JP2002241466A - 含リンエポキシ樹脂、含リンエポキシ樹脂組成物、その製造方法、それを用いた封止材および積層板 - Google Patents

含リンエポキシ樹脂、含リンエポキシ樹脂組成物、その製造方法、それを用いた封止材および積層板

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JP2002241466A
JP2002241466A JP2001337725A JP2001337725A JP2002241466A JP 2002241466 A JP2002241466 A JP 2002241466A JP 2001337725 A JP2001337725 A JP 2001337725A JP 2001337725 A JP2001337725 A JP 2001337725A JP 2002241466 A JP2002241466 A JP 2002241466A
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epoxy resin
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JP2001337725A
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Takeshi Tamura
健 田村
Eiichi Tatsutani
栄一 龍谷
Yoshiro Kaneda
嘉郎 金田
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた難燃性を有する含リンエポキシ樹脂及
び優れた難燃性と耐薬品性を有する含リンエポキシ樹脂
組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される第2級ホス
フィン誘導体から誘導される構造単位を含有する含リン
エポキシ樹脂、及び該含リンエポキシ樹脂と、硬化剤又
は重合開始剤とを含有する含リンエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1、R2は置換されていてもよい直鎖状又は分
岐状のアルキル基を示し、該アルキル基中の1つあるい
は2つ以上のメチレン基は−CH=CH−によって置き
換えられていてもよく、R1とR2は同一な基であっても
異なる基であってもよく、またR1とR2はPを含んであ
るいはPを含まないで環状物を形成していてもよい。X
は酸素原子又は硫黄原子を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板、
電気回路基板に用いられる銅張積層板、電気部品に用い
られる封止材、成形材、注型材、接着剤、電気絶縁塗料
材料等に使用される難燃性の含リンエポキシ樹脂および
これを含有する難燃性の優れた含リンエポキシ樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は接着性、耐熱性、成形性
に優れていることから電子部品、電気機器、自動車部
品、FRP、スポーツ用品などの広い範囲で使用されて
いる。これらの中、電気部品、電気機器に使用される銅
張り積層板や封止材には難燃剤、特に臭素化エポキシ樹
脂やアンチモン化合物が使用されている。しかしなが
ら、含ハロゲン化物やアンチモン化合物は、人体に対す
る安全性が危惧され、こうしたことから、環境を配慮し
た難燃剤が望まれている。
【0003】従来、エポキシ樹脂の難燃化方法として
は、添加型の難燃剤をエポキシ樹脂に混練配合する方
法、反応性の難燃剤により、エポキシ樹脂と難燃剤とを
化学結合させてエポキシ樹脂を改質する方法等が提案さ
れている。
【0004】添加型の難燃剤を用いる方法としては、例
えば、水和アルミナを用いる方法(特開平05−253
69号公報)、表面処理した赤りん、水和アルミナ、シ
リカ粉末を用いる方法(特開昭58−198521号公
報)、改質赤りんを用いる方法(特開昭63−1568
60号公報)等が提案されている。しかしながら、これ
らの添加型の難燃剤を用いた場合には、難燃剤の添加量
が多くなり、得られる材料の成形性に問題がある。
【0005】一方、反応性の難燃剤を用いる方法は、難
燃剤の添加量が少なくてすむことから、各種のものが提
案されている。反応性の難燃剤として、例えば、トリス
(ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシドを用いる方
法(特開昭57−195141号公報)、下記一般式
(4)
【0006】
【化5】
【0007】(式中、x=0〜2、y=1〜3であり、
かつx+y=3である。R5 はメチレン基、エチレン基
を示す。)で表されるホスフィンオキシド誘導体を用い
る方法(特開昭63−95223号公報)、下記一般式
(5)
【0008】
【化6】
【0009】又は、下記一般式(6)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、
nは0〜4を示す)で表される有機リン化合物を用いる
方法(特開平11−279258号公報、特開平11−
166035号公報)、ホスホン酸とエポキシ基を有す
るポリエポキシ化合物又はエピハロヒドリンとを反応さ
せて得られるホスホン酸のエポキシエステル化合物を用
いる方法(特開昭51−143620号公報、特開平0
3−84025号公報、特開平02−272014号公
報、特開平02−269730号公報)等が提案されて
いる。
【0012】また、反応性の難燃剤として、特開200
0−80251号公報には、下記一般式(7)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R’は2個以上のフェノール性O
H基を含む化合物、n’は0乃至3の整数であり、R”
は1〜8個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のア
ルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基又はア
リール基または1〜18個の炭素原子を有するアルキル
またはアルコキシ置換アルキル基またはアリール基であ
り、R”は、P原子と共に環を形成してもよく、mは0
又は1である)で表されるリン含有化合物を用いる方法
が開示されている。この公報には、反応性難燃剤として
非常に広範囲のリン含有化合物が含まれる様に記載され
ているが、実際に難燃性を示すものとして確かめられて
いるものは燐原子−酸素原子(P−O)の結合を有する
化合物が開示されているだけである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ樹脂の難燃化方法は、上記したとおり、種々提案され
ているもののエポキシ樹脂の反応性難燃剤による難燃化
の一つの課題として、エポキシ樹脂の単位重量当りのリ
ン含有量を難燃効果が発揮されるまで上げることが難し
く、またエポキシ樹脂に十分なリン含有量があるにもか
かわらず、難燃性を高めることが難しいと言う問題があ
る。
【0016】また、従来提案されているエポキシ樹脂の
反応性難燃剤の有機りん化合物は、P−O結合を有する
ものがほとんどであり、このため、耐加水分解性に問題
があり、特にこのP−O結合を有する電気部品用のエポ
キシ樹脂を難燃剤として使用したものは、有機りん化合
物の分解によるりん酸が溶出し、電気特性が低下すると
いう問題がある。
【0017】従って、本発明の課題は、優れた難燃性を
有するリン原子を含有する含リンエポキシ樹脂およびそ
の工業的に有利な製造方法、含リンエポキシ樹脂を含有
し、優れた難燃性と耐薬品性を有する含リンエポキシ樹
脂組成物、それを用いた封止材、成形材および積層板を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、下記一般
式(1)で表される第2級ホスフィン誘導体から誘導さ
れる構造単位をエポキシ樹脂に導入することにより達成
されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0019】即ち、本発明の第1の発明は、下記一般式
(1)
【0020】
【化9】
【0021】(式中、R1 およびR2 は置換されていて
もよい直鎖状又は分岐状のアルキル基又はシクロアルキ
ル基を示し、該アルキル基中の1つあるいは2つ以上の
メチレン基は−CH=CH−によって置き換えられてい
てもよく、R1 とR2 は同一な基であっても異なる基で
あってもよく、またR1 とR2 はPを含んであるいはP
を含まないで環状物を形成していてもよい。Xは酸素原
子又は硫黄原子を示す。)で表される第2級ホスフィン
誘導体から誘導される構造単位を含有することを特徴と
する含リンエポキシ樹脂を提供するものである。
【0022】前記R1 とR2 が形成する環状物は、下記
一般式(2)または一般式(3)で表されるものが好ま
しい。
【0023】
【化10】 (式中、R3 は置換されていてもよいアルキレン基を示
す。)
【0024】
【化11】 (式中、R4 は置換されていてもよいシクロアルキレン
基またはアリーレン基を示す。)
【0025】更に、前記第2級ホスフィン誘導体は、
1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド及び1,
5−シクロオクチレンホスフィンオキシドから選ばれる
少なくとも1種であるのが好ましい。
【0026】前記含リンエポキシ樹脂は、エポキシ化合
物またはポリエポキシ化合物と、前記一般式(1)で表
される第2級ホスフィン誘導体から選ばれる少なくとも
1種との反応により得られることを特徴とする。前記含
リンエポキシ樹脂中のリン含有量が、Pとして0.1〜
10重量%であるのが好ましい。
【0027】また、本発明の第2の発明は、上記の含リ
ンエポキシ樹脂と、硬化剤又は重合開始剤とを含有する
ことを特徴とする含リンエポキシ樹脂組成物を提供する
ものである。
【0028】また、本発明の第3の発明は、エポキシ化
合物またはポリエポキシ化合物と、前記一般式(1)で
表される第2級ホスフィン誘導体から選ばれる少なくと
も1種とを反応させることを特徴とする上記の含リンエ
ポキシ樹脂の製造方法を提供するものである。
【0029】また、本発明の第4の発明は、前記含リン
エポキシ樹脂組成物を用いてなることを特徴とする封止
材を提供するものである。封止材は電気部品の基板用の
封止材が好ましい。
【0030】また、本発明の第5の発明は、前記含リン
エポキシ樹脂組成物を用いてなることを特徴とする成形
材を提供するものである。また、本発明の第6の発明
は、前記含リンエポキシ樹脂組成物を用いてなることを
特徴とする積層板を提供するものである。積層板は電気
部品の基板用の積層板が好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明が提供しようとする含リンエポキシ樹脂は、下記
一般式(1)
【0032】
【化12】
【0033】で表される第2級ホスフィン誘導体から誘
導される構造単位を含有することを特徴とするものであ
る。
【0034】前記一般式(1)で表される第2級ホスフ
ィン誘導体の式中、R1 およびR2は、置換されていて
もよい直鎖状又は分岐状のアルキル基又はシクロアルキ
ル基を示し、アルキル基としては、炭素数1〜18、好
ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的に
は、メチル基、エチル基 、プロピル基、ブチル基、イ
ソプロピル基、3級ブチル基、sec−ブチル基等を例
示することが出来る。また、シクロアルキル基として
は、炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜8のシクロ
アルキル基であり、具体的には、シクロブチル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示することが出
来る。また、式中のR1 とR2 は、それぞれが同一の基
であっても異なる基であってもよい。また、該アルキル
基中の1つあるいは2つ以上のメチレン基は−CH=C
H−によって置き換えられていてもよく、具体的には、
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基等が挙げられ
る。
【0035】また、R1 およびR2 は置換されていても
よく、置換基としてはフェニル基、アルコキシ基、シア
ノ基、水酸基等が挙げられる。置換されているR1 およ
びR 2 は、具体的には、ベンジル基等のアラルキル基、
シアノアルキル基、シアノアルケニル基、ヒドロキシア
ルキル基、ヒドロキシアルケニル基等が挙げられる。
【0036】また、R1 とR2 はPを含んであるいはP
を含まないで環状物を形成していてもよい。
【0037】R1 およびR2 がPを含んで環状物を形成
する場合は、下記一般式(2)で表される結合で形成さ
れた環状物が挙げられる。
【0038】
【化13】
【0039】一般式(2)中、R3 は置換されていても
よいアルキレン基を示す。アルキレン基としては、炭素
数3〜9、好ましくは炭素数4〜6のアルキレン基であ
り、具体的には、プロピレン基,ブチレン基,ペンタメ
チレン基,ヘキサメチレン基,ヘプタメチレン基,オク
タメチレン基、ノナメチレン基等を挙げることができ
る。R3 は置換されていてもよく、置換基としてはフェ
ニル基、アルコキシ基、シアノ基、水酸基等が挙げられ
る。
【0040】R1 およびR2 がPを含まないで環状物を
形成する場合は、下記一般式(3)で表される結合で形
成された環状物が挙げられる。
【0041】
【化14】
【0042】一般式(3)中、R4 は置換されていても
よいシクロアルキレン基またはアリーレン基を示す。シ
クロアルキレン基としては、炭素数4〜9、好ましくは
炭素数5〜7のシクロアルキレン基であり、具体的に
は、シクロブチレン基、シクロペンタメチレン基、シク
ロヘキサメチレン基、シクロヘプタメチレン基、シクロ
オクチレン基、シクロノニレン基等を挙げることができ
る。
【0043】アリーレン基としては、フェニレン基、ナ
フチレン基等を挙げることができる。R4 は置換されて
いてもよく、置換基としてはフェニル基、アルコキシ
基、シアノ基、水酸基等が挙げられる。
【0044】また、これらのR3 およびR4 の置換基の
中に、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子が
含まれていても良い。式中のXは酸素原子、硫黄原子を
示し、好ましくは酸素原子である。
【0045】前記一般式(1)で表される第2級ホスフ
ィン誘導体の具体的な化合物を例示すると、ジメチルホ
スフィンオキシド、ジエチルホスフィンオキシド、ジ−
n−プロピルホスフィンオキシド、ジ−iso−プロピ
ルホスフィンオキシド、ジ−n−ブチルホスフィンオキ
シド、ジ−sec−ブチルホスフィンオキシド、ジ−t
ert−ブチルホスフィンオキシド、メチルエチルホス
フィンオキシド、メチル−n−プロピルホスフィンオキ
シド、メチル−n−ブチルホスフィンオキシド、メチル
−iso−ブチルホスフィンオキシド、メチル−sec
−ブチルホスフィンオキシド、メチル−tert−ブチ
ルホスフィンオキシド、エチル−n−プロピルホスフィ
ンオキシド、エチル−iso−プロピルホスフィンオキ
シド、エチル−tert−ブチルホスフィンオキシド、
n−プロピル−iso−プロピルホスフィンオキシド、
n−プロピル−n−ブチルホスフィンオキシド、n−プ
ロピル−sec−ブチルホスフィンオキシド、n−ブチ
ル−sec−ブチルホスフィンオキシド、n−ブチル−
tert−ブチルホスフィンオキシド、プロピレンホス
フィンオキシド、ブチレンホスフィンオキシド、ペンタ
メチレンホスフィンオキシド、ヘキサメチレンホスフィ
ンオキシド、1,4−シクロペンチレンホスフィンオキ
シド、1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド、
1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシド、ジメチ
ルホスフィンスルフィド、1,5−シクロオクチレンホ
スフィンスルフィド等を例示することが出来、この中、
本発明において、1,4−シクロオクチレンホスフィン
オキシド又は1,5−シクロオクチレンホスフィンオキ
シドが特に好ましい。
【0046】なお、本発明において、前記した第2級ホ
スフィン誘導体は、1種又は2種以上で用いられる。
【0047】前記一般式(1)で表される第2級ホスフ
ィン誘導体は、公知の方法により製造することができ
る。例えば、R1 とR2 とでPを含まない環を形成して
いるシクロアルキレンホスフィンオキシドの一例を示せ
ば、下記反応式(1)
【0048】
【化15】
【0049】で表される反応により、ホスフィン(化合
物(8))と1,5−シクロオクタジエン(化合物
(9))をラジカル発生触媒の存在下に反応させて、
1,4−シクロオクチレンホスフィン(化合物(1
0))と1,5−シクロオクチレンホスフィン(化合物
(11))の混合物を得た後(特開昭55−12279
0号公報参照)、これを酸化することにより、目的とす
る1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシドと1,
5−シクロオクチレンホスフィンオキシドの混合物を得
ることができる。
【0050】本発明の含リンエポキシ樹脂は、前記一般
式(1)で表される第2級ホスフィン誘導体から誘導さ
れる構造単位を含有するものであり、ここで、前記一般
式(1)で表される第2級ホスフィン誘導体から誘導さ
れる構造単位を含有するとは、前記一般式(1)で表さ
れる第2級ホスフィン誘導体中のりん原子に直結した活
性水素と、エポキシ化合物またはポリエポキシ化合物中
のエポキシ基が反応し、エポキシ樹脂中に前記一般式
(1)で表される第2級ホスフィン誘導体の反応残基が
化学的に結合された状態を意味するものである。
【0051】また、本発明の含リンエポキシ樹脂におけ
る前記一般式(1)で表される第2級ホスフィン誘導体
から誘導される反応残基は、リン原子がR1 およびR2
のアルキル基とP−C共有結合により直接結合している
ため、P−O結合を有する有機りん化合物の様に分解し
てりん酸が溶出し電気特性を低下させることがなく、極
めて耐薬品性等に優れている特徴を有する。
【0052】また、本発明において、含リンエポキシ樹
脂中のリン含有量が、Pとして、0.1〜10重量%、
好ましくは2〜8重量%の範囲で含有されているもの
が、優れた難燃性を得る上で好ましく、リン含有量が
0.1重量%より小さくなると十分な難燃効果が得られ
ず、また10重量%より大きくなると硬化後のエポキシ
樹脂の架橋密度が低下し、また耐熱性、接着性等の諸物
性が低下することから好ましくない。
【0053】前記一般式(1)で表される構造単位を導
入する方法としては、エポキシ化合物またはポリエポキ
シ化合物と、前記一般式(1)で表される第2級ホスフ
ィン誘導体から選ばれる少なくとも1種とを反応させる
方法により行うことができる。
【0054】エポキシ化合物またはポリエポキシ化合物
としては、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有
するモノマーまたはオリゴマー、ポリマー全般あり、例
えばビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型
エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、フェノールノ
ボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキ
シ、ナフタレン型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、芳
香族アミンおよび複素環式窒素塩基からのN−グリシジ
ル化合物、例えばN,N’−ジグリシジルアニリン、ト
リグリシジルイソシアヌレート、N,N,N’,N’−
テトラグリシジル−ビス(p−アミノフェニル)−メタ
ンなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるもので
はない。これらは何種類かを併用して用いることもでき
る。
【0055】より具体的には、本発明において使用され
るポリエポキシ化合物は、飽和または不飽和であること
ができ、そして脂肪族、脂環式、芳香族および/または
ヘテロ環式であることができる。さらに、これらは、混
合または反応条件下に妨げとなる副反応を生じない置換
基、例えばアルキルまたはアリール置換基、エーテル基
等を含有していてもよい。異なるポリエポキシ化合物の
混合物を使用することもできる。これらのポリエポキシ
化合物の数平均分子量Mnは、約9000までであるこ
とができるが、一般には約150〜4000である。
【0056】これらのエポキシ化合物またはポリエポキ
シ化合物は、例えば多価、好ましくは二価アルコール
類、フェノール類、これらのフェノール類の水素化生成
物および/またはノボラック類(酸性触媒の存在下にお
ける一価または多価フェノール類、例えばフェノールお
よび/またはクレゾール類とアルデヒド類、好ましくは
ホルムアルデヒドの反応生成物)を基材とするポリグリ
シジルエーテル又はポリグリシジルエステルであり、こ
れらは公知の方法、例えばポリオールをエピクロロヒド
リンと反応させることによって得られる。
【0057】好適な多価フェノール類の例は、レゾルシ
ノール、ヒドロキノン、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ジヒドロ
キシジフェニルメタン(ビスフェノールF)の異性体混
合物、4,4’−ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフ
ェニルプロパン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、
4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシ第三ブチルフェニル)プロパン、ビ
ス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒド
ロキシナフタレン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)
メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エ
ーテルである。ここでは、ビスフェノールAおよびビス
フェノールFが好ましい。
【0058】多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエ
ーテルも、ポリエポキシ化合物として好適である。この
ような多価アルコールの好ましい例は、1,4−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリアルキレン
グリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、
ネオペンチルグリコール、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシシクロヘキシル)プロパンおよびペンタエリトリト
ールである。
【0059】その他の好適なポリエポキシ化合物は、
(ポリ)グリシジルエステルであり、これらはエピクロ
ロヒドリンまたは同様のエポキシ化合物を、脂肪族、脂
環式または芳香族ポリカルボン酸、例えばシュウ酸、ア
ジピン酸、グルタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸またはヘキサヒドロフ
タル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および二量化
した脂肪酸と反応させることにより得られる。これらの
例は、ジグリシジルテレフタレートおよびジグリシジル
ヘキサヒドロフタレートである。
【0060】エポキシ基を含有する重合性のオレフィン
性不飽和化合物、例えばアクリル酸またはメタクリル酸
のグリシジルエステルと酢酸ビニル又はスチレン等との
乳化共重合により製造することができるポリエポキシ化
合物は、いくつかの場合には有利に使用することができ
る。
【0061】その他の使用することのできるエポキシ化
合物またはポリエポキシ化合物の例は、ヘテロ環系に基
づく化合物であり、例えばヒダントインエポキシ樹脂、
トリグリシジルイソシアヌレートおよび/またはそのオ
リゴマー、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ト
リグリシジル−p−アミノジフェニルエーテル、テトラ
グリシジルジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジ
ルジアミノジフェニルエーテル、テトラキス(4−グリ
シジルオキシフェニル)エタン、ウラゾールエポキシ
ド、ウラシルエポキシド、オキサゾリジノン変性エポキ
シ樹脂である。
【0062】その他のエポキシ化合物またはポリエポキ
シ化合物は、芳香族アミン、例えばアニリン、例えば
N,N’−ジグリシジルアニリン、ジアミノジフェニル
メタンおよびN,N’−ジメチルアミノジフェニルメタ
ンまたはN,N’−ジメチルアミノジフェニルスルホン
を基材とするものである。
【0063】その他の好適なエポキシ化合物またはポリ
エポキシ化合物は、Henry Lee and Kr
is Nevilleによる“Handbook of
Epoxy Resins”,McGraw−Hil
l Book Company,1967、Henry
Leeによる論文“Epoxy Resins”,A
merican Chemical Society,
1970、Wagner/Sarx,“Lackkun
stharze”,CarlHanser Verla
g(1971),5th edition,174f
f.、“Angew. Makromol. Chem
ie”,Vol.44(1975),151〜163
頁、ドイツ特許出願公開第2757733号明細書およ
びヨーロッパ特許出願公開第0384939号明細書に
記載されている。
【0064】好ましく使用されるエポキシ化合物または
ポリエポキシ化合物は、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールFおよびビスフェノールSを基材とするビスグリシ
ジルエーテル(これらのビスフェノール類とエピクロロ
(ハロ)ヒドリンの反応生成物)またはそれらのオリゴ
マー、フェノール−ホルムアルデヒドおよび/またはク
レゾール−ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジ
ルエーテル、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸、テトラヒドロフタル酸および/またはヘキサヒド
ロフタル酸およびトリメリト酸のジグリシジルエステ
ル、芳香族アミンおよびヘテロ環式窒素塩基のN−グリ
シジル化合物、例えばN,N’−ジグリシジルアニリ
ン、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノー
ル、トリグリシジルイソシアヌレートおよびN,N,
N’,N’−テトラグリシジルビス(p−アミノフェニ
ル)メタン、ヒダントインエポキシ樹脂およびアラキド
(aracid)エポキシ樹脂、および多価脂肪族アル
コール、例えば1,4−ブタンジオール、トリメチロー
ルプロパンおよびポリアルキレングリコールのジ−およ
びポリグリシジル化合物である。
【0065】さらにオキサゾリジノン変性エポキシ樹脂
も好適である。これらの化合物は、公知である(“An
gew. Makromol. Chem.”,Vo
l.44(1975),151〜163頁、および米国
特許第3334110号参照)。これらの好ましい例
は、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとジフェニ
ルメタンジイソシアネートとの(好適な促進剤の存在下
における)反応生成物である。
【0066】前記一般式(1)で表される第2級ホスフ
ィン誘導体の添加量は、例えばジメチルホスフィンオキ
シドの場合、前記したエポキシ化合物またはポリエポキ
シ化合物100重量部に対して、ジメチルホスフィンオ
キシドとして0.25〜33.6重量部になるようにす
ることが好ましく、かかる原料の配合割合によれば、得
られる含リンエポキシ樹脂中のP含有量が、Pとして
0.1〜10重量%となる。
【0067】反応温度は、通常−10〜200℃、好ま
しくは70〜150℃である。
【0068】かかる反応は、所望により触媒の存在下に
反応を行なってもよい。使用できる触媒としては、例え
ば、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン、テトラ
メチルアンモニウムクロライド等のアンモニウム塩、ト
リフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフ
ェニル)ホスフィン等のホスフィン類、エチルトリフェ
ニルホスホニウムブロマイド等のホスホニウム塩、2メ
チルイミダゾール、2エチル−4−メチルイミダゾール
等のイミダゾール類等の1種又は2種以上が挙げられ
る。
【0069】所望により反応溶媒を用いてもよく、用い
ることが出来る反応溶媒としては、例えば、ヘキサン等
の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、ベンゼン等
の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリ
ル等のニトリル類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香
族炭化水素及び塩化メチレン、クロロホルム等のハロア
ルカン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジアルキ
ルエーテル、グリコールエーテル等が挙げられ、これら
は1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。
【0070】かくして得られる含リンエポキシ樹脂は、
エポキシ当量が、通常100〜1000g/eq、好ま
しくは200〜300g/eqであり、リン含有量が通
常0.1〜10重量%、好ましくは2〜8重量%のもの
が得られる。
【0071】得られる含リンエポキシ樹脂は、重合開始
剤を用いて連鎖的に、又はエポキシ樹脂用硬化剤を用い
て遂次的に重合することにより難燃性の優れた含リンエ
ポキシ樹脂硬化物とすることが出来る。
【0072】本発明の難燃性含リンエポキシ樹脂組成物
は、前記した含リンエポキシ樹脂と硬化剤又は重合開始
剤を含有するものである。
【0073】前記重合開始剤としては、該含リンエポキ
シ樹脂を重合できるものであれば特に限定はないが、例
えば、メタンスルホン酸,塩化アルミニウム,塩化ス
ズ,3フッ化ホウ素エチルアミン錯体,3フッ化ホウ素
エチルエーテル錯体等のカチオン重合開始剤,過酸化ベ
ンゾイル,アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重
合開始剤,メトキシカリウム,トリエチルアミン,2−
ジメチルアミノフェノール等のアニオン重合開始剤等の
1種又は2種以上を挙げることができる。
【0074】前記硬化剤としては,当業者において公知
のものはすべて用いることができるが、特に、エチレン
ジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2 〜C20の直鎖
脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニ
レンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−
ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニ
ル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メ
タキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,
1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシ
アンジアミドなどのアミン類、クレゾールノボラック樹
脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニ
ルフェノールノボラック樹脂、トリアジン変性ノボラッ
ク樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、レゾール型
フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレンなどのポリオ
キシスチレン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトール
系アラルキル樹脂などの、ベンゼン環やナフタリン環そ
の他の芳香族性の環に結合する水素原子が水酸基で置換
されたフェノール化合物と、カルボニル化合物との共縮
合によって得られるフェノール樹脂や、無水ピロメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、無水マイレン酸等の酸無水
物などが例示され、これらの硬化剤は1種又は2種以上
で用いられる。
【0075】前記重合開始剤の添加量は、前記含リンエ
ポキシ樹脂に対して通常0.1〜10モル%、好ましく
は0.5〜2モル%であり、前記硬化剤の添加量は、当
該エポキシ樹脂のエポキシ当量に応じて添加することが
好ましい。なお、この硬化剤による重合反応は、所望に
より触媒を用いて反応を行ってもよい。
【0076】用いることができる触媒としては、例えば
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等
の三級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾール化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチル
ホスフィン等の有機ホスフィン化合物、ホスホニウム
塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらは1種又は2
種以上で用いられる。
【0077】また、この際、他のエポキシ化合物または
ポリエポキシ化合物と併用して重合反応を行うことがで
きる。他のエポキシ化合物またはポリエポキシ化合物と
しては、1分子内に少なくとも2個のエポキシ基を有す
るモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、このよ
うなエポキシ化合物またはポリエポキシ化合物として
は、前記したエポキシ化合物またはポリエポキシ化合物
であり、例えばビスフェノールA型エポキシ、ビスフェ
ノールF型エポキシ、ビスフェノールS型エポキシ、フ
ェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック
型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、ビフェニル型エポ
キシ、芳香族アミンおよび複素環式窒素塩基からのN−
グリシジル化合物、例えばN,N’−ジグリシジルアニ
リン、トリグリシジルイソシアヌレート、N,N,
N’,N’−テトラグリシジル−ビス(p−アミノフェ
ニル)−メタンなどが挙げられるが、特にこれらに限定
されるものではない。これらは何種類かを併用して用い
ることもできる。
【0078】これらの配合樹脂の添加量は、特に限定は
ないが、樹脂中のP含有量が0.1〜10重量%、好ま
しくは2〜8重量%となるように添加すればよい。
【0079】本発明の難燃性含リンエポキシ樹脂組成物
において、更に必要に応じて、樹脂特性を損なわない程
度の量で、他の難燃剤、硬化促進剤、無機充填材、シラ
ンカップリング剤、離型剤、着色剤、低応力剤及び界面
活性剤等を含有させることができる。
【0080】他の難燃剤としては、水和金属酸化物、リ
ン系難燃剤、含窒素系難燃剤等が挙げられる。
【0081】水和金属酸化物としては、吸熱反応による
燃焼抑制作用のあるMmn ・xH 2 O(Mは金属、
m、nは金属の原子価によって定まる1以上の整数、x
は含有結晶水を示す。)で表わされる化合物または該化
合物を含む複塩であり、具体的には、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水
酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウ
ム、ドーソナイト、スズ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、ホウ酸ア
ルミニウム、五酸化アンチモン、塩基性炭酸亜鉛、酸化
コバルト、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アルミニ
ウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、珪酸カルシウ
ム、ホウ砂、モリブデン酸亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸マ
グネシウム、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイ
ト、カオリン、タルク、セリサイト、パイロフィライ
ト、ベントナイト、カオリナイト、硫酸カルシウム、硫
酸亜鉛等が挙げられる。
【0082】含窒素系難燃剤としては、メラミン、メラ
ミンシアヌレート、、メチロール化メラミン、(イソ)
シアヌール酸、メラム、メレム、メロン、サクシノグア
ミン、硫酸メラミン、硫酸アセトグアナミン、硫酸メラ
ム、硫酸グアニルメラミン、メラミン樹脂、BTレジ
ン、シアヌール酸、イソシアネール酸、イソシアヌール
酸誘導体、メラミンイソシアヌレート、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン等のメラミン誘導体、グアニジン
系化合物等が挙げられる。また、例えば、トリアジン化
合物とフェノール類とアルデヒド類とを縮合反応して得
られる混合物のように、上記の含窒素系難燃剤の誘導体
を用いることもできる。
【0083】リン系難燃剤としては、例えば、リン酸ト
リエチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリフェニル、
リン酸クレジルフェニル、リン酸オクチルジフェニル、
ジエチレンリン酸エチルエステル、ジヒドロキシプロピ
レンリン酸ブチルエステル、エチレンリン酸ジナトリウ
ムエステル、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメ
チル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、
プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチル−
プロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−
ジメチルブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェ
ニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジ
メチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチ
ルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオ
クチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチル
フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸、赤燐、リン酸
アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミ
ン、リン酸グアニル尿素、ポリリン酸メラミン、リン酸
グアニジン、エチレンジアミンリン酸塩、ホスファゼ
ン、メチルホスホン酸メラミン塩等が挙げられる。
【0084】前記した他の難燃剤は1種又は2種以上で
用いられる。また、上記の難燃剤の誘導体としてから用
いることもできる。
【0085】無機充填剤として、溶融シリカ粉末、結晶
シリカ粉末、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、
窒化ホウ素、マグネシア、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、タルク、珪酸カルシウム、ガラ
ス繊維、アスペクト、硫酸バリウム、Eガラス微粉末等
が挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。
【0086】前記硬化促進剤としては、例えば、1,8
−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、ト
リエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級
アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾー
ル化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフ
ィン等の有機ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、アン
モニウム塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上で
用いられる。
【0087】シランカップリング剤としては、例えば、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のエポ
キシシランや、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン等のアミノシラン等が挙げられる。
【0088】離型剤としては、例えば、ステアリン酸、
モンタン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸等
の脂肪酸、その脂肪酸のカルシウム塩、マグネシウム
塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等の塩、その脂肪酸のアミ
ド、リン酸エステル、ポリエチレン、ビスアマイド、カ
ルボキシル基含有ポリオレフィン及び天然カルナバ等が
挙げられ、これらは1種又は2種以上で用いられる。
【0089】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、酸化チタン等が挙げられる。低応力化剤としては、
例えば、シリコーンゲル、シリコーンゴム、シリコーン
オイル等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂
肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等が挙げられる。
【0090】本発明の難燃性含リンエポキシ樹脂組成物
は、安全なプラスチック材料として、プリント配線板、
電気回路基板に用いられる銅張積層板、電気部品に用い
られる封止材、成形材、注型材、接着剤、電気絶縁塗料
材料等として用いることが出来る。
【0091】本発明の含リンエポキシ樹脂組成物は、含
リンエポキシ樹脂と、硬化剤又は重合開始剤とを含有
し、未硬化の混合物、半硬化または硬化した状態で用い
られ、例えば粉末状、タブレット状、フィルム状、また
は半硬化物、硬化物、溶融物、ワニス、溶液等として用
いることができる。
【0092】本発明の含リンエポキシ樹脂組成物を封止
樹脂として用いる場合には、均一に混合され、混練され
ていることが好ましい。混練の方法としては、例えば、
ロール、ニーダー、ミキサー等を用いて加熱して行わ
れ、その後冷却、粉砕しタブレット化するなどの方法で
封止樹脂は製造される。
【0093】そして、上記で得られた封止樹脂を用いて
トランスファー成形等を行って、半導体素子やリードフ
レーム等を封止すると、難燃性及び耐湿電気信頼性が優
れた半導体装置が得られる。なお成形する方法としては
上記封止樹脂を用いること以外は特に限定するものでは
なく、一般の成形法で成形が可能である。
【0094】また、本発明の含リンエポキシ樹脂組成物
を溶媒に溶かすことにより、樹脂ワニスとすることがで
きる。用いることができる溶媒としては非プロトン性が
好ましく、例えば、エーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、1〜6個の炭素原子を有
する直鎖の、場合によっては分岐したアルキル基を有す
るモノアルコールのエチルグリコールエーテル、プロピ
レングリコールエーテル、ブチルグリコールエーテル、
ケトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプ
ロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ノン、エステル、エチルアセテート、ブチルアセテー
ト、エチレングリコールアセテートおよびメトキシプロ
ピルアセテート、メトキシプロパノール、その他ハロゲ
ン化炭化水素および脂環式および/または芳香族炭化水
素であり、これらのうちヘキサン、ヘプタン、シクロヘ
キサン、トルエンおよびジキシレン等の溶媒が好まし
い。これらの溶媒は、単独でまたはそれらの混合物とし
て使用することができる。
【0095】なお、本発明において、前記した溶媒を重
合反応の際の溶媒として用いて、そのまま樹脂ワニスと
して用いてもよい。調製したワニスは、紙、ガラス織
布、ガラス不織布、あるいはガラス以外を成分とする布
などの基材に塗布、含浸させ、乾燥炉中で80〜200
℃の範囲内で乾燥させることにより、プリプレグを調製
することができ、これを所定枚数重ね合わせて、加熱、
加圧して積層板、あるいは同様にして、プリント配線板
用の金属張り積層板を製造することができる。また、接
着剤ワニスとして銅箔のアンカー面に塗布し、80〜1
30℃で接着剤中に溶剤が残らないように乾燥すること
により、該接着剤ワニスを多層プリント配線板用層間絶
縁接着剤として用いることができる。
【0096】また、本発明の含リンエポキシ樹脂組成物
に硬化剤、ゴム成分等通常用いられる成分を加えること
により、難燃性接着剤、難燃性接着フィルムとして用い
ることができる。
【0097】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0098】製造例1 反応容器に1,5−シクロオクタジエン(東京化成社
製)1843g(16.69mol)とトルエン375
0mlを仕込み、十分に窒素置換した。続いてホスフィ
ン(日本化学工業社製)731g(21.50mol)
を仕込み、60℃に昇温した。ラジカル開始剤として、
2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(日本ヒドラジン社製)58.8g(0.237m
ol)を3時間かけて圧入し、60℃にて一晩熟成し、
1,4−シクロオクチレンホスフィンと1,5−シクロ
オクチレンホスフィンよりなる混合物のトルエン溶液を
得た(混合物の含有量31.9wt%、1,4−シクロ
オクチレンホスフィン:1,5−シクロオクチレンホス
フィン=38.4:61.6(GC相対面積比))。
【0099】攪拌機、コンデンサー、滴下ロートを備え
付けた2000mlの4つ口フラスコを十分に窒素置換
した後、上記反応液の一部434.6g(0.975m
ol)を室温下にて仕込んだ。さらに440gのメタノ
ールを仕込み氷浴にて約5℃に冷却した後、106.5
g(1.05mol)の過酸化水素を滴下ロートより約
3時間かけて滴下した。反応の終点はガスクロマトグラ
フ法にて判断した。酸化反応終了後、ロータリーエバポ
レーターで濃縮して、無色の結晶1,4−シクロオクチ
レンホスフィンオキシドと1,5−シクロオクチレンホ
スフィンオキシドよりなる混合物152.8g(0.9
96mol、1,4−シクロオクチレンホスフィンオキ
シド:1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシド=
39.4:60.6(NMR相対面積比))を得た。
【0100】実施例1 エピコート828(ビスフェノールAエポキシ樹脂、油
化シェルエポキシ社製,エポキシ当量184〜194g
/eq)90.0gに前記の製造例1で調整した1,4
−シクロオクチレンホスフィンオキシドと1,5−シク
ロオクチレンホスフィンオキシドの混合物16.2gを
仕込み、触媒としてトリフェニルホスフィン1.3gを
攪拌しながら添加して、150℃に加熱した。30分
後、澄んだ溶融物が形成され、更に150℃で1時間攪
拌した後に、溶融物を冷却し、白色固体を得た。次い
で、乳鉢ですりつぶして、白色粉末105.8gを得
た。この白色粉末は、エポキシ当量が263g/eqで
あり、リン含有量が3.0重量%の含リンエポキシ樹脂
(A)であった。また、上記と同様の方法で他の実施例
で使用する含リンエポキシ樹脂(A)を得た。
【0101】IR(KBr,cm-1):3060(Ar
−H),1612(Ar−O−CH 2 ),1230(P
=O)
【0102】実施例2 実施例1で得られた含リンエポキシ樹脂(A)100g
と、硬化剤としてジシアンジアミド8.0g及び硬化促
進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2
gとを混合し、粉末状の含リンエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0103】実施例3 実施例1で得られた含リンエポキシ樹脂(A)100g
を120℃で溶融し、硬化剤としてジシアンジアミド
8.0g及び硬化促進剤として2−エチル−4−メチル
イミダゾール0.2gと完全に混合し、200×200
×2mmのテフロン(登録商標)の型で、乾燥オーブン
中で150〜180℃で4時間硬化させ、含リンエポキ
シ樹脂硬化物を得た。次いで、この硬化物から長さ12
7mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を調製し
た。
【0104】IR(KBr,cm-1):3058(Ar
−H),1605(Ar−O−CH 2 ),1225(P
=O) Tg(DSC法):105℃
【0105】実施例4 実施例1で得られた含リンエポキシ樹脂(A)100g
と硬化剤としてジシアンジアミド8.0g、硬化促進剤
として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gを
メチルエチルケトンに溶解した。得られた樹脂ワニスを
ガラスクロスWEA 7628 XS13(日東紡績株
式会社製、0.18mm厚)に含浸した。含浸したガラ
スクロスを150℃の熱風循環炉で6分間乾燥を行いプ
リプレグを調製した。得られたプリプレグを8枚重ね、
130℃×15分及び170℃×20kg/cm2 ×7
0分間加熱、加圧を行い積層板を得た。
【0106】実施例5 エピコート828(ビスフェノールAエポキシ樹脂、油
化シェルエポキシ社製,エポキシ当量184〜194g
/eq)90.1gにジエチルホスフィンオキシド1
0.2gを仕込み、触媒としてトリフェニルホスフィン
1.3gを攪拌しながら添加して、150℃に加熱し
た。30分後、澄んだ溶融物が形成され、更に150℃
で1時間攪拌した後に、溶融物を冷却し、白色固体を得
た。次いで、乳鉢ですりつぶして、100.0gの白色
粉末を得た。この白色粉末は、エポキシ当量が250g
/eqであり、リン含有量が3.0重量%の含リンエポ
キシ樹脂(B)であった。また、上記と同様の方法で他
の実施例で使用する含リンエポキシ樹脂(B)を得た。
【0107】IR(KBr,cm-1):3058(Ar
−H),1615(Ar−O−CH 2 ),1228(P
=O)
【0108】実施例6 実施例5で得られた含リンエポキシ樹脂(B)100g
と、硬化剤としてジシアンジアミド8.4g及び硬化促
進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3
gとを混合し、粉末状の含リンエポキシ樹脂組成物を得
た。
【0109】実施例7 含リンエポキシ樹脂(A)の代わりに実施例5で得られ
た含リンエポキシ樹脂(B)を100g、硬化剤として
ジシアンジアミド8.4g、及び硬化促進剤として2−
エチル−4−メチルイミダゾール0.3gを用いた他
は、実施例3と同様の条件で操作を行い、含リンエポキ
シ樹脂硬化物を得た。次いで、この硬化物から長さ12
7mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を調製し
た。
【0110】IR(KBr,cm-1):3062(Ar
−H),1608(Ar−O−CH 2 ),1230(P
=O) Tg(DSC法):103℃
【0111】実施例8 含リンエポキシ樹脂(A)の代わりに実施例5で得られ
た含リンエポキシ樹脂(B)を100g、硬化剤として
ジシアンジアミド8.4g、硬化促進剤として2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.5gを用いた他は実施
例4と同様の操作を行い、積層板を得た。
【0112】実施例9 エポトートYDPN−638(フェノールノボラック型
エポキシ樹脂;東都化成(株)社製、エポキシ当量18
0.7g/eq)を90.0g、製造例1で調整した
1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシドと1,5
−シクロオクチレンホスフィンオキシドの混合物16.
2gを仕込み、触媒としてトリフェニルホスフィン1.
3gを攪拌しながら添加して、160〜190℃に加熱
し8時間反応させ、冷却し、白色固体を得た。次いで、
乳鉢ですりつぶして白色粉末105.6gを得た。この
白色粉末は、エポキシ当量が283g/egであり、リ
ン含有量が3.0重量%の含リンエポキシ樹脂(C)で
あった。また、上記と同様の方法で他の実施例で使用す
る含リンエポキシ樹脂(C)を得た。
【0113】IR(KBr,cm-1):3061(Ar
−H),1225(P=O)
【0114】実施例10 実施例9で得られた含リンエポキシ樹脂(C)100g
と、硬化剤としてジシアンジアミド7.4g及び硬化促
進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2
gとを混合し、粉末状のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0115】実施例11 含リンエポキシ樹脂(A)の代わりに実施例9で得られ
た含リンエポキシ樹脂(C)を100g、硬化剤として
ジシアンジアミド7.4g、及び硬化促進剤として2−
エチル−4−メチルイミダゾール0.2gを用いた他
は、実施例3と同様の条件で操作を行い、含リンエポキ
シ樹脂硬化物を得た。次いで、この硬化物から長さ12
7mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を調製し
た。
【0116】IR(KBr,cm-1):3057(Ar
−H),1223(P=O) Tg(DSC法):139℃
【0117】実施例12 含リンエポキシ樹脂(A)の代わりに実施例9で得られ
た含リンエポキシ樹脂(C)を100g、硬化剤として
ジシアンジアミド7.4g、硬化促進剤として2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール0.3gを用いた他は実施
例4と同様の操作を行い、積層板を得た。
【0118】比較例1 エピコート828(ビスフェノールAエポキシ樹脂、油
化シェルエポキシ社製,エポキシ当量184〜194g
/eq)300gに、硬化剤としてメタキシリレンジア
ミン53gを、さらに添加型難燃剤としてトリクレジル
ホスフェートを10wt%添加し、室温で3時間、その
後100℃で2時間硬化させてエポキシ樹脂硬化物を得
た。
【0119】実施例13 実施例1で得られた含リンエポキシ樹脂(A)を100
g、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(群栄化
学社、PSM4261)38g及び硬化促進剤として2
−エチル−4−メチルイミダゾール0.3gを用いた他
は、実施例3と同様の条件で操作をおこない、含リンエ
ポキシ樹脂硬化物を得た。次いで、この硬化物から長さ
127mm、幅12.7mm、厚さ2mmの試験片を調
整した。
【0120】IR(KBr,cm-1):3061(Ar
−H),1607(Ar−O−CH 2),1230(P
=O) Tg(DSC法):130℃
【0121】実施例14 実施例1で得られた含リンエポキシ樹脂(A)を100
g、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂(群栄化
学社、PSM4261)38g及び硬化促進剤として2
−エチル−4−メチルイミダゾール0.3gを用いた他
は、実施例4と同様の操作をおこない、積層板を得た。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】<難燃性試験>難燃性試験は、実施例3、
7および11で調製したエポキシ樹脂硬化物について、
長さ125mm×幅13mm×厚さ3mmに加工した樹
脂をUL94に分類した材料の垂直燃焼試験(94V−
0、94V−1及び94V−2)に従って試験した。そ
の結果を表5に示した。
【0127】
【表5】
【0128】<耐薬品性試験>実施例3により得られた
含リンエポキシ樹脂硬化物、及び比較例1のエポキシ樹
脂硬化物の2つの試料を,JISK 7114に従い、
耐薬品性の試験を行った。
【0129】各々の樹脂硬化物を直径50mm、厚さ3
mmの円盤状に切削して、試験片をそれぞれ5個づつ作
成した。これらの試験片を10wt%の硫酸に23℃で
7日間浸せきさせた後、十分に水洗し、減圧下90℃で
一昼夜乾燥させた後、試験片の重量と外観を調べた。
【0130】その結果、本発明の実施例3の試験片は平
均して1.5%重量減少したが、いずれの試験片にも外
観上変化はなかった。比較例1のエピコート828にト
リクレジルホスフェートを10wt%添加した試験片は
平均して10wt%以上減少し、いずれの試験片の外観
も白濁していた。この違いは、本発明により製造した含
リンエポキシ樹脂硬化物はリン原子がP−C共有結合に
より結合しているため、極めて耐薬品性が強いが、トリ
クレジルホスフェートのようなリン酸エステルはP−O
−C結合により結合しているため、加水分解し樹脂から
リン酸が溶出してしまったものと考えられる。そのた
め、樹脂重量が大幅に減少し、外観も白濁したものと推
察される。
【0131】実施例15 実施例1で合成した含リンエポキシ樹脂113.98重
量部、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社、PS
M4261)61.50重量部、トリフェニルホスフィ
ン(北興化学社)2.26重量部、OPワックス(ヘキ
スト社)1.13重量部、カーボンブラック(三菱化学
社)1.13重量部、溶融シリカ(日本化学工業
(株)、シルスターM2430)820.0重量部の混
合物をミキサーで常温混合し、2軸熱ロールで80〜8
5℃で7分間混練したのち、剥離、冷却、粉砕してエポ
キシ樹脂封止材を調製した。
【0132】この封止材を使用して、線幅10μm、厚
さ1μmのアルミ配線を施した6×6×0.4mmのテ
スト用シリコンチップを搭載した外形寸法19×14×
2.7mmの80ピンフラットパッケージをトランスフ
ァ成形により作成した。
【0133】実施例16 実施例5で合成した含リンエポキシ樹脂113.98重
量部、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社 PS
M4261)61.50重量部、トリフェニルホスフィ
ン(北興化学社)2.26重量部、OPワックス(ヘキ
スト社)1.13重量部、カーボンブラック(三菱化学
社)1.13重量部、溶融シリカ(日本化学工業
(株)、シルスターM2430)820.0重量部の混
合物をミキサーで常温混合し、2軸熱ロールで80〜8
5℃で7分間混練したのち、剥離、冷却、粉砕してエポ
キシ樹脂封止材を調製した。
【0134】この封止材を使用して、線幅10μm、厚
さ1μmのアルミ配線を施した6×6×0.4mmのテ
スト用シリコンチップを搭載した外形寸法19×14×
2.7mmの80ピンフラットパッケージをトランスフ
ァ成形により作成した。
【0135】実施例17 実施例9で合成した含リンエポキシ樹脂113.98重
量部、ノボラック型フェノール樹脂(群栄化学社 PS
M4261)61.50重量部、トリフェニルホスフィ
ン(北興化学社)2.26重量部、OPワックス(ヘキ
スト社)1.13重量部、カーボンブラック(三菱化学
社)1.13重量部、溶融シリカ(日本化学工業
(株)、シルスターM2430)820.0重量部の混
合物をミキサーで常温混合し、2軸熱ロールで80〜8
5℃で7分間混練したのち、剥離、冷却、粉砕してエポ
キシ樹脂封止材を調製した。
【0136】この封止材を使用して、線幅10μm、厚
さ1μmのアルミ配線を施した6×6×0.4mmのテ
スト用シリコンチップを搭載した外形寸法19×14×
2.7mmの80ピンフラットパッケージをトランスフ
ァ成形により作成した。
【0137】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の含リンエ
ポキシ樹脂は、優れた難燃性を有すると共に工業的に有
利な方法で製造できる効果を有する。また、本発明の含
リンエポキシ樹脂と硬化剤又は重合開始剤を含有する含
リンエポキシ樹脂組成物は、優れた難燃性と耐薬品性を
有していることから、プリント配線板、電気回路基板に
用いられる銅張積層板、電気部品に用いられる封止材、
成形材、注型材、接着剤、電気絶縁塗料材料等の難燃化
に有用な効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金田 嘉郎 東京都江東区亀戸9丁目11番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 Fターム(参考) 4J027 AE02 AE03 AE05 AE07 AJ01 CA10 CA12 CA14 CA15 CA16 CA17 CA18 CA19 CA24 CA25 CA27 CA28 CA29 CA34 CA35 CA36 CA38 CB03 CB08 CB09 CD01 CD06 CD08 CD09 4J036 AA01 CC02 DA01 JA01 JA06 JA07 JA08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1 およびR2 は置換されていてもよい直鎖状
    又は分岐状のアルキル基又はシクロアルキル基を示し、
    該アルキル基中の1つあるいは2つ以上のメチレン基は
    −CH=CH−によって置き換えられていてもよく、R
    1 とR2 は同一な基であっても異なる基であってもよ
    く、またR1 とR2 はPを含んであるいはPを含まない
    で環状物を形成していてもよい。Xは酸素原子又は硫黄
    原子を示す。)で表される第2級ホスフィン誘導体から
    誘導される構造単位を含有することを特徴とする含リン
    エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 前記R1 とR2 が形成する環状物は、下
    記一般式(2)または一般式(3)で表されることを特
    徴とする請求項1記載の含リンエポキシ樹脂。 【化2】 (式中、R3 は置換されていてもよいアルキレン基を示
    す。) 【化3】 (式中、R4 は置換されていてもよいシクロアルキレン
    基またはアリーレン基を示す。)
  3. 【請求項3】 前記第2級ホスフィン誘導体は、1,4
    −シクロオクチレンホスフィンオキシド及び1,5−シ
    クロオクチレンホスフィンオキシドから選ばれる少なく
    とも1種である請求項1記載の含リンエポキシ樹脂。
  4. 【請求項4】 エポキシ化合物またはポリエポキシ化合
    物と、前記一般式(1)で表される第2級ホスフィン誘
    導体から選ばれる少なくとも1種との反応により得られ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の含リンエポキ
    シ樹脂。
  5. 【請求項5】 前記含リンエポキシ樹脂中のリン含有量
    が、Pとして0.1〜10重量%である請求項1乃至4
    のいずれかの項に記載の含リンエポキシ樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの項に記載の
    含リンエポキシ樹脂と、硬化剤又は重合開始剤とを含有
    することを特徴とする含リンエポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ化合物またはポリエポキシ化合
    物と、下記一般式(1) 【化4】 (式中、R1 、R2 およびXは前記と同義である。)で
    表される第2級ホスフィン誘導体から選ばれる少なくと
    も1種とを反応させることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかの項に記載の含リンエポキシ樹脂の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の含リンエポキシ樹脂組成
    物を用いてなることを特徴とする封止材。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の含リンエポキシ樹脂組成
    物を用いてなることを特徴とする成形材。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の含リンエポキシ樹脂組
    成物を用いてなることを特徴とする積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055434A (ja) * 2001-08-15 2003-02-26 Toto Kasei Co Ltd 合成樹脂用難燃剤及び該難燃剤を含有する難燃性樹脂組成物
WO2003099900A1 (en) * 2002-05-29 2003-12-04 Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. Phosphorus-containing epoxy resin, phosphorus-containing epoxy resin composition, process for producing the same, and sealing material and laminate each comprising or made with the same

Cited By (3)

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US7271225B2 (en) 2002-05-29 2007-09-18 Nippon Chemical Industrial Co., Ltd. Phosphorus-containing epoxy resin, phosphorus-containing epoxy resin composition, process for producing the resin, sealant containing the composition, molding material containing the composition, and laminate containing the composition

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