JP2002241696A - コーティング用シリコーンゴム組成物及びエアーバッグ - Google Patents
コーティング用シリコーンゴム組成物及びエアーバッグInfo
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Abstract
ルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキ
サン 100重量部 (B)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個有する下記一般式(1) 【化1】 (式中、pは1〜50の整数、qは0〜50の整数であり、Xは水素原子、R1 又はR2を表し、R1及びR2は脂肪族不飽和結合を除く、互いに同一又は異種 の、非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。) で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 組成物中の珪素原子に結合したアルケニル基のモル数に対し、珪素原 子に結合する水素原子のモル数の比が1:2〜1:7となるような量 (C)付加反応触媒 触媒量 を含有することを特徴とするコーティング用シリコーン
ゴム組成物。 【効果】 本発明のコーティング用シリコーンゴム組成
物をコーティングしたナイロン66等の合成繊維織物等
からなるエアーバッグ用基布は、コーティングが薄膜で
あっても気密性に優れかつスコット揉み試験においても
耐久性に問題はないという特徴を有する。
Description
るエアーバッグ用として好適なコーティング用シリコー
ンゴム組成物及びエアーバッグに関する。更に詳しく
は、溶剤による希釈なしに基材に対する薄膜コーティン
グを可能にし、特にエアーバッグの展開時における高温
・高展張に耐え得るコーティング用シリコーンゴム組成
物及びエアーバッグに関する。
車両等に搭乗する乗員への衝撃を緩和する保護用安全装
置としてエアーバッグが実用化されている。従来、エア
ーバッグはナイロン等の合成繊維の織物にクロロプレン
系樹脂をコーティングした複合材料であった。
コーティングされたエアーバッグは、長期間一定温度以
上の環境に放置すると、コーティング基布の種類によっ
ては当該樹脂から遊離する塩化水素により基布を構成す
る分子鎖が切断され、エアーバッグ自身の強度が低下す
る傾向にあった。
が高く、エアーバッグの風合いが硬くなってしまい、そ
の結果エアーバッグのコンパクト化を困難とさせてい
た。しかも、クロロプレン系樹脂によるコーティングは
軽量化が困難であり、従来搭載されている大型車両にお
ける意匠性や小型車両にも搭載を可能とするためのコン
パクト化を妨げる状態となっている。
コーティングされたエアーバッグが上市されており、こ
の種のエアーバッグは展開時の燃焼ガスの高温耐性に優
れかつ硬度を低くすることもでき、更にクロロプレン系
樹脂に比べ軽量化が行えるため、エアーバッグモジュー
ルのコンパクト化・軽量化も可能となっている。
ステムとして、側面衝突時における搭乗員への衝撃緩和
又は車両横転時に搭乗員が車外に放り出されないための
サイドカーテンシールドエアーバッグが実用化されてい
る。このサイドカーテンシールドエアーバッグは、展開
後一定時間以上インフレーション剤の爆発により発生す
るガス圧(内圧)を保持する必要があり、展開後短時間
に萎んでしまうような、内圧の保持時間が短くとも問題
のない運転席や助手席に取り付けられるフロントエアー
バッグとは求められる性能に大きな差がある。更に生産
性の面からコーティングスピードを落とすことなくシリ
コーンゴムを均一にコートすることや、コストの面でフ
ロントエアーバッグに必要とされる塗布量と同等又は少
ない量の塗布量で十分な気密性を保持できることが必要
とされている。
はもとより、エマルジョンタイプのシリコーンコート材
では、必要な気密性を得ることができず、またミラブル
タイプのシリコーンコート材についても、溶剤による希
釈が必要など生産性や作業性に劣ることが問題とされて
いた。
で、エアーバッグ用として有効で、エアーバッグ用基材
に対して少ない塗布量でも高い気密性を保持する皮膜を
与え、コンパクト化や高い展張性を持つコーティング用
シリコーンゴム組成物及びこのシリコーンゴム組成物の
硬化皮膜が形成されたエアーバッグ、特にサイドカーテ
ンシールドエアーバッグを提供することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を進めた
結果、(A)一分子中に珪素原子に結合したアルケニル
基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、
(B)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個有する下記一般式(1)で表されるオルガノハ
イドロジェンポリシロキサン、及び(C)付加反応触媒
を含有すること、この場合、更に好ましくは(D)一分
子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を少なくとも
1個有する有機珪素化合物、(E)分子中にアルケニル
基を有するシロキサン単位と、式SiO4/2で示され
るシロキサン単位とを含有するオルガノポリシロキサン
レジン、(F)微粉末状シリカ、並びに(G)カーボ
ン、NiO2、FeO、FeO2、Fe2O3、Fe 3
O4、CoO2、CeO2、TiO2、CaCO3、M
gCO3及びAl(OH)3から選ばれる粉体のうち1
種又は2種以上を配合することにより、エアーバッグ用
基材に対して30g/m2以下の少ない塗布量でも高い
気密性を保持する硬化皮膜を形成し得、コンパクト化や
高い展張性を持つコーティング用シリコーンゴム組成物
が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
とも2個有する下記一般式(1)
エアーバッグ基布にこのシリコーンゴム組成物の硬化皮
膜が形成されたエアーバッグを提供する。
本発明に使用される(A)成分のオルガノポリシロキサ
ンは、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)となる
成分であり、本発明の組成物が、硬化後にゴム弾性を有
するシリコーンゴムコーティング膜になるため、一分子
中に珪素原子に結合するアルケニル基を少なくとも2個
有することが必要である。このオルガノポリシロキサン
としては、下記一般式で表されるものを用いることがで
きる。
の一価炭化水素基、R4はアルケニル基、m,nはそれ
ぞれ0.7<m<2.2、0<n<0.1、0.8<m
+n≦2.2を満足する正数である。)
ルケニル基であるR4は、分子鎖末端の珪素原子に結合
していても、分子鎖途中の珪素原子に結合していてもよ
く、両者に存在してもよく、好ましくは炭素数2〜8、
より好ましくは炭素数2〜6のもので、例えば、ビニル
基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、
1−ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などが
挙げられるが、合成の容易さや化学的安定性などの点か
らビニル基が好ましい。
外の炭化水素基であるR3としては、炭素数1〜12、
好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で
あり、特に脂肪族不飽和結合を有しないものが好まし
い。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル
基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等
のアリール基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル
基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、
クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピ
ル基、シアノエチル基等のハロゲン置換やシアノ置換炭
化水素基を例示することができる。これらのうち好まし
いものは合成が容易で化学的安定性のよいメチル基、フ
ェニル基の一方又は混合からなるものである。
しくは1≦m≦2.1、より好ましくは1.95≦m≦
2.05、nは0<n<0.1、好ましくは0.000
1≦n≦0.1、より好ましくは0.001≦n≦0.
05を満足する正数であり、またm+nは0.8<m+
n≦2.2、好ましくは1.1≦m+n≦2.2、より
好ましくは1.98≦m+n≦2.1を満足する正数で
ある。
は、直鎖状、分岐状、網状及び三次元的樹脂状構造のい
ずれの形態であってもよく、またこれらの混合物であっ
てもよい。一般的には主鎖部分がジオルガノシロキサン
単位の繰り返しからなる分子鎖末端がトリオルガノシロ
キシ基により封鎖された直鎖状のオルガノポリシロキサ
ンである。
℃における粘度が100〜1,000,000mPa・
sec(ミリパスカル・秒)であり、好ましくは1,0
00〜100,000mPa・secである。100m
Pa・sec未満の場合は硬化物が脆弱になってしま
い、またコーティングを施したエアーバッグが硬くなっ
てしまうおそれがある。また、1,000,000mP
a・secを超えると取り扱いが困難になり、コーティ
ングの際に溶剤による希釈が必要になるなど作業性が劣
ってしまう場合がある。
ては、例えば両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメ
チルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重
合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチ
ルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフ
ェニルシロキサン共重合体などが挙げられる。
シロキサンは、分子中の珪素原子結合水素原子(即ち、
SiH基)が(A)成分中のアルケニル基とヒドロシリ
ル化付加反応により架橋構造を形成して硬化を起こし、
実用上十分な強度を持つシリコーンゴム硬化物を与える
ための架橋剤として必須の成分である。当該オルガノハ
イドロジェンポリシロキサンは、下記一般式(1)で表
されるものである。
り、Xは水素原子、R1又はR2を表し、R1及びR2
は脂肪族不飽和結合を除く、互いに同一又は異種の、非
置換又は置換の一価炭化水素基を表す。)
12、好ましくは1〜8の非置換又は置換の一価炭化水
素基であり、特に脂肪族不飽和結合を有さないものが好
ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−
ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアル
キル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル
基等のアリール基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ
ル基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル
基、クロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプ
ロピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換やシアノ置
換炭化水素基を例示することができる。これらのうち好
ましいものは(A)成分と同様に合成が容易で化学的安
定性のよいメチル基、フェニル基の一方又は混合からな
るものである。なお、上記式(1)中において、R1と
R2は同じ基であっても異なった基であってもよい。
ましくは1〜25、より好ましくは5〜20の整数、q
は0〜50、好ましくは0〜25、より好ましくは5〜
20の整数であり、またpとqの比率は次式で示される
tがt=p/(p+q)0.1≦t<1を満たすような
構造のものが好ましく、更には0.2≦t≦0.8を満
たす構造のものが好ましい。
されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種
単独で用いても2種以上を併用して用いてもよい。
ジェンポリシロキサンの25℃における粘度は、好まし
くは1〜500mPa・sec、更に5〜100mPa
・secであるものが好ましい。
子に結合したアルケニル基1個に対し(B)成分中に存
在する珪素原子結合の水素原子(SiH基)の数の比が
1:2〜1:7(即ち、(SiH/SiCH=C
H2);2〜7mol/mol)の範囲になる量であ
り、好ましくは1:3〜1:6、更に好ましくは1:
3.5〜1:5.5になる量である。この比が2未満の
場合はコーティングされたエアーバッグにおいて十分な
気密性を得ることができず、7より大きいとコーティン
グされたエアーバッグ基布を構成する織り糸同士の絡み
合いを弱め、エアーバッグの引き裂き強さが著しく低下
してしまう。
基は、(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基の他
に、後述する任意成分としての(D)成分、(E)成分
中の珪素原子結合アルケニル基及び(C)成分の白金族
金属系触媒に用いられる錯体や希釈剤としてのアルケニ
ル基含有シロキサン中のアルケニル基等の合計を意味す
るものである。
(C)成分として付加反応触媒、特に白金族金属系触媒
が用いられる。これは前記(A)成分の珪素原子に結合
するアルケニル基と(B)成分の珪素原子に結合する水
素原子との付加反応を促進するための触媒であり、この
触媒としてはヒドロシリル化反応に用いられる触媒とし
て周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、白金
(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金
属単体;H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・
nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl
6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2Pt
Cl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtC
l2、Na2HPtCl4・nH2O(但し、nは0〜
6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩
化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性
塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参
照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米
国特許第3,159,601号明細書、同第3,15
9,662号明細書、同第3,775,452号明細書
参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミ
ナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジ
ウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリ
フェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触
媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル
基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンと
のコンプレックスなどが挙げられる。
は、いわゆる触媒量でよく、通常、全組成物の合計量に
対する白金族金属の重量換算で、0.1〜500pp
m、更には1〜200ppm程度でよい。
(A)〜(C)成分を必須成分とするものであるが、そ
れらの成分に加えて本発明のシリコーンゴム組成物中に
は、(D)成分として一分子中にエポキシ基及び/又は
アルコキシ基を少なくとも1個有する有機珪素化合物を
配合することが好ましい。
ッグ用の合成繊維織物基材、不織布基材、或いは熱可塑
性樹脂シート状又はフィルム状基材に対する接着性を向
上させるために用いられる成分であり、このような接着
性向上成分としては、例えばアルコキシ基及びビニル基
を有するエポキシ基含有オルガノポリシロキサン、珪素
原子結合水素原子を持つエポキシ基含有オルガノポリシ
ロキサン、珪素原子結合水素原子とアルコキシ基を有す
るエポキシ基含有オルガノポリシロキサン等のエポキシ
基含有オルガノポリシロキサンや、珪素原子結合水素原
子を有するアルコキシ基含有オルガノポリシロキサン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシ基含有オルガ
ノシラン等が挙げられ、これらは1種単独で又は2種以
上を併用して用いられる。
ガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜10
重量部とすることが好ましく、より好ましくは0.5〜
5重量部であることが望ましい。配合量が少なすぎる
と、十分な接着性が得られない場合があり、配合量が多
すぎると、コスト的に高いものとなり不経済となる場合
がある。
サンレジンを配合することが好ましい。このオルガノポ
リシロキサンレジンはSiO4/2単位とR3SiO
1/2単位とを必須に含有し、場合によってはR2Si
O2/2単位、RSiO3/2単位を任意に含有しても
よい三次元網状構造のものであり(ここでRは炭素数1
〜8の一価炭化水素基であり、前記R3、R4として例
示したものと同じものを挙げることができる)、このよ
うなオルガノポリシロキサンレジンを配合することによ
り、得られるシリコーンゴムの強度が高くなり、好まし
いものとなる。オルガノポリシロキサンレジンとして
は、特にビニル基等のアルケニル基を持つものが本発明
組成物中の架橋構造中に取り込まれることによりその強
度を向上させるため、分子中にアルケニル基を有するシ
ロキサン単位と、式SiO4/2で示されるシロキサン
単位とを含有するオルガノポリシロキサンレジンを配合
することが好ましい。
R3SiO1/2単位(M)とSiO2単位(Q)と
を、そのモル比がM/Q;0.7〜1.5、特に0.8
〜1.2の割合で含有するものであることが好ましい。
は、1〜5重量%、特に2〜3重量%であることが好ま
しい。このアルケニル基含有量が1重量%より少ない
と、(E)成分のオルガノポリシロキサンレジン中にア
ルケニル基を含有しないレジン分子が生成、混入する可
能性があり、5重量%より多いとこの組成物を硬化した
シリコーンゴムの伸びが低くなり、耐熱性にも劣る場合
がある。
としては、例えば、(CH3)3SiO1/2単位とS
iO4/2単位とからなるレジン、(CH3)3SiO
1/ 2単位と(CH2=CH)SiO3/2単位とSi
O4/2単位とからなるレジン、(CH2=CH)(C
H3)2SiO1/2単位とSiO4/2単位とからな
るレジン、(CH2=CH)(CH3)2SiO1/2
単位と(CH2=CH)SiO3/2単位とSiO
4/2単位とからなるレジン、(CH2=CH)SiO
3/2単位と(CH3)3SiO1/2単位と(C
H3)2SiO2/2単位とSiO4/2単位とからな
るレジン、(CH3)3SiO1/2単位と(CH2=
CH)(CH3)2SiO1/2単位とSiO4/2単
位とからなるレジン等が挙げられる。
(A)成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対
して1〜100重量部とすることが好ましく、特に5〜
50重量部とすることが好ましい。配合量が少なすぎる
と、目的とするゴム強度が得られない場合があり、配合
量が多すぎると、ゴムの硬化皮膜が固くなり、エアーバ
ッグとしての風合いが損なわれてしまう場合がある。
は、(F)成分として補強性のある微粉末状のシリカを
配合することが推奨される。この(F)成分の微粉末状
シリカは硬化物の機械的強度を補強するためのもので、
従来からシリコーンゴムの補強性充填剤として使用され
ている公知のものでよく、例えば、煙霧質シリカ、沈降
シリカなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を
併用して用いることができる。
る比表面積が50m2/g以上、特に50〜500m2
/g程度のものが一般的である。
してもよいが、本発明組成物に良好な流動性を付与させ
るため、メチルクロロシラン類、ジメチルポリシロキサ
ン、ヘキサメチルジシラザンなどの有機珪素化合物で処
理したものを使用することが好ましい。
ガノポリシロキサン100重量部に対して1〜100重
量部、特に5〜15重量部とすることが好ましい。配合
量が少なすぎると、ゴム硬化物の機械的強度が低下する
場合があり、配合量が多すぎると、組成物の流動性が低
下して作業性が悪くなる場合がある。
は、(G)成分としてカーボン、NiO2、FeO、F
eO2、Fe2O3、Fe3O4、CoO2、Ce
O2、TiO2、CaCO3、MgCO3及びAl(O
H)3から選ばれる1種又は2種以上を配合することに
より、シリコーンゴム及びシリコーンゴムコーティング
基材に高温耐性を付与することができるため、好ましい
ものとなる。具体的には、上記したカーボン、Ni
O2、FeO、FeO2、Fe2O3、Fe3O4、C
oO2、CeO2、TiO2、CaCO3、MgCO3
及びAl(OH)3から選ばれる、平均粒子径が20μ
m以下、好ましくは0.01〜20μm、より好ましく
は0.01〜10μmの粉末の1種又は2種以上である
ことが望ましい。平均粒子径が20μmより大きくなる
と薄膜コーティング時の表面平滑性が低下する場合があ
り、平均粒子径が0.01μmより小さいと2次凝集が
つぶれにくく均一なものが得られない場合がある。
重量部に対し0.1〜100重量部であることが望まし
く、より好ましくは0.3〜20重量部であることが望
ましい。0.1重量部未満の場合は高温耐性向上に効果
が期待できないおそれがあり、また100重量部を超え
る場合には硬化物の物性に悪影響を与え、コーティング
基材として必要な物性を得られない場合がある。
必要に応じてヒドロシリル化反応制御剤などを配合して
もよい。配合量としては本発明の効果を損なわない限り
任意とされる。ヒドロシリル化反応制御剤としては、具
体的にトリアリルイソシアヌレート、アセチレンアルコ
ール類などが挙げられる。更に白金触媒や白金化合物触
媒などを内在してなるマイクロカプセルのような形態を
持つ触媒を使用し、ヒドロシリル化反応を制御すること
も可能である。
ーンゴムの添加剤として周知とされている各種添加剤、
例えば、酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、希土類
酸化物、セリウムシラノレート等の無機充填剤、顔料や
耐熱剤等を添加配合することは本発明の目的を損わない
限り差し支えない。
化性シリコーンゴム組成物と同様に、2液に分け、使用
時にこの2液を混合して硬化させるいわゆる2液型の組
成物とすることができる。その場合には(C)成分と
(B)成分を同一グループ内に共存させない、また
(D)成分に珪素原子結合の水素原子を持つような有機
化合物を配合する場合にも(C)成分と(D)成分を同
一グループ内に共存させないこと以外に特に制限はな
い。
(A)〜(G)成分に必要に応じて有機溶剤、顔料、耐
熱剤などの任意成分を添加して均一に混合した後、エア
ーバッグ用合成繊維織物上にコーティングし、熱風乾燥
炉に入れて加熱硬化させてエアーバッグ用シリコーンゴ
ムコーティング基布とすることができる。
は、エアーバッグ用として、エアーバッグ基布に対する
コーティング剤として適したものであり、エアーバッグ
用の合成繊維織物、不織布、熱可塑性樹脂シート状又は
フィルム状の基材といったコーティング対象に適用する
と、シリコーンゴムコーティング膜とエアーバッグ用基
布とが強固に結合し、一体化する。
発明のシリコーンゴム組成物のコーティング量は、15
〜150g/m2、より好ましくは15〜80g/
m2、更に好ましくは20〜40g/m2とすることが
好ましく、本発明によれば、基材に対し薄膜コーティン
グを可能にし、シリコーンゴム組成物がエアーバッグ用
基材に対して30g/m2以下の塗布量でも高い気密性
を保持し得るものである。
化条件は、適宜選定されるが、120〜180℃におい
て1〜10分とすることが好ましい。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、下記においてViはビニル基、M
eはメチル基を示す。
ルシリル基で封鎖されたVi基含有量0.32重量%の
ジメチルポリシロキサン84重量部、トリメチルシリル
基で処理された比表面積が130m2/gの疎水性シリ
カ30重量部をニーダー中に投入し、よく撹拌しながら
ヘキサメチレンジシラザン5重量部と水1.5重量部を
添加し、無加熱で均一になるまで混合を行った。この後
温度を170℃に昇温し、引き続き4時間の混合を行
い、その後室温まで降温した。このようにして得られた
混合物60重量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシ
リル基で封鎖されたVi基含有量0.32重量%のジメ
チルポリシロキサン40重量部を加えたベース100重
量部に、接着促進剤としてビニルトリメトキシシランを
0.5重量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシ
ロキサンの錯体を分子鎖両末端がビニルジメチルシリル
基で封鎖された25℃での粘度が約600mPa・se
cのジメチルポリシロキサンで希釈した白金触媒溶液
(Vi基含有量0.4重量%、白金原子含有量1重量
%)として0.3重量部、制御剤として1,3,5,7
−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラ
シロキサン1重量部、コーティング状態を目視で確認で
きるようにベンガラ0.5重量部を加え、均一に混合
し、調製液を調合した。次いでこの調合液に下記の平均
分子式を持つハイドロジェンポリシロキサン1を17.
5重量部添加混合し、シリコーンゴム組成物を調製し
た。
る珪素原子結合水素原子のモル比(SiH/SiVi)
は5.2であった。
ン66(420デニール)基布にコーティングして気密
性の評価を行った。コーティング方法はコーターにより
エアーバッグ用基布(ナイロン66)に対しシリコーン
ゴム組成物を20〜30g/m2になるようにコーティ
ングし、170℃のオーブン中で1分間の加熱を行い、
硬化させた。
を気密性評価器に接続した後、面積約28cm2のコー
ティング面に対して2.5kgf/cm2のエアー圧力
をかけ、コーティングした裏面からの5秒間の総エアー
リーク量を測定した。本試験においてエアーリーク量が
1ml以下を合格ラインとした。
用いて評価を行い、評価方法は押し圧力2kgfで50
0回の揉み試験後、コーティング部分の破壊状況を目視
で確認し、コート材のコーティング面からの剥離や剥れ
がないものを合格とした。
準じて測定を行った。また引き抜き強度についてはコー
ティング基布を幅2cm、長さ10cmの短冊状に切断
したものを短い一辺の中心の点(両端から1cmの部
分)から短冊状の対角線の交わる中心に向かい1cmの
部分に直径約2mmの孔を空け、その孔にオートグラフ
の冶具を通し、もう一方の端を冶具に挟み上下方向に引
っ張りその強度を測定した。これらの特性値の結果を表
1に示す。
分子式を持つハイドロジェンポリシロキサン2を25重
量部添加すること以外は実施例1と同様にしてシリコー
ンゴム組成物を調製した。
る珪素原子結合水素原子のモル比は4.3であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表1に併記する。
ジェンポリシロキサン1を5.0重量部と更に下記の平
均分子式を持つハイドロジェンポリシロキサン3を1
6.6重量部添加すること以外は実施例1と同様にして
シリコーンゴム組成物を調製した。
る珪素原子結合水素原子のモル比は3.7であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表1に併記する。
イドロジェンポリシロキサン1を5.0重量部にするこ
と以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物
を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基に対す
る珪素原子結合水素原子のモル比は1.5であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表1に併記する。
イドロジェンポリシロキサン2を9.0重量部にするこ
と以外は、実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物
を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基に対す
る珪素原子結合水素原子のモル比は1.5であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表1に併記する。
イドロジェンポリシロキサン1の添加量を30.4重量
部にすること以外は、実施例1と同様にしてシリコーン
ゴム組成物を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニ
ル基に対する珪素原子結合水素原子のモル比は9.0で
あった。この組成物の特性についても実施例1と同様に
測定を行った。結果を表1に併記する。
ルシリル基で封鎖された25℃での粘度が約10,00
0mPa・secのビニル基含有量が0.14重量%で
あるジメチルポリシロキサン60重量部、同じく分子鎖
両末端がビニルジメチルシリル基で封鎖された25℃で
の粘度が約5,000mPa・secのビニル基含有量
が0.16重量%であるジメチルポリシロキサン20重
量部、Vi(Me)2SiO1/2単位とSiO4/2
単位からなるビニル基含有メチルポリシロキサンレジン
(ビニル基含有量2.3重量%)20重量部、接着促進
剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
を1重量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロ
キサンの錯体を分子鎖両末端がビニルジメチルシリル基
で封鎖された25℃での粘度が約600mPa・sec
のジメチルポリシロキサンで希釈した溶液(Vi基含有
量0.4重量%、白金原子含有量1重量%)0.3重量
部、硬化制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−
1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン1重量
部、コーティング状態を目視で確認できるようにベンガ
ラ0.5重量部を加え均一に混合し、調製液を調合し
た。この調合液に実施例1で用いたハイドロジェンポリ
シロキサン1を20重量部添加混合し、シリコーンゴム
組成物を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基
に対する珪素原子結合水素原子のモル比は4.5であっ
た。このように得られたシリコーンゴム組成物を実施例
1と同様にエアーバッグ基布ヘコーティングし、評価を
行った。結果を表2に示す。
用いたハイドロジェンポリシロキサン2を39.6重量
部添加すること以外は実施例4と同様にしてシリコーン
ゴム組成物を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニ
ル基に対する珪素原子結合水素原子のモル比は5.0で
あった。この組成物の特性についても実施例1と同様に
測定を行った。結果を表2に併記する。
分子式を持つハイドロジェンポリシロキサン4を34.
4重量部添加混合すること以外は実施例4と同様にシリ
コーンゴム組成物を調製した。
る珪素原子結合水素原子のモル比は3.5であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表2に併記する。
イドロジェンポリシロキサン1を6.7重量部にするこ
と以外は、実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物
を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基に対す
る珪素原子結合水素原子のモル比は1.5であった。ま
た、この組成物の特性についても実施例1と同様に測定
を行った。結果を表2に併記する。
イドロジェンポリシロキサン2を10.3重量部にする
こと以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物
を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基に対す
る珪素原子結合水素原子のモル比は1.3であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表2に併記する。
イドロジェンポリシロキサン1を35.6重量部にする
こと以外は実施例4と同様にしてシリコーンゴム組成物
を調製した。この組成物の珪素原子結合ビニル基に対す
る珪素原子結合水素原子のモル比は8.0であった。こ
の組成物の特性についても実施例1と同様に測定を行っ
た。結果を表2に併記する。
組成物をコーティングしたナイロン66等の合成繊維織
物等からなるエアーバッグ用基布は、コーティングが薄
膜であっても気密性に優れかつスコット揉み試験におい
ても耐久性に問題はないという特徴を有する。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)一分子中に珪素原子に結合したアルケニル基を少なく とも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (B)一分子中に珪素原子に結合した水素原子を少なく
とも2個有する下記一般式(1) 【化1】 (式中、pは1〜50の整数、qは0〜50の整数であり、Xは水素原子、R1 又はR2を表し、R1及びR2は脂肪族不飽和結合を除く、互いに同一又は異種 の、非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。) で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン 組成物中の珪素原子に結合したアルケニル基のモル数に対し、珪素原 子に結合する水素原子のモル数の比が1:2〜1:7となるような量 (C)付加反応触媒 触媒量 を含有することを特徴とするコーティング用シリコーン
ゴム組成物。 - 【請求項2】 (D)一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシ基を少な くとも1個有する有機珪素化合物 0.1〜10重量部 を含むことを特徴とする請求項1記載のコーティング用シリコーンゴム組成物。
- 【請求項3】 (E)一分子中にアルケニル基を有するシロキサン単位と、 式SiO4/2で示されるシロキサン単位とを含有するオルガノポリシロキサン レジン 1〜100重量部 を添加することを特徴とする請求項1又は2記載のコー
ティング用シリコーンゴム組成物。 - 【請求項4】 (F)微粉末状シリカ 1〜100重量部 を配合することを特徴とする請求項1,2又は3記載の
コーティング用シリコーンゴム組成物。 - 【請求項5】 (G)カーボン、NiO2、FeO、F
eO2、Fe2O3、Fe3O4、CoO2、Ce
O2、TiO2、CaCO3、MgCO3及びAl(O
H)3から選ばれる1種又は2種以上 0.1
〜100重量部を配合することを特徴とする請求項1乃
至4のいずれか1項記載のコーティング用シリコーンゴ
ム組成物。 - 【請求項6】 エアーバッグ基布コーティング用である
請求項1乃至5のいずれか1項記載のコーティング用シ
リコーンゴム組成物。 - 【請求項7】 エアーバッグ基布に請求項1乃至5のい
ずれか1項記載のコーティング用シリコーンゴム組成物
の硬化皮膜が形成されてなるエアーバッグ。
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JP2008074881A (ja) * | 2006-09-19 | 2008-04-03 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 液状シリコーンゴムコーティング剤組成物及びその製造方法 |
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JP2011080158A (ja) * | 2009-10-02 | 2011-04-21 | Toyobo Co Ltd | エアバッグ用コート布 |
KR101414895B1 (ko) * | 2007-07-30 | 2014-07-03 | 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 | 액상 실리콘 고무 코팅제 조성물, 커튼 에어백 및 그의제조 방법 |
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2001
- 2001-02-14 JP JP2001036643A patent/JP4171866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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