JP2002239707A - ダイカスト装置 - Google Patents

ダイカスト装置

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JP2002239707A JP2001044083A JP2001044083A JP2002239707A JP 2002239707 A JP2002239707 A JP 2002239707A JP 2001044083 A JP2001044083 A JP 2001044083A JP 2001044083 A JP2001044083 A JP 2001044083A JP 2002239707 A JP2002239707 A JP 2002239707A
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die casting
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空ダイカスト法を用いたダイカスト装置にお
いて、金型キャビティ内をより高真空にすることができ
るダイカスト装置を提供する。 【解決手段】一対の金型の間に形成されるキャビティ内
を減圧し、当該キャビティ内に金属溶湯を射出・充填し
てダイカスト製品を成形するダイカスト装置であって、
キャビティCにおいて成形される成形品を押し出し可能
に、移動金型3に形成されたキャビティCに連通する挿
入孔3kに挿入された押出ピン42と、押出ピン42と
挿入孔42の間を密封し、減圧されたキャビティC内へ
の空気の流入を防ぐ、押出ピン42の外周に嵌合するシ
ール部材70と、成形品との接触により温度上昇する押
出ピン42のすくなくともシール部材70の嵌合する位
置近傍の温度上昇を防ぐために冷却液によって強制冷却
するシール冷却機構部61を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカストマシン
に係り、特に、金型キャビティ内の気体を溶湯圧入の前
に排気し、減圧の状態でダイカストする真空ダイカスト
法を用いたダイカスト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカストマシンは、たとえば、一対の
固定金型と移動金型、これら固定金型および移動金型を
それぞれ保持する固定ダイプレートおよび移動ダイプレ
ート、タイバーを伸長させて固定金型と移動金型とを型
締する型締装置、固定金型と移動金型との間に形成され
るキャビティに金属溶湯を射出する射出装置、溶融金属
を射出装置に供給する給湯装置等を備えている。このよ
うなダイカストマシンでは、固定金型と移動金型とを型
締装置によって型締した状態で、給湯装置によって溶融
金属を射出装置のスリーブに供給し、射出プランジャを
駆動することにより、金型キャビティ内に溶融金属を射
出・充填することによってダイカスト製品を鋳造する。
ところで、ダイカスト製品の品質のばらつきによる信頼
性低下の原因の一つとして、ダイカスト製品へのガスの
含有がある。すなわち、高速、高圧で射出・充填された
溶湯はスリーブとキャビティ内で乱流となり、空気や気
化した金型に塗布された離型剤等を巻き込む。
【0003】上記のような問題を克服するため、真空ダ
イカスト法によるダイカストマシンを用いて鋳造するこ
とによって、ダイカスト製品へのガスの含有を抑制し、
ダイカスト製品のガスの含有による品質のばらつきを低
減する技術が知られている。真空ダイカスト法を用いた
ダイカストマシンにおいては、たとえば、米国特許2,
785,448号に開示されているように、真空ポンプ
で減圧された状態のキャビティ内に溶融金属を射出・充
填することにより、溶融金属へのガスの含有を抑制す
る。上記のような真空ダイカスト法を用いたダイカスト
マシンにおいては、高い強度、品質の製品を鋳造するた
めには、キャビティ内をより高真空化でき、減圧状態を
維持できることが求められている。キャビティ内が高真
空化されていないと、鋳造された製品にガスが含有し、
鋳造後の焼きなまし等の熱処理を製品に施した際に、製
品に歪みや変形が生じやすく、真空ダイカスト法による
十分な効果を得ることが難しいからである。より高い強
度、品質の製品を鋳造するためには、具体的には、数十
Torr程度にまでキャビティ内を減圧することが求め
られている。さらに、ダイカストマシンによる生産性を
向上させる観点から、真空ポンプによる排気に要する時
間を可能な限り短縮化することも求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、キャビティ
内を減圧するためには、真空ポンプとキャビティとを連
通する排気路の途中にバルブを設け、排気路をバルブに
よって開閉することが必要となる。バルブの開閉は、た
とえば、空圧や液圧によって作動するシリンダ装置を用
いて行う方式が知られている。バルブを閉じるタイミン
グは、キャビティ内の真空度の低下を防ぐ等の観点か
ら、可能な限り金属溶湯をキャビティ内に射出・充填す
る直前とすることが好ましい。しかしながら、前記シリ
ンダ装置は応答性が低く、応答時間にばらつきが生じや
すく、精密な制御が困難であるため、ある程度余裕をも
ってバルブを閉じる必要がある。バルブを閉じると、真
空ポンプによる排気が停止するため、キャビティ内への
外部からの空気の侵入により、キャビティ内の真空度が
低下しやすいという不利益が存在した。
【0005】他のバルブの開閉方法として、排気路を開
くときにはシリンダ装置を用い、排気路を閉じるときに
はキャビティ内に射出・充填された溶融金属の慣性力に
よってバルブを駆動させ、あるいは、溶融金属の慣性力
を圧力に変換してバルブを駆動させる方式が知られてい
る。しかしながら、この方法では、バルブが溶融金属に
触れるため、排気路内に溶融金属が侵入する可能性があ
り、侵入した場合には機器に重大な損傷を与える可能性
があった。また、溶融金属の慣性力を圧力に変換するに
は、溶融金属の流路に絞りが必要となり、この部分の断
面積が小さくなり、排気を効率良く行うことが難しいと
いう不利益も存在した。さらに、高速でキャビティ内に
射出・充填された溶融金属の慣性でバルブを駆動する
と、バルブが弁座に勢いよく衝突するため、その反動に
よって、バルブが弁座から浮き上がる可能性があり、バ
ルブと弁座との間から溶融金属が侵入する可能性もあ
る。
【0006】一方、キャビティ内をより高真空化するた
めには、金型の合わせ面の間や製品を押し出すための押
出ピンと金型との間等のシールを十分に行い、外部から
の空気の侵入を防ぐ必要がある。これらのシールが確実
に行われないと、真空ポンプで排気しても高真空を得る
ことが難しい。金型の合わせ面の間のシールは、樹脂製
のシール部材を金型の合わせ面間に配置することにより
可能であるが、排気路が金型の合わせ面間に形成されシ
ール部材の近傍に位置する場合には、シール部材に耐熱
性材料を用いたとしても、高温によってシール部材は連
続使用に耐えられない。このため、従来においては、金
型の合わせ面の間にキャビティの周囲を連続的に囲むよ
うにシール部材を配置することが難しく、特に金型合わ
せ面の延長上に真空バルブユニットを取り付ける方式で
は、金型の合わせ面間のシールを確実に行うことが困難
であった。押出ピンは、高温状態にある製品に直接接触
するため、押出ピン自体も温度上昇が避けられない。し
たがって、押出ピンと金型との間のシールに樹脂性のO
リング等のシール部材を用いると、シール部材が高温に
耐えられないという問題が存在する。このため、従来に
おいては、押出ピンと金型との間のシールを十分に行う
ことも困難であった。
【0007】以上のように、従来においては、キャビテ
ィ内を減圧するための排気路を開閉するバルブの構造お
よび金型の合わせ面の間や押出ピンと金型との間のシー
ル構造に起因して、キャビティ内を数十Torr程度の
高真空に減圧し、これを維持することが困難であった。
【0008】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、真空ダイカスト法を用いたダイカスト装置
において、金型キャビティ内をより高真空にすることが
できるダイカスト装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカスト装置
は、一対の金型の間に形成されるキャビティ内を減圧
し、当該キャビティ内に金属溶湯を射出・充填してダイ
カスト製品を成形するダイカスト装置であって、前記キ
ャビティにおいて成形される成形品を押し出し可能に、
前記金型に形成された前記キャビティに連通する挿入孔
に挿入された押出ピンと、前記押出ピンと前記挿入孔の
間を密封し、減圧された前記キャビティ内への空気の流
入を防ぐ、前記押出ピンの外周に嵌合するシール部材
と、前記成形品との接触により温度上昇する前記押出ピ
ンのすくなくとも前記シール部材の嵌合する位置近傍の
温度上昇を防ぐ温度上昇防止手段とを有する。
【0010】前記温度上昇防止手段は、冷却液によって
前記押出ピンの前記シール部材の嵌合する位置近傍を強
制冷却する。
【0011】前記温度上昇防止手段は、前記金型の背面
に固定され、前記シール部材を保持し、内部に冷却液が
収容される収容空間を備える冷却液収容部を有し、前記
押出ピンは、前記冷却液収容部に保持されたシール部材
に嵌合し、前記収容空間を横断するように前記冷却液収
容部を貫通している。
【0012】前記冷却液収容部は、前記冷却液が供給さ
れる供給口と、前記収容空間を通過した冷却液を排出す
る排出口とを備える。
【0013】前記冷却液収容部と前記金型の背面との間
には、熱の移動を防ぐための隙間が形成されている。
【0014】本発明では、減圧されたキャビティ内への
押出ピンと挿入孔との間からの空気の流入を防ぐシール
部材の高温による劣化を防ぐために、少なくとも押出ピ
ンのシール部材が嵌合する位置近傍の温度上昇を防ぐ温
度上昇防止手段を備えている。このため、たとえば、O
リング等のシール部材によって簡易にかつ確実に減圧さ
れたキャビティ内への空気の流入を防ぐことができ、キ
ャビティ内を高真空にすることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。第1実施形態 図1は、本発明が適用されるダイカストマシンの構成の
一例を示す図である。図1において、ダイカストマシン
1は、ベース100と、ベース100上に設置された固
定ダイプレート91と、固定ダイプレート91に取り付
けられた固定金型2と、固定ダイプレート91の固定金
型2とは反対側に設けられた射出装置95と、固定ダイ
プレート91に対向してベース100上に設置された移
動ダイプレート92と、固定金型2に対向するように移
動ダイプレート92に取り付けられた移動金型3と、移
動ダイプレート92を間において固定ダイプレート91
とタイバー80によって連結されたリンクハウジング7
1と、リンクハウジング71と移動ダイプレート92と
を連結する複数のリンクからなるトグル機構110とを
備えている。
【0016】固定ダイプレート91は、ベース100に
固定されており、移動ダイプレート92はベース100
に移動可能に設けられている。リンクハウジング71と
固定ダイプレート91とは、移動ダイプレート92を貫
通する4本のタイバー80によって連結されている。
【0017】トグル機構110は、複数のリンクで構成
されており、リンクハウジング71と移動ダイプレート
92とを連結している。なお、トグル機構110の構成
は、周知の構成であり、詳細については省略する。この
トグル機構110は、クロスヘッド72と連結されてお
り、このクロスヘッド72がねじ軸73に沿って矢印A
1およびA2方向に移動することにより作動し、リンク
ハウジング71と移動ダイプレート92とを接近または
離隔させる。ねじ軸73は、リンクハウジング71に設
けられた図示しないサーボモータによって駆動され、ね
じ軸73の回転によってこれに螺合するクロスヘッド7
2が矢印A1およびA2方向に移動する。
【0018】図1に示すように、図示しないサーボモー
タの駆動によってクロスヘッド72を矢印A2方向へ移
動させると、トグル機構110が作動し、移動ダイプレ
ート92はリンクハウジング71に対して離隔する向き
(型閉方向)に移動し、固定金型2と移動金型3の型閉
が行われる。さらに、クロスヘッド72を矢印A2方向
に移動させると、タイバー80が伸長し、タイバー80
に発生した張力によって固定金型2と移動金型3との型
締が行われる。
【0019】射出装置95は、型締された固定金型2お
よび移動金型3に形成される図示しないキャビティに溶
融金属を射出・充填する。キャビティに射出・充填され
た溶融金属が凝固することにより、ダイカスト製品が得
られる。
【0020】一方、ダイカスト製品を鋳造したのち、ダ
イカスト製品を取り出す際には、図2に示すように、ク
ロスヘッド72を矢印A1方向へ移動させると、移動ダ
イプレート92はリンクハウジング71に対して接近す
る向き(型開方向)に移動し、移動金型3は固定金型2
に対して開く。固定金型2と移動金型3を開くと、ダイ
カスト製品は移動金型3に嵌まった状態で移動する。こ
の移動金型3に嵌まった状態のダイカスト製品を後述す
る押出機構によって移動金型3から押し出すことによっ
て、ダイカスト製品を取り出す。
【0021】図3は、本発明のダイカスト装置の第1の
実施形態に係る金型周辺の構造を示す断面図である。ま
た、図4は固定金型2の合わせ面(分割面)の構造を示
す図であり、図5は移動金型3の合わせ面(分割面)の
構造を示す図である。なお、図3に示す固定金型2およ
び移動金型3は型締状態にある。図3に示すように、固
定金型2の背面側には、射出装置95が設けられてい
る。
【0022】射出装置95は、固定金型2の背面側に設
けられた円筒状のスリーブ96と、このスリーブ96の
内周に嵌合するプランジャチップ97と、プランジャチ
ップ97と一端が連結されたプランジャロッド98と、
プランジャロッド98の他端部と連結された射出シリン
ダ装置99とを備えている。
【0023】スリーブ96は、供給口96aを備えてお
り、この供給口96aからラドル100によってスリー
ブ96内に金属溶湯MLが供給される。射出シリンダ装
置99は、ピストンを内蔵しており、このピストンに連
結されたピストンロッド99aとプランジャロッド98
とがカップリング99bによって連結されている。この
射出シリンダ装置99は、油圧によって駆動され、ピス
トンロッド99aを伸縮する。
【0024】プランジャチップ97は、プランジャロッ
ド98に連結されており、射出シリンダ装置99の駆動
により、スリーブ96内を移動する。プランジャチップ
97が金属溶湯MLが供給されたスリーブ96内を固定
金型2側に向けて移動することにより、金属溶湯MLが
固定金型2と移動金型3とによって形成されるランナー
部Rnを通じてキャビティCに充填される。なお、98
aはプランジャロッド98の外周に軸方向に対し一定ピ
ッチで磁極N,Sが形成され、この磁極の通過数をパル
ス列として検出するセンサであって、プランジャチップ
97の射出速度を計測するものである。図示の如く、セ
ンサ出力はマシンコントローラ52へ与えられる。マシ
ンコントローラ52内の52aは射出プランジャ現在位
置カウンタであって、プランジャチップ97の位置を示
す。また、52bは溶湯供給口通過位置設定レジスタ、
52cは高速射出開始位置設定レジスタであって、前記
カウンタ52aの値がそれぞれレジスタ52b,52c
の値と一致したとき、マシンコントローラ52は対応す
るバルブの開閉動作を行うようバルブコントローラ51
へ指令を与えるようになっている。
【0025】ランナー部Rnは、図5に示す移動金型3
の分割面3aに形成された溝部Rnaと固定金型2の分
割面2aによって形成される。キャビティCは、図4に
示す固定金型2の分割面2aにダイカスト製品の形状に
合わせて形成された凹面Caおよび図5に示す移動金型
3の分割面3aにダイカスト製品の形状に合わせて形成
された凹面Cbとによって形成される。
【0026】キャビティCの上方には、図3に示すよう
に、排気路Epが形成されている。この排気路Epは、
図5に示した、移動金型3の分割面3aに形成された凹
面Cbに連なる溝部Epaと、図4に示した固定金型2
の分割面2aに形成された溝部Epbとによって形成さ
れる。なお、溝部Epbに隣接する凹部Saは、後述す
るバルブの当接部である。
【0027】図3に示すように、固定金型2の分割面2
aと移動金型3の分割面3aとの間に形成された排気路
Epに連通してバルブ機構部21が設けられている。こ
のバルブ機構部21の周辺の構造を図6を参照して説明
する。
【0028】図6に示すように、バルブ機構部21は、
電磁アクチュエータ22と、電磁アクチュエータ22に
連結されたバルブ軸23と、バルブ軸23の先端に一体
に形成された円板状の弁体24を備える。バルブ軸23
および弁体24は、たとえば、ステンレス等の金属材料
で形成されている。電磁アクチュエータ22は、移動金
型3に形成された挿入孔3hに嵌合挿入される有底筒状
のガイド部材29の開口端29bにフランジ部材32を
介して固定されている。ガイド部材29と移動金型3に
形成された挿入孔3hとの間には、樹脂製のOリング3
0が介在しており、挿入孔3hとガイド部材29との間
をシールしている。
【0029】ガイド部材29の有底部には、ガイド孔2
9aが形成されている。このガイド孔29aにバルブ軸
23が移動可能に嵌合挿入されている。バルブ軸23
は、移動の際の安定化の観点から、ガイド孔29aに嵌
合する部分が弁体24側よりも大径化している。また、
ガイド孔29aとバルブ軸23とは精密に嵌合してお
り、ガイド孔29aとバルブ軸23との間はシールされ
ている。バルブ軸23は、内部が空洞部23aとなって
いる。軽量化によりバルブ軸23の慣性を減らして、バ
ルブ軸23の移動を高速にするためである。
【0030】移動金型3には、上記した排気路Epに連
通し、バルブ軸23が挿入される排気路26が分割面3
aに垂直な方向に沿って形成されている。なお、移動金
型3の排気路26が形成される部分は、バルブ機構部2
1を移動金型3に組み込むために別の金属部材3dで形
成されている。
【0031】排気路26の先端部(分割面3a側)に
は、弁座部39が形成されている。この弁座部39は、
弁体24に相対しており、弁座部39に形成された弁座
面39aに弁体24が当接することにより、排気路26
を閉塞する。なお、弁座面39aは、移動金型3の分割
面3aに沿って形成されている。この弁座部39は、弁
体24よりも軟らかく、弁体24と接触した際になじみ
の良い材料で形成されている。具体的には、銅合金等の
金属材料である。
【0032】移動金型3には、排気路26に直交する向
きに沿って排気路25が形成されている。排気路25と
排気路26とは連通している。この排気路25の上方に
は、装着孔3gが形成されており、この装着孔3gに排
気管55が挿入されている。排気管55は、先端外周部
にねじが形成されており、このねじと装着孔3gの内周
に形成されたネジとが螺合している。さらに、装着孔3
gの上端側外周には、排気管55と装着孔3gとの間を
密封するために、樹脂性のOリング59aおよび59b
を介してリング部材59が固定されている。
【0033】電磁アクチュエータ22は、ケースの内部
にバルブ軸23と連結される軸部材22aと、この軸部
材22aに固定された図示しない永久磁石と、この永久
磁石の周りに設けられた図示しない電磁石とを有する。
電磁石に外部から電力を供給することにより、永久磁石
と電磁石との間に吸引力が発生し、軸部材22aが直動
する。電磁アクチュエータ22は、電磁石に供給する電
流の向きを適宜変更することにより、弁体24を図6の
矢印C1およびC2で示す排気路26を開閉する方向に
駆動する。
【0034】この電磁アクチュエータ22は、図3に示
したように、バルブコントローラ51に電気的に接続さ
れており、バルブコントローラ51から電力供給を受け
る。バルブコントローラ51は、電磁アクチュエータ2
2の駆動制御を行い、弁体24を開閉させる。このバル
ブコントローラ51は、ダイカストマシン1を総合的に
駆動制御するマシンコントローラ52に電気的に接続さ
れており、マシンコントローラ52から入力される信号
に応じて電磁アクチュエータ22の駆動制御を行う。
【0035】上記の排気管55は、図3に示したよう
に、真空ポンプ50に接続されている。この真空ポンプ
50は、排気管55、排気路25、排気路26および排
気路Epを通じてキャビティC内を排気する。真空ポン
プ50としては、数Torr〜数十Torr程度の高真
空に排気できるものを使用する。
【0036】移動金型3の分割面3aには、シール部材
35をはめ込む溝3bが形成されており、この溝3bに
シール部材35がはめ込まれ、シール部材35の一部は
分割面3aから突出している。シール部材35の突出し
た部分が移動金型3の分割面3aと固定金型2の分割面
2aを合わせたときに、分割面2aに接触し、分割面2
aと分割面3aとの間をシールする。シール部材35
は、たとえば、シリコンゴム等の比較的耐熱性の高い材
料で形成されたものを用いることが好ましい。なお、シ
ール部材35を固定金型2の分割面2aにはめ込む構成
とすることも可能である。
【0037】シール部材35は、図5に示したように、
移動金型3の分割面3aの外周部に連続して設けられて
おり、継ぎ目が存在しない。さらに、シール部材35の
内周側に、排気路Ep、キャビティCおよびランナー部
Rnが配置されており、こららはシール部材35から十
分に離隔している。
【0038】次に、押出機構部41の具体的構成につい
て説明する。押出機構部41は、図3に示したように、
移動金型3の背部に設置されている。この押出機構部4
1は、複数の押出ピン42と、押出ピン42の一端を保
持する保持板43、44と、保持板43、44が固定さ
れた可動板45と、可動板45を移動金型3に対して移
動可能に案内する案内軸46と、シール冷却機構部61
とを備えている。
【0039】押出ピン42は、たとえば、ステンレス等
の金属部材で形成されており、移動金型3に形成された
各挿入孔3kに嵌合挿入されている。なお、後述するよ
うに、挿入孔3kは、移動金型3の分割面3aに近いと
ころでのみ押出ピン42に嵌合し、それ以外の部分は押
出ピン42が摺動しやすいように、拡径されている。こ
の挿入孔3kは、図5に示したように、移動金型3の分
割面3aに開口している。各挿入孔3kは、ランナー部
RnやキャビティCの周辺や排気路Epに対して設けら
れている。これらの挿入孔3kから押出ピン42の先端
部を突き出すことにより、移動金型3に嵌まっているダ
イカスト製品を押し出すことができる。
【0040】保持板43、44は、各押出ピン42の拡
径した後端部を挟持している。この保持板43、44
は、可動板45に固定されている。可動板45は、図3
に示したように、矢印E1およびE2の向きに移動可能
に案内されている。この可動板45は、図示しない駆動
手段によって、矢印E1およびE2の向きに所定の範囲
で移動させられる。矢印E2の向きに可動板45を移動
させることにより、押出ピン42の先端部が移動金型3
の分割面3aから突出する。
【0041】押出ピン42と挿入孔3kとは嵌合してお
り、溶湯金属MLが押出ピン42と挿入孔3kとの間に
侵入する可能性はないが、押出ピン42と挿入孔3kと
の間に空気が侵入する可能性がある。押出ピン42と挿
入孔3kとの間に外部から空気が侵入すると、キャビテ
ィC内を減圧した際に、キャビティC内を高真空にする
ことができない。また、押出ピン42は高温のダイカス
ト製品に直接触れるため、押出ピン42自体の温度も高
温になる可能性がある。このため、押出ピン42と挿入
孔3kとの間に樹脂性のシール部材(Oリング)を設け
て押出ピン42と挿入孔3kとの間をシールすると、O
リングが高温に耐えられず、連続使用できない可能性が
ある。
【0042】本実施形態では、上記の問題を解決するた
めにシール冷却機構部61を移動金型3の背部に設けて
いる。図7は、シール冷却機構部61の具体的構造を示
す図である。図7に示すように、シール冷却機構部61
は、凹部63hを有する板状の第1部材63と、この第
1部材63の凹部63h側に固定された板状の第2部材
64と、第1部材63および第2部材64に固定された
シール保持部材65とを有している。
【0043】第1部材63と第2部材64とは連結され
ており、第1部材63の凹部63hと第2部材64の対
向面との間に冷却液収容空間Saを構成している。第1
部材63と第2部材64との間には、樹脂製のOリング
75が介在しており、第1部材63と第2部材64との
間をシールしている。
【0044】第2部材64は、移動金型3の背面に固定
されている。第2部材64と移動金型3の背面との間の
外周部には、樹脂製のOリング74が介在しており、第
2部材64と移動金型3の背面との間をシールしてい
る。Oリング74の内周側に位置し、第2部材64の移
動金型3に対向する面には、凹部64aが形成されてお
り、移動金型3と第2部材64との間には隙間Sが形成
されている。
【0045】第1部材63の周壁部には、冷却液収容空
間Saに冷却液Wを供給するための供給口63bと、冷
却液収容空間Saに収容された冷却液Wを排出するため
の排出口63cとが形成されている。
【0046】シール保持部材65は、円筒状の部材から
なり、移動金型3の背面側の端部に拡径部を備え、第1
部材63に形成された挿入孔63aおよび第2部材64
に形成された挿入孔64bに外周が嵌合挿入され、第1
部材63および第2部材64に固定されている。第1部
材63の挿入孔63aおよび第2部材64の挿入孔64
bの内周には、樹脂製のOリング72および73がそれ
ぞれ保持されている。これらのOリング72および73
は、シール保持部材65の外周と挿入孔63aおよび挿
入孔64bとの間をシールしている。
【0047】シール保持部材65は、中心部に押出ピン
42が嵌合挿入される貫通孔65aを備えている。この
貫通孔65aの内周であって、第2部材64側に樹脂製
のOリング70を保持しており、第1部材63側に樹脂
製のOリング71を保持している。Oリング70,71
は、押出ピン42と貫通孔65aとの間をシールしてい
る。また、シール保持部材65は、内部に空洞部65c
と、押出ピン42に直交する方向に形成された貫通孔6
5bとを備えている。
【0048】上記構成のシール冷却機構部61におい
て、第1部材63の供給口63bには、冷却液供給管3
0が接続されており、冷却液供給管30を通じて冷却液
Wが供給される。冷却液Wには、たとえば、水が用いら
れる。
【0049】冷却液供給管30から供給された冷却液W
は、冷却液収容空間Sa内に導入され、一部の冷却液W
は、シール保持部材65の貫通孔65bを通じて空洞部
65cに供給される。空洞部65cに供給された冷却液
Wは、空洞部65c内に露出した押出ピン42の一部を
冷却する。したがって、空洞部65c付近に存在する押
出ピン42は、部分的に冷却される。冷却液供給管30
から冷却液Wが連続的に供給されることにより、空洞部
65cの付近には新鮮な冷却液Wが循環し、貫通孔65
bを通って排出口63cに排出される。
【0050】一方、押出ピン42の外周に嵌合している
Oリング70および71のうち、Oリング70は、移動
金型3に形成された挿入孔3kと押出ピン42との間に
外部から空気が侵入するのを防ぐ役割と、冷却液Wが挿
入孔3k内に侵入するのを防ぐ役割を果たしている。O
リング71は、冷却液収容空間Saから冷却液Wが外部
に漏れるのを防ぐ役割を果たしている。これらのOリン
グ70,71は、たとえば、シリコンゴム、フッ素ゴム
等の耐熱性の材料で形成されていても、押出ピン42の
温度が、たとえば、200℃以上の高温に達する環境下
では連続使用に耐えられない。本実施形態では、押出ピ
ン42が高温のダイカスト製品に触れて温度が上昇した
としても、Oリング70,71の近傍に空洞部65cが
配置されているため、押出ピン42のOリング70,7
1に接触する部分は、たとえば、100℃以下に抑えら
れている。この結果、Oリング70,71が熱によるダ
メージを受けることがない。
【0051】次に、上記構成のダイカストマシン1の動
作の一例について説明する。まず、ダイカストマシン1
が図2に示した状態、すなわち、固定金型2と移動金型
3とが型開状態にある状態から、マシンコントローラ5
2の制御により、トグル機構110を作動させ、固定金
型2と移動金型3とを型締する。固定金型2と移動金型
3とが型締されると、固定金型2の分割面2aと移動金
型3の分割面3aの間は、シール部材35によってシー
ルされる。ダイカストマシン1の起動時には、上記した
シール冷却機構部61には、冷却液Wが供給された状態
にある。また、ダイカストマシン1の起動時には、真空
ポンプ50も起動されるが、バルブ機構部21の弁体2
4は排出路26を閉じた状態にある。したがって、キャ
ビティC内は排気されない。
【0052】一方、射出装置95のスリーブ96には、
所定の量の、たとえば、アルミニウム合金等の溶湯がラ
ドル100によって供給される。ラドル100による溶
湯の供給が完了すると、プランジャチップ97がマシン
コントローラ52の制御により駆動される。プランジャ
チップ97の先端がスリーブ96の供給口96aを通過
すると、スリーブ96がプランジャチップ97によって
密封され、スリーブ96側からのキャビティCへの空気
の侵入が遮断される。なお、プランジャチップ97の移
動開始時には、プランジャチップ97は通常低速で移動
される。
【0053】マシンコントローラ52は、たとえば、プ
ランジャチップ97の検出位置からプランジャチップ9
7がスリーブ96の供給口96aを通過したことを判断
し、バルブ機構部21の弁体24を開ける指令をバルブ
コントローラ51に出力する。バルブコントローラ51
は、マシンコントローラ52からの指令を受けて、バル
ブ機構部21の電磁アクチュエータ22を駆動する電力
を電磁アクチュエータ22に供給する。
【0054】電磁アクチュエータ22が駆動されると、
図8に示すように、弁体24が矢印C2の向きに移動
し、固定金型2の分割面2aに形成された当接面Saに
弁体24が当接して止まる。このとき、電磁アクチュエ
ータ22によって弁体24を駆動しているため、たとえ
ば、弁体24は数msec〜十数msecの時間でかつ
略一定時間で開く。たとえば、弁体24の駆動に油圧シ
リンダを用いた場合には、弁体24が完全に開くまで2
百数十msecの時間を要し、かつ、時間にばらつきが
発生する。
【0055】この弁体24の移動により、弁体24と弁
座面39aとの間に隙間が形成される。この弁体24と
弁座面39aとの間の隙間から、キャビティCに連通す
る排出路Ep、排出路26、排出路25および排出管5
5を通じてキャビティCの空気(ガス)が排気される。
【0056】固定金型2の分割面2aと移動金型3の分
割面3aの間は、シール部材35によって確実にシール
されており、また、押出ピン42と移動金型3との間
は、シール冷却機構部61に設けたOリング70によっ
て確実にシールされているため、キャビティC内は急速
に減圧される。
【0057】ここで、図9に示すグラフを参照して、キ
ャビティC内の減圧と射出速度との関係について説明す
る。図9に示すグラフ(1)は、キャビティC内の減圧
曲線を示しており、グラフ(2)はプランジャチップ9
7の射出速度波形を示している。なお、グラフ(3)
は、比較例として、従来の電磁切換弁および油空圧シリ
ンダ装置を用いてバルブを開閉する場合のキャビティC
内の減圧曲線を示しており、グラフ(4)は排気路を閉
じるときにはキャビティ内に射出・充填された溶融金属
の慣性力によってバルブを駆動させる場合のキャビティ
C内の減圧曲線を示している。グラフ(3)(4)は、
シール冷却機構部61を備えておらず、かつ、固定金型
2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間に連続
的にシール部材を介在させていない場合である。
【0058】グラフ(1)に示すように、減圧開始時点
をPt1とすると、弁体24の応答性がよいため、減圧
開始時点Pt1からキャビティC内は急速に減速され
る。さらに、押出ピンと金型の間あるいは固定金型2の
分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間から空気の
漏れがほとんど存在しないため、減圧が短時間で効率よ
く行われるのがわかる。
【0059】一方、グラフ(3)やグラフ(4)では、
バルブの駆動にシリンダ装置を用いるため、減圧開始時
点Pt1から実際に減圧が開始されるまでのタイムラグ
が比較的長く、また、押出ピンと金型の間あるいは固定
金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3aとの間か
ら空気の漏れが存在するため、効率良く減圧されないこ
とが分かる。
【0060】プランジャチップ97の移動の進行に伴っ
て、キャビティCとスリーブ96を連通するランナー部
Rnにも金属溶湯MLが充填される。この状態において
は、キャビティC内は、たとえば、20〜40Torr
程度の高真空状態となっている。
【0061】キャビティC内への金属溶湯MLの射出・
充填は、プランジャチップ97の射出速度を高速に切り
換えることによって行われる。すなわち、図9に示す高
速射出開始時点Pt2において、射出速度が高速に切り
換えられる。しかしながら、高速射出に切り換える前
に、バルブ機構部21に金属溶湯MLが侵入するのを防
ぐために、排気路を弁体24によって閉じる必要があ
る。排気路26を弁体24によって閉じるタイミング
は、高速射出開始時点Pt2の直前が好ましい。すなわ
ち、弁体24によって排気路26を閉じたのちには、キ
ャビティC内の排気が行われず、空気の漏れによってキ
ャビティC内の圧力が上昇する可能性があるからであ
る。
【0062】本実施形態では、弁体24の駆動に電磁ア
クチュエータ22を用い、さらに、バルブ軸23を軽量
化しているため、数msec〜十数msec程度の短時
間で閉じることが可能であり、かつ、電磁アクチュエー
タ22の応答にばらつきがほとんどないため、高速射出
開始時点Pt2の直前に行うことができる。
【0063】なお、弁体24によって排気路26を閉じ
るタイミングは、プランジャチップ97の検出位置や金
型内に設けた圧力センサ等でキャビティC内の圧力をマ
シンコントローラ52が検出することによって決定す
る。マシンコントローラ52は、これらの信号の検出に
応じて、バルブコントローラ51に指令を出力する。
【0064】電磁アクチュエータ22を駆動して、弁体
24によって排出路26を閉じたとき、弁体24は高速
で弁座部39の弁座面39aに衝突するため、弁体24
が弁座部39から反発して跳ね上がる可能性がある。し
かしながら、本実施形態では、弁座部39の形成材料と
して、反発を抑制する材料、すなわち、弁体24の形成
材料よりも軟らかく、かつ、なじみの良い材料を用いて
いるため、弁体24が弁座部39に衝突した際の跳ね上
がりを極力抑制することができる。この結果、誤って、
バルブ機構部21に金属溶湯が侵入することを防ぐこと
ができる。
【0065】高速射出開始時点Pt2において、高速射
出に切り換えられると、金属溶湯MLは、キャビティC
内に充填され、凝固する。これにより、所望のダイカス
ト製品が得られる。
【0066】型締状態にある固定金型2と移動金型3か
ら成形されたダイカスト製品を取り出すには、トグル機
構110を作動させて、固定金型2と移動金型3とを開
く。固定金型2と移動金型3とを開く(この時、プラン
ジャチップは所定圧でランナー部に続くビスケット部を
押しつけている)と、成形されたダイカスト製品は固定
金型2から離れる。この状態で押出機構部41を動作さ
せ、押出ピン42を移動金型3の分割面3aから突出さ
せることにより、ダイカスト製品を移動金型3から取り
外すことができる。
【0067】このとき、押出ピン42は高温状態にある
ダイカスト製品に直接触れるため、押出ピン42の温度
も上昇する。一方、シール冷却機構部61において、押
出ピン42に嵌合しているOリング70および71は、
押出ピン42が部分的に冷却されているため、高温に晒
されることがなく、Oリング70および71の機能が熱
によって劣化することがない。
【0068】さらに、シール冷却機構部61には連続的
に冷却液Wが供給されているため、シール冷却機構部6
1の温度は移動金型3の温度よりも十分に低下する。こ
のため、シール冷却機構部61が移動金型3に直接触れ
ていると、移動金型3の温度分布に影響を及ぼし、ダイ
カスト製品の品質に影響を与える可能性があるが、本実
施形態では、シール冷却機構部61と移動金型3との間
に隙間を形成し、シール冷却機構部61と移動金型3と
が直接触れない構成としているため、シール冷却機構部
61の移動金型3への影響を抑制することができる。
【0069】以上のように、本実施形態によれば、キャ
ビティCと真空ポンプ50とを連通する排気路を開閉す
る弁体の駆動に電磁アクチュエータ22を用いることに
より、排気路の開閉を速やかに行うことができる。電磁
アクチュエータ22は、電力によって駆動されるため、
作動油等を供給する必要がなく、バルブ機構部21を小
型化することが可能である。このため、金型に対するバ
ルブ機構部21の配置の自由度が増し、弁体24および
キャビティCと真空ポンプ50とを連通する排気路の配
置を最適化することが容易となる。キャビティCと真空
ポンプ50とを連通する排気路の配置を最適化できるた
め、固定金型2の分割面2aと移動金型3の分割面3a
との外周部に切れ目なくシール部材35を介在させるこ
とができるとともに、キャビティCと真空ポンプ50と
を連通する排気路とシール部材35との距離を十分に確
保することができ、シール部材35の熱による焼損を防
ぐことができる。さらに、本実施形態によれば、高温と
なる押出ピン42を部分的に強制冷却することにより、
押出ピン42と金型との間のシールにOリング等の汎用
の樹脂製シール部材を容易に用いることができる。
【0070】第2実施形態 図10は、本発明のダイカストマシンの第2の実施形態
に係る金型周辺の構造を示す断面図である。なお、上述
した実施形態と同一の構成部分については同一の符号を
付している。図10に示すように、本実施形態に係るダ
イカストマシンの移動金型3には、複数のバルブ機構部
201,202が設けられている。バルブ機構部20
1,202の構成は、上記したバルブ機構部21と同一
構成である。
【0071】バルブ機構部201は、移動金型3の分割
面3aと固定金型2の分割面2aとの間に形成された排
気路Epの中途にそれぞれ設けられている。排気路Ep
はキャビティCに連通している。排気路Epは、移動金
型3内にバルブ機構部201に対応して形成された排気
路301および302を通じて真空ポンプ501と連通
しているとともに、バルブ機構部202に対応して形成
された排気路303および304を通じて真空ポンプ5
02と連通している。真空ポンプ501および502
は、同等な排気能力を備えている。
【0072】また、バルブ機構部201および202の
電磁アクチュエータ22は、共通のバルブコントローラ
51に接続されている。このバルブコントローラ51
は、バルブ機構部201および202をそれぞれ独立に
駆動可能となっている。
【0073】上述した第1の実施形態において説明した
ように、弁体24の駆動に電磁アクチュエータ22を用
いることにより、バルブ機構部を小型化でき、金型に対
する配置の自由度を増加させることが可能になる。この
ため、複数のバルブ機構部201,202を金型に設置
することは容易に可能である。
【0074】上記のように、複数のバルブ機構部20
1,202を金型に設置することにより、単一のバルブ
機構部を設置する場合と比べて、排気のための排出路の
総断面積を拡大することができるため、キャビティC内
の効率の良い排気が可能となる。すなわち、単一のバル
ブ機構部を設置する場合には、真空ポンプの排気能力を
高めても、排出路の断面積が小さいと、短時間で急速に
減圧を行うことができない。また、排出路の断面積を拡
大すると、この排出路に溶湯が侵入しやすくなってしま
う。
【0075】また、複数のバルブ機構部201,202
を金型に設置し、かつ、独立に駆動できる構成とするこ
とにより、バルブ機構部の配置に応じてバルブの開閉の
タイミングをそれぞれ最適化することができる。
【0076】次に、複数のバルブ機構部201,202
を用いた場合の、キャビティC内の減圧動作の一例につ
いて図11を参照して説明する。図11において、グラ
フ(1)はキャビティC内の減圧曲線を示しており、グ
ラフ(2)はプランジャチップ97の射出速度波形を示
している。まず、バルブ機構部201および202によ
り、排出路を閉じた状態から、プランジャチップ97の
低速移動を開始する。次いで、射出開始時点Pt1にお
いて、一方のバルブ機構部201を開き、キャビティC
内の減圧を開始する。なお、この状態では、他方のバル
ブ機構部202は閉じている。
【0077】バルブ機構部201の開放によって、キャ
ビティC内は真空ポンプ501によって急速に減圧され
る。次いで、キャビティC内がある程度の圧力まで減圧
された時点Pt2に達したとき、バルブ機構部201を
閉じ、バルブ機構部202を開く。これによって、キャ
ビティC内は真空ポンプ502によって減圧が継続され
る。このバルブ機構部201および202の開閉動作
は、マシンコントローラ52からバルブコントローラ5
1へ指令が出力されることにより行われる。
【0078】ところで、真空ポンプの特性として、減圧
にしたがって排気速度が次第に低下していくことが知ら
れている。たとえば、真空ポンプ501によって減圧し
ていくと、排気速度が次第に低下する。このため、真空
ポンプ501によってある程度の減圧が進行したのち、
キャビティC内を減圧する真空ポンプを真空ポンプ50
2に交換することによって、排気速度の低下を極力抑え
ることができ、所望の圧力まで減圧するのに要する時間
を短縮することができる。
【0079】真空ポンプ502によるキャビティC内の
減圧により、キャビティC内は高真空状態に達する。こ
の状態において、グラフ(2)の時点Pt3に示すよう
に、プランジャチップ97の射出速度を高速に切り換え
る。
【0080】一方、バルブ機構部202を閉じるタイミ
ングは、キャビティC内を高真空状態に維持する観点か
らは可能な限り遅くすることが好ましい。したがって、
高速射出に切り換えられたのちであっても、バルブ機構
部202に金属溶湯が達しない限り、バルブ機構部20
2を開いた状態としておくことにより、真空ポンプ50
2に連通する排気路を閉じた後のキャビティC内の圧力
の上昇を確実に抑制することができる。本実施形態で
は、グラフ(2)における時点Pt4のように、高速射
出に切り換え後に、バルブ機構部202を閉じる。
【0081】高速射出に要する時間は、たとえば、40
〜200msec程度と短いが、本実施形態では、バル
ブ機構部に電磁アクチュエータ22を用いているため、
このような限られた時間の中で、適切なタイミングでバ
ルブ機構部202を閉じることができる。また、複数の
バルブ機構部201,202のうち、バルブ機構部20
2は、バルブ機構部201と比べてキャビティCから離
れた位置にあり、このように離れた位置にあるバルブ機
構部202を最後に閉じることにより、キャビティCに
連通する排気路を閉じるタイミングを可能な限り遅らせ
つつ、バルブ機構部への溶湯の侵入を防ぐことができ
る。
【0082】なお、上述した実施形態では、2つのバル
ブ機構部201,202を金型に設けた場合について説
明したが、さらに多数のバルブ機構部を設けることも可
能である。また、上述した実施形態では、2つのバルブ
機構部201,202を共通の排出路Epに対して設置
した場合について説明したが、分割面間に形成する排出
路を複数のバルブ機構部に対応して形成する構成を採用
することも可能である。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、押出ピンと金型の間を
密封するシール部材の温度上昇による劣化を防ぐことが
でき、押出ピンと金型の間を確実にシールでき、金型キ
ャビティ内をより高真空にすることができる。また、本
発明によれば、押出ピンと金型の間を確実にシールして
いるので、金型キャビティ内を短時間に効率良く減圧す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるダイカストマシンの構成の
一例を示す図である。
【図2】図1に示すダイカストマシンの型開状態を示す
図である。
【図3】本発明のダイカスト装置の第1の実施形態に係
る金型周辺の構造を示す断面図である。
【図4】固定金型2の分割面の構造を示す図である。
【図5】移動金型3の分割面の構造を示す図である。
【図6】バルブ機構部21の周辺の構造を示す断面図で
ある。
【図7】シール冷却機構部61の具体的構造を示す断面
図である。
【図8】バルブ機構部21の動作状態を説明するための
図である。
【図9】キャビティC内の減圧と射出速度との関係を説
明するための図である。
【図10】本発明のダイカストマシンの第2の実施形態
に係る金型周辺の構造を示す断面図である。
【図11】キャビティC内の減圧と射出速度との関係を
説明するための図である。
【符号の説明】
1…ダイカストマシン 2…固定金型 3…移動金型 3k…挿入孔 21…バルブ機構部 22…電磁アクチュエータ 23…バルブ軸 24…弁体 39…弁座部 39a…弁座面 42…押出ピン 50,501,502…真空ポンプ 61…シール冷却機構部 65…シール保持部材 Sa…冷却液収容空間 70…Oリング W…冷却液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 29/04 B22D 29/04 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の金型の間に形成されるキャビティ内
    を減圧し、当該キャビティ内に金属溶湯を射出・充填し
    てダイカスト製品を成形するダイカスト装置であって、 前記キャビティにおいて成形される成形品を押し出し可
    能に、前記金型に形成された前記キャビティに連通する
    挿入孔に挿入された押出ピンと、 前記押出ピンと前記挿入孔の間を密封し、減圧された前
    記キャビティ内への空気の流入を防ぐ、前記押出ピンの
    外周に嵌合するシール部材と、 前記成形品との接触により温度上昇する前記押出ピンの
    すくなくとも前記シール部材の嵌合する位置近傍の温度
    上昇を防ぐ温度上昇防止手段とを有するダイカスト装
    置。
  2. 【請求項2】前記温度上昇防止手段は、冷却液によって
    前記押出ピンの前記シール部材の嵌合する位置近傍を強
    制冷却する請求項1に記載のダイカスト装置。
  3. 【請求項3】前記温度上昇防止手段は、前記金型の背面
    に固定され、前記シール部材を保持し、内部に冷却液が
    収容される収容空間を備える冷却液収容部を有し、 前記押出ピンは、前記冷却液収容部に保持されたシール
    部材に嵌合し、前記収容空間を横断するように前記冷却
    液収容部を貫通している請求項2に記載のダイカスト装
    置。
  4. 【請求項4】前記冷却液収容部は、前記冷却液が供給さ
    れる供給口と、前記収容空間を通過した冷却液を排出す
    る排出口とを備える請求項3に記載のダイカスト装置。
  5. 【請求項5】前記冷却液収容部と前記金型の背面との間
    には、熱の移動を防ぐための隙間が形成されている請求
    項3または4に記載のダイカスト装置。
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US6923243B2 (en) 2003-05-16 2005-08-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Electromagnetic drive-type die casting decompression valve, drive method for such a valve, and a die casting unit
JP2014140878A (ja) * 2013-01-25 2014-08-07 Honda Motor Co Ltd 鋳造用金型
JP2017517400A (ja) * 2014-07-10 2017-06-29 ゴ ドングンGO, Dong Keun 高度の真空環境で金属を成形する金型装置

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