、水中でピーニング処理を行うこともできるので、原子力プラント構造物などを対象とした表面残留応力の改善に好適であり、近年、注目を集めているが、例えば特開昭62−63614号、特開平7−328855号、特開平7−328860号、特開平8−71919号の各公報に開示されているように、かなり早くから知られていたものである。
【0005】
そして、更に、このウォータージェットピーニングに関しては、例えば特開平7−328858号公報では、広範囲にキャビテーションを衝突させる方法について、また、特開平7−328856号公報では、気体又は気体を含む水を高圧水に供給することによりキャビテーション発生効率を改善する方法について、夫々開示している。
【0006】
また、他にも、大気中で高圧水を被対象物に衝突させる方法について開示したものとしては、特開平7−328857号公報と特開平6−47665号公報があり、更に、エゼクタ効果を利用して高圧水と外気や環境水や溶剤を混合する方法については、例えば特開平5−137764号、特開平7−43270号、特開平10−310032号の各公報がある。
【0007】
しかし、これらの開示は、何れもエゼクタにより高圧水中に気泡を混入させることを目的としたり、供給水に所定の量の環境水や溶剤を混合することを目的としているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このウォータージェットピーニングでは、残留応力の改善に有効なキャビテーションを発生させるため、高圧で水をノズルから噴射させる必要があり、このため噴射ノズルには、水の噴射を支えるための大きな反力が働くが、上記従来技術では、この点について配慮がされておらず、このため、噴射ノズルを支持する機構が大掛りになってしまうという問題があった。
【0009】
また、このウォータージェットピーニングで充分な残留応力の改善を得るためには、噴射ノズルに多量の水を供給する必要があるが、上記従来技術では、この点についても配慮がされておらず、このため、給水装置が大掛りになり、ピーニング装置の全体も大掛りになってしまうという問題があった。
【0010】
ここで、上記特開平7−328856号公報では、キャビテーションの発生効率を向上させるために、キャビテーションの核となる気体、又は気体を多く含む水を積極的に供給している。
しかし、このように気体を基に生成されたキャビテーションの崩壊圧は、高圧の水だでで生成されるキャビテーションの崩壊圧に比べて小さいため、残留応力の改善には期待が持てない。
【0011】
本発明の目的は、残留応力改善性能を保持したまま水の供給量が抑えられるようにしたウォータージェットピーニング用の高効率噴射ノズルを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ウォータージェットピーニングのためのキャビテーション噴流用ノズルにおいて、供給水の流路の断面を減少させる収束部と、前記収束部に連通し、供給水の流速を上昇させる高圧水加速部と、前記高圧水加速部に連通し、ノズル周りにある環境水を吸入し、供給水と混合して下流側に射出するエゼクタ部と、前記エゼクタ部に連通し、環境水が混合された供給水の流路の断面を拡大するホーン部とを備えることによって達成される。
【0013】
このとき、前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、前記高圧水加速部の任意位置と前記ホーン部の任意位置の何れかに設けられているようにしても良く、前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心軸に対してらせん状をなして形成されているようにしても良い。
【0014】
また、このとき、前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、少なくとも2個、設けられているようにしても良く、前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心線に対して供給水の通流方向の上流側に倒れた90°以下の角度で交わるようにして形成されているようにしても良い。
【0015】
更に、このとき、前記エゼクタ部に吸込まれた環境水と高圧高速環境水が混合する部分が、耐摩耗性に優れた材料で被覆されているようにしても良く、前記ホーン部の少なくとも一部が、耐摩耗性に優れた材料で被覆されているようにしても良い。
【0016】
同じく、このとき、前記高圧水加速部が、流路の径が段階的に異なっている部分を有するようにしても良い。
【0017】
換言すると、本発明では、ノズルに供給される高圧水の流速を上昇させる高圧水加速部、噴射ノズル周りにある環境水を吸込んで、高圧ポンプから供給される供給水と一緒に下流に射出するエゼクタ部、ノズル最下流部に流路断面積が徐々に拡大するホーン部を設けた。
【0018】
本発明のノズルは従来のウォータージェットピーニング装置用ノズルが有する高圧水加速部と、ホーン部はそのまま有しており、これにエゼクタ部を付加し、環境水を高圧水に巻込むことにより、キャビテーション気泡核が増殖されることになり、従って、残留応力改善効果は従来と同等以上である。
【0019】
このとき、ノズルに水を供給するためのポンプの吐出圧は高くなるが、吐出流量は低減される。
また、ポンプ吐出量の低減により、配管の小口径化が可能となり、配管の曲げ剛性が小さくなる。そして、このため、残留応力改善効果を従来と同じにすれば流量の低減、圧力の低減が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるキャビテーション噴流用ノズルについて、図示の実施の形態により、詳細に説明する。
図1は、本発明に係るキャビテーション噴流用ノズルの第1の実施形態で、図において、1がキャビテーション噴流用ノズルを表わし、図の(a)はキャビテーション噴流用ノズル1の側面図で、(b)は正面図、(c)は側断面図、そして(d)はA−A線による断面図である。
【0021】
このキャビテーション噴流用ノズル1は、収束部10と高圧水加速部11、ホーン部12、それに吸込通路13を備えている。そして、収束部10と高圧水加速部11、それに吸込通路13によりエゼクタ部15が形成されている。なお、図で、100は供給水(高圧の水)を表わす。
【0022】
そして、まず、収束部10は、導通路径が連続的に収束された部分で、このキャビテーション噴流用ノズル1に供給された供給水100の動圧をさらに昇圧、加速させる働きをする。
次に、高圧水加速部11は、収束部10で昇圧、加速させた供給水100をエゼクタ部からホーン部12に導く働きをする。
【0023】
また、ホーン部12は、高圧水加速部11から噴射された供給水100によるジェット噴流により、この噴流用ノズル1の周りにある環境水(図示してない)を巻込み、これら両者の間で激しい乱流を起こさせ、高密度なキャビテーションジェットを形成する働きをする。
【0024】
そして、エゼクタ部15は、供給水100の流速が作り出す圧力とノズル周りの環境水の流速が作り出す圧力の差により、環境水を吸込通路13から吸い込む働きをする。
【0025】
このため、このエゼクタ部15にある吸込通路13は、その中心線Dが、ノズルの主軸Cと90°以下の角度θで交わり、且つ、この角度θは、主軸Cにおける供給水100の流れの方向と反対の方向に向かって90°以下になるようにして、ノズル1に設けてある。
【0026】
また、この吸込通路13は、図示のように、キャビテーション噴流用ノズル1の本体の外周面から中心に向かって複数個、設けてあり、このとき、中心から螺旋状に形成さされるようにしても良い。
ここで、キャビテーション生成効率と吸入効果を考慮すると、この角度θの値は、40°から60°の範囲にするのが望ましい。
【0027】
次に、図2は、一般的なウォータージェットピーニング装置に、キャビテーション噴流用ノズル1を適用したシステムの概略で、キャビテーション噴流用ノズル1は高圧ホース2を介して高圧のポンプ3の吐出管に連通されている。
【0028】
そして、高圧のポンプ3はタンク4からに水を取り込み、所定の圧力に加圧した上で、高圧ホース2を介してキャビテーション噴流用ノズル1に供給水100を供給するようになっている。ここで、101は、キャビテーション噴流用ノズル1の周りにある環境水を表わす。
【0029】
次に、キャビテーション噴流用ノズル1内における供給水100と環境水101の挙動について、図3の模式図により説明する。
ここで、矢印で示すようにして、キャビテーション噴流用ノズル1内に送り込まれた供給水100は、まず収束部10に導かれる。
この収束部10では、供給水100の流路(配管径)が連続的に狭められ、流路が狭まることにより、供給水100は収束部10内で昇圧され、高圧水加速部11を通ってホーン部12に導かれる。
【0030】
このとき、高圧水加速部11では、流路が一定の断面になっているので、供給水100は加速され、ホーン部12に達すると、今度は流路が連続的に拡がるので、加圧、加速された供給水100は、ここで急激に減圧され、ジェット噴流となる。
【0031】
このホーン部12の入り口近傍に現われる急激な減圧により、エゼクタ部15が機能し、この結果、矢印で示すように、環境水101が吸込通路13を通って吸いこまれ、加速された供給水100と環境水101が混合される。そして、これがジェット噴流に巻込まれて乱流が生じ、高密度なキャビテーション噴流が生成される。
【0032】
このとき、供給水100自身の減圧と、供給水100と環境水101の界面に表れる剪断力により、供給水100内で局所的に沸騰現象が生じ、キャビテーション20が生成される。なお、正確には、キャビテーションにより発生した気泡が20であるが、ここでは、単にキャビテーション20と記載する。
【0033】
また、このとき、加速された供給水100には更に流れの乱れが生じ、この乱れがキャビテーション20の生成核となるので、供給水100中でのキャビテーション20の濃度が更に高められる。
生成された高密度なキャビテーション噴流は、ホーン部12を通って噴出される。
【0034】
ここで、高圧水加速部11の径を段階的に変化させ、吸込通路13と高圧水加速部11が合体する位置に、高圧水加速部11より径の大きいキャビテーション混合部14を設けるようにしても良く、このことにより、更に環境水101と供給水100の混合が活発になるので、キャビテーション20の生成を大きく促進させることができる。
【0035】
ところで、この混合部14では、キャビテーション20が活発に生成されるので、これによる摩耗を考慮して、この混合部14に耐摩耗性に優れた材料を被覆するようにしても良い。
また、このことは、ホーン部12でも同じであるから、このホーン部12にも耐摩耗性に優れた材料を被覆するようにしても良い。
【0036】
こうしてキャビテーション噴流用ノズル1により生成されたキャビテーション20は、供給水100の流れに乗り、その中の一部は対象構造物103(図2)の表面まで到達する。
このときの対象構造物103周りの詳細模式図を図4に示す。
まず、キャビテーション噴流用ノズル1により生成されたキャビテーション20は、内部が真空状態に極めて近い状態にある。
【0037】
そこで、生成されたキャビテーション20の一部は、途中で、21で示すように周りの水圧により収縮され、22で示すように消滅する。
一方、一部のキャビテーション20は対象構造物103の表面まで到達し、当該キャビテーション周りの局所的な噴流の力により、その位置で噴流方向に押し潰され、23と24で示すように、変形してゆく。
【0038】
更に噴流の力が加わると、24で示したキャビテーションは更に押し潰され、25、26で示すように、対象構造物103の表面、又は表面の近傍で崩壊し、このとき、供給時の噴流の流速より高速度のマイクロジェットが噴流方向に生成され、対象構造物103を叩いて衝撃を与え、対象構造物103表面を引延ばす方向に塑性変形させ、塑性変形痕27を生成させる。
【0039】
このようにして対象構造物103表面を引延ばす方向に発生した塑性変形は、周辺に弾性拘束されるため、圧縮方向にスプリングバックし、この結果、表面層に圧縮方向の残留応力が生成されるのである。
【0040】
図1の実施形態によれば、吸込通路13から吸引した環境水101の分だけ供給水100の量が低減され、供給水100と環境水101の割合(供給水/環境水)が小さくなり、従来報告されているウォータージェットピーニング装置のノズルと同程度に対象構造物103の表面残留応力を改善しようとした場合、供給水100の量は大幅に削減される。
【0041】
すなわち、本発明によるキャビテーション噴流用ノズル1によれば、エゼクタ部15を付加し、環境水を供給水に巻込むようにしたので、キャビテーション気泡核が増殖され、この結果、残留応力改善効果は従来と同等以上である。
【0042】
従って、本発明によるキャビテーション噴流用ノズル1によれば、それに水を供給するためのポンプの吐出圧は高くなるが、吐出流量は低減され、ポンプ吐出量の低減により、配管の小口径化が可能になるので、配管の曲げ剛性も小さくなる。
【0043】
また、このため、残留応力改善効果が従来と同じにしても、流量の低減と圧力の低減が図れることになり、給水装置が大掛りになったり、ピーニング装置の全体が大掛りになってしまう虞れがなくなる。
【0044】
次に、本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの他の実施形態について説明する。
本発明の実施形態の場合、その吸込通路を設ける位置については、収束部の上流側、高圧水加速部、それにホーン部の何れかが考えられる。
【0045】
まず、図5は、吸込通路13を収束部10の上流側に設けた場合の一実施形態で、この図5のキャビテーション噴流用ノズル1でも、従来報告されているウォータージェットピーニング装置のノズルと比べ、キャビテーションの発生効率、残留応力改善効果には影響は与えない。
【0046】
次に、図6は、図1と同じで、吸込通路13を高圧水加速部11に設けた場合の一実施形態で、この図6のキャビテーション噴流用ノズル1の場合、上記したように、供給水100と環境水101が混合される位置において流れに乱れが生じるため、その周りでキャビテーションが生成され、更にホーン部12でもキャビテーションの密度の上昇が得られることになり、この結果、従来報告されているウォータージェットピーニング装置のノズルに比べ、残留応力改善効果が向上する。
【0047】
また、図7は、吸込通路13をホーン部12に取付けた場合の一実施形態で、供給水100と環境水101が混合される位置が、ホーン部12でキャビテーションが生成された後になるため、キャビテーション生成には影響を与えず、むしろ吸込通路13からの環境水101が噴流の流れの妨げになるため、キャビテーション密度は低下する。
【0048】
しかし、吸込通路13周りにおいて流れの乱れに起因するキャビテーションが生成され、そのキャビテーションが流れに乗って対象構造物103に噴射されるため、噴射面積が、従来報告されているウォータージェットピーニング装置のノズルに比べ大きくなるという利点がある。
【0049】
ここで、図8は、本発明によるキャビテーション噴流用ノズル1において、吸込通路13の取付け位置と性能の関係を纏めた結果で、夫々特色があり、従って、本発明の実施形態によれば、要求される種々の性能に容易に対応できることが判る。
【0050】
次に、図9は、一定時間噴射による残留応力の改善結果を、各種のノズルについて示したもので、ここで、直線で示した特性40は対象構造物103の初期残留応力を表わし、曲線の特性41は従来技術(エゼクタ機構無)によるノズルの特性を表わしている。
【0051】
そして、特性42と特性43、それに特性44が本発明のキャビテーション噴流用ノズル1によるもので、まず、特性42は、図5に示した実施形態による特性で、次に、曲線43は、図6の実施形態による特性、そして特性44は、図7の実施形態による特性である。
【0052】
この図9から明らかなように、まず、図5と図6の実施形態によれば、従来技術のノズルと同等か、それ以上の高性能が得られることが判り、他方、図7の実施形態の場合には、残留応力改善の点では劣るものの、同時に広い範囲についての残留応力改善処理が得られることが判る。
従って、この点でも、本発明の実施形態によれば、要求される種々の性能に容易に対応できることが判る。
【0053】
次に、本発明によるキャビテーション噴流用ノズル1を用いて、原子力プラント構造物の表面残留応力を改善する例について、図10により説明する。
まず、原子力プラント構造物(圧力容器)の中にある上フランジ111の上に定着固定体112を取付け、その上にターンテーブル113を設置する。
【0054】
そして、このターンテーブル113の上に、固定用のフレーム114を介して残留応力改善装置110を設置する。
これにより、残留応力改善装置110は、ターンテーブル113により旋回できるようにして、原子力プラント構造物の内部に設置されることになる。
【0055】
また、このとき、残留応力改善装置110の本体には、キャビテーション噴流用ノズル1を所定の位置に保持するためのアーム115とポール116が取付けてあり、従って、キャビテーション噴流用ノズル1は、ターンテーブル113の旋回と、アーム115の伸縮及びポール116の上下昇降により、残留応力改善装置110が設置されている上フランジ111に対して旋回と上下昇降ができ、更にキャビテーション噴流用ノズル1自体も噴射方向が変化できるように構成されている。
【0056】
そして、このようにキャビテーション噴流用ノズル1を取付けることにより、原子力プラント構造物(圧力容器)内にある冷却水をそのまま環境水101として、残留応力改善処理を施工することができるが、このとき、本発明にかかるキャビテーション噴流用ノズル1を適用したことにより、供給水の量が低減でき、残留応力改善装置110全体の構造部品を軽量化することができ、また、高圧ホース2が従来と比較して細くなるため、高圧ホース2の引回し、駆動機構の軽量化が可能になる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、ウォータージェットピーニング装置における高圧ポンプからノズルへ供給する水を低減することができる。
また、貯水タンクの小型化が図れると共に、供給水の水量が低減し、反力が小さくなるため、装置自体の小型化が図れる。
【0058】
更に、供給水の水量が低減されるため、例えば原子力プラント内で本装置を使用した場合、汚染された水の発生を抑制することができる。
同じく、本発明によれば、エゼクタ部を設けたことにより、ノズル内の水の流れを複雑化し、キャビテーションの発生を活発化することができるので、効率良く残留応力を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの一実施の形態を示す説明図である。
【図2】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの適用対象となるウォータージェットピーニング装置の一例を示す説明図である。
【図3】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの一実施の形態におけるキャビテーション生成の説明図である。
【図4】被加工対象物表面近傍におけるキャビテーション挙動の説明図である。
【図5】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの第1の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの第2の実施の形態を示す断面図である。
【図7】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの第3の実施の形態を示す断面図である。
【図8】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの特性を各実施の形態で比較して示した説明図である。
【図9】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルの性能を従来技術と比較して各実施形態毎に示した特性図である。
【図10】本発明によるキャビテーション噴流用ノズルを原子力プラント構造物の残留応力改善処理に適用した場合の説明図である。
【符号の説明】
1 キャビテーション噴流用ノズル
2 高圧ホース
3 高圧ポンプ
4 供給水タンク
10 収束部
11 高圧水加速部
12 ホーン部
13 吸込通路
14 キャビテーション混合部
15 エゼクタ部
20 キャビテーション(気泡)
21 収縮キャビテーション
22 消滅キャビテーション
23〜26 変形キャビテーション
27 塑性変形痕
40 初期残留応力特性
41 従来技術のノズルによるウォータージェットピーニング後残留応力分布(エゼクタ機構無)特性
42 図5の実施形態によるウォータージェットピーニング後残留応力分布特性
43 図6の実施形態によるウォータージェットピーニング後残留応力分布特性
44 図7の実施形態によるウォータージェットピーニング後残留応力分布特性
100 供給水
101 環境水
103 対象構造物
110 残留応力改善装置
111 上フランジ
112 定着固定体
113 ターンテーブル
114 フレーム
115 アーム
116 ポール

Claims (8)

  1. ウォータージェットピーニングのためのキャビテーション発生用のノズルにおいて、
    供給水の流路の断面を減少させる収束部と、
    前記収束部に連通し、供給水の流速を上昇させる高圧水加速部と、
    前記高圧水加速部に連通し、ノズル周りにある環境水を吸入し、供給水と混合して下流側に射出するエゼクタ部と、
    前記エゼクタ部に連通し、環境水が混合された供給水の流路の断面を拡大するホーン部とを備えたことを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  2. 請求項1に記載の発明において、
    前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、前記高圧水加速部の任意位置と前記ホーン部の任意位置の何れかに設けられていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  3. 請求項1に記載の発明において、
    前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心軸に対してらせん状をなして形成されていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  4. 請求項1に記載の発明において、
    前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、少なくとも2個、設けられていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  5. 請求項1に記載の発明において、
    前記エゼクタ部を形成する吸込通路が、ノズルの中心線に対して供給水の通流方向の上流側に倒れた90°以下の角度で交わるようにして形成されていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  6. 請求項1に記載の発明において、
    前記エゼクタ部に吸込まれた環境水と高圧高速環境水が混合する部分が、耐摩耗性に優れた材料で被覆されていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  7. 請求項1に記載の発明において、
    前記ホーン部の少なくとも一部が、耐摩耗性に優れた材料で被覆されていることを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
  8. 請求項1に記載の発明において、
    前記高圧水加速部が、流路の径が段階的に異なっている部分を有することを特徴とするキャビテーション噴流用ノズル。
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