JP2002233717A - プラスチック製ろ過材及びプラスチック製ろ過材の製造方法 - Google Patents
プラスチック製ろ過材及びプラスチック製ろ過材の製造方法Info
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Abstract
とが可能で、逆洗洗浄が容易であると共に、しかも浮遊
物の捕捉性能が高く物理的ろ過性能に優れたプラスチッ
ク製ろ過材を提供する。 【解決手段】 液中の浮遊物質を物理的ろ過するために
用いられるプラスチック製ろ過材に関する。貫通孔を有
さないプラスチックの帯状シート部材1の一方の側端縁
を襞2が連続するように葛折りして外周側に配置すると
共に、この帯状シート部材1の他方の側端縁を収束して
中心部に配置することによって、全体として略球状に形
成してある。
Description
として物理的ろ過するために使用されるプラスチック製
ろ過材及びその製造方法に関するものである。
トに代表される砂ろ材が一般に使用されている。しか
し、砂ろ材は空隙率が小さいために表層部でしか浮遊物
を捕捉することができず、ろ過効率が低くすぐ目詰まり
を起し、また圧力損失も大きいという問題がある。ま
た、見掛け密度が高いため逆洗洗浄の際に高性能のポン
プが必要であり、逆洗洗浄しても付着した浮遊物が取れ
難く、長期使用でろ過性能が次第に低下するという問題
もある。さらには、砂は天然産出品であるために形状が
不均一で品質が不安定であるなどの問題もある。
はプラスチック製ろ過材が提案されており、例えば特開
平7−75712号公報や特開平7−323294号公
報で提供されているものがある。
いるプラスチック製ろ過材は、図9に示すように、プラ
スチックの略扇状のシート部材1を略S字状の襞2が連
続するように葛折れにし、これを螺旋状に捩り曲げて形
成されているものである。
されているプラスチック製ろ過材は、図10に示すよう
に、丸孔12を設けたプラスチックの略扇状のシート部
材1を略S字状の襞2が連続するように葛折れにし、こ
れを全体が略球形となるようにして形成されているもの
である。
図9のろ過材は、螺旋形であるために全体形状としては
線状の形態に形成されている。従って、このろ過材は強
度が低く変形し易いという問題があり、またろ過材を多
数充填するにあたってろ過材同士が絡み合い易く、ろ過
材を高密度に充填することができないと共に、逆洗洗浄
を行なう際にろ過材を浮遊させるのに大量の液やエアー
を送る必要があるという問題があった。
の孔6が形成されており、しかも隣接し合う襞2の間に
隙間が多いために通水性が良く、生物ろ過には表面積を
有効に使える利点がある反面、浮遊物質を捕捉する物理
的ろ過に対しては、浮遊物質が孔6や襞2の間の隙間を
通って逃げ易く、捕捉性能が劣るという問題があった。
あり、強度が高くて変形し難く、高密度に充填すること
が可能で、逆洗洗浄が容易であると共に、しかも浮遊物
質の捕捉性能が高く物理的ろ過性能に優れたプラスチッ
ク製ろ過材及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
プラスチック製ろ過材は、液中の浮遊物質を捕捉する物
理的ろ過するために用いられるプラスチック製ろ過材に
関するものであり、貫通孔を有さないプラスチックの帯
状シート部材1の一方の側端縁1aを襞2が連続するよ
うに葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シー
ト部材1の他方の側端縁1bを収束して中心部に配置す
ることによって、全体として略球状に形成して成ること
を特徴とするものである。
て、隣接し合う襞2の外面同士を当接させて、略球状の
外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケット4を襞2内
に形成して成ることを特徴とするものである。
て、外周の全面から中心方向へ押し縮める圧力を加えて
固めることによって、隣接し合う襞2の外面同士を当接
させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポ
ケット4を襞2内に形成して成ることを特徴とするもの
である。
いずれかにおいて、各襞2の表面に凹凸3が形成されて
いることを特徴とするものである。
ろ過材の製造方法は、請求項3又は4に記載のプラスチ
ック製ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材
5の先端面を切削して帯状に切り出すことによって、細
い帯状シート部材1が葛折れして形成される多数の襞2
が集合したろ過素材6を作製し、このろ過素材6を対向
する仕上げ加工体7,8間に供給して仕上げ加工体7,
8間で回転摺動させることによって、外周の全面からろ
過素材6を中心方向へ押し縮める圧力を加えて隣接し合
う襞2の外面同士を当接させると共に外形を略球状に成
形することを特徴とするものである。
て、仕上げ加工体7,8の対向面に導入口9から排出口
10へと直径が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝1
1を形成し、ろ過素材6を導入口9から加工用溝11に
供給すると共に対向する仕上げ加工体7,8間で回転摺
動させながらろ過素材6を加工用溝11に沿って排出口
10まで移動させることを特徴とするものである。
する。
ック製ろ過材Aの一例を示すものであり、図2は本発明
に係るプラスチック製ろ過材Aの一部を示すものであ
る。このろ過材Aは、引き伸ばすと長い帯状になる帯状
シート部材1から形成されているものであり、この帯状
シート部材1はPVC、ABS、PP、PE、PS等の
熱可塑性プラスチックから形成してある。そして貫通孔
を有しない帯状シート部材1をS字状の襞2が連続する
ように葛折りし、図2に示すように、この葛折りして襞
2が連続している帯状シート部材1の一方の側端縁1a
を外側に配置させると共に、他方の側端縁1bを収束し
て中心部に配置させ、帯状シート部材1を一方の側端縁
1aが球の外周面に沿うように蛇行させることによっ
て、ろ過材Aを全体として図1に示すような略球状に形
成するようにしてある。帯状シート部材1として幅寸法
の異なるものを用いることによって、直径が異なる各種
の大きさのろ過材Aを作製することができるものであ
る。
縁1aを外側に配置すると共に他方の側端縁1bを収束
して中心部に配置して略球状にろ過材Aを形成すること
によって、図2に示すように、帯状シート部材1を葛折
りして形成されている多数の各襞2は、外側の側端縁1
aで大きく屈曲すると共に中心側の側端縁1bで屈曲が
小さくなり、各襞2内には外方へ向かってすり鉢状に広
がって開口するポケット4が形成されている。
向かって押し縮める力を加えながら、やや軟化状態にあ
る帯状シート部材1を固化させることによって作製され
ているものであり、このように中心に向かって押し縮め
られることによって隣接し合う襞2は図2に「イ」で示
すように外面同士が相互に当接し合っており、襞2内に
形成されるすり鉢状のポケット4は略球状の外周面にお
いてのみ開口し、ポケット4の底面や側面は閉じてい
る。ちなみに、前記の特開平7−323294号公報の
ものは図10に「ロ」で示すように、隣接し合う襞2の
間に隙間が多くあり、襞2内に形成されるポケット4の
多くは側面や底面が開いている。勿論、本発明において
隣接し合う襞2の総てが当接していることに限定される
ものではなく、ろ過材Aの全体において、隣接して対向
し合う襞2の対のうち70%以上の対が当接し合ってい
れば、後述のようなポケット4による物理的ろ過の効果
を十分に得ることができる。
過材Aは、水処理機などのろ過槽に多数個を充填して使
用されるものであり、本発明のろ過材Aは、全体形状が
略球状であるため、強度が大きく、変形し難くなってい
る。また略球状であるため、線状のものと比較して、充
填性が高くなっている。特に大、中、小など直径が異な
る複数種の大きさのろ過材Aを混ぜて充填すると、特に
高密度に充填することができ、襞2によるポケット4の
単位容積当りの数が多くなると共にろ過材Aの全表面積
も大きくなり、ポケット4内への浮遊物質の捕捉性能が
向上して物理的ろ過性能を高めることができるものであ
る。ここで、浮遊物質を襞2内のポケット4に捕捉する
際に、ろ過材Aの帯状シート部材1には貫通孔がないの
で、浮遊物質が貫通孔から抜け落ちるようなことがな
く、しかも隣接する襞2が当接し合うことによってポケ
ット4の底面や側面は閉じているので、浮遊物質がポケ
ット4の底面や側面から抜け落ちることがなく、浮遊物
質の捕捉性能を高く得ることができるものであり、浮遊
物質の物理的ろ過性能が極めて高いろ過材Aとすること
ができるものである。また、襞2内に形成されるポケッ
ト4は上記のように外に向かって広くなっているので、
ろ過槽に液を通してろ過する際の液の流れ方向と逆方向
に水などを流したりエアーを送ったりすることによっ
て、ろ過材Aを逆洗洗浄するにあたって、襞2内に捕捉
している浮遊物質を洗い出し易くなるものであり、しか
もろ過材Aは球状であるために、逆洗洗浄の際に少量の
水やエアーを逆方向に流すことによって浮遊し易いもの
であり、逆洗洗浄を容易に行なうことができるものであ
る。
Aは、バクテリア培養式ろ過機などのろ過槽に充填して
使用することもできるものであり、この場合には浮遊物
質をポケット4に捕捉する物理的ろ過の他に、バクテリ
アによる生物的浄化を行なうこともできる。ここで、ろ
過材Aは襞2内がポケット4となって表面積が大きく、
また後述のように帯状シート部材1の襞2の表面にシワ
状の微細な凹凸3が形成されていてこの凹凸3によって
も表面積が大きくなっており、襞2の表面に多くのバク
テリアを着床することができるものであり、バクテリア
による液の浄化作用を効率高く行なわせることができる
ものである。
Aの製造について説明する。まず成形工程で円柱棒状の
樹脂部材5を成形する。成形工程は図3に示すように押
出し成形機20と成形金型21からなるものであり、ホ
ッパー22からPVC、ABS、PP、PE、PSなど
熱可塑性プラスチックを押出し成形機20に投入して成
形金型21から押出すことによって、棒状の樹脂部材5
を成形することができる。このように押出し成形された
樹脂部材5は冷却装置28で冷却されたのち、押出し成
形機20からの押出しに伴って切削工程に送られる。
れるものであり、切削装置23はモータ24によって回
転駆動される回転子25に切削刃物14を取り付けて形
成されるものである。そして棒状に押出された上記の樹
脂部材5は送りローラ26でガイド筒27を通して切削
刃物14の先端に向けて送られるようにしてある。送り
ローラ26は樹脂部材5を所定のピッチ寸法だけ長手方
向に送った後、送りを所定時間停止し、次に樹脂部材5
を所定のピッチ寸法だけ長手方向に送るという動作を繰
り返すピッチ送りをするように形成してある。
向に送って、樹脂部材5の先端面を回転する切削刃物1
4で切削することによって、ろ過素材6を製作すること
ができるものである。このとき、切削刃物14の刃先1
4aは一端がレ字形に尖っており、図4に示すように、
刃先14aのこの尖った先端が樹脂部材5の先端面の中
心に当たった状態で、切削刃物14を刃先14aのこの
尖った先端を通る線Lを中心にして回転させるようにし
てあり、樹脂部材5を所定ピッチ寸法で送ることによっ
て切削刃物14の刃先14aで樹脂部材5の先端面が中
心から半分の範囲で切削され、薄い帯状シート部材1が
扇状に削り出される。このようにして削り出された切削
片2は一側端縁2aと他側端縁2bの周長が異なるの
で、この周長の差から帯状シート部材1は襞2を作りな
がら丸くなるように集合してろ過素材6が形成されるも
のである。またこのように切削刃物14を回転して切削
を行なう際に、帯状シート部材1の襞2の表面にシワ状
の微細な凹凸3が形成される。そしてこのようにして得
られるろ過素材6aは多数の襞2が集合して球形に近い
外形形状をしているが、図5に示すように襞2と襞2の
間が広がっており、楕円形など不定形な外形形状に形成
されている。
部材5は、外気温によってその温度が樹脂の軟化温度以
下に低下する前に切削工程に送られて、ろ過素材6に加
工されるようにしてある。樹脂部材5の切削をこのよう
に樹脂の軟化温度以上の温度で行なうことによって、切
削性良く切削加工を行なうことができるものであり、切
削性を向上するために樹脂部材5を再加熱するようなこ
とが不要になるものである。また、切削工程において樹
脂部材5を切削刃物14で切削加工するにあたって、切
削刃物14に温風ヒーター29で温風を吹き当てるなど
して、切削刃物14の刃面を樹脂部材5の樹脂軟化温度
以上の一定温度に加熱しながら、切削を行なうようにす
るのが好ましい。このように切削刃物14を加熱しなが
ら樹脂部材5の切削を行なうことによって、刃物寿命を
極端に延ばすことができるものである。例えば樹脂部材
5がポリ塩化ビニルの場合、軟化温度が63℃なので、
切削刃物14の温度を70℃に加熱して寿命評価したと
ころ、刃物寿命は約10倍延びるものであった。
過素材6は既述のように外形形状が不定形であるので、
仕上げ加工工程でろ過素材6の外形を仕上げ加工し、外
形形状をほぼ球形に仕上げる。仕上げ加工工程は図6に
示すような仕上げ加工装置15からなるものであり、仕
上げ加工装置15は対向して配置される一対の仕上げ加
工体7,8と、一方の仕上げ加工体8を回転駆動させる
駆動装置16とを具備して形成されるものである。
状に形成されるものであり、仕上げ加工体7は基台30
に立直状態で固定してある。この仕上げ加工体7の仕上
げ加工体8に対向する面には加工用溝11が凹設してあ
る。図7はこの仕上げ加工体7の一例を示すものであっ
て、加工用溝11は螺旋状の溝として形成してあり、加
工用溝11の一端は仕上げ加工体7の外周端で導入口9
として外方へ開口すると共に、加工用溝11の他端は仕
上げ加工体7の中心において仕上げ加工体8と反対側の
面に開口する排出口10として形成してある。仕上げ加
工体7の外面には排出口10と連通する排出筒31が突
設してある。また加工用溝11の内周には図8(a)
(b)に示すように、凸部17(あるいは凹部でもよ
い)が設けてある。この凸部17(あるいは凹部)は加
工用溝11の内周を横切るように設けてあり、ろ過素材
6の外径よりも大きなピッチ間隔で加工用溝11の長手
方向に沿って多数設けてある。
駆動装置16のモータ32などで駆動される回転軸33
に固定してあり、回転中心が排出口10に一致するよう
に仕上げ加工体7に所定間隙を介して平行に対向させて
配置してある。仕上げ加工体6の回転の向きは、導入口
8から排出口9への加工用溝11の螺旋の回転方向と一
致するように設定してある。この仕上げ加工体8の仕上
げ加工体7に対向する面のほぼ全面には、図8に示すよ
うにゴムシートなどで形成される平坦な表面の滑り防止
用弾性部材18が張ってある。さらに、上記の仕上げ加
工体7は導入口9が上端部に位置するように配置してあ
り、この導入口9に下端の開口が面するように、仕上げ
加工体7,8の上方にホッパー34が配置してある。
ホッパー34に投入されるようになっており、ホッパー
34の下端の開口を通してろ過素材6が順次、仕上げ加
工体7,8の間に供給される。仕上げ加工体7,8間に
供給されるろ過素材6は導入口9から加工用溝11に入
るが、仕上げ加工体8が回転駆動されることによって、
ろ過素材6は仕上げ加工体7,8間で回転摺動され、仕
上げ加工体8の回転に伴って螺旋状の加工用溝11を導
入口9から排出口10へ向けて転動して移動する。この
ようにろ過素材6を仕上げ加工体7,8間で回転摺動さ
せることによって、ろ過素材6に外周の全面からろ過素
材6中心方向に押し縮める圧力を加え、不定形なろ過素
材6のいびつな外形を球形に整形することができるので
あり、ほぼ球形に仕上げられたろ過材Aを得ることがで
きるものである。このとき、ろ過素材6の温度が樹脂の
軟化温度より20℃以上高いと、柔らか過ぎて球形に整
形することが難しいので、切削工程でろ過素材6を製作
した後、冷却してから仕上げ加工装置15に供給して仕
上げ加工をするのが望ましい。ろ過素材6の温度は、樹
脂の軟化温度より0〜20℃、より好ましくは5〜15
℃高い温度にまで冷却されるようにするのがよい。
11は断面形状を半円形に形成してあり、その直径
(幅)の寸法が導入口9の側から排出口10の側へと徐
々に小さくなるように形成してある。すなわち、図6に
おいて、内径はt1>t2>t3>t4となるようにし
てあり、排出口10における加工用溝11の直径t4が
仕上げ加工されたろ過材Aの目的とする直径になるもの
であるが、この排出口10での加工用溝11の直径t4
は上記の樹脂部材5の円柱の直径とほぼ等しい寸法に設
定するのがよい。また仕上げ加工体7,8の対向面の間
隔は排出口10における加工用溝11の直径t4の半分
の寸法に設定してある。
されたろ過素材6は、仕上げ加工体7,8間で回転摺動
されながら仕上げ加工体8の回転に伴って加工用溝11
を移動するに従って、外周の全面からろ過素材6を中心
方向へ押し縮める圧力が徐々に仕上げ加工体7,8間で
加えられ、ろ過素材6は直径が徐々に小さくなって隣接
し合う襞2の外面同士が当接し合うようになると共に、
ろ過素材6は外形が略球状に成形され、目的とする大き
さのほぼ球形にばらつきなく仕上げることができるもの
である。例えば、直径が15mmの円柱状の樹脂部材5
から切り出される外形寸法が20mm×22mmの楕円
体のろ過素材6を、直径φ15mmの球形のろ過材Aに
仕上げるには、加工用溝11の直径はt1=24mm、
t4=15mmに設定するのがよい。樹脂部材5の先端
面を中心から半分の範囲で切削して得られる帯状シート
部材1の幅寸法は樹脂部材5の半径の寸法であり、この
帯状シート部材1で形成される襞2の集合体であるろ過
材Aの直径が帯状シート部材1の幅の2倍に形成される
ときが、ろ過材Aは最も緻密な状態になっている。従っ
て、このように排出口10での加工用溝11の直径t4
を樹脂部材5の円柱の直径と等しい寸法に設定しておく
ことによって、襞2を押し潰してしまうようなことな
く、ろ過素材6を中心方向へ押し縮めて隣接し合う襞2
の外面同士を最も効率良く当接させて、襞2内に形成さ
れるポケット4の側面や下面を効果的に閉じることがで
きるものである。
られたろ過材Aは、排出口10から排出筒31を通して
仕上げ加工装置15から、受け容器35に排出されるよ
うになっている。仕上げ加工体7,8間で回転摺動する
際にろ過素材6の温度が樹脂の軟化温度より20℃以上
高い温度に上昇していると、得られたろ過材Aに変形が
生じるおそれがあるので、排出筒31にエアーブロー装
置19を設け、排出筒31を通過するろ過材Aに冷風を
吹きかけて冷却し、整形した形状にろ過材Aを固定する
ようにしてある。
間にろ過素材6を回転摺動させる際に、ろ過素材6と仕
上げ加工体7,8の間に滑りがあると、ろ過素材6を安
定して球形に整形することが難しくなると共に、ろ過素
材6が加工用溝11を移動する時間が長くなって、仕上
げ加工の時間が長くなる。そのために、上記のように加
工用溝11に面して仕上げ加工体8に弾性部材18を設
けてあり、弾性部材18を介してろ過素材6を仕上げ加
工体7,8間に弾性的に挟んで、滑りが生じることを防
止するようにしてある。さらに上記のように、加工用溝
11に凸部17(あるいは凹部)を設け、ろ過素材6に
滑りが生じても凸部17でろ過素材6を強制的に回転さ
せ、ろ過素材6を強制的に回転摺動させて球形に整形で
きるようにしてある。
ラスチック製ろ過材は、貫通孔を有さないプラスチック
の帯状シート部材の一方の側端縁を襞が連続するように
葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シート部
材の他方の側端縁を収束して中心部に配置することによ
って、全体として略球状に形成してあるので、強度が大
きく変形し難いものであり、また高密度に充填すること
が可能になって浮遊物質の捕捉量が多くなると共に、し
かも帯状シート部材は貫通孔を有しないものであって、
浮遊物質が貫通孔から抜け落ちるようなことがなく、浮
遊物質の捕捉性能を高く得ることができるものであっ
て、物理的ろ過性能が優れているものである。さらにろ
過材を逆洗洗浄するにあたって、外に向かって広くなっ
ている襞内のポケットに捕捉している浮遊物質の洗い出
しが容易になると共に球状のろ過材は浮遊させ易く、逆
洗洗浄を容易に行なうことができるものである。
て、隣接し合う襞の外面同士を当接させて、略球状の外
周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを襞内に形成
するようにしたので、浮遊物質を襞内のポケットに捕捉
して物理的ろ過を行なうにあたって、上記のように貫通
孔がないことに加えて、浮遊物質がポケットの底面や側
面から抜け落ちることがなくなるものであり、浮遊物質
の捕捉性能を一層高く得ることができ、浮遊物質の物理
的ろ過性能が極めて高いろ過材とすることができるもの
である。
て、外周の全面から中心方向へ押し縮める圧力を加えて
固めることによって、隣接し合う襞の外面同士を当接さ
せて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケ
ットを襞内に形成するようにしたので、ろ過材を略球形
に整形した状態で隣接し合う襞の外面同士を当接させる
ようにすることができるものである。
を形成するようにしたので、凹凸によってろ過材の表面
積が大きくなり、バクテリアによる生物的浄化を行なう
あたって、多量のバクテリアの培養が可能になってバク
テリアによる浄化作用を効率高く行なわせることができ
るものである。
過材の製造方法は、請求項3又は4に記載のプラスチッ
ク製ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材の
先端面を切削して帯状に切り出すことによって、細い帯
状シート部材が葛折れして形成される多数の襞が集合し
たろ過素材を作製し、このろ過素材を対向する仕上げ加
工体間に供給して仕上げ加工体間で回転摺動させること
によって、外周の全面からろ過素材を中心方向へ押し縮
める圧力を加えて隣接し合う襞の外面同士を当接させる
と共に外形を略球状に成形するようにしたので、ろ過素
材が不定形な外形であっても、隣接し合う襞の外面同士
を当接させて側面や底面が閉じたポケットを有すると共
に外形が略球状となったろ過材を得ることができ、浮遊
物質の物理的ろ過性能等が極めて高いろ過材を製造する
ことができるものである。
て、仕上げ加工体の対向面に導入口から排出口へと直径
が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝を形成し、ろ過
素材を導入口から加工用溝に供給すると共に対向する仕
上げ加工体間で回転摺動させながらろ過素材を加工用溝
に沿って排出口まで移動させるようにしたので、ろ過素
材を加工用溝に沿って移動させる間に徐々に圧縮して整
形することができると共に、排出口の箇所で加工用溝の
直径に適合した外形寸法にろ過材を成形することがで
き、均一な大きさ・形状にろ過材を製造することができ
るものである。
は斜視図、(b)は拡大した斜視図である。
示す正面図である。
一部の拡大した正面図である。
一部の正面図である。
一部の拡大した斜視図である。
一部を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ拡大
した断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 液中の浮遊物質を捕捉する物理的ろ過を
するために用いられるプラスチック製ろ過材であって、
貫通孔を有さないプラスチックの帯状シート部材の一方
の側端縁を襞が連続するように葛折りして外周側に配置
すると共に、この帯状シート部材の他方の側端縁を収束
して中心部に配置することによって、全体として略球状
に形成して成ることを特徴とするプラスチック製ろ過
材。 - 【請求項2】 隣接し合う襞の外面同士を当接させて、
略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを
襞内に形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の
プラスチック製ろ過材。 - 【請求項3】 外周の全面から中心方向へ押し縮める圧
力を加えて固めることによって、隣接し合う襞の外面同
士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり
鉢状のポケットを襞内に形成して成ることを特徴とする
請求項2に記載のプラスチック製ろ過材。 - 【請求項4】 各襞の表面に凹凸が形成されていること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラス
チック製ろ過材。 - 【請求項5】 請求項3又は4に記載のプラスチック製
ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材の先端
面を切削して帯状に切り出すことによって、細い帯状シ
ート部材が葛折れして形成される多数の襞が集合したろ
過素材を作製し、このろ過素材を対向する仕上げ加工体
間に供給して仕上げ加工体間で回転摺動させることによ
って、外周の全面からろ過素材を中心方向へ押し縮める
圧力を加えて隣接し合う襞の外面同士を当接させると共
に外形を略球状に成形することを特徴とするプラスチッ
ク製ろ過材の製造方法。 - 【請求項6】 仕上げ加工体の対向面に導入口から排出
口へと直径が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝を形
成し、ろ過素材を導入口から加工用溝に供給すると共に
対向する仕上げ加工体間で回転摺動させながらろ過素材
を加工用溝に沿って排出口まで移動させることを特徴と
する請求項5に記載のプラスチック製ろ過材の製造方
法。
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