JP2006062373A - インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェットプリンタの本体フレーム1の下面に複数のフロントヘッドユニットを正確且つ迅速に固定する。
【解決手段】前面に列状の複数個のノズルと、この各ノズル毎に圧力室を備えたキャビティプレート10と、圧力室毎にインクに噴射エネルギーを付与する圧電アクチュエータ20と、フレキシブルフラットケーブル40とを積層したフロントヘッドユニット6を、治具42の表面に載置する。そのとき、キャビティプレート10の表面側のノズルプレート43に、ノズル列の前後部位に穿設された位置決め孔に対して治具42から突出する位置決めピンを嵌合して位置決めした状態で、本体フレーム1の底板5の下面の支持部8をフロントヘッドユニット6に被せ、本体フレーム1の上側に露出する空所9a,9bからUV接着剤を充填後紫外線照射にてフロントヘッドユニット6を固着する。
【選択図】図10

Description

本発明は、圧電式等のインクジェットプリンタヘッドの構成に係り、より詳しくは、ノズル及びアクチュエータを備えたフロントヘッドユニットを、インク供給通路を備えた本体フレームに強固且つ迅速に且つ精度良く固定できる構造及びその製造方法に関するものである。
先行技術のオンディマンド型の圧電式のインクジェットプリンタヘッドにおいては、例えば、特開平8−276586号公報に記載されているように、積層型のフロントヘッドユニットは、多数のノズルを備えたノズルプレートと、その背面に接着剤にて積層され、インク供給タンクに連通するリザーバ室と前記ノズルの孔径より大径の第1通孔を有するスペーサプレートと、該スペーサプレートの背面に接着され、前記リザーバ室と連通するオリフィスと前記第1通孔に連通する第2通孔を有するインク供給プレートと、該インク供給プレートの背面に接着された補強プレート及び圧力室を構成するための圧力室プレートと、前記圧力室の背面に接着した圧電振動板とから構成されており、このフロントヘッドユニットを、合成樹脂製のヘッドケースの下面の凹所内に接着剤にて固定する。このヘッドケースには、後述するインクカートリッジからのインクを前記フロントヘッドユニットに流入させるためのインク流路が形成されており、このヘッドケースを、合成樹脂製の上面開放状でインクカートリッジを着脱自在に搭載できる本体フレームの下面にビス止めするという構成であった。
特開平8−276586号公報
しかしながら、前記の構成では、ヘッドケースが合成樹脂製の射出成形品であるとしても、フロントヘッドユニットの外周形状に合わせた凹所を正確に形成することができず、また、前記凹所の内壁面とフロントヘッドユニットの外周及び裏面との間の隙間に隈なく接着剤で充填するので、当該フロントヘッドユニットのノズルの向きをヘッドケースの下面と直交する方向に正確に合わせることも困難であるという問題があった。そして、前記フロントヘッドユニットを複数並設させる場合、一方のフロントヘッドユニットにおけるノズル列と隣接する他方のフロントヘッドユニットにおけるノズル列との平行度や間隔の誤差が大きくなると、用紙等の被記録媒体に対するインクの付着位置がずれて印刷精度が悪くなるので、前記複数のフロントヘッドユニットを、その平行度や配置間隔の誤差が小さくなるように、ヘッドケースに固定する必要があった。
さらに、前記接着剤の硬化速度が遅いと、ヘッドケースに対してフロントヘッドユニットを固定するために位置及び姿勢保持する治具を長時間拘束しなければならず、組み立て作業の能率も悪くなるという問題もあった。
本発明は、このような問題を解消したインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法を提供することを技術的課題とするものである。
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドは、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面を支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを備え、該各空所には速硬化性の接着剤を充填してフロントヘッドユニットを固定したものである。
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記速硬化性の接着剤はUV接着剤としたものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記底板には、前記フロントヘッドユニットを複数並設するための支持部を並列状に形成し、該隣接する支持部には、前記隣接する2つのフロントヘッドユニットの裏面に跨がるように前記空所を形成したものである。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記空所は、1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するように配置したものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フロントヘッドユニットを複数並べてその前面に固着されたカバープレートをさらに備えたものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートには、前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌まる位置決め孔を備え、ノズルプレートに隣接するプレートには、前記各位置決め孔に連通し、且つ位置決め孔より大径の盲孔を有したものである。
請求項7に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置した後、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とする。
そして、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記接着剤は、UV接着剤としたものである。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記空所は1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するよう設けたことを特徴とするものである。
請求項10に記載の発明は、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記複数のフロントヘッドユニットの前面に固着されたカバープレートをさらに備え、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決め配置するとともにその前面に前記カバープレートを配置し、それらに前記支持部を対向配置させたことを特徴とするものである。
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法であって、前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートの前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に予め穿設された位置決め孔を、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌合させた状態で、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定するものである。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記各ノズルプレートには、ノズルと位置決め孔とを同一工程にて穿設するものである。
以上に説明したように、請求項1に記載の発明の圧電式インクジェットプリンタヘッドは、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面を支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを備え、該各空所には速硬化性の接着剤を充填してフロントヘッドユニットを固定したものである。
この構成により、フロントヘッドユニットの裏面と空所の壁面との間に充填された速硬化性の接着剤にて迅速に固定でき、且つフロントヘッドユニットの配置位置誤差も極めて小さくできるという効果を奏する。
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記速硬化性の接着剤はUV接着剤としたものであるから、秒単位の極短時間で固化が完了するので組み立て作業効率が大幅に向上するという効果を奏する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記底板には、前記フロントヘッドユニットを複数並設するための支持部を並列状に形成し、該隣接する支持部には、前記隣接する2つのフロントヘッドユニットの裏面に跨がるように前記空所を形成したものであるから、該跨がった空所に接着剤を充填すれば隣接するフロントヘッドユニットの裏面箇所を同時に固定でき、組み立て作業効率が一層向上するという効果を奏する。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記空所は、1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するように配置したものである。
このように、1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応する空所にて接着剤で固定すると、接着剤の固化時に、当該接着剤の収縮歪みに伴うフロントヘッドユニットの位置ずれを極力少なくすることができると共に、後にインクジェットヘッドをプリンタに搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止すべくゴム製等のキャップでキャビティプレートの前面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレートの平面が歪むような変形が起こり難くなるという利点を有する。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記フロントヘッドユニットを複数並べてその前面に固着されたカバープレートをさらに備えるものであるから、上記のように複数のフロントヘッドユニットの配置誤差を小さくし、かつ、それらの間の隙間をカバープレートで塞ぎ、埃等の侵入を防止することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートには、前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌まる位置決め孔を備えたものであるから、一つのフロントヘッドユニットごとにノズルプレートを治具に対面させてセットすると、治具における位置決めピンに対してノズルプレートにおけるノズル列前後の位置決め孔を介して、ノズルプレートが正確な位置姿勢で簡単にセットできるから、この状態で本体フレームに対してフロントヘッドユニットを接着剤にて固着するだけで、複数並設するフロントヘッドユニットのノズル列が互いに平行状になり配置誤差を無くすることができる。また、位置決めのための構成も至極簡単であり、インクジェットヘッド側に跡に突出部が残らないという効果も奏する。
そして、本発明では、ノズルプレートに隣接するプレートには、前記各位置決め孔に連通し、且つ位置決め孔より大径の盲孔を有したものであるから、フロントヘッドユニットを積層状に組み立てるときに、ノズルプレートとそれに隣接するプレートとの間の横ずれが多少できても、位置決めピンが盲孔につかえず、且つ、印刷作業中に万一、インクが位置決め孔を介して盲孔内に浸入しても、アクチュエータ側にインクが浸入せず、電気的短絡事故が発生しないという効果を奏する。
請求項7に記載の発明のインクジェットプリンタヘッドの製造方法は、前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置した後、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とする。
したがって、複数のフロントヘッドユニットの前面の水平度やノズル列の平行度を正確に保持した状態で、各フロントヘッドユニットの裏面からの接着剤の充填で、本体フレームと固定でき、インクジェットプリンタヘッドの組み立て精度を大幅に向上できるという効果を奏する。
そして、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記接着剤は、UV接着剤としたものであるから、固定に要する時間が短時間となり、請求項5に記載の発明による効果に加えて、組み立て作業能率が大幅に向上するという効果を奏する。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7または請求項8に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記空所は1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するよう設けたことを特徴とするものであるから、接着剤による固化に際しての収縮による本体フレームに対するフロントヘッドユニットの取付け位置のずれを少なくできるという効果を奏する。
また、請求項10に記載の発明は、請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記複数のフロントヘッドユニットの前面に固着されたカバープレートをさらに備え、前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決め配置するとともにその前面に前記カバープレートを配置し、それらに前記支持部を対向配置するものであるから、複数のフロントヘッドユニットを上記のように正確に配置し、かつ、それらの間の隙間をカバープレートで塞ぎ、埃等の侵入を防止することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法であって、前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートの前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に予め穿設された位置決め孔を、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌合させた状態で、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定するものである。
従って、一つのフロントヘッドユニットごとにノズルプレートを治具に対面させてセットすると、治具における位置決めピンに対してノズルプレートにおけるノズル列前後の位置決め孔を介して、ノズルプレートが正確な位置姿勢で簡単にセットできるから、この状態で本体フレームに対してフロントヘッドユニットを接着剤にて固着するだけで、複数並設するフロントヘッドユニットのノズル列が互いに平行状になり配置誤差を無くすることができる。また、本体フレームに、フロントヘッドユニットを複数固定した後には、治具における位置決めピンからノズルプレートを外すだけでよいから、作業効率が良いという効果を奏する。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、前記各ノズルプレートには、ノズルと位置決め孔とを同一工程にて穿設したものであるから、ノズルと位置決め孔とを別工程で形成する場合に比べて、相互の位置誤差が少なくなり、その分だけ複数のフロントヘッドユニットの並設の配置誤差も小さくできるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1、図2及び図3は、本発明の実施の形態による圧電式インクジェットプリンタヘッドの斜視図を示し、図4は本体フレーム1の下面図である。
これらの図において、記録媒体に沿って走行する公知のキャリッジ(図示しない)に搭載される本体フレーム1は、ポリプロエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂材の射出形成品で、上面開放の略箱状に形成されており、その上方から4つのインクカートリッジを着脱自在に装着できる搭載部3を有し、該搭載部3の一側部位3aには、前記各インクカートリッジのインク放出部(図示せず)に接続できるインク供給通路4a,4b,4c,4dが本体フレーム1の底板5の下面まで連通している。なお、前記搭載部3の一側部位3aの上面には、前記インク放出部と密接できるようにしたゴム製等のパッキング(図示せず)が配置されている。
前記底板5は、前記搭載部3から一段下に突出するようにして水平状に形成され、該底板5の下面側には、後に詳述するフロントヘッドユニット6を2つ並列させて配置するための2つの支持部8、8を段付き状に形成する。該各支持部8にはUV接着剤7にて固定するための複数の空所9a,9bが上下に貫通するように形成されている。
フロントヘッドユニット6は、図12に示すように、複数枚の金属板製の積層型のキャビティープレート10と、該キャビティプレート10に対して接着剤または接着シート41(図16参照)を介して接着・積層されるプレート型の圧電アクチュエータ20と、その上面に外部機器との電気的接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されて構成されており、キャビティープレート10における最下層のノズルプレート43に後述のように開口されたノズル54から下向きにインクが吐出するものとする。
次に、フロントヘッドユニット6の各構成部品の詳細について説明する。前記キャビティープレート10の第1実施形態は、図13、図14、図15及び図16に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート43、下層プレート11、二枚のマニホールドプレート12、スペーサプレート13及びベースプレート14の五枚の薄い板状材料をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造である。実施形態では、ノズルプレート43を除く各プレートは、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。
前記ノズルプレート43には、微小径(実施形態では25μm程度)の多数個のインク噴出用のノズル54が、当該ノズルプレート43における第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に設けられている。また、ノズルプレート43には、ノズル54の列の前後部位またはその近傍に、後述するように、複数のフロントヘッドユニット6、6を相互の位置を高い精度で並設固定するための前後一対の位置決め孔55、55が寸法L1だけ隔てて穿設されている(図14参照)。
前記ノズル54及び位置決め孔55、55はレーザ加工、プレス加工等により同一工程にて穿設されるから、例えばノズル54の列を結ぶ直線に対して位置決め孔55、55の位置が所定の高い精度で穿設される。また、ノズル54の列の先端及び後端に対して位置決め孔55、55の位置が近すぎると、印字作業に伴うインク滴が位置決め孔55内に溜まるおそれがあるため、実施形態では、前または後の位置決め孔55から直近のノズル54までの距離を1mm程度離した位置に穿設するものとする。
前記ノズル54に対応する連通孔15が下層プレート11の前記第1の方向に延びる2つの平行状の基準線11a、11bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列にて穿設されている。前記二枚のマニホールドプレート12、12には、インク通路12a、12bが、前記連通孔15の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、下層プレート11に対面する下側のマニホールドプレート12におけるインク通路12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図14参照)。このインク通路12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
なお、前記下層プレート11及び下側のマニホールドプレート12には、前記各位置決め孔55に連通する逃がし孔56が穿設されており(図14参照)、各逃がし孔56の直径は位置決め孔55より大きく設定され、且つ逃がし孔56は、上側のマニホールドプレート12や前記スペーサプレート13まで届かない盲孔に形成されている。これにより、万一、前記各位置決め孔55からインクが浸入した場合でも、後述する圧電アクチュエータ20の箇所までインクが届かず、インクの液による電気的短絡の事故がないように配慮されている。
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端16aは前記左側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端16aは前記右側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
この各圧力室16の先端16aは、前記ノズルプレート43における前記千鳥状配列のノズル54に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート12に同じく千鳥状配列にて穿設されている微小径の貫通路17、17、17及び連通孔15を介して連通している。これらの場合、連通孔15、貫通路17の直径は、ノズル54の直径よりかなり大きく設定されている。一方、前記各圧力室16の他端16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設された貫通孔18を介して、前記両マニホールドプレート12におけるインク通路12a、12bに連通している。
前記各圧力室16の他端16bは、図15に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するように凹み形成されているものである。また、最上層のベースプレート14の一端部に穿設された供給孔19aの上面には、その上方のインクカートリッジから供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
これにより、前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記インク通路12a、12b内に流入したインクは、このインク通路12aから前記各貫通孔18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記貫通路17、17、17及び連通孔15を通って、当該圧力室16に対応するノズル54に至るという構成になっている(図15及び図16参照)。
前記圧電アクチュエータ20は、図12、図13及び図17に示すように、9枚の圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g,22及びトップシート23を積層した構造で、前記各圧電シートのうち最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)には、前記キャビティープレート10における各圧力室16の箇所ごとに細幅の個別電極24が、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極24は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下から偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極25が形成されている。
実施形態においては、前記各個別電極24の幅寸法は対応する圧力室16における平面視での広幅部より少し狭く設定されている。
他方、圧力室16は前記のベースプレート14の短辺の中央部側で、前記第1の方向(長辺)に沿って2列状に配列されているので、前記コモン電極25は、その2列の圧力室16、16を一体的に覆うように、偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの短辺方向の中央において長辺に沿って延びる平面視略矩形状に形成されると共に、該偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の短辺の端縁部近傍では当該端縁部のほぼ全長にわたって延びる引出部25a,25aが一体的に形成されている。
そして、前記偶数段目の圧電シート21a,21c,21e,21gの対の長辺の端縁部近傍の表面であって、前記コモン電極25が形成されていない箇所には、前記各個別電極24と同じ上下位置(対応する位置)に、当該個別電極24と略同じ幅寸法で長さの短いダミー個別電極26を形成する。
他方、最下段の圧電シート22とそれから上方へ数えて奇数番目の圧電シート21b,21d,21fの上面(広幅面)のうち、前記引出部25a,25aに対応する位置(同じ上下位置、圧電シートの対の短辺の端縁部近傍)には、ダミーコモン電極27を形成するのである。
前記最上段のトップシート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記各個別電極24の各々に対する表面電極30と、前記コモン電極25に対する表面電極31とが、設けられている。
さらに、前記最下段の圧電シート22を除いて、他の全ての圧電シート21a,21b,21c,21d,21e,21f,21gとトップシート23とには、前記各表面電極30と、それに対応する位置(同じ上下位置)の個別電極24並びにダミー個別電極26とが互いに連通するように、スルーホール32を穿設する。同様に、前記少なくとも1つの表面電極31(実施形態では、トップシート23の4隅の位置の表面電極31)と、それに対応する位置(同じ上下位置)の引出部25a並びにダミーコモン電極27とが互いに連通するように、スルーホール33を穿設し、スルーホール32、33内に充填された導電性材料を介して、各層の個別電極24同士及びそれと対応する位置の表面電極30とが電気的に接続されているように構成し、同じく、各層のコモン電極25同士及びそれと対応する位置の表面電極31とが電気的に接続されているように構成するものである(図13及び図17参照)。
前記した構成の圧電アクチュエータ20は、以下に述べるような方法で製造される。即ち、前記一つの圧電アクチュエータ20における圧電シート21b,21d,21fの複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第1素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個の個別電極24と、捨てパターンの電極としてのダミーコモン電極27を設ける位置に対応して予めスルーホール32を穿設する。同様に、圧電シート21a,21c,21e,21gの複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第2素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうち各圧電シートの箇所に、複数個のコモン電極25と、捨てパターンの電極としてのダミー個別電極26を設ける位置に対応して予めスルーホール33を穿設する。さらに、前記と同様に、トップシート23の複数個をマトリックス状に並べて一体化してなる第3素材シート(セラミックグリーンシート)の表面のうちトップシート23の箇所に、複数個の表面電極30、31を設ける位置に対してスルーホール32、33を穿設する。
そして、各圧電シート21b,21d,21f、22の表面に個別電極24及びダミーコモン電極27を、圧電シート21a,21c,21e,21gの表面にコモン電極25及びダミー個別電極26を、トップシート23の表面に表面電極30、31の箇所を、それぞれ、導電ペーストのスクリーン印刷にて形成すると、前記各スルーホール32、33は、第1、第2素材シートの上下広幅面に貫通しているので、各スルーホール32、33内にも前記導電ペーストが浸入し、該各スルーホール32、33を介して各電極部分でシートの上下面で導電通可能となる。次いで、各グリーンシートを乾燥した後、積層し、次いで積層方向にプレスすることで一体化して、一枚の積層体にする。その後焼成する。
これにより、上下に積層された複数枚の圧電シート21とトップシート23とは上下同じ位置の前記個別電極24及びダミー個別電極26が表面電極30の箇所と電気的に接続されるし、同じく上下複数枚のコモン電極25及びダミーコモン電極27が表面電極31の箇所と電気的に接続されることになる。
なお、圧電アクチュエータ20の厚さ方向の外周側面にて個別電極24同士やコモン電極25同士を電気的に接続するように、側面電極(図示せず)を形成しても良い。
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20は、前記キャビティープレート10に対して、当該圧電アクチュエータ20における各個別電極24が前記キャビティープレート10における各圧力室16の各々に対応するように積層固定される(図12、図13参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね接着されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極24と、コモン電極25との間に電圧を印加することにより、圧電シート21のうち前記電圧を印加した個別電極24の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極24に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる(図16参照)。
次に、本体フレーム1の底板5の支持部8に対して複数のフロントヘッドユニット6、6を並列的に固着する方法について説明する。図2〜図8に示すように、複数の空所9a,9bは、一つのフロントヘッドユニット6に対してその四隅近傍を固定する箇所に形成されているものであり、実施形態では、前記2つの支持部8、8のうち一辺(実施形態では長辺)が隣接する箇所においては、並設する2つのフロントヘッドユニット6、6の裏面に跨がるように、空所9a,9aを広幅に形成する。
まず、前記2つのフロントヘッドユニット6、6を並設するために、治具42プレートに予め位置決めピン57、57を4つ突設する。その場合、2つのノズルプレート43、43におけるノズル54、54列が互いに平行であるように正確にセットする必要がある。そのため、1つのノズルプレート43の前後部位にL1だけ隔てて穿設された位置決め孔55、55に対応するように前後2箇所の位置決めピン57、57を突設させる(図6参照)。また、2つのノズルプレート43、43におけるノズル54、54列の間隔がL2にて平行度を保持するために、位置決めピン57、57をL2の間隔だけ隔てて突設させる(図5参照)。
治具42においてノズルプレート43が載る位置決めピン57、57のまわりの部分42aは、他の部分よりも高く突出しており、平面視においてカバープレート44の開口部44aよりも小さい大きさである。最初に、カバープレート44をその開口部44aに突出部分42aが挿入するようにして治具42上に載せる。
次いで、前記各フロントヘッドユニット6のノズルプレート43をプレート状の治具42の突出部分42aに対面させるように下向きにして、各ノズルプレート43に設けられた前記ノズル54の列の前後部位に穿設された位置決め孔55、55を対応する位置決めピン57、57に嵌め入れる(図10(a)及び図11参照)。これにより、2つのフロントヘッドユニット6、6における両ノズル54、54列が平行で、且つノズル列の前後位置も前後にずれないようにセットされる(図10(a)参照)。
そして、前記位置決めピン57の高さ寸法をノズルプレート43の厚さ寸法より高くしてあっても、当該ノズルプレート43に隣接するプレート(下層プレート11)には逃がし孔56が形成されているから、位置決めピン57の先端がプレートにつかえず、また、位置決めピン57と位置決め孔55との両直径を同じにしてガタつかないようすることにより、ノズルプレート43の表面(下面)が治具42の表面に当接した状態を保持でき、並設するノズル54の軸線(インクの噴射方向に対応する)を治具42の表面に対して直交する方向に正確に設定できることになる。なお、逃がし孔56の直径が位置決め孔55(位置決めピン57)の直径より大きく設定することにより、キャビティプレート10における各プレート43、11、12、13、14の積層作業時の各プレートの横ずれの誤差が若干あっても、位置決めピン57全体が位置決め孔55に貫通できるのである。
次いで、このフロントヘッドユニット6、6の上方から本体フレーム1を被せる。そのとき、各支持部8の段付きの凹部内に前記各フロントヘッドユニット6が収納されるようにセットすると、底板5のリブ5aの下縁はノズルプレート43の下面とほぼ同一平面をなす状態に保持される。次いで、本体フレーム1の上面側から前記各空所9a,9bに速硬化性の接着剤としての変性アクリル樹脂系接着剤の粘性のあるUV接着剤7を図10(b)の下向き矢印のごとく落とし込み充填し、次いで、本体フレーム1上から前記各空所9a,9bに向かって紫外線を照射する。すると、UV接着剤7は短時間(数十秒以内)で固化するのである。
このとき、フロントヘッドユニット6の厚さ寸法H1aを、前記キャビティプレート10におけるノズルプレート43前面からフレキシブルフラットケーブル40の裏面までの厚さとするときには、前記段付き状の各支持部8の深さ寸法H2を、H1aより若干深く設定すると(図5参照)、各支持部8とフレキシブルフラットケーブル40や圧電アクチュエータ20、さらにはキャビティプレート10の上面(裏面)との間に若干の隙間9cができ(図7及び図8参照)、この隙間9cに前記UV接着剤7が侵入した状態で秒単位で固化するから、本体フレーム1でフロントヘッドユニット6のいずれの箇所も押さえ付ける余分な外力が作用しない状態の元で両者を固定するすることができる。
従って、ノズル54の軸線(インクの噴射方向に対応する)を治具42の表面に対して直交する方向に正確に設定でき、かつ、2つのフロントヘッドユニット6、6のノズル列の相互の関係も正確に維持できる。
また、前記凹所9a,9bを例えば、平面視矩形状のフロントヘッドユニット6の四隅近傍に配置することにより、UV接着剤7の固化時に、当該接着剤の収縮歪みに伴うフロントヘッドユニット6の位置ずれを極力少なくすることができる。
また、フロントヘッドユニット6の四隅近傍を固化することで、後にインクジェットヘッドをプリンタに搭載した状態での不使用時に、ノズル部分の乾燥を防止すべくゴム製等のキャップでキャビティプレート10の前面を密接すべく押圧したときに当該キャビティプレート10の平面が歪むような変形が起こり難くなるという利点を有する。
さらに、図5及び図7に示すように、並列させたフロントヘッドユニット6、6の隣接する辺に跨がって空所9aが広幅で形成されていると、1箇所の空所9aにUV接着剤7を充填し、紫外線照射で、2つのユニット6、6を一度に固化でき、作業速度の短縮及び製造効率の大幅向上に寄与できる。
なお、速硬化性の接着剤としては、前記UV接着剤7と成分が類似する湿気硬化型接着剤等も使用できる。
そして、フロントヘッドユニット6、カバープレート44、本体フレーム1の間には、シール剤45を充填する。なお、フロントヘッドユニット6とカバープレート44の間には、カバープレート44にフロントヘッドユニット6を対向させる際に、カバープレート44またはフロントヘッドユニット6の下層プレート11の対向面のいずれかに予め塗布した接着剤兼シール剤を介装させる。
即ち、図7〜図9に示すように、弾性のある薄金属板製のカバープレート44の左右両側縁とリブ5aとの間、及びカバープレート44の折曲部分44cの先端と本体フレーム1の側面との間にシール剤45を塗布する。なお、フレキシブルフラットケーブル40と本体フレーム1との間、フレキシブルフラットケーブル40とカバープレート44との間、およびカバープレート44における折曲部分44cのコーナ部と本体フレーム1との間には、フロントヘッドユニット6に本体フレーム1を被せ付ける前に、シール剤45をあらかじめ塗布しておく。これにより、前記隙間9cの外周を完全に封止でき、外部からインクや、紙粉、埃等が侵入することを防止できるのである。
なお、カバープレート44は、中央部分においてノズルプレート43に対応する孔44aを有し、両端において底板5の下面側から本体フレーム1の側面に沿って折曲部分44b,44cが形成され、一方の折曲部分44bで、フレキシブルフラットケーブル40の中途部の下面側を覆うようにしている。
カバープレート44の外周は、本体フレーム1に対してシリコーン接着剤等のシール剤45で封止固定されている。すなわち、カバープレート44の左右両側縁と底板5の左右両側に立ち上がったリブ5aとの間、及びカバープレート44の他方の折曲部分44cの先端と本体フレーム1の側面との間に沿って、ほぼU字状にシール剤45が充填され(図7及び図9)、また一方の折曲部分44bの内側とフレキシブルフラットケーブル40との間およびそのケーブル40と本体フレーム1の側面との間にそれぞれシール剤45が充填されている(図8参照)。カバープレート44の孔44aの内周とフロントヘッドユニット6の前面との間は、カバープレート44とフロントヘッドユニット6とを接着する接着剤(シール剤)によって封止される。これにより、2個のフロントヘッドユニット6の間は、カバープレート44によって塞がれ、かつ本体フレーム1とフロントヘッドユニット6の外周との間は、カバープレート44およびシール剤45を介して封止されて、本体フレーム1とフロントヘッドユニット6との隙間9cにインクや、紙粉、埃等が侵入することを防止でき、圧電アクチュエータ20とフレキシブルフラットケーブル40との電気的接続箇所の電気的短絡事故が防止できるのである。また、一方の折曲部分44bにより、フレキシブルフラットケーブル40の引き出し方向を案内できるとともに、そのケーブル40の保護もできる。
なお、図2、図9に示すように、本体フレーム1における前記各インク供給通路4a,4b,4c,4dの本体フレーム1の底板5の下面への連通部の外周には平面視8字状等の嵌合溝46を凹み形成し、該嵌合溝46には、リング状のゴム製等のパッキン47を挿入するとともに、シリコーン樹脂等のシール剤45にて予め充填しておく。前述のフロントヘッドユニット6と本体フレーム1との接着固定時に、同時に前記各パッキン47の先端が前記各供給孔19aの外周に押圧されことにより、シール剤45もフロントヘッドユニット6に接触し、供給孔19a(フィルタ29)とのシール箇所が密閉できるのである。
図18はキャビティプレート10の第2実施形態を示し、第1実施形態のキャビティプレート10との相違は下層プレート11が省略されている点であり、他の形態及び構成、作用・効果は同一であるので、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。そして、ノズルプレート43における位置決め孔55に連通する盲孔としての逃がし孔56は、下側マニホールドプレート12及び上側マニホールドプレート12にのみ穿設されており、スペーサプレート13やベースプレート14には逃がし孔56が穿設されていないので、第1実施形態と同様に、位置決め孔55側からインクが浸入してもスペーサプレート13やベースプレート14にて遮断され、その裏面側の圧電アクチュエータ20の箇所にインクが浸透せず、電気的短絡事故が発生しない。
また、並列すべきフロントヘッドユニットの個数は2〜4と任意に構成することができ、フロントヘッドユニットにおけるキャビティプレートは金属材料の他、セラミックス材であっても良い。さらに、本発明のインクジェットプリンタの駆動手段は、上記のプレート状の圧電アクチュエータ20の他の形式であっても良いし、静電気により、圧力室の背面を覆う振動板を振動させてインクをノズル54から吐出させる構成であっても良い。また、本体フレーム1にインクカートリッジを搭載することなく、キャリッジ以外のインクタンクからチューブを介してインク供給路4a〜4bにインクを供給するものであっても良い。
本発明の実施の形態によるインクジェットプリンタヘッドのノズル側を上にした斜視図である。 インクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。 本体フレームの上方から見たインクジェットプリンタヘッドの部品の分解斜視図である。 本体フレームの底板を下面側から見た図である。 図4のV−V線矢視で見た各部品の拡大断面図である。 図4のVI−VI線矢視で見た各部品の拡大断面図である。 図4のV−V線矢視で見た本体フレームとフロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図である。 図4のVI−VI線矢視で見た本体フレームとフロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図である。 インク供給通路部における本体フレームとフロントヘッドユニットとの接着部を示す拡大断面図である。 製造方法を示し(a)はフロントヘッドユニットを治具上に位置決め配置した状態の側面図、(b)は本体フレームを被せた状態の断面図である。 位置決め状態での位置決めピンと位置決め孔及び盲孔としての逃がし孔の位置関係を示す要部拡大断面図である。 フロントヘッドユニットの各部品の斜視図である。 キャビティープレートと圧電アクチュエータとの一端部を示す拡大斜視図である。 キャビティープレートの分解斜視図である。 キャビティープレートの部分的拡大斜視図である。 フロントヘッドユニットの拡大側断面図である。 圧電アクチュエータの分解斜視図である。 第2実施形態のキャビティープレートの分解斜視図である。
符号の説明
1 本体フレーム
5 底板
6 フロントヘッドユニット
7 UV接着剤
8 支持部
9a,9b 空所
9c 隙間
10 キャビティープレート
11 下層プレート
12,12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
16 圧力室
20 圧電アクチュエータ
40 フレキシブルフラットケーブル
42 治具
43 ノズルプレート
54 ノズル
55 位置決め孔
56 盲孔としての逃がし孔
57 位置決めピン

Claims (12)

  1. 前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記本体フレームの底板には、前記フロントヘッドユニットの裏面を支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを備え、該各空所には速硬化性の接着剤を充填してフロントヘッドユニットを固定したことを特徴とするインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記速硬化性の接着剤はUV接着剤であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 前記底板には、前記フロントヘッドユニットを複数並設するための支持部を並列状に形成し、該隣接する支持部には、前記隣接する2つのフロントヘッドユニットの裏面に跨がるように前記空所を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェットプリンタヘッド。
  4. 前記空所は、1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するように配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  5. 前記フロントヘッドユニットを複数並べてその前面に固着されたカバープレートをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  6. 前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートには、前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌まる位置決め孔を備え、ノズルプレートに隣接するプレートには、前記各位置決め孔に連通し、且つ位置決め孔より大径の盲孔を有したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッド。
  7. 前面に列状の複数個のノズル、この各ノズル毎の圧力室及び、前記各圧力室ごとにインクに噴射エネルギーを付与するアクチュエータとからなるフロントヘッドユニットを、インク供給源から前記フロントヘッドユニットにインクを供給するインク供給通路を備えた本体フレームに固着してなるインクジェットプリンタヘッドにおいて、
    前記本体フレームの底板には、前記複数のフロントヘッドユニットの裏面を並列状に支持するための支持部と、該フロントヘッドユニットの裏面の複数箇所が露出する空所とを設けておき、
    前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決めして配置した後、該複数のフロントヘッドユニットの裏面に前記支持部を対向配置し、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  8. 前記接着剤は、UV接着剤であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  9. 前記空所は1つのフロントヘッドユニットの四隅近傍に対応するよう設けることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  10. 前記複数のフロントヘッドユニットの前面に固着されたカバープレートをさらに備え、
    前記複数のフロントヘッドユニットを相互に位置決め配置するとともにその前面に前記カバープレートを配置し、それらに前記支持部を対向配置することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  11. 前記本体フレームの底板に、前記フロントヘッドユニットを複数並設するにおいて、前記各フロントヘッドユニットにおけるノズルプレートの前記ノズルの列の前後部位またはその近傍に予め穿設された位置決め孔を、治具に突設した位置決めピンにそれぞれ嵌合させた状態で、前記空所から充填した接着剤にて、前記複数のフロントヘッドユニットを前記支持部に固定することを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  12. 前記各ノズルプレートには、ノズルと位置決め孔とを同一工程にて穿設することを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。

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