JP2002231854A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CSPと呼ばれる半導体装置において、半導
体基板の下面を電気的および機械的に保護する。 【解決手段】 半導体基板21の下面には銀ペースト等
からなる導電性樹脂膜30が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、柱状電極を有す
る半導体装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばCSP(Chip Size Package)と呼
ばれる半導体装置には、図10に示すようなものがあ
る。この半導体装置では、シリコン等からなる半導体基
板1の上面に接続パッド2が形成され、その上面の接続
パッド2の中央部を除く部分に絶縁膜3が形成され、絶
縁膜3に形成された開口部4を介して露出された接続パ
ッド2の上面から絶縁膜3の上面の所定の箇所にかけて
再配線5が形成され、再配線5の先端のパッド部上面に
柱状電極6が形成され、柱状電極6を除く上面全体に封
止膜7が形成され、柱状電極6の上面に電解メッキまた
は無電解メッキにより酸化防止用の表面処理層8が形成
され、表面処理層8の表面に半田ボール9が形成された
構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
半導体装置では、半導体基板1の下面がむき出しとなっ
ているので、外部からの静電気等に起因するノイズを半
導体基板1自体で吸収することができない場合、電気的
なノイズが発生することがあり、また回路基板等の他の
電子部品に搭載する等の各種の作業時に半導体基板1に
クラックが発生することがあるという問題があった。特
に、半導体装置の厚さを薄くするために、半導体基板1
の下面を適宜に研磨した場合には、電気的なノイズが発
生しやすく、また半導体基板1にクラックが発生しやす
い。この発明の課題は、半導体基板の下面を電気的およ
び機械的に保護することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る半導体装置は、上面に柱状電極が形成された半導体
基板と、前記柱状電極を除く前記半導体基板の上面に形
成された封止膜と、前記半導体基板の下面に形成された
導電性樹脂膜とを具備することを特徴とするものであ
る。請求項2に記載の発明に係る半導体装置は、請求項
1に記載の発明において、前記柱状電極の上面に酸化防
止用の表面処理層が形成されていることを特徴とするも
のである。請求項3に記載の発明に係る半導体装置は、
請求項2に記載の発明において、前記表面処理層の表面
に半田ボールが形成されていることを特徴とするもので
ある。請求項4に記載の発明に係る半導体装置は、請求
項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記半導体
基板の厚さは当該半導体基板を得るためのウエハの当初
の厚さよりも薄くなっていることを特徴とするものであ
る。請求項5に記載の発明に係る半導体装置の製造方法
は、上面に柱状電極を有するウエハの前記柱状電極を除
く上面全体に封止膜を形成し、前記ウエハをダイシング
して個々のチップからなる半導体装置を得る半導体装置
の製造方法において、前記ウエハの下面に導電性樹脂膜
を形成した後、前記ウエハをダイシングするすることを
特徴とするものである。請求項6に記載の発明に係る半
導体装置の製造方法は、請求項5に記載の発明におい
て、前記封止膜を形成した後に、前記柱状電極の上面に
酸化防止用の表面処理層を形成することを特徴とするも
のである。請求項7に記載の発明に係る半導体装置の製
造方法は、請求項6に記載の発明において、前記表面処
理層を形成した後に、該表面処理層の表面に半田ボール
を形成することを特徴とするものである。請求項8に記
載の発明に係る半導体装置の製造方法は、請求項5〜7
のいずれかに記載の発明において、前記ウエハの下面を
研磨してウエハを薄くした後、該ウエハの下面に前記導
電性樹脂膜を形成することを特徴とするものである。請
求項9に記載の発明に係る半導体装置の製造方法は、請
求項5〜7のいずれかに記載の発明において、前記ウエ
ハ上の前記封止膜および前記柱状電極を研磨した後、前
記ウエハの下面を研磨してウエハを薄くし、該ウエハの
下面に前記導電性樹脂膜を形成することを特徴とするも
のである。そして、この発明によれば、半導体基板の下
面に導電性樹脂膜を形成しているので、半導体基板の下
面を電気的および機械的に保護することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施形態にお
ける半導体装置の断面図を示したものである。この半導
体装置では、シリコン等からなる半導体基板21の上面
に接続パッド22が形成され、その上面の接続パッド2
2の中央部を除く部分に絶縁膜23が形成され、絶縁膜
23に形成された開口部24を介して露出された接続パ
ッド22の上面から絶縁膜23の上面の所定の箇所にか
けて再配線25が形成され、再配線25の先端のパッド
部上面に柱状電極26が形成され、柱状電極26を除く
上面全体に該柱状電極の上面と同一の高さの上面を有す
る封止膜27が形成され、柱状電極26の上面に電解メ
ッキまたは無電解メッキにより酸化防止用の表面処理層
28が形成され、表面処理層28の表面に半田ボール2
9が形成され、半導体基板21の下面に導電性樹脂膜3
0が形成された構造となっている。
【0006】次に、この半導体装置の製造方法の一例に
ついて、図2〜図7を順に参照して説明する。まず、図
2に示すように、図1に示す半導体基板21を複数個得
るためのウエハ31の上面に接続パッド22が形成さ
れ、その上面の接続パッド22の中央部を除く部分に絶
縁膜23が形成され、絶縁膜23に形成された開口部2
4を介して露出された接続パッド22の上面から絶縁膜
23の上面の所定の箇所にかけて再配線25が形成さ
れ、再配線25の先端のパッド部上面に高さ100〜2
00μmの柱状電極26が形成されたものを用意する。
なお、図2において符号32で示す領域は、ダイシング
ストリートに対応する領域である。
【0007】次に、図3に示すように、柱状電極26お
よび再配線25を含む絶縁膜23の上面全体にエポキシ
系樹脂からなる封止膜27をディスペンサ法、スクリー
ン印刷法、トランスファモールド法等により厚さが柱状
電極26の高さよりもやや厚くなるように形成する。し
たがって、この状態では、柱状電極26の上面は封止膜
27によって覆われている。次に、ウエハ31の下面全
体にカーボンインク、銀ペースト等からなる導電性樹脂
膜30をスピンコート法、ディスペンサ法、スクリーン
印刷法、トランスファモールド法等により形成する。
【0008】次に、封止膜27の上面側および柱状電極
26の上面側を適宜に研磨することにより、図4に示す
ように、柱状電極26の上面を露出させる。次に、図5
に示すように、柱状電極26の上面に無電解メッキまた
はスパッタ等により酸化防止用の表面処理層28を形成
する。スパッタによる場合は、マスクを用いて柱状電極
26上のみに形成するか或いは、全面に成膜後マスクを
形成して封止膜27上の表面処理層を除去する。次に、
図6に示すように、表面処理層28の表面に半田ボール
29を形成する。図5に戻って、表面処理層28は、均
一な厚さに形成してもよく、その場合、封止膜27と同
一の高さでは半田ボール29との境界面に応力が集中す
るため、柱状電極26の上面をエッチングにより除去し
た後、表面処理層28を形成してもよい。次に、ウエハ
31をダイシングストリート32に沿って切断すると、
図7および図1に示すように、個々のチップからなる半
導体装置が得られる。
【0009】このようにして得られた半導体装置では、
半導体基板21の下面に導電性樹脂膜30が形成されて
いるので、半導体基板21の下面を電気的および機械的
に保護することができる。したがって、外部からの静電
気等に起因するノイズを半導体基板1自体で吸収するこ
とができない場合でも、電気的なノイズの発生を軽減す
ることができる。また、この半導体装置を回路基板等の
他の電子部品に搭載する等の各種の作業時において、半
導体基板21にクラックが発生しにくいようにすること
ができる。
【0010】なお、上記実施形態では、図6に示すよう
に、半田ボール29を形成し、この後ウエハ31をダイ
シングストリート32に沿って切断し、図1に示す半導
体装置を得る場合について説明したが、これに限定され
るものではない。例えば、図5に示すように、表面処理
層28を形成し、この後ウエハ31をダイシングストリ
ート32に沿って切断し、図8に示す半導体装置を得る
ようにしてもよい。また、図4に示すように、柱状電極
26の上面を露出させ、この後ウエハ31をダイシング
ストリート32に沿って切断し、図9に示す半導体装置
を得るようにしてもよい。
【0011】また、上記実施形態では、図3に示すよう
に、導電性樹脂膜30を封止膜27を形成した後に形成
する場合について説明したが、これに限らず、要は、ウ
エハ31をダイシングする前のいずれかの工程後であれ
ばよい。また、個々のチップである半導体装置の厚さを
薄くする場合には、ウエハ31の下面に導電性樹脂膜3
0を形成する前にウエハ31の下面を研磨することが能
率的である。その場合には、ウエハ31の下面を研磨し
た後でウエハ31をダイシングする前のいずれかの工程
で、ウエハ31の下面に導電性樹脂膜30を形成すれば
よいが、封止膜形成時の加熱などによりウエハ31が変
形され且つ図4に示す封止膜27の上面側および柱状電
極26の上面側を研磨した後ならば、ウエハ31の下面
を研磨することによりウエハ31を能率的に平坦化でき
るので、封止膜27の上面側および柱状電極26の研磨
後、半田ボール29を形成する前が好ましい。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、半導体基板の下面に導電性樹脂膜を形成しているの
で、半導体基板の下面を電気的および機械的に保護する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における半導体装置の断
面図。
【図2】図1に示す半導体装置の製造に際し、当初用意
したものの断面図。
【図3】図2に続く製造工程の断面図。
【図4】図3に続く製造工程の断面図。
【図5】図4に続く製造工程の断面図。
【図6】図5に続く製造工程の断面図。
【図7】図6に続く製造工程の断面図。
【図8】この発明の他の実施形態おける半導体装置の断
面図。
【図9】この発明のさらに他の実施形態おける半導体装
置の断面図。
【図10】従来の半導体装置の一例の断面図。
【符号の説明】
21 半導体基板 22 接続パッド 23 絶縁膜 25 再配線 26 柱状電極 27 封止膜 28 表面処理層 29 半田ボール 30 導電性樹脂膜 31 ウエハ 32 ダイシングストリート

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に柱状電極が形成された半導体基板
    と、前記柱状電極を除く前記半導体基板の上面に形成さ
    れた封止膜と、前記半導体基板の下面に形成された導電
    性樹脂膜とを具備することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、前記柱
    状電極の上面に酸化防止用の表面処理層が形成されてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発明において、前記表
    面処理層の表面に半田ボールが形成されていることを特
    徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の発明に
    おいて、前記半導体基板の厚さは当該半導体基板を得る
    ためのウエハの当初の厚さよりも薄くなっていることを
    特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】 上面に柱状電極を有するウエハの前記柱
    状電極を除く上面全体に封止膜を形成し、前記ウエハを
    ダイシングして個々のチップからなる半導体装置を得る
    半導体装置の製造方法において、前記ウエハの下面に導
    電性樹脂膜を形成した後、前記ウエハをダイシングする
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の発明において、前記封
    止膜を形成した後に、前記柱状電極の上面に酸化防止用
    の表面処理層を形成することを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の発明において、前記表
    面処理層を形成した後に、該表面処理層の表面に半田ボ
    ールを形成することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の発明に
    おいて、前記ウエハの下面を研磨してウエハを薄くした
    後、該ウエハの下面に前記導電性樹脂膜を形成すること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜7のいずれかに記載の発明に
    おいて、前記ウエハ上の前記封止膜および前記柱状電極
    を研磨した後、前記ウエハの下面を研磨してウエハを薄
    くし、該ウエハの下面に前記導電性樹脂膜を形成するこ
    とを特徴とする半導体装置の製造方法。
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