JP2002232025A - 熱電素子の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子並びに熱電モジュール - Google Patents

熱電素子の製造方法及びそれを用いて製造した熱電素子並びに熱電モジュール

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Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストで量産性に優れ、かつ結晶配向度の高
い熱電素子の製造方法及びその方法を用いて作製した熱
電性能に優れた熱電素子および熱電モジュールを実現す
る。 【解決手段】AをBi及び/又はSb、BをTe及び/
又はSeとしたとき、A 23型単結晶を5〜80容量%
と、反応して前記A23型結晶となる金属及び/又は合
金からなる粉末とを含む成形体を焼成し、A23型結晶
を主体とする合金を得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電素子の製造方
法および熱電素子およびそれを用いた熱電モジュールに
関する。
【0002】
【従来技術】従来より、ペルチェ効果を利用した熱電素
子を用いた熱電モジュールによる冷却がレーザーダイオ
ードの温度制御、恒温槽あるいは冷蔵庫に多用されてお
り、室温付近における冷却用熱電モジュールに用いられ
る熱電材料としては、冷却特性が優れるという観点から
Bi2Te3(テルル化ビスマス)の材料が一般的に用い
られている。
【0003】さらに熱電素子はp型およびn型を対にし
て用いる必要があり、p型にはBi 2Te3とSb2Te3
(テルル化アンチモン)との固溶体が、n型にはBi2
Te3とBi2Se3(セレン化ビスマス)との固溶体が
特に優れた性能を示すことが知られ、このA23型(A
はBiまたはSbの1種または2種、BはTeまたはS
eの1種または2種)結晶が冷却用熱電モジュール用熱
電材料として広く用いられている。
【0004】このA23型結晶は古くよりゾーンメルト
法、一方向凝固などによって結晶粒が大きいインゴット
あるいは単結晶として作製され、これをスライスしたも
のを用いてきたが、熱電モジュールに使用される熱電素
子は数mm角の大きさに切断する際にへき開面を持つこ
れら結晶の多くは加工歩留まりが極めて低く、近年では
加工に対する強度を保たせるためにホットプレス等によ
り作製された多結晶体が用いられている。
【0005】しかし、A23型単結晶における熱電特性
は結晶軸に対して異方性があるため、結晶方向がランダ
ムである多結晶体では性能が低下してしまうという問題
があった。そこで、単結晶並みの冷却性能を有する熱電
モジュール作製のためには単結晶並に結晶が配向した材
料を用いる必要があり、ホットフォージングによる圧延
焼結によって高配向材料を作製する方法が特開平10−
178219号公報に提案されている。
【0006】また、インゴットや単結晶を作製し、これ
を粉砕して焼成する工程は複雑であり、また長時間の処
理を必要とし、スライス処理を含むものではスライスロ
スが生じて、コストが上昇するため、特定の混合原料を
希望する形状に成形した後に焼成し、熱電素子を得るこ
とが、特開平2−256283号公報で提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−178219号公報の方法では、原料として用い
る金属粉末がA23型結晶でなくてはならず、この結晶
を作製するためには金属粉末をあらかじめ溶融させるな
どして合金を形成させた後に冷却後あるいは冷却過程で
粉砕しなくてはならず、焼結前の原料コストを大幅に引
き上げていたという問題があり、また、インゴット及び
単結晶の粉砕後に得られる結晶の大きさ、形状によって
焼結体の結晶の大きさ、配向度が大きく変化するために
配向度を充分高め安定させることは容易では無く、また
原料歩留まりも低いという問題があった。
【0008】また、特開平2−256283号公報の方
法では、工程は減少し、スライスロスが無くなるが、配
向性が小さいため、熱電性能が低下してしまうという問
題があった。そのため、冷却用途としては充分な性能指
数が得られず、この方法により製作された熱電素子を用
いた熱電モジュールは実用化されていない。
【0009】本発明は、低コストで量産性に優れ、かつ
結晶配向度の高い熱電素子の製造方法及びその方法を用
いて作製した熱電性能に優れた熱電素子および熱電モジ
ュールを実現することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、板状のA23
型単結晶と、反応してA23型結晶を形成する金属粉末
とを含む成形体を焼結させることで容易に配向度の高い
合金が得られ、得られた熱電素子は熱電性能に優れると
いう知見に基づくものである。
【0011】即ち、本発明の熱電素子の製造方法は、A
をBi及び/又はSb、BをTe及び/又はSeとした
とき、A23型単結晶を5〜80容量%と、反応して前
記A 23型結晶となる金属及び/又は合金からなる粉末
とを含む成形体を焼成し、前記A23型結晶を主体とす
る合金を得ることを特徴とするものである。
【0012】これにより、高コストであるA23型単結
晶の使用を極力抑えることにより素子製造の低コスト化
が図れ、かつ焼結時に板状結晶の形状を保ちながら結晶
成長が起こるために、得られる素子の配向性を高めるこ
とが可能である。そのために本発明品で得られる熱電素
子を用いることで冷却用途用高性能な熱電モジュールを
低コストで作製できる。
【0013】また、前記A23型単結晶が、最大径d及
び厚みtを有する板状結晶であり、比d/tの平均が
3.0以上、レーザー回折法による前記A23型単結晶
の平均粒子径が1.0μm以上であることが好ましい。
これにより、焼結体の結晶配向性を高めることが可能と
なり、素子の性能指数を高めることができる。
【0014】さらに、前記成形体がI、Cl、Hg、B
r、Ag及びCuのうち少なくとも1種を含むことが好
ましい。これにより、熱電半導体のキャリア濃度を調整
することができ、さらに熱電特性を高めることが可能と
なる。
【0015】また、本発明の熱電素子は、作製されたA
23型単結晶を主体とする合金からなり、特定の方向に
対してC面配向度が0.40以上であることを特徴とす
るものである。これにより、結晶配向による高い性能指
数が維持できる。
【0016】さらに、本発明の熱電モジュールは、複数
の熱電素子と、該熱電素子を挟持する一対の熱交換基板
と、該熱交換基板の一主面に設けられ、前記熱電素子を
電気的に接続する配線とを具備する熱電モジュールにお
いて、前記熱電素子の電流が流れる方向と平行な面のC
面配向度が0.40以上、性能指数が2×10-3/K以
上であることを特徴とするものである。これにより、レ
ーザーダイオード等の冷却用途として充分な特性を有す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の熱電素子の製造方法は、
23型結晶(AはBi及び/又はSb、BはTe及び
/又はSe)からなる半導体結晶であって、組成比B/
Aが1.45〜1.55であることが好ましく、特に公
知であるBi2Te3、Bi2Te3とBi2Se3の固溶体
であるBi2Te3-xSex(x=0.05〜0.2
5)、又はBi2Te3とSb2Te3の固溶体であるBi
ySb2-yTe3(y=0.1〜0.6)を好適に用いる
ことができる。
【0018】本発明によれば、原料としてA23型結晶
の少なくとも2種類の性状を有する粉末を用いることが
重要である。まず、第1の粉末は、Bi及び/又はSb
と、Te及び/又Seとからなる型単結晶を準備する。
即ち、AをBi及び/又はSb、BをTe及び/又Se
としたとき、A23で表される単結晶を、全量中で5容
量%以上となるように準備する。
【0019】A23型単結晶は、配向性を高める上で、
形状に異方性を持つものであればどのようなものでも良
いが、特に、最大径d及び厚みtを有する板状結晶であ
ることが好ましい。そして、板状結晶の厚みtに対する
最大径dの比d/tで示されるアスペクト比の平均が
3.0以上、特は4.0以上、さらには5.0以上が、
焼結体の粒子径をそろえ、熱電特性の均一性を高める上
でまた、配向度を高める上で好ましい。
【0020】また、レーザー回折法で求められる平均粒
子径d50(累積重量比率50%時の粒子径)が1.0
μm以上、特に2.0μm、さらには3.0μm以上
が、配向性を高め、かつ配向の方位を成形時、焼結時の
圧力の方向に対して異方性を持つ点で好ましい。
【0021】これらのA23型結晶がn型半導体の場
合、成形体がI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuのう
ち少なくとも1種を、ドーパントとして含むことが、半
導体特性を向上し、その結果、熱電特性を改善するため
に好ましい。例えば、n型であるBi2Te2.95Se
0.05に対して、HgBr2、あるいはSbI3を0.06
〜0.10重量%添加することにより、電子あるいは空
孔のキャリア濃度を高めることができる。なお、p型半
導体においては、TeやSeをドーパントとして用いる
ため、TeやSeを過剰に含有するA23型結晶を用い
ることができる。
【0022】第2の粉末には、焼成によって上記のA2
3型結晶になるような金属粉末を準備する。例えば、
単結晶がBi2Te3の場合、BiとTeをモル比で2:
3になるように、Bi粉末とTe粉末を準備する。ま
た、Bi0.5Sb1.5Te3の場合、BiとSbとTeを
モル比で0.5:1.5:3となるようにBi粉末とS
b粉末とTe粉末を準備しても良いし、また、Bi2
3とSb2Te3のモル比が1:3となる合金混合粉末
を準備しても良いし、上記の金属粉末と合金粉末とを混
合しても良い。
【0023】上記第2の結晶である金属粉末及び/又は
合金粉末は、第1の単結晶である板状結晶とは異なる物
質であり、焼成中に反応して板状結晶となるように組成
を調製された金属及び/又は合金であることが重要であ
る。これは、反応により種結晶の板状結晶が成長し、配
向性の高い焼結体が得られ、逆に、種結晶の板状結晶と
同じ結晶であると、単に焼結が進み、板状の種結晶の形
状異方性に従う結晶成長による異方性が生じにくくなる
ためである。
【0024】次に、上記板状結晶と、金属粉末及び/又
は合金粉末とを混合し混合原料を作製するが、本発明に
よれば、上記混合粉末中に板状結晶が5〜80容量%含
まれることが重要であり、特に10〜70容量%、さら
には20〜60容量%であることが好ましい。即ち、5
容量%より少ないと、焼結体中におけるA23型結晶の
配向性が小さくなり、また、80容量%を越えると緻密
体が得難くなるためである。
【0025】上記混合原料を作製するための混合方法
は、メカニカルアロイングなど板状結晶の破壊を引き起
こす粉砕工程は避け、湿式または乾式のボールミル混合
等の方法を用いることが好ましい。
【0026】得られた混合原料を、公知の成形方法であ
るラバープレス、金型プレス等を用いて成形し、得られ
た成形体を焼成する。あるいは粉末のままカーボンダイ
ス等の型に入れて焼成する。なお、焼成を行う前に、原
料中の板状結晶、金属粉末及び合金粉末の表面の酸化物
層や吸着酸素を取り除くため、還元雰囲気で熱処理する
ことが好ましい。例えば、水素やフォーミングガス等の
ガス雰囲気中、300〜400℃で1〜24時間程度の
熱処理を行う。この熱処理によって粒子表面の酸素を取
り除くことができ、配向性が高まって、高い性能指数を
有する熱電素子が得られる。
【0027】焼成は、公知の焼成方法である常圧焼成、
ホットプレス、雰囲気加圧焼成、プラズマ焼結、マイク
ロ波焼結、HIP焼結等を用いることができるが、特に
配向度を高める上でホットプレス、HIP焼結及びプラ
ズマ焼成が望ましい。
【0028】ホットプレスの場合、ホットプレス用型の
中にそのまま粉末を投入しても良いが、板状結晶の配向
度を高めるために一軸の金型プレスを行って成形体を前
もって作製し、その成形体をホットプレス用型に装填す
ることが好ましい。
【0029】焼成温度は、融点よりも100℃程度低い
温度で焼結させることが好ましく、例えばBi2Te3
あれば400〜500℃、Bi0.5Sb1.5Te3であれ
ば400〜480℃が望ましい。この温度域では種結晶
自体は変化しないが、周りに存在する種結晶以外の金属
が種結晶と同じ組成へ化学変化を起こす条件であり、こ
の条件下であれば金属から種結晶組成への変化は主とし
て種結晶表面上で生じるため、板状種結晶の形状異方性
を保ちながら選択的な結晶成長が起こるため、配向組織
を得やすい。
【0030】このようにして作製された熱電素子は、A
23型結晶を主体し、高い配向を有する焼結体からな
る。そして、その配向は、特定の方向に対してC面配向
度が0.40以上であることが重要である。このような
配向性を有する熱電素子は、C面方向の抵抗率が低いた
めにC面方向の熱電特性が高いという特徴を有する。
【0031】なお、配向度とは、X線回折により得られ
たA23型結晶のI(006)、I(015)、I(0015)のピーク
強度をそれぞれ求め、これらのピーク強度の和に対する
(0 06)とI(0015)との割合を示し、以下の式で与えら
れるfで表されるものである。 f=I(006)+I(0015)/I(006)+I(015)+I(0015) さらに、本発明の熱電モジュールは、複数の熱電素子
と、該熱電素子を挟持する一対の熱交換基板と、該熱交
換基板の一主面に設けられ、前記熱電素子を電気的に接
続する配線とを具備する熱電モジュールであり、n型熱
電素子とp型熱電素子とが同数かつ複数だけ適当な間隔
を置いて並び、それぞれが直列に電気接続され、外部電
極に連結しており、熱電素子の両端部が熱交換基板によ
って挟持されている構造を有している。
【0032】そして、n型及びp型の熱電素子におい
て、それぞれ電流が流れる方向に対して平行な面のC面
配向度fが0.40以上、性能指数が2×10-3/K以
上であることが重要であり、これにより、熱電素子とし
て優れた性能を発現できる。
【0033】ここで、性能指数Zとは、ゼーベック係数
をS、抵抗率をρ、熱伝導率をkとしたとき、以下の式 Z=S2/ρk で定義されるもので、熱電素子を冷却素子あるいは発電
素子として用いる場合の効率を示すものである。
【0034】
【実施例】実施例1 n型熱電素子のために、種結晶のA23型単結晶として
純度99.99%以上のBi2Te2.95Se0.05結晶、
金属原料として純度99.99%以上、平均粒子径10
0μmのBi、Te及びSeの各金属粉末、所望により
添加するドーパントとして純度99.9%、平均粒子径
1.8μmのSbI3粉末を準備した。
【0035】また、p型熱電素子のために、種結晶のA
23型単結晶として純度99.99%以上のBi0.5
1.5Te3結晶、金属原料として純度99.99%以
上、平均粒子径100μmのBi、Sb及びTeの各金
属粉末を準備した。
【0036】単結晶は、スタンプミルで粉砕し、いくつ
かのメッシュを用いて分級し、数種類の板状結晶を得
た。この板状結晶の平均粒子径をレーザー回折法で求
め、結晶の最大径dと厚みtはSEM写真から200個
の粒子の平均を求め、アスペクト比d/tを算出した。
【0037】n型熱電素子用として準備したBi、Te
及びSeの各金属粉末は、組成がBi2Te2.95Se
0.05となるように、また、p型熱電素子用として準備し
たBi、Sb及びTeの各金属粉末は、Bi0.5Sb1.5
Te3組成となるように、それぞれ秤量し、イソプロパ
ノール(IPA)を溶媒とし、ウレタン製ボールを用い
てそれぞれ混合した。
【0038】混合したスラリーを真空中、60℃で乾燥
し、得られた混合粉末を、200メッシュを通し、金属
粉末を得た。
【0039】このようにして得られた単結晶である板状
結晶と金属粉末は、表1に示す組成に各10gずつ秤量
し、アルミナ乳鉢で混合しその後、混合粉末を20mm
φの金型に入れ、100MPaの圧力で一軸にプレス成
形した。
【0040】成形体を水素気流中、350℃で24時間
熱処理を行った後、表1に示す条件にて常圧焼成法(N
S)、Ar雰囲気での加圧焼成(GPS)、ホットプレ
ス(HP)、等方加圧焼結(HIP)、放電プラズマ焼
結(SPS)により焼成した。
【0041】焼結体はプレス方向に対して平行な方向に
対して熱伝導率、ゼーベック係数及び抵抗率を測定する
ために、それぞれ測定試料を作製した。熱伝導率測定に
は、直径10mm、厚み1mmの円板試料を、ゼーベッ
ク係数、抵抗率測定には縦4mm、横4mm、長さ15
mmの角柱試料を作製した。
【0042】熱伝導率はレーザーフラッシュ法により、
ゼーベック係数は真空理工社製熱電能評価装置により、
抵抗率は4端子法により、それぞれ25℃の条件下で測
定した。
【0043】また、熱電性能指数Zは、Z=S2/ρk
(Sはゼーベック係数、ρは抵抗率、kは熱伝導率であ
る)より算出した。
【0044】さらに、C面配向度fの測定には、上記角
柱試料を用いた。即ち、縦4mm、横4mmの断面又は
端面をX線回折で測定し、得られたピーク強度から以下
の式 f=I(006)+I(0015)/I(006)+I(015)+I(0015) を用いて算出した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】本発明の試料No.2〜8、10〜16、
18〜23及び25、26は、配向度が0.41以上、
性能指数が2.07×10-3/K以上と大きかった。
【0047】一方、原料中にA23型単結晶が2容量%
と少なく、本発明の範囲外の試料No.1及び17は、
配向度が0.35以下、性能指数が1.93×10-3
K以下といずれも低かった。
【0048】また、原料中にA23型単結晶が95容量
%と多く、本発明の範囲外の試料No.9及び24は、
配向度が0.38以下、性能指数が1.89×10-3
K以下といずれも低かった。
【0049】実施例2 実施例1と同様にして作製したC面配向度が高く、性能
指数の高い試料No.12及び22を用いてn型、p型
それぞれ18対の縦1.2mm、横1.2mm及び高さ
2mmの熱電素子を切り出した。なお、このとき長手方
向側面にC面配向する方向に切り出した。
【0050】それぞれの素子にNi電極をメッキしたの
ち、Sn−Pbはんだを用いて片面にNiメッキされた
Cu電極が配線された10×12mmのアルミナ基板上
にn型、p型が対になるように接合し、電極の端面にリ
ード線をはんだ付けし、熱電モジュールを組み立てた。
【0051】モジュールの評価は電圧を変化させたとき
に、放熱面の温度を27℃と一定にしたときの冷却面に
おける温度から放熱面と冷却面の温度差を求めた。結果
は70℃であり、レーザーダイオード冷却用ペルチェ素
子として充分な性能を有していた。
【0052】比較例 試料No.1及び17を用いてn型、p型それぞれ18
対の1.2×1.2x2mmの熱電素子を同様にして切
り出した。なお、このとき長手方向側面にC面配向する
方向に切り出した。
【0053】性能評価は、実施例2と同様にして行っ
た。結果は温度差が61℃と冷却性能が本発明品と比べ
て劣っており、レーザーダイオード冷却用として使用で
きないレベルのものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、型単結晶と、反応して
型単結晶を形成する金属粉末とからなる混合原料を型単
結晶が配向するように成形し、それを焼成することによ
って、型単結晶を粒成長させ、特定の方向に配向し、熱
電特性に優れた熱電素子を製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西薗 和博 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4K018 AA40 BA20 DA13 KA32

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】AをBi及び/又はSb、BをTe及び/
    又はSeとしたとき、A23型単結晶を5〜80容量%
    と、反応して前記A23型結晶となる金属及び/又は合
    金からなる粉末とを含む成形体を焼成し、前記A23
    結晶を主体とする合金を得ることを特徴とする熱電素子
    の製造方法。
  2. 【請求項2】前記A23型単結晶が、最大径d及び厚み
    tを有する板状結晶であり、比d/tの平均が3.0以
    上、レーザー回折法による前記A23型単結晶の平均粒
    子径が1.0μm以上であることを特徴とする請求項1
    記載の熱電素子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記成形体がI、Cl、Hg、Br、Ag
    及びCuのうち少なくとも1種を含むことを特徴とする
    請求項1又は2記載の熱電素子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の方法で
    作製されたA23型単結晶を主体とする合金からなり、
    特定の方向に対してC面配向度が0.40以上であるこ
    とを特徴とする熱電素子。
  5. 【請求項5】複数の熱電素子と、該熱電素子を挟持する
    一対の熱交換基板と、該熱交換基板の一主面に設けら
    れ、前記熱電素子を電気的に接続する配線とを具備する
    熱電モジュールにおいて、前記熱電素子の電流が流れる
    方向と平行な面のC面配向度が0.40以上、性能指数
    が2×10-3/K以上であることを特徴とする熱電モジ
    ュール。
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