JP2002231604A - 位置検出装置およびその調整方法 - Google Patents
位置検出装置およびその調整方法Info
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Abstract
度に行うことができ、ひいては高精度な位置検出を行う
ことのできる位置検出装置の調整方法。 【解決手段】 被検物体(W)上に並列的に設けられた
回折格子状の第1調整用マークと第2調整用マークとが
同一の検出視野内に入るように設定する。結像光学系
(8〜10)に対してデフォーカスさせた状態で、第1
調整用マークの像と第2調整用マークの像との間の相対
ずれ量を検出する。検出した相対ずれ量とデフォーカス
量との関係に基づいて、照明系(1〜8)による照明光
束の傾きを検出する。検出した照明光束の傾きに応じ
て、照明テレセントリシティを調整する。
Description
びその調整方法に関し、特に半導体素子や液晶表示素子
等を製造するリソグラフィ工程で用いる露光装置に搭載
される位置検出装置(重ね合わせ検査装置を含む)の調
整方法に関するものである。
て、レジストが塗布された基板上に露光装置を用いてパ
ターンを焼き付け、現像処理により不要なレジストを除
去する。そして、エッチングや蒸着などの加工工程によ
り、所定の性質を有するパターン層を形成する。こうし
て、上述の処理を数回から数十回ほど繰り返すことによ
り、半導体素子や液晶表示素子が製造される。
ターンの微細化が進み、その形成位置に対する許容度が
小さくなってきている。このため、露光装置でパターン
を焼き付ける際に以前の工程で焼き付けられたパターン
の位置を検出するための位置検出装置のパターン検出精
度が厳しくなってきている。同様に、以前の工程で焼き
付けられたパターンに対して今回のパターンが正しく焼
き付けられたことを検査するための重ね合わせ検査装置
のパターン検出精度も厳しくなってきている。
や液晶表示素子の位置合わせマークや重ね合わせ検査用
マークは、段差状のパターンで形成されている。この場
合、これらのマークを検出する際に、照明系による照明
光束のテレセントリシティの調整状態が正しくないと、
段差状のパターンに対して照明光が斜めから照射される
ことになる。その結果、段差パターンの段差によって影
のでき方が異なるため、パターン像の位置検出(ひいて
はマークの位置検出)に誤差が生じてしまう。
検出により得られる信号波形を参照して、照明光束のテ
レセントリシティを調整している。このように、従来技
術では、照明光の傾きを定量的に把握して照明系を調整
しているわけではないので、照明光束のテレセントリシ
ティの調整が十分でなく、高精度な位置検出を行うこと
ができなかった。
のであり、照明光束のテレセントリシティの調整を高精
度に行うことができ、ひいては高精度な位置検出を行う
ことのできる位置検出装置およびその調整方法を提供す
ることを目的とする。
に、本発明では、被検物体上に設けられたマークを照明
するための照明系と、照明された前記マークからの光に
基づいて前記マークの像を形成するための結像光学系と
を備え、前記マークの像に基づいて前記マークの位置を
検出する位置検出装置の調整方法において、前記被検物
体上に並列的に設けられた回折格子状の第1調整用マー
クと第2調整用マークとが同一の検出視野内に入るよう
に設定し、前記第1調整用マークと前記第2調整用マー
クとを前記結像光学系に対してデフォーカスさせた状態
で、前記第1調整用マークの像と前記第2調整用マーク
の像との間の相対ずれ量を検出し、検出した相対ずれ量
と前記デフォーカス量との関係に基づいて前記照明系に
よる照明光束の傾きを検出し、検出した照明光束の傾き
に応じて前記照明系を調整することを特徴とする調整方
法を提供する。
調整用マークは、第1のピッチP1を有する第1明暗パ
ターンで形成され、前記第2調整用マークは、前記第1
のピッチP1とは実質的に異なる第2のピッチP2を有
する第2明暗パターンで形成されている。あるいは、前
記第1調整用マークは、第1の段差を有する第1段差パ
ターンで形成され、前記第2調整用マークは、前記第1
段差パターンと同じピッチを有し且つ前記第1の段差と
は実質的に異なる第2の段差を有する第2段差パターン
で形成されていることが好ましい。
体上に設けられたマークを照明するための照明系と、照
明された前記マークからの光に基づいて前記マークの像
を形成するための結像光学系とを備え、前記マークの像
に基づいて前記マークの位置を検出する位置検出装置に
おいて、同一の検出視野内に入るように前記被検物体上
に並列的に設けられた回折格子状の第1調整用マークと
第2調整用マークとを前記結像光学系に対してデフォー
カスさせたときのデフォーカス量と前記第1調整用マー
クの像と前記第2調整用マークの像との間の相対ずれ量
とに基づいて、前記照明系による照明光束の傾きを検出
するための傾き検出部を備えていることを特徴とする位
置検出装置を提供する。
に設けられた回折格子状の第1調整用マークと第2調整
用マークとが同一の検出視野(結像光学系または撮像素
子で規定される検出視野)内に入るように、被検物体を
位置検出装置の結像光学系に対して位置決めする。次
に、結像光学系に対して被検物体をデフォーカスさせた
状態で、すなわち第1調整用マークと第2調整用マーク
とを結像光学系に対してデフォーカスさせた状態で、第
1調整用マークの像と第2調整用マークの像との間の相
対ずれ量を検出する。
カス量との関係に基づいて照明光束の傾きを検出し、検
出した照明光束の傾きに応じて照明系を調整することが
できる。具体的には、たとえば照明系中の開口絞りを光
軸に直交する面に沿って、照明光束の傾きに応じた所定
距離だけ微動させることにより、照明光束のテレセント
リシティを調整することができる。
マークが同一の検出視野内に入るように設定し、結像光
学系に対してデフォーカスさせた状態で一対の調整用マ
ーク像の相対ずれ量を検出し、検出した相対ずれ量とデ
フォーカス量との関係に基づいて照明光束の傾きを検出
する。ここで、一対の調整用マークとして、照明光束の
傾きおよびデフォーカスに対して敏感な調整用マークと
鈍感な調整用マークとを用いることができる。
られたマークの位置を高精度に検出するように構成され
ており、非常に高い検出精度を有する信号処理系を備え
ている。したがって、本発明では、デフォーカス操作に
際して被検物体の移動誤差などの影響を受けることな
く、照明光束の傾きを高精度に検出することができる。
その結果、照明光束のテレセントリシティの調整を高精
度に行うことができ、ひいては高精度な位置検出を行う
ことができる。
説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる位置検出
装置の構成を概略的に示す図である。本実施形態では、
露光装置に搭載された位置検出装置の調整方法に本発明
を適用している。図示の位置検出装置は、波長帯域幅の
広い照明光(たとえば530nm〜800nm)を供給
するための光源1を備えている。光源1として、ハロゲ
ンランプのような光源を使用することができる。
学系(不図示)を介して、光ファイバーのようなライト
ガイド2の入射端に入射する。ライトガイド2の内部を
伝搬してその射出端から射出された照明光は、第1照明
リレーレンズ系3を介して、たとえば円形状の開口部
(光透過部)を有する照明開口絞り4を照明する。照明
開口絞り4を介して制限された照明光は、第2照明リレ
ーレンズ系5を介して、ハーフプリズム7に入射する。
なお、第2照明リレーレンズ系5の光路中には、照明視
野絞り6が配置されている。
対物レンズ8を介して、ウェハW上に設けられたウェハ
マーク(位置合わせマーク)WMを照明する。ここで、
ウェハWは、図中水平面内および鉛直方向に移動可能な
ウェハステージWS上に保持されている。このように、
光源1、ライトガイド2、第1照明リレーレンズ系3、
照明開口絞り4、第2照明リレーレンズ系5、照明視野
絞り6、ハーフプリズム7、および対物レンズ8は、被
検物体であるウェハW上に設けられたウェハマークWM
を照明するための照明系を構成している。
射光(回折光を含む)は、対物レンズ8および結像開口
絞り9を介して、ハーフプリズム7に入射する。ハーフ
プリズム7を透過した光は、結像レンズ10を介して、
CCDのような撮像素子11の撮像面11a上にウェハ
マークWMの像を形成する。このように、対物レンズ
8、結像開口絞り9、ハーフプリズム7、および結像レ
ンズ10は、照明されたウェハマークWMからの光に基
づいてウェハマークWMの像を形成するための結像光学
系を構成している。
給される。信号処理系12では、CCD11から供給さ
れた画像信号を信号処理(パターンのエッジ検出のよう
な波形処理)することにより、ウェハマークWMの位置
情報が得られる。こうして、得られたウェハマークWM
の位置情報からパターンの形成された位置を検出し、次
の工程で焼き付けるべきパターンの位置を補正して露光
を行うことになる。
して合焦状態に設定された(対物レンズ8の前側焦点面
に設定された)ウェハWの表面と光学的に共役な位置に
配置されている。したがって、照明系によりウェハW上
に形成される照明領域は、照明視野絞り6によって規定
される。また、照明開口絞り4は、対物レンズ8の瞳面
に配置された結像開口絞り9と光学的に共役な位置に配
置されている。したがって、照明系による照明光束の中
心は結像光学系の光軸に平行となり、いわゆるテレセン
トリックな照明が行われる。
は、ウェハWを照明する照明光束の中心線のウェハ面の
法線(ひいては光軸)に対する傾きの調整、すなわち照
明光束のテレセントリシティの調整である。この照明テ
レセントリシティの調整は、照明系中の照明開口絞り4
を光軸と直交する面に沿って微動させることにより行わ
れる。図2は、照明系中の照明開口絞りが光軸から偏心
した状態を説明する図である。なお、図2では、図1の
光源1、CCD11および信号処理系12の図示を省略
している。
する光束の中心が光軸からδだけずれると、第2照明リ
レーレンズ系5の投影倍率をβとしたとき、対物レンズ
8の瞳面に配置された結像開口絞り9を通過する位置が
光軸からβδだけずれる。その結果、対物レンズ8の焦
点距離をfとすると、ウェハWを照明する光束の中心線
が光軸に対してβδ/fだけ傾くことになる。このと
き、ウェハWからの反射光は照明光の傾きと反対側に傾
いて結像光学系に入射するが、ウェハWが結像光学系に
対して合焦状態にある場合には、照明開口絞り4が偏心
していないときと同じ位置にウェハマーク像が形成され
る。
波長λの光が入射角度θiで入射するときのn次回折光
の回折角θnは、次の式(1)で表される。 sinθn=nλ/P+sinθi (1) これらの回折光のうち、対物レンズ8または結像開口絞
り9で規定される結像光学系の物体側開口数よりも小さ
い回折角の光が、結像レンズ10を介してCCD11の
撮像面11a上に結像する。
δだけ偏心した場合、照明光束の入射角度がβδ/fだ
け変化する。したがって、次の式(2)に示すように、
照明光束の入射角度の変化に応じて、回折角も変化する
ことになる。 sinθn’=nλ/P+sin(θi−βδ/f) (2)
回折格子パターンが対物レンズの焦点面からわずかに下
方にデフォーカスした場合の回折光の様子を示す図であ
る。なお、図3および図4では、照明系の図示を省略
し、結像光学系部分だけを示している。また、理解を容
易にするために、照明光束をかなり細い光束として表し
ている。
光学系の光軸に対してわずかに偏心している。そして、
対物レンズ8の焦点面8aからわずかに下方にデフォー
カスしたウェハW上の回折格子状パターンからの回折光
の一部L1,L0,L−1が、対物レンズ8により集光
され、結像開口絞り9で遮られる(けられる)ことな
く、結像レンズ10へ導かれる。ウェハWからの回折光
L1,L0,L−1は、結像レンズ10を介して、CC
D11の撮像面11aよりもわずかに手前で結像する。
なお、図3では、対物レンズ8の焦点面8a上の1点に
達する照明光束SHを示すとともに、焦点面8aからデ
フォーカスしたウェハW上の1点から発する回折光束L
1,L0,L−1を示している。この点は、以下の図4
においても同様である。
点像は、撮像面11aで広がって形成される。この点像
の広がりの重心を点像の中心と考えると、ウェハWのデ
フォーカス量(対物レンズ8の焦点面とウェハWの表面
との間隔)Δと照明光束SHの傾きβδ/fとの積Δβ
δ/fだけ、像の中心が位置ずれすることになる。
格子パターンからの回折光が結像光学系の開口にけられ
ない(たとえば結像開口絞り9に遮られない)ようにす
るには、照明光束SHの太さを考慮して次の式(3)が
成立する必要がある。 nλ/P1+s<u<(n+1)λ/P1−s (3)
口絞り9の位置)での照明光束SHの半径を対物レンズ
8の焦点距離fで割った値(以下、「照明開口数」とい
う)である。また、uは、結像光学系の物体側開口数
(以下、「結像開口数」という)である。さらに、nは
整数である。式(3)は、次の式(4)のように変形す
ることができる。 (u+s)/(n+1)<λ/P1<(u−s)/n (4)
スペース部の幅とが等しい場合には、0次を除く偶数次
の回折光は互いに打ち消し合うため光量が0になる。し
たがって、ピッチP1の回折格子パターンからの回折光
が結像開口絞り9に遮られるようにするには、偶数次の
回折角が結像開口数uに等しくなるように設定してもよ
い。この場合、回折格子パターンのピッチP1が次の式
(5)に示す関係を満たすことになる。
の波長λを結像開口数uで割った値λ/uの偶数倍であ
ることを意味している。
aからわずかに下方にデフォーカスしたウェハW上の回
折格子状パターンからの回折光L1およびL−1が、結
像開口絞り9で遮られるように設定されている。この場
合、回折光L1およびL−1の外側は結像開口絞り9で
制限されるので、結像光束の外側は照明開口絞り4の偏
心による影響を受けない。ただし、結像開口絞り9を通
過する光束L0は照明開口絞り4の偏心による影響を受
けるので、像の中心は位置ずれすることになる。ただ
し、図5および図6を参照して後述するように、図4の
状態における像の位置ずれ量は図3の状態における像の
位置ずれ量よりもかなり小さくなる。
チP2の回折格子パターンからの回折光が結像開口絞り
9に遮られるようにするには、次の式(6)が成立する
必要がある。また、式(6)は、次の式(7)のように
変形することができる。 nλ/P2−s<u<nλ/P2+s (6) (u−s)/n<λ/P2<(u+s)/n (7)
部の幅とスペース部の幅とが等しい場合には、0次を除
く偶数次の回折光は互いに打ち消し合うため光量が0に
なる。したがって、ピッチP2の回折格子パターンから
の回折光が結像開口絞り9に遮られるには、奇数次の回
折角が結像開口数uに等しくなるように設定してもよ
い。この場合、回折格子パターンのピッチP2が次の式
(8)に示す関係を満たすことになる。
の波長λを結像開口数uで割った値λ/uの奇数倍であ
ることを意味している。
像光学系に対してデフォーカスさせたときのパターン像
の位置ずれを示す図である。図5および図6において、
横軸はデフォーカス量を示し、縦軸はパターン像の位置
ずれ量を示している。また、「mrad」は、照明光束
の傾きに対応し、「×10-3rad(ラジアン)」を示
している。
し、結像開口数uを0.6とし、照明開口数sを0.2
としている。また、回折格子パターンは、明部の幅およ
び暗部の幅がともに1μmに設定されたピッチ2μmの
明暗パターンである。すなわち、図5では、回折格子パ
ターンピッチが照明光の波長λを結像開口数uで割った
値λ/uの偶数倍(具体的には2倍)に設定されてお
り、図3の設定に対応する計算結果を示している。
明光の波長λを0.6μmとし、結像光学系の物体側開
口数uを0.6とし、照明開口数sを0.2としてい
る。しかしながら、図5の場合とは異なり、回折格子パ
ターンは、明部の幅および暗部の幅がともに0.5μm
に設定されたピッチ1μmの明暗パターンである。すな
わち、図6では、回折格子パターンピッチが照明光の波
長λを結像開口数uで割った値λ/uの奇数倍(具体的
には1倍)に設定されており、図4の設定に対応する計
算結果を示している。
λを結像開口数uで割った値λ/uの偶数倍に設定され
たピッチP1を有する第1回折格子パターンと奇数倍に
設定されたピッチP2を有する第2回折格子パターンと
を同じ量だけデフォーカスさせた場合、第1回折格子パ
ターン像の位置ずれ量は比較的大きく、第2回折格子パ
ターン像の位置ずれ量は比較的小さいことがわかる。す
なわち、第1回折格子パターンは照明開口絞り4の偏心
およびデフォーカスに敏感であり、第2回折格子パター
ンは照明開口絞り4の偏心およびデフォーカスに鈍感で
ある。
れ量は、たとえば数nm程度とかなり小さい値である。
したがって、各回折格子パターン像の位置ずれ量を個々
に検出する場合、ウェハステージWSの移動誤差(特に
上下方向の移動誤差)などの影響により位置ずれ量を正
確に検出することは困難である。そこで、本実施形態で
は、照明開口絞り4の偏心およびデフォーカスに敏感な
ピッチP1の回折格子パターンと、照明開口絞り4の偏
心およびデフォーカスに鈍感なピッチP2の回折格子パ
ターンとを、同一の検出視野内に入るようにウェハW上
に並列的に設けている。
レセントリシティの調整に用いられる調整用マークの構
成を概略的に示す図である。図7に示すように、調整用
マークは、第1のピッチP1を有する第1明暗パターン
で形成された第1調整用マーク21と、第1のピッチP
1とは実質的に異なる第2のピッチP2を有する第2明
暗パターンで形成された第2調整用マーク22とから構
成されている。ここで、第1明暗パターンおよび第2明
暗パターンは、暗部(図中斜線で示す)の幅と明部の幅
とがほぼ等しく構成されている。また、第1調整用マー
ク21の中心と第2調整用マーク22の中心とがピッチ
方向に一致するように構成されている。
1は、照明光の波長λを結像開口数uで割った値λ/u
の2倍(偶数倍)に設定されている。一方、第2調整用
マーク22のピッチP2は、照明光の波長λを結像開口
数uで割った値λ/uの1倍(奇数倍)に設定されてい
る。これらの明暗パターンは、たとえばガラスウェハに
クロムの薄膜をエッチングすることにより作成すること
ができる。あるいは、シリコンウェハに反射率の異なる
パターンを形成することにより作成することができる。
けられた第1調整用マーク21と第2調整用マーク22
とが同一の検出視野内に入るように、ウェハステージW
Sを駆動してウェハWを位置検出装置の結像光学系に対
して位置決めする。次に、結像光学系に対してウェハW
をデフォーカスさせた状態で、すなわち第1調整用マー
ク21と第2調整用マーク22とを結像光学系に対して
デフォーカスさせた状態で、第1調整用マーク21の像
と第2調整用マーク22の像との間の相対ずれ量を検出
する。ここで、第1調整用マーク21の像と第2調整用
マーク22の像との間の相対ずれ量は、たとえば第1調
整用マーク21の像のアライメント位置と第2調整用マ
ーク22の像のアライメント位置との間のピッチ方向に
沿った距離として検出される。
相対ずれ量とデフォーカス量との関係に基づいて、照明
光束の傾きを検出することができる。したがって、検出
した照明光束の傾きに応じて、照明開口絞り4を光軸に
直交する面に沿って所定距離だけ微動させることによ
り、照明光束のテレセントリシティを調整することがで
きる。この場合、手動により照明開口絞り4を移動させ
ても良いし、信号処理系12から指令を受ける適当な駆
動系を介して移動させても良い。
整用マークが同一の検出視野内に入るように設定し、結
像光学系に対してデフォーカスさせた状態で一対の調整
用マーク像の相対ずれ量を検出し、検出した相対ずれ量
とデフォーカス量との関係に基づいて照明光束の傾きを
検出する。ここで、一方の調整用マークは照明光束の傾
きおよびデフォーカスに対して比較的大きな位置ずれ量
が発生する敏感なマークであり、他方の調整用マークは
照明光束の傾きおよびデフォーカスに対して比較的小さ
な位置ずれ量が発生する鈍感なマークである。
は、ウェハマークの位置を高精度に検出するように構成
されており、非常に高い検出精度を有する信号処理系を
備えている。したがって、本実施形態では、デフォーカ
ス操作に際してウェハステージの移動誤差などの影響を
受けることなく、照明光束の傾きを高精度に検出するこ
とができる。その結果、照明光束のテレセントリシティ
の調整を高精度に行うことができ、ひいては高精度な位
置検出を行うことができる。
の明暗パターンからなる調整用マークを用いて、照明光
束のテレセントリシティを調整している。しかしなが
ら、ピッチが等しく且つ段差の異なる一対の段差パター
ンからなる調整用マークを用いて、照明光束のテレセン
トリシティを調整することもできる。以下、段差の異な
る一対の段差パターンを用いる変形例について説明す
る。
パターンを所定の深さで掘り込むことにより、段差パタ
ーンを形成することができる。段差パターンでは、掘り
込み部と残し部との間の段差が、光の位相差を生じさせ
ることになる。本実施形態のように反射照明の場合には
段差が往復で影響するので、付与される位相差φは、段
差をtとし、照明光の波長をλとしたとき、次の式
(9)で表される。 φ=4πt/λ (9)
であるとき、n次回折光の強度Inは、次の式(10)
で表される。 In=2(1−cosφ)d2sin2(πnd)/(π2n2d2) (10)
uに一致しているとき、m次回折光の強度Imが0にな
るには、1−cosφが0になる必要がある。すなわち、
位相差φがπの偶数倍になること、ひいては式(9)を
参照すると段差tが波長λの1/4の偶数倍になること
が必要である。この場合、次数に関わらず回折光は全く
発生しないが、パターンエッジの部分で照明光が散乱さ
れるので、この散乱光に基づいてパターンエッジの像を
検出することができる。しかしながら、散乱光はほぼ等
方的に広がり照明の入射方向に依存しないので、照明光
が傾いた状態でウェハWをデフォーカスさせても、パタ
ーンエッジ像の位置ずれは起こらない。
回折光が発生し、パターン像が形成される。回折光の回
折角は前述のように照明光の入射角の影響を受けるの
で、図4に示すように、照明光が傾いた状態でウェハW
をデフォーカスさせると、パターン像は敏感に位置ずれ
する。なお、1−cosφが2になるには、位相差φがπ
の奇数倍になること、ひいては式(9)を参照すると段
差tが波長λの1/4の奇数倍になることが必要であ
る。
数uと、照明開口数sとの間には、次の式(11)に示
す関係が成立する。 mλ/P+s<u<(m+1)λ/P−s (11)
sが結像開口数uに比して十分に小さい場合には回折光
同士が重ならないが、実際の光学系では照明開口数sが
結像開口数uの0.5倍から0.9倍に設定されること
が多い。この場合、一部の回折光が結像光学系の開口で
けられたりけられなかったりすると、回折光が結像に関
与したりしなかったりする。その結果、ウェハWのデフ
ォーカス量とパターン像の位置ずれ量との関係が変化
し、照明光の傾きを検出することができなくなってしま
う。
端がけられたりけられなかったりすることがないよう
に、mおよびnを整数として、次の式(12)に示す関
係を満たす必要がある。また、式(12)は、次の式
(13)のように変形することができる。 mλ/P+s<u<nλ/P−s (12) (u+s)/n<λ/P<(u−s)/m (13)
を結像光学系に対してデフォーカスさせたときのパター
ン像の位置ずれを示す図である。図8において、横軸は
デフォーカス量を示し、縦軸はパターン像の位置ずれ量
を示している。また、図中実線は照明光の波長λの1/
4の2倍(偶数倍)の段差λ/2を有する第1段差パタ
ーンを示し、図中破線は波長λの1/4の1倍(奇数
倍)の段差λ/4を有する第2段差パターンを示してい
る。なお、各段差パターンは同じピッチを有し、ライン
部の幅とスペース部の幅が等しく設定されている。
mとし、結像開口数uを0.5とし、照明開口数sを
0.27とし、照明光束の傾きを5mrad(5×10
-3rad)としている。この場合、式(12)および
(13)においてm=1およびn=5で、1次回折光と
5次回折光とが結像開口絞り9でけられない状態になっ
ている。なお、ライン部の幅とスペース部の幅が等しく
設定されているので、2次回折光および4次回折光の強
度は0となり結像に関与しない。また、3次回折光は、
照明光束の傾きによって結像開口絞り9でけられる状態
になっている。
4の2倍(偶数倍)の段差λ/2を有する第1段差パタ
ーンと波長λの1/4の1倍(奇数倍)の段差λ/4を
有する第2段差パターンとを同じ量だけデフォーカスさ
せた場合、第1段差パターン像の位置ずれ量はほとんど
発生することなく、第2段差パターン像の位置ずれ量は
比較的大きく発生することがわかる。すなわち、第1段
差パターンはデフォーカスに鈍感であり、第2段差パタ
ーンはデフォーカスに敏感である。
の位置によって入射光の位相差が生じる。このため、パ
ターンエッジでの位相差が変化したように見えてしま
い、ウェハ面が結像光学系に対して合焦状態にあっても
パターン像がずれて見えてしまう。ところが、上述の2
つの位相差では1−cosφが極値に対して対称になって
いるので、像ずれが生じない。図9は、ウェハ面が結像
光学系に対して合焦状態にある場合に、特定の2つの位
相差では像ずれが生じないことを示す図である。
し、縦軸にパターン像の位置ずれ量を示している。ま
た、図9では、照明光の波長λを0.656μmとし、
結像開口数uを0.5とし、照明開口数sを0.27と
し、照明光束の傾きを5mrad(5×10-3rad)
とし、段差パターンが結像光学系に対して合焦状態にあ
りデフォーカス量を0としている。さらに、段差パター
ンは、ライン部の幅とスペース部の幅が等しく設定さ
れ、3.936μmのピッチを有する。
学系に対して合焦状態にありデフォーカス量が0である
にもかかわらず、段差がλ/4またはλ/2でないと
き、すなわち位相差がπまたは2πでないときには、像
の位置ずれが発生することがわかる。ちなみに、図10
は、図8の第2段差パターンに対応する図であって、照
明光束の傾きとパターン像の位置ずれ量とデフォーカス
量との関係を示す図である。
ずれ量を示し、一方の横軸に照明光束の傾きを示し、他
方の横軸にデフォーカス量を示している。また、図10
では、照明光の波長λを0.656μmとし、結像開口
数uを0.5とし、照明開口数sを0.27としてい
る。さらに、段差パターンは、ライン部の幅とスペース
部の幅が等しく設定され、3.936μmのピッチを有
し、段差が0.164μm(波長λの1/4に相当)に
設定されている。すなわち、図10の段差パターンは、
図8の第2段差パターンに対応している。図10を参照
すると、第2段差パターンは照明光束の傾きおよびデフ
ォーカスに敏感であることがわかる。
心およびデフォーカスに鈍感な第1段差パターンと、照
明開口絞り4の偏心およびデフォーカスに敏感な第2段
差パターンとを、同一の検出視野内に入るようにウェハ
W上に並列的に設けている。図11は、本実施形態の変
形例において照明光束のテレセントリシティの調整に用
いられる調整用マークの構成を概略的に示す図である。
図11に示すように、変形例の調整用マークは、第1の
段差を有する第1段差パターンで形成された第1調整用
マーク23と、第1段差パターンと同じピッチを有し且
つ第1の段差とは実質的に異なる第2の段差を有する第
2段差パターンで形成された第2調整用マーク24とか
ら構成されている。
パターンは、ライン部の幅とスペース部の幅とがほぼ等
しく構成されている。また、第1調整用マーク23の段
差は、照明光の波長λの1/4の2倍(偶数倍)すなわ
ちλ/2に設定されている。一方、第2調整用マーク2
4の段差は、照明光の波長λの1/4の1倍(奇数倍)
すなわちλ/4に設定されている。
も、照明光束の傾きおよびデフォーカスに対して鈍感な
第1調整用マーク23と敏感な第2調整用マーク24と
を結像光学系に対してデフォーカスさせた状態で像の相
対ずれ量を検出し、得られた相対ずれ量とデフォーカス
量との関係に基づいて照明光束の傾きを高精度に検出す
ることができる。したがって、検出した照明光束の傾き
に応じて、照明開口絞り4を光軸に直交する面に沿って
所定距離だけ手動で(あるいは自動制御で)微動させる
ことにより、照明光束のテレセントリシティを高精度に
調整することができる。
ッチと第2段差パターンのピッチとが等しい。このた
め、2つの調整用マークの中心位置をピッチ方向に一致
させる必要のある上述の実施形態とは異なり、2つの調
整用マークの基準位置を定める必要がない。したがっ
て、2つの調整用マークが検出視野内に入った状態で相
対ずれ量を計測することができ、2つの調整用マークの
基準位置を検出視野内に入れる操作が不要になり、作業
性の向上を期待することができる。
は、位置合わせマークの位置を検出する位置検出装置に
本発明を適用しているが、これに限定されることなく、
重ね合わせマークの位置を検出してマークの重ね合わせ
を検査する重ね合わせ検査装置に本発明を適用すること
もできる。したがって、本発明における位置検出装置
は、いわゆる重ね合わせ検査装置をも含む広い概念であ
る。
は、露光装置に搭載された位置検出装置に本発明を適用
しているが、これに限定されることなく、一般的な位置
検出装置に本発明を適用することができる。
光束の傾きおよびデフォーカスに対して敏感な調整用マ
ークと鈍感な調整用マークとが同一の検出視野内に入る
ように設定し、結像光学系に対してデフォーカスさせた
状態で一対の調整用マーク像の相対ずれ量を検出し、検
出した相対ずれ量とデフォーカス量との関係に基づいて
照明光束の傾きを検出する。したがって、デフォーカス
操作に際して被検物体の移動誤差などの影響を受けるこ
となく照明光束の傾きを高精度に検出し、照明光束のテ
レセントリシティの調整を高精度に行って、高精度な位
置検出を行うことができる。
を概略的に示す図である。
態を説明する図である。
対物レンズの焦点面からわずかに下方にデフォーカスし
た場合の回折光の様子を示す図である。
対物レンズの焦点面からわずかに下方にデフォーカスし
た場合の回折光の様子を示す図である。
学系に対してデフォーカスさせたときのパターン像の位
置ずれを示す図である。
学系に対してデフォーカスさせたときのパターン像の位
置ずれを示す図である。
ティの調整に用いられる調整用マークの構成を概略的に
示す図である。
に対してデフォーカスさせたときのパターン像の位置ず
れを示す図である。
場合に、特定の2つの位相差では像ずれが生じないこと
を示す図である。
て、照明光束の傾きとパターン像の位置ずれ量とデフォ
ーカス量との関係を示す図である。
セントリシティの調整に用いられる調整用マークの構成
を概略的に示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 被検物体上に設けられたマークを照明す
るための照明系と、照明された前記マークからの光に基
づいて前記マークの像を形成するための結像光学系とを
備え、前記マークの像に基づいて前記マークの位置を検
出する位置検出装置の調整方法において、 前記被検物体上に並列的に設けられた回折格子状の第1
調整用マークと第2調整用マークとが同一の検出視野内
に入るように設定し、 前記第1調整用マークと前記第2調整用マークとを前記
結像光学系に対してデフォーカスさせた状態で、前記第
1調整用マークの像と前記第2調整用マークの像との間
の相対ずれ量を検出し、 検出した相対ずれ量と前記デフォーカス量との関係に基
づいて前記照明系による照明光束の傾きを検出し、 検出した照明光束の傾きに応じて前記照明系を調整する
ことを特徴とする調整方法。 - 【請求項2】 前記第1調整用マークは、第1のピッチ
P1を有する第1明暗パターンで形成され、 前記第2調整用マークは、前記第1のピッチP1とは実
質的に異なる第2のピッチP2を有する第2明暗パター
ンで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
調整方法。 - 【請求項3】 前記第1のピッチP1および前記第2の
ピッチP2は、照明光の波長をλとし、前記結像光学系
の瞳面での照明光束の半径を前記結像光学系中の対物レ
ンズの焦点距離で割った値をsとし、前記結像光学系の
物体開口数をuとし、nを整数としたとき、 (u+s)/(n+1)<λ/P1<(u−s)/n (u−s)/n<λ/P2<(u+s)/n の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の調
整方法。 - 【請求項4】 前記第1調整用マークおよび前記第2調
整用マークは、明部の幅と暗部の幅とがほぼ等しく設定
され、 前記第1のピッチP1は、前記波長λを前記結像光学系
の物体開口数uで割った値λ/uのほぼ偶数倍に設定さ
れ、 前記第2のピッチP2は、前記波長λを前記結像光学系
の物体側開口数uで割った値λ/uのほぼ奇数倍に設定
されていることを特徴とする請求項3に記載の調整方
法。 - 【請求項5】 前記第1調整用マークは、第1の段差を
有する第1段差パターンで形成され、 前記第2調整用マークは、前記第1段差パターンと同じ
ピッチを有し且つ前記第1の段差とは実質的に異なる第
2の段差を有する第2段差パターンで形成されているこ
とを特徴とする請求項1に記載の調整方法。 - 【請求項6】 前記第1調整用マークおよび前記第2調
整用マークは、ライン部の幅とスペース部の幅とがほぼ
等しく設定され、 前記第1の段差は照明光の波長λの1/4のほぼ偶数倍
に設定され、 前記第2の段差は照明光の波長λの1/4のほぼ奇数倍
に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の調
整方法。 - 【請求項7】 前記第1段差パターンおよび前記第2段
差パターンのピッチPは、照明光の波長をλとし、前記
結像光学系の瞳面での照明光束の半径を前記結像光学系
中の対物レンズの焦点距離で割った値をsとし、前記結
像光学系の物体開口数をuとし、nおよびmを整数とし
たとき、 (u+s)/n<λ/P<(u−s)/m の条件を満足することを特徴とする請求項6に記載の調
整方法。 - 【請求項8】 被検物体上に設けられたマークを照明す
るための照明系と、照明された前記マークからの光に基
づいて前記マークの像を形成するための結像光学系とを
備え、前記マークの像に基づいて前記マークの位置を検
出する位置検出装置の検出方法において、 前記被検物体上に並列的に設けられた回折格子状の第1
調整用マークと第2調整用マークとが同一の検出視野内
に入るように設定し、 前記第1調整用マークと前記第2調整用マークとを前記
結像光学系に対してデフォーカスさせた状態で、前記第
1調整用マークの像と前記第2調整用マークの像との間
の相対ずれ量を検出し、 検出した相対ずれ量と前記デフォーカス量との関係に基
づいて前記照明系による照明光束の傾きを検出すること
を特徴とする検出方法。 - 【請求項9】 被検物体上に設けられたマークを照明す
るための照明系と、照明された前記マークからの光に基
づいて前記マークの像を形成するための結像光学系とを
備え、前記マークの像に基づいて前記マークの位置を検
出する位置検出装置において、 同一の検出視野内に入るように前記被検物体上に並列的
に設けられた回折格子状の第1調整用マークと第2調整
用マークとを前記結像光学系に対してデフォーカスさせ
たときのデフォーカス量と前記第1調整用マークの像と
前記第2調整用マークの像との間の相対ずれ量とに基づ
いて、前記照明系による照明光束の傾きを検出するため
の傾き検出部を備えていることを特徴とする位置検出装
置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001022452A JP4565248B2 (ja) | 2001-01-30 | 2001-01-30 | 位置検出装置およびその調整方法 |
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