JP3613227B2 - プラスチック製ろ過材及びプラスチック製ろ過材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水などの液体を主として物理的ろ過するために使用されるプラスチック製ろ過材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ろ過材としては、従来からアンスラサイトに代表される砂ろ材が一般に使用されている。しかし、砂ろ材は空隙率が小さいために表層部でしか浮遊物を捕捉することができず、ろ過効率が低くすぐ目詰まりを起し、また圧力損失も大きいという問題がある。また、見掛け密度が高いため逆洗洗浄の際に高性能のポンプが必要であり、逆洗洗浄しても付着した浮遊物が取れ難く、長期使用でろ過性能が次第に低下するという問題もある。さらには、砂は天然産出品であるために形状が不均一で品質が不安定であるなどの問題もある。
【0003】
一方、このような砂ろ材に対して、近年ではプラスチック製ろ過材が提案されており、例えば特開平7−75712号公報や特開平7−323294号公報で提供されているものがある。
【0004】
特開平7−75712号公報で提供されているプラスチック製ろ過材は、図9に示すように、プラスチックの略扇状のシート部材1を略S字状の襞2が連続するように葛折れにし、これを螺旋状に捩り曲げて形成されているものである。
【0005】
また特開平7−323294号公報で提供されているプラスチック製ろ過材は、図10に示すように、丸孔12を設けたプラスチックの略扇状のシート部材1を略S字状の襞2が連続するように葛折れにし、これを全体が略球形となるようにして形成されているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の図9のろ過材は、螺旋形であるために全体形状としては線状の形態に形成されている。従って、このろ過材は強度が低く変形し易いという問題があり、またろ過材を多数充填するにあたってろ過材同士が絡み合い易く、ろ過材を高密度に充填することができないと共に、逆洗洗浄を行なう際にろ過材を浮遊させるのに大量の液やエアーを送る必要があるという問題があった。
【0007】
また後者の図10のろ過材は、襞2に多数の孔6が形成されており、しかも隣接し合う襞2の間に隙間が多いために通水性が良く、生物ろ過には表面積を有効に使える利点がある反面、浮遊物質を捕捉する物理的ろ過に対しては、浮遊物質が孔6や襞2の間の隙間を通って逃げ易く、捕捉性能が劣るという問題があった。
【0008】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、強度が高くて変形し難く、高密度に充填することが可能で、逆洗洗浄が容易であると共に、しかも浮遊物質の捕捉性能が高く物理的ろ過性能に優れたプラスチック製ろ過材及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラスチック製ろ過材は、液中の浮遊物質を捕捉する物理的ろ過するために用いられるプラスチック製ろ過材に関するものであり、貫通孔を有さないプラスチックの帯状シート部材1の一方の側端縁1aを襞2が連続するように葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シート部材1の他方の側端縁1bを収束して中心部に配置することによって、全体として略球状に形成して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項2の発明は、請求項1において、隣接し合う襞2の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケット4を襞2内に形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項3の発明は、請求項2において、外周の全面から中心方向へ押し縮める圧力を加えて固めることによって、隣接し合う襞2の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケット4を襞2内に形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、各襞2の表面に凹凸3が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項5に記載のプラスチック製ろ過材の製造方法は、請求項3又は4に記載のプラスチック製ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材5の先端面を切削して帯状に切り出すことによって、細い帯状シート部材1が葛折れして形成される多数の襞2が集合したろ過素材6を作製し、このろ過素材6を対向する仕上げ加工体7,8間に供給して仕上げ加工体7,8間で回転摺動させることによって、外周の全面からろ過素材6を中心方向へ押し縮める圧力を加えて隣接し合う襞2の外面同士を当接させると共に外形を略球状に成形することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項6の発明は、請求項5において、仕上げ加工体7,8の対向面に導入口9から排出口10へと直径が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝11を形成し、ろ過素材6を導入口9から加工用溝11に供給すると共に対向する仕上げ加工体7,8間で回転摺動させながらろ過素材6を加工用溝11に沿って排出口10まで移動させることを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1(a)(b)は本発明に係るプラスチック製ろ過材Aの一例を示すものであり、図2は本発明に係るプラスチック製ろ過材Aの一部を示すものである。このろ過材Aは、引き伸ばすと長い帯状になる帯状シート部材1から形成されているものであり、この帯状シート部材1はPVC、ABS、PP、PE、PS等の熱可塑性プラスチックから形成してある。そして貫通孔を有しない帯状シート部材1をS字状の襞2が連続するように葛折りし、図2に示すように、この葛折りして襞2が連続している帯状シート部材1の一方の側端縁1aを外側に配置させると共に、他方の側端縁1bを収束して中心部に配置させ、帯状シート部材1を一方の側端縁1aが球の外周面に沿うように蛇行させることによって、ろ過材Aを全体として図1に示すような略球状に形成するようにしてある。帯状シート部材1として幅寸法の異なるものを用いることによって、直径が異なる各種の大きさのろ過材Aを作製することができるものである。
【0017】
このように帯状シート部材1の一方の側端縁1aを外側に配置すると共に他方の側端縁1bを収束して中心部に配置して略球状にろ過材Aを形成することによって、図2に示すように、帯状シート部材1を葛折りして形成されている多数の各襞2は、外側の側端縁1aで大きく屈曲すると共に中心側の側端縁1bで屈曲が小さくなり、各襞2内には外方へ向かってすり鉢状に広がって開口するポケット4が形成されている。
【0018】
ここで、ろ過材Aは外周の全面から中心に向かって押し縮める力を加えながら、やや軟化状態にある帯状シート部材1を固化させることによって作製されているものであり、このように中心に向かって押し縮められることによって隣接し合う襞2は図2に「イ」で示すように外面同士が相互に当接し合っており、襞2内に形成されるすり鉢状のポケット4は略球状の外周面においてのみ開口し、ポケット4の底面や側面は閉じている。ちなみに、前記の特開平7−323294号公報のものは図10に「ロ」で示すように、隣接し合う襞2の間に隙間が多くあり、襞2内に形成されるポケット4の多くは側面や底面が開いている。勿論、本発明において隣接し合う襞2の総てが当接していることに限定されるものではなく、ろ過材Aの全体において、隣接して対向し合う襞2の対のうち70%以上の対が当接し合っていれば、後述のようなポケット4による物理的ろ過の効果を十分に得ることができる。
【0019】
上記のように形成されるプラスチック製ろ過材Aは、水処理機などのろ過槽に多数個を充填して使用されるものであり、本発明のろ過材Aは、全体形状が略球状であるため、強度が大きく、変形し難くなっている。また略球状であるため、線状のものと比較して、充填性が高くなっている。特に大、中、小など直径が異なる複数種の大きさのろ過材Aを混ぜて充填すると、特に高密度に充填することができ、襞2によるポケット4の単位容積当りの数が多くなると共にろ過材Aの全表面積も大きくなり、ポケット4内への浮遊物質の捕捉性能が向上して物理的ろ過性能を高めることができるものである。ここで、浮遊物質を襞2内のポケット4に捕捉する際に、ろ過材Aの帯状シート部材1には貫通孔がないので、浮遊物質が貫通孔から抜け落ちるようなことがなく、しかも隣接する襞2が当接し合うことによってポケット4の底面や側面は閉じているので、浮遊物質がポケット4の底面や側面から抜け落ちることがなく、浮遊物質の捕捉性能を高く得ることができるものであり、浮遊物質の物理的ろ過性能が極めて高いろ過材Aとすることができるものである。また、襞2内に形成されるポケット4は上記のように外に向かって広くなっているので、ろ過槽に液を通してろ過する際の液の流れ方向と逆方向に水などを流したりエアーを送ったりすることによって、ろ過材Aを逆洗洗浄するにあたって、襞2内に捕捉している浮遊物質を洗い出し易くなるものであり、しかもろ過材Aは球状であるために、逆洗洗浄の際に少量の水やエアーを逆方向に流すことによって浮遊し易いものであり、逆洗洗浄を容易に行なうことができるものである。
【0020】
また、本発明に係るプラスチック製ろ過材Aは、バクテリア培養式ろ過機などのろ過槽に充填して使用することもできるものであり、この場合には浮遊物質をポケット4に捕捉する物理的ろ過の他に、バクテリアによる生物的浄化を行なうこともできる。ここで、ろ過材Aは襞2内がポケット4となって表面積が大きく、また後述のように帯状シート部材1の襞2の表面にシワ状の微細な凹凸3が形成されていてこの凹凸3によっても表面積が大きくなっており、襞2の表面に多くのバクテリアを着床することができるものであり、バクテリアによる液の浄化作用を効率高く行なわせることができるものである。
【0021】
次に、本発明に係るプラスチック製ろ過材Aの製造について説明する。まず成形工程で円柱棒状の樹脂部材5を成形する。成形工程は図3に示すように押出し成形機20と成形金型21からなるものであり、ホッパー22からPVC、ABS、PP、PE、PSなど熱可塑性プラスチックを押出し成形機20に投入して成形金型21から押出すことによって、棒状の樹脂部材5を成形することができる。このように押出し成形された樹脂部材5は冷却装置28で冷却されたのち、押出し成形機20からの押出しに伴って切削工程に送られる。
【0022】
切削工程は切削装置23を具備して形成されるものであり、切削装置23はモータ24によって回転駆動される回転子25に切削刃物14を取り付けて形成されるものである。そして棒状に押出された上記の樹脂部材5は送りローラ26でガイド筒27を通して切削刃物14の先端に向けて送られるようにしてある。送りローラ26は樹脂部材5を所定のピッチ寸法だけ長手方向に送った後、送りを所定時間停止し、次に樹脂部材5を所定のピッチ寸法だけ長手方向に送るという動作を繰り返すピッチ送りをするように形成してある。
【0023】
このように円柱棒状の樹脂部材5を長手方向に送って、樹脂部材5の先端面を回転する切削刃物14で切削することによって、ろ過素材6を製作することができるものである。このとき、切削刃物14の刃先14aは一端がレ字形に尖っており、図4に示すように、刃先14aのこの尖った先端が樹脂部材5の先端面の中心に当たった状態で、切削刃物14を刃先14aのこの尖った先端を通る線Lを中心にして回転させるようにしてあり、樹脂部材5を所定ピッチ寸法で送ることによって切削刃物14の刃先14aで樹脂部材5の先端面が中心から半分の範囲で切削され、薄い帯状シート部材1が扇状に削り出される。このようにして削り出された切削片2は一側端縁2aと他側端縁2bの周長が異なるので、この周長の差から帯状シート部材1は襞2を作りながら丸くなるように集合してろ過素材6が形成されるものである。またこのように切削刃物14を回転して切削を行なう際に、帯状シート部材1の襞2の表面にシワ状の微細な凹凸3が形成される。そしてこのようにして得られるろ過素材6aは多数の襞2が集合して球形に近い外形形状をしているが、図5に示すように襞2と襞2の間が広がっており、楕円形など不定形な外形形状に形成されている。
【0024】
ここで、成形工程で押出し成形された樹脂部材5は、外気温によってその温度が樹脂の軟化温度以下に低下する前に切削工程に送られて、ろ過素材6に加工されるようにしてある。樹脂部材5の切削をこのように樹脂の軟化温度以上の温度で行なうことによって、切削性良く切削加工を行なうことができるものであり、切削性を向上するために樹脂部材5を再加熱するようなことが不要になるものである。また、切削工程において樹脂部材5を切削刃物14で切削加工するにあたって、切削刃物14に温風ヒーター29で温風を吹き当てるなどして、切削刃物14の刃面を樹脂部材5の樹脂軟化温度以上の一定温度に加熱しながら、切削を行なうようにするのが好ましい。このように切削刃物14を加熱しながら樹脂部材5の切削を行なうことによって、刃物寿命を極端に延ばすことができるものである。例えば樹脂部材5がポリ塩化ビニルの場合、軟化温度が63℃なので、切削刃物14の温度を70℃に加熱して寿命評価したところ、刃物寿命は約10倍延びるものであった。
【0025】
上記のようにして切削工程で製作されるろ過素材6は既述のように外形形状が不定形であるので、仕上げ加工工程でろ過素材6の外形を仕上げ加工し、外形形状をほぼ球形に仕上げる。仕上げ加工工程は図6に示すような仕上げ加工装置15からなるものであり、仕上げ加工装置15は対向して配置される一対の仕上げ加工体7,8と、一方の仕上げ加工体8を回転駆動させる駆動装置16とを具備して形成されるものである。
【0026】
一対の仕上げ加工体7,8はそれぞれ円板状に形成されるものであり、仕上げ加工体7は基台30に立直状態で固定してある。この仕上げ加工体7の仕上げ加工体8に対向する面には加工用溝11が凹設してある。図7はこの仕上げ加工体7の一例を示すものであって、加工用溝11は螺旋状の溝として形成してあり、加工用溝11の一端は仕上げ加工体7の外周端で導入口9として外方へ開口すると共に、加工用溝11の他端は仕上げ加工体7の中心において仕上げ加工体8と反対側の面に開口する排出口10として形成してある。仕上げ加工体7の外面には排出口10と連通する排出筒31が突設してある。また加工用溝11の内周には図8(a)(b)に示すように、凸部17(あるいは凹部でもよい)が設けてある。この凸部17(あるいは凹部)は加工用溝11の内周を横切るように設けてあり、ろ過素材6の外径よりも大きなピッチ間隔で加工用溝11の長手方向に沿って多数設けてある。
【0027】
また、仕上げ加工体8はその背面の中央を駆動装置16のモータ32などで駆動される回転軸33に固定してあり、回転中心が排出口10に一致するように仕上げ加工体7に所定間隙を介して平行に対向させて配置してある。仕上げ加工体6の回転の向きは、導入口8から排出口9への加工用溝11の螺旋の回転方向と一致するように設定してある。この仕上げ加工体8の仕上げ加工体7に対向する面のほぼ全面には、図8に示すようにゴムシートなどで形成される平坦な表面の滑り防止用弾性部材18が張ってある。さらに、上記の仕上げ加工体7は導入口9が上端部に位置するように配置してあり、この導入口9に下端の開口が面するように、仕上げ加工体7,8の上方にホッパー34が配置してある。
【0028】
そして切削工程で製作されたろ過素材6はホッパー34に投入されるようになっており、ホッパー34の下端の開口を通してろ過素材6が順次、仕上げ加工体7,8の間に供給される。仕上げ加工体7,8間に供給されるろ過素材6は導入口9から加工用溝11に入るが、仕上げ加工体8が回転駆動されることによって、ろ過素材6は仕上げ加工体7,8間で回転摺動され、仕上げ加工体8の回転に伴って螺旋状の加工用溝11を導入口9から排出口10へ向けて転動して移動する。このようにろ過素材6を仕上げ加工体7,8間で回転摺動させることによって、ろ過素材6に外周の全面からろ過素材6中心方向に押し縮める圧力を加え、不定形なろ過素材6のいびつな外形を球形に整形することができるのであり、ほぼ球形に仕上げられたろ過材Aを得ることができるものである。このとき、ろ過素材6の温度が樹脂の軟化温度より20℃以上高いと、柔らか過ぎて球形に整形することが難しいので、切削工程でろ過素材6を製作した後、冷却してから仕上げ加工装置15に供給して仕上げ加工をするのが望ましい。ろ過素材6の温度は、樹脂の軟化温度より0〜20℃、より好ましくは5〜15℃高い温度にまで冷却されるようにするのがよい。
【0029】
ここで、仕上げ加工体7に設けた加工用溝11は断面形状を半円形に形成してあり、その直径(幅)の寸法が導入口9の側から排出口10の側へと徐々に小さくなるように形成してある。すなわち、図6において、内径はt1>t2>t3>t4となるようにしてあり、排出口10における加工用溝11の直径t4が仕上げ加工されたろ過材Aの目的とする直径になるものであるが、この排出口10での加工用溝11の直径t4は上記の樹脂部材5の円柱の直径とほぼ等しい寸法に設定するのがよい。また仕上げ加工体7,8の対向面の間隔は排出口10における加工用溝11の直径t4の半分の寸法に設定してある。
【0030】
そして、導入口8から加工用溝11に導入されたろ過素材6は、仕上げ加工体7,8間で回転摺動されながら仕上げ加工体8の回転に伴って加工用溝11を移動するに従って、外周の全面からろ過素材6を中心方向へ押し縮める圧力が徐々に仕上げ加工体7,8間で加えられ、ろ過素材6は直径が徐々に小さくなって隣接し合う襞2の外面同士が当接し合うようになると共に、ろ過素材6は外形が略球状に成形され、目的とする大きさのほぼ球形にばらつきなく仕上げることができるものである。例えば、直径が15mmの円柱状の樹脂部材5から切り出される外形寸法が20mm×22mmの楕円体のろ過素材6を、直径φ15mmの球形のろ過材Aに仕上げるには、加工用溝11の直径はt1=24mm、t4=15mmに設定するのがよい。樹脂部材5の先端面を中心から半分の範囲で切削して得られる帯状シート部材1の幅寸法は樹脂部材5の半径の寸法であり、この帯状シート部材1で形成される襞2の集合体であるろ過材Aの直径が帯状シート部材1の幅の2倍に形成されるときが、ろ過材Aは最も緻密な状態になっている。従って、このように排出口10での加工用溝11の直径t4を樹脂部材5の円柱の直径と等しい寸法に設定しておくことによって、襞2を押し潰してしまうようなことなく、ろ過素材6を中心方向へ押し縮めて隣接し合う襞2の外面同士を最も効率良く当接させて、襞2内に形成されるポケット4の側面や下面を効果的に閉じることができるものである。
【0031】
上記のように仕上げ加工装置15で仕上げられたろ過材Aは、排出口10から排出筒31を通して仕上げ加工装置15から、受け容器35に排出されるようになっている。仕上げ加工体7,8間で回転摺動する際にろ過素材6の温度が樹脂の軟化温度より20℃以上高い温度に上昇していると、得られたろ過材Aに変形が生じるおそれがあるので、排出筒31にエアーブロー装置19を設け、排出筒31を通過するろ過材Aに冷風を吹きかけて冷却し、整形した形状にろ過材Aを固定するようにしてある。
【0032】
ここで、上記のように仕上げ加工体7,8間にろ過素材6を回転摺動させる際に、ろ過素材6と仕上げ加工体7,8の間に滑りがあると、ろ過素材6を安定して球形に整形することが難しくなると共に、ろ過素材6が加工用溝11を移動する時間が長くなって、仕上げ加工の時間が長くなる。そのために、上記のように加工用溝11に面して仕上げ加工体8に弾性部材18を設けてあり、弾性部材18を介してろ過素材6を仕上げ加工体7,8間に弾性的に挟んで、滑りが生じることを防止するようにしてある。さらに上記のように、加工用溝11に凸部17(あるいは凹部)を設け、ろ過素材6に滑りが生じても凸部17でろ過素材6を強制的に回転させ、ろ過素材6を強制的に回転摺動させて球形に整形できるようにしてある。
【0033】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るプラスチック製ろ過材は、貫通孔を有さないプラスチックの帯状シート部材の一方の側端縁を襞が連続するように葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シート部材の他方の側端縁を収束して中心部に配置することによって、全体として略球状に形成してあるので、強度が大きく変形し難いものであり、また高密度に充填することが可能になって浮遊物質の捕捉量が多くなると共に、しかも帯状シート部材は貫通孔を有しないものであって、浮遊物質が貫通孔から抜け落ちるようなことがなく、浮遊物質の捕捉性能を高く得ることができるものであって、物理的ろ過性能が優れているものである。さらにろ過材を逆洗洗浄するにあたって、外に向かって広くなっている襞内のポケットに捕捉している浮遊物質の洗い出しが容易になると共に球状のろ過材は浮遊させ易く、逆洗洗浄を容易に行なうことができるものである。
【0034】
また請求項2の発明は、請求項1において、隣接し合う襞の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを襞内に形成するようにしたので、浮遊物質を襞内のポケットに捕捉して物理的ろ過を行なうにあたって、上記のように貫通孔がないことに加えて、浮遊物質がポケットの底面や側面から抜け落ちることがなくなるものであり、浮遊物質の捕捉性能を一層高く得ることができ、浮遊物質の物理的ろ過性能が極めて高いろ過材とすることができるものである。
【0035】
また請求項3の発明は、請求項2において、外周の全面から中心方向へ押し縮める圧力を加えて固めることによって、隣接し合う襞の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを襞内に形成するようにしたので、ろ過材を略球形に整形した状態で隣接し合う襞の外面同士を当接させるようにすることができるものである。
【0036】
また請求項4の発明は、各襞の表面に凹凸を形成するようにしたので、凹凸によってろ過材の表面積が大きくなり、バクテリアによる生物的浄化を行なうあたって、多量のバクテリアの培養が可能になってバクテリアによる浄化作用を効率高く行なわせることができるものである。
【0037】
本発明の請求項5に係るプラスチック製ろ過材の製造方法は、請求項3又は4に記載のプラスチック製ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材の先端面を切削して帯状に切り出すことによって、細い帯状シート部材が葛折れして形成される多数の襞が集合したろ過素材を作製し、このろ過素材を対向する仕上げ加工体間に供給して仕上げ加工体間で回転摺動させることによって、外周の全面からろ過素材を中心方向へ押し縮める圧力を加えて隣接し合う襞の外面同士を当接させると共に外形を略球状に成形するようにしたので、ろ過素材が不定形な外形であっても、隣接し合う襞の外面同士を当接させて側面や底面が閉じたポケットを有すると共に外形が略球状となったろ過材を得ることができ、浮遊物質の物理的ろ過性能等が極めて高いろ過材を製造することができるものである。
【0038】
また請求項6の発明は、請求項5において、仕上げ加工体の対向面に導入口から排出口へと直径が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝を形成し、ろ過素材を導入口から加工用溝に供給すると共に対向する仕上げ加工体間で回転摺動させながらろ過素材を加工用溝に沿って排出口まで移動させるようにしたので、ろ過素材を加工用溝に沿って移動させる間に徐々に圧縮して整形することができると共に、排出口の箇所で加工用溝の直径に適合した外形寸法にろ過材を成形することができ、均一な大きさ・形状にろ過材を製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は拡大した斜視図である。
【図2】同上の一部を示す拡大した斜視図である。
【図3】同上のプラスチック製ろ過材を製造する装置を示す正面図である。
【図4】同上のプラスチック製ろ過材を製造する装置の一部の拡大した正面図である。
【図5】同上のろ過素材を示す拡大した斜視図である。
【図6】同上のプラスチック製ろ過材を製造する装置の一部の正面図である。
【図7】同上のプラスチック製ろ過材を製造する装置の一部の拡大した斜視図である。
【図8】同上のプラスチック製ろ過材を製造する装置の一部を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ拡大した断面図である。
【図9】従来の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の他の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 帯状シート部材
2 襞
3 凹凸
4 ポケット
5 樹脂部材
6 ろ過素材
7 仕上げ加工体
8 仕上げ加工体
9 導入口
10 排出口
11 加工用溝1
Claims (6)
- 液中の浮遊物質を捕捉する物理的ろ過をするために用いられるプラスチック製ろ過材であって、貫通孔を有さないプラスチックの帯状シート部材の一方の側端縁を襞が連続するように葛折りして外周側に配置すると共に、この帯状シート部材の他方の側端縁を収束して中心部に配置することによって、全体として略球状に形成して成ることを特徴とするプラスチック製ろ過材。
- 隣接し合う襞の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを襞内に形成して成ることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック製ろ過材。
- 外周の全面から中心方向へ押し縮める圧力を加えて固めることによって、隣接し合う襞の外面同士を当接させて、略球状の外周面にのみ開口する略すり鉢状のポケットを襞内に形成して成ることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック製ろ過材。
- 各襞の表面に凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラスチック製ろ過材。
- 請求項3又は4に記載のプラスチック製ろ過材を製造するにあたって、円柱状の樹脂部材の先端面を切削して帯状に切り出すことによって、細い帯状シート部材が葛折れして形成される多数の襞が集合したろ過素材を作製し、このろ過素材を対向する仕上げ加工体間に供給して仕上げ加工体間で回転摺動させることによって、外周の全面からろ過素材を中心方向へ押し縮める圧力を加えて隣接し合う襞の外面同士を当接させると共に外形を略球状に成形することを特徴とするプラスチック製ろ過材の製造方法。
- 仕上げ加工体の対向面に導入口から排出口へと直径が徐々に小さくなる断面半円の加工用溝を形成し、ろ過素材を導入口から加工用溝に供給すると共に対向する仕上げ加工体間で回転摺動させながらろ過素材を加工用溝に沿って排出口まで移動させることを特徴とする請求項5に記載のプラスチック製ろ過材の製造方法。
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