JP2002238481A - イソフラボンを含有する麺類及びその製造法 - Google Patents

イソフラボンを含有する麺類及びその製造法

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JP2002238481A JP2001041013A JP2001041013A JP2002238481A JP 2002238481 A JP2002238481 A JP 2002238481A JP 2001041013 A JP2001041013 A JP 2001041013A JP 2001041013 A JP2001041013 A JP 2001041013A JP 2002238481 A JP2002238481 A JP 2002238481A
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真美子 目野
Hiroyo Tsujino
浩代 辻野
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秀雄 荒木
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】イソフラボンが調理時に溶出することなく保持
されており、風味・食感に優れ、その摂取によりイソフ
ラボンの有する様々な生理機能が期待できる麺類の提
供。 【解決手段】穀粉類を主成分とし、大豆胚軸抽出物を、
次いでカルシウム含量が、乾燥固形分中0.005〜3
重量%になるように水に分散させたカルシウムを混合し
て生地を調製し、成形し、イソフラボンを乾燥固形分中
0.002〜0.5重量%含有する麺類を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソフラボンを含
有する麺類に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イソフラボンは女性ホルモン(エストロ
ジェン)様作用を有すると言われており、閉経後の女性
に特有の様々な症状に対する効能が期待されている。例
えば、閉経後の骨のカルシウムの過剰な溶出を抑え、カ
ルシウム代謝を正常に保つ作用による骨粗鬆症等の予防
や、更年期障害による様々な症状や生理痛などの効果が
報告されている(A,L,Nurkies et al. :Maturitas21 ,1
89(1995)、Adlercreutz,H. and Gorbach,S. :Lancet, 3
39, 1233(1992)等)。またイソフラボンはカルシウムと
の組合せ(特開2000-50843号公報、特開2000-157207号
公報)やビタミンKとの組合せ(特開平11-9221号公
報)やペプチドとの組合せ(特開2000-139411号公報)
等により、相乗的に骨粗鬆症の予防や生理痛等の鎮痛等
に有効であることが開示されている。さらにイソフラボ
ンは消化器潰瘍の原因と言われているヘリコバクター・
ピロリ菌の抑制作用(特開平11-12172号公報)や血清コ
レステロールの低下作用(B,E,Merz-Demlow et al. :A
m.J.Clin.Nutr., 71 ,1462(2000))など、多くの生理機
能が報告されており、今後益々単独或いは他成分との組
合せにより多様な飲食品へ利用される機会が増え、健康
産業の発展への寄与が期待できる。
【0003】イソフラボンは大豆、クローバー、クズ、
アルファルファなどに含有されているが、世界的に生産
量の多い大豆が入手しやすく原料としては有効である。
特に豆乳や豆腐、あるいは分離大豆蛋白等の大豆加工食
品の製造において、悪風味のために除去されることが多
い大豆胚軸中にはイソフラボンが1%前後含まれてお
り、イソフラボン原料としての有効利用が期待されてい
る。
【0004】ところがイソフラボン供給源として大豆胚
軸を生のまま食品に利用するには渋味が強く好ましくな
い。従って特開昭53-115836号公報で開示されているよ
うに、胚軸を焙煎処理して食品へ利用する方法や、特開
平11-56296号公報で開示されているように、焙煎した大
豆胚軸とトレハロースを併用することにより風味良好な
錠菓を得る方法等が開発されている。その他、特開平10
-179100号公報で開示されているように焙煎した大豆胚
軸を煮出して飲用素材とする方法がある。
【0005】しかし上記の方法ではイソフラボンの効果
が期待される量を摂取するために大量に摂取しなければ
ならず、また原料由来の油分の劣化のためか、風味の保
存性に欠け、更に麺類、パン、菓子類等に練り込むと着
色が目立ち外観上好ましくない場合がある点や、ザラつ
きにより生地の食感が悪くなる場合がある点等が課題と
なっていた。
【0006】前記課題の解決策として、特開2000-14348
号公報、特願平10-119184号、特開平9-309902号公報、
特開平10-298175号公報、特開2000-325043号公報等の種
々の方法により得られる大豆胚軸抽出物が有効である。
大豆胚軸抽出物はイソフラボンを高濃度に含むので特開
平12-50839号公報で開示されているように、これらを様
々な食品へ利用することで、イソフラボンを高濃度かつ
簡便に摂取でき、かつ風味良好で経時的な品質劣化の少
ない食品を提供することが期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、イソフラボン
は常温においては水に難溶性であるものの、例えばイソ
フラボンの一種であるゲニスチンの場合、65℃以上の熱
水中では溶解性が向上することが明らかにされている
(特開平10-23878号公報)。従って麺類に大豆胚軸抽出物
を練り込んだ場合、調理において茹でたり、湯戻しした
りする過程で、麺類からイソフラボンが溶出してしまう
可能性がある。さらに前記大豆胚軸抽出物を含有する麺
類にカルシウム等の成分を添加したとしても、十分な相
乗作用が得られないことが懸念される。このように、消
費者の多様なニーズに対応すべく、イソフラボンを様々
な形態の飲食品によって摂取できるよう検討されている
中で、麺類へのイソフラボンの添加が懸案事項となって
いる。
【0008】すなわち、調理時に茹でても煮汁へ移行が
なく、イソフラボンが損失せずに食品中に保持される麺
類を開発し、イソフラボンをより多様な食品へ利用でき
るようにすることが、近年の消費者の多様なニーズに対
応するための課題となっている。
【0009】本発明は上記の課題に絡み、イソフラボン
が調理時に溶出することなく保持されており、風味・食
感に優れ、その摂取によりイソフラボンの有する様々な
生理機能が期待できる麺類を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、穀粉類と大豆胚軸抽出物を混合し、混練して生地
を調製し、成形した麺類を作製し、これを茹でたとこ
ろ、意外にも麺類からイソフラボンが溶出されることな
く、殆ど麺類にイソフラボンが保持される知見を得て、
本発明を完成させるに至った。
【0011】すなわち、本発明は穀粉類を主原料とし、
大豆胚軸抽出物を含有することを特徴とする麺類であ
る。大豆胚軸抽出物を含有する麺類中のイソフラボン含
有量は乾燥固形分中0.002〜0.5重量%が好ましい。大豆
胚軸抽出物を含有する麺類にはカルシウムを併含させる
ことが好ましい。カルシウムを併含させる場合、カルシ
ウム含有量は麺類の乾燥固形分中0.005〜3重量%であ
ることが好ましい。大豆胚軸抽出物とカルシウムを併含
する麺類の製造法としては、穀粉と大豆胚軸抽出物を混
合し、次いで水に分散させたカルシウムを混合し、混練
して生地を調製する方法が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる穀粉は、例えば小麦粉、そば粉、
大麦粉、米粉等が挙げられる。これらは原産地や品種に
限定されることはなく、主原料として生地を作製できる
ものであれば良い。
【0013】本発明において、穀粉を主原料とする麺類
とは、上記穀粉を主原料とし、食塩、その他必要に応じ
てかんすい、麺質改良剤、保存料、調味料などの副原料
を添加した生地を調製し、成形を行い、最終的に製造工
程中又は製造後消費者によって水で茹でられる食品のこ
とを指す。例えば、うどん、そば、中華麺、そうめん、
ひらめん、ひやむぎ、大麦めん、大麦そば、冷めん、ビ
ーフン、スパゲッティ、マカロニ、パーミセリー、ヌー
ドルや、餃子・わんたん・シュウマイ・春巻き等の皮が
挙げられる。また上記に挙げた麺類の形態は乾めん、生
めん、手延べそうめん、チルドめん、冷凍めん、即席め
ん等の何れの形態でも良い。
【0014】イソフラボンは大豆に多く含まれ、ダイジ
ン(daidzin)、グリシチン(glycitin)、ゲニスチン
(genistin)、ダイゼイン(daidzein)、グリシテイン
(glycitein)、ゲニステイン(genistein)、6"-0-ア
セチルダイジン、6"-0-マロニルダイジン、6"-0-アセチ
ルグリシチン、6"-0-マロニルグリシチン、6"-0-アセチ
ルゲニスチン、6"-0-マロニルゲニスチンなどの化合物
の総称である。
【0015】本発明において食品中のイソフラボン含有
量は、Kudouらの方法(大豆イソフラボン食品規格基準
(財団法人 日本健康・栄養食品協会編))に準拠し、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にて得られた上記
12種類のイソフラボンの濃度の総和で示す。
【0016】本発明に用いる大豆胚軸抽出物は大豆胚軸
より極性又は/及び非極性溶媒で抽出されたものであっ
て、乾燥固形分中のイソフラボン含有量が大豆胚軸より
も濃縮されたものであれば良い。特に、水溶性の高い大
豆胚軸抽出物が飲食品への利用可能な範囲が広く、好ま
しい。例えば(従来の技術)の項で記載した方法で水溶
性の高い大豆胚軸抽出物を調製できる。
【0017】また特願平11-358039号に記載の方法で得
られる大豆胚軸抽出物も、酸性pH下での溶解性が高く、
好ましい。すなわち、大豆胚軸に水を加えて浸漬後ろ過
し、次いで残渣を熱水で抽出し、熱水で抽出した液を30
〜38℃で冷却後、pH5以下に調整し、不溶物を除去して
大豆胚軸抽出物を得る方法である。なお、大豆胚軸の抽
出工程は上記の他に、これに準じる方法や簡素化した方
法を用いることも出来る。いずれにしろ、この大豆胚軸
抽出物は液状に限らず、ペースト状(濃縮物)、粉末状
・粒状(乾燥品)であっても使用することが出来る。
【0018】本発明の麺類中のイソフラボン含有量は、
麺類の乾燥固形分中0.002〜0.5重量%、好ましくは0.00
5〜0.1重量%、さらに好ましくは0.01〜0.05重量%であ
ることが望ましい。0.002重量%未満であるとイソフラ
ボンを適量摂取するために多量の麺類を食べる必要があ
り、カロリー摂取過剰の恐れがあり、好ましくない。ま
た0.5重量%を超えると苦味が出るため好ましくない。
本範囲においては、麺類を茹でても煮汁へのイソフラボ
ンの溶出による損失がほとんど見られない。この現象の
メカニズムは不明であるが、穀粉中のタンパク質とイソ
フラボンが相互作用により結合し、イソフラボンが食品
中に保持されるためではないかと推測される。
【0019】本発明の大豆胚軸抽出物を含有する麺類は
茹でてもイソフラボンの損失が見られないことから、本
麺類へカルシウムを添加すれば、イソフラボンとカルシ
ウムの相乗作用により、より強い生理機能が期待でき
る。カルシウムの原料は特に限定されないが、例えば貝
殻カルシウム、卵殻カルシウム、無機酸カルシウム(炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム
等)、有機酸カルシウム(乳酸カルシウム、クエン酸カ
ルシウム、グルコン酸カルシウム等)等が挙げられる。
【0020】本発明の麺類中に添加するカルシウム量は
麺類の乾燥固形分中の0.005〜3重量%、好ましくは0.0
1〜2重量%が望ましい。0.005重量%未満であるとカル
シウムの添加による栄養的効果を期待しにくく、また3
重量%を超えると麺の食感が悪くなり好ましくない。
【0021】麺類の製造法は一般的に使われている方法
を用いれば良いが、特に本発明のイソフラボンを含有す
る麺類を製造する場合、例えば穀粉と大豆胚軸抽出物を
混合し、必要により水に分散させたカルシウムを混合
し、混練して生地を調製し、所望の形態に成形する方法
を用いれば、茹でた後のイソフラボンの煮汁への損失を
少なく抑えることが出来る。
【0022】本発明でいう乾燥固形分とは、一般の乾燥
減量法(105℃で4時間)による乾燥固形分の重量%で
ある。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明がこ
れらによってその技術的範囲が限定されるものではな
い。 ◎製造例1 (大豆胚軸抽出物の調製) 大豆胚軸50kgを常圧下、ガスロースター(フジローヤル
(株)製)を用いて140℃の熱風で20分間乾熱加熱処理し
た。乾熱加熱処理した大豆胚軸10kgに20℃の水50kgを加
え、4時間浸漬洗浄した。残渣に熱水50kgを加え、98℃
で10分間加熱抽出した。その後抽出液を分離し、残渣に
熱水50kgを加え再度98℃で10分間加熱抽出した。次いで
両抽出液を混合し、減圧濃縮後スプレー乾燥により大豆
胚軸抽出物の粉末1.5kgを得た。得られた大豆胚軸抽出
物の乾燥固形分中のイソフラボン含量は5.0%であっ
た。
【0024】なお、イソフラボン含量はイソフラボンと
して1〜10mgに対応する試料を粉砕した後精密に秤量
し、これに70%(v/v)エタノールを25ml加えた。30分
間室温で撹拌抽出した後、遠心分離して抽出液を得た。
残渣は同様の抽出操作を更に2回行った。計3回分の抽
出液を70%(v/v)エタノールで100mlに定容して試験溶
液とした。調製した試験溶液を0.45μmのフィルターで
濾過した後に、Kudouらの方法に準拠し、下記のHPLC条
件で分析した。各種イソフラボン濃度の総和から総イソ
フラボン濃度を求める。 <HPLC条件> 使用カラム:YMC-Pack ODS-AM-303(4.6×250mm)、移
動相:A液(アセトニトリル:水:酢酸=15:85:0.1
(v/v/v))からB液(アセトニトリル:水:酢酸=3
5:65:0.1(v/v/v))への直線濃度グラジエント(50
分間)、流速:1.0ml/分、カラム温度:35℃、ピーク検
出:UV254nm、注入量:10μl。 ダイジン標準品を用いて12種類のイソフラボン濃度(ダ
イジン換算値)を定量し、下記の定量係数を乗じること
により真のイソフラボン濃度を算出する。 <イソフラボンの定量係数>ダイジン(1.000)、ゲニ
スチン(0.814)、グリシチン(1.090)、マロニルダイ
ジン(1.444)、マロニルゲニスチン(1.095)、マロニ
ルグリシチン(1.351)、アセチルダイジン(1.094)、
アセチルゲニスチン(1.064)、アセチルグリシチン
(1.197)、ダイゼイン(0.583)、ゲニステイン(0.52
8)、グリシテイン(0.740)
【0025】◎製造例2 (大豆胚軸粉砕物の調製) 大豆胚軸50kgをガスロースター(フジローヤル(株)製)
を用いて140℃の熱風で20分間乾熱加熱処理した。乾熱
加熱処理した大豆胚軸10kgをグラインダーにて粉砕し、
大豆胚軸粉砕物9.8kgを得た。製造例1と同様にイソフ
ラボン濃度を測定したところ、1.2%であった。
【0026】◎実施例1 (大豆胚軸抽出物含有即席中
華ノンフライ麺) 表1の対照及びT-1〜T-7の配合例に従い、強力粉、馬鈴
薯澱粉ならびに製造例1の大豆胚軸抽出物(乾燥固形分
当たりイソフラボン含量5重量%)を粉末混合し、これ
に食塩、かんすい、貝殻カルシウム(カイホウ(株)製)
を水に撹拌混合したものを加え、ケンミックス((株)
愛工舎製作所製)にて15分間撹拌混練して、麺生地を得
た。得られた各麺生地の固形分は何れも66重量%であっ
た。各麺生地の乾燥固形分当たりに含まれるイソフラボ
ン含量(重量%)を表1に示した。
【0027】 <表1>(配合例) (配合量:g) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 対照例 T-1 T-2 T-3 T-4 T-5 T-6 T-7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 小麦粉 700 700 700 700 696 692 616 562 馬鈴薯澱粉 70 70 70 70 70 70 70 70 食塩 10 10 10 10 10 10 10 10 かんすい 1 1 1 1 1 1 1 1 貝殻カルシウム 3 3 3 3 3 3 3 3 水 260 260 260 260 260 260 260 260 大豆胚軸抽出物 0 0.14 0.21 0.42 4.2 8.4 84 138 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− イソフラボン 0 0.002 0.0015 0.003 0.03 0.06 0.6 1.0 含量(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0028】得られた麺生地から、製麺機(せとTS−
1P型、さぬき製麺(株)製)にて麺帯を形成し、15分間
熟成後、麺帯を圧延し麺線を切り出した。この麺線を6
分間蒸煮処理した後、水道水に15秒さらした。次いで85
℃の熱風にて90分間乾燥し、即席中華ノンフライ麺を得
た。得られた各即席中華ノンフライ麺の水分は何れも90
重量%であった。T-1〜T-7の各即席中華ノンフライ麺に
1.5重量倍の水を吸水させ、即席麺の固形分を36重量%
に調整した。吸水させた各即席麺の風味と食感について
評価した。さらにイソフラボンを1日に必要な摂取量と
される量(20mg)を摂取するために必要とされる各即席
中華ノンフライ麺の摂取量を吸水時として算出した。
【0029】 (評価:◎非常に良い ○良い △やや悪い ×悪い)
【0030】表2の結果より、T−3〜5の麺において
は風味・食感ともに優れるが、T−1、2の添加量では
風味・食感に問題はなくとも、イソフラボン含量が少な
いために、イソフラボン20mgを摂取するために大量の麺
を摂取しなくてはならず、量的に摂取困難であると共
に、カロリー摂取量が過多になり、好ましくない。逆に
試料6、7ではイソフラボンの含量が多すぎ、苦味が強
く麺の腰もなくなってしまい、食品として適さない。
【0031】◎実験例1 (湯戻しによるイソフラボン
の残存性) 実施例1の試料4の即席中華ノンフライ麺について湯戻
し前後におけるイソフラボン含量の変化を調べた。湯戻
しは麺50g対して熱湯350g注ぎ、所定の時間まで静置
した後、湯を切り、麺を凍結乾燥し試料とした。この試
料を粉砕した後精密に秤量し、これに70%(v/v)エタ
ノールを25ml加えた。30分間室温で撹拌抽出した後、遠
心分離して抽出液を得た。残渣は同様の抽出操作を更に
2回行った。計3回分の抽出液を70%(v/v)エタノー
ルで100mlに定容して試験溶液とした。調製した試験溶
液を0.45μmのフィルターで濾過した後に、製造例1のH
PLC条件で分析した。湯戻し前のイソフラボン含量(乾
燥固形分当たり)を100としたときの湯戻し後のイソフ
ラボン含量(乾燥固形分当たり)を残存率(%)として
算出した。結果を表3に示す。
【0032】 表3の結果より、湯戻ししてもイソフラボンはほとんど
溶出せずに麺に残存していることが確認された。
【0033】◎実施例2 (大豆胚軸抽出物含有即席中
華フライ麺) 実施例1で得られた試料4の麺生地を140〜150℃の油で
2分間フライし、即席中華フライ麺を得た。
【0034】◎実験例2 実施例2同様、湯戻しによるイソフラボン含量の変化を
調べたところ、フライ麺においてもイソフラボンがほと
んど溶出せずに麺に保持されていることが確認された。
残存率を実験例1と同様に算出した。結果を表4に示
す。
【0035】
【0036】◎比較例1 強力粉678g、馬鈴薯澱粉70gならびに製造例2で得ら
れた大豆胚軸粉砕物26gを粉末混合し、これに食塩10
g、かんすい1g、貝殻カルシウム3gを水260gに撹
拌混合したものを加え、ケンミックス((株)愛工舎製
作所製)にて15分間撹拌混練して麺生地を得た。実施例
1と同様にして即席ノンフライ麺を作製した。実施例1
の試料4、比較例1において製麺性すなわち麺帯の形成
および圧延の容易さとノンフライ麺を湯戻ししたときの
風味・食感について評価した。結果を表5に示す。
【0037】 評価:◎非常に良い ○良い :△やや悪い ×悪い
【0038】表5の結果よりイソフラボン濃度が同等の
場合、大豆胚軸粉砕物を用いると、製麺性が悪くなり、
風味・食感も悪くなったが、大豆胚軸抽出物の場合では
製麺性、風味・食感ともに良好であった。
【0039】
【発明の効果】イソフラボンは通常熱水に溶けやすい性
質を有するため、これを麺類へ添加しても湯戻しにより
イソフラボンが溶出してしまう可能性があるが、本発明
によれば湯戻ししてもイソフラボンがほとんど溶出せ
ず、保持されており、かつ風味・食感に優れ、その摂取
によりイソフラボンの有する様々な生理機能が期待でき
る麺類を提供できる。さらにカルシウムを添加すること
で、麺類においてもイソフラボンとカルシウムの相乗作
用による生理機能が期待できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀粉類を主原料とし、大豆胚軸抽出物を含
    有することを特徴とする麺類。
  2. 【請求項2】イソフラボン含有量が麺類の乾燥固形分中
    0.002〜0.5重量%である請求項1に記載の麺
    類。
  3. 【請求項3】カルシウムを併含する請求項1又は請求項
    2に記載の麺類。
  4. 【請求項4】カルシウム含有量が麺類の乾燥固形分中
    0.005〜3重量%である請求項1〜3の何れかに記
    載の麺類。
  5. 【請求項5】穀粉類と大豆胚軸抽出物を混合し、次いで
    水に分散させたカルシウムを混合し、混練して生地を調
    製することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の
    麺類の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006067824A1 (en) * 2004-12-21 2006-06-29 Aliveris S.P.A. Pasta with improved digeribility comprising isoflavones
KR101729326B1 (ko) 2015-01-08 2017-04-21 강원대학교산학협력단 이소플라본 함량 및 기능성이 증진된 콩 추출물의 제조방법

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