JP2002238278A - 電動機制御装置 - Google Patents

電動機制御装置

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JP2002238278A
JP2002238278A JP2001032278A JP2001032278A JP2002238278A JP 2002238278 A JP2002238278 A JP 2002238278A JP 2001032278 A JP2001032278 A JP 2001032278A JP 2001032278 A JP2001032278 A JP 2001032278A JP 2002238278 A JP2002238278 A JP 2002238278A
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    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/24Vector control not involving the use of rotor position or rotor speed sensors
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動機の角度検出誤差を精度良く検出し、容
易に自動補正することが可能な電動機制御装置を得る。 【解決手段】 インバータ2により駆動される電動機3
の回転角と回転速度とを検出する角度検出手段10と速
度検出手段11と、電動機3の電流を磁束ベクトルと同
期して回転する回転直交座標上に置換する電流演算手段
12と、トルク指令値と回転速度から回転直交座標上の
電流指令値を演算する電流指令値演算手段13と、電流
指令値から回転直交座標上の電圧指令値を演算する電圧
指令値演算手段14と、電圧指令値を三相電圧指令値に
置換する三相電圧指令演算手段17と、三相電圧指令値
をPWM信号に置換するPWM信号生成手段18と、電
圧指令値と回転速度とから磁束ベクトルと回転直交座標
との位相差を検出し、電動機3の回転角の検出誤差を補
正する角度誤差算出・補正手段15とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機の回転子
に取り付けられた角度検出器が検出する回転角度の検出
誤差を自動補正する機能を有する電動機制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電動機、特に回転子が永久磁石により構
成された三相同期電動機において、ベクトル制御方式に
より高精度に電動機制御を行う場合、制御情報として回
転子の回転角度を用いて演算を行い制御するのが一般的
であり、そのために、電動機の回転子には角度検出器、
または、特定角度検出機能を備えた回転速度検出器が取
り付けられる。これらの検出器は、回転子軸、または、
回転子と同期回転する軸上に取り付けられた可動部分
と、固定子側に取り付けられて可動部分の回転位置を検
出する固定部分とから構成され、回転部分は電動機の回
転子にキーなどによりそれぞれの基準となる相対位置が
機械的に位置決めされて固定されるのが一般的であり、
通常はエンコーダやレゾルバなどの検出器が用いられて
いる。
【0003】しかし、検出器の取り付けにあたっては機
械的な角度誤差が存在し、電動機の極対数をPmとする
と、回転子の一回転は電気角ではPm回転に相当するた
め、極数の大きい多極電動機の場合においては上記の機
械的な角度誤差が電気的にはPm倍の誤差に拡大される
ことになり、機械的な位置決め精度の向上を図っても量
産時の精度向上には限界があるため、電気的な角度誤差
を必要とする値にまで縮小することは困難であった。一
方、電動機の制御を精度良く行うためにはこの電気的な
角度誤差を縮小することが絶対条件であり、角度検出器
には微調整機構が設けられ、電動機に組み付けた後に微
調整を行って機械的な角度誤差を修正するのが通常の手
法であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この角度検出の精度
は、要求される電動機の制御精度に応じて高める必要が
あるため、制御精度の高い電動機においては生産工程で
微調整機構を用いて高精度に調整を行うことになり、こ
の調整には多大な時間を必要として生産性を阻害するこ
とになる。また、高精度化するほど微調整機構の構成も
複雑化するため角度検出器自体の部品点数が増加し、角
度検出器の生産に対する加工時間の増大を伴うものであ
り、さらに、機械的な微調整機構は経年変化による角度
誤差の変化の増大が避けられず、電動機の制御精度の経
年劣化にもつながるものであった。
【0005】また、このような機械的な誤差修正による
課題に対処する技術としては、例えば、特開平9−47
066号公報が開示されている。この公報に開示された
技術は、永久磁石型同期電動機をインバータにより駆動
するものにおいて、インバータと電動機との間に開閉手
段を設け、電源投入後にこの開閉手段を解放して電動機
の誘起電圧波形を検出し、この誘起電圧波形と電動機の
回転角を計測する磁極位置センサの出力信号とを比較
し、両者の位相差から磁極位置センサの取り付け誤差を
求め、磁極位置センサの検出値を補正するようにしたも
のであるが、その誤差検出の精度には限界を有するもの
である。
【0006】この発明はこのような課題を解決するため
になされたもので、角度検出器の取り付け精度を機械的
に微調整することなく、制御装置内で角度情報による演
算を行い、機械的な角度誤差を電気的に精度良く、ま
た、容易に自動補正することが可能な電動機制御装置を
得ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる電動機
制御装置は、インバータにより駆動される電動機の回転
角を検出する角度検出手段と、電動機の回転速度を検出
する速度検出手段と、電動機の電流を電動機の界磁磁束
のベクトルと同期して回転する回転直交座標上の実電流
値に置換する電流演算手段と、電動機に外部から与えら
れるトルク指令値と電動機の回転速度とから回転直交座
標上の電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、実
電流値と電流指令値とから回転直交座標上の電圧指令値
を演算する電圧指令値演算手段と、電圧指令値を電動機
に印加すべき三相電圧指令値に置換する三相電圧指令値
演算手段と、三相電圧指令値をインバータに与えるPW
M信号に置換するPWM信号生成手段と、電圧指令値と
三相電圧指令値とPWM信号のうちのいずれか一つ、ま
たは、いずれか複数と、電動機の回転速度とから界磁磁
束ベクトルの回転直交座標に対する位相差を算出すると
共に、この位相差により角度検出手段が検出する回転角
の検出誤差を補正する角度誤差算出・補正手段とを備え
るようにしたものである。
【0008】また、角度誤差算出・補正手段が、電動機
の所定回転速度において、界磁磁束のベクトル方向に対
する各位相補正角毎に回転直交座標上の電圧指令値と三
相電圧指令値とPWM信号のうちのいずれか一つ、また
は、いずれか複数を回転角と共にデータ対として記憶
し、この記憶したデータ対から界磁磁束ベクトルの回転
直交座標に対する位相差を算出するようにしたものであ
る。
【0009】さらに、インバータにより駆動される電動
機の回転角を検出する角度検出手段と、電動機の回転速
度を検出する速度検出手段と、電動機の電流を電動機の
界磁磁束のベクトルと同期して回転する回転直交座標上
の実電流値に置換する電流演算手段と、電動機に外部か
ら与えられるトルク指令値と電動機の回転速度とから回
転直交座標上の電流指令値を演算する電流指令値演算手
段と、実電流値と電流指令値とから回転直交座標上の電
圧指令値を演算する電圧指令値演算手段と、電圧指令値
を電動機に印加すべき三相電圧指令値に置換する三相電
圧指令値演算手段と、三相電圧指令値をインバータに与
えるPWM信号に置換するPWM信号生成手段と、イン
バータの入力電圧および入力電流と、電動機の回転速度
とから界磁磁束ベクトルの回転直交座標に対する位相差
を算出すると共に、この位相差により角度検出手段が検
出する回転角の検出誤差を補正する角度誤差算出・補正
手段とを備えるようにしたものである。
【0010】さらにまた、角度誤差算出・補正手段が、
電動機の所定回転速度において、界磁磁束のベクトル方
向に対する各位相補正角毎にインバータの入力電圧と入
力電流とを回転角と共にデータ対として記憶し、この記
憶したデータ対から界磁磁束ベクトルの回転直交座標に
対する位相差を算出するようにしたものである。
【0011】また、電動機の所定回転速度は、回転速度
の絶対量が等しく回転方向が異なる少なくとも一組の回
転速度であって、同一回転角で回転方向が異なる場合の
対を構成する各データ差から界磁磁束ベクトルの回転直
交座標に対する位相差を算出するようにしたものであ
る。さらに、電動機の固定子温度の検出手段、電動機の
回転子温度の検出手段、インバータ温度の検出手段のう
ちのいずれか一つ、または、複数の検出手段を備えてお
り、固定子温度、回転子温度、インバータ温度のいずれ
か一つ、または、複数の温度により界磁磁束ベクトルの
回転直交座標に対する位相差が補正されて算出されるよ
うにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1ないし図4
は、この発明の実施の形態1による電動機制御装置の構
成と動作とを説明するためのもので、図1は構成を説明
するブロック図、図2は角度誤差演算・補正手段のデー
タ蓄積部(フェーズ1)の詳細構成を説明するブロック
図、図3は角度誤差演算・補正手段の角度誤差演算部
(フェーズ2)の詳細構成を説明するブロック図、図4
は角度誤差算出の説明図である。また、図5ないし図8
は、永久磁石を界磁とする同期電動機における角度検出
誤差の算出原理を説明する説明図である。
【0013】この発明の実施の形態1による電動機制御
装置を説明する前に、永久磁石式三相同期電動機の角度
検出誤差算出の動作原理を図5ないし図8に基づき説明
すると次の通りである。まず、電気的回転角速度ωmに
て電動機の界磁磁束のベクトルと同期して回転する回転
直交座標軸上における同期電動機の電圧・電流方程式
は、回転直交座標軸をd−q軸とすると公知のように、 Vd=R・id−ωm・Lq・iq ・・・(1) Vq=R・iq+ωm(Ld・id+Φa) ・・・(2) として示される。ここに、VdとVqとは電動機端子電
圧のd軸成分およびq軸成分、idとiqとは電動機の
電機子に流れる電流のd軸成分およびq軸成分、Rは電
機子抵抗、LdとLqとはインダクタンスのd軸成分お
よびq軸成分、Φaは磁石による界磁磁束である。ま
た、電気的回転角速度ωmは電動機の磁極対数をPmと
すると機械的回転角速度ωrに対してωm=Pm・ωr
の関係を有するものである。
【0014】上記の(1)式と(2)式とは、界磁磁石
による磁束のベクトルと回転直交座標軸のd軸とが一致
している場合を示すもので、角度誤差がない場合に相当
するものである。いま、d軸の電流がマイナス方向にi
0 、q軸の電流が0、電気的角速度がω0 で正方向に回
転している場合、電動機の電圧・電流方程式は次式のよ
うになる。 Vd=R・i0 ・・・(3) Vq=ω0 (Ld・i0 +Φa) ・・・(4) また、電動機の線間電圧実効値Vuvの二乗値は Vuv2 =Vd2 +Vq2 ・・・(5) の関係にて示されることから Vuv2 =(R・i0 2 +ω0 2 (Ld・i0 +Φa)2 ・・・(6) として表すことができる。
【0015】図5はこのときの回転座標のd−q軸に対
する電圧と電流のベクトルを示すものであり、図に示し
た電圧ベクトルVは(5)式と(6)式のVuvに相当
し、Vd=R・i0 とVq=ω0 (Ld・i0 +Φa)
とのベクトル和である。なお図5と図6とでは後述する
図7と図8との関連上から、d軸電流はi0 =id0
して示している。また、電圧ベクトルVと電流ベクトル
0 とのなす角度ρ0+は力率角を示すものである。従
って、運転状態における有効電力Peと無効電力Piと
皮相電力Pとは、 Pe=V・i0 cosρ0 + ・・・(7) Pi=V・i0 sinρ0 + ・・・(8) P=V・i0 ・・・(9) として示されることになる。
【0016】つぎに、d軸の電流がマイナス方向にi0
、q軸の電流が0、電気的角速度が−ω0 で上記とは
逆転方向に回転している場合、電動機の電圧・電流方程
式は次式にて示される。 Vd=R・i0 ・・・(10) Vq=−ω0 (Ld・i0 +Φa) ・・・(11) 従って、電動機の線間電圧実効値Vuvの二乗値は
【数1】 として表されることになる。図6はこのときの回転座標
のd−q軸に対する電圧と電流のベクトルを表すもので
あり、上記の図5と較べると電圧ベクトルVの大きさは
等しいが、方向はd軸に対して対称位置となり、従っ
て、力率角ρ0 −はすなわち−ρ0 +となるものであ
る。
【0017】また、運転状態における有効電力Peと無
効電力Piと皮相電力Pとは Pe=V・i0 cosρ0 − =V・i0 cos(−ρ0 +)=V・i0 cosρ0 + ・・・(13) Pi=V・i0 sinρ0 − =V・i0 sin(−ρ0 +)=−V・i0 sinρ0 + ・・・(14) P=V・i0 ・・・(15) として示されることになる。
【0018】以上のように角度誤差がなく、界磁磁石に
よる磁束ベクトルと回転直交座標軸とが一致して電動機
の制御がなされているとき、d軸のみに所定電流を流し
て正方向の所定回転速度にて運転した場合と、逆方向に
同一回転速度にて運転した場合とでは、電圧ベクトルV
の方向がd軸に対して対称位置となり、力率は絶対値が
等しくて符号が逆になる。言い換えれば、回転直交座標
上での電圧指令値、三相座標上での電圧指令値の実効値
および有効電力量は回転方向に関わらず等しい値を示す
ことになる。
【0019】界磁磁石による磁束のベクトルと回転直交
座標軸のd軸とが一致せず、両者間に角度差(すなわち
角度検出器の検出誤差である)ψが存在する場合を考え
ると次のようになる。なお、この角度検出誤差は界磁磁
束ベクトルとd軸とが一致して回転する電動機の回転直
交座標(d−q)軸に対し、角度検出器の誤差により制
御演算装置が演算に使用する回転直交座標の(d′−
q′)軸が位相誤差ψ分遅れて(あるいは進んで)回転
している状態を言うものであり、以降これを角度検出誤
差ないしは位相差と称す。
【0020】このように位相差ψがあり、制御演算装置
がd′軸の電流としてマイナス方向にi0 、q′軸の電
流として0の電流を通電した場合、電気的角速度がω0
で正方向に回転している電動機の電圧・電流方程式は次
式のように表される。 Vd=R・id0 −ω0 Lq・iq0 ・・・(16) Vq=R・iq0 +ω0 (Ld・id0 +Φa) ・・・(17) ここに、id0 およびiq0 は(d′−q′)座標上の
電流i0 を(d−q)座標上のd軸とq軸とに投影した
成分であり、位相差ψを用いて次のように表されるもの
である。 id0 =i0 cosψ ・・・(18) iq0 =i0 sinψ ・・・(19)
【0021】従って、(16)式と(17)式とは次の
ように書き換えることができる。
【数2】
【数3】 また、電動機の線間電圧実効値Vuvの二乗値は
【数4】 となる。
【0022】図7はこのときの回転直交座標(d′−
q′)軸に対する電圧と電流とのベクトルを表すもので
あり、図7の電圧ベクトルVは図5の電圧ベクトルVと
は大きさおよび方向共に異なったものとなり、大きさの
差は(6)式と(22)式との差の平方根に相当する。
また方向にも差があるために、図に示すように力率角は
ρψ+となり、図5の場合のρ0 +とは異なった力率角
となる。
【0023】また、回転直交座標(d−q)軸に対し、
制御演算装置が演算に用いる回転直交座標(d′−
q′)軸が位相差ψ分遅れて回転している場合で、d′
軸の電流がマイナス方向にi0 、q′軸の電流が0であ
り、電気的角速度が−ω0 で逆方向に回転しているとき
の電動機の電圧・電流方程式は次式のようになる。
【数5】
【数6】 さらに、電動機の線間電圧実効値Vuvの二乗値は
【数7】 となる。
【0024】このときの回転直交座標(d′−q′)軸
に対する電圧と電流とのベクトルを表したのが図8であ
り、図8を電動機が正回転時の図7と比較すると、電圧
ベクトルVの大きさは異なり、その方向も上記の位相差
のない状態の図5に対する図6の場合とは異なり、d′
軸に対して対称位置にはならない。従って、力率角ρψ
−は図7の力率角ρψ+に対しては絶対量が異なるもの
となる。このように位相差ψが存在する場合には正転時
と逆転時とにおける電圧ベクトルVと力率角とは異なっ
た値となり、従って、有効電力量も異なった値を示すこ
とになる。
【0025】この発明の実施の形態1においては、以上
に述べた動作原理のd′軸に所定の電流を流しながら電
動機を正転側と逆転側に同一回転速度で駆動した場合
に、位相差に起因して現れる回転直交座標上での電圧指
令値や三相座標上での電圧指令実効値や有効電力量の不
平衡のうち、電機子抵抗Rとd軸インダクタンスLdと
磁石による界磁磁束Φaとを既知の値とした場合に、位
相差ψに起因して(6)式と(22)との差成分として
現れる回転直交座標上での電圧指令値の不平衡やこれに
伴う三相座標上での電圧指令値の不平衡に基づき、位相
差すなわち角度検出誤差を検出してこの誤差を補正する
ようにしたもので、以下に図1ないし図4により構成と
動作とを説明する。
【0026】図1において、1は後述する制御演算装
置、2は制御演算装置1が出力するPWM信号に制御さ
れて直流電源4からの直流電力を三相交流電力に変換す
る三相インバータ、3は三相インバータ2の出力により
駆動される電動機、5aと5bとは電動機3のU相電流
とV相電流とを検出して制御演算装置1にフィードバッ
クする電流検出器、6は電動機3の回転角を検出して制
御演算装置1に出力する角度検出器である。
【0027】また、制御演算装置1は、角度検出器6の
出力信号により電動機3の回転角度θを検出する角度検
出手段10と、角度検出器6の出力信号により電動機3
の電気的回転角速度ωmを検出する速度検出手段11
と、電流検出器5aと5bの出力iuとivとを受けて
電動機3の回転直交座標軸上の実電流値idとiqとを
演算する電流演算手段12と、外部からのモード信号m
odeとトルク指令値τmaとを受けて回転直交座標軸
上の電流指令値idaとiqaとを演算する電流指令値
演算手段13と、この電流指令値idaとiqa、およ
び、実電流値idとiqとを受けて電動機3に対する回
転直交座標軸上の電圧指令値VdaとVqaとを演算す
る電圧指令値演算手段14と、後述する角度誤差演算・
補正手段15aと、加算器16と、各電圧指令値Vd
a、Vqaを三相電圧指令値Vua、Vva、Vwaに
置換する三相電圧指令値演算手段17と、この三相電圧
指令値をPWM信号tu、tv、twに変換して三相イ
ンバータ2に出力するPWM信号生成手段18とから構
成されている。
【0028】図2は角度誤差演算・補正手段15aにお
ける第一段階での動作部分である角度誤差算出データ蓄
積部(フェーズ1)のブロック図である。図において、
19は外部からのモード信号により駆動制御モードと角
度誤差算出補正モードとを切り換える角度誤差算出モー
ド切替手段、20aはフェーズ1の角度誤差算出用デー
タ蓄積手段であり、乗算器21および22と、加算器2
3と、電気的回転角速度ωmを入力してΔθ毎の回転角
を補正角度として出力する補正角度発生手段24と、補
正角度発生手段24の出力により動作するサンプリング
指示発生手段25と、このサンプリング指示発生手段2
5の指示により動作するサンプラ26および27と、各
サンプラ26および27がサンプリングした電圧値と補
正角度とをデータ対として記憶する角度誤差対電圧指令
特性マップ28aとから構成されている。
【0029】また、図3は角度誤差演算・補正手段15
aにおける第二段階での動作部分である角度誤差算出演
算部(フェーズ2)のブロック図である。図において、
19は図2に示した角度誤差算出モード切替手段、30
aはフェーズ2の角度誤差算出演算手段で、角度誤差算
出演算手段30aは、減算器31と、角度誤差対電圧指
令偏差特性マップ32aと、データ抽出手段33と、角
度誤差補間手段34aと、角度補正値記憶手段35とか
ら構成されている。なお、28aは図2にて示した角度
誤差対電圧指令特性マップである。
【0030】このように構成されたこの発明の実施の形
態1の電動機制御装置において、まず、角度検出器6の
角度検出誤差の補正値がすでに演算されている状態での
電動機3の駆動制御を説明すると次の通りである。図1
において、三相インバータ2は直流電源4から電力を受
け、これを三相交流電力に変換して電動機3に供給す
る。この電力変換は制御演算装置1から三相インバータ
2に与えられるPWM信号が三相インバータ2のスイッ
チング素子を駆動することにより行われ、PWM信号は
公知のベクトル制御法により生成されるものである。
【0031】図示しない外部装置から電動機3に対する
要求トルク値として電流指令値演算手段13にトルク指
令値τmaが入力され、角度検出器6からの信号により
速度検出手段11から電気的回転角速度信号ωmが電流
指令値演算手段13に入力されると、電流指令値演算手
段13はこれらの信号に応じた値の回転直交座標(d−
q)軸上の電流指令値としてidaとiqaとを演算し
て出力する。また、角度検出器6からの信号により角度
検出手段10が電動機3の回転角度θを算出して加算器
16に与え、加算器16ではこの回転角度θと角度誤差
演算・補正手段15aが出力する角度補正値θcomp
とが加算され、界磁磁束のベクトルと回転直交座標との
位相差をゼロに補正した補正後角度としてθaを出力す
る。
【0032】電流検出器5aと5bとは電動機3のU相
電流検出信号iuとV相電流検出信号ivとを電流演算
手段12に与え、電流演算手段12はこの各電流検出信
号と補正後角度θaとを入力して公知の演算方法によ
り、界磁磁束のベクトル方向と一致して回転する座標軸
(d軸)とこれに直交して回転する座標軸(q軸)とに
ベクトル分解したd軸実電流idとq軸実電流iqとを
演算して出力する。電圧指令値演算手段14では電流指
令値のidaとiqa、および、d軸実電流idとq軸
実電流iqを入力し、例えば、idaとidとの偏差で
あるΔidと、iqaとiqとの偏差であるΔiqとを
求め、両者を比例積分(PI)することによりd軸電圧
指令値Vdaとq軸電圧指令値Vqaとを演算し、トル
ク指令値τmaに見合ったトルクを得る各軸電圧指令値
として出力する。
【0033】このときの各軸電圧指令値VdaとVqa
は、電動機3が定常状態であり、角度検出器6の検出誤
差がゼロになるように位相差が補正されているので、上
記した(1)式のd軸電圧Vdおよび(2)式のq軸電
圧Vqとは一致することになる。三相電圧指令値演算手
段17では各軸の電圧指令値VdaとVqaとを入力し
て電流演算手段12によるベクトル分解とは逆の演算を
行い、U相の電圧指令値VuaとV相の電圧指令値Vv
aとW相の電圧指令値Vwaとの三相電圧指令値に置換
して電動機3に与えるべき電圧として出力する。この三
相電圧指令値を入力するPWM信号生成手段18では公
知の三角波比較正弦波形近似PWM作成法などにより三
相各相のPWM信号tuとtvとtwとを生成し、この
PWM信号が三相インバータ2に入力されてスイッチン
グ素子を駆動し、電動機3には三相の交流電力が供給さ
れる。
【0034】以上が界磁磁束のベクトルと回転直交座標
との位相差がすでに補正されている場合の電動機3の駆
動制御であるが、位相差の補正は次のようにして行わ
れ、この補正は電動機3および制御演算装置1の初期化
段階にて行われるものである。図示しない外部装置から
は制御演算装置1に対してモード信号modeが与えら
れる。このモード信号には電動機3を通常に駆動する電
動機駆動制御モードと、角度誤差を算出・補正する角度
誤差算出・補正モードとがあり、この角度誤差算出・補
正モードには後述するように角度誤差算出用のデータを
蓄積する(フェーズ1)と、この蓄積されたデータに基
づき角度誤差を算出する(フェーズ2)とがある。上記
のように位相差がすでに補正されている場合の電動機3
の駆動制御は電動機駆動制御モードであり、角度誤差の
補正時には第一段階でフェーズ1、第二段階でフェーズ
2が選択され、この選択はフェーズ1でのデータ蓄積の
完了を検知して行われる。なお、角度誤差算出・補正モ
ードでは電動機3は所定値の電気的回転角速度ωm0
および、−ωm0 にて定速駆動されている状態におか
れ、この状態にて位相差の算出がなされる。
【0035】外部装置から角度誤差算出・補正のモード
信号が制御演算装置1に与えられると、図2と図3の角
度誤差算出モード切替手段19は、角度誤差対電圧指令
特性マップ28aにデータが全て蓄積されるまでの間に
おいては角度誤差算出・補正モード(フェーズ1)に切
り替わり、電流指令値演算手段13から出力される電流
指令値はd軸電流指令値としてida=i0 の固定値
が、q軸電流指令値としてはiqa=0が出力され、こ
の電流指令値に基づき電圧指令値演算手段14が電圧指
令値VdaとVqaとを演算し、角度誤差算出用データ
蓄積手段20に出力する。角度誤差算出用データ蓄積手
段20に入力された電圧指令値VdaとVqaとはそれ
ぞれ乗算器21と22とで二乗され、さらに、加算器2
3により加算されて(Vda)2 +(Vqa)2 が得ら
れる。
【0036】補正角度発生手段24には電気的回転角速
度ωmが入力されており、電動機3が所定値のωm0で
定常的に回転していると認められる場合には補正角度θ
comp(磁束のベクトル方向に対する演算に用いる回
転直交座標軸の位相差)をΔθ毎に出力し、この補正角
度θcompは一定時間毎にΔθ単位でm回増加、また
は、m回減少するように設定されている。また、この補
正角度θcompの増加または減少の変化範囲は、角度
検出器6の取り付けなどにより発生する角度検出誤差の
発生可能範囲を包含する範囲とされ、Δθ単位の変化が
基準となる角度のプラス側とマイナス側とに及ぶように
設定されている。サンプリング指示発生手段25は補正
角度θcompを入力してΔθ単位の変化に同期してサ
ンプラ26および27にデータをサンプリングするよう
に指示を与え、サンプラ26はこの指示に同期して(V
da)2 +(Vqa)2 をサンプリングすることによ
り、{(Vda)2 +(Vqa)2 }(n)を得、サン
プラ27はサンプリング指示に同期してθcomp
(n)を得る。
【0037】角度誤差対電圧指令特性マップ28aは、
サンプリングされたデータ{(Vda)2 +(Vqa)
2 }(n)とθcomp(n)とを一組のデータとして
蓄積して行くが、ここで蓄積されるデータの個数は補正
角度θcompのΔθ単位での変化回数であるm回に対
応してm個となる。この場合、電動機3は所定の回転角
速度ωm0で正回転しているため、{(Vda)2
(Vqa)2 }(+n)のように+符号を付与する。
【0038】このようにしてデータがm個蓄積されると
電動機3の回転は−ωm0に設定され、同様に電動機3
が所定値の−ωm0で定常的に回転していると認められ
る場合には補正角度θcompを一定時間毎にΔθ単位
でm回増加、または、減少させ、同様の動作により角度
誤差対電圧指令特性マップ28aは電気的角速度−ωm
0 に対応したデータを蓄積する。この場合、回転角速度
は−ωm0 で逆回転しているため、{(Vda)2
(Vqa)2 }(−n)のようにマイナス符号を付与
し、m個のデータが蓄積されると全てのデータ蓄積が完
了となり、これが角度誤差算出モード切替手段19に認
識されて引き続き角度誤差を算出する角度誤差算出・補
正モード(フェーズ2)を実行するように切り替えられ
る。
【0039】図4は角度検出誤差をパラメータとする回
転速度対電圧指令値の特性である。この特性は、上記の
(22)式と(25)式に対応して正転時と逆転時のそ
れぞれの回転速度での線間電圧の実効値Vuvの二乗値
をプロットしたものである。上記したように界磁磁束の
ベクトルと回転直交座標との位相差がゼロの場合には電
動機3の回転が正転時のω0 と逆転時の−ω0 とでの線
間電圧の実効値Vuvの二乗値は等しい値となるが、位
相差がゼロでない場合には回転速度がω0 のときと−ω
0 のときとではVuvは異なる値を示すことになる。従
って、角度誤差対電圧指令特性マップ28aに蓄積され
たデータのうち、回転速度がωm0 のときの電圧指令値
と−ωm0 のときの電圧指令値とがより近い値を示す補
正角度θcompを選択することにより角度検出誤差を
ゼロにより近づけるように設定することができる。
【0040】この動作を図3により説明すると、上記し
たように角度誤差対電圧指令特性マップ28aに全ての
データが蓄積されると角度誤差算出モード切替手段19
は角度検出誤差を算出する角度誤差算出・補正モード
(フェーズ2)に切り替わる。このフェーズ2ではま
ず、角度誤差対電圧指令特性マップ28aから電気的角
速度がωm0と−ωm0とにおけるデータから補正角度
θcomp(1)と、この補正角度に対応する電圧指令
値{(Vda)2 +(Vqa)2 }(+1)、および、
{(Vda)2 +(Vqa)2 }(−1)が出力され、
減算器31にて両電圧指令値の偏差ΔVa(1)が算出
される。
【0041】角度誤差対電圧指令偏差特性マップ32a
は、この算出されたデータθcomp(1)とΔVa
(1)とを一組のデータ対として蓄積するが、この動作
は角度誤差対電圧指令特性マップ28aに蓄積されたデ
ータ個数であるm回繰り返されてθcomp(m)とΔ
Va(m)まで蓄積して終了する。続いてデータ抽出手
段33は角度誤差対電圧指令偏差特性マップ32aから
二つのデータ対{θcomp(k)、ΔVa(k)}と
{θcomp(l)、ΔVa(l)}とを抽出する。
【0042】角度誤差補間手段34aはこの抽出された
データ対に基づき次式により線形補間を行って電圧指令
値偏差ΔVaがゼロになる補正角度θcomp(RO
M)を算出する。
【数8】 このとき、二つのデータ対を複数組抽出し、各々算出し
た補正角度に統計手法、例えば平均化処理を施し、補正
角度の精度を向上させることもできる。ここで算出した
θcomp(ROM)が位相差の補正成分、すなわち、
角度検出器6の検出誤差の補正成分であり、この値が角
度補正値記憶手段35に記憶される。
【0043】位相差の補正成分θcomp(ROM)が
角度補正値記憶手段35に記憶されることによりフェー
ズ2は終了し、これが角度誤差算出モード切替手段19
に認識されて動作モードは電動機駆動制御モードに切り
替えられる。この動作モードの切替は図示しない外部装
置に伝達され、制御演算装置1に入力されるモード信号
が電動機駆動制御モードの指示に切り替わり、電動機駆
動制御モードで動作中は角度補正値記憶手段35に記憶
されたθcomp(ROM)が図1の加算器16に出力
されて角度検出器6の検出誤差を補正する。
【0044】この発明の実施の形態1による電動機制御
装置においては以上のようにして補正角度θcomp
(ROM)が算出され、角度検出の誤差による界磁磁束
のベクトルと回転直交座標との位相差が補正されるの
で、電動機駆動制御モードにおいて良好なベクトル制御
を行うことが可能になるものである。また、制御演算装
置1に設けられた角度誤差演算・補正手段15aは電流
演算手段12などと同列にマイクロプロセッサを用いて
ソフトウエアにて構成することができ、これにより部品
点数の増加もなく安価で容易に位相差の補正ができるも
のである。
【0045】なお、この実施の形態においては、角度誤
差対電圧指令特性マップ28aと角度誤差対電圧指令偏
差特性マップ32aとにおいて、m×3回のデータ蓄積
を行うようにしたが、主旨とするところは上記の動作原
理を用いて角度検出誤差の算出を行うところにあり、例
えば、界磁磁束のベクトルと回転直交座標との位相差に
より発生する(12)式と(22)式の差成分を用いて
算術的に誤差検出を行うこともできるものである。ま
た、電圧偏差ΔVaは電圧指令値偏差を使用したが、三
相電圧指令値演算手段17が出力する三相電圧指令値
や、PWM信号生成手段18が出力するPWM信号、あ
るいは、これらの組み合わせにより電圧偏差ΔVaを得
ることもできるものである。
【0046】実施の形態2.図9ないし図11は、この
発明の実施の形態2による電動機制御装置の構成を説明
するためのもので、図9は制御演算装置の構成を説明す
るブロック図、図2と図3とは角度誤差演算・補正手段
の詳細構成を説明するブロック図であり、上記の実施の
形態1と同一部分と相当部分とには同一符号が付与され
ている。図9において、上記の図1と異なる点は次の通
りであり、7は直流電源4の電圧を検出する電圧検出
器、8は三相インバータ2に対する流入電流を検出する
電流検出器、15bは実施の形態1の場合とは異なる角
度誤差演算・補正手段である。また、角度誤差演算・補
正手段15bの構成は次の通りである。
【0047】図10は、角度誤差演算・補正手段15b
における角度誤差算出用データ蓄積部(フェーズ1)に
関するブロック図である。図において、実施の形態1の
図2と異なる点は次の通りであり、20bはフェーズ1
の角度誤差算出用データ蓄積手段、29は電圧検出器7
が検出する直流電源4の電圧VDCと電流検出器8が検
出する三相インバータ2に対する流入電流IDCとを乗
算して直流電力(VDC・IDC)を得る乗算器、28
bはサンプラ26と27とがサンプリングする直流電力
値(VDC・IDC)(n)と補正角度発生手段24か
らの補正角度θcomp(n)とをデータ対として記憶
する角度誤差対直流電力特性マップである。
【0048】また、図11は角度誤差演算・補正手段1
5bにおける角度誤差算出演算部である(フェーズ2)
の構成を示すブロック図であり、実施の形態1の図3と
異なる点は次の通りである。図において、30bは角度
誤差算出演算手段(フェーズ2)、28bは図10に示
した角度誤差対直流電力特性マップ、32bは角度誤差
対直流電力偏差特性マップ、34bは角度誤差補間手段
である。
【0049】なお、この実施の形態は、三相インバータ
2での消費電力を監視して界磁磁束のベクトルと回転直
交座標との位相差を算出するもので、いま、位相差がな
い場合を考えると、同一の通電電流により回転速度の絶
対値が同一で正回転と逆回転とのそれぞれの方向に電動
機3を駆動した場合、電動機3の有効電力は実施の形態
1にて示した(7)式と(13)式の通り等しい値とな
る。また、電動機3に対する印加電圧と通電電流とが等
しいことから三相インバータ2のスイッチング素子など
電力変換用の半導体素子を電流が流れることに起因する
消費電力も等しくなる。位相差がゼロでない場合には電
動機3の有効電力、従って、三相インバータ2の消費電
力は実施の形態1の動作原理において説明したように位
相差に応じて異なったものになるため、これを監視する
ことにより位相差の有無を検出するもので、以下に実施
形態1の場合とは異なる角度誤差演算・補正手段15b
の動作を中心に説明する。
【0050】制御演算装置1に外部装置からモード信号
として角度誤差算出・補正モードの信号が入力されると
実施の形態1と同様に、電流指令値演算手段13からは
d軸電流指令値としてida=i0 の固定値が、q軸
電流指令値としてiqa=0が出力され、この電流指令
値により電動機3が所定の回転速度で駆動される。そし
て、電圧検出器7からの直流電源4の電圧VDCと三相
インバータ2に対する流入電流IDCとが角度誤差演算
・補正手段15bに入力される。角度誤差演算・補正手
段15bは実施の形態1の場合と同様に二つの動作段階
を有しており、第一段階は角度誤差算出用のデータを蓄
積するフェーズ1であり、第二段階は蓄積されたデータ
に基づき角度誤差を算出するフェーズ2である。
【0051】フェーズ1における動作を図10により説
明すると、電圧検出器7により検出された電源電圧VD
Cと電流検出器8により検出された三相インバータ2に
対する流入電流IDCとは乗算器29により乗算されて
直流電力(VDC・IDC)が得られる。また、補正角
度発生手段24には電気的回転角速度ωmが入力されて
おり、電動機3が所定値のωm0 で定常的に回転してい
ると認められた場合には補正角度θcompを一定時間
毎にΔθ単位でm回増加、または、減少させながら出力
する。
【0052】サンプリング指示発生手段25は補正角度
θcompを入力してΔθ単位の変化に同期してサンプ
ラ26および27にデータをサンプリングするように指
示を与え、サンプラ26はこのサンプリング指示に同期
して(VDC・IDC)をサンプリングすることにより
(VDC・IDC)(n)を得、サンプラ27はサンプ
リング指示に同期してθcomp(n)を得る。続いて
角度誤差対直流電力特性マップ28bはサンプリングさ
れたデータ(VDC・IDC)(n)とθcomp
(n)とを一組のデータとして補正角度θcompのΔ
θ単位での変化回数m回分を蓄積する。この場合、電動
機3は所定の回転角速度ωm0で正回転しているため、
(VDC・IDC)(+n)のように+符号を付与す
る。
【0053】このようにしてデータがm個分蓄積される
と電動機3の回転は−ωm0に設定され、電動機3が所
定値の−ωm0 で定常的に回転していると認められた場
合に補正角度θcompを一定時間毎にΔθ単位でm回
増加、または、減少させ、同様の動作により角度誤差対
直流電力特性マップ28bは電気的角速度−ωm0 に対
応したデータをm回分蓄積してデータ蓄積を完了する。
なおこのとき、回転角速度は−ωm0 で逆回転している
ため、(VDC・IDC)(−n)のようにマイナス符
号を付与する。データ蓄積の完了は角度誤差算出モード
切替手段19に認識され、角度誤差を算出する角度誤差
算出・補正モード(フェーズ2)を実行するように切り
替えられる。
【0054】角度検出誤差をパラメータとする回転速度
対直流電力の特性は、実施の形態1にて示した図4の電
圧指令を直流電力に置き換えた場合と類似したものにな
る。これはすなわち、上記の図5と図6とで説明したよ
うに、界磁磁束のベクトルと回転直交座標との位相差、
すなわち、角度検出誤差がゼロの場合には力率角ρ0+
と力率角ρ0 −との絶対量が等しくなるために、正回転
時の回転速度がωm0の場合と逆回転時の−ωm0 の場
合とでは有効電力は等しくなり、直流電源4から供給さ
れる直流電力量も等しくなるものであり、図7と図8と
で説明したように位相差がゼロでない場合には力率角ρ
ψ+と力率角ρψ−との絶対量が異なり、電圧ベクトル
の長さも異なるため、正回転時と逆回転時とでは有効電
力が異なり、直流電力量も異なるものである。従って、
角度誤差対直流電力特性マップ28bに蓄積されたデー
タのうち、回転速度がωm0 の場合と−ωm0 の場合と
における直流電力量がより近い値を示す補正角度θco
mpを選択することにより角度誤差をゼロにより近づけ
るように設定することができることになる。
【0055】この動作を図11により説明すると、角度
誤差対直流電力特性マップ28bに全てのデータが蓄積
されると角度誤差算出モード切替手段19は角度誤差を
算出する角度誤差算出・補正モード(フェーズ2)に切
り替わる。このフェーズ2ではまず、角度誤差対直流電
力特性マップ28bから電気的角速度がωm0と−ωm
0 とにおける蓄積データから補正角度θcomp(1)
と、直流電力(VDC・IDC)(+1)と、(VDC
・IDC)(−1)とが出力され、減算器31にて両直
流電力の偏差ΔPDC(1)が算出される。
【0056】角度誤差対直流電力偏差特性マップ32b
は、この算出されたデータθcomp(1)とΔPDC
(1)とを一組のデータ対として蓄積するが、この動作
は角度誤差対直流電力特性マップ28bのデータ個数で
あるm回繰り返されてθcomp(m)とΔPDC
(m)まで蓄積される。続いてデータ抽出手段33は角
度誤差対直流電力偏差特性マップ32bから二つのデー
タ対{θcomp(k)、ΔPDC(k)}と{θco
mp(l)、ΔPDC(l)}とを抽出する。
【0057】角度誤差補間手段34bはこの抽出された
データ対に基づき次式により線形補間を行って直流電力
偏差ΔPDCがゼロになる補正角度θcomp(RO
M)を算出する。
【数9】 このとき、実施の形態1でも説明したように二つのデー
タ対を複数組抽出し、各々に算出した補正角度に統計手
法、例えば平均化処理を施し、補正角度の精度を向上さ
せることもできる。
【0058】ここで算出したθcomp(ROM)が位
相差の補正成分、すなわち、角度検出器6の検出誤差の
補正成分であり、この値が角度補正値記憶手段35に記
憶され、この記憶によりフェーズ2は終了し、これが角
度誤差算出モード切替手段19に認識されて動作モード
は電動機駆動制御モードに切り替えられる。この動作モ
ードの切替は図示しない外部装置に伝達され、制御演算
装置1に入力されるモード信号が電動機駆動制御モード
の指示に切り替わり、電動機駆動制御モードで動作中は
角度補正値記憶手段35に記憶されたθcomp(RO
M)が図9の加算器16に出力されて角度検出器6の検
出誤差を補正する。この発明の実施の形態2による電動
機制御装置においては以上のようにして補正角度θco
mp(ROM)が算出され、角度検出の誤差が補正され
るもので、これにより実施の形態1と同様の効果を有す
ることになる。
【0059】実施の形態3.図12ないし図15は、こ
の発明の実施の形態3による電動機制御装置の構成を説
明するためのもので、図12は制御演算装置の構成を説
明するブロック図、図13は角度誤差演算・補正手段の
データ蓄積部(フェーズ1)の詳細構成を説明するブロ
ック図、図14は角度誤差対電圧指令特性マップの詳細
を説明する説明図、図15は角度誤差演算・補正手段の
角度誤差演算部(フェーズ2)の詳細構成を説明するブ
ロック図であり、実施の形態1との同一部分と相当部分
とには同一符号が付与されている。
【0060】図12において、上記の実施の形態1にて
説明した図1と異なる点は次の通りである。40は電動
機3の固定子温度を検出する固定子温度検出器、41は
電動機3の回転子温度を検出する回転子温度検出器であ
り、制御演算装置1aには実施の形態1の場合とは異な
る内容の角度誤差演算・補正手段15cが設けられてい
るほか、固定子温度検出器40の検出温度を角度誤差演
算・補正手段15cに与える固定子温度検出手段42
と、回転子温度検出器41の検出温度を角度誤差演算・
補正手段15cに与える回転子温度検出手段43とが設
けられている。
【0061】角度誤差演算・補正手段15cの第一段階
の動作部分であるデータ蓄積部(フェーズ1)の構成を
示したのが図13であり、実施の形態1の図2との相違
点は次の通りである。20cは角度誤差算出用データ蓄
積手段、36と37とはサンプラ26および27と連動
するサンプラ、28cは図14に示すようにサンプラ2
6がサンプリングする電圧指令値{(Vda)2+(V
qa)2}(n)と、サンプラ27がサンプリングする
補正角度θcomp(n)と、サンプラ36による固定
子温度tst(n)と、サンプラ37による回転子温度
trt(n)とを記憶する角度誤差対電圧指令特性マッ
プである。
【0062】図15は角度誤差演算・補正手段15cに
おける角度誤差算出演算部(フェーズ2)の構成を示す
ブロック図であり、実施の形態1の図3と異なる点は次
の通りである。図において、30cは角度誤差算出演算
手段、28cは図13と図14とに示した角度誤差対電
圧指令特性マップ、32cは角度誤差対電圧指令偏差特
性マップ、34cは角度誤差補間手段である。
【0063】この実施の形態の電動機制御装置において
は上記の実施の形態1と比較して、角度誤差算出の課程
において電動機3の固定子温度と回転子温度とを入力し
て演算するようにしたものである。上記実施の形態1の
動作原理にて説明したようにd′軸に所定の電流を流し
ながら正転側と逆転側とに同一絶対回転速度で電動機3
を駆動した場合、正転側と逆転側との回転直交座標上の
電圧指令値に現れる不平衡(電圧指令値間の差)に対し
ては固定子温度や回転子温度、あるいは三相インバータ
の温度が影響を与える。特に、これらの温度変動が大き
い場合にはこの影響が無視できない場合があるため、こ
の実施の形態では一例として固定子温度と回転子温度と
を演算に取り入れ、より高精度に角度検出誤差の補正を
行うようにしたものであり、以下に実施の形態1の場合
と異なる点を中心に説明する。
【0064】制御演算装置1aに外部装置からモード信
号として角度誤差算出・補正モードの信号が入力される
と実施の形態1と同様に、電流指令値演算手段13から
はd軸電流指令値としてida=i0 の固定値が、q
軸電流指令値としてiqa=0が出力され、電動機3は
所定の回転角速度にて駆動される。固定子温度検出手段
42は固定子温度検出器40の信号を受けて固定子温度
tstを算出し、回転子温度検出手段43は回転子温度
検出器41の信号を受けて回転子温度trtを算出して
角度誤差演算・補正手段15cに入力する。さらに、角
度誤差演算・補正手段15cにはd軸電圧指令値Vda
とq軸電圧指令値Vqa、および、モード信号と電気的
角速度信号ωm0 が入力されている。
【0065】これらを入力する角度誤差演算・補正手段
15cの動作は実施の形態1と同様に、第一段階の角度
誤差算出用データを蓄積するフェーズ1と、第二段階の
蓄積されたデータに基づき角度誤差を算出するフェーズ
2とに分けられ、このフェーズ1の動作を図13と図1
4とにより説明すると、入力されたd軸電圧指令値Vd
aとq軸電圧指令値Vqaとから実施の形態1と同様に
乗算器21と22および加算器23により(Vda)2
+(Vqa)2 が演算される。また、補正角度発生
手段24は電動機3が所定値のωm0で定常的に回転し
ていると認められる場合に補正角度θcompを一定時
間毎にΔθ単位でm回増加、または、減少させて出力す
る。
【0066】サンプリング指示発生手段25は補正角度
θcompを入力してΔθ単位の変化に同期してサンプ
ラ26、27、36,37にデータをサンプリングする
ように指示を与え、サンプラ26はこの指示に基づき
(Vda)2 +(Vqa)2 をサンプリングすることに
より{(Vda)2 +(Vqa)2 }(n)を得、サン
プラ27はサンプリング指示に同期してθcomp
(n)を得る。また、サンプラ36は固定子温度tst
(n)を、サンプラ37は回転子温度trt(n)をそ
れぞれサンプリングする。サンプリングされたデータは
{(Vda)2 +(Vqa)2 }(n)、θcomp
(n)、tst(n)、trt(n)を一組のデータと
し、補正角度θcompのΔθ単位での変化回数m回に
対応するm個分が得られ、角度誤差対電圧指令特性マッ
プ28cに蓄積される。
【0067】データがm個分蓄積されると、続けて回転
角速度を逆回転の−ωm0として同様にデータを蓄積
し、図14に示すように、正回転時と逆回転時とのそれ
ぞれにおける補正角度と電圧指令値と固定子温度と回転
子温度とを含む角度誤差対電圧指令特性マップ28cを
完成させる。データ蓄積が完了すると角度誤差算出モー
ド切替手段19がこれを認識し、角度誤差演算・補正手
段15cの動作は図15に示すような角度誤差を算出す
る角度誤差算出・補正モード(フェーズ2)に切り替え
られる。
【0068】フェーズ2の動作では、まず、角度誤差対
電圧指令特性マップ28cの電気的角速度がωm0 と−
ωm0 とにおける蓄積データから補正角度θcomp
(1)と、電圧指令値{(Vda)2 +(Vqa)2
(+1)および{(Vda)2+(Vqa)2 }(−
1)が出力され、減算器31にて両電圧指令値の偏差Δ
Va(1)が算出される。角度誤差対電圧指令偏差特性
マップ32cは、このデータθcomp(1)と、電圧
指令値の偏差ΔVa(1)と、回転速度ωm0 での固定
子温度tst(+1)と回転子温度trt(+1)と、
回転速度−ωm0 での固定子温度tst(−1)と回転
子温度trt(−1)とを一組のデータ対として蓄積す
る。そしてこの動作は角度誤差対電圧指令特性マップ2
8aに蓄積されたデータ個数であるm回繰り返されて終
了する。
【0069】続いてデータ抽出手段33は角度誤差対電
圧指令偏差特性マップ32cから二つのデータ対として
{θcomp(k)、ΔVa(k)、tst(+k)、
trt(+k)、tst(−k)、trt(−k)}と
{θcomp(l)、ΔVa(l)、tst(+l)、
trt(+l)、tst(−l)、trt(−l)}と
を抽出する。
【0070】ここで、固定子温度と回転子温度とが電圧
指令値に及ぼす影響は次のように見積もられる。まず、
k番目のデータ対について、回転速度ωm0 、固定子温
度tst(+k)における固定子抵抗値をR+ kと
し、回転速度−ωm0 、固定子温度tst(−k)にお
ける固定子抵抗値をR− kとすると両者の関係は公知
の温度関係式として次式のようになる。
【数10】
【0071】また、回転速度ωm0での界磁磁石の磁束
を回転子温度trt(+k)での値としてΦ+akと
し、また、回転速度−ωm0 での界磁磁石の磁束を回転
子温度trt(−k)での値としてΦ−akとし、磁石
の温度特性に基づく回転子温度の変化による磁束の変動
量を係数Bkで表した場合、Φ+akを基準として次式
で表すことができる。ただし、磁石の温度特性を示す関
数f(t)は磁石の材料により定まるものである。
【数11】
【0072】以上から界磁磁束のベクトルと回転直交座
標との位相差がない場合での固定子の温度変化と回転子
の温度変化とが電圧指令偏差に与える影響を考えてみる
と、まず、回転速度ωm0 における電圧指令は、上記の
(6)式から、次のように表すことができる。
【数12】 また、回転速度−ωm0 における電圧指令は、同様に上
記の(6)式から、次のようになる。
【数13】
【0073】従って、k番目のデータ対について、温度
変化の影響による電圧指令値偏差ΔVtemp(k)は
次式のようになる。
【数14】 同様に、l番目のデータ対にについて、温度変化の影響
による電圧指令値偏差ΔVtemp(l)は次式のよう
になる。
【数15】
【0074】温度変化による電圧指令値の変化成分は以
上のようになるので、角度検出誤差の算出においてはこ
の変化成分を予め除いておけばよいことになる。従っ
て、k番目のデータ対において変化成分を除いた電圧指
令値をΔVb(k)とし、l番目のデータ対において変
化成分を除いた電圧指令値をΔVb(l)とすると、そ
れぞれは次のようになる。 ΔVb(k)=ΔVa(k)−ΔVtemp(k) ・・・(34) ΔVb(l)=ΔVa(l)−ΔVtemp(l) ・・・(35)
【0075】角度誤差補間手段34cでは抽出されたデ
ータに基づき、次式により温度変化の影響を除いて線形
補間を行い、電圧指令値偏差ΔVbがゼロになるときの
補正角度θcomp(ROM)を算出する。
【数16】 このとき、二つのデータ対を複数抽出し、各々に算出し
た補正角度に統計手法、例えば平均化処理を施し、補正
角度の精度を向上させることもできる。
【0076】ここで算出したθcomp(ROM)が位
相差、すなわち、角度検出器6の検出誤差の補正成分で
あり、この値が角度補正値記憶手段35に記憶され、図
12の加算器16に出力されて角度検出器6の検出誤差
を補正する。またこの記憶によりフェーズ2は終了し、
これが角度誤差算出モード切替手段19に認識されて動
作モードは電動機駆動制御モードに切り替えられる。こ
の動作モードの切替は図示しない外部装置に伝達され、
制御演算装置1に入力されるモード信号が電動機駆動制
御モードの指示に切り替わる。
【0077】以上のようにこの発明の実施の形態3によ
る電動機制御装置においては、固定子温度や回転子温度
を検知して電圧指令値に対する変化成分を算出し、この
変化成分を除いた電圧指令値偏差により角度検出誤差を
補正するようにしたので、実施の形態1の場合と同様の
効果を得ることができると共に、温度の変化に対しても
高精度に角度誤差を補正することができるものである。
【0078】なお、以上の説明は、実施の形態1にて説
明した電圧指令値偏差から温度による変化成分を除くよ
うにしたものであるが、実施の形態2にて説明した直流
電力偏差により演算する場合に適用しても同様の効果が
得られるものであり、また、三相インバータに使用され
る半導体素子の特性は温度依存性が高いため、上記の固
定子温度や回転子温度の場合と同様の手法を使用して三
相インバータの温度による変化成分を除去することによ
り、より高精度に角度検出誤差を補正することができる
ものである。
【0079】
【発明の効果】以上に説明したようにこの発明の電動機
制御装置において、請求項1に記載の発明によれば、イ
ンバータにより駆動される電動機の回転角と回転速度と
を検出する角度検出手段と速度検出手段と、電動機の電
流を界磁磁束のベクトルと同期回転する回転直交座標上
の実電流値に置換する電流演算手段と、外部から与えら
れるトルク指令値と回転速度とから回転直交座標上の電
流指令値を演算する電流指令値演算手段と、実電流と電
流指令値とから回転直交座標上の電圧指令値を演算する
電圧指令値演算手段と、電圧指令値を三相電圧指令値に
置換する三相電圧指令値演算手段と、三相電圧指令値を
PWM信号に置換するPWM信号生成手段と、電圧指令
値と三相電圧指令値とPWM信号とのいずれか一つ、ま
たは、いずれか複数と、回転速度とから界磁磁束ベクト
ルの回転直交座標に対する位相差を検出すると共に、角
度検出手段が検出する回転角の検出誤差を補正する角度
誤差算出・補正手段とを備えるようにしたので、機械的
な角度微調整機構などを必要とせず、精度良く回転角の
検出誤差を補正することができ、経年変化などによる劣
化のない電動機制御装置を得ることができるものであ
る。
【0080】また、請求項2に記載の発明によれば、角
度誤差算出・補正手段が、電動機の所定回転速度におい
て、界磁磁束のベクトル方向に対する各位相補正角毎に
回転直交座標上の電圧指令値と三相電圧指令値とPWM
信号のいずれか一つ、または、いずれか複数を回転角と
共にデータ対として記憶し、この記憶したデータ対から
界磁磁束ベクトルの回転直交座標に対する位相差を算出
するようにしたので、特別な装置を要することなく単純
な方法にて角度誤差の算出ができるものである。
【0081】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1の発明に対して三相インバータの直流側入力電
圧および入力電流と、回転速度とから界磁磁束ベクトル
の回転直交座標に対する位相差を検出すると共に、角度
検出手段による回転角の検出誤差を補正する角度誤差算
出・補正手段を備えるようにしたので、請求項1の場合
と同様、機械的な角度微調整機構を必要とせず、経年変
劣化がなく、精度良く回転角の検出誤差を補正すること
ができる電動機制御装置を得ることができるものであ
る。
【0082】さらにまた、請求項4に記載の発明によれ
ば、角度誤差算出・補正手段が、電動機の所定回転速度
において、界磁磁束のベクトル方向に対する各位相補正
角毎に入力電圧と入力電流とを回転角と共にデータ対と
して記憶し、この記憶したデータ対から界磁磁束ベクト
ルの回転直交座標に対する位相差を算出するようにした
ので、請求項2と同様に、特別な装置を要することなく
単純な方法にて角度誤差の算出ができるものである。
【0083】また、請求項5に記載の発明によれば、電
動機の所定回転速度は、回転速度の絶対量が等しく回転
方向が異なる少なくとも一組の回転速度であって、同一
回転角で回転方向が異なる場合の対を構成する各データ
差から界磁磁束ベクトルの回転直交座標に対する位相差
を算出するようにしたので、電動機の定数やバラツキと
は無関係に角度検出誤差を算出することができ、また、
角度誤差の検出機能をソフトウエアとして構成すること
ができ、高精度で部品点数の増加のない安価な電動機制
御装置を得ることができるものである。
【0084】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
電動機の固定子温度、回転子温度、三相インバータ温度
のいずれか一つ、または、複数の温度検出手段を備え、
固定子温度、回転子温度、インバータ温度のいずれか一
つ、または、複数の温度を用いて温度による影響を除去
するようにしたので、電動機やインバータの温度による
検出誤差を除去することができ、精度良く角度検出誤差
を補正することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の電動機制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の電動機制御装置に
使用するデータ蓄積部のブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の電動機制御装置に
使用する角度誤差算出演算部のブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の電動機制御装置の
角度誤差算出の説明図である。
【図5】 この発明による角度検出誤差算出原理の説明
図である。
【図6】 この発明による角度検出誤差算出原理の説明
図である。
【図7】 この発明による角度検出誤差算出原理の説明
図である。
【図8】 この発明による角度検出誤差算出原理の説明
図である。
【図9】 この発明の実施の形態2の電動機制御装置の
構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態2の電動機制御装置
に使用するデータ蓄積部のブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態2の電動機制御装置
に使用する角度誤差算出演算部のブロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態3の電動機制御装置
の構成を示すブロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態3の電動機制御装置
に使用するデータ蓄積部のブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態3の電動機制御装置
に使用する角度誤差対電圧指令特性マップの説明図であ
る。
【図15】 この発明の実施の形態3の電動機制御装置
に使用する角度誤差算出演算部のブロック図である。
【符号の説明】 1、1a 制御演算装置、2 三相インバータ、3 電
動機、4 直流電源、5a、5b、8 電流検出器、6
角度検出器、9 電圧検出器、10 角度検出手段、
11 速度検出手段、12 電流演算手段、13 電流
指令値演算手段、14 電圧指令値演算手段、15a〜
15c 角度誤差算出・補正手段、17 三相電圧指令
値演算手段、18 PWM信号生成手段、19 角度誤
差算出モード切替手段、20a〜20c 角度誤差算出
用データ蓄積手段、24 補正角度発生手段、28a、
28c 角度誤差対電圧指令特性マップ、28b 角度
誤差対直流電力特性マップ、30a〜30c 角度誤差
算出演算手段、32a、32c 角度誤差対電圧指令偏
差特性マップ、32b 角度誤差対直流電力偏差特性マ
ップ、33 データ抽出手段、34a〜34c 角度誤
差補間手段、35 角度補正値記憶手段、42 固定子
温度検出手段、43 回転子温度検出手段。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H560 BB04 BB12 DA00 EB01 RR03 SS01 TT15 XA02 XA12 XA13 5H576 BB06 CC01 DD02 DD07 EE01 EE11 GG01 GG04 GG05 HB01 JJ02 JJ06 JJ08 JJ17 JJ24 JJ25 LL01 LL22 LL24 LL39 LL41 LL45 MM12 MM15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバータにより駆動される電動機の回
    転角を検出する角度検出手段、前記電動機の回転速度を
    検出する速度検出手段、前記電動機の電流を前記電動機
    の界磁磁束のベクトルと同期して回転する回転直交座標
    上の実電流値に置換する電流演算手段、前記電動機に外
    部から与えられるトルク指令値と前記電動機の回転速度
    とから前記回転直交座標上の電流指令値を演算する電流
    指令値演算手段、前記実電流値と前記電流指令値とから
    前記回転直交座標上の電圧指令値を演算する電圧指令値
    演算手段、前記電圧指令値を前記電動機に印加すべき三
    相電圧指令値に置換する三相電圧指令値演算手段、前記
    三相電圧指令値を前記インバータに与えるPWM信号に
    置換するPWM信号生成手段、前記電圧指令値と前記三
    相電圧指令値と前記PWM信号のうちのいずれか一つ、
    または、いずれか複数と、前記電動機の回転速度とから
    前記界磁磁束ベクトルの前記回転直交座標に対する位相
    差を算出すると共に、この位相差により前記角度検出手
    段が検出する回転角の検出誤差を補正する角度誤差算出
    ・補正手段を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 【請求項2】 前記角度誤差算出・補正手段が、前記電
    動機の所定回転速度において、界磁磁束のベクトル方向
    に対する各位相補正角毎に前記回転直交座標上の電圧指
    令値と三相電圧指令値とPWM信号のうちのいずれか一
    つ、または、いずれか複数を回転角と共にデータ対とし
    て記憶し、この記憶したデータ対から前記界磁磁束ベク
    トルの前記回転直交座標に対する位相差を算出すること
    を特徴とする請求項1に記載の電動機制御装置。
  3. 【請求項3】 インバータにより駆動される電動機の回
    転角を検出する角度検出手段、前記電動機の回転速度を
    検出する速度検出手段、前記電動機の電流を前記電動機
    の界磁磁束のベクトルと同期して回転する回転直交座標
    上の実電流値に置換する電流演算手段、前記電動機に外
    部から与えられるトルク指令値と前記電動機の回転速度
    とから前記回転直交座標上の電流指令値を演算する電流
    指令値演算手段、前記実電流値と前記電流指令値とから
    前記回転直交座標上の電圧指令値を演算する電圧指令値
    演算手段、前記電圧指令値を前記電動機に印加すべき三
    相電圧指令値に置換する三相電圧指令値演算手段、前記
    三相電圧指令値を前記インバータに与えるPWM信号に
    置換するPWM信号生成手段、前記インバータの入力電
    圧および入力電流と、前記電動機の回転速度とから前記
    界磁磁束ベクトルの前記回転直交座標に対する位相差を
    算出すると共に、この位相差により前記角度検出手段が
    検出する回転角の検出誤差を補正する角度誤差算出・補
    正手段を備えたことを特徴とする電動機制御装置。
  4. 【請求項4】 前記角度誤差算出・補正手段が、前記電
    動機の所定回転速度において、界磁磁束のベクトル方向
    に対する各位相補正角毎に前記インバータの入力電圧と
    入力電流とを回転角と共にデータ対として記憶し、この
    記憶したデータ対から前記界磁磁束ベクトルの前記回転
    直交座標に対する位相差を算出することを特徴とする請
    求項3に記載の電動機制御装置。
  5. 【請求項5】 前記電動機の所定回転速度は、回転速度
    の絶対量が等しく回転方向が異なる少なくとも一組の回
    転速度であって、同一回転角で回転方向が異なる場合の
    対を構成する各データ差から前記界磁磁束ベクトルの前
    記回転直交座標に対する位相差を算出することを特徴と
    する請求項2または請求項4に記載の電動機制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電動機の固定子温度の検出手段、前
    記電動機の回転子温度の検出手段、前記インバータ温度
    の検出手段のうちのいずれか一つ、または、複数の検出
    手段を備えており、固定子温度、回転子温度、インバー
    タ温度のいずれか一つ、または、複数の温度により前記
    界磁磁束ベクトルの前記回転直交座標に対する位相差が
    補正されて算出されることを特徴とする請求項1〜請求
    項5のいずれか一項に記載の電動機制御装置。
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