JPH104904A - 飲食用素材及びその製造法 - Google Patents
飲食用素材及びその製造法Info
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- JPH104904A JPH104904A JP8305257A JP30525796A JPH104904A JP H104904 A JPH104904 A JP H104904A JP 8305257 A JP8305257 A JP 8305257A JP 30525796 A JP30525796 A JP 30525796A JP H104904 A JPH104904 A JP H104904A
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Abstract
味良好な大豆胚軸を含む飲食用素材を得る。 【解決手段】乾熱加熱下の大豆から胚軸を分離し、その
まま、単独または大豆種皮と異なる焙煎条件下で焙煎し
て胚軸部分を色差計L値25〜35及び同b値4〜13
になるまで焙煎する。
Description
またはさらに大豆種皮焙煎物をも含む飲食用素材及びそ
の製造法に関する。
ン、サポニンが他の穀類に比べ大量に含まれており、中
でも、発芽時に幼芽・幼根となる部分である胚軸に高濃
度含まれている。これらは、制癌作用、骨粗鬆症予防や
抗酸化効果などの生理機能がある半面、特にイソフラボ
ンは熱水に接して容易に失われること、及び、胚軸は、
種皮、おから等大豆の他の成分の中で最も悪風味である
ことも知られている。
に、搾油工程・豆乳調製・豆腐製造・分離大豆蛋白製造
など大豆の加工時において副生するが、大豆胚軸を食用
に供するには、その悪風味の改良が必要となり、いくつ
かの手法の検討がなされて来ている。具体的な例として
は、発芽大豆を焙煎する方法(特開昭54−8664
4)、アルカリ溶液に浸漬後焙煎する方法(特開平01
−67161)、胚軸及び種皮を焙煎後、同じく焙煎し
た葡萄種子と混合する方法(特公平3−32990)な
どが挙げられる。しかしながら、これらの方法の場合、
特に水に浸漬したり発芽させたものを焙煎する方法で
は、有効成分である配糖体が変化していたり、水分の存
在により加熱の際に、より変性等の変化を起こしやすく
なる事などの問題点がある。また、前述の(特公平3−
32990)ではそのままの胚軸及び種皮を用いてはい
るが、混合した状態で焙煎しており、本発明完成後の見
地よりすると種皮部分の焙煎度が低く風味が良くないと
いう欠点がある。
としては殆ど利用されておらず、その多くが種皮などと
の分離もされずに、廃棄処分されるか、もしくは家畜飼
料として利用されるにとどまっているのが現状である。
胚軸を用いイソフラボン等の有効成分を保持しかつ風味
良好な飲食用素材を提供することにある。
結果、大豆胚軸の好適風味は胚軸特定の焙煎の度合いに
することが重要であること、胚軸は乾熱加熱下の大豆か
ら分離し、そのまま、単独または大豆種皮と異なる焙煎
条件下で焙煎することが、風味及び有効成分の保持の上
で重要であること等を見出し、この発明を完成するに至
った。
及び同b値4〜13になるまで焙煎した大豆胚軸を含む
飲食用素材、色差計L値28〜35及び同b値8.5〜
15になるまで焙煎した大豆種皮をも含む該素材、並び
に、大豆胚軸焙煎物と大豆種皮焙煎物の重量比が1:4
〜5:0で存在する該素材、である。そして、大豆胚軸
焙煎物中のイソフラボン含量が未焙煎大豆胚軸に対し5
0%以上である素材であるのがよい。
を分離し、そのまま、単独または大豆種皮と異なる焙煎
条件下で焙煎して胚軸部分を色差計L値25〜35及び
同b値4〜13になるまで焙煎することを特徴とする大
豆胚軸を含む飲食用素材の製造法である。
る。
殆どなく、またイソフラボンやサポニンが失われていな
いものであれば、どのようなものでもよいが、種皮の混
入がなく、イソフラボンやサポニンの損失なしに調製す
るには、乾熱加熱下の大豆から分離した胚軸を用いるの
がよい。そのような原料胚軸を調製する好ましい態様
は、特公平4─48417号に記載の方法を例示できる
が、分離する子葉のNSIについて制限がなければ、当
該方法よりも広範な温度条件即ち70〜100℃の品温
で乾熱加熱することができる。より詳しくは、大豆の水
分を予め約12%以下に乾燥し、70℃以上、より好適
には75〜100℃の品温において乾熱加熱し、大豆粒
径より広い砥石間隔のグラインダーにて大豆の割りと剥
皮を行ない、風選・篩別を伴って分離する調製方法が例
示される。
種皮の各々に適した風味に仕上げることが容易でない。
即ち、種皮は胚軸とは成分や形状が異なる(例えば油分
が少ない)ので、両者を混合した状態で常に同条件で焙
煎すると、胚軸にとってベストな焙煎状態にする場合、
種皮は適正な焙煎状態に達せず、青臭みなど風味的に好
まれないものとなり、逆に種皮にとってベストな焙煎状
態にする場合は、胚軸が良好な焙煎度を越えてしまう。
胚軸・種皮は別々に焙煎して使用するか、或いは先に種
皮を焙煎し途中から胚軸を加えて焙煎する等、両者の焙
煎条件を相違させることで、風味的に良好なものが得ら
れるのである。
やサポニンが失われていない原料胚軸は、次に、熱水な
どに接触させることなくそのまま単独または大豆種皮と
異なる焙煎条件下で焙煎して胚軸部分を色差計L値25
〜35及び同b値4〜13になるまで焙煎する。焙煎
前、熱水などに接触させると特にイソフラボンが失わ
れ、また前記の理由により種皮とは異なる焙煎条件下で
胚軸を焙煎して胚軸として適した焙煎程度に焙煎するの
がよい。
計(日本電色工業(株)製等)のL値(明るさを表す指
標)及びb値(黄色みを表す指標)で測定することがで
きる。
40、b値20〜15という未だ黄味を帯びた色調状態
を経由して、最終、L値35〜25、b値13〜4の色
調とする。この最終の状態に至らないと、青くささが残
る。またこの最終の状態を越えてL値25未満、b値4
未満になると焦げ臭くなって(苦み、えぐみを呈して)
まずくなり、甚だしくは乾熱条件下であっても生理活性
物質(サポニン、イソフラボン)の残存率が低下する。
b値のより好ましい範囲は10〜5であるが、他の公知
の好風味焙煎物例えば焙煎麦と配合する場合、風味的な
ブレンド効果が生じ、胚軸の色調はL値35〜25、b
値4〜5の範囲も好ましい範囲である。
煎後の色調としてはL値は35〜28、b値は15〜
8.5の範囲が良い。これも焙煎不足であると青くささ
が残り、過多であると焦げ臭くなってまずくなる。
るものではなく製品の色調で特定することに特徴があ
る。焙煎条件は、焙煎機の種類や処理量により一概には
いえないが、上記L値及びb値になるよう定めればよ
く、例えば、焙煎機として棚にのせて送風加熱する加熱
条件が、胚軸で160℃×60〜160分間、種皮で1
60℃×150〜220分間が適当なとき、伝熱板と接
触していて均一加熱が可能である焙煎機例えば回転式ガ
スロースターを用いて180℃×30〜60分間という
短い時間でよい。
熱加熱できるものであればどのようなものでもよく、ガ
スロースター(フジローヤル(株)製等)、電熱ロース
ター(日本碍子(株)製等)、熱風ロースター(Buh
ler社等)などが例示される。
に、或いは製菓用等食品原料に用いることができるが、
好ましくは、前記特定の焙煎を行なった大豆種皮或いは
その他の公知の好風味焙煎物たとえば焙煎麦と混合する
ことにより、風味をまろやかにし、或いは美味にでき
る。ただし、生理活性物質(イソフラボン、サポニン
等)は本発明の焙煎胚軸に多量に含まれているので生理
活性物質の観点からは、大豆胚軸焙煎物を、大豆種皮焙
煎物やその他の公知の好風味焙煎物たとえば焙煎麦との
重量比は前者対後者1:4〜5:0好ましくは風味も加
味して2:3〜4:1の重量比が良い。
効率を考慮すると、粉末状態に微細化すると焙煎効率は
上がるが抽出時の沈殿物が出て好ましくない。ローラー
などで扁平状に圧ペンすることによって、焙煎効率、抽
出効率ともに上がり、効果がある。
を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの
例示に限定されるものではない。尚、例中に示す%は、
重量基準を意味する。
1%に調整し、これを流動層乾燥装置で大豆の品温83
℃で乾熱加熱し、ただちに豆腐製造用グラインダー(栗
原鉄鋼(株)製)を用いて割り及び剥皮し、風選、篩別
により胚軸1Kg、種皮4Kgを分離して得た。
時的に焙煎物を採取し色調、生理活性物質(サポニン、
イソフラボン)等の測定を行い、風味も評価した。
った。即ち、色調は、Z−II OPTICAL SEN
SOR(日本電色工業株式会社製)にて測定した。サポ
ニンは北川らの方法( 薬学雑誌104 巻 (2)号 162-168頁
1984 年) にて抽出し、同方法に記載の条件によりガス
クロマトグラフィーにて分析した。イソフラボンは上記
北川らの方法にて抽出し、太田らの日本食品工業学会誌
27巻(7) 号 348-351頁 1980 年 に記載の条件に準じて
液体クロマトグラフィーにて測定した。
法で測定した。風味は青臭さ、焦げ臭さ、苦さを総合し
て、優・良・可・不可で表した。なおサポニン、イソフ
ラボン、トリプシンインヒビーターは0タイムを100
としておのおの焙煎後の相対値で表したものである。胚
軸の焙煎結果を下表に示す。
し、トリプシンインヒビーター活性が0で、風味が良好
である範囲はL値が25〜35で、且つb値が5〜13
であった。
て作成し、各々の値を測定した。結果を下表に示す。
施例2と同様にして作成し、各々の値を測定した。結果
を下表に示す。
間は短くなり生理活性物質の残存率も低下し易くなって
はいるが、サポニン、イソフラボンが80%以上残存
し、トリプシンインヒビーター活性が0で、風味が良好
である範囲は焙煎温度に関係なくL値が25〜35で、
且つb値が5〜13であれば良い。
煎を行なった。
例4で得た160℃、180分間の焙煎種皮を割合を変
えて配合し風味を検討したところ、焙煎胚軸単独より
も、焙煎種皮の併用により風味にまろやかさが生じた。
配合割合と結果を下表に示したが、+記号の多いほどま
ろやかさに優れていることを示す。
少ないので、焙煎種皮の配合割合が増えるほど製品中の
生理活性物質が減るので、風味及び生理活性物質を勘案
しての最良の比率は大豆胚軸焙煎物と大豆種皮焙煎物の
重量比は2:3〜4:1の重量比が最良であった。
砕機で粉砕したものを実施例2と同様に焙煎し、各値を
測定した。また、ここで得た焙煎物(圧ペン、粉砕品)
と実施例2で得た焙煎物(ホール)を熱湯で抽出し比較
した。結果を下表に示す。トリプシンインヒビーター活
性はすべて0 であった。
るほど早く目標の焙煎色調に達するが粉砕品は、時間と
手間がかかりコスト高になるし、飲用とする場合にはフ
ィルターの目詰まりの原因となったり沈殿物が多く混ざ
るため商品価値が劣る。ホール品はそのまま食品原料と
して利用し食する場合には問題ないが飲用とする場合に
は熱湯での抽出では充分に抽出できないという問題があ
る。一方、圧ペン品はペレット状で取り扱い易いし、飲
用としても熱湯での抽出ができるので最も好ましい形で
ある。
の、ローラーで圧ペンしたもの、粉砕機で粉砕したも
の、の各々を実施例2と同様に焙煎し、胚軸入りビスケ
ットをつくりパネラーにより好まれる順を評価したとこ
ろ、圧ペン胚軸を使用したもの、粉砕胚軸を使用したも
の、ホールの胚軸を使用したものの順に好まれ、粉砕胚
軸を使用したもののプロフィールは「歯ごたえがもの足
りない」、ホールのものは「歯ごたえが『メリッ』とし
ている」とのことであった。なお原料配合は、小麦粉2
00部、焙煎胚軸8部、焙煎種皮12部、マーガリン1
00部、砂糖70部で、焼成は170℃15分で実施し
た。
形(ホール)で、回転式ガスロースターに供給し、18
0で40分間又は50分間焙煎し、色調,イソフラボン
の測定を行い、風味も評価して次の結果を得た。
者3:後者2で用いるとき、焦げ臭や苦みは抑えられて
飲用素材として良好であった。よってイソフラボンが5
0%以上残存しトリブシンインヒビター活性が0で、風
味が良好である範囲はL値が25〜35で且つb値が4
〜13であった。
性物質を変質させることなく、かつ風味良好な飲食品素
材を得ることができ、特に健康志向の飲食品の分野に用
いて有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】色差計L値25〜35及び同b値4〜13
になるまで焙煎した大豆胚軸を含む飲食用素材。 - 【請求項2】焙煎大豆胚軸中のイソフラボン含量が未焙
煎大豆胚軸に対し50重量%以上である請求項1記載の
素材。 - 【請求項3】色差計L値28〜35及び同b値8.5〜
15になるまで焙煎した大豆種皮をも含む請求項1記載
の素材。 - 【請求項4】大豆胚軸焙煎物と大豆種皮焙煎物の重量比
が1:4〜5:0で存在する請求項1乃至3記載の素
材。 - 【請求項5】乾熱加熱下の大豆から胚軸を分離し、その
まま、単独または大豆種皮と異なる焙煎条件下で焙煎し
て胚軸部分を色差計L値25〜35及び同b値4〜13
になるまで焙煎することを特徴とする大豆胚軸を含む飲
食用素材の製造法。
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- 1996-11-15 JP JP30525796A patent/JP3414169B2/ja not_active Expired - Fee Related
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