JP2002229472A - 太陽電池付き表示装置 - Google Patents
太陽電池付き表示装置Info
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Abstract
イン上の制約がなく、さらに十分な光電変換効率、表示
装置の視認性を確保した、表示装置の表面に透明な色素
増感型太陽電池を重ねて配置した太陽電池付き表示装置
を提供する。 【解決手段】 太陽電池のアノード電極側を入射光側に
配し、カソード電極側に表示装置を配するように、表示
装置の表面に透明な色素増感型太陽電池を配置した。好
ましくは、該太陽電池のアノード電極の透明金属酸化物
膜の表面に担持された色素の近傍に白金などの金属微粒
子を配する。
Description
装置に関し、特に、表示装置の表面に透明な色素増感型
太陽電池を重ねて配置した太陽電池付き表示装置に関す
る。
ーが求められ、種々の製品において太陽電池の利用が高
まってきている。すでに一部の電卓、時計等において
は、駆動電力を太陽電池から供給している。
は可視光を透過しないため、表示装置の非表示部に太陽
電池の受光部を設ける必要があった。表示部と太陽電池
を別々に実装することは、太陽電池の受光部が表示装置
のデザインにおいて大きな制約となり、特に表示部が大
型化して、その消費電力が増加するに伴い、太陽電池も
大型とならざるを得ない一方、携帯用機器においては表
示部と入力部を設ける必要から、太陽電池を設置するス
ペースがないなどの問題があった。
することが考えられるが、シリコン系太陽電池を使用す
る場合には、表示部の裏側に太陽電池を配置する必要が
あり(特開平11−119190号公報)、太陽電池の
光電変換効率の向上の障害となっていた。
数設けることで可視光を一部透過させるシースルー型太
陽電池も提案されているが(特開平5−152593号
公報)、太陽電池の製造が複雑でコストが高くなる。さ
らに、ワイドギャップ半導体のpn接合型太陽電池を用
い紫外光で発電する透明な太陽電池も開発されており
(特開2000−208800号公報)、かかる透明な太
陽電池を表示部の上部に重ねた表示装置が提案されてい
る(特開2000−92362号公報)。しかし、太陽
光スペクトルや室内光に占める紫外光(UV)成分は少
なく、特に、最近は健康問題から紫外線を避ける傾向に
あり、UVカットガラス、UVカット蛍光灯の普及によ
り、室内光成分にはUV光がなくなっている。また、屋
外でも表示の視認性の良い拡散光には直射光に比べUV
成分が少ないなどの理由から、紫外光で発電する太陽電
池は実効的ではない。
が高く、人体に無害とされる酸化チタン(TiO2)を
用いる新しい太陽電池として、色素増感型太陽電池が知
られている(特開平1−220380号公報、特開平5
−504023号公報等)。
V光しか吸収しないことから、太陽光を電気エネルギー
に効率よく変換させるために、色素を増感剤として用い
ている。この色素は光吸収剤として働き、太陽光を吸収
して、電子を金属酸化物の薄膜に注入することで、発電
が行われる。例えば、色素としてルテニウム錯体があげ
られるが、これは太陽光の可視領域の波長300nm〜
600nmの光を吸収し、ルテニウム金属・配位子軌道
遷移により励起された電子が、金属酸化物の伝導帯に移
り、光電流となる。このようにして、光を吸収すると両
電極間に電圧が発生する太陽電池が構成される。
上させるために、光閉じ込めを行っている。すなわち、
カソード電極を作製するときに、白金の触媒を付着さ
せ、膜厚を厚くし鏡面とすることで反射膜として利用し
ている。また、入射光を有効利用するため、複数の色素
を用いて、可視光の全領域で吸収させようとしている。
る例として、色素増感型太陽電池がカラーフィルターを
兼ねる表示装置が提案されている(特開2000−26
8891号公報)。しかし、太陽電池と表示装置とが一
体になっているため、これを製造するには工程が長くな
り、歩留まりの低下を招く問題があった。また、構造的
には、カラーフィルターを兼ねることから、色素が担持
されたアノード電極を太陽光側に配置できず、太陽光が
発電機能を有するアノード電極に到達するまでにロスが
あり、発電能力が低下するという問題があった。
を利用する表示装置においては、太陽電池と表示部を重
ねて組み合わせることで、汎用性、コスト面で優れ、か
つ、表示装置のスペースを有効に利用し、デザイン上の
制約をなくすとともに、表示装置の消費電力の増加に対
応して、太陽光を有効に利用する光電変換効率をさらに
向上させた太陽電池を配置することが望まれている。
に、本発明による太陽電池付き表示装置は、表示装置の
表面に色素増感型太陽電池を取り付け、該太陽電池のア
ノード電極側を入射光側に配し、該太陽電池のカソード
電極側に表示装置を配している。
板の内側に透明導電膜を形成し、その内側表面に白金微
粒子もしくは炭素微粒子を付着させて形成したカソード
電極と、第2の透明基板の内側に透明導電膜および透明
金属酸化物薄膜を順次形成し、この透明金属酸化物薄膜
の表面に色素を担持し、さらに該色素の近傍に金属微粒
子を配して形成したアノード電極とが、酸化還元電解質
を介して対向して形成されることが好ましい。
合金、パラジウム(Pd)またはパラジウム合金の微粒
子が適している。
iO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb
2O5)、酸化錫(SnO2)またはチタン酸ストロンチ
ウム(SrTiO3)を用いることができる。また、前
記色素には、ルテニウム錯体またはキサンテン系色素を
用いることができる。さらに、前記酸化還元電解質に
は、ヨウ素、臭素または塩素を含む電解液または固体伝
導体を用いることができる。
ポリイミドを用いることができる。前記透明導電膜に
は、フッ素ドープ酸化錫、酸化インジウム、ITOまた
はATOを用いることができる。
たはECのいずれでもよい。
を透過する性質を有する色素増感型太陽電池に注目し、
同時に表示装置の表示部の視認性を十分に確保できるよ
うに、表示装置の表側にこの色素増感型太陽電池を配置
することについて、研究を進めた。
表示装置としての視認性を十分に確保しつつ、太陽電池
としての発電能力を向上させるためには、色素増感型太
陽電池の光電変換効率を、従来よりさらに向上させる必
要がある。
て、表示装置の表面に該太陽電池のカソード電極を配
し、アノード電極側を入射光側に配することを見出し
た。
ノード電極の透明金属酸化物薄膜の表面に担持された色
素の近傍に、白金(Pt)、白金合金、パラジウム(P
d)またはパラジウム合金の金属微粒子を配することを
見出した。
太陽光が照射されると表面プラズモン吸収が起こり、色
素との共鳴や色素への電荷移動によって、可視光から近
赤外領域において色素の吸光度を増強させる効果があ
る。この色素の光吸収の増強効果により、光電流の増加
が引き起こされ、光電変換効率を向上させることができ
る。
銅などの使用も考えられるが、色素増感型太陽電池の電
極間に配する酸化還元電解質に、ヨウ素などのハロゲン
系のものを使用した場合に、この両者の反応により、金
などの金属微粒子は容易に溶解される可能性がある。し
かしながら、白金、白金合金、パラジウムおよびパラジ
ウム合金の金属微粒子は、ハロゲン系の酸化還元電解質
によって溶解されない利点がある。
だけを使っても、太陽電池として十分機能し、反射の少
ない微量の白金微粒子を付着させた透明なカソード電極
を用いても、十分な光電流が得られることが分かった。
り、太陽電池を通しても、下の文字が十分に認識するこ
とができる。また、色素の種類により吸収波長帯が異な
るため、可視光領域で使用波長帯を任意に選択すること
ができる。すなわち、透過光は吸収光の補色となるた
め、可視光域で任意の透過光を選択できるのである。
透明ではあるが、色素の種類によりあらゆる色に薄く着
色させることができ、そのため、表示装置の単位セルご
とに色素を変えることにより、カラーフィルターの役目
を同時に果たすこともできる。
完成するに至った。
装置は、表示装置の表面に色素増感型太陽電池を取り付
け、該太陽電池のアノード電極側を入射光側に配し、該
太陽電池のカソード電極側に表示装置を配している。
板の内側に透明導電膜を形成し、その内側表面に白金微
粒子もしくは炭素微粒子を付着させて形成したカソード
電極と、第2の透明基板の内側に透明導電膜および透明
金属酸化物薄膜を順次形成し、この透明金属酸化物薄膜
の表面に色素を担持し、さらに該色素の近傍に金属微粒
子を配して形成したアノード電極とが、酸化還元電解質
を介して対向して形成されることが好ましい。
合金、パラジウム(Pd)またはパラジウム合金の微粒
子が適している。
iO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb
2O5)、酸化錫(SnO2)またはチタン酸ストロンチ
ウム(SrTiO3)を用いることができる。また、前
記色素には、ルテニウム錯体またはキサンテン系色素を
用いることができる。さらに、前記酸化還元電解質に
は、ヨウ素、臭素または塩素を含む電解液または固体伝
導体を用いることができる。
ポリイミドを用いることができる。
錫、酸化インジウム、ITOまたはATOが用いられ
る。
たはECのいずれでもよい。
置の構成を、図1を用いて説明する。透明な色素増感型
太陽電池は、ガラス基板1bに透明導電膜2bを蒸着
し、さらに白金微粒子3もしくは炭素微粒子3を付着し
たカソード電極と、ガラス基板1aに透明導電膜2aを
蒸着し、さらにその上に多孔質の透明金属酸化物薄膜4
を形成し、該透明金属酸化物薄膜を構成する金属酸化物
微粒子5の表面に色素6を担持させ、さらに該色素6の
近傍に金属微粒子7を配した光電極であるアノード電極
と、酸化還元電解質8とから構成されている。
素ドープ酸化錫、酸化インジウム、ITO、ATOなど
を用いることができる。
えば、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、
酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化錫(SnO2)またはチ
タン酸ストロンチウム(SrTiO3)を用いることが
できる。
るアセトニトリル(90vol%)と3メチル2オキサ
ゾリジノン(10vol%)の混合溶媒に、ヨウ素とヨ
ウ化リチウムを加えたものであり、ヨウ素酸化還元対
(I3 -/I-)として働き、カソード電極とアノード電
極間の電子移動に寄与する。
ンテン系色素などを用いることができる。例えば、ルテ
ニウム錯体からなる色素を用いると、色素が可視領域の
光を吸収して、ルテニウム金属・配位子軌道遷移により
励起された電子が、酸化チタンの伝導帯に移って光電流
となり、発電が行なわれる。
金がモル比で50%以上の白金合金微粒子、パラジウム
微粒子、パラジウムがモル比で50%以上のパラジウム
合金微粒子を用いると、ヨウ素系酸化還元電解質に溶解
して消失することなく、色素近傍に配することができ
る。これらの微粒子は、色素に化学結合や吸着により直
接配してもよく、あるいはTiO2に化学結合や吸着さ
せて、結果としてTiO2に担持された色素近傍に配す
るようにしてもよい。
〜100nmが好ましく、1〜10nmがより好まし
い。詳しい配置方法としては、これらの微粒子の分散液
に、色素を担持したTiO2膜を浸漬する方法がある。
微粒子分散液は、例えば貴金属溶解溶液に還元剤、高分
子分散剤を添加して作製することができる。また、真空
容器内で気化させた貴金属の再凝固微粒子を溶媒中に捕
獲して作製することもできる。また、市販の貴金属の溶
解溶液に色素を担持したTiO2膜を浸漬後、水素還元
や光還元により、貴金属微粒子を析出させてもよい。例
えば、白金では、H2PtCl6・6H2Oや、〔Pt
(NH3)4〕(NO3)2水溶液に浸漬後、還元してPt
を色素近傍に析出させてもよい。
置9は、例えば、LCD、PDP、ELまたはECのい
ずれでもよい。表示装置9を作製した後、透明太陽電池
をその表面に取り付ける。
置の表面に組み合わせることにより、表示装置のスペー
スが有効に使え、デザイン上の制約がなくなる。また、
表示装置と太陽電池を別々の工程で作製することができ
るため、一種類の太陽電池で多種類の表示装置に装着す
ることが可能であり、汎用性、コスト面で有利となる。
さらに、表示装置の視認性を確保しつつ、従来の太陽電
池よりも光電変換効率を向上させることができる。
かし、本発明はこれに限定されるものではない。
陽電池付き表示装置を構成し、その特性を評価した。
のフッ素ドープSnO2ガラス(日本板硝子製、導電層
膜厚450nm)を用いた。透明金属酸化物の薄膜に
は、酸化チタンとして平均粒径15nmのTiO2ペー
スト(Solaronix社製)を用いた。
ペーストを塗布し、自然乾燥後、500℃で30分間の
焼成を電気炉で行った。一回の塗布で、約2μm厚のT
iO 2多孔質膜が形成された。これを複数回繰り返すこ
とにより、約10μmの膜厚とした。このTiO2多孔
質膜をRu色素溶液に浸漬し、80℃で2時間還流を行
い、TiO2多孔質の表面にRu色素を担持させた。な
お、Ru色素溶液は、エタノールに3×10-4mol/
L(リットル)のRu色素(Solaronix社製Ruthenium53
5)を溶解させることにより作製した。
を、PtAg系微粒子が単分散したインクに浸漬し、エ
タノールで洗浄後、自然乾燥させることにより、Ru色
素近傍にPtAg系微粒子を配置させた。単分散PtA
g系微粒子インクは、白金と銀のモル比を4:1とし
て、酸化還元電解質に溶解するのを防いだ。以上のよう
にして、光電極であるアノード電極を形成した。
O2ガラス表面に、電気鍍金法で超微粒子の白金を薄く
付着させることにより形成した。
電池構造を形成し、隙間に酸化還元電解質を注入した。
酸化還元電解質はヨウ素系電解液であり、アセトニトリ
ル(90vol%)と3メチル2オキサゾリジノン(1
0vol%)の混合溶媒に、ヨウ素とヨウ化リチウムを
加えたものである。
マス1.5:地球の中緯度における太陽スペクトルの太
陽光)のソーラーシミュレータで、1000W/m2の
疑似太陽光を照射して、電流電圧特性を測定した。その
結果、9%の変換効率を得た。
計で測定した透明な色素増感型太陽電池の透過率スペク
トルを、図2に示す。電池の構成材料による吸収がある
ため、色素単体の透過率とは異なるが、波長600nm
〜1100nmの光が透過しており、最大で57%の透
過率であった。
感型太陽電池を配置して、太陽電池付き表示装置とし
た。当該表示装置は、室内光においても表示装置への十
分な電力供給が可能であり、LCD表示を十分に視認す
ることができた。
を表面に配置した表示装置では、表示装置のスペースが
有効に使え、デザイン上の制約がなくなる。また、表示
装置と太陽電池を別々の工程で作製することができるた
め、一種類の太陽電池で多種類の表示装置に装着するこ
とが可能であり、汎用性、コスト面で有利となる。さら
に、表示装置の視認性を確保しつつ、従来の表示装置に
使用された太陽電池よりも光電変換効率を向上させるこ
とができる。
す概念断面図である。
型太陽電池の透過率スペクトルを示す、透過率−波長曲
線のグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 透明な色素増感型太陽電池を表示装置の
表面に取り付けた太陽電池付き表示装置において、該太
陽電池のアノード電極側を入射光側に配し、該太陽電池
のカソード電極側に表示装置を配した太陽電池付き表示
装置。 - 【請求項2】 前記色素増感型太陽電池は、第1の透明
基板の内側に透明導電膜を形成し、その内側表面に白金
微粒子もしくは炭素微粒子を付着させて形成したカソー
ド電極と、第2の透明基板の内側に透明導電膜および透
明金属酸化物薄膜を順次形成し、この透明金属酸化物薄
膜の表面に色素を担持し、さらに該色素の近傍に金属微
粒子を配して形成したアノード電極とが、酸化還元電解
質を介して対向して形成される請求項1に記載の太陽電
池付き表示装置。 - 【請求項3】 前記色素増感型太陽電池の前記金属微粒
子が、白金(Pt)、白金合金、パラジウム(Pd)ま
たはパラジウム合金の微粒子である請求項2に記載の太
陽電池付き表示装置。 - 【請求項4】 前記色素増感型太陽電池の前記透明金属
酸化物が、酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(Zn
O)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化錫(SnO2)ま
たはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)である請
求項2に記載の太陽電池付き表示装置。 - 【請求項5】 前記色素増感型太陽電池の前記色素が、
ルテニウム錯体またはキサンテン系色素である請求項2
に記載の太陽電池付き表示装置。 - 【請求項6】 前記色素増感型太陽電池の前記酸化還元
電解質が、ヨウ素、臭素または塩素を含む電解液または
固体伝導体である請求項2に記載の太陽電池付き表示装
置。 - 【請求項7】 前記色素増感型太陽電池の前記透明基板
が、ガラス、PET、ポリイミドである請求項2に記載
の太陽電池付き表示装置。 - 【請求項8】 前記透明導電膜が、フッ素ドープ酸化錫
膜、酸化インジウム膜、ITO膜またはATO膜である
請求項2に記載の太陽電池付き表示装置。 - 【請求項9】 前記表示装置がLCD、PDP、ELま
たはECである請求項1〜2に記載の太陽電池付き表示
装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family
ID=18886734
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