JP2002239467A - 粉末の分離回収システム - Google Patents
粉末の分離回収システムInfo
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- JP2002239467A JP2002239467A JP2001042954A JP2001042954A JP2002239467A JP 2002239467 A JP2002239467 A JP 2002239467A JP 2001042954 A JP2001042954 A JP 2001042954A JP 2001042954 A JP2001042954 A JP 2001042954A JP 2002239467 A JP2002239467 A JP 2002239467A
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- Combined Means For Separation Of Solids (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スラリーから粉末を分離、乾燥し、分級する
粉末の分離回収システムの小型化、工程簡略化と、歩留
りの向上を図る。 【解決手段】 粉末を含有するスラリーを供給管21から
送り出すスラリー容器20と、前記スラリー供給管に連通
し、一端側が縮径した筒状のボウル31と、外周にボウル
31の内面に沿うスクリューが形成されたスクリューコン
ベア32とを具え、スラリー供給管から供給されたスラリ
ーから粉末を分離するデカンタ型遠心分離機30と、デカ
ンタ型遠心分離機にて分離された粉末を篩網41によって
分級する風力篩装置40と、を具える粉末の分離回収シス
テムであって、デカンタ型遠心分離機には、ボウル内部
に気流を送り込む吸気管35と、ボウル縮径部に接続され
スラリーから分離された粉末を気流と共に送り出す搬送
管36が夫々接続され、該搬送管を風力篩装置に連通し
た。
粉末の分離回収システムの小型化、工程簡略化と、歩留
りの向上を図る。 【解決手段】 粉末を含有するスラリーを供給管21から
送り出すスラリー容器20と、前記スラリー供給管に連通
し、一端側が縮径した筒状のボウル31と、外周にボウル
31の内面に沿うスクリューが形成されたスクリューコン
ベア32とを具え、スラリー供給管から供給されたスラリ
ーから粉末を分離するデカンタ型遠心分離機30と、デカ
ンタ型遠心分離機にて分離された粉末を篩網41によって
分級する風力篩装置40と、を具える粉末の分離回収シス
テムであって、デカンタ型遠心分離機には、ボウル内部
に気流を送り込む吸気管35と、ボウル縮径部に接続され
スラリーから分離された粉末を気流と共に送り出す搬送
管36が夫々接続され、該搬送管を風力篩装置に連通し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末を含有するス
ラリーから、粉末を分離、分級し、回収するシステムに
関するものである。
ラリーから、粉末を分離、分級し、回収するシステムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】合金溶湯から粉末を作製する急冷凝固法
として回転水流アトマイズ法が知られている。この方法
は、合金溶湯を回転する水流中に投入し、急冷凝固によ
り微細な粉末を得るものである。このとき、得られた金
属粉末は、水中に分散してスラリー状となっているた
め、スラリーから金属粉末を分離し、乾燥し、さらに、
所望の粒度に分級を行なう必要がある。また、上記作製
方法に限らず、金属や樹脂などの粉末を作製する際に、
スラリーから粉末を分離、乾燥及び分級しなければなら
ない場合がある。
として回転水流アトマイズ法が知られている。この方法
は、合金溶湯を回転する水流中に投入し、急冷凝固によ
り微細な粉末を得るものである。このとき、得られた金
属粉末は、水中に分散してスラリー状となっているた
め、スラリーから金属粉末を分離し、乾燥し、さらに、
所望の粒度に分級を行なう必要がある。また、上記作製
方法に限らず、金属や樹脂などの粉末を作製する際に、
スラリーから粉末を分離、乾燥及び分級しなければなら
ない場合がある。
【0003】スラリーから粉末を分離するには、固液分
離装置等が用いられる。固液分離装置として、例えばデ
カンタ型遠心分離機やフィルターを用いた脱水機があ
る。スラリーから分離された粉末には、水分が多く含ま
れるため、一般的には分離の後、乾燥が必要である。
離装置等が用いられる。固液分離装置として、例えばデ
カンタ型遠心分離機やフィルターを用いた脱水機があ
る。スラリーから分離された粉末には、水分が多く含ま
れるため、一般的には分離の後、乾燥が必要である。
【0004】粉末の乾燥は、乾燥機を用いて行なうこと
ができる。代表的な乾燥方法として、加熱や熱風供給に
より水分を蒸発させる方法と、アルコール置換等によ
り、水の濃度を下げる方法がある。
ができる。代表的な乾燥方法として、加熱や熱風供給に
より水分を蒸発させる方法と、アルコール置換等によ
り、水の濃度を下げる方法がある。
【0005】乾燥された粉末は、所望の粒度のものを得
るため、分級機を用いて分級される。分級は、例えば風
力篩装置や、気流分級機、振動篩機により行なわれる。
るため、分級機を用いて分級される。分級は、例えば風
力篩装置や、気流分級機、振動篩機により行なわれる。
【0006】分級された粉末は、圧粉、加圧焼結等に利
用される。
用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記各工程に用いられ
る装置、つまり、固液分離装置と、乾燥機と、分級機
は、夫々が別個独立した装置であるため、装置が全体と
して大型化する問題があった。また、固液分離装置、乾
燥機及び分級機は、各装置間で駆動手段、吸気・排気手
段や配管等は共有されていないため、これらは夫々独立
して各装置に設ける必要があった。
る装置、つまり、固液分離装置と、乾燥機と、分級機
は、夫々が別個独立した装置であるため、装置が全体と
して大型化する問題があった。また、固液分離装置、乾
燥機及び分級機は、各装置間で駆動手段、吸気・排気手
段や配管等は共有されていないため、これらは夫々独立
して各装置に設ける必要があった。
【0008】さらに、スラリーから分離された粉末を、
加熱乾燥により水分を蒸発させるには約100℃以上に
粉末を昇温させなければならない。しかしながら、10
0℃以上に昇温すると、特性が変化してしまう粉末もあ
り、そのような粉末には加熱乾燥を適用できない。ま
た、アルコール置換により乾燥を行なうには、その設備
が複雑で製造コストが著しく高くなる問題があった。乾
燥が不十分であると、次工程の分級の際に、粉末どうし
が水分によってくっついたり、分級機に粉末がくっつい
てしまい、分級能力や精度が低下し、歩留りを低下させ
てしまう問題があった。
加熱乾燥により水分を蒸発させるには約100℃以上に
粉末を昇温させなければならない。しかしながら、10
0℃以上に昇温すると、特性が変化してしまう粉末もあ
り、そのような粉末には加熱乾燥を適用できない。ま
た、アルコール置換により乾燥を行なうには、その設備
が複雑で製造コストが著しく高くなる問題があった。乾
燥が不十分であると、次工程の分級の際に、粉末どうし
が水分によってくっついたり、分級機に粉末がくっつい
てしまい、分級能力や精度が低下し、歩留りを低下させ
てしまう問題があった。
【0009】本発明の目的は、スラリーから粉末を分
離、乾燥し、分級する粉末の分離回収システムの小型
化、工程簡略化と、歩留りの向上を図ることである。
離、乾燥し、分級する粉末の分離回収システムの小型
化、工程簡略化と、歩留りの向上を図ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の粉末の分離回収システム(10)は、粉末を含
有するスラリーが収容され、スラリーを供給管(21)から
送り出すスラリー容器(20)と、前記スラリー供給管(21)
に連通し、一端側が縮径した筒状のボウル(31)と、外周
に前記ボウル(31)の内面に沿うスクリューが形成された
スクリューコンベア(32)とを具え、スラリー供給管(21)
から供給されたスラリーを、ボウル(31)の縮径側に形成
された脱液部(34)でスラリーから粉末を分離するデカン
タ型遠心分離機(30)と、該デカンタ型遠心分離機(30)に
て分離された粉末を篩網(41)によって分級する風力篩装
置(40)と、を具える粉末の分離回収システムであって、
デカンタ型遠心分離機(30)には、ボウル内部に気流を送
り込む吸気管(35)と、ボウル縮径部に接続されスラリー
から分離された粉末を気流と共に送り出す搬送管(36)が
夫々接続され、該搬送管(36)を風力篩装置(40)に連通し
たものである。デカンタ型遠心分離機(30)から搬送管(3
6)を通って風力篩装置(40)に供給される粉末は、ほぼ完
全に乾燥した状態(水分含有量が約1重量%以下で水分
を実質的に含まない状態)となるようにすることが望ま
しい。
に、本発明の粉末の分離回収システム(10)は、粉末を含
有するスラリーが収容され、スラリーを供給管(21)から
送り出すスラリー容器(20)と、前記スラリー供給管(21)
に連通し、一端側が縮径した筒状のボウル(31)と、外周
に前記ボウル(31)の内面に沿うスクリューが形成された
スクリューコンベア(32)とを具え、スラリー供給管(21)
から供給されたスラリーを、ボウル(31)の縮径側に形成
された脱液部(34)でスラリーから粉末を分離するデカン
タ型遠心分離機(30)と、該デカンタ型遠心分離機(30)に
て分離された粉末を篩網(41)によって分級する風力篩装
置(40)と、を具える粉末の分離回収システムであって、
デカンタ型遠心分離機(30)には、ボウル内部に気流を送
り込む吸気管(35)と、ボウル縮径部に接続されスラリー
から分離された粉末を気流と共に送り出す搬送管(36)が
夫々接続され、該搬送管(36)を風力篩装置(40)に連通し
たものである。デカンタ型遠心分離機(30)から搬送管(3
6)を通って風力篩装置(40)に供給される粉末は、ほぼ完
全に乾燥した状態(水分含有量が約1重量%以下で水分
を実質的に含まない状態)となるようにすることが望ま
しい。
【0011】
【作用及び効果】デカンタ型遠心分離機(30)と風力篩装
置(40)を接続して、気流を形成する吸気機構を共有する
ことにより、システム(10)の全体を小型化、省スペース
化することができる。さらに、デカンタ型遠心分離機(3
0)と風力篩装置(40)を直接接続しており、デカンタ型遠
心分離機(30)から処理された粉末を一旦取り出して風力
篩装置(40)に送り込む必要がないから、この過程で粉末
が酸化等により変質することもない。デカンタ型遠心分
離機(30)でスラリーから分離された粉末は、ほぼ完全に
乾燥した状態、望ましくは水分含有量が1重量%以下の
状態で、搬送管(36)を通って風力篩装置(40)に供給され
るため、別途乾燥機又は乾燥処理工程を設けることは不
要である。従来のような昇温やアルコール処理による乾
燥は必要としないから、粉末の性質に関係なく処理が可
能となり、また、乾燥処理での粉末の酸化もない。
置(40)を接続して、気流を形成する吸気機構を共有する
ことにより、システム(10)の全体を小型化、省スペース
化することができる。さらに、デカンタ型遠心分離機(3
0)と風力篩装置(40)を直接接続しており、デカンタ型遠
心分離機(30)から処理された粉末を一旦取り出して風力
篩装置(40)に送り込む必要がないから、この過程で粉末
が酸化等により変質することもない。デカンタ型遠心分
離機(30)でスラリーから分離された粉末は、ほぼ完全に
乾燥した状態、望ましくは水分含有量が1重量%以下の
状態で、搬送管(36)を通って風力篩装置(40)に供給され
るため、別途乾燥機又は乾燥処理工程を設けることは不
要である。従来のような昇温やアルコール処理による乾
燥は必要としないから、粉末の性質に関係なく処理が可
能となり、また、乾燥処理での粉末の酸化もない。
【0012】デカンタ型遠心分離機(30)から風力篩装置
(40)に送り込まれる粉末は、ほぼ完全に乾燥しているか
ら、風力篩装置(40)の分級能力も低下せず、また、歩留
りの向上を図ることができる。
(40)に送り込まれる粉末は、ほぼ完全に乾燥しているか
ら、風力篩装置(40)の分級能力も低下せず、また、歩留
りの向上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の粉末の分離回収システム(1
0)の全体を示している。本発明の粉末の分離回収システ
ム(10)は、スラリー容器(20)、デカンタ型遠心分離機(3
0)及び風力篩装置(40)を具えている。スラリー容器(20)
とデカンタ型遠心分離機(30)は、スラリー供給管(21)に
よって接続され、デカンタ型遠心分離機(30)と風力篩装
置(40)は、粉末搬送管(36)によって接続されている。
説明する。図1は、本発明の粉末の分離回収システム(1
0)の全体を示している。本発明の粉末の分離回収システ
ム(10)は、スラリー容器(20)、デカンタ型遠心分離機(3
0)及び風力篩装置(40)を具えている。スラリー容器(20)
とデカンタ型遠心分離機(30)は、スラリー供給管(21)に
よって接続され、デカンタ型遠心分離機(30)と風力篩装
置(40)は、粉末搬送管(36)によって接続されている。
【0014】スラリー容器(20)には、金属等の粉末を含
有するスラリーが収容される。スラリーは、例えば回転
水流アトマイズ法や水アトマイズ法などにより作製する
ことができる。容器(20)の底には、流量可変バルブ(22)
を介して、容器(20)からスラリーを送り出すスラリー供
給管(21)が接続される。スラリー供給管(21)から送り出
されるスラリーの量は、流量可変バルブ(22)によって調
整される。
有するスラリーが収容される。スラリーは、例えば回転
水流アトマイズ法や水アトマイズ法などにより作製する
ことができる。容器(20)の底には、流量可変バルブ(22)
を介して、容器(20)からスラリーを送り出すスラリー供
給管(21)が接続される。スラリー供給管(21)から送り出
されるスラリーの量は、流量可変バルブ(22)によって調
整される。
【0015】スラリー供給管(21)は、デカンタ型遠心分
離機(30)に接続される。デカンタ型遠心分離機(30)は、
図1に示すように、中央付近から一端側に向けて縮径し
た筒状のボウル(31)と、外周にボウル内面に沿うスクリ
ューが形成されたスクリューコンベア(32)とを具える。
ボウル(31)とスクリューコンベア(32)は、夫々回転駆動
装置(図示せず)に連繋されており、差速をもって回転可
能となっている。ボウル(31)は、前記スラリー供給管(2
1)と連通している。図示の実施例では、スラリー供給管
(21)をスクリューコンベア(32)の中央軸に接続し、スク
リューコンベア(32)に形成された開口部から、ボウル(3
1)とスクリューコンベア(32)によって形成される空間に
スラリーを放出するようにしている。ボウル(31)には、
さらに、ボウル内部に気流を送り込む吸気管(35)が接続
されている。吸気管(35)から送り込まれる気流は、粉末
の乾燥を促進するために、熱風とすることが望ましく、
また、粉末の酸化を防止するため、粉末に対して不活性
なガスとすることが望ましい。
離機(30)に接続される。デカンタ型遠心分離機(30)は、
図1に示すように、中央付近から一端側に向けて縮径し
た筒状のボウル(31)と、外周にボウル内面に沿うスクリ
ューが形成されたスクリューコンベア(32)とを具える。
ボウル(31)とスクリューコンベア(32)は、夫々回転駆動
装置(図示せず)に連繋されており、差速をもって回転可
能となっている。ボウル(31)は、前記スラリー供給管(2
1)と連通している。図示の実施例では、スラリー供給管
(21)をスクリューコンベア(32)の中央軸に接続し、スク
リューコンベア(32)に形成された開口部から、ボウル(3
1)とスクリューコンベア(32)によって形成される空間に
スラリーを放出するようにしている。ボウル(31)には、
さらに、ボウル内部に気流を送り込む吸気管(35)が接続
されている。吸気管(35)から送り込まれる気流は、粉末
の乾燥を促進するために、熱風とすることが望ましく、
また、粉末の酸化を防止するため、粉末に対して不活性
なガスとすることが望ましい。
【0016】ボウル(31)の縮径側には、スラリーから分
離した粉末が通過する脱液部(34)が形成されており、脱
液部(34)の先端には、分離して乾燥した粉末を気流と共
に送り出す粉末搬送管(36)が接続されている。ボウル(3
1)の他端には、粉末を分離した後の分離液を回収する分
離液排出口(37)が形成されている。
離した粉末が通過する脱液部(34)が形成されており、脱
液部(34)の先端には、分離して乾燥した粉末を気流と共
に送り出す粉末搬送管(36)が接続されている。ボウル(3
1)の他端には、粉末を分離した後の分離液を回収する分
離液排出口(37)が形成されている。
【0017】上記構成のデカンタ型遠心分離機(30)にお
いて、ボウル(31)とスクリューコンベア(32)を、所定の
差速をもって回転させつつ、スラリー供給管(21)からボ
ウル(31)の内部にスラリーを供給する。スラリーがボウ
ル(31)内に供給されると、スラリー中の粉末は、遠心力
によって沈降し、同時に、スクリューコンベア(32)の回
転に伴って、粉末は、ボウル(31)の縮径側に移送され、
脱液部(34)にてスラリーから分離され、さらに吸気管(3
5)から供給される熱風の気流によりほぼ完全に乾燥した
状態となった後、吸気管(35)から送り込まれた気流と共
に搬送管(36)から送り出される。
いて、ボウル(31)とスクリューコンベア(32)を、所定の
差速をもって回転させつつ、スラリー供給管(21)からボ
ウル(31)の内部にスラリーを供給する。スラリーがボウ
ル(31)内に供給されると、スラリー中の粉末は、遠心力
によって沈降し、同時に、スクリューコンベア(32)の回
転に伴って、粉末は、ボウル(31)の縮径側に移送され、
脱液部(34)にてスラリーから分離され、さらに吸気管(3
5)から供給される熱風の気流によりほぼ完全に乾燥した
状態となった後、吸気管(35)から送り込まれた気流と共
に搬送管(36)から送り出される。
【0018】上記分級工程は、分離された粉末をより乾
燥させた状態(望ましくは粉末中の水分含有量を1%以
下とする)で得るために、スラリー中の粉末が金属粉末
である場合には、スラリー中の粉末量を350g/リッ
トル以下の低い濃度にすることが望ましい。これによ
り、分離された金属粉末は、脱液部(34)で盛り上がって
固まることなく、乾燥の促進が達成される。また、スラ
リーに、800G以上、望ましくは、1000G以上の
遠心効果が作用するようにボウル(31)とスクリューコン
ベア(32)を回転させることが望ましい。さらに、デカン
タ型遠心分離機(30)の脱液部(34)の長さは、100mm
以上にする。
燥させた状態(望ましくは粉末中の水分含有量を1%以
下とする)で得るために、スラリー中の粉末が金属粉末
である場合には、スラリー中の粉末量を350g/リッ
トル以下の低い濃度にすることが望ましい。これによ
り、分離された金属粉末は、脱液部(34)で盛り上がって
固まることなく、乾燥の促進が達成される。また、スラ
リーに、800G以上、望ましくは、1000G以上の
遠心効果が作用するようにボウル(31)とスクリューコン
ベア(32)を回転させることが望ましい。さらに、デカン
タ型遠心分離機(30)の脱液部(34)の長さは、100mm
以上にする。
【0019】上記のように濃度調節されたスラリーに、
上記のように遠心効果を作用させることにより、脱液部
(34)からほぼ完全に乾燥した粉末、望ましくは水分含有
量が1%以下の乾いた粉末を得ることができる。
上記のように遠心効果を作用させることにより、脱液部
(34)からほぼ完全に乾燥した粉末、望ましくは水分含有
量が1%以下の乾いた粉末を得ることができる。
【0020】スラリーから分離された粉末は、デカンタ
型遠心分離機(30)から搬送管(36)を通って気流と共に風
力篩装置(40)へ送られる。風力篩装置(40)は、搬送管(3
6)に接続される供給室(45)と、篩い分けられた粉末の回
収室(50)を具え、供給室(45)と回収室(50)との間に形成
された分級路(48)に、篩網(41)を配備したものである。
篩網(41)による分級効率を高めるため、篩網(41)の供給
室側には目詰り防止部材(51)、回収室側には補強部材(5
2)が配備され、さらに、回収室(50)には、篩網(41)に向
けて逆洗エアー又は粉末に対して不活性なガスを吹き付
けるノズル(42)が配備されている。
型遠心分離機(30)から搬送管(36)を通って気流と共に風
力篩装置(40)へ送られる。風力篩装置(40)は、搬送管(3
6)に接続される供給室(45)と、篩い分けられた粉末の回
収室(50)を具え、供給室(45)と回収室(50)との間に形成
された分級路(48)に、篩網(41)を配備したものである。
篩網(41)による分級効率を高めるため、篩網(41)の供給
室側には目詰り防止部材(51)、回収室側には補強部材(5
2)が配備され、さらに、回収室(50)には、篩網(41)に向
けて逆洗エアー又は粉末に対して不活性なガスを吹き付
けるノズル(42)が配備されている。
【0021】供給室(45)は、搬送管(36)に接続される粉
末の投入口(46)と、篩網を通過できなかった粗大粉末の
排出口(47)が夫々上下に設けられており、投入口(46)と
排出口(47)との間で、分級路(48)に連通している。
末の投入口(46)と、篩網を通過できなかった粗大粉末の
排出口(47)が夫々上下に設けられており、投入口(46)と
排出口(47)との間で、分級路(48)に連通している。
【0022】分級路(48)は、断面円形の通路であって、
上流側(供給室側)から順に目詰り防止部材(51)、篩網(4
1)及び補強部材(52)が嵌められている。
上流側(供給室側)から順に目詰り防止部材(51)、篩網(4
1)及び補強部材(52)が嵌められている。
【0023】篩網(41)は、篩い分ける粒径に応じた目開
きを有する網であって、分級路(48)の内面に円形フレー
ム(図示せず)等に固定して配備することができる。目開
きが約16μmを越える篩網であれば、ナイロン、ポリ
エステルなどの高分子樹脂の他に、ステンレス鋼などの
金属材料から作製することができる。目開きが約16μ
m未満の篩網は、金属材料から作製することが現状困難
であり、ナイロン、ポリエステルなどの樹脂製である。
篩網(41)は、後述するように、逆洗エアーなどを受けて
撓んで目詰り防止部材(51)と接触し、付着した粉末を振
るい落とすため、振動を与える必要がある。従って、篩
網(41)は、あまりタイトに張るのは好ましくなく、少し
余裕をもって弱めに張ることが望ましい。
きを有する網であって、分級路(48)の内面に円形フレー
ム(図示せず)等に固定して配備することができる。目開
きが約16μmを越える篩網であれば、ナイロン、ポリ
エステルなどの高分子樹脂の他に、ステンレス鋼などの
金属材料から作製することができる。目開きが約16μ
m未満の篩網は、金属材料から作製することが現状困難
であり、ナイロン、ポリエステルなどの樹脂製である。
篩網(41)は、後述するように、逆洗エアーなどを受けて
撓んで目詰り防止部材(51)と接触し、付着した粉末を振
るい落とすため、振動を与える必要がある。従って、篩
網(41)は、あまりタイトに張るのは好ましくなく、少し
余裕をもって弱めに張ることが望ましい。
【0024】篩網(41)の上流側には、目詰り防止部材(5
1)が配備される。目詰り防止部材(51)は、粉末の粒径よ
りも数倍から数十倍以上大きい目開きを有する金網や格
子(横格子、縦格子等を含む)などから構成できる。目詰
り防止部材(51)も、篩網と同様に円形フレーム等に固定
し、分級路(48)の内面に設置する。なお、目詰り防止部
材(51)は、必要に応じて配備すればよい。目詰り防止部
材(51)は、篩網(41)が逆洗エアーなどを受けて撓んだと
きに、篩網(41)が目詰り防止部材(51)に接触して篩網(4
1)の表面に付着した粉末が振り落とされるように、篩網
(41)に接近して配備する。篩網(41)と目詰り防止部材(5
1)との距離は、0.2〜2mm程度が望ましく、0.5〜1
mm程度がより望ましい。
1)が配備される。目詰り防止部材(51)は、粉末の粒径よ
りも数倍から数十倍以上大きい目開きを有する金網や格
子(横格子、縦格子等を含む)などから構成できる。目詰
り防止部材(51)も、篩網と同様に円形フレーム等に固定
し、分級路(48)の内面に設置する。なお、目詰り防止部
材(51)は、必要に応じて配備すればよい。目詰り防止部
材(51)は、篩網(41)が逆洗エアーなどを受けて撓んだと
きに、篩網(41)が目詰り防止部材(51)に接触して篩網(4
1)の表面に付着した粉末が振り落とされるように、篩網
(41)に接近して配備する。篩網(41)と目詰り防止部材(5
1)との距離は、0.2〜2mm程度が望ましく、0.5〜1
mm程度がより望ましい。
【0025】篩網(41)の下流側には、補強部材(52)が配
備される。補強部材(52)も、目詰り防止部材(52)と同様
に、粉末の粒径よりも数倍から数十倍以上大きい目開き
を有する金網や格子等によって構成され、円形フレーム
等に固定されて分級路(48)の内面に配備される。なお、
補強部材(52)は、必要に応じて配備すればよい。
備される。補強部材(52)も、目詰り防止部材(52)と同様
に、粉末の粒径よりも数倍から数十倍以上大きい目開き
を有する金網や格子等によって構成され、円形フレーム
等に固定されて分級路(48)の内面に配備される。なお、
補強部材(52)は、必要に応じて配備すればよい。
【0026】回収室(50)には、篩網(41)に向けて逆洗エ
アー又は粉末に対して不活性なガスを吹き付けるノズル
(42)が配備される。ノズル(42)は、分級路(48)の中心の
延長線上に回転中心を有し、先端が分級路(48)の半径方
向に屈曲した略L字型のパイプである。パイプの基端
は、モータ等の駆動手段に連繋されており、ノズル(42)
は所定の周期で回転する。パイプの屈曲部分には、分級
路(48)に向けてスリットが開設されており、パイプの基
端側に接続されたコンプレッサ(43)から送り込まれた気
流が、逆洗気流としてスリットから篩網(41)に吹き付け
られる。
アー又は粉末に対して不活性なガスを吹き付けるノズル
(42)が配備される。ノズル(42)は、分級路(48)の中心の
延長線上に回転中心を有し、先端が分級路(48)の半径方
向に屈曲した略L字型のパイプである。パイプの基端
は、モータ等の駆動手段に連繋されており、ノズル(42)
は所定の周期で回転する。パイプの屈曲部分には、分級
路(48)に向けてスリットが開設されており、パイプの基
端側に接続されたコンプレッサ(43)から送り込まれた気
流が、逆洗気流としてスリットから篩網(41)に吹き付け
られる。
【0027】回収室(50)の下流側には、サイクロン分級
機(53)が配備されており、篩網(41)を通過して篩い分け
られた細粉を回収口(54)に送給する。また、粉末と分離
された気流は、集塵機(55)を介して排風機(56)により吸
引され、外部に放出される。
機(53)が配備されており、篩網(41)を通過して篩い分け
られた細粉を回収口(54)に送給する。また、粉末と分離
された気流は、集塵機(55)を介して排風機(56)により吸
引され、外部に放出される。
【0028】然して、上記構成の風力篩装置(40)におい
て、ノズル(42)を回転させつつ逆洗気流を供給すると共
に、排風機(56)から気流を吸引する。排風機(56)による
気流の吸引により、風力篩装置(40)に供給室(45)から分
級路(48)を通って回収室(50)に向かう気流が形成され
る。篩網(41)は、排風機(56)により形成された気流によ
り回収室側に撓み、補強部材(52)と接触するが、逆洗気
流が吹き付けられている部分は、逆に供給室側に撓ん
で、目詰り防止部材(51)と接触する。ノズル(42)を回転
することによって、篩網(41)は、補強部材(52)と目詰り
防止部材(51)との両方に接触しながら振動する。
て、ノズル(42)を回転させつつ逆洗気流を供給すると共
に、排風機(56)から気流を吸引する。排風機(56)による
気流の吸引により、風力篩装置(40)に供給室(45)から分
級路(48)を通って回収室(50)に向かう気流が形成され
る。篩網(41)は、排風機(56)により形成された気流によ
り回収室側に撓み、補強部材(52)と接触するが、逆洗気
流が吹き付けられている部分は、逆に供給室側に撓ん
で、目詰り防止部材(51)と接触する。ノズル(42)を回転
することによって、篩網(41)は、補強部材(52)と目詰り
防止部材(51)との両方に接触しながら振動する。
【0029】この状態で、粉末搬送管(36)を通じてスラ
リーから分離された粉末が、気流と共に投入口(46)から
供給室(45)に供給されると、粉末は、投入口(46)から下
方に落下しながら排風機(56)による吸引作用を受けて、
分級路(48)の方へ引き寄せられる。
リーから分離された粉末が、気流と共に投入口(46)から
供給室(45)に供給されると、粉末は、投入口(46)から下
方に落下しながら排風機(56)による吸引作用を受けて、
分級路(48)の方へ引き寄せられる。
【0030】分級路(48)に侵入した粉末は、目開きの大
きい目詰り防止部材(51)を通過して、篩網(41)で篩いに
掛けられる。篩網(41)の目開きよりも粒径の小さい粉末
(細粉)は、気流に押されて篩いの目を通過して回収室(5
0)に到達し、気流と共にサイクロン(53)に送られ、サイ
クロン(53)により気流から分離されて回収口(54)で回収
される。また、粉末が分離された空気流は、集塵機(55)
を介して排風機(56)により吸引され、外部に放出され
る。
きい目詰り防止部材(51)を通過して、篩網(41)で篩いに
掛けられる。篩網(41)の目開きよりも粒径の小さい粉末
(細粉)は、気流に押されて篩いの目を通過して回収室(5
0)に到達し、気流と共にサイクロン(53)に送られ、サイ
クロン(53)により気流から分離されて回収口(54)で回収
される。また、粉末が分離された空気流は、集塵機(55)
を介して排風機(56)により吸引され、外部に放出され
る。
【0031】ところで、篩網(41)の目開きよりも粒径の
大きい粉末(粗粉)は、篩網(41)の目を通過できないか
ら、篩網(41)の表面に付着して目詰りを起こさせる。し
かしながら、前述のとおり、ノズル(42)は、所定の周期
で回転しつつ篩網(41)に逆洗気流を吹き付けており、篩
網(41)に吹き付けられた逆洗気流が、篩網(41)に付着し
た粉末の一部を浮き上げて脱落させると共に、篩網(41)
を供給室側に撓ませて目詰り防止部材(51)と接触させ、
篩網の表面に付着した粗粉を、目詰り防止部材(51)によ
って振り落とす。また、ノズル(42)が通過した後は、気
流によって篩網(41)は、回収室側に撓んで、補強部材(5
2)と接触し、その衝撃によって、付着した粉末は振り落
とされ、粗粉として排出口(47)から排出される。
大きい粉末(粗粉)は、篩網(41)の目を通過できないか
ら、篩網(41)の表面に付着して目詰りを起こさせる。し
かしながら、前述のとおり、ノズル(42)は、所定の周期
で回転しつつ篩網(41)に逆洗気流を吹き付けており、篩
網(41)に吹き付けられた逆洗気流が、篩網(41)に付着し
た粉末の一部を浮き上げて脱落させると共に、篩網(41)
を供給室側に撓ませて目詰り防止部材(51)と接触させ、
篩網の表面に付着した粗粉を、目詰り防止部材(51)によ
って振り落とす。また、ノズル(42)が通過した後は、気
流によって篩網(41)は、回収室側に撓んで、補強部材(5
2)と接触し、その衝撃によって、付着した粉末は振り落
とされ、粗粉として排出口(47)から排出される。
【0032】篩網(41)を、目詰り防止部材(51)と補強部
材(52)に接触させながら、振動させることによって、目
詰りの原因となる粉末が、篩網表面から除去され、目詰
りは解消し、篩網の篩い分け能力も回復する。
材(52)に接触させながら、振動させることによって、目
詰りの原因となる粉末が、篩網表面から除去され、目詰
りは解消し、篩網の篩い分け能力も回復する。
【0033】なお、篩網(41)は、複数枚重ねて使用し
て、分級精度を高めることもできる。この場合、篩網ど
うしの間隔は、篩網が逆洗気流によって撓んだときに、
隣り合う篩網どうしが接触できる間隔とすることが望ま
しい。従来の風力篩装置であれば、篩網を重ねて使用す
ると(特に3枚以上)、逆洗気流が全ての篩網目に十分届
かず、すぐに目詰りを起こす結果となっていた。しかし
ながら、目詰り防止部材(51)を配備することにより、篩
網(41)を重ねて使用しても、逆洗気流が吹き付けられた
ときに、上流側の篩網(41)は目詰り防止部材(51)に接触
して、付着した粉末が脱落すると共に、残りの篩網は、
夫々上流側の篩網(41)と接触して、粉末が脱落するた
め、何れの篩網についても目詰りは解消する。また、複
数枚の篩網(41)を使用する場合、目詰り防止部材(51)
も、上流側に1枚設置するだけではなく、隣り合う篩網
間に夫々挿入することが望ましい。各々の篩網が目詰り
防止部材と接触することによって、篩網どうしを接触さ
せる場合に比べて、付着した粉末の脱落を、より効果的
に行なうことができるためである。
て、分級精度を高めることもできる。この場合、篩網ど
うしの間隔は、篩網が逆洗気流によって撓んだときに、
隣り合う篩網どうしが接触できる間隔とすることが望ま
しい。従来の風力篩装置であれば、篩網を重ねて使用す
ると(特に3枚以上)、逆洗気流が全ての篩網目に十分届
かず、すぐに目詰りを起こす結果となっていた。しかし
ながら、目詰り防止部材(51)を配備することにより、篩
網(41)を重ねて使用しても、逆洗気流が吹き付けられた
ときに、上流側の篩網(41)は目詰り防止部材(51)に接触
して、付着した粉末が脱落すると共に、残りの篩網は、
夫々上流側の篩網(41)と接触して、粉末が脱落するた
め、何れの篩網についても目詰りは解消する。また、複
数枚の篩網(41)を使用する場合、目詰り防止部材(51)
も、上流側に1枚設置するだけではなく、隣り合う篩網
間に夫々挿入することが望ましい。各々の篩網が目詰り
防止部材と接触することによって、篩網どうしを接触さ
せる場合に比べて、付着した粉末の脱落を、より効果的
に行なうことができるためである。
【0034】本発明の粉末の分離回収システム(10)によ
れば、スラリーを供給するスラリー容器(20)と、スラリ
ーから粉末を乾燥状態で分離するデカンタ型遠心分離機
(30)と、粉末を分級する風力篩装置(40)を接続し、一体
のシステムとしたことにより、デカンタ型遠心分離機(3
0)と風力篩装置(40)の吸気機構を共有でき、システム(1
0)の全体を小型化、省スペース化することができる。さ
らに、デカンタ型遠心分離機(30)から処理された粉末
は、直接風力篩装置(40)に送り込まれるから、粉末搬送
や貯槽の手間を省くことができ、装置間の粉末の搬送又
は貯槽により、粉末が酸化等により変質することもな
い。
れば、スラリーを供給するスラリー容器(20)と、スラリ
ーから粉末を乾燥状態で分離するデカンタ型遠心分離機
(30)と、粉末を分級する風力篩装置(40)を接続し、一体
のシステムとしたことにより、デカンタ型遠心分離機(3
0)と風力篩装置(40)の吸気機構を共有でき、システム(1
0)の全体を小型化、省スペース化することができる。さ
らに、デカンタ型遠心分離機(30)から処理された粉末
は、直接風力篩装置(40)に送り込まれるから、粉末搬送
や貯槽の手間を省くことができ、装置間の粉末の搬送又
は貯槽により、粉末が酸化等により変質することもな
い。
【0035】
【実施例】回転水流アトマイズ法によりNi−Si粉末
含有スラリーを作製し、種々条件を変えて分離、乾燥及
び分級試験を行なった。試験は、発明例1と比較例1〜
4について実施した。なお、スラリーの濃度は6g/リ
ットル、固液分離装置へのスラリーの供給量は400リ
ットル/時間に設定し、分級後の粉末の粗大側の粒径
(分級点)は20μmに設定した。
含有スラリーを作製し、種々条件を変えて分離、乾燥及
び分級試験を行なった。試験は、発明例1と比較例1〜
4について実施した。なお、スラリーの濃度は6g/リ
ットル、固液分離装置へのスラリーの供給量は400リ
ットル/時間に設定し、分級後の粉末の粗大側の粒径
(分級点)は20μmに設定した。
【0036】発明例1は、図1に示す本発明の分離回収
システム(10)を用いたものである。比較例1は、固液分
離装置として一般的な脱水機を用い、その後フィルター
でスラリーから粉末を回収したものである。回収した粉
末には加熱乾燥機を用いて約200℃の加熱乾燥を行な
った。乾燥の後、風力篩装置により分級を行なった。比
較例2は、固液分離装置としてデカンタ型遠心分離機を
用いてスラリーから粉末を分離、乾燥し、デカンタ型遠
心分離機に直接接続した気流分級機によって粉末の分級
を行なった。比較例3は、固液分離装置としてデカンタ
型遠心分離機を用い、デカンタ型遠心分離機(30)でスラ
リーから分離された粉末を一旦取り出し、加熱乾燥機を
用いて約200℃の加熱乾燥を行なった。乾燥の後、風
力篩装置により分級を行なった。比較例4は、固液分離
装置としてデカンタ型遠心分離機を用いてスラリーから
粉末を分離、乾燥し、デカンタ型遠心分離機(30)に直接
接続した振動篩装置によって粉末の分級を行なった。
システム(10)を用いたものである。比較例1は、固液分
離装置として一般的な脱水機を用い、その後フィルター
でスラリーから粉末を回収したものである。回収した粉
末には加熱乾燥機を用いて約200℃の加熱乾燥を行な
った。乾燥の後、風力篩装置により分級を行なった。比
較例2は、固液分離装置としてデカンタ型遠心分離機を
用いてスラリーから粉末を分離、乾燥し、デカンタ型遠
心分離機に直接接続した気流分級機によって粉末の分級
を行なった。比較例3は、固液分離装置としてデカンタ
型遠心分離機を用い、デカンタ型遠心分離機(30)でスラ
リーから分離された粉末を一旦取り出し、加熱乾燥機を
用いて約200℃の加熱乾燥を行なった。乾燥の後、風
力篩装置により分級を行なった。比較例4は、固液分離
装置としてデカンタ型遠心分離機を用いてスラリーから
粉末を分離、乾燥し、デカンタ型遠心分離機(30)に直接
接続した振動篩装置によって粉末の分級を行なった。
【0037】発明例及び比較例について、分級後の粉末
の水分量、酸素量及び歩留りを測定した。結果を表1に
示す。
の水分量、酸素量及び歩留りを測定した。結果を表1に
示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1を参照すると、発明例及び比較例は何
れも分級後の粉末の水分量は0.1%以下まで減少して
おり、ほぼ完全に乾燥した状態にあることがわかる。次
に酸素量については、乾燥機を用いて加熱乾燥した比較
例1及び比較例3が、デカンタ型遠心分離機(30)により
乾燥した発明例、比較例2及び4に比べて高くなってい
る。これは、加熱により粉末が酸化したためである。つ
まり、加熱乾燥は酸化の影響を受ける粉末には不適であ
る。一方、発明例のようにデカンタ型遠心分離機(30)に
よって粉末を乾燥させることにより、酸化しやすい粉末
も乾燥できることがわかる。歩留りについて、比較例2
及び4が低いのは、分級機として気流分級機、振動篩装
置を用いたためである。一方、発明例、比較例1及び3
は、分級機として風力篩装置を用いているから、高い歩
留りを確保できた。
れも分級後の粉末の水分量は0.1%以下まで減少して
おり、ほぼ完全に乾燥した状態にあることがわかる。次
に酸素量については、乾燥機を用いて加熱乾燥した比較
例1及び比較例3が、デカンタ型遠心分離機(30)により
乾燥した発明例、比較例2及び4に比べて高くなってい
る。これは、加熱により粉末が酸化したためである。つ
まり、加熱乾燥は酸化の影響を受ける粉末には不適であ
る。一方、発明例のようにデカンタ型遠心分離機(30)に
よって粉末を乾燥させることにより、酸化しやすい粉末
も乾燥できることがわかる。歩留りについて、比較例2
及び4が低いのは、分級機として気流分級機、振動篩装
置を用いたためである。一方、発明例、比較例1及び3
は、分級機として風力篩装置を用いているから、高い歩
留りを確保できた。
【0040】上記表1の結果を総合すると、発明例は、
分級後の酸素量が低く、また歩留りが高いため、スラリ
ーからの粉末の分離・乾燥・分級システムとしてすぐれ
ていることがわかる。一方、比較例1及び3は歩留りは
高いが、加熱乾燥により酸素量が高い問題があり、ま
た、比較例2及び4は分級後の酸素量は低いが、歩留り
が低い問題があるため、これらは何れも分離・乾燥・分
級システムとしては十分ではない。つまり、本発明は、
スラリー容器(20)、デカンタ型遠心分離機(30)及び風力
篩装置(40)を一体に接続した粉末回収システム(10)を用
いたことにより、他の方法に比べて、粉末への酸化の影
響が小さく、歩留りを高くできたものである。
分級後の酸素量が低く、また歩留りが高いため、スラリ
ーからの粉末の分離・乾燥・分級システムとしてすぐれ
ていることがわかる。一方、比較例1及び3は歩留りは
高いが、加熱乾燥により酸素量が高い問題があり、ま
た、比較例2及び4は分級後の酸素量は低いが、歩留り
が低い問題があるため、これらは何れも分離・乾燥・分
級システムとしては十分ではない。つまり、本発明は、
スラリー容器(20)、デカンタ型遠心分離機(30)及び風力
篩装置(40)を一体に接続した粉末回収システム(10)を用
いたことにより、他の方法に比べて、粉末への酸化の影
響が小さく、歩留りを高くできたものである。
【0041】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図1】本発明の分離回収システム全体を示す説明図で
ある。
ある。
(10) 粉末の分離回収システム (20) スラリー容器 (21) スラリー供給管 (30) デカンタ分離機 (36) 粉末搬送管 (40) 風力篩装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 真宏 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 (72)発明者 奥村 善信 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内 Fターム(参考) 4D021 FA18 4D057 AB01 AC01 AD01 AE03 AF05 BC16
Claims (5)
- 【請求項1】 粉末を含有するスラリーが収容され、ス
ラリーを供給管(21)から送り出すスラリー容器(20)と、 前記スラリー供給管(21)に連通し、一端側が縮径した筒
状のボウル(31)と、外周に前記ボウル(31)の内面に沿う
スクリューが形成されたスクリューコンベア(32)とを具
え、スラリー供給管(21)から供給されたスラリーを、ボ
ウル(31)の縮径側に形成された脱液部(34)でスラリーか
ら粉末を分離するデカンタ型遠心分離機(30)と、 該デカンタ型遠心分離機(30)にて分離された粉末を篩網
(41)によって分級する風力篩装置(40)と、を具える粉末
の分離回収システムであって、 デカンタ型遠心分離機(30)には、ボウル内部に気流を送
り込む吸気管(35)と、ボウル縮径部に接続されスラリー
から分離された粉末を気流と共に送り出す搬送管(36)が
夫々接続され、該搬送管(36)を風力篩装置(40)に連通し
たことを特徴としており、 搬送管(36)から気流と共に風力篩装置(40)に送り出され
た粉末は、気流によって、篩網(41)に吹き付けられて分
級されるようにした、粉末の分離回収システム。 - 【請求項2】 デカンタ型遠心分離機(30)から搬送管(3
6)を通って風力篩装置(40)に供給される粉末は、水分含
有量が1%以下である請求項1に記載の粉末の分離回収
システム。 - 【請求項3】 ボウル内には、吸気管(35)を通って、熱
風が導入される請求項1又は請求項2に記載の粉末分離
回収システム。 - 【請求項4】 ボウル内には、吸気管(35)を通って、粉
末に対して不活性なガスが導入される請求項1乃至請求
項3の何れかに記載の粉末の分離回収システム。 - 【請求項5】 篩網(41)には、目詰り防止のために逆洗
エアー又は粉末に対して不活性なガスを吹き付けるノズ
ル(42)が接近して配備される請求項1乃至請求項4の何
れかに記載の粉末の分離回収システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001042954A JP2002239467A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 粉末の分離回収システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001042954A JP2002239467A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 粉末の分離回収システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002239467A true JP2002239467A (ja) | 2002-08-27 |
Family
ID=18905193
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001042954A Withdrawn JP2002239467A (ja) | 2001-02-20 | 2001-02-20 | 粉末の分離回収システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002239467A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103072085A (zh) * | 2011-10-25 | 2013-05-01 | 旭硝子株式会社 | 研磨粒回收装置、研磨液的管理系统、玻璃基板的制造方法及研磨粒回收方法 |
CN112169503A (zh) * | 2019-07-01 | 2021-01-05 | 苏州市亘晟涂装工程有限公司 | 一种粉尘回收及清粉防爆装置 |
CN114888307A (zh) * | 2022-02-17 | 2022-08-12 | 上海镭镆科技有限公司 | 一种3d打印废旧粉末的回收装置及方法 |
-
2001
- 2001-02-20 JP JP2001042954A patent/JP2002239467A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103072085A (zh) * | 2011-10-25 | 2013-05-01 | 旭硝子株式会社 | 研磨粒回收装置、研磨液的管理系统、玻璃基板的制造方法及研磨粒回收方法 |
JP2013091130A (ja) * | 2011-10-25 | 2013-05-16 | Asahi Glass Co Ltd | 研磨砥粒回収装置、研磨液の管理システム、ガラス基板の製造方法及び研磨砥粒回収方法 |
CN112169503A (zh) * | 2019-07-01 | 2021-01-05 | 苏州市亘晟涂装工程有限公司 | 一种粉尘回收及清粉防爆装置 |
CN114888307A (zh) * | 2022-02-17 | 2022-08-12 | 上海镭镆科技有限公司 | 一种3d打印废旧粉末的回收装置及方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080513 |