JP2002257134A - スイングアーム用転がり軸受ユニットとその製造方法 - Google Patents

スイングアーム用転がり軸受ユニットとその製造方法

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JP2002257134A
JP2002257134A JP2001053643A JP2001053643A JP2002257134A JP 2002257134 A JP2002257134 A JP 2002257134A JP 2001053643 A JP2001053643 A JP 2001053643A JP 2001053643 A JP2001053643 A JP 2001053643A JP 2002257134 A JP2002257134 A JP 2002257134A
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rolling bearing
swing arm
bearing unit
torque
ball bearings
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Hiromitsu Muraki
宏光 村木
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産した場合でも、トルクのばらつきを生じ
にくく、しかも低コストで提供できる転がり軸受ユニッ
トを実現する。 【解決手段】 1対の玉軸受7、7を構成する各内輪
9、9に、互いに近付き合う方向のアキシアル荷重を加
えつつ、内筒5と外筒6との間の動トルクをロードセル
22により測定する。そして、この動トルクを測定しつ
つ、微動送り装置19の変位部を変位させ、上記アキシ
アル荷重を漸増する。そして、上記動トルクが所望の値
になった状態で、上記各内輪9、9を上記内筒5に固定
する。この結果、上記各玉軸受7、7に常に適正な予圧
を付与する事ができ、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るスイングアー
ム用転がり軸受ユニットは、ハードディスクドライブ装
置(HDD)、フレキシブルディスクドライブ装置(F
DD)等の磁気ディスクドライブ装置に組み込むスイン
グアームを揺動変位自在に支持する為に使用する。又、
スイングアーム用転がり軸受ユニットの製造方法は、こ
の転がり軸受ユニットを、1対の玉軸受に適正な予圧を
付与しつつ各部材を組み合わせる為に利用する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ等の記憶装置として使用す
るHDDは、例えば特開平7−111053号公報に記
載されている様に、図4に示す様な構造を有する。HD
Dの使用時にハードディスク1は、ダイレクトドライブ
型の電動モータにより高速で回転する。又、先端部にヘ
ッド2を設けたスイングアーム3の基端部は、例えば図
5に示す様な転がり軸受ユニット4により、上記ハード
ディスク1の回転軸と平行な支持軸に対し、揺動変位自
在に支持している。
【0003】この図5に示す転がり軸受ユニット4は、
内側部材である円筒状の内筒5と、この内筒5の周囲に
配置された、外側部材である円筒状の外筒6と、これら
内筒5と外筒6とを相対回転自在に支持する1対の玉軸
受7、7とを備える。このうちの玉軸受7、7はそれぞ
れ、外周面に深溝型若しくはアンギュラ型の内輪軌道8
を有する内輪9と、内周面に深溝型若しくはアンギュラ
型の外輪軌道10を有する外輪11と、上記内輪軌道8
と外輪軌道10との間に転動自在に設けた複数個の玉1
2、12とから成る。これら各玉12、12は、図示を
省略した保持器により転動自在に保持している。又、図
示を省略するが必要に応じて、上記外輪11の両端部内
周面に係止溝を、ぞれぞれ全周に亙り形成すると共に、
これら各係止溝にシールド板の外周縁を係止して、上記
複数個の玉12、12を設置した空間内のグリースの漏
洩防止を図る。
【0004】上述の様な1対の玉軸受7、7は、互いの
外輪11、11同士の間に間座13を挟持した状態で、
これら各外輪11、11を上記外筒6の軸方向両端部内
周面に、接着により内嵌固定している。又、上記各内輪
9、9は、図6に示す様に、鉛直方向上側の一方の内輪
9に重錘(デッドウェイト)14を載置した状態で、即
ち、互いに近付き合う方向のアキシアル荷重を加えた状
態で、上記内筒5の軸方向両端部外周面に、接着により
外嵌固定している。この為、上記各玉12、12には、
互いに逆方向の接触角で(外向き或は背面組み合わせ型
の)予圧が付与されている。尚、この様に各玉軸受7、
7に予圧を付与する理由は、これら各玉軸受7、7の剛
性を確保し、回転精度を向上させる為である。又、この
予圧を適正な値に規制する為の転がり軸受ユニット4の
製造方法としては、上記重錘14、或は、ばね等により
所定のアキシアル荷重を上記各内輪9に加える方法の
他、共振周波数の測定値に基づいてアキシアル荷重を調
整しつつ各内輪に加える方法等がある。
【0005】上述の様な転がり軸受ユニット4によりス
イングアーム3(図4)の基端部を、前記支持軸に対し
て揺動自在に支持するには、この支持軸に上記内筒5を
外嵌固定すると共に、上記外筒6に上記スイングアーム
3の基端部を構成するEブロック等の部材を外嵌固定す
る。そして、このEブロック等の部材の一部分に、上記
スイングアーム3を駆動する(揺動させる)為の、ボイ
スコイルモータ(VCM)を取り付ける。この状態で、
上記スイングアーム3の先端部に支持した前記ヘッド2
(図4)が、このスイングアーム3の揺動に伴って、前
記ハードディスク1(図4)の表面に近接した状態のま
ま、この表面を倣う様に移動しつつ、信号の読み取り並
びに書き込みを行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、HDD等の記憶
装置の高密度化が進み、ハードディスク1やフレキシブ
ルディスクに信号を記録するトラックの幅が益々狭くな
っている。又、磁気記録の読み取り並びに書き込みの高
速化も図られている。そして、この様に極端に幅が狭く
なっているトラックを、ヘッド2により忠実に、しかも
高速でトレースする必要上、上記スイングアーム3の揺
動変位に伴う位置決め精度並びに揺動速度の向上が求め
られている。
【0007】又、近年、上記HDD等の記憶装置の小型
化に伴って、消費電力の低減化も求められている。特
に、ラップトップコンピュータ(所謂ノート型パソコ
ン)や携帯情報端末等に使われる小型HDD{所謂2.
5インチ(6.35cm)以下のHDD}の場合には、電
源として主に電池を使用する為、上記スイングアーム3
が低トルクで揺動する事が強く求められている。そし
て、この様な要求に応じるべく、上記転がり軸受ユニッ
ト4として、回転に要するトルク(起動トルク及び動ト
ルク)が小さく、トルクスパイク(急激なトルク変動)
の様なトルク変動を生じにくいものが求められている。
ところが、前述の図5に示した従来の転がり軸受ユニッ
ト4の場合には、この様な要求に応える事が難しい。
【0008】即ち、この従来の転がり軸受ユニット4の
場合には、この転がり軸受ユニット4を構成する1対の
玉軸受7、7に付与される予圧に、ばらつきが生じる可
能性がある。この為、上記転がり軸受ユニット4を量産
した場合に、ものによってはトルクが大きかったり、ト
ルク変動が生じ易かったりする可能性がある。即ち、前
述の図6に示す様な重錘14等により、上記各玉軸受
7、7に常に所定の(一定の)アキシアル荷重を加える
場合には、内輪軌道8及び外輪軌道10や各玉12、1
2の加工誤差の影響を受け易い。より具体的には、これ
ら内輪軌道8及び外輪軌道10や各玉12、12の加工
誤差に基づいて、これら各軌道8、10の曲率やラジア
ル隙間にばらつきが生じる。そして、この様なばらつき
を考慮せず、上述の様に常に一定のアキシアル荷重を加
えて予圧付与を行なう場合には、この予圧が適正な値か
ら外れてしまう可能性が生じる。
【0009】この様なばらつきをなくすべく、上記内輪
軌道8及び外輪軌道10や各玉12、12の加工精度を
可及的に高める事が考えられるが、加工時間や加工コス
ト等が嵩む為、好ましくない。一方、共振周波数の測定
値に基づいて上記アキシアル荷重を調整する事により、
上記各玉軸受7、7に適正の予圧を付与する場合には、
この共振周波数を測定する為の測定機器が高価になる。
又、煩雑な調整作業を行なう必要がある為、製造コスト
が嵩むだけでなく、生産効率も低くなる。本発明は、こ
の様な事情に鑑みて、量産した場合でも、トルクにばら
つきが生じにくく、しかも低コストで提供できるスイン
グアーム用転がり軸受ユニット及びその製造方法を実現
すべく発明したものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスイングア
ーム用転がり軸受ユニットは、前述した従来から知られ
ているスイングアーム用転がり軸受ユニットと同様に、
使用時にも回転しない部分に固定する内側部材と、この
内側部材の周囲に配置され、外周面にスイングアームの
基端部を外嵌支持自在な外側部材と、この外側部材と上
記内側部材とを相対回転自在に組み合わせるべく、それ
ぞれの外輪を上記外側部材の内周面で軸方向に離隔した
2個所位置に、それぞれの内輪を上記内側部材の外周面
で軸方向に離隔した2個所位置に、それぞれ固定した1
対の玉軸受とを備える。
【0011】特に、請求項1に記載した本発明のスイン
グアーム用転がり軸受ユニットに於いては、上記両玉軸
受を構成する、それぞれ1対ずつの内輪と外輪とのうち
の何れかの軌道輪に、互いに近付け合う方向のアキシア
ル荷重を加えつつ、上記内側部材と外側部材との間の動
トルクを測定する。そして、この動トルクの測定値に基
づいて上記アキシアル荷重を調整しつつ、この動トルク
が所望の値になった状態で、上記何れかの軌道輪を当該
内側部材若しくは外側部材に固定する事により、上記各
玉軸受に適正な予圧を付与している。
【0012】又、請求項2に記載した本発明のスイング
アーム用転がり軸受ユニットの製造方法は、何れか一方
の内輪に当該内輪を他方の内輪に近付ける方向のアキシ
アル荷重を加えつつ上記内側部材を所定の回転速度で回
転させた状態で、上記外側部材に外嵌したトルク測定用
治具の外周面に固設したトルク測定用腕により、この外
側部材と内側部材との間の動摩擦に基づく動トルクを測
定する。そして、この動トルクの測定値が所望の値にな
った状態で、上記一方の内輪を上記内側部材に固定す
る。
【0013】
【作用】上述の様に構成する本発明のスイングアーム用
転がり軸受ユニット、及び、その製造方法により製造し
たスイングアーム用転がり軸受ユニットによれば、内側
部材と外側部材との間の動トルクを測定し、この動トル
クが所望の値になった状態で、各玉軸受の内輪若しくは
外輪を当該内側部材若しくは外側部材に(より好ましく
は、内輪を内側部材に)固定する為、これら各玉軸受に
常に適正の予圧を付与できる。この為、これら各玉軸受
の剛性を適正値として、上記スイングアーム用転がり軸
受ユニットの回転精度等を十分に確保できると共に、量
産した場合でも、低トルクでトルク変動の生じにくい転
がり軸受ユニットを安定して提供する事ができる。又、
内輪軌道及び外輪軌道や各玉の加工精度を高度に維持す
る必要もなく、しかも、上記内側部材と外側部材との間
の動トルクを測定する装置が、前述の共振周波数測定装
置よりも高価になる事もない。この為、上記転がり軸受
ユニットの製造コストが嵩む事も防止できる。この結
果、この転がり軸受ユニットを組み込むスイングアーム
の位置決め精度並びに揺動速度の向上を図れ、しかも、
このスイングアームを組み込むHDDのコスト低減、並
びにこのスイングアームの揺動トルクの低減に基づく上
記HDDの消費電力の低減(電池寿命の延長)に寄与で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、これら図1〜2は、転がり
軸受ユニット4aの製造途中で、この転がり軸受ユニッ
ト4aを構成する1対の玉軸受7、7に予圧を付与する
状態を示している。本例の転がり軸受ユニット4aは、
内側部材である内筒5と、外側部材である外筒6と、1
対の玉軸受7、7と、間座13とを備える。このうちの
内筒5は、好ましくはステンレス鋼等、線膨張係数が上
記各玉軸受7、7を構成する内輪9を造っている材料と
大差のない材料により、全体を円筒状に形成している。
又、上記外筒6は、同じくステンレス鋼にプレス加工、
絞り加工等の塑性加工を施す事により、全体を円筒状に
形成している。又、上記間座13は、やはりステンレス
鋼にプレス加工、絞り加工等の塑性加工を施す事によ
り、全体を円筒状に形成している。
【0015】又、上記1対の玉軸受7、7はそれぞれ、
外周面に深溝型若しくはアンギュラ型の内輪軌道8を有
する内輪9と、内周面に深溝型若しくはアンギュラ型の
外輪軌道10を有する外輪11と、上記内輪軌道8と外
輪軌道10との間に転動自在に設けた複数個の玉12、
12とから成る。これら複数個の玉12、12は、図示
を省略した保持器により転動自在に保持している。又、
図示は省略するが、必要に応じて、上記外輪11の両端
部内周面に係止溝を、ぞれぞれ全周に亙り形成すると共
に、これら各係止溝にシールド板の外周縁を係止して、
上記複数個の玉12、12を設置した空間内のグリース
の漏洩防止を図る。尚、上記内輪9及び外輪11並びに
上記各玉12、12は、それぞれステンレス鋼若しくは
軸受鋼により造っている。
【0016】上述の様な1対の玉軸受7、7は、互いの
外輪11、11同士の間に間座13を挟持した状態で、
これら各外輪11、11を上記外筒6の軸方向両端部内
周面に、接着により内嵌固定している。又、上記各内輪
9、9は、図1に示す様に、一方(図1の上方)の内輪
9を他方(図1の下方)の内輪9に向け押圧する事によ
り、互いに近付き合う方向のアキシアル荷重を加えた状
態で、上記内筒5の軸方向両端部外周面に、接着により
外嵌固定している。特に、本例の場合には、上記各内輪
9、9にアキシアル荷重を加えつつ、上記内筒5と外筒
6との間の動トルクを測定し、この動トルクが所望の値
となった状態で、上記各内輪9、9を上記内筒5に接着
固定する。
【0017】即ち、本例の場合は、これら各内輪9、9
と内筒5との固定作業を次の様に行なう。先ず、これら
各内輪9、9の内周面と上記内筒5の外周面との間に接
着剤を塗布した状態(完全に接着する前の状態)で、こ
れら各内輪9、9に上記内筒5を内嵌する。そして、使
用時に回転するステージ15の鉛直方向上面に固設した
円筒状の嵌合筒部16に、上記内筒5の一端部(図1の
下端部)を内嵌支持する。又、この状態で、上記嵌合筒
部16の上端面と、図1の下方に位置する一方の玉軸受
7の内輪9の下側面とを、全周に亙って当接さる。尚、
上記各外輪11、11並びに間座13と上記外筒6と
は、上述の様にステージ15の嵌合筒部16に内筒5を
支持する以前に、これら各外輪11、11及び間座13
を外筒6に内嵌固定しておく。
【0018】一方、図1の上方に位置する他方の玉軸受
7の内輪9の上側面に、この内輪9の上側面を鉛直方向
下方に押圧自在な有底円筒状の押圧治具17の開口端縁
を、全周に亙って当接させる。この押圧治具17は、圧
縮ばね18を介して微動送り装置19の変位部に結合し
ており、この変位部の変位によりこの圧縮ばね18を圧
縮自在としている。そしてこの圧縮ばね18を圧縮する
事により、上記押圧治具17と上記ステージ15の嵌合
筒部16とにより軸方向に狭持された上記各内輪9、9
に、互いに近付き合う方向のアキシアル荷重を付加自在
としている。尚、上記押圧治具17及び嵌合筒部16の
一部で、上記各内輪9、9及び内筒5に直接当接する部
分は、これら各内輪9、9や内筒5に傷が付くのを防止
すべく、これら各内輪9、9や内筒5よりも柔らかい材
料により造っている。
【0019】又、その外周面にトルク測定用腕20を固
設したトルク測定用治具21を、上記外筒6の外周面に
外嵌固定する。又、この状態で、図2に示す様に、上記
トルク測定腕20の端部をロードセル22に当接させ、
上記内筒5が回転した場合に上記外筒6に加わる、この
外筒6が回転しようとする力、言い換えれば、これら内
筒5と外筒6との間の動摩擦に基づく動トルクを、上記
ロードセル22に入力自在とする。
【0020】そして、この状態で、上記ステージ15を
所定の回転速度{数min-1(r.p.m.)}で回転させると、
上記内筒5の回転に伴って、この内筒5と上記外筒6と
の間の動トルクが上記ロードセル22に入力される。そ
して、この入力された動トルクの値に基づく上記ロード
セル22の出力は、必要に応じてA−D変換器(アナロ
グ−デジタル変換器)等を介して、即ち、デジタル信号
に変換して、計算機(コンピュータ)等の制御器23に
入力される。この制御器23は、この入力値(上記ロー
ドセル22に加わる動トルク)と予め設定した目標値
(所望の動トルク)とを比較し、この入力値と目標値と
を近付けるべく、上記微動送り装置19に指令信号を送
る。そして、この指令信号により上記微動送り装置19
の変位部を変位させ、上記各内輪9、9に加わるアキシ
アル荷重を次第に増加させる。そして、上記入力値と目
標値とが同じになった状態で、即ち、上記内筒5と外筒
6との間の動トルクが所望の値となった状態で上記微動
送り装置19を停止させ、接着剤を固化させる等によ
り、上記各内輪9、9と内筒5とを完全に接着固定す
る。この場合に、接着剤として熱硬化型等、外的条件に
より固化が急速に進むものを使用し、上記微動送り装置
を停止した状態でこの外的条件を加えれば、予圧付与を
安定して行なえる。尚、接着固定した状態で、上記各玉
12、12に、互いに逆方向の接触角で(外向き或は背
面組み合わせ型の)適正な予圧が付与される。又、上記
動トルクの値と予圧の値との関係は、予め求めておく。
【0021】前述の様に構成し、上述の様にして各玉軸
受7、7に適正の予圧を付与した本例の転がり軸受ユニ
ット4aにより、スイングアーム3(図4参照)の基端
部を支持軸に対して揺動自在に支持するには、この支持
軸に上記内筒5を外嵌固定する。又、上記外筒6に上記
スイングアーム3の基端部を構成するEブロック等の部
材を外嵌固定する。そして、このEブロック等の部材の
一部分に、上記スイングアーム3を駆動する(揺動させ
る)為の、ボイスコイルモータ(VCM)を取り付け
る。この状態で、上記スイングアーム3の先端部に支持
したヘッド2(図4参照)が、このスイングアーム3の
揺動に伴って、ハードディスク1(図4参照)の表面に
近接した状態のまま、この表面を倣う様に移動しつつ、
信号の読み取り並びに書き込みを行なう。
【0022】前述の様に構成し、上述の様にして製造し
た、本発明のスイングアーム用転がり軸受ユニットの場
合には、内筒5と外筒6との間の動トルクを測定し、こ
の動トルクが所望の値になった状態で、各玉軸受7、7
の内輪9、9を上記内筒5に接着固定している為、これ
ら各玉軸受7、7に常に適正の予圧を付与できる。この
為、これら各玉軸受7、7の剛性を適正値として、上記
スイングアーム用転がり軸受ユニットの回転精度等を十
分に確保できると共に、量産した場合でも、低トルクで
トルク変動の生じにくい転がり軸受ユニット4aを安定
して提供する事ができる。又、内輪軌道8及び外輪軌道
10や各玉12、12の加工精度を高度に維持する必要
もなく、しかも、上記内筒5と外筒6との間の動トルク
を測定する装置が、前述の共振周波数測定装置よりも高
価になる事もない。この為、上記転がり軸受ユニット4
aの製造コストが嵩む事も防止できる。この結果、この
転がり軸受ユニット4aを組み込むスイングアーム3の
位置決め精度並びに揺動速度の向上を図れ、しかも、こ
のスイングアーム3を組み込むHDDのコスト低減、並
びにこのスイングアーム3の揺動トルクの低減に基づく
上記HDDの消費電力の低減(電池寿命の延長)に寄与
できる。
【0023】更に、本例の場合は、それぞれがステンレ
ス鋼製若しくは軸受鋼製の外輪11、11及びステンレ
ス鋼製の間座13に、ステンレス鋼製の外筒6を外嵌固
定している。前述した通り、これら各ステンレス鋼と軸
受鋼との線膨張係数には、大きな差はない。従って、使
用時の温度変化の幅が大きくなった場合でも、上記各外
輪11、11及び間座13と上記外筒6との、直径方向
に関する互いの熱変形量の差が大きくなる事はない。こ
の為、使用時に於ける上記各玉軸受7、7の内部隙間の
変化量が大きくなる事も防止できる。この結果、使用時
に於ける転がり軸受ユニット4aの剛性の変化及びトル
クの変動を抑える事ができ、上記スイングアーム3の揺
動変位に伴う位置決め精度並びに揺動速度の安定化を更
に図る事ができる。
【0024】尚、上記転がり軸受ユニット4aを量産す
る為の複数個の玉軸受7、7を、ラジアル隙間の大きさ
毎にそれぞれ2区分以上に分け、同一の区分内から選び
出した1対の玉軸受7、7を各区分毎に予圧の値を変え
て、上記転がり軸受ユニット4aに組み込む事が、これ
ら各転がり軸受ユニット4aのトルクのばらつきを更に
低く抑え易くする為に、好ましい。即ち、上記1対の玉
軸受7、7のラジアル隙間が互いに大きく異なれば、1
個の転がり軸受ユニット4aを構成する1対の玉軸受
7、7毎に、それぞれの動トルクが大きく異なる可能性
が生じる。これに対して、上述の様にラジアル隙間の大
きさ毎に玉軸受7、7を分けると共に、このラジアル隙
間の近いもの同士を1対の玉軸受7、7として組み込
み、隙間の小さいもの同士の場合には予圧の値を低く
(動トルクを小さく)し、逆に隙間の大きいもの同士の
場合には予圧の値を高く(動トルクを大きく)すれば、
各転がり軸受ユニット4a毎のトルクの値にばらつきが
少なくなる。又、構成各部材の固定位置のずれも抑えら
れる。この為、転がり軸受ユニット4aの生産効率を向
上させる事ができると共に、トルクのばらつきを更に低
く抑え易くできる。しかも、内輪軌道8及び外輪軌道1
0や各玉12、12の加工精度を高度に維持する必要性
も、より低減できる。
【0025】又、上記転がり軸受ユニット4aを量産す
る為の複数個の玉軸受7、7を、接触角の大きさ毎にそ
れぞれ2区分以上に分け、同一の区分内から選び出した
1対の玉軸受7、7を各区分毎に予圧の値を変えて、上
記転がり軸受ユニット4aに組み込む事も、好ましい。
この様に接触角の大きさ毎に上記各玉軸受7、7を分け
た場合にも、上述のラジアル隙間で分けた場合と同様
に、これら各転がり軸受ユニット4aの生産効率を向上
させる事ができる共に、トルクのばらつきを更に低く抑
え易くできる。しかも、内輪軌道8及び外輪軌道10や
各玉12、12の加工精度を高度に維持する必要性も、
より低減できる。ラジアル隙間と接触角との両方により
区分すれば、これらの効果がより一層顕著になる。
【0026】又、本例の場合は、各玉軸受7、7を構成
する外輪11、11同士の間に間座13を設けると共
に、各内輪9、9に互いに近付く方向のアキシアル荷重
を加える事により、これら各玉軸受7、7に背面組み合
わせ型(外向き)の接触角を付与している。これとは逆
に、各玉軸受を構成する内輪の間に間座を設けると共
に、各外輪に互いに近付く方向のアキシアル荷重を加え
る事により、正面組み合わせ型(内向き)の接触角を付
与する場合にも、本発明を適用できる。この様な場合に
は、一方外輪に他方の外輪に近付く方向のアキシアル荷
重を加えつつ、この外輪と外筒とを回転させると共に、
内筒で動トルクを測定する。
【0027】又、本例の場合は、各玉軸受7、7に適正
の予圧を付与すべく、動トルク(回転時のトルク)を測
定しているが、起動トルク(起動時のトルク)を測定す
る事も考えられる。この様に起動トルクを測定する場合
でも、適正な予圧付与を行なえない訳ではない。但し、
この様に起動トルクを測定する場合には、この起動トル
クの測定を連続した状態で行なえない為、現実的ではな
い。
【0028】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、各玉軸受7、7を構
成する内輪9、9及び外輪11、11を、上述した第1
例の場合の様に内筒5及び外筒6に接着剤で接着固定せ
ず、その代わりに、内筒5a及び外筒6aに締り嵌めで
嵌合固定している。又、上記外筒6aの中間部内周面に
径方向内方に突出した段部24を、全周に亙って設ける
事により、上記第1例で設けていた様な間座13を省略
している。又、上記各玉軸受7、7の内輪9、9にアキ
シアル荷重を付与する為の押圧治具17aを、上記第1
例の様に微動送り装置19の変位部に圧縮ばね18を介
して結合せずに、この微動送り装置19の変位部に直接
結合している。
【0029】又、上述の様に各内輪9、9を内筒5に締
まり嵌めで嵌合固定する為、鉛直方向下側に配置された
ステージ15aと、同じく下側に位置する内輪9の下側
面との間に、これら各内輪9、9に加わるアキシアル荷
重を測定自在としたロードセル25を装着した支持部材
26を設置している。即ち、上記内筒5aと外筒6aと
の間の動トルクを測定しつつ上記ロードセル25によ
り、上記各内輪9、9に加わるアキシアル荷重、言い換
えれば、これら各内輪9、9に加える圧入力を測定する
事ができる。この為、全ての転がり軸受ユニット4bに
関して、これら各内輪9、9の圧入力を管理する事がで
きる。尚、この圧入力は、これら各内輪9、9が上記内
筒5aから抜け出ようとする力(好ましくは、転がり軸
受ユニット4bに衝撃が加わった場合に働く抜け出よう
と力)よりも大きい事は、勿論である。その他の構成及
び作用は、前述した第1例と同様であるから、重複する
説明は省略する。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用する為、量産した場合でも、低トルク且つトルク変動
が生じにくく、しかも低コストのスイングアーム用転が
り軸受ユニットを安定して提供できる。この結果、この
転がり軸受ユニットを組み込むスイングアームの位置決
め精度並びに揺動速度の向上を図れ、しかも、このスイ
ングアームを組み込むHDDのコスト低減、並びにこの
スイングアームの揺動トルクの低減に基づく上記HDD
の消費電力の低減(電池寿命の延長)等に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA矢視図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図4】本発明の対象となる転がり軸受ユニットにより
支承するスイングアームを組み込んだHDDの1例を、
カバーを外した状態で示す斜視図。
【図5】従来構造の1例を示す断面図。
【図6】従来の製造方法の1例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ハードディスク 2 ヘッド 3 スイングアーム 4、4a、4b 転がり軸受ユニット 5、5a 内筒 6、6a 外筒 7 玉軸受 8 内輪軌道 9 内輪 10 外輪軌道 11 外輪 12 玉 13 間座 14 重錘 15、15a ステージ 16 嵌合筒部 17、17a 押圧治具 18 圧縮ばね 19 微動送り装置 20 トルク測定用腕 21 トルク測定用治具 22 ロードセル 23 制御器 24 段部 25 ロードセル 26 支持部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用時にも回転しない部分に固定する内
    側部材と、この内側部材の周囲に配置され、外周面にス
    イングアームの基端部を外嵌支持自在な外側部材と、こ
    の外側部材と上記内側部材とを相対回転自在に組み合わ
    せるべく、それぞれの外輪を上記外側部材の内周面で軸
    方向に離隔した2個所位置に、それぞれの内輪を上記内
    側部材の外周面で軸方向に離隔した2個所位置に、それ
    ぞれ固定した1対の玉軸受とを備えたスイングアーム用
    転がり軸受ユニットに於いて、これら両玉軸受を構成す
    る、それぞれ1対ずつの内輪と外輪とのうちの何れかの
    軌道輪に、互いに近付け合う方向のアキシアル荷重を加
    えつつ、上記内側部材と外側部材との間の動トルクを測
    定し、この動トルクの測定値に基づいて上記アキシアル
    荷重を調整しつつ、この動トルクが所望の値になった状
    態で、上記何れかの軌道輪を当該内側部材若しくは外側
    部材に固定する事により、上記各玉軸受に適正な予圧を
    付与した事を特徴とするスイングアーム用転がり軸受ユ
    ニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したスイングアーム用転
    がり軸受ユニットを造る為に、何れか一方の内輪に当該
    内輪を他方の内輪に近付ける方向のアキシアル荷重を加
    えつつ内側部材を所定の回転速度で回転させた状態で、
    外側部材に外嵌したトルク測定用治具の外周面に固設し
    たトルク測定用腕により、この外側部材と内側部材との
    間の動摩擦に基づく動トルクを測定し、この動トルクの
    測定値が所望の値になった状態で、上記一方の内輪を上
    記内側部材に固定する、スイングアーム用転がり軸受ユ
    ニットの製造方法。
  3. 【請求項3】 スイングアーム用転がり軸受ユニットを
    量産する為の複数個の玉軸受を、ラジアル隙間並びに接
    触角のうちの少なくとも何れかの大きさ毎にそれぞれ2
    区分以上に分け、同一の区分内から選び出した1対の玉
    軸受を各区分毎に予圧の値を変えて、上記転がり軸受ユ
    ニットに組み込む、請求項2に記載したスイングアーム
    用転がり軸受ユニットの製造方法。
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