JP2002235739A - 複列玉軸受ユニット - Google Patents

複列玉軸受ユニット

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JP2002235739A
JP2002235739A JP2001030565A JP2001030565A JP2002235739A JP 2002235739 A JP2002235739 A JP 2002235739A JP 2001030565 A JP2001030565 A JP 2001030565A JP 2001030565 A JP2001030565 A JP 2001030565A JP 2002235739 A JP2002235739 A JP 2002235739A
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bearing unit
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Masahito Matsui
雅人 松井
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化による剛性の変化及びトルクの変動
が少なく、しかも低コストな構造を実現する。 【解決手段】 複列玉軸受ユニット4aを構成する1対
の外輪10a、10aをハウジング20に対し、互いに
反対側半部のみで、締り嵌めにより内嵌固定する。この
構成により、温度変化に伴う、上記複列玉軸受ユニット
4aの内部隙間の変化量を小さく抑えて、上記課題を解
決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る複列玉軸受ユ
ニットは、ハードディスクドライブ装置(HDD)、フ
レキシブルディスクドライブ装置(FDD)等の磁気デ
ィスクドライブ装置に組み込むスイングアームの揺動支
持部、或はこれら各装置やビデオテープレコーダ(VT
R)等の各種オーディオ・ビジュアル(AV)機器の回
転支持部を構成する為に使用する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の記憶装置として使用す
るHDDは、例えば特開平7−111053号公報に記
載されている様に、図8に示す様な構造を有する。HD
Dの使用時にハードディスク1は、ダイレクトドライブ
型のスピンドルモータにより高速で回転する。又、先端
部にヘッド2を設けたスイングアーム3の基端部は、例
えば図9に示す様な複列玉軸受ユニット4により、基板
5上に植設した、上記ハードディスク1の回転軸と平行
な支持軸6に対し、揺動変位自在に支持している。
【0003】上記複列玉軸受ユニット4を構成する為
に、内側部材である円筒状の内筒7の外周面のうちで軸
方向に離隔した2個所位置に内輪8、8を、締り嵌めで
内嵌固定している。又、これら各内輪8、8の外周面に
は、それぞれ深溝型若しくはアンギュラ型の内輪軌道
9、9を形成している。又、上記各内輪8、8の周囲に
外輪10、10を、これら各内輪8、8と同心に配置し
ている。これら各外輪10、10の内周面には、それぞ
れ深溝型若しくはアンギュラ型の外輪軌道11、11を
形成している。そして、上記各内輪軌道9、9とこれら
各外輪軌道11、11との間に、それぞれ複数個ずつの
玉12、12を転動自在に設けて、1対の玉軸受27、
27としている。尚、これら各玉12、12は、図示を
省略した保持器により転動自在に保持している。
【0004】上述の様な複列玉軸受ユニット4を構成す
るには、上記1対の外輪10、10を、互いに対向する
端面同士を間座13を介して突き合わせると共に、上記
1対の内輪8、8を上記内筒7の軸方向両端部に、締ま
り嵌め或は接着により外嵌固定する。この様に構成した
複列玉軸受ユニット4により前記スイングアーム3(図
8)の基端部を、前記支持軸6に対して揺動自在に支持
するには、この支持軸6の周囲に上記内筒7を配置す
る。そして、この内筒7を、上記支持軸6の基端部に設
けた段部14と、上記支持軸6の先端面にねじ15によ
り結合固定した抑え板16との間で挟持する。図示の例
では、上記1対の内輪8、8を、上記段部14と上記抑
え板16とにより互いに近づき合う方向に押圧して、上
記1対の玉軸受27、27に所定の予圧を付与してい
る。
【0005】但し、これら両玉軸受27、27に所定の
予圧を付与すべく、上記両内輪8、8を互いに近づき合
う方向に押圧する作業は、上記複列玉軸受ユニット4を
上記段部14と上記抑え板16との間に挟持する以前に
行なっても良い。例えば、特公平2−61700号公報
に記載されている様に、複列玉軸受ユニットに付与した
予圧と当該複列玉軸受ユニットの共振周波数との間には
一定の関係がある事が知られている。従って、例えば特
開平6−344233号公報に記載されている様に、圧
電素子等により上記複列玉軸受ユニットを振動させてこ
の複列玉軸受ユニットの共振周波数を測定しつつ、この
複列玉軸受ユニットへの予圧付与を行なえば、適正な予
圧付与を行なえる。又、上記各外輪10、10及び間座
13の外周面に、上記スイングアーム3の基端部を構成
する、請求項に記載した外側部材に相当するEブロック
17を、締り嵌め或は接着により外嵌固定する。そし
て、このEブロック17の一部分に、前記スイングアー
ム3を駆動する(揺動させる)為の、ボイスコイルモー
タ(VCM)18を取り付けている。
【0006】上述の様に組み立てた状態で、上記スイン
グアーム3の先端部に支持した前記ヘッド2(図8)
は、このスイングアーム3の揺動に伴って、前記ハード
ディスク1(図8)の表面に近接した状態のまま、この
表面を倣う様に移動しつつ、信号の読み取り並びに書き
込みを行なう。尚、HDDやFDD等の磁気ディスクド
ライブ装置やVTR等の各種AV機器の回転支持部を構
成するのにも、ほぼ同様の複列玉軸受ユニットが使用さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、HDD等の記憶
装置の高密度化が進み、ハードディスク1やフレキシブ
ルディスクに信号を記録するトラックの幅が益々狭くな
っている。又、磁気記録の読み取り並びに書き込みの高
速化も図られている。そして、この様に極端に幅が狭く
なっているトラックを、ヘッド2により忠実に、しかも
高速でトレースする必要上、上記スイングアーム3の揺
動変位に伴う位置決め精度並びに揺動速度の向上が求め
られている。そして、この様な要求に応じるべく、上記
複列玉軸受ユニット4として、剛性の変化が少ないも
の、並びに回転に要するトルクが小さく、トルクスパイ
ク(急激なトルク変動)の様なトルク変動を生じないも
のが求められている。ところが、図9に示した従来の複
列玉軸受ユニット4の場合には、この様な要求に応える
事が難しい。
【0008】即ち、例えば図9に示した様なスイングア
ーム支持用の複列玉軸受ユニット4の場合には、小型・
軽量化及びコスト低減の為、Eブロック17を各外輪1
0、10及び間座13に、他の部材を介さずに直接、外
嵌固定している。又、これら各部材10、13、17を
構成する材料として、通常、上記各外輪10、10には
ステンレス鋼若しくは軸受鋼を、上記間座13にはステ
ンレス鋼を、上記Eブロック17にはアルミニウム合金
を、それぞれ使用している。ところが、これら各材料の
線膨張係数は、ステンレス鋼が(1〜1.8)×10-5
程度、軸受鋼が(1.2〜1.3)×10-5程度と、そ
れぞれ比較的小さいのに対し、アルミニウム合金の場合
には、(2〜2.5)×10-5程度と、比較的大きい。
この為、使用時の温度変化に基づいて、ステンレス鋼製
若しくは軸受鋼製の上記各外輪10、10及び間座13
と、アルミニウム合金製の上記Eブロック17との、直
径方向に関する互いの熱変形量に差が生じる。そして、
この熱変形量の差により、使用時に上記複列玉軸受ユニ
ット4の内部隙間が変化する。
【0009】特に、近年、上記HDD等の記憶装置の小
型化と、この記憶装置内に組み込まれるモータの高出力
化とが進み、この記憶装置内の温度が益々高くなってい
る。この為、使用時の温度変化の幅が大きくなり、上記
各外輪10、10及び間座13と上記Eブロック17と
の、直径方向に関する互いの熱変形量の差も大きくな
る。この為、使用時に於ける上記複列玉軸受ユニット4
の内部隙間の変化量も大きくなる。この結果、上記従来
構造の場合には、使用時に於ける複列玉軸受ユニット4
の剛性の変化及びトルクの変動が大きくなると言う不都
合が生じる。本発明の複列玉軸受ユニットは、上述の様
な事情に鑑みて、温度変化による剛性の変化及びトルク
の変動が少なく、しかも低コストな構造を実現すべく発
明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の複列玉軸受ユニ
ットは、前述した従来から知られている複列玉軸受ユニ
ットと同様に、内側部材の外周面のうちで軸方向に離隔
した2個所位置にそれぞれ締り嵌めで外嵌固定された、
それぞれの外周面に内輪軌道を形成した1対の内輪と、
外側部材の内周面の軸方向に離隔した2個所位置にそれ
ぞれ締り嵌めで内嵌固定された、それぞれの内周面に外
輪軌道を形成した1対の外輪と、これら各外輪軌道と上
記各内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に
設けられた玉とを備える。そして、上記1対の内輪同士
を互いに近づき合う方向に押圧する事によりこれら各玉
に、外向の(背面組み合わせの)接触角を付与すると共
に、予圧を付与している。特に、本発明の複列玉軸受ユ
ニットに於いては、上記各外輪は上記外側部材に対し
て、互いに反対側となる部分のみで嵌合固定されてい
る。
【0011】
【作用】上述の様に構成する本発明の複列玉軸受ユニッ
トによれば、各外輪を外側部材に締り嵌めで内嵌固定す
る際に於ける、これら各外輪の内周面に形成した外輪軌
道の直径の変化量を少なく抑えられる。この結果、温度
変化に伴って上記外側部材と上記各外輪との寸法が変化
した場合にも、上記外輪軌道の直径の変化を抑えて、上
記複列玉軸受ユニットの予圧変化を小さく抑える事がで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。複列玉軸受ユニット4aを構成する
為、請求項に記載した内側部材である軸19の外周面の
一部で軸方向に離隔した2個所位置に、それぞれの外周
面に深溝型の内輪軌道9を形成した内輪8、8を、締り
嵌めで外嵌固定している。又、これら内輪8、8の周囲
には、請求項に記載した外側部材である、円筒状のハウ
ジング20を、これら両内輪8、8と同心に配置してい
る。そして、このハウジング20の内周面の軸方向に離
隔した2個所位置に、それぞれの内周面に深溝型の外輪
軌道11aを形成した1対の外輪10a、10aを、そ
れぞれ締り嵌めで内嵌固定している。そして、上記各内
輪軌道9、9と上記各外輪軌道11a、11aとの間
に、それぞれ複数個ずつの玉12、12を、転動自在に
設けている。又、上記軸19に上記各内輪8、8を外嵌
固定する際に、これら両内輪8、8を互いに近づく方向
に押圧する事により、上記各玉12、12に、外向(背
面組み合わせ型の)接触角を付与すると共に、これら各
玉12、12に予圧を付与している。
【0013】尚、予圧付与の方法は、従来から知られて
いる各種方法を使用できるが、例えば、上記複列玉軸受
ユニット4aの共振周波数を測定しつつ、何れかの内輪
8を他の内輪8に向け押圧する方法が、好ましく使用で
きる。この方法により上記各玉12、12に予圧を付与
する場合には、圧電素子により上記1対の内輪8、8を
振動させつつ、これら両内輪8、8を互いに近づく方向
に、軸方向に移動させる。同時に、振動センサにより、
上記複列玉軸受ユニット4aの共振周波数を検出する。
そして、この共振周波数が必要な予圧に対応する値とな
った時点で、上記両内輪8、8を押圧する作業を終了す
る。この状態で、上記各玉12、12に所望の予圧が付
与された状態となる。
【0014】特に、本例の複列玉軸受ユニット4aに於
いては、上記各外輪10a、10aの外周面を、大径部
21と小径部22とを段部23により連続させた、段付
形状としている。この様な外周面形状を有する上記各外
輪10a、10aは、それぞれの大径部21を軸方向外
側、即ち、互いに反対側に位置させた状態で、上記ハウ
ジング20に、締り嵌めで内嵌固定している。この状態
で、上記各外輪10a、10aの外周面のうちで小径部
22と上記ハウジング20の内周面との間には円筒状の
隙間24が、それぞれ全周に亙って存在する状態とな
る。特に、上記予圧付与に伴って上記各玉12、12に
加わる荷重の作用方向(接触角の方向)には、上記隙間
24が存在する(接触角の方向を表す直線α、αがこの
隙間24を通過する)状態となる。
【0015】上述の様に構成する本発明の複列玉軸受ユ
ニット4aによれば、上記各外輪10a、10aを前記
ハウジング20に締り嵌めで内嵌固定する際に於ける、
これら各外輪10a、10aの内周面に形成した各外輪
軌道11a、11aの直径の変化量を少なく抑えられ
る。この結果、温度変化に伴って上記ハウジング20と
上記各外輪10a、10aとの寸法が変化した場合に
も、上記各外輪軌道11a、11aの直径の変化を抑え
て、前記複列玉軸受ユニット4aの予圧変化を小さく抑
える事ができる。
【0016】この点に就いて、図2により説明する。
尚、以下の説明は、上記各外輪10a、10aを、軸受
鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等の比較的線膨張係
数が小さい金属材料により、上記ハウジングをオーステ
ナイト系ステンレス鋼やアルミニウム合金等の比較的線
膨張係数が大きい金属材料により、それぞれ造った場合
に就いて行なう。
【0017】図2には、本発明の複列玉軸受ユニット4
aを構成する為の外輪10aをハウジング20に締り嵌
めで内嵌固定した状態を実線イにより、前述の図9に示
した従来の複列玉軸受ユニット4を構成する為の外輪1
0をハウジング20に締り嵌めで内嵌固定した状態を鎖
線ロにより、それぞれ描いている。これら実線イと破線
ロとを比較すれば明らかな通り、従来構造を構成する外
輪10が軸方向に関する全幅に亙って内径が縮まるのに
対して、本発明構造を構成する外輪10aは、大径部2
1に対応する部分の内径は従来構造の場合と同様に縮ま
るのに対して、小径部22に対応する部分の内径は上記
大径部21に対応する部分程は縮まらない。この為、本
発明構造を構成する外輪10aの内周面に形成した外輪
軌道11aの直径も、上記従来構造を構成する外輪10
の内周面に形成した外輪軌道11程は縮まらず、上記小
径部22に対応する部分は傾斜した状態となる。
【0018】この状態から、温度上昇に伴って上記ハウ
ジング20が膨張し、このハウジング20の内径が大き
くなると、上記従来構造を構成する外輪10の直径は、
図2に破線ハで示す様に、上記ハウジング20の内径の
拡大分だけ広がる。そして、上記外輪10の内周面に形
成した外輪軌道11が径方向外方に変位する。即ち、温
度上昇に伴う上記ハウジング20の内径の拡大量が、こ
のハウジング20に対する上記外輪10の締め代以下で
ある場合には、温度上昇に伴って上記ハウジング20の
内径が2Rだけ大きくなると、上記外輪軌道11がR分
だけ径方向外方に変位する。この様に、この外輪軌道1
1の径方向に関する変位量が大きくなると、上記複列玉
軸受ユニット4の予圧変化が大きくなる。
【0019】これに対して本発明構造を構成する外輪1
0aの場合、温度上昇に伴って上記ハウジング20が膨
張してこのハウジング20の内径が大きくなると、上記
本発明構造を構成する外輪10aのうちで前記大径部2
1に対応する部分の直径が、上記ハウジング20の内径
の拡大分だけ広がる。これに伴って、上記小径部22に
対応する部分の傾斜角度が緩和される。この結果、温度
上昇時にこの外輪軌道11aが、従来構造に関する外輪
軌道11の温度上昇時に変位した位置を示す破線ハ位置
に、r分だけ径方向外方に変位する。この様な、本発明
構造の場合に温度上昇に伴う上記外輪軌道11aの径方
向に関する変位量rは、上述した従来構造に於ける外輪
軌道11の径方向に関する変位量Rよりも小さい(r<
R)。
【0020】本発明の複列玉軸受ユニット4aの場合に
は、上述の様に、温度変化に伴うハウジング20の内径
変化が外輪軌道11aの直径変化に及ぼす影響を小さく
して、その分、上記複列玉軸受ユニット4aの内部隙間
の変化量を小さく抑え、この複列玉軸受ユニット4aの
予圧変化を抑えられる。又、本発明の複列玉軸受ユニッ
ト4aの場合には、背面組み合わせ型の接触角を付与さ
れた前記各玉12、12から上記各外輪10a、10a
に加わる荷重の作用線(接触角の方向を表す直線α、α
と同じ)の延長上に前記小径部22が存在し、この小径
部22の外周面と上記ハウジング20の内周面との間に
隙間24が存在する。この為、温度低下に伴ってこのハ
ウジング20の内径が縮まった場合でも、上記小径部2
2に対応する部分で上記各外輪10a、10aが傾斜
し、上記複列玉軸受ユニット4a内の軸受隙間が小さく
なる(負の軸受隙間の絶対値が大きくなる)事を緩和す
る。この為、温度低下に伴って上記ハウジング20の内
径が縮まった場合にも、上記複列玉軸受ユニット4aの
予圧が過大になるのを防止できる。
【0021】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、複列玉軸受ユニット
4bを構成する1対の外輪10b、10bの軸方向に関
する幅寸法を、同じく内輪8、8の幅寸法よりも大きく
して、これら両外輪10b、10bの端面同士を突き合
わせている。これら両外輪10b、10bの突き合わせ
面は、断面形状が円弧形である凸曲面として、温度変化
に基づくハウジング20の内径変化に伴う、小径部22
に対応する部分の傾斜変位が円滑に行なわれる様にして
いる。又、支持軸6aの一端部(図3の下端部)に形成
した外向フランジ状の鍔部25に一方(図3の下方)の
内輪8の端面を突き当てて、この内輪8の軸方向に関す
る位置決めを図っている。その他の構成及び作用は、上
述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一
符号を付して、重複する説明を省略する。
【0022】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、複列玉軸受ユニット
4cを構成する1対の外輪10c、10c同士の間に間
座13aを挟持している。この様な間座13aを設ける
事に伴って、上記各外輪10c、10cの軸方向に関す
る幅寸法を、それぞれ内輪8、8の幅寸法と同じとして
いる。その他の構成及び作用は、上述した第2例の場合
と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複
する説明を省略する。
【0023】次に、図5は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、複列玉軸受ユニット
4dを構成する1対の外輪10、10の外周面は単なる
円筒面とし、その代わりに、これら両外輪10、10を
内嵌固定するハウジング20aの内周面を段付形状とし
ている。即ち、このハウジング20aの内周面中間部に
大径部26を形成し、上記各外輪10、10の軸方向内
半部を、この大径部26の端部周囲に位置させている。
この様な本例の構造の場合も、前述の図1に示した第1
例の場合と同様の作用・効果を得られる。
【0024】
【実施例】本発明の効果を確認する為に、有限要素法を
用いて、温度と軸受隙間及び予圧との関係を計算した結
果に就いて、前述の図8に示す様な、HDD用スイング
アーム3の揺動支持部を構成する複列玉軸受ユニットを
例にして説明する。この複列玉軸受ユニットを構成する
1対の玉軸受は、それぞれ内径が4mm、外径が7mm、幅
が2mmの深溝型のものを使用した。この様な各玉軸受を
構成する外輪とハウジングとの嵌合部の、軸方向に関す
る幅寸法を0.8mmとした。又、ハウジング及び軸の材
質をオーステナイト系ステンレス鋼(線膨張係数1.7
3×10-5[℃-1])、上記各玉軸受を構成する内輪、
外輪、玉の材質をマルテンサイト系ステンレス鋼(線膨
張係数1.01×10-5[℃-1])とした。
【0025】前述した通り、予圧が変化する要因は、温
度変化によって、上記各玉軸受やハウジング、軸等が膨
張・収縮して、これら各玉軸受の軸受隙間が変化する為
である。今回の計算例では、上記ハウジングと上記軸と
の材質が同じなので、温度変化に伴うアキシアル隙間の
変化は殆どなく、ラジアル隙間のみが変化する。ラジア
ル隙間が変化しなければ、予圧も変化しない。そこで、
上記外輪と上記ハウジングとの締め代を4μm、上記各
玉軸受を構成する内輪と軸との締め代を4μmとして計
算を行った。その結果を、図6〜7に示す。このうちの
図6は、温度と軸受隙間(ラジアル隙間)との関係を、
従来例の20℃の状態での軸受隙間を1として示した。
図6の実線Aが本発明の場合を、破線Bが従来例の場合
を、それぞれ示している。この様な図6から明らかな通
り、本発明によれば、温度に対する軸受隙間の変化の割
合を小さくできる。
【0026】又、図7は、温度と予圧との関係を、20
℃の状態での予圧を1として表した。図7の実線Aが本
発明の場合を、破線Bが従来例の場合を、それぞれ示し
ている。この図7から明らかな通り、従来構造の場合に
は、85℃に達した状態で予圧が抜けて(予圧がゼロに
なって)しまうのに対して、本発明構造の場合には、1
20℃まで、予圧が抜けない。近年のHDD等の高速化
要求によって、複列玉軸受ユニット周辺が高温になり、
100℃前後になる可能性もある為、従来品では、予圧
抜けの為に使用できなくなる可能性がある。これに対し
て本発明の構造によれば、100℃程度の温度に達した
場合でも、未だ予圧を確保できる為、十分に使用に堪え
る。尚、本発明を実施する場合に、ハウジングに対して
外輪を締り嵌めで内嵌させる、所謂嵌め合い長さは、こ
れら外輪とハウジングとの嵌め合いに基づく外輪の固定
を安定して行なえる範囲で、しかもこの外輪の内周面に
形成した外輪軌道の溝底(径が最も大きくなった部分)
が、嵌め合いに基づいてあまり収縮しない範囲で規制す
る。この様な事を考慮した場合には、上記嵌め合い長さ
を、上記外輪の軸方向に関する幅寸法の1/4〜3/4
程度に設定する事が好ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明の複列玉軸受ユニットは、以上に
述べた通り構成され作用する為、使用時に於ける剛性の
変化及びトルクの変動を抑える事ができ、例えば、スイ
ングアームの揺動変位に伴う位置決め精度並びに揺動速
度の向上を図れる。又、この様な構造を低コストで実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】作用を説明する為の、図1のA部拡大図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】同第4例を示す断面図。
【図6】本発明構造と従来構造とに関して、温度と軸受
隙間との関係を示す線図。
【図7】本発明構造と従来構造とに関して、温度と予圧
との関係を示す線図。
【図8】本発明の対象となる複列玉軸受ユニットにより
支承するスイングアームを組み込んだHDDの1例を、
カバーを外した状態で示す斜視図。
【図9】従来構造の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ハードディスク 2 ヘッド 3 スイングアーム 4、4a、4b、4c、4d 複列玉軸受ユニット 5 基板 6、6a 支持軸 7 内筒 8 内輪 9 内輪軌道 10、10a、10b、10c 外輪 11、11a 外輪軌道 12 玉 13、13a 間座 14 段部 15 ねじ 16 抑え板 17 Eブロック 18 ボイスコイルモータ 19 軸 20、20a ハウジング 21 大径部 22 小径部 23 段部 24 隙間 25 鍔部 26 大径部 27 玉軸受

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側部材の外周面のうちで軸方向に離隔
    した2個所位置にそれぞれ締り嵌めで外嵌固定された、
    それぞれの外周面に内輪軌道を形成した1対の内輪と、
    外側部材の内周面の軸方向に離隔した2個所位置にそれ
    ぞれ締り嵌めで内嵌固定された、それぞれの内周面に外
    輪軌道を形成した1対の外輪と、これら各外輪軌道と上
    記各内輪軌道との間に、それぞれ複数個ずつ転動自在に
    設けられた玉とを備え、上記1対の内輪同士を互いに近
    づき合う方向に押圧する事によりこれら各玉に予圧を付
    与している複列玉軸受ユニットに於いて、上記各外輪は
    上記外側部材に対して、互いに反対側となる部分のみで
    嵌合固定されている事を特徴とする複列玉軸受ユニッ
    ト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013224733A (ja) * 2012-03-23 2013-10-31 Seiko Instruments Inc 転がり軸受、転がり軸受装置およびピボット装置
CN103753179A (zh) * 2014-01-21 2014-04-30 安徽江淮汽车股份有限公司 一种汽车变速箱离合器油路缸套和输入轴轴承压装装置
JP7421523B2 (ja) 2021-08-24 2024-01-24 ダイハツ工業株式会社 トランスアクスル

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