JP2002240182A - 無機蒸着フイルム積層体および包装体 - Google Patents

無機蒸着フイルム積層体および包装体

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JP2002240182A JP2001040439A JP2001040439A JP2002240182A JP 2002240182 A JP2002240182 A JP 2002240182A JP 2001040439 A JP2001040439 A JP 2001040439A JP 2001040439 A JP2001040439 A JP 2001040439A JP 2002240182 A JP2002240182 A JP 2002240182A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常は優れた密封性を有するが、開封時には
強い抵抗感がなく開封感が良好で、手でスムーズに開封
することができる、ガスバリア性を有し、かつ、易開封
性の包装材料積層体及び該包装材料積層体を用いた開封
性の優れた包装体を提供することを目的とする。 【解決手段】 プラスチックフィルムの表面に無機酸化
物薄膜層を設け、該無機酸化物薄膜上に接着剤層を介し
てヒートシール性樹脂層が形成された包装材料積層体に
おいて、ヒートシール性樹脂層同士をヒートシールした
ヒートシール部の切欠き部を引裂いて連続的に引裂き抵
抗値を測定したときの引裂き抵抗値曲線が初期山部とそ
れに続く平坦部を持ち、山部の引裂き抵抗値の最大値
(a)とそれに続く平坦部の引裂き抵抗値の値(b)と
の比(b/a)×100が0.1〜60%であることを
特徴とする包装材料積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装材料積層体及び
包装体に関し、特に、プラスチックフィルムに無機酸化
物薄膜層を形成した、特にガスバリア性に優れ、食品、
医薬品、化学薬品、医療用機器、電子部品など包装時に
は気密性が要求され、かつ、内容物取出し時には容易に
開封することが求められる物品の包装に用いるのに適し
た包装材料積層体及び包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸素や水蒸気などに対し優れたバ
リア性を有し、透明で、環境にやさしいフレキシブルフ
ィルムとして、プラスチックフィルム上に無機酸化物薄
膜を形成した積層体が知られている。このような積層体
上に、さらにヒートシール性樹脂層を積層したものは、
食品、医薬、化学薬品、医療用機器、電子部品などの包
装用に製袋し包装体として用いられる。
【0003】しかしながら、このような無機蒸着フイル
ムに、他の樹脂のフイルムないしシート等を押し出しラ
ミあるいは、ドライラミ等によって包装用積層体を製造
する場合に、無機蒸着フイルムと従来のラミネート用接
着剤では接着力が低いという問題点がある。そのため、
包装袋や物品の外装から内容物を取出すときに包装袋や
物品の外装を開封する際、包装袋の一部からフイルムが
伸びてしまい引き裂きにくく、無理に開封しようとして
内容物が飛び出してしまうという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
包装材料の有する問題点を解決し、通常は優れた密封性
を有するが、開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好
で、手でスムーズに開封することができる、ガスバリア
性を有し、かつ、易開封性の包装材料積層体及び該包装
材料積層体を用いた開封性の優れた包装体を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の包装材料積層体及び包装体は、プラスチックフ
ィルムの表面に無機酸化物薄膜層を設け、該無機酸化物
薄膜上に接着剤層を介してヒートシール性樹脂層が形成
された包装材料積層体において、ヒートシール性樹脂層
同士をヒートシールしたヒートシール部の切欠き部を引
裂いて連続的に引裂き抵抗値を測定したときの引裂き抵
抗値曲線が初期山部とそれに続く平坦部を持ち、山部の
引裂き抵抗値の最大値(a)とそれに続く平坦部の引裂
き抵抗値の値(b)との比(b/a)×100が0.1
〜60%であることを特徴とする包装材料積層体。
【0006】ヒートシール性樹脂層同士をヒートシール
したヒートシール部の引き裂き応力が1N/15mm以
下であることを特徴とするガスバリア性フイルム。
【0007】無機酸化物薄膜層上にプライマーもしくは
接着剤として、分岐点濃度が30〜300当量/トンで
あり、かつ、ガラス転移転温度が−30℃以上、50℃
未満であるポリエステルまたはポリウレタン樹脂を主成
分とし、該樹脂100重量部に対し、シランカップリン
グ剤0.05〜5重量部含有することを特徴とするもの
が塗布された前記の包装材料積層体。
【0008】上記の構成からなる本発明の包装材料積層
体は、ガスバリア性を有し、かつ、強い抵抗感がなく、
易開封性が良好で、手でスムーズに開封することができ
る。
【0009】この場合において、無機酸化物薄膜が、少
なくとも酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無
機酸化物薄膜であることができる。
【0010】また、この場合において、プラスチックフ
ィルムがポリアミドフィルムであることができる。
【0011】さらにまた、この場合において、前記記載
の包装材料積層体を用いてなることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の包装材料積層体及
び包装体の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】本発明におけるプラスチックフィルムと
は、有機高分子からなり、必要に応じ、溶融押出し後長
手方向及び/又は幅方向に延伸し、さらに熱固定、冷却
を施したフィルムであり、有機高分子としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチ
ルペンテン−1などのポリオレフィン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレートな
どのポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロ
ン66、ナイロン12などのポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、全芳
香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド、ポリスルホンなどが挙げられる。これ
らの有機高分子は、他の有機重合体を少量共重合をした
り、ブレンドしたりしてもよい。
【0014】さらに上記の有機高分子には、公知の添加
物、例えば、紫外線吸収剤帯電防止剤、可塑剤、滑剤、
着色剤、などが添加されていてもよく、フィルムとして
の透明度は特に限定するものではないが、透明ガスバリ
アフィルムとして使用する場合には、50%以上の光線
透過率をもつものが望ましい。本発明において用いるプ
ラスチックフィルムは、本発明の目的を損なわないかぎ
りにおいて、無機酸化物薄膜層を積層するのに先行し
て、該フィルムをコロナ放電処理、グロー放電処理、火
炎処理、表面粗面化処理などの表面処理を施してもよ
く、また、公知のアンカーコート処理、印刷、装飾が施
されてもよい。本発明において用いるプラスチックフィ
ルムは、その厚さとして3〜500μmの範囲であるの
が望ましく、さらに好ましくは、6〜300μmの範囲
である。
【0015】本発明における無機酸化物薄膜とは、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなど薄膜
にできるものなら特に制限はないが、より好ましくは酸
化ケイ素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化薄膜
の方が効果は大きい。ここでいう、酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜とは、無機酸化
物からそれ自体公知の方法で形成された薄膜であって、
無機酸化物とは、酸化珪素・酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウムなど薄膜化できる無機酸化物であれば特に制
限はないが、好ましい無機酸化物は酸化アルミニウム、
酸化珪素を含む多元系無機酸化物薄膜、より好ましくは
酸化珪素・酸化アルミニウム二元系無機酸化物薄膜であ
る。
【0016】ここでいう酸化珪素とは、Si、SiOや
SiO2などの珪素や各種珪素酸化物の混合物からな
り、酸化アルミニウムとは、Al、AlOやAl23
どのアルミニウムや各種アルミニウム酸化物の混合物か
らなり、各酸化物内における酸素の結合量はそれぞれの
製造条件によって異なってくるが、酸化珪素と酸化アル
ミニウムとを併用する場合は無機酸化物薄膜中に占める
酸化アルミニウムの含有率が20〜99重量%であるの
が好ましく、20〜75重量%であるのがより好まし
い。また、さらに好ましくは、該酸化珪素・酸化アルミ
ニウム二元系薄膜の比重が下記の条件を満たすものであ
る。
【0017】無機酸化物薄膜の比重の値が、無機酸化物
薄膜中の酸化アルミニウムの重量%との関係を、D=
0.01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化ア
ルミニウムの重量%)という式で示すとき、bの値が
1.6よりも小さい領域のときには、酸化アルミニウム
・酸化珪素系薄膜の構造が粗となり、また、該薄膜の比
重の値が、b値で、2.2よりも大きい領域の場合、薄
膜が硬くなる傾向にある。
【0018】このため、無機酸化物薄膜としての酸化ア
ルミニウム・酸化珪素系薄膜の比重は、該薄膜の比重と
薄膜内の酸化アルミニウム組成比率との関係をD=0.
01A+b(D:薄膜の比重、A:薄膜中の酸化アルミ
ニウムの重量%)という関係式であらわすとき、bの値
で1.6〜2.2、であるのが好ましく、更に好ましく
は1.7〜2.1であるが、もちろんこの範囲に限定さ
れるものではない。酸化珪素・酸化アルミニウムを含
み、さらに他の無機酸化物を含む多元系無機酸化物薄膜
もガスバリア性フィルムとしての効果は大きい。
【0019】前記の場合において、酸化珪素・酸化アル
ミニウム系二元系無機酸化物薄膜中の酸化アルミニウム
の含有量が20重量%未満になると、ガスバリア性が必
ずしも十分ではなくなり、また、酸化珪素・酸化アルミ
ニウム系蒸着膜中の酸化アルミニウム量が99重量%を
超えると、蒸着膜の柔軟性が低下し、ガスバリア性フィ
ルムの曲げや寸法変化に比較的弱く、二者併用の効果が
低下するといった問題が生じることがある。
【0020】本発明において、無機酸化物薄膜の膜厚
は、通常10〜8,000Å、好ましくは50〜5,0
00Åである。膜厚が10Å未満では満足のいくガスバ
リア性が得られ難く、また8,000Åを超えて過度に
厚くしても、それに相当するガスバリア性の向上効果は
得られず、耐屈曲性や製造コストの点で却って不利とな
る。
【0021】無機酸化物薄膜を形成する典型的な製法を
酸化珪素・酸化アルミニウム系薄膜の形成により説明す
ると、蒸着法による薄膜形成法としては真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法などの物理蒸
着法、あるいはCVD法(化学蒸着法)などが適宜用い
られる。たとえば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原
料としてSiO2とAl23の混合物、あるいはSiO2
とAlの混合物などが用いられる。加熱には、抵抗加
熱、高周波誘導加熱、電子線ビーム加熱などを採用する
ことができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、
アルゴン、炭酸ガス、水蒸気などを導入したり、オゾン
添加、イオンアシストなどの手段を用いた反応性蒸着を
採用することも可能である。更に、プラスチックフィル
ムにバイアスを印加したり、プラスチックフィルムを加
熱したり冷却するなど、成膜条件も任意に変更すること
ができる。上記蒸着材料、反応ガス、基板バイアス、加
熱・冷却などは、スパッタリング法やCVD法を採用す
る場合にも同様に変更可能である。
【0022】この様な方法により透明で、煮沸処理やレ
トルト処理、更にはゲルボ試験(耐屈曲性試験)にも耐
えることができる優れた性能のプラスチックフィルムの
表面に無機酸化物薄膜層が形成された、ガスバリア性積
層体を得ることが可能となる。かかる、プラスチックフ
ィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成された積層体
は、本発明の包装材料積層体の少なくとも構成層の一部
とされる。
【0023】また、本発明の包装材料積層体は、プラス
チックフィルムの表面に無機酸化物薄膜層が形成された
ガスバリア性積層体の最外層にヒートシール性樹脂層が
形成された包装材料積層体が基本構造であるが、プラス
チックフィルム表面の無機酸化物薄膜層側の最外層に接
着剤層を介して、ヒートシール性樹脂層を形成した構造
である。
【0024】前記ヒートシール性樹脂層を形成する方法
としては、あらかじめ、フィルム状にしたシーラントフ
ィルムを用い、ドライラミネート又は押出しラミネート
で接着するのが好ましい。このとき用途に応じて種々の
シーラントフィルムから最適なフィルム選択することが
できる。
【0025】本発明において、前記ガスバリア性積層体
の最外層に形成するヒートシール性樹脂層とは、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重
合体、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合
体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・メ
チルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン・メチルメタアクリレート共重
合体、アイオノマーなどにより形成されたヒートシール
性を有するフィルムである。実用的には、低密度ポリエ
チレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリ
エチレン又はポリプロピレンからなるフィルムをヒート
シール性樹脂層として用いることが多い。このヒートシ
ール性樹脂層の厚みとしては、3〜100μm程度、好
ましくは5〜70μm程度であるのが一般的である。
【0026】本発明における引裂き抵抗値とは、引張り
試験機を用い、ヒートシール性樹脂層同士をヒートシー
ルしたヒートシール部3の端部に長さ4mmの切欠き2
を入れ、その試料の切欠き部の両端を把持し、互いにフ
ィルム面に垂直に速度500mm/minで長さ50m
mにわたり引張ることにより、ヒートシール部を含むフ
ィルムがカットされるときの強度を連続的に測定したと
きに得られるものである。連続的に測定するとは、試料
の両端を引張りながら、引張り長さとそのときの引裂き
抵抗値を連続して記録することをいい、記録について
は、レコーダー、プリンター、また、磁気記録媒体など
何を用いてもよい。
【0027】このときの測定速度とは、試料の切欠き部
の両端を引張る速度であり、500mm/minのとき
にカット性との一番相関がよい。ヒートシール部とは、
ヒートシールして得るもので、そのときの温度は、ヒー
トシール性樹脂層の特性により、適宜選定してよいが、
下限は、融着できる温度であり、上限は、熱による外観
不良がおこることにより制限される。
【0028】引裂き抵抗値の最大値とは、前記の記録し
た連続曲線より得られるもので、引裂き抵抗値が最も高
い値をいう。この引裂き抵抗値の連続的変化は、大きく
2つに分けられる。1つは、試料を切れ目から引張るに
つれ、引裂き抵抗値も、連続的に増加するものであり、
この場合引裂き抵抗値の値と引裂き抵抗値の最大値は同
じものとなる。もう1つは、最大値を取ったのち引裂き
抵抗値が小さくなるもので、カット性に対しては、この
ような変化をする包装材料積層体及びそれを用いてなる
包装体が望ましい。この関係について鋭意研究の結果、
小さくなった平坦部の引裂き抵抗値の値(b)が、該最
大値(a)に対し、0.1〜60%のとき、手によるカ
ット性が特によいものが得られる。この最大値に対する
比率として、より好ましくは、0.1〜45%であり、
さらに好ましくは0.1〜30%である。引裂き抵抗値
を上記範囲で得るためには、接着剤としては、シランカ
ップリング剤を含有する接着剤を使用することが好まし
い。その理由としては、このような接着剤を用いること
で無機蒸着薄膜層とシーラントフィルムの接着力が向上
することと接着剤層自身の剛性が向上することに起因し
ているものと考えられる。
【0029】引き裂き応力とはヒートシール性樹脂層同
士を向かい合わせてヒートシールし、ヒートシール部分
3の端部中央に長さ4mmの切り欠きを入れた試料を準
備する。試料の切り欠き部2の両端を引張り試験機(東
洋精機社製:ストログラフV10−C)により把持して
互い違いに500mm/minの速度で引張り、その時
の抵抗値(N)を測定したもので1N以下であり、より
好ましくは0.5N以下である。
【実施例1】以下、実施例を挙げて本発明の内容及び効
果を具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱し
ないかぎり以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】(実施例1)二軸延伸ナイロンフィルム
(東洋紡績社製,商品名:N4142(15μm))上
に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物薄膜を
蒸着したフィルムを用い、ドライラミネートを実施し
た。樹脂A/シランカップリング剤(信越化学工業製:
KBE−903)/硬化剤(日本ポリウレタン社製:コ
ロネートHX)=100/2/20(固形比)で配合し
たものをドライコート量3.0g/m2に調整して蒸着
薄膜面に塗布し、この接着剤層を介してヒートシール性
樹脂層である線状低密度ポリエチレン(商品名:L41
02 40μm)を貼り合わせてドライラミネート積層
体を得た。エージングは、条件:40℃×3日間実施し
た。得られたラミネート積層体をヒートシール(シール
条件:160℃×2kg×2秒)し、袋をつくった。
【0031】引裂き抵抗値を連続的に測定し、引張り長
さと引裂き抵抗値のカーブをペンレコーダーに書かせ
た。このとき最大値は、2N/15mmであったが、そ
の後強度は小さくなり、平坦部では0.5N/15mm
で安定化した。このときの最大値に対する比率は25%
であった。次に、5×10cmの小袋を製造し、内容物
として液体スープをつめ、切れ目より、手でカットした
が、非常にスムーズに切れ、切れ味は良好であった。
【0032】また、引き裂き応力値は0.5Nであっ
た。
【0033】(比較例1)実施例1で、接着剤を汎用イ
ソシアネート系接着剤(東洋モートン社製,商品名:T
M590)3.0g/m2とする以外は、同様に加工
し、ドライラミネート積層体を得た。引裂き抵抗値を連
続的に測定したところ、引張り続けると、強度は増加し
続け、15mm長さを引張ったときの値は、4N/15
mmであった。実施例1と同様にして小袋を製造し手で
カットすると、抵抗感が強く、うまく切れず、内容物が
飛び出した。
【0034】また、この積層体の引き裂き応力は2Nで
あった。
【0035】(実施例2)二軸延伸ナイロンフィルム
(東洋紡績社製,商品名:N4142(15μm))上
に酸化ケイ素と酸化アルミニウムの2元系酸化物薄膜を
蒸着したフィルムを用い、ドライラミネートを実施し
た。樹脂B/シランカップリング剤(信越化学工業製:
KBE−903)/硬化剤(日本ポリウレタン社製:コ
ロネートHX)=100/2/20(固形比)で配合し
たものをドライコート量3.0g/m2に調整して蒸着
薄膜面に塗布し、この接着剤層を介してヒートシール性
樹脂層である未延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績
社製,商品名:P1153(40μm)を貼り合わせて
ドライラミネート積層体を得た。得られたラミネート積
層体をヒートシール(シール条件:180℃×2kg×
2秒)し、袋をつくった。この包装体について引裂き抵
抗値を連続的に測定したところ、最大値は1Nであった
が、引張るにつれ強度は落ち、0.8N/15mmとな
った。引裂き抵抗値の最大値に対する比率は53%であ
った。この包装体に、内容物として「みそ」をつめ、手
でカットしたが、非常にスムーズに切れ、良好であっ
た。
【0036】また、この積層体の引き裂き応力は0.8
Nであった。 (比較例2)ドライラミネートの接着剤をアルミ箔用イ
ソシアネート系接着剤(武田薬品社製,商品名:タケラ
ックA−310)3.0g/m2とする以外は実施例2
と同様に加工し、ドライラミネート積層体を得た。引裂
き抵抗値を連続的に測定したところ、引張り続けると強
度は増加し続け、15mm長さのときには、3.5N/
15mmであり、カット時の抵抗感が強く、スムーズに
カットすることができなかった。
【0037】また、この積層体の引き裂き応力は2.5
Nであった。
【0038】樹脂AおよびBの組成と樹脂特性を表1に
示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の包装材料積層体及び包装体によ
れば、優れたガスバリア性を有し、優れた密封性を有す
るが、開封時には強い抵抗感がなく開封感が良好で、手
でスムーズに開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の引裂き抵抗値と引張り長さの関係
を示すカーブのグラフの一例である。
【図2】 比較例の引裂き抵抗値と引張り長さの関係を
示すカーブのグラフの一例である。
【図3】 切欠き部を形成した、本発明の包装材料積層
体のヒートシール部の要部を示す図である。
【符号の説明】
A 山部 B 平坦部 1 包装材料積層体 2 切欠き部 3 ヒートシール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊関 清司 愛知県犬山市大字木津字前畑344番地 東 洋紡績株式会社犬山工場内 Fターム(参考) 3E086 AD01 BA04 BA24 BA40 BB02 BB05 BB90 CA01 CA27 CA28 CA29 CA31 4F100 AA17B AA19B AA20B AA33B AK01A AK01C AK41G AK46A AK51G BA03 BA07 BA10A BA10C CB00 EH66B EJ38A GB15 JK03 JL12C YY00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの表面に無機酸化
    物薄膜層を設け、該無機酸化物薄膜上に接着剤層を介し
    てヒートシール性樹脂層が形成された包装材料積層体に
    おいて、ヒートシール性樹脂層同士をヒートシールした
    ヒートシール部の切欠き部を引裂いて連続的に引裂き抵
    抗値を測定したときの引裂き抵抗値曲線が初期山部とそ
    れに続く平坦部を持ち、山部の引裂き抵抗値の最大値
    (a)とそれに続く平坦部の引裂き抵抗値の値(b)と
    の比(b/a)×100が0.1〜60%であることを
    特徴とする包装材料積層体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の積層体において、ヒート
    シール性樹脂層同士をヒートシールしたヒートシール部
    の引裂き応力が1N以下であることを特徴とするガスバ
    リア性フイルム。
  3. 【請求項3】 前記接着剤として、分岐点濃度が30〜
    300当量/トンであり、かつ、ガラス転移転温度が−
    30℃以上、50℃未満であるポリエステルまたはポリ
    ウレタン樹脂を主成分とし、該樹脂100重量部に対
    し、シランカップリング剤0.05〜5重量部含有する
    ことを特徴とするものが塗布された請求項1,2記載の
    包装材料積層体。
  4. 【請求項4】 無機酸化物薄膜が、少なくとも酸化ケイ
    素、酸化アルミニウムを含む多元系無機酸化物薄膜であ
    ることを特徴とする請求項1記載の包装材料積層体。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルムがポリアミドフィ
    ルムであることを特徴とする請求項1又は2記載の包装
    材料積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の包装材料積層体を用
    いてなることを特徴とする包装体。
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