JP2002235736A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JP2002235736A
JP2002235736A JP2001031502A JP2001031502A JP2002235736A JP 2002235736 A JP2002235736 A JP 2002235736A JP 2001031502 A JP2001031502 A JP 2001031502A JP 2001031502 A JP2001031502 A JP 2001031502A JP 2002235736 A JP2002235736 A JP 2002235736A
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JP
Japan
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dynamic pressure
cylindrical body
pressure bearing
thrust
spindle motor
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2001031502A
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English (en)
Inventor
Satoru Sodeoka
覚 袖岡
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Nidec Corp
Original Assignee
Nidec Corp
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Publication date
Application filed by Nidec Corp filed Critical Nidec Corp
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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Motor Or Generator Frames (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組立が容易であり、且つ温度等の使用環境の
変化にかかわらず軸受特性が良好に維持される。 【解決手段】 ブロンズ製の内筒体36にブロンズ製の
外筒体38を内筒体36の軸方向中間位置においてしま
りばめにより締結してスリーブ体32とし、両者間に潤
滑油保留孔40を形成する。締結後の内筒体36の内周
面の膨出部を切削した後、内筒体36の内周面部上下に
それぞれヘリングボーン溝42を設け、内筒体36の上
下端面部にそれぞれスパイラル溝44を設ける。次いで
内筒体36の内周面部及び上下端面部に無電解ニッケル
メッキを施す。スリーブ体32を、内筒体36において
上下スラスト部材18・20の間における固定軸体14
の軸部16に外嵌する。潤滑油を、潤滑油保留孔40、
上下スラスト動圧軸受部52・54、及び上下ラジアル
動圧軸受部48・50にわたり連続させる。ロータハブ
34を外筒体38の上端外周面部に外嵌固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動圧流体軸受部に
より固定軸体に対し回転部が回転自在に支持されてな
り、回転部におけるスリーブ体の内部に所要構造部を備
えたスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図3に
示されているスピンドルモータは、ハードディスクを搭
載して回転駆動するためのモータであって、記録媒体駆
動装置の筐体(図示せず)に取り付けられるブラケット
aの中央に円柱状の固定軸体sを有し、その径方向外方
にステータbを有する。固定軸体sの軸部rの上下部に
は上下スラスト環状部材p・qがそれぞれ固定されてい
る。ロータoは、スリーブ体mとロータハブnからな
る。スリーブ体mとロータハブnとは、しまりばめ固定
されている。ロータハブnにはハードディスクが外嵌固
定される。スリーブ体mは、軸部rと上下スラスト環状
部材p・qの間に外嵌され、スリーブ体mと固定軸体s
との間に潤滑油を介して構成される動圧流体軸受部によ
り、固定軸体sに対してロータoが回転自在に支持され
てなるものである。
【0003】動圧流体軸受部は、軸部rとスリーブ体m
とがラジアル方向に対向する上下に構成された上下ラジ
アル動圧軸受部u・vと、上下スラスト環状部材p・q
とスリーブ体mとがスラスト方向に対向する部位に構成
された上下スラスト動圧軸受郭w・xとからなる。上ラ
ジアル動圧軸受部uは、スリーブ体mの内周面部に潤滑
油が上方に流動するように動圧溝が形成され、上スラス
ト動圧軸受部wは、上スラスト環状部材pの下面部に潤
滑油が内方に流動するように動圧溝が形成されて、両軸
受部u・wの潤滑油は連続して保持されている。下ラジ
アル動圧軸受部vは、スリーブ体mの内周面部に潤滑油
が下方に流動するように動圧溝が形成され、下スラスト
動圧軸受部xは、下スラスト環状部材qの上面部に潤滑
油が内方に流動するように動圧溝が形成されて、両軸受
部v・xの潤滑油は連続して保持されている。
【0004】上下ラジアル動圧軸受部u・vの間には、
軸部rの外周面部の環状凹部とスリーブ体mの内周面部
とで空隙が形成され、この空隙は、軸部rの上横孔と縦
貫孔と下横孔によって軸受外部空間に通じて空気が介在
している。
【0005】上下スラスト動圧軸受部は、スリーブ体m
とロータハブnとの嵌合面に沿って形成された連通孔t
によって潤滑油が連続して保持されている。連通孔t
は、スリーブ体mの外周面部に設けられたD字断面の縦
溝とロータハブnの内周面部とで形成されている。
【0006】スリーブ体mとロータハブnとのしまりば
め部は、空隙の軸方向位置のみに形成されており、その
しまりばめによる応力がラジアル動圧軸受郡u.vに影
響することを防いでいる。空隙の上下端部は、テーパ状
となっており大気圧に対して潤滑油がバランスする位置
に潤滑油の界面を形成している。上スラスト環状部材p
の上方及び下スラスト環状部材qの下方には、それぞれ
のスラスト環状部材p・qを覆うシールキャップ部材c
・dがロータハブnに固定されており、潤滑油の飛散を
防止している。シールキャップ部材cの下端部またはシ
ールキャップ部材dの上端部は、それぞれ上下スラスト
環状部材p・qと軸方向に対向してなる間隙を形成して
いる。この間隙には、上下スラスト動圧軸受部v・xに
保持された潤滑油が上下スラスト環状部材p・qの外周
面部とロータハブnの内周面部とがラジアル方向に対向
してなる間隙を含んで潤滑油が連続して保持され、大気
圧に対して潤滑油がバランスする位置に潤滑油の界面を
形成している。また、上下一対のラジアル動圧軸受部と
スラスト動圧軸受部とは、連通孔tを通じて潤滑油が連
続しているので、各軸受部間を潤滑油が移動可能とな
り、特定の軸受部の潤滑油が枯渇して軸受機能が損なわ
れることがないようになっている。
【0007】このように上記動圧流体軸受部を有するス
ピンドルモータは、上下一対のラジアル動圧軸受部とス
ラスト動圧軸受部とが空隙がある軸方向位置を基準に上
下対称に形成されるため、ロータoは上下の二箇所に軸
受支持中心が位置する構成となり、支持される回転部材
の軸方向長が大きくなっても安定した支持をすることが
できる。
【0008】このスピンドルモータでは、搭載されるハ
ードディスクにガラス製が使われることに対応して、ロ
ータハブnはガラスの線膨張係数に近似するステンレス
鋼(線膨張係数が約10×10−6/℃)が使用されて
いる。これによりロータハブnとハードディスクは同程
度に膨張するため、使用される環境温度下においてロー
タハブnとハードディスクとの嵌合状態が変化しにくく
ディスクを確実に固定することができる。
【0009】スリーブ体mは、ブロンズが使用されてい
るが、ブロンズは、動圧溝を有する軸受面の耐久性及び
信頼性向上のための無電解ニッケルメッキをするのに都
合がよいこと、熱伝導率が高いため軸部rとの接触時に
生じる摩擦熱等に起因してスリーブ体mが高温になって
も放熱されやすく潤滑油の特性変化(例えば粘度変化や
気泡発生等)や劣化が生じにくいこと等の利点がある。
【0010】固定軸体sは、スリーブ体mが熱膨張した
時に動圧流体軸受部の間隙幅が変動しないように、その
ブロンズの線膨張係数に近似するステンレス鋼(線膨張
係数が約17×10−6/℃)が使用されている。
【0011】ところが、このスピンドルモータには次の
ような欠点がある。
【0012】スリーブ体mとロータハブnとは、互いに
異なる線膨張係数の材料が使用されることとなるため、
両者が熱膨張したときそのしまりばめ部を中心に熱応力
が生じ、上下ラジアル動圧軸受部u・vを構成するスリ
ーブ体mの内周面部が変形するおそれがある。また、ス
リーブ体mとロータハブnとのしまりばめ時の応力によ
っても、同部位に変形を生じる恐れがある。
【0013】これらのことを回避するために、スリーブ
体mとロータハブnとのしまりばめ部と上記空隙(即ち
動圧軸受部を構成しない部位)との軸方向位置が一致す
るようにしているが、これに関連してしまりばめ部の軸
方向幅を可及的に小さくし、かつ上下ラジアル動圧軸受
部u・v間の空隙の軸方向幅を可及的に大きくするとい
った設計上の制約がともなう。つまり、しまりばめ部の
軸方向長を小さくするとスリーブ体mとロータハブnと
の嵌合力が弱まるため実行しにくく、空隙長を大きくす
るとラジアル動圧軸受部u・vの軸方向幅が小さくなり
所定の軸受特性が確保できないことになる等の構造上に
問題が生じる。
【0014】なお、しまりばめ時の応力によるスリーブ
体mの内周面部の変形は、固定軸体sへの嵌合前に切削
加工することで解消する方法があるが、スリーブ体mは
予め動圧溝にニッケルメッキが施されているため、スリ
ーブ体mとロータハブnとを嵌合した後ではそのような
加工は不可能である。
【0015】また、スリーブ体mとロータハブnとを単
一部材からなるロータoとし、ステンレス鋼或いはブロ
ンズを使用してしまりばめ部を無くすことで、そのよう
な変形を皆無にする方法が考えられる。しかしながら、
ロータoを単一部材とすると、上記連通孔tを形成する
のに加工が難しくなることに加えて、そのロータoをブ
ロンズとすると、熱膨張時にハードディスクの嵌合状態
が不確実になる欠点が生じ、また、そのロータoをステ
ンレス鋼とすると、軸受面にニッケルメッキをすること
ができずニッケルに比べて耐久性及び信頼性に劣る錫等
のメッキとなり、軸受特性の低下が避けられないこと、
ステンレス鋼は熱伝導率が低いためスリーブ体mが高温
になると放熱されにくく潤滑油の特性変化がしやすいと
いう欠点があり、当該構成では実行できない。
【0016】本発明は、従来存した上記のような課題に
鑑み行われたものであって、その目的とするところは、
組立が容易であり、且つ温度等の使用環境の変化にかか
わらず軸受特性が良好に維持されるスピンドルモータを
提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明のスピンド
ルモータは、軸部と、その軸部における軸方向離隔位置
に設けられた一対のスラスト環状部材とを有してなる固
定軸体と、前記固定軸体に対し潤滑液を介して回転自在
に外嵌支持されたスリーブ体と、このスリーブ体に外嵌
固定された回転環状部材とを有してなる回転部と、前記
軸部とスリーブ体とが径方向に対向して構成された一対
のラジアル動圧軸受部と、前記スリーブ体と前記一対の
スラスト環状部材とが、それぞれ前記一方のラジアル動
圧軸受部の軸方向外方側及び前記他方のラジアル動圧軸
受部の軸方向外方側において軸方向に対向して形成され
た一対のスラスト動圧軸受部とを有してなる動圧流体軸
受部を備え、前記スリーブ体は、前記軸部と径方向に対
向して前記一対のラジアル動圧軸受部を構成する内筒体
と、その内筒体にしまりばめにより外嵌固定された外筒
体からなり、それらの内筒体と外筒体は同一材料からな
り、それらの内筒体と外筒体がしまりばめされている第
1しまりばめ部は前記一対のラジアル動圧軸受部の間の
軸方向位置に位置し、前記回転環状部材は前記外筒体に
しまりばめにより外嵌固定され、それらの回転環状部材
と外筒体がしまりばめされている第2しまりばめ部と、
前記動圧流体軸受部と、前記第1しまりばめ部筒体は、
互いに軸方向に離隔していることを特徴とする。
【0018】スリーブ体は、内筒体に対し外筒体が外嵌
固定されてなるものである。そのため、例えば内筒体及
び外筒体の両方又は一方の表面部を含む部分を所望の形
状にして、内筒体に外筒体が外嵌固定されることにより
スリーブ体の内部となる部分に潤滑液保留孔等の所要の
内部構造を容易に形成することができる。
【0019】内筒体に外筒体が外嵌固定されていること
に起因する熱応力の発生は、両者が同一材料からなるの
で防がれる。また、回転環状部材と外筒体がしまりばめ
されている第2しまりばめ部と、内筒体と外筒体がしま
りばめされている第1しまりばめ部は、互いに軸方向に
離隔しているので、たとえ回転環状部材とスリーブ体の
線膨張係数が異なるものであっても、回転環状部材がス
リーブ体の外筒体に外嵌固定されていることに起因する
熱応力が動圧流体軸受部の間隙や精度等に悪影響を及ぼ
すことが最小限に抑えられる。。そのため、熱応力を逃
がすための構造を設ける必要がなく、この点において小
型化にも有利である。
【0020】回転部は、スリーブ体に回転環状部材が外
嵌固定されてなるものである。回転部には、その他の必
要部品等(例えばロータマグネット等)を備えるものと
することができる。
【0021】スリーブ体は、内筒体に対し外筒体が第1
しまりばめ部においてしまりばめにより締結された状態
で外嵌固定されてなるものである。しまりばめによる締
結は、圧入等により行い得る。内筒体と外筒体は同一材
料からなるので、線膨張係数は等しい。
【0022】スリーブ体と固定軸体の間には、潤滑液を
介して動圧流体軸受部が構成される。スリーブ体又は固
定軸体のうち動圧流体軸受部に臨む部分には、へリング
ボーン溝やスパイラル溝等の動圧発生用溝を設けて回転
時に発生する動圧を高めることが好ましい。
【0023】このうちスリーブ体における内筒体の内周
面部と、固定軸体の外周面部との間には、互いに軸方向
に離隔した一対のラジアル動圧軸受部が構成されてい
る。内筒体と外筒体がしまりばめされている第1しまり
ばめ部は前記一対のラジアル動圧軸受部の間の軸方向位
置に位置する。
【0024】また、一方のラジアル動圧軸受部の軸方向
外方側及び他方のラジアル動圧軸受部の軸方向外方側に
一対のスラスト動圧軸受部を有する。これは、例えば軸
部の軸方向が上下方向であり、一対のラジアル動圧軸受
部が上下に位置するとした場合、上方のラジアル動圧軸
受部の上側に一方のスラスト動圧軸受部を有し、下方の
ラジアル動圧軸受部の下側に他方ののスラスト動圧軸受
部を有することを意味する。
【0025】内筒体に外筒体が外嵌固定されることによ
りスリーブ体の内部となる部分には、例えば、内筒体の
外周面部(又は外筒体の内周面部)を一部欠切すること
により外筒体の内周面部(又は内筒体の外周面部)との
間に潤滑液保留孔等の潤滑液保留部や通気孔等の通気部
等を容易に形成することができる。
【0026】回転部と固定軸体の間に介在する潤滑液と
しては、例えばスピンドル油等の各種潤滑油を用いるこ
とができる。
【0027】回転環状部材は、スリーブ体の外筒体に対
し回転環状部材が第2しまりばめ部においてしまりばめ
により締結された状態で外嵌固定されることにより、ス
リーブ体と一体的に固定軸体に対し回転し得るものであ
る。しまりばめによる締結は、圧入等により行い得る。
回転環状部材が外筒体に対ししまりばめにより締結され
た第2しまりばめ部と、動圧流体軸受部と、第1しまり
ばめ部筒体は、互いに軸方向に離隔している。
【0028】回転環状部材の例としては、ハードディス
ク等の円盤状記録媒体を保持するロータハブやターンテ
ーブル等を挙げることができる。
【0029】上記回転環状部材には、各種材料を適用す
ることができる。スリーブ体との関係を考慮すると、ス
リーブ体と線膨張係数が近似する材料であることが好ま
しいが、一方、回転環状部材に円盤状記録媒体のような
部材が搭載される場合に、その搭載部材との関係を考慮
すると、搭載部材と線膨張係数が近似する材料であるこ
とが望ましい。部材間の線膨張係数が近似していると、
温度変化により互いに同程度に変化するためそれらの嵌
合状態が変化しにくく常時確実に固定することができ
る。
【0030】このとき回転環状体とスリーブ体との線膨
張係数が異なる材料関係となったとしても、上述の通り
両部材間に形成される第2しまりばめ部が、内筒体と外
筒体とで形成される第1しまりばめ部及び動圧流体軸受
部に対し軸方向に離隔しているので熱応力の悪影響は最
小限に抑えられる。
【0031】回転環状部材は、例えば、線膨張係数が1
0×10―5/℃のステンレス鋼製とすることができ
る。このとき、回転環状部材に円盤状記録媒体が搭載さ
れる場合に線膨張係数が近似するガラス製を使用するこ
とができる。
【0032】スリーブ体は、例えば、ブロンズ製である
ものとすることができる。ブロンズは、比較的熱伝導率
が高いため、内筒部の動圧流体軸受部において発生する
熱が逃げ易いので、熱による潤滑液の特性変化(例えば
粘度低下や気泡発生等)や劣化が生じることが可及的に
防がれ、動圧流体軸受部、延いてはスピンドルモータ事
態の信頼性を高めることができる。
【0033】スリーブ体を構成する内筒体及び外筒体
は、例えばブロンズ製として熱伝導率の高いものとする
ことが好ましい。動圧流体軸受部において発生する熱が
逃げ易いので、熱により潤滑液に特性変化(例えば粘度
低下や気泡発生等)や劣化が生じることが可及的に防が
れ、動圧流体軸受部、延いてはスピンドルモータ自体の
信頼性を高めることができる。
【0034】また、このスピンドルモータにおいて、回
転環状部材に比しスリーブ体の熱伝導率が高い場合、ス
リーブ体の熱伝導率が回転環状部材と等しい場合に比
し、熱により潤滑液に特性変化(例えば粘度低下や気泡
発生等)や劣化が生じることを可及的に防ぐことが可能
であるから、動圧流体軸受部、延いてはスピンドルモー
タ自体の信頼性を高めることができる。
【0035】(2) 上記スリーブ体は、上記内筒体に対
する上記外筒体のしまりばめにより上記内筒体の内周面
部に生じた膨出部が切削されたものとすることができ
る。この場合、内筒体に外筒体がしまりばめにより締結
されたことによる内筒体の内周面の初期歪みにより動圧
流体軸受部に生じ得る不都合が防がれる。そのため、内
筒体に外筒体がしまりばめにより締結される第1しまり
ばめ部は、その膨出部の発生を抑制することよりも締結
力確保を優先した構成とすることができる。
【0036】(3) また、前記膨出部が切削された状態
の内筒体又はそのような切削が行われていない状態の内
筒体の内周面部における上記ラジアル動圧軸受部を構成
する部分に動圧発生用溝が形成され、前記内周面部のう
ち前記動圧発生用溝を含む部分にメッキが施されたもの
とすることができる。内筒体と外筒体が同一材料からな
るので、無電解メッキ等によるスリーブ体のメッキを、
内筒体に外筒体が外嵌固定された後で施すことができ、
また、内筒体に外筒体が外嵌固定されて内筒体の内周面
部に生じた膨出部が切削された後、その内周面部の必要
箇所に動圧発生用溝を設け、その後、内周面部のうち前
記動圧発生用溝を含む部分にメッキを施すものとするこ
とができる。
【0037】スリーブ体における少なくとも固定軸体に
相対して動圧流体軸受部を構成する部分には、(前記の
ような切削の有無にかかわらず)無電解ニッケルメッキ
が施されていることが好ましい。動圧流体軸受部を構成
する部分(特に動圧発生用溝を設けた場合における動圧
発生用溝)の耐久性が高まり、動圧流体軸受部、延いて
はスピンドルモータ自体の信頼性を高めることができる
からである。スリーブ体がブロンズ製である場合、無電
解ニッケルメッキを施すことができる。
【0038】従って、スリーブ体がブロンズ製である場
合、内筒体に外筒体が外嵌固定された状態で内筒体の内
周面の膨出部を切削した後、スリーブ体のうち少なくと
も動圧流体軸受部を構成する部分等の必要部分に無電解
ニッケルメッキを施すことができる。これにより、内筒
体の内周面の初期歪みがなく、而も少なくとも動圧流体
軸受部を構成する部分に無電解ニッケルメッキが施され
て耐久性・信頼性に優れた動圧流体軸受部及びスピンド
ルモータが得られる。
【0039】(4) 上記本発明のスピンドルモータは、
上記内筒体に外筒体が外嵌固定されることにより、その
内筒体と外筒体の間に、上記一対のスラスト動圧軸受部
を連通する潤滑液保留孔が形成され、上記軸部の外周面
部と上記内筒体の内周面部の間隙のうち上記一対のラジ
アル動圧軸受部同士の間の軸方向位置に、外部空間に通
じる気体介在部を有し、上記一方のラジアル動圧軸受部
とその軸方向外方側のスラスト動圧軸受部における潤滑
液及び前記他方のラジアル動圧軸受部とその軸方向外方
側のスラスト動圧軸受部における潤滑液がそれぞれ連続
して保持されると共に、それらの一対のスラスト動圧軸
受部における潤滑液が前記潤滑液保留孔を介して連続し
て保持されたものとすることができる。
【0040】内筒体に外筒体が外嵌固定されてスリーブ
体の内部となる部分における内筒体と外筒体の間に潤滑
液保留孔が形成され、その潤滑液保留孔が上記一対のス
ラスト動圧軸受部を連通する。従って、一対のラジアル
動圧軸受部に保持された潤滑液がそれぞれ軸方向内方に
おいて外部空間に通じる気体介在部に臨み、一方のラジ
アル動圧軸受部とその軸方向外方側のスラスト動圧軸受
部における潤滑液及び他方のラジアル動圧軸受部とその
軸方向外方側のスラスト動圧軸受部における潤滑液がそ
れぞれ連続して保持されると共に、それらの一対のスラ
スト動圧軸受部における潤滑液が前記潤滑液保留孔を介
して連続して保持される。そのため、全てのラジアル動
圧軸受部及びスラスト動圧軸受部に潤滑液が行き渡り、
何れかのラジアル動圧軸受部若しくはスラスト動圧軸受
部おいて潤滑液量が不足し又は枯渇することが防がれて
良好な潤滑が保たれ、スピンドルモータの長期にわたる
安定的回転が維持される。
【0041】また、内筒体と外筒体がしまりばめされて
いる第1しまりばめ部が、一対のラジアル動圧軸受部の
間における気体介在部の軸方向位置に位置するものとす
ることにより、内筒体に外筒体が外嵌固定されているこ
とや、そのスリーブ体の外筒体に回転環状部材が外嵌固
定されていることに起因する、はめ合いによる変形や熱
応力等が、両ラジアル動圧軸受部の径方向間隙や精度等
に悪影響を及ぼすことが防がれる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としてのスピ
ンドルモータについて、その断面図を示す図1及び図1
におけるII−II線要部断面図を示す図2を参照しつつ説
明する。但し、図1は、図2におけるI-C-I線に沿う断
面図である。なお本実施形態のスピンドルモータは、記
録媒体としてハードディスクを搭載して回転駆動するた
めに使用される。
【0043】記録媒体駆動装置の筐体(図示せず)に取
り付けられるブラケット10は、中央部に円筒形状の支
持筒部10aを有し、その支持筒部10aの外周側に環
状の凹部10bが形成され、支持筒部10aの内周側中
央に上下方向の貫通孔10cが形成されてなる。支持筒
部10aには、ステータコアにステータコイルが巻回さ
れてなるステータ12が外嵌固定されている。
【0044】固定軸体14は、ステンレス鋼(例えば線
膨張係数が約17×10−6/℃)製であり、縦貫孔1
6aを有する軸部16と環状の上下スラスト部材18・
20からなり、軸部16の下端部が貫通孔10cに嵌合
固定されている。上スラスト部材18は軸部16の上部
に外嵌固定されており、下スラスト部材20は、貫通孔
10cよりも上方における軸部16の下部に外嵌固定さ
れている。上下スラスト部材18・20は何れも断面略
L字形状をなし、L字形状の縦線に相当する部分におい
て軸部16に嵌合し、上下スラスト部材18・20の横
線に相当する上下固定スラスト部18a・20a同士が
軸方向に相対している。
【0045】軸部16における上下方向中央部の外周面
部には全周にわたる環状凹部16bが形成されており、
その環状凹部16bの上下端部はそれぞれテーパ状に形
成されている。
【0046】前記縦貫孔16aは、上横孔22により環
状凹部16bと連通し、下横孔24により軸部16外方
における下スラスト部材20の下方部と連通している。
また縦貫孔16aは、その上端部に設けられた雌ねじ部
の下方にゴム製閉塞ピン26が内嵌固定されて上横孔2
2の上方部が閉塞され、また下端部にゴム製閉塞球28
が内嵌固定されて下横孔24の下方部が閉塞されてい
る。
【0047】ロータ30(回転部)は、ブロンズ製のス
リーブ体32に、ガラス製のハードディスクが外嵌保持
されるステンレス鋼(例えば線膨張係数が約10×10
−6/℃)製のロータハブ34(回転環状部材)が外嵌
固定されてなる。線膨張係数はスリーブ体32よりもロ
ータハブ34の方が小さい。
【0048】スリーブ体32は、円筒状をなすブロンズ
製の内筒体36に対し、その内筒体36よりも軸方向長
が長い略円筒状をなすブロンズ製の外筒体38が、内筒
体36の軸方向中間位置においてしまりばめ部(第1し
まりばめ部)A1を構成して外嵌固定されてなるもので
ある。内筒体36に外筒体38が外嵌固定されているこ
とに起因する熱応力の発生は、両者が同一材料からなる
ので防がれる。また、スリーブ体32が、その熱伝導率
が比較的に高く、熱を逃がし易いので、熱により潤滑油
に特性変化(例えば粘度低下や気泡発生等)や劣化が生
じることを可及的に防ぐことが可能であり、後述するラ
ジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部やスピンドル
モータ自体の信頼性を高める。
【0049】外筒体38の内周面部は、小内径部38a
と、その小内径部38aよりもやや内径の大きい上下端
部38b・38cからなる。小内径部38aの軸方向中
間位置には、僅かに内径が小さい環状嵌合部(図示せ
ず。)を有する。環状嵌合部の軸方向長さは小内径部3
8aの全長の約4分の1である。
【0050】内筒体36の外周面部は、円筒形状におけ
る180度中心角を隔てた2箇所(1又は3箇所以上で
もよい)に、それぞれ軸方向全長にわたるD字断面の切
欠部36aを有する。この切欠部36aは、30度中心
角にわたる平坦面を構成するが、これに限るものではな
い。
【0051】外筒体38の内周面部に対し内筒体36を
圧入することにより、外筒体38の前記環状嵌合部にお
いて内筒体36の軸方向中間部分をしまりばめにより締
結して固定することができ、これにより、内筒体36の
切欠部36aにおける外周面部と外筒体38の内周面部
の間に、軸方向に貫通する2つの潤滑油保留孔40が容
易に形成される。
【0052】スリーブ体32は、固定軸体14に潤滑油
を介して回転自在に外嵌され、内筒体36において上下
スラスト部材18・20の間における固定軸体14の軸
部16に外嵌され、外筒体38において固定軸体14の
上下スラスト部材18・20に外嵌されている。内筒体
36のうち内周面部の上下部には、それぞれ順方向回転
により潤滑油を軸方向上方又は軸方向下方へポンピング
する動圧発生用のヘリングボーン溝42を有し、径方向
に対向する軸部16の外周面部との径方向間隙に潤滑油
を保持して互いに軸方向に離隔した一対のラジアル動圧
軸受部48・50を構成している。内筒体36の上下端
部である上下回転スラスト部36b・36cには、順方
向回転により潤滑油を径方向内方ヘポンピンクする動圧
発生用のスパイラル溝44を有し、軸方向に対向する上
下スラスト部材18・20の上下固定スラスト部18a
・20aとの軸方向間隙に潤滑油を保持して軸方向に対
向した一対のスラスト動圧軸受部52・54を構成して
いる。内筒体36の内周面部及び上下端面部には、無電
解ニッケルメッキを施してあるので、耐久性及び信頼性
に優れたラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部が
得られる。無電解ニッケルメッキは、内筒体36がブロ
ンズ製であるため施すことが可能である。
【0053】一対のラジアル動圧軸受部48・50の間
であって内筒体36の内周面部と軸部16の環状凹部1
6bの間には拡大間隙部46が形成され、この拡大間隙
部46はその環状凹部16bが上横孔22等を介して軸
受外部空間に連通することで気体が介在する気体介在部
を形成している。また、外筒体28と内筒体36とのし
まりばめによる締結部は拡大間隙部46の軸方向位置に
対応する。拡大間隙部46の径方向間隙は、環状凹部1
6bがテーパ状であることにより上部及び下部において
軸方向中央部側に向かって漸次拡大する。
【0054】外筒体38の内周面部の上下端部38b・
38cには、それぞれ、断面略J字形状をなす環状の上
下シールキャップ58・60が、J字形状の長縦線に相
当する部分(外周面部)において内嵌固定され、J字形
状の屈曲部同士が軸方向に相対している。上下シールキ
ャップ58・60の内周面部は軸部16の外周面部とわ
ずかな径方向間隙を隔てて相対しており、この上下シー
ルキャップ58・60により、潤滑油の外部飛散を防い
でいる。
【0055】ロータハブ34は、その上部小内径部34
aにおいて外筒体38の上端外周面部38dとでしまり
ばめ部A2(第2しまりばめ部)を構成して外嵌固定さ
れている。その締結位置(しまりばめ部A2)は、上ス
ラスト動圧軸受部52よりも上方である。ロータハブ3
4の上部小内径部34aの下側の環状下面部に外筒体3
8の上端外周部38dの下側の環状上面部が当接するこ
とにより、ロータハブ34と外筒体38との間の軸方向
の位置決めがなされている。またロータハブ34の周壁
部34bには円筒状のロータマグネット62が内嵌固定
されている。
【0056】ロータハブ34がスリーブ体32の外筒体
38に外嵌固定されている軸方向位置が、上ラジアル動
圧軸受部48及び上スラスト動圧軸受部52よりも上方
に位置しているので、スリーブ体32の外筒体38にス
リーブ体32と線膨張係数が異なるロータハブ34が外
嵌固定されていることに起因する、はめ合いによる変形
や熱応力等が、上下ラジアル動圧軸受部48・50及び
上下スラスト動圧軸受部52・54の径方向間隙や精度
等に悪影響を及ぼすことが防がれる。そのため、熱応力
を逃がすための凹所を設ける等の構造が必要がなく、こ
の点において小型化にも有利である。
【0057】また、拡大間隙部46は、内筒体36の内
周面部と軸部16の外周面部との径方向間隙が上下ラジ
アル動圧軸受部48・50の何れよりも大きく、外筒体
38と内筒体36とのしまりばめによる締結部は拡大間
隙部46の軸方向位置に対応するため、内筒体36に外
筒体38が外嵌固定されていることや、その外筒体38
に線膨張係数が異なるロータハブ34が外嵌固定されて
いることに起因する、はめ合いによる変形や熱応力等
が、上下ラジアル動圧軸受部48・50の径方向間隙や
精度等に悪影響を及ぼすことが防がれる。
【0058】特に、内筒体36と外筒体38とは、同じ
線膨張係数であるため熟応力の影響を考慮する必要がな
く、また、両者の嵌合時に生じる変形(膨出部)は、ス
リーブ体32をロータハブ34に組み込む前に切削によ
り削除することでその欠点をなくすことができる。よっ
て、内筒体36と外筒体38との締結部の嵌合力や軸方
向長は、上下ラジアル動圧軸部48・50の軸受性能へ
の影響を考慮することなく比較的自由に設定することが
できる。なお、仮に内筒体36と外筒体38とが異なる
材料からなると、無電解ニッケルメッキを施すことがで
きないため、内筒体36への無電解ニツケルメッキを予
め施しておかなければならない。この場合、内筒体36
と外筒体38との締結後に膨出部が形成されても、メッ
キ層を剥がすことなくその膨出部を切削加工することは
できないため、両者は膨出部が形成されないように嵌合
力を設定するという制約が伴う。また、スリーブ体32
を単一部材から形成することで、そのような内筒体36
と外筒体38との嵌合力に伴う影響はな<なるが、この
場合、上記潤滑油保留孔40を形成しにくくなる欠点が
生じる。
【0059】潤滑油64は、潤滑油保留孔40、上下ス
ラスト動圧軸受部52・54、及び上下ラジアル動圧軸
受部48・50にわたり連続し、潤滑油64の界面は、
拡大間隙部46のうち径方向間隙が漸次拡大する上下部
にそれぞれ位置する(拡大間隙部46のうち潤滑油64
の上下界面の間は気体介在部)と共に、上下スラスト部
材18・20と上下シールキャップ58・60の間にそ
れぞれ形成された径方向内方に向かって漸次間隙が拡大
する軸方向間隙部分に位置する。拡大間隙部46に位置
する潤滑油64の界面は、上横孔22、縦貫孔16a、
下横孔24、下シールキャップ60の内周面部と軸部1
6の外周面部の間、外筒体38と支持筒部10aの間、
及びロータハブ34の周壁部34bとブラケット10の
凹部10bの間を経て外部に通じている。また、下スラ
スト部材20と下シールキャップ60の間に形成された
軸方向間隙部分に位置する潤滑油64の界面も、下シー
ルキャップ60の内周面部と軸部16の外周面部の間を
経て同様に外部に通じている。更に上スラスト部材18
と上シールキャップ58の間に形成された軸方向間隙部
分に位置する潤滑油64の界面は、上シールキャップ5
8の内周面部と軸部16の外周面部の間を経て同様に外
部に通じている。そのため、上下ラジアル動圧軸受部4
8・50及び上下スラスト動圧軸受部52・54に潤滑
油64が行き渡り、何れかのラジアル動圧軸受部若しく
はスラスト動圧軸受部おいて潤滑液量が不足し又は枯渇
することが防がれて良好な潤滑が保たれ、スピンドルモ
ータの長期にわたる安定的回転が維持される。
【0060】なお、以上の実施の形態についての記述に
おける上下位置関係は、単に図に基づいた説明の便宜の
ためのものであって、実際の使用状態等を限定するもの
ではない。
【0061】
【発明の効果】本発明のスピンドルモータにおいては、
スリーブ体の内部に潤滑液保留孔等の所要の内部構造を
形成するのが容易であり、内筒体に外筒体が外嵌固定さ
れていることに起因する熱応力の発生が防がれると共
に、回転環状部材がスリーブ体の外筒体に外嵌固定され
ていることに起因する熱応力が動圧流体軸受部の間隙や
精度等に悪影響を及ぼすことが最小限に防がれる。この
点において小型化にも有利である。
【0062】請求項2記載のスピンドルモータにおいて
は、内筒体に外筒体がしまりばめにより締結されたこと
による内筒体の内周面の初期歪みにより動圧流体軸受部
に生じ得る不都合が防がれる。
【0063】請求項3記載のスピンドルモータにおいて
は、ラジアル動圧軸受部を構成する部分に動圧発生用溝
が形成され、内筒体の内周面部のうち動圧発生用溝を含
む部分にメッキが施されているので、ラジアル動圧軸受
部の耐久性、信頼性が高まる。
【0064】請求項4記載のスピンドルモータにおいて
は、全てのラジアル動圧軸受部及びスラスト動圧軸受部
に潤滑液が行き渡り、何れかのラジアル動圧軸受部若し
くはスラスト動圧軸受部おいて潤滑液量が不足し又は枯
渇することが防がれて良好な潤滑が保たれ、スピンドル
モータの長期にわたる安定的回転が維持される。また、
内筒体に外筒体が外嵌固定されていることや、そのスリ
ーブ体の外筒体に回転環状部材が外嵌固定されているこ
とに起因する、はめ合いによる変形や熱応力等が、両ラ
ジアル動圧軸受部の径方向間隙や精度等に悪影響を及ぼ
すことが効果的に防がれる。
【0065】請求項5記載のスピンドルモータにおいて
は、スリーブ体の熱伝導率が高いので、熱により潤滑液
に特性変化や劣化が生じることを可及的に防ぐことが可
能であり、更に、動圧流体軸受部を構成する内筒体の内
周面部に無電解ニッケルメッキを施すことができ、動圧
流体軸受部の信頼性を高めることができる。
【0066】請求項6記載のスピンドルモータにおいて
は、回転環状部材と記録媒体が温度変化により同程度に
変形するため、それらの嵌合状態が変化しにくく記録媒
体を回転環状部材に確実に固定することができる
【0067】請求項7記載のスピンドルモータにおいて
は、回転環状部材が、線膨張係数が約10×10−6
℃のステンレス鋼製であるため、ガラス製のハードディ
スク等の記録媒体を温度変化に影響されることなく確実
に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピンドルモータの断面図である。
【図2】図1におけるII−II線要部断面図である。
【図3】従来のスピンドルモータの断面図である。
【符号の説明】
10 ブラケット 10a 支持筒部 10b 凹部 10c 貫通孔 12 ステータ 14 固定軸体 16 軸部 16a 縦貫孔 16b 環状凹部 18 上スラスト部材 18a 上固定スラスト部 20 下スラスト部材 20a 下固定スラスト部 22 上横孔 24 下横孔 26 ゴム製閉塞ピン 28 ゴム製閉塞球 30 ロータ 32 スリーブ体 34 ロータハブ 34a 周壁部 34b 上部小内径部 36 内筒体 36a 切欠部 36b 上回転スラスト部 36c 下回転スラスト部 38 外筒体 38a 小内径部 38b 上端部 38c 下端部 38d 上端外周面部 40 潤滑油保留孔 42 ヘリングボーン溝 44 スパイラル溝 46 拡大間隙部 48 上ラジアル動圧軸受部 50 下ラジアル動圧軸受部 52 上スラスト動圧軸受部 52 上スラスト動圧軸受部 54 下スラスト動圧軸受部 58 上シールキャップ 60 下シールキャップ 62 ロータマグネット 64 潤滑油
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G11B 19/20 G11B 19/20 E Fターム(参考) 3J011 AA07 AA08 BA02 CA02 CA05 DA01 KA04 KA05 MA03 MA12 QA03 5D109 BB04 BB13 BB18 BB21 BB32 5H605 BB05 BB14 BB19 CC03 CC04 CC05 CC10 DD03 EA06 EA16 EA19 EB03 EB06 EB17 EB28 EB33 FF03 GG04 GG21 5H607 BB01 BB14 BB17 BB25 CC01 DD02 DD03 DD16 GG01 GG03 GG09 GG12 JJ07 KK04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸部と、その軸部における軸方向離隔位置
    に設けられた一対のスラスト環状部材とを有してなる固
    定軸体と、前記固定軸体に対し潤滑液を介して回転自在
    に外嵌支持されたスリーブ体と、このスリーブ体に外嵌
    固定された回転環状部材とを有してなる回転部と、前記
    軸部とスリーブ体とが径方向に対向して構成され、互い
    に軸方向に離隔した一対のラジアル動圧軸受部と、前記
    スリーブ体と前記一対のスラスト環状部材とが、それぞ
    れ前記一方のラジアル動圧軸受部の軸方向外方側及び前
    記他方のラジアル動圧軸受部の軸方向外方側において軸
    方向に対向して形成された一対のスラスト動圧軸受部と
    を有してなる動圧流体軸受部を備え、前記スリーブ体
    は、前記軸部と径方向に対向して前記一対のラジアル動
    圧軸受部を構成する内筒体と、その内筒体にしまりばめ
    により外嵌固定された外筒体からなり、それらの内筒体
    と外筒体は同一材料からなり、それらの内筒体と外筒体
    がしまりばめされている第1しまりばめ部は前記一対の
    ラジアル動圧軸受部の間の軸方向位置に位置し、前記回
    転環状部材は前記外筒体にしまりばめにより外嵌固定さ
    れ、それらの回転環状部材と外筒体がしまりばめされて
    いる第2しまりばめ部と、前記動圧流体軸受部と、前記
    第1しまりばめ部筒体は、互いに軸方向に離隔している
    ことを特徴とするスピンドルモータ。
  2. 【請求項2】上記内筒体に対する上記外筒体のしまりば
    めにより上記内筒体の内周面部に生じた膨出部が切削さ
    れた請求項1記載のスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】上記内筒体の内周面部における上記ラジア
    ル動圧軸受部を構成する部分に動圧発生用溝が形成さ
    れ、前記内周面部のうち前記動圧発生用溝を含む部分に
    メッキが施された請求項1又は2記載のスピンドルモー
    タ。
  4. 【請求項4】上記内筒体に外筒体が外嵌固定されること
    により、その内筒体と外筒体の間に、上記一対のスラス
    ト動圧軸受部を連通する潤滑液保留孔が形成され、上記
    軸部の外周面部と上記内筒体の内周面部の間隙のうち上
    記一対のラジアル動圧軸受部同士の間の軸方向位置に、
    外部空間に通じる気体介在部を有し、上記一方のラジア
    ル動圧軸受部とその軸方向外方側のスラスト動圧軸受部
    における潤滑液及び前記他方のラジアル動圧軸受部とそ
    の軸方向外方側のスラスト動圧軸受部における潤滑液が
    それぞれ連続して保持されると共に、それらの一対のス
    ラスト動圧軸受部における潤滑液が前記潤滑液保留孔を
    介して連続して保持された請求項1、2又は3記載のス
    ピンドルモータ。
  5. 【請求項5】上記スリーブ体を構成する内筒体及び外筒
    体がブロンズ製である請求項1乃至4の何れかに記載の
    スピンドルモータ。
  6. 【請求項6】上記回転環状部材に記録媒体が外嵌固定さ
    れており、前記回転環状部材と記録媒体の線膨張係数が
    近似している請求項1乃至5の何れかに記載のスピンド
    ルモータ。
  7. 【請求項7】上記回転環状部材が、線膨張係数が約10
    ×10−6/℃のステンレス鋼製である請求項6記載の
    スピンドルモータ。
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