JP2002234167A - 薄板状部品の接着固定構造 - Google Patents

薄板状部品の接着固定構造

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JP2002234167A
JP2002234167A JP2001032334A JP2001032334A JP2002234167A JP 2002234167 A JP2002234167 A JP 2002234167A JP 2001032334 A JP2001032334 A JP 2001032334A JP 2001032334 A JP2001032334 A JP 2001032334A JP 2002234167 A JP2002234167 A JP 2002234167A
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Atsushi Ito
敦 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットプリンタヘッドのノズル部か
らのインク漏洩を防止する。 【解決手段】 ヘッドユニット6の前面のマニホールド
プレート12とノズルプレートとの接着領域43aに
は、ノズル54の列を囲む第1領域に、凹状の多数の接
着剤逃がし部58を密の間隔で設ける一方、その第1領
域の外側には凹状の多数の接着剤逃がし部59を疎の間
隔で設け、接着領域43aに接着剤を塗布してからマニ
ホールドプレート12とノズルプレートとを接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電式等のインク
ジェットプリンタヘッドや電子部品に使用される複数枚
の薄板の接着固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】先行技術のオンディマンド型の圧電式等
のインクジェットプリンタヘッドにおいて、特開平2−
78560号公報には、接着剤の硬化時の収縮によるス
トレスの発生でインクジェットヘッドがゆがみ、ひび割
れ等して耐久性、信頼性の劣化が起こるのを防止するた
め、インクを吐出するノズルの列を有するノズルプレー
ト(オリフィスプレート)と、該ノズルに連通するイン
ク通路を備えたヘッド本体との接合面、例えばノズルプ
レートの裏面に島状の凹凸部を形成し、接着剤を介し
て、ノズルプレートとヘッド本体とを接合させた構成が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成の接合面に形成される島状の凸部の数が少ないため、
逆に凹部の全面積が大きくなるから、接着剤の層厚さの
厚い接着部の面積が多くなり、接着剤の使用量が多くな
ると共に、接着剤の層厚さの平均値が大きくなるだけ
で、接着面積が余り増大しないから、接着強度が向上し
難いという問題があった。
【0004】特に、ノズルの列を囲む領域に、前記島状
の凸部が1列で一定間隔にて形成されているだけである
から、その領域での接着強度が向上せず、ノズルからの
インクが圧電アクチュエータを有するヘッド本体側に漏
れ易くなるという問題があった。
【0005】このような問題は、他の種類の電子部品等
に使用される薄板の接着固定構造でもあった。
【0006】本発明は、これらの問題を解消することを
目的とするものであり、特に、接着強度を向上させたイ
ンクジェットプリンタヘッドを提供することを技術的課
題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題を達成す
るため、請求項1に記載の発明は、各薄板を貫通する微
小な径の液体流路が形成され、且つ各液体流路が薄板間
で連通する状態で少なくとも2枚の薄板の表面同士を、
接着剤を介して接着固定してなる薄板状部品の接着固定
構造において、前記接着する一方の薄板の表面であっ
て、前記液体流路を囲む外周領域に、凹状または貫通孔
状の接着剤逃がし部を多数形成すると共に、前記液体流
路を囲む外周領域のうち、液体流路に近い第1領域に
は、前記各接着剤逃がし部の配置間隔を密とし、前記第
1領域の外側の第2領域における各接着剤逃がし部の配
置間隔を疎としたことを特徴とするものである。
【0008】そして請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の薄板状部品の接着固定構造において、前記薄板
状部品は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有
するインクジェットプリンタのヘッドユニット用プレー
トであって、液体流路は、ノズルプレートに穿設された
ノズル及び、該ノズルプレートが接着固定される相手の
プレートに穿設されたインク流路としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の実
施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドの
斜視図を示し、図5はヘッドユニットの前面図、図7は
底板とヘッドユニット及び保護カバープレートの接着完
了状態を示す要部断面図、図11はヘッドユニットとし
てのキャビティプレートの各部品の斜視図、図13
(a)はノズルプレートの接着態様を示す要部拡大断面
図、図13(b)は接着剤逃がし部の拡大断面図であ
る。
【0010】本発明に係るインクジェットプリンタヘッ
ドは、図1〜図7に示すように、ポリプロエチレン、ポ
リプロピレン等の合成樹脂材の射出形成品からなる本体
フレーム1と、その底板5の下面側に並設した2つのヘ
ッドユニット6、6と、その各ヘッドユニット6の表面
のノズル列が露出するようにした開口窓57、57を有
して、ヘッドユニット6、6の表面及び前記本体フレー
ム1に固定した保護カバープレート44とより構成され
ている。
【0011】本体フレーム1は、上面開放の略箱状に形
成されており、その上方からインク供給源としての4つ
のインクカートリッジ2を着脱自在に装着できる搭載部
3を有し、該搭載部3の一側部位3aには、前記各イン
クカートリッジ2のインク放出部(図示せず)に接続で
きるインク供給通路4a,4b,4c,4dが本体フレ
ーム1の底板5の下面まで連通している。
【0012】前記底板5は、前記搭載部3から一段下に
突出するようにして水平状に形成され、該底板5の下面
側には、後に詳述するヘッドユニット6を2つ並列させ
て当接するための2つの支持部8、8を段付き状に形成
する。該各支持部8の一側部位には、図4及び図9に示
すように、前記各インク供給通路4a,4b,4c,4
dに対応する開口部50,50,50,50が設けら
れ、その各開口部50毎の外周を囲繞するように略環状
の嵌合溝46が凹み形成されている。
【0013】そして、前記各嵌合溝46に、軟質のゴム
製等のシール性の良好なリング状のパッキン47を嵌合
する(図2及び図9参照)。
【0014】また、前記底板5の各支持部8、8には、
速硬化性の第1接着剤としてのUV接着剤7の流し込み
孔9a,9bが複数上下に貫通するように形成されてい
る。流し込み孔9a,9bから供給されたUV接着剤7
にてヘッドユニット6とその前面のノズルプレート43
を除いて覆う保護カバープレート44とを固定するもの
である。
【0015】なお、前記段付き状の各支持部8、8にヘ
ッドユニット6を固定したときには、その裏面のフレキ
シブルフラットケーブル40との間に適当な隙間空間9
cが形成される。
【0016】そして、図2、図6、図7に示すように、
複数の流し込み孔9a,9bは、一つのヘッドユニット
6に対してその四隅近傍の側部を固定する箇所に形成さ
れているものであり、実施形態では、前記2つの支持部
8、8のうち一辺(実施形態では長辺)が隣接する箇所
においては、並設する2つのヘッドユニット6、6の裏
面及び保護カバープレート44の裏面に跨がって露出す
るように、流し込み孔9a,9aを広幅に形成する。
【0017】なお、前記搭載部3の一側部位3aの上面
には、前記インク放出部と密接できるようにしたゴム製
等のパッキン53(図3参照)が配置されている。
【0018】次に、ヘッドユニット6の前面の構成につ
いて説明すると、図2、図5、図11、図12及び図1
3(a)に示すように、前記キャビティプレート10の
前面(下面)の中央部には、ノズル54の列を有する合
成樹脂製等の薄い板状のノズルプレート43が接着剤5
5(図13(a)参照)にて固定(貼設)されている。
後述するように、ノズル54は1列に75個あって、2
列の千鳥状に配列されており(図11及び図12参
照)、下向きにインクを吐出するものである(図14参
照)。ノズルプレート43の前面には公知の撥水膜が形
成されている。
【0019】他方、前記2つのヘッドユニット6、6の
前面側を保護するための保護カバープレート44は、薄
金属板製であって、前記各ヘッドユニット6におけるノ
ズルプレート43の外周縁に対して適宜の隙間寸法(図
2及び図3参照)を隔てて囲むようにする2つの開口窓
57、57がプレス加工にて穿設されている。その保護
カバープレート44は、前記ヘッドユニット6の前面
(下面)に対して、前記各開口窓57の外周部位を囲繞
してインクシール性を有するシリコーン等の第2接着剤
56(図6及び図7参照)にて液シール状態に接着固定
(貼設)される。保護カバープレート44の厚さはノズ
ルプレート43よりもわずかに厚いことが望ましい。
【0020】その場合、前記各ヘッドユニット6の前面
(マニホールドプレート12の前面)もしくは保護カバ
ープレート44の裏面には、前記各開口窓57の外周縁
より外周寄り部位であって、前記流し込み孔9a,9b
の位置よりも内周側に、前記第2接着剤56が第1接着
剤7と混じり合わないようにせき止めるための溜まり溝
60を1条乃至複数条凹み形成するものである。実施形
態では、図5に示すごとく、ヘッドユニット6における
下側のマニホールドプレート12の前面であって、ノズ
ルプレート43を接着する領域43aより外側であっ
て、ノズルプレート43におけるノズル54の列、ひい
ては貫通路17の列に沿って長く形成している。
【0021】そして、図5及び図13(a)に示すよう
に、前記下側のマニホールドプレート12の前面には、
前記領域43a内に平面視円形等の凹状の接着剤逃がし
部58、59が多数散在的に形成されている。その場
合、前記ノズル54の列に近い第1領域における接着剤
逃がし部58の直径は、実施形態では0.15mm程度であっ
て、ノズル54直径(実施形態では0.025mm 程度) より
やや大きく、且つ、接着剤逃がし部58の配置間隔(ピ
ッチ)は、実施形態では0.25mm程度で密にする。ちなみ
に、ノズル54の配置間隔(ピッチ)は、実施形態では
0.34mm程度である。
【0022】他方、前記第1領域より外側の第2領域に
おける接着剤逃がし部59の直径は、実施形態では0.2m
m 程度であって、前記第1領域における接着剤逃がし部
58の直径よりやや大きく設定する。また、接着剤逃が
し部59の配置間隔(ピッチ)は、実施形態では0.5mm
程度で疎となるようにする。
【0023】このような第1領域及び第2領域を含む領
域43aに塗布した接着剤55(図13(a)参照)が
ノズルプレート43との押圧力で伸展するときに、前記
接着剤逃がし部58、59内に接着剤55の余剰分が逃
げることができるようになっている(図13(b)参
照)。
【0024】そして、接着剤55が前記各接着剤逃がし
部58、59の周壁面を濡らしてから固化することによ
り、当該接着剤55による接着面積が前記領域43aの
平坦面より増大すると共に、接着剤55が前記各接着剤
逃がし部58、59の周壁面に固化する(前記領域43
aの平面と交差する面との接着硬化による)というアン
カー効果(作用)により、接着強度が増大できるという
効果を有するのである。
【0025】さらに、接着剤逃がし部58の配置間隔が
密である領域をノズル54の列を囲む近い領域に設定し
たことにより、この部分での接着剤55によるシール不
足部分がなくなり、ノズル54部分から吐出するインク
がノズルプレート43とその相手部材(マニホールドプ
レート12)の表面との隙間を伝っててキャビティプレ
ート10の内部に進入することを確実に防止できるので
ある。
【0026】また、前記領域43a内であって、貫通路
17の列の前後部位には、ノズルプレート43を前記下
側のマニホールドプレート12の前面に接着固定すると
き、及び複数のヘッドユニット6、6を平行状に本体フ
レーム1の底位置に接着固定する際における位置決め孔
61a、62aが穿設されている。この位置決め孔61
a、62aは、図11におけるノズルプレート43にお
ける位置決め孔61、62と一致する位置になる。
【0027】次に、ヘッドユニット6及び保護カバープ
レート44を本体フレーム1に固定する方法について説
明すると、開口窓57、57が穿設された前述の薄金属
板製の保護カバープレート44を、位置決めのための治
具63(図7二点参照)上に載置し、該保護カバープレ
ート44の裏面であって前記各開口窓57の外周部位を
囲繞するように第2接着剤56を塗布する(図6参
照)。
【0028】次いで、該治具63における2つの位置決
めピン64(図7で一方のみ示す)に、前記ノズルプレ
ート43における位置決め孔61、62を嵌めて、2個
のノズルプレート43が開口窓57から露出するように
配置すると共に、両ヘッドユニット6、6におけるノズ
ル54の列の間隔が一定で且つ平行状となるようにセッ
トし、各ヘッドユニット6との前面と保護カバープレー
ト44の裏面とを第2接着剤56にて接着固定する。そ
れらの上に、本体フレーム1を被せ、ヘッドユニット
6、6を、支持部8、8の位置に対応させて、流し込み
孔9a,9bに第1接着剤であるUV接着剤7を流し込
み、紫外線を照射して接着剤を硬化させ、2個のヘッド
ユニット6、6の位置を一度に固定する。
【0029】このようにすると、図7に示すように、第
2接着剤56は押圧力にてマニホールドプレート12の
前面と保護カバープレート44の裏面と間で薄い層状に
押し広げられるが、前記1乃至複数条の溜まり溝60の
箇所でせき止められて、それより外周方向に漏出し難く
なる。他方、第1接着剤であるUV接着剤7も、各ヘッ
ドユニット6の裏面から側縁を伝い、保護カバープレー
ト44の裏面との隙間を通って、開口窓57の内周方向
に流れようとするが、UV接着剤7の瞬間的固化により
余り流れ込まない。万一、開口窓57の内周方向に流れ
ても、前記溜まり溝60を複数条形成しておけば、第1
接着剤7と第2接着剤56とが混じり合う箇所の発生を
確実に防止できる。
【0030】種類の異なる接着剤が混じり合うことで、
固化現象が発生しなくなり未硬化の部分が発生して、後
にインクのリーク(漏洩)による電気的短絡等の事故を
未然に、且つ確実に防止できるのである。
【0031】なお、前記流し込み孔9a,9bを例え
ば、平面視矩形状のヘッドユニット6の四隅近傍に配置
することにより、UV接着剤7の固化時に、当該接着剤
の収縮歪みに伴うヘッドユニット6の位置ずれを極力少
なくすることができる。図4及び図5に示すように、並
列させたヘッドユニット6、6の隣接する辺に跨がって
流し込み孔9aが広幅で形成されていると、1箇所の流
し込み孔9aにUV接着剤7を充填し、紫外線照射で、
2つのユニット6、6を一度に固化でき、作業時間の短
縮及び製造効率の大幅向上に寄与できる。
【0032】さらに、ヘッドユニット6の四隅近傍を固
化することで、後にインクジェットヘッドをプリンタに
搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止
するためのゴム製等のキャップでヘッドユニット6の前
面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレート
10の平面が歪むような変形が起こり難くなるという利
点を有する。
【0033】さらに、図8及び図9に示すように、保護
カバープレート44の外周と本体フレーム1との間にシ
ール剤45を塗布する。なお、フレキシブルフラットケ
ーブル40と本体フレーム1との間、フレキシブルフラ
ットケーブル40と保護カバープレート44との間、及
び保護カバープレート44における折曲部分44bのコ
ーナ部と本体フレーム1との間には、ヘッドユニット6
に本体フレーム1を被せ付ける前に、シール剤45を予
め塗布しておく。これにより、ヘッドユニット6の圧電
アクチュエータ及び電気的な接合部を外部に対して完全
に封止し、外部からインクや紙粉、埃等が侵入するのを
防止する。
【0034】次に、ヘッドユニット6及びその各構成部
品の詳細について説明する。ヘッドユニット6は、図1
0〜図12に示すように、複数枚の金属板製の積層型の
キャビティープレート10と、該キャビティプレート1
0に対して接着剤または接着シート41(図14参照)
を介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエ
ータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のため
に、フレキシブルフラットケーブル40が重ね接合され
て構成されている。
【0035】また、後述するように、ヘッドユニット6
の裏面側であって、最上層のベースプレート14の一端
部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のイ
ンクカートリッジ3から供給されるインク中の塵除去の
ためのフィルタ29が予め接着剤にて固定されている
(図10、図11参照)。キャビティープレート10を
本体フレーム1に組み付けたとき、供給孔19aはその
周囲を前記パッキン47に当接し、インク供給通路4a
に連通する。
【0036】前記キャビティープレート10は、図11
及び図12に示すように構成されている。すなわち、二
枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13
及びベースプレート14の4枚の薄い金属板をそれぞれ
接着剤にて重ね接合した構造であり、実施形態では、ノ
ズルプレート43を除く各プレートは、42%ニッケル
合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有す
る。
【0037】前記下側のマニホールドプレート12には
ノズルプレート43が接着され、ノズル54に連通する
多数の貫通路17が、上下両マニホールドプレート12
及びスペーサプレート13の各々の第1の方向(長辺方
向)に沿って2列の千鳥配列状に一定ピッチで設けられ
ている。そして、前記二枚のマニホールドプレート12
には、インク通路12a、12bが、前記貫通孔17の
列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、
下側のマニホールドプレート12におけるインク通路1
2bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開
放するように凹み形成されている(図12参照)。この
インク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレ
ート12に対する前記スペーサプレート13の積層によ
り密閉される構造になっている。
【0038】また、前記ベースプレート14には、その
長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する
第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多
数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左
右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定す
ると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは
前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手
中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の
長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室1
6の先端16aが交互に配置されているので、左右両側
の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように
交互に配置されていることになる。
【0039】この各圧力室16の先端16aは、前記ス
ペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に
同じく千鳥状配列にて穿設されている貫通路17、1
7、17を介して連通している。一方、前記各圧力室1
6の他端16bは、前記スペーサプレート13における
左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両
マニホールドプレート12におけるインク通路12a、
12bに連通している。前記各圧力室16の他端16b
は、図12、図14に示すように、ベースプレート14
の下面側にのみ開口するように凹み形成されているもの
である。
【0040】これにより、前記前記ベースプレート14
及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19
a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入
したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔
18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、こ
の各圧力室16内から前記貫通路17、17、17を通
って、当該圧力室16に対応するノズル54に至るとい
う構成になっている(図14参照)。
【0041】一方、前記圧電アクチュエータ20は、図
14に示すように、複数枚の圧電シート21を積層した
構造で、特開平4−341851号公報に記載のよう
に、前記各圧電シート21のうち最下段の圧電シート2
1とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21の
上面(広幅面)には、前記キャビティープレート10に
おける各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極(図示
せず)が形成されている。下から偶数段目の圧電シート
21の上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対し
て共通のコモン電極(図示せず)が形成されている。前
記最上段のトップシートの上面には、その長辺の端縁部
に沿って、前記各個別電極の各々に対して電気的に接続
した表面電極30と、前記コモン電極に対して電気的に
接続した表面電極とが設けられている(図10参照)。
【0042】そして、このような構成のプレート型の圧
電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート1
0に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個
別電極が前記キャビティープレート10における各圧力
室16の各々に対応するように積層固定される。また、
この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、
前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧され
ることにより、このフレキシブルフラットケーブル40
における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表
面電極30、31に電気的に接合される。
【0043】この構成において、前記圧電アクチュエー
タ20における各個別電極のうち任意の個別電極と、コ
モン電極との間に電圧を印加することにより、圧電シー
トのうち前記電圧を印加した個別電極に対応した部分に
圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記
各個別電極に対応する圧力室16の内容積が縮小される
ことにより、この圧力室16内のインクが、ノズル54
から液滴状に噴出して(図14参照)、所定の印字が行
われる。
【0044】前記の並列すべきヘッドユニットの個数は
2〜4と任意に構成することができ、ヘッドユニットに
おけるキャビティプレートは金属材料の他、セラミック
ス材であっても良い。さらに、本発明のインクジェット
プリンタの駆動手段は、上記のプレート状の圧電アクチ
ュエータ20の他の形式であっても良いし、静電気によ
り、圧力室の背面を覆う振動板を振動させてインクをノ
ズル54から吐出させる構成であっても良い。
【0045】なお、前記キャビティプレート10の前面
に対してノズルプレート43を接着固定する領域に設け
る接着剤逃がし部58、59は、キャビティプレート1
0における下側マニホールドプレート12に凹み形成す
る他、該下側マニホールドプレート12さらにもう1枚
のプレートを貼着し、そのプレートの表面の所定領域に
前記接着剤逃がし部58、59を多数凹み形成しても良
い。
【0046】さらに他の実施形態として、ノズルプレー
ト43の裏面側に、接着剤逃がし部58、59を設ける
ようにしても良い(図15(a)及び図15(b)参
照)。その場合、図15(c)に示すごとく、接着剤逃
がし部58、59がノズルプレート43の板厚を貫通す
るように形成しておいても良いのである。いずれの場合
も、接着剤55の接着面積が増大し、且つアンカー効果
(作用)により、プレート同士の接着強度が向上するの
である。接着剤逃がし部58、59の断面形状は円形ば
かりでなく、他の四角、楕円等任意の形状であって良
い。
【0047】本発明は、インクジェットヘッドばかりで
なく、他の電子部品における薄板の接着構造にも適用で
きることはいうまでもない。
【0048】
【発明の作用・効果】以上に説明したように、請求項1
に記載の発明は、各薄板を貫通する微小な径の液体流路
が形成され、且つ各液体流路が薄板間で連通する状態で
少なくとも2枚の薄板の表面同士を、接着剤を介して接
着固定してなる薄板状部品の接着固定構造において、前
記接着する一方の薄板の表面であって、前記液体流路を
囲む外周領域に、凹状または貫通孔状の接着剤逃がし部
を多数形成すると共に、前記液体流路を囲む外周領域の
うち、液体流路に近い第1領域には、前記各接着剤逃が
し部の配置間隔を密とし、前記第1領域の外側の第2領
域における各接着剤逃がし部の配置間隔を疎としたこと
を特徴とするものである。
【0049】このような構成によれば、第1領域及び第
2領域を含む領域に塗布した接着剤が両薄板に加えた押
圧力で伸展するときに、前記接着剤逃がし部内に接着剤
の余剰分が逃げることができる。
【0050】そして、接着剤が前記各接着剤逃がし部の
周壁面を濡らしてから固化することにより、当該接着剤
による接着面積が前記領域の平坦面より増大すると共
に、接着剤が前記各接着剤逃がし部の周壁面に固化する
(前記領域の平面と交差する面との接着硬化による)と
いうアンカー効果(作用)により、接着強度が増大で
き、流体流路の周囲において、特に十分な接着強度が得
られ、流体漏れを防止できるという効果を有するのであ
る。
【0051】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の薄板状部品の接着固定構造において、前記薄板状部品
は、前面に列状に配置された複数個のノズルを有するイ
ンクジェットプリンタのヘッドユニット用プレートであ
って、液体流路は、ノズルプレートに穿設されたノズル
及び、該ノズルプレートが接着固定される相手のプレー
トに穿設されたインク流路としたものである。
【0052】この場合、接着剤逃がし部の配置間隔が密
である領域をノズルの列を囲む近い領域に設定したこと
により、この部分での接着剤によるシール不足部分がな
くなり、ノズル部分から吐出するインクがノズルプレー
トとその相手部材の表面との隙間を伝っててヘッドユニ
ットの内部に進入することを確実に防止できるという効
果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるインクジェットプリ
ンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜
視図である。
【図3】本体フレームの上方から見たインクジェットプ
リンタヘッドの部品の分解斜視図である。
【図4】本体フレームの底板を下面側から見た図であ
る。
【図5】ヘッドユニットの下面の接着領域を拡大した一
部切欠き図である。
【図6】本体フレームとヘッドユニットと保護カバープ
レートとの接着作業を示す要部拡大断面図である。
【図7】図4のVII −VII 線矢視で見た本体フレームと
ヘッドユニットと保護カバープレートとの接着部を示す
拡大断面図である。
【図8】図4の VIII −VIII線矢視拡大断面図である。
【図9】図4のIX−IX線矢視拡大断面図である。
【図10】ヘッドユニットの各部品の斜視図である。
【図11】キャビティープレートの各部品の斜視図であ
る。
【図12】キャビティープレートの部分拡大斜視図であ
る。
【図13】(a)はキャビティプレートにおけるノズル
プレートの接着部を示す要部拡大断面図、(b)は接着
剤逃がし部の拡大断面図である。
【図14】ヘッドユニットの拡大側断面図である。
【図15】(a)は他の実施形態のキャビティプレート
におけるノズルプレートの接着部を示す要部拡大断面
図、(b)は接着剤逃がし部の拡大断面図、(c)はさ
らに他の実施形態の接着剤逃がし部の拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 本体フレーム 5 底板 6 ヘッドユニット 7 第1接着剤としてのUV接着剤 9a,9b 流し込み孔 10 キャビティープレート 12、12 マニホールドプレート 13 スペーサプレート 14 ベースプレート 17 貫通路 20 圧電アクチュエータ20 40 フレキシブルケーブル 43 ノズルプレート 43a 接着領域 44 保護カバープレート 54 ノズル 55 接着剤 56 第2接着剤 57 開口窓 58、59 接着剤逃がし部 60 溜まり溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各薄板を貫通する微小な径の液体流路が
    形成され、且つ各液体流路が薄板間で連通する状態で少
    なくとも2枚の薄板の表面同士を、接着剤を介して接着
    固定してなる薄板状部品の接着固定構造において、前記
    接着する一方の薄板の表面であって、前記液体流路を囲
    む外周領域に、凹状または貫通孔状の接着剤逃がし部を
    多数形成すると共に、前記液体流路を囲む外周領域のう
    ち、液体流路に近い第1領域には、前記各接着剤逃がし
    部の配置間隔を密とし、前記第1領域の外側の第2領域
    における各接着剤逃がし部の配置間隔を疎としたことを
    特徴とする薄板状部品の接着固定構造。
  2. 【請求項2】 前記薄板状部品は、前面に列状に配置さ
    れた複数個のノズルを有するインクジェットプリンタの
    ヘッドユニット用プレートであって、液体流路は、ノズ
    ルプレートに穿設されたノズル及び、該ノズルプレート
    が接着固定される相手のプレートに穿設されたインク流
    路であることを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品
    の接着固定構造。
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