JP2002229231A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
クや剥離を生じにくい、物理的な安定性に優れた無機の
表面保護層を有し、これまでよりも耐久性に優れた有機
の電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 有機感光層と、無機の表面保護層とをこ
の順に積層してなり、このうち有機感光層の、少なくと
も表面保護層に接する最表面部が、式(1): 【化1】 〔式中、Aはアリール基、複素環基、式(2)または
(3): 【化2】 (式(2)、(3)中、R5は水素原子、アルキル基、
アリール基、R6〜R9はアルキル基、アリール基または
アラルキル基を示す。)で表される基を示し、R1、R2
は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、
または互いに結合して環状構造を形成してもよい。R3
はアルキル基、アリール基、アラルキル基、R4は水素
原子、アルキル基、アリール基、nは0または1の整数
を示す。〕で表されるエナミン誘導体を含有する。
Description
関するものである。
紙ファクシミリ装置などの画像形成装置に使用される電
子写真感光体としては、下記の各成分を組み合わせて形
成するいわゆる有機感光体が広く普及している。 ・光照射により電荷(正孔と電子)を発生する電荷発生
剤。 ・発生した電荷を輸送する電荷輸送剤(電荷輸送剤は、
電荷のうち正孔を輸送する正孔輸送剤と、電子を輸送す
る電子輸送剤に大別される)。 ・成膜性を有する結着樹脂。
機感光体に比べて製造が容易で、安価に製造できるとい
う利点がある。
輸送剤、結着樹脂などの材料の選択肢が多様であり、機
能設計の自由度が大きいという利点もある。
型もしくは積層型の感光層を形成することで構成され
る。
電荷輸送剤(正孔輸送剤および/または電子輸送剤)と
ともに結着樹脂中に分散することで形成される。
る電荷発生層と、電荷輸送剤(正孔輸送剤または電子輸
送剤)を含有する電荷輸送層とを積層することで形成さ
れる。
ように様々な利点を有するものの、実使用環境下での感
光層の削れ、傷などが発生しやすく、無機感光体に比べ
て耐久性が十分でないという問題がある。
耐久性を向上すべく、最表層に表面保護層を積層するこ
とが検討されている。
例としては、有機感光層との密着性、親和性、積層状態
での一体性、成膜作業の一貫性などを考慮して、例えば
成膜性を有する結着樹脂の層や、あるいは上記結着樹脂
中に、金属酸化物等の導電性微粒子を分散させた層など
の有機の層が挙げられる。
用した電子写真感光体は、繰り返し使用時の残留電位上
昇や帯電性低下、環境(温度、湿度等)の変化による感
度特性の変動等が大きいという問題がある。
これら元素を含む無機の化合物等の、無機の材料からな
る、高硬度でかつ耐磨耗性に優れた無機の層を表面保護
層として、例えばスパッタリング法、プラズマCVD
法、光CVD法等の気相成長法などによって、有機感光
層上に積層、成膜することが検討されている。
上記の問題点を解消するために用いられるものである。
すなわち、有機感光層上に無機の表面保護層を設けた感
光体は、有機感光層で電荷の発生や輸送などを受け持
ち、表面保護層で感光体の耐久性や耐環境性を受け持つ
という、それぞれの層の特性に応じた機能を有するので
ある。
層に比べて有機感光層との間で十分な密着性を得ること
が難しい上、たとえ成膜方法や成膜条件の調整等によっ
て成膜初期の密着性を確保できたとしても、実使用環境
下や、あるいは長期の保管時等に感光体に加わる様々な
ストレスによってクラックが入ったり剥離したりしやす
いという問題がある。
感光層と無機の表面保護層とは、有機の層同士、あるい
は無機の層同士のような緊密な密着性、親和性、一体性
が得られず、非常に弱い結合力でもって互いに結合され
ているだけであることが多い。
クリーニングブレードの圧接等による機械的ストレス
や、あるいは装置運転時の加熱と停止時の冷却の繰り返
し、もしくは保管時の温度変化等による熱的ストレスな
どを受けると、互いの硬度や柔軟性、膨張収縮特性等が
大きく異なることが原因となって、前記のように無機の
表面保護層にクラックが入ったり、表面保護層が有機感
光層から剥離したりするのである。
感光層の耐久性を向上する効果が未だ十分でないため、
実用化されるに至っていないのが現状である。
管等によってクラックや剥離を生じにくい、物理的な安
定性に優れた無機の表面保護層を有し、これまでよりも
耐久性に優れた有機の電子写真感光体を提供することに
ある。
題を解決するために、発明者らは、無機の表面保護層の
成膜過程について分析、検討を行った。
る、表面保護層の成膜初期の状態が、当該表面保護層
の、その後の物理的な安定性に大きく影響することを見
出した。
を構成する無機材料と、有機感光層の最表面部に露出し
た材料の一部とが何らかの形で結合して膜成長の核とな
り、この核を中心として無機材料の膜が成長して表面保
護層が形成され、また形成された表面保護層において
は、上記核の部分が、有機感光層との結合点として機能
して、両層間の密着性を確保する働きをする。
無機材料との結合力の大小、並びに有機感光層と表面保
護層との界面における、結合点の、単位面積あたりの個
数、すなわち密度の高低が、表面保護層の、有機感光層
との密着性、ひいては表面保護層の物理的安定性に大き
く影響する。
層と無機材料との結合力が大きく、また両層の界面にお
ける上記結合点の密度が高いほど、表面保護層の、有機
感光層に対する密着性が向上して、その物理的安定性が
良好になる。
生剤、電荷輸送剤等の低分子の機能性材料を、層を構成
する結着樹脂中に分散した構造を有している。
れば、層自体を構成し、しかも層の大半を占める結着樹
脂が、膜成長の核として、表面保護層を構成する無機材
料と結合するのが理想的であると考えられる。
性、あるいは反応部位の関係から、電荷発生剤、電荷輸
送剤等の、層中に分散した低分子の材料のうち、有機感
光層の最表面部に露出したものが膜成長の核として機能
して、表面保護層の成膜が進行することが多い。
の反応性の良否、および結合力の大小や、有機感光層を
構成する結着樹脂に対する相溶性、親和性の強弱、ある
いは材料自体の大きさ(分子量だけでなく、分子的、空
間的な広がりも含めた大きさ)なども、表面保護層の、
有機感光層との密着性、並びに物理的安定性に大きく影
響する。
性が良好で、かつ結合力が大きいほど、表面保護層の、
有機感光層との密着性、並びに物理的安定性が向上す
る。
る結着樹脂に対する相溶性、親和性が良好で、かつ材料
自体の大きさが大きいほど、いわゆるアンカー効果(投
錨効果)によって、やはり表面保護層の、有機感光層と
の密着性、物理的安定性が向上する。
形態としては、結合力の強弱を考慮すると分子結合が最
も好ましいが、この結合によって分子構造が変化する結
果、電荷のトラップが生成されるようなことがあると、
感光体の感度低下を引き起こすおそれがある。
電気的な特性を低下させる分子状態に移行しないことも
重要である。
大きい材料を積層するだけで、良好な画像形成ができる
感光体を、簡単に作製できるのではないことを見出し
た。また、上記のような条件で作製された感光体は、有
機感光層の電気的特性をそのまま維持しつつ、表面保護
層による耐久性、耐環境性を向上させることが可能にな
る。
つつ、有機感光層を構成する種々の材料について検討を
行った結果、正孔輸送剤として用いられる、式(1):
(2)または(3):
原子、アルキル基、アリール基を示し、R6〜R9は同一
または異なってアルキル基、アリール基またはアラルキ
ル基を示す。)で表される基を示し、R1およびR2は同
一または異なって水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を示すか、R1とR2が互いに結合して
環状構造を形成してもよい。R3はアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基を示し、R4は水素原子、アル
キル基またはアリール基を示し、nは0または1の整数
を示す。〕で表されるエナミン誘導体が、これらの要求
を満足する好適な材料であることを見出し、本発明を完
成するに至った。
性基体上に、有機感光層と、無機の表面保護層とをこの
順に積層したものであって、上記有機感光層の、少なく
とも表面保護層に接する最表面部が、上記式(1)で表
されるエナミン誘導体を含有することを特徴としてい
る。
は、その分子全体にπ電子共役系が広がっており、成膜
初期の段階で、表面保護層を構成する無機材料のうちと
くに金属元素や炭素等を引きつける機能を有しており、
無機材料との反応性が高い。
面部に露出したエナミン誘導体が無機材料と結合して膜
成長の核となる率が高いため、両層の界面における結合
点の密度が高い。
が、気相成長法などによる表面保護層の成膜時に受ける
ダメージを極力減らすこともできる。
のうちπ結合が切れて、上記金属元素や炭素等と、分子
結合によって強固に結合されるため、有機感光層と無機
材料との結合力も大きい。
では比較的分子量が大きい上、平面状に拡がった分子構
造を有しており、分子的、空間的な広がりも大きく、し
かも結着樹脂との相溶性、親和性にも優れているため、
結着樹脂に対して良好なアンカー効果を示す。
も大きい。
護層の、有機感光層に対する密着性を向上して、当該表
面保護層の物理的安定性を改善できるため、実使用環境
下や長期の保管等によるクラックや剥離の発生を防止し
て、これまでよりも耐久性に優れた電子写真感光体を得
ることが可能となる。
送能が高い上、前記のように金属元素や炭素等と分子結
合して分子構造が変化した状態でも、深い電荷のトラッ
プを生成することがなく、しかも上記の結合は有機感光
層の最表面部に露出したごく一部のエナミン誘導体のみ
で発生し、有機感光層内部の大多数のエナミン誘導体
は、元の、正孔輸送能に優れた状態を維持しているた
め、感光体の感度低下を引き起こすおそれもない。
うに結着樹脂との相溶性に優れており、有機感光層中
に、凝集等を生じることなく均一に、しかも多量に分散
できることと相まって、本発明の電子写真感光体は、感
度特性にも優れたものとなる。
有機感光層の、少なくとも表面保護層に接する最表面部
に含有されるエナミン誘導体は、前記のように式
(1):
(2)または(3)
原子、アルキル基、アリール基を示し、R6〜R9は同一
または異なってアルキル基、アリール基またはアラルキ
ル基を示す。)で表される基を示し、R1およびR2は同
一または異なって水素原子、アルキル基、アリール基ま
たはアラルキル基を示すか、R1とR2が互いに結合して
環状構造を形成してもよい。R3はアルキル基、アリー
ル基またはアラルキル基を示し、R4は水素原子、アル
キル基またはアリール基を示し、nは0または1の整数
を示す。〕で表されるものである。
しては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、ペンチルなどの、炭素数1〜5のアル
キル基が挙げられる。
ては、例えばフェニル、トリル、キシリル、ナフチルな
どの、アリール部分の炭素数4〜10のアリール基が挙
げられる。
チエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、キノリルなど
の、複素環を構成する原子数5〜10の複素環基が挙げ
られる。
9に相当するアラルキル基としては、例えばベンジル、
トリチル、フェネチル、テニル、フルフリルなどの、ア
リール部分の炭素数4〜10のアラルキル基が挙げられ
る。
状構造としては、例えばフルオレン構造、シクロヘキシ
リジエン構造、などの環を構成する原子数が6〜14の
ものが挙げられる。
基、アリール基、複素環基、アラルキル基は置換基を有
していても良く、具体的にはヒドロキシアルキル基、ア
ルコキシアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、
ジアルキルアミノアルキル基、ハロゲン置換アルキル
基、アルコキシカルボニルアルキル基、カルボキシアル
キル基、アルカノイルオキシアルキル基、アミノアルキ
ル基、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、エステ
ル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基などの
他、前述と同様の炭素数1〜12の置換基を有してもよ
いアルキル基や炭素数1〜12の置換基を有してもよい
アルコキシ基などがあげられる。なお、これらの置換基
の置換位置については特に限定されない。
はこれに限定されないが、例えば下記式(1−1)〜
(1−41)で表される化合物等が挙げられる。
で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。 〈有機感光層〉有機感光層には、前述したように単層型
感光層と積層型感光層とがあるが、本発明には、このい
ずれのものも適用可能である。
ての、前記式(1)で表されるエナミン誘導体と、電荷
発生剤とを、結着樹脂とともに適当な有機溶媒に溶解ま
たは分散した塗工液を、塗布などの手段によって導電性
基材上に塗布し、乾燥させることで形成される。
単で生産性に優れている。
を含有させても良く、両極性の電荷輸送剤を併用した感
光層は、単独の構成で正負いずれの帯電にも対応できる
という利点がある。
に、塗布または蒸着などの手段によって、電荷発生剤を
含有する電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層上
に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗工液を、塗布など
の手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成す
るか、もしくは上記と逆に、導電性基体上に電荷輸送層
を形成し、その上に電荷発生層を形成することで構成さ
れる。
層と逆極性の電荷輸送剤を含有させることができる。
送層の形成順序と、両層に含有させる電荷輸送剤の極性
によって種々の組み合わせが考えられるが、本発明にお
いては、上記のうち表面保護層と接する最表面部に位置
する上側の層が、正孔輸送剤として機能する、式(1)
のエナミン誘導体を含有している必要がある。
は、(a)導電性基体上に、電荷発生剤と、必要に応じ
て電子輸送剤とを含有する電荷発生層を形成し、その上
に、正孔輸送剤としての式(1)のエナミン誘導体を含
有する電荷輸送層を積層した負帯電型の積層型感光層、
(b)導電性基体上に、電子輸送剤を含有する電荷輸送
層を形成し、その上に、電荷発生剤と、正孔輸送剤とし
ての式(1)のエナミン誘導体とを含有する電荷発生層
を積層した負帯電型の積層型感光層の2種が挙げられ
る。
厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体上
に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した
上記(a)の構成がさらに好ましい。
れる電荷発生剤としては、例えばセレン、セレン−テル
ル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、α−シリコンなど
の無機光導電材料の粉末、式(CG−1):
G−2):
タロシアニン化合物の、種々の結晶型を有する結晶から
なるフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔
料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、インジゴ
系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、ト
ルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔
料、ジチオケトピロロピロール系顔料などの、従来公知
の種々の顔料が挙げられる。
度を有するように、それぞれ1種単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。
た、レーザービームプリンタや普通紙ファクシミリ装置
等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以
上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、
電荷発生剤として、前記例示のうちフタロシアニン系顔
料が好適に使用される。
の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。
ン系化合物〔例えば式(ET−1):
−t−ブチルベンゾキノンなど〕、ナフトキノン系化合
物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシア
ノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
フルオレノン系化合物〔例えば2,4,7−トリニトロ
−9−フルオレノンなど〕、ジニトロベンゼン、ジニト
ロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラ
キノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水
マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオレノンイミ
ン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合
物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリン
イミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロ
ピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、
2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化合物、2−フ
ェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、5,12−ナ
フタセンキノン系化合物、α−シアノスチルベン系化合
物、4′−ニトロスチルベン系化合物、ならびに、ベン
ゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩
などの電子吸引性化合物が好適に使用される。
種以上を併用することもできる。
式(1)のエナミン誘導体とともに、他の正孔輸送剤を
併用しても良い。
種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。
合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミ
ン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキ
サジアゾール系化合物〔例えば2,5−ジ(4−メチル
アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールな
ど〕、スチリル系化合物〔例えば9−(4−ジエチルア
ミノスチリル)アントラセンなど〕、カルバゾール系化
合物〔例えば式(HT−1):
−ビニルカルバゾールなど〕、式(HT−2):
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラル
キル基を示す。〕で表される繰り返し単位を有する有機
ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物〔例えば1−フ
ェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリ
ンなど〕、ヒドラゾン系化合物〔例えば式(HT−
3):
ドジフェニルヒドラゾンなど〕、トリフェニルアミン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合
物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合
物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒ
ドラゾン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、
およびジフェニレンジアミン系化合物などが好適に使用
される。
種以上を併用することもできる。
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド
樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂そ
の他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレ
ート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂など
があげられる。
2種以上を併用することもできる。
N−ビニルカルバゾールや有機ポリシラン化合物等の高
分子の正孔輸送剤を、式(1)のエナミン誘導体と併用
する場合は、当該化合物を結着樹脂としても機能させ
て、上記例示の通常の結着樹脂を省略することもでき
る。
ルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性
剤、レベリング剤などの種々の添加剤を添加することも
できる。また感光体の感度を向上させるために、例えば
ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンな
どの増感剤を添加してもよい。
重量部に対して、電荷発生剤を0.1〜50重量部、特
に0.5〜30重量部の割合で、また正孔輸送剤を5〜
500重量部、特に25〜200重量部の割合で、それ
ぞれ含有させるのが好ましい。
(1)のエナミン誘導体を単独で用いる場合は、当該エ
ナミン誘導体の含有割合であり、エナミン誘導体と他の
正孔輸送剤とを併用する場合は、両者の合計の含有割合
である。
併用する場合、当該他の正孔輸送剤は、前述したエナミ
ン誘導体の効果を妨げない範囲で少量、含有させるのが
好ましい。具体的には他の正孔輸送剤を、エナミン誘導
体100重量部に対して30重量部以下の割合で配合す
るのが好ましい。
脂100重量部に対して、当該電子輸送剤を5〜100
重量部、特に10〜80重量部の割合で含有させるのが
好ましい。またこの際、正孔輸送剤と電子輸送剤との総
量は、結着樹脂100重量部に対して20〜500重量
部、特に30〜200重量部が好ましい。
に10〜50μm程度が好ましい。
生剤単独で形成される場合と、結着樹脂中に、電荷発生
剤と、前記のように必要に応じて電子輸送剤とを分散さ
せて形成される場合とがあり、このうち後者の構成で
は、結着樹脂100重量部に対して、電荷発生剤を5〜
1000重量部、特に30〜500重量部の割合で、ま
た電子輸送剤を1〜200重量部、特に5〜100重量
部の割合で、それぞれ含有させるのが好ましい。
0重量部に対して、正孔輸送剤を10〜500重量部、
特に25〜200重量部の割合で含有させるのが好まし
い。
光層の場合と同様に、式(1)のエナミン誘導体を単独
で用いる場合は、当該エナミン誘導体の含有割合であ
り、エナミン誘導体と他の正孔輸送剤とを併用する場合
は、両者の合計の含有割合である。
併用する場合、当該他の正孔輸送剤は、前述したエナミ
ン誘導体の効果を妨げない範囲で少量、含有させるのが
好ましい。具体的には他の正孔輸送剤を、エナミン誘導
体100重量部に対して30重量部以下の割合で配合す
るのが好ましい。
01〜5μm、特に0.1〜3μm程度、電荷輸送層が
2〜100μm、特に5〜50μm程度が好ましい。
導電性基体との間や、あるいは積層型感光層を構成する
電荷発生層と電荷輸送層との間には、感光体の特性を阻
害しない範囲で中間層、バリア層を形成しても良い。
り形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送
剤、結着樹脂などを、前述したテトラヒドロフランなど
の有機溶媒とともに、公知の方法、例えば、ロールミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーある
いは超音波分散器などを用いて分散混合して塗工液を調
整し、これを公知の手段により塗布、乾燥すればよい。
えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホ
ルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドなどの1種または2種以上があげられる。
性、感光層表面の平滑性をよくするため、塗工液には界
面活性剤、レベリング剤などを添加してもよい。 〈表面保護層〉上記有機感光層の上に積層、形成される
無機の表面保護層としては金属元素〔長周期型周期表の
うちホウ素(B)とアスタチン(At)とを結ぶ線より
左側にある元素〕、および炭素からなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素、またはこれらの元素を含む無機
の化合物からなる、従来公知の種々の表面保護層が挙げ
られる。
法、光CVD法等の化学蒸着法、スパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法な
ど、従来公知の種々の気相成長法によって形成すること
ができる。
では、(1)14族元素のうち炭素(C)および/また
はケイ素(Si)からなる膜、すなわち炭素(C)の
膜、ケイ素(Si)の膜、またはケイ素−炭素(Si
C)複合膜、(2)上記炭素(C)および/またはケイ
素(Si)と、13族元素のうちホウ素(B)、アルミ
ニウム(Al)、15族元素のうち窒素(N)、リン
(P)、16族元素のうち酸素(O)、イオウ(S)、
17族元素のうちフッ素(F)、塩素(Cl)、および
臭素(Br)からなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素との化合物からなる膜、例えばケイ素−窒素(Si
N)複合膜、ケイ素−酸素(SiO)複合膜、炭素−フ
ッ素(CF)複合膜、炭素−窒素(CN)複合膜、炭素
−ホウ素(CB)複合膜、炭素−酸素(CO)複合膜
等、(3)13族元素のうちホウ素(B)および/また
はアルミニウム(Al)と、上述した窒素(N)、リン
(P)、酸素(O)、イオウ(S)、フッ素(F)、塩
素(Cl)、および臭素(Br)からなる群より選ばれ
ら少なくとも1種の元素との化合物からなる膜、例えば
ホウ素−窒素(BN)複合膜、アルミニウム−窒素(A
lN)複合膜等、が形成される。
特性を向上するために、微量の水素(H)を含有させる
こともできる。
素を導入するために使用できる原料ガスとしては、各構
成元素の分子、酸化物、水素化物、窒化物、ハロゲン化
物等の、常温常圧下でガス状を呈するか、もしくは成膜
条件下で容易にガス化しうる化合物があげられる。また
必要に応じてこれらの化合物を、水素ガス(H2)、ヘ
リウムガス、アルゴンガス、ネオンガス等のガスによっ
て希釈しても良い。
導入用としてシランガス(SiH4)、ジシランガス(S
i2H6)、炭素導入用としてメタンガス(CH4)、エ
タンガス(C2H6)、プロパンガス(C3H8)、エチレ
ンガス(C2H4)、フッ素導入用としてフッ素ガス(F
2)、一フッ化臭素ガス(BrF)、二フッ化塩素ガス
(ClF2)、四フッ化炭素ガス(CF4)、四フッ化ケ
イ素ガス(SiF4)、窒素導入用として窒素ガス
(N2)、アンモニアガス(NH3)、窒素酸化物ガス
(NOX)、ホウ素導入用として水素化ホウ素ガス〔ジ
ボランガス(B2H6)、テトラボランガス(B4H10)
等〕などがそれぞれ挙げられる。
て、常温常圧下でガス状を呈するか、もしくは膜形成条
件下で容易にガス化しうる化合物があげられる。
イオンプレーティング法では、前記各膜に加えて、例え
ば13族であればガリウム(Ga)、インジウム(I
n)等、14族であればゲルマニウム(Ge)、スズ
(Sn)、鉛(Pb)、15族であればヒ素(As)、
アンチモン(Sb)等、16族であればセレン(Se)
等を含む各種金属元素の1種または2種以上からなる膜
や、あるいは上記金属元素を含む無機の化合物からなる
膜を形成することができる。
としては、例えば炭素(C)の膜やケイ素−炭素(Si
C)複合膜などが挙げられる。
μm、特に0.1〜10μm程度が好ましい。
マイクロクリスタル、および結晶のいずれの形態の膜で
あっても良く、非晶質と結晶とが混在した膜であっても
良い。 〈導電性基体〉上記各層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ
る。例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バ
ナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、
ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真
鍮などの金属にて形成された導電性基体や、上記金属が
蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる
基体、あるいはヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示さ
れる。
るいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、
導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有す
るものが好ましい。
の構造に合わせて、シート状、ドラム状などのいずれで
あってもよい。
説明する。 [実施例1] 〈単層型感光層の形成〉電荷発生剤としての、前記式
(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン結晶
5重量部と、正孔輸送剤としての、前記式(1−3)で
表されるエナミン誘導体100重量部と、電子輸送剤と
しての、前記式(ET−1)で表される2,6−ジメチ
ル−2’,6’−t−ブチルベンゾキノン80重量部
と、結着樹脂としてのZ型ポリカーボネート(重量平均
分子量20000)100重量部とを、テトラヒドロフ
ラン800重量部とともにボールミルを用いて50時
間、混合、分散させて単層型感光層用の塗工液を作製し
た。
60のアルミニウム素管上に、ディップコート法によっ
て塗布し、100℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚
25μmの単層型感光層を形成した。 〈表面保護層の形成〉上記のようにして単層型感光層が
形成されたアルミニウム素管をプラズマCVD装置のチ
ャンバ内にセットしたのち、到達真空度0.67Paま
で真空引きするとともに、装置のヒータを使用して素管
の温度を50℃に調整した。
H4)、シランガス(SiH4)および水素ガス(H2)
を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47h
Paに調整した。
z、出力133Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.2μm/hrの成膜速度で、非晶質のケイ
素−炭素(SiC)複合膜からなる、厚み0.5μmの
表面保護層を成膜して、実施例1の電子写真感光体を製
造した。 [実施例2〜4]正孔輸送剤として、それぞれ表1に示
す式番号のエナミン誘導体80重量部を使用したこと以
外は実施例1と同様にして、実施例2〜4の電子写真感
光体を製造した。 [比較例1]正孔輸送剤としてのエナミン誘導体80重
量部と、結着樹脂としてのZ型ポリカーボネート100
重量部に代えて、正孔輸送剤と結着樹脂とを兼ねる、前
記式(HT−1)で表される繰り返し単位を有するポリ
ビニルカルバゾール(数平均分子量Mn=9500)1
00重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、比較例1の電子写真感光体を製造した。 [比較例2]正孔輸送剤として、前記式(HT−3)で
表されるジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒ
ドラゾン80重量部を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、比較例2の電子写真感光体を製造した。 〈感度特性試験(1)〉上記各実施例、比較例の電子写
真感光体について、ジェンテック(GENTEC)社製のドラ
ム感度試験機を用いて各感光体の表面に印加電圧を加
え、グリッド電圧調整することでその表面を+800±
20Vに帯電させた後、表面電位V0(V)を測定し
た。
ンプの白色光から、バンドパスフィルタを用いて波長7
80nm、半値幅20nmに単色化した光強度10μW
/cm2の単色光を、上記電子写真感光体の表面に1秒
間、照射した際に、上記表面電位V0(V)が1/2に
なるのに要した時間を測定して、半減露光量E1/2(μ
J/cm2)を求めた。また露光開始から0.5秒、経
過した時点での表面電位を、残留電位Vr(V)として
測定した。 〈耐久性試験(1)〉各実施例、比較例の電子写真感光
体を静電式複写機〔京セラミタ(株)製の商品名Crea
ge7350〕に搭載して連続10万枚の複写を行い、
途中1万枚、2万枚、5万枚の複写後と、10万枚の複
写後にそれぞれ表面保護層を目視にて観察して、下記の
基準で、電子写真感光体の耐久性を評価した。
全く見られず、感光体の耐久性は良好であった。
その全面にクラックが入っており、感光体の耐久性はや
や不良であった。
耐久性は不良であった。
ルカルバゾールを使用した比較例1の感光体は連続3万
枚複写後に、およびジエチルアミノベンズアルデヒドジ
フェニルヒドラゾンを使用した比較例2の感光体は連続
2万枚の複写後に、表面保護層が剥離しているのが確認
され、このことからこれらの化合物では、無機の表面保
護層の物理的な安定性を向上する効果が得られないこと
が判った。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
れも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラック
や剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保護
層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光体
の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例5〜8、比較例3、4]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質の炭素(C)からなる厚み0.5μmの表面
保護層を成膜したこと以外は実施例1〜4、比較例1、
2と同様にして、それぞれ実施例5〜8、比較例3、4
の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
H4)と水素ガス(H2)とを、それぞれ下記の流量で供
給して真空度を0.47hPaに調整した。
z、出力200Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.15μm/hrの成膜速度で、非晶質の炭
素(C)からなり、前記厚みを有する表面保護層を成膜
した。
ついて、前記と同じ感度特性試験(1)、および耐久性
試験(1)を行って、その特性を評価した。結果を表2
に示す。
地である単層型感光層の構成に基づいて、前記と同じ結
果が得られることが確認された。
ルカルバゾールを使用した比較例3の感光体、およびジ
エチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを
使用した比較例4の感光体はいずれも、連続2万枚の複
写後に既に、表面保護層の全体にクラックが入ってお
り、連続3万枚の複写後に、表面保護層が剥離している
のが確認された。そしてこのことから、これらの化合物
では、無機の表面保護層の物理的な安定性を向上する効
果が得られないことが判った。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
れも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラック
や剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保護
層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光体
の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例9、10、比較例5]単層型感光層の表面に、
前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、
非晶質のケイ素−窒素(SiN)複合膜からなる厚み
0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外は実施例
1、4、比較例2と同様にして、それぞれ実施例9、1
0、比較例5の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
4)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、それ
ぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに調
整した。
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.75μm/hrの成膜速度で、ケイ素−窒
素(SiN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保
護層を成膜した。 [実施例11、12、比較例6]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質の炭素−窒素(CN)複合膜からなる厚み
0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外は実施例
1、4、比較例2と同様にして、それぞれ実施例11、
12、比較例6の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
H4)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、そ
れぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに
調整した。
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−窒素
(CN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護層
を成膜した。 [実施例13、14、比較例7]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質の炭素−ホウ素(CB)複合膜からなる厚み
0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外は実施例
1、4、比較例2と同様にして、それぞれ実施例13、
14、比較例7の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
H4)、ジボランガス(B2H6)および水素ガス(H2)
を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47h
Paに調整した。
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−ホウ
素(CB)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。 [実施例15、16、比較例8]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質の炭素−フッ素(CF)複合膜からなる厚み
0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外は実施例
1、4、比較例2と同様にして、それぞれ実施例15、
16、比較例8の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
H4)、四フッ化炭素ガス(CF4)および水素ガス(H
2)を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.4
7hPaに調整した。
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−フッ
素(CF)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。 [実施例17、18、比較例9]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質のホウ素−窒素(BN)複合膜からなる厚み
0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外は実施例
1、4、比較例2と同様にして、それぞれ実施例17、
18、比較例9の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
H6)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、そ
れぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに
調整した。
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.08μm/hrの成膜速度で、ホウ素−窒
素(BN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。
ついて、前記と同じ感度特性試験(1)、および耐久性
試験(1)を行って、その特性を評価した。結果を表3
に示す。
も、下地である単層型感光層の構成に基づいて、前記と
同じ結果が得られることが確認された。
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを使用し
た比較例7および8の感光体は連続2万枚の複写後に、
比較例5、6および9の感光体は連続3万枚複写後に表
面保護層が剥離しているのが確認された。また特に比較
例8の感光体は、連続1万枚の複写後に既に、表面保護
層の全体にクラックが入っているのが確認された。そし
てこのことから、上記化合物では、無機の表面保護層の
物理的な安定性を向上する効果が得られないことが判っ
た。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
ずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラッ
クや剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保護
層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光体
の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。
面保護層のない感光体および、実施例1〜18の感光体
について、耐久性試験(1)と同様にして複写試験を行
ない、画像を評価した。その結果、前者では2万枚〜8
万枚で画像濃度が低下して、ベタ黒部のかすれ等が発生
したが、後者では10万枚複写後も画像不良がなく、表
面保護層の形成により感光体の耐久性が向上したことが
確認された。
のない感光体について、上記と同様の複写試験を行なっ
たところ、比較例1、3では2万枚程度で、その他につ
いては3〜5万枚程度で画像濃度が低下しベタ黒部のか
すれ等が発生した。これらの結果と、それぞれに対応す
る比較例の耐久試験(1)の結果とを比べると、表面保
護層を形成しても耐久性が変わらないか、低下すること
がわかる。
層を形成すれば,一様に感光体の耐久性が向上するわけ
ではなく、正孔輸送剤の選択を誤ると、むしろ耐久性が
低下してしまうのである。単層型感光層に式(1)のエ
ナミンを有する実施例1〜18の感光体は、表面保護層
の形成によりその耐久性を大幅に向上させることができ
た。 [実施例19] 〈積層型感光層の形成〉電荷発生剤としての、前記式
(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン結晶
2.5重量部と、結着樹脂としてのポリビニルブチラー
ル1重量部とを、テトラヒドロフラン15重量部ととも
にボールミルを用いて混合、分散させて、積層型感光層
のうち電荷発生層用の塗工液を作製した。
100のアルミニウム素管上に、ディップコート法によ
って塗布し、110℃で30分間、熱風乾燥させて、膜
厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
3)で表されるエナミン誘導体0.8重量部と、結着樹
脂としてのZ型ポリカーボネート(重量平均分子量Mw
=20000)1重量部とを、テトラヒドロフラン10
重量部とともにボールミルを用いて混合、分散させて、
積層型感光層のうち電荷輸送層用の塗工液を作製した。
に、ディップコート法によって塗布し、110℃で30
分間、熱風乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形
成して、負帯電型の積層型感光層を形成した。 〈表面保護層の形成〉上記のようにして形成した積層型
感光層上に、前記実施例1と同条件で、プラズマCVD
法により、非晶質のケイ素−炭素(SiC)複合膜から
なる厚み0.5μmの表面保護層を成膜して、実施例1
9の電子写真感光体を製造した。 [実施例20〜22]正孔輸送剤として、それぞれ表4
に示す式番号のエナミン誘導体1重量部を使用したこと
以外は実施例19と同様にして、実施例20〜22の電
子写真感光体を製造した。 [比較例10]正孔輸送剤としてのエナミン誘導体0.
8重量部と、結着樹脂としてのZ型ポリカーボネート1
重量部に代えて、前記式(HT−1)で表される繰り返
し単位を有するポリビニルカルバゾール(数平均分子量
Mn=9500)1重量部を使用したこと以外は実施例
19と同様にして、比較例10の電子写真感光体を製造
した。 [比較例11]正孔輸送剤として、前記式(HT−3)
で表されるジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニル
ヒドラゾン0.8重量部を使用したこと以外は実施例1
9と同様にして、比較例11の電子写真感光体を製造し
た。 〈感度特性試験(2)〉上記各実施例、比較例の電子写
真感光体について、ジェンテック(GENTEC)社製のドラ
ム感度試験機を用いて各感光体の表面に印加電圧を加
え、グリッド電圧調整することでその表面を−800±
20Vに帯電させた後、表面電位V0(V)を測定し
た。
ンプの白色光から、バンドパスフィルタを用いて波長7
80nm、半値幅20nmに単色化した光強度10μW
/cm2の単色光を、上記電子写真感光体の表面に1秒
間、照射した際に、上記表面電位V0(V)が1/2に
なるのに要した時間を測定して、半減露光量E1/2(μ
J/cm2)を求めた。また露光開始から0.5秒、経
過した時点での表面電位を、残留電位Vr(V)として
測定した。
セラミタ(株)製の商品名Vi7360〕に搭載して連続
10万枚の複写を行い、途中1万枚、2万枚、5万枚の
複写後と、10万枚の複写後にそれぞれ表面保護層を目
視にて観察して、下記の基準で、電子写真感光体の耐久
性を評価した。
全く見られず、感光体の耐久性は良好であった。
その全面にクラックが入っており、感光体の耐久性はや
や不良であった。
耐久性は不良であった。
えても、その最表面部である電荷輸送層の構成に基づい
て、前記と同じ結果が得られることが確認された。
ルカルバゾールを使用した比較例10の感光体、および
ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン
を使用した比較例11の感光体はいずれも、連続2万枚
の複写後に、表面保護層が剥離しているのが確認され
た。そしてこのことから、これらの化合物では、無機の
表面保護層の物理的な安定性を向上する効果が得られな
いことが判った。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保
護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光
体の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例23〜26、比較例12、13]積層型感光層
の表面に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例5
〜8、比較例3、4と同じ工程により、非晶質の炭素
(C)からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜した
こと以外は実施例19〜22、比較例10、11と同様
にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。
ついて、前記と同じ感度特性試験(2)、および耐久性
試験(2)を行って、その特性を評価した。結果を表5
に示す。
地である積層型感光層のうち電荷輸送層の構成に基づい
て、前記と同じ結果が得られることが確認された。
ルカルバゾールを使用した比較例12の感光体、および
ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン
を使用した比較例13の感光体はいずれも、連続2万枚
の複写後に、表面保護層が剥離しているのが確認され
た。また特に比較例13の感光体は、連続1万枚の複写
後に既に、表面保護層の全体にクラックが入っているの
が確認された。そしてこのことから、これらの化合物で
は、無機の表面保護層の物理的な安定性を向上する効果
が得られないことが判った。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保
護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光
体の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例27、28、比較例14]積層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例9、1
0、比較例5と同じ工程により、非晶質のケイ素−窒素
(SiN)複合膜からなる厚み0.5μmの表面保護層
を成膜したこと以外は実施例19、22、比較例11と
同様にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。 [実施例29、30、比較例15]積層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例11、1
2、比較例6と同じ工程により、非晶質の炭素−窒素
(CN)複合膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を
成膜したこと以外は実施例19、22、比較例11と同
様にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。 [実施例31、32、比較例16]積層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例13、1
4、比較例7と同じ工程により、非晶質の炭素−ホウ素
(CB)複合膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を
成膜したこと以外は実施例19、22、比較例11と同
様にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。 [実施例33、34、比較例17]積層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例15、1
6、比較例8と同じ工程により、非晶質の炭素−フッ素
(CF)複合膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を
成膜したこと以外は実施例19、22、比較例11と同
様にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。 [実施例35、36、比較例18]積層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例17、1
8、比較例9と同じ工程により、非晶質のホウ素−窒素
(BN)複合膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を
成膜したこと以外は実施例19、22、比較例11と同
様にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。
ついて、前記と同じ感度特性試験(2)、および耐久性
試験(2)を行って、その特性を評価した。結果を表6
に示す。
も、下地である積層型感光層のうち電荷輸送層の構成に
基づいて、前記と同じ結果が得られることが確認され
た。
アミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを使用し
た比較例14〜18の感光体はいずれも、連続2万枚の
複写後に、表面保護層が剥離しているのが確認された。
また特に比較例15〜17の感光体は、連続1万枚の複
写後に既に、表面保護層の全体にクラックが入っている
のが確認された。そしてこのことから、上記化合物で
は、無機の表面保護層の物理的な安定性を向上する効果
が得られないことが判った。
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、エナミン誘導体を使用することで、無機の表面保
護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感光
体の耐久性を向上できることが確認された。
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。
表面保護層のない感光体および、実施例19〜36の感
光体について、耐久性試験(2)と同様にして複写試験
を行ない、画像を評価した。その結果、前者では2万枚
〜8万枚で画像濃度が低下して、ベタ黒部のかすれ等が
発生したが、後者では10万枚複写後も画像不良がな
く、表面保護層の形成により感光体の耐久性が向上した
ことが確認された。
護層のない感光体について、上記と同様の複写試験を行
なったところ、比較例10、12では2万枚程度で、そ
の他については3〜5万枚程度で画像濃度が低下しベタ
黒部のかすれ等が発生した。これらの結果と、それぞれ
に対応する比較例の耐久試験(2)の結果とを比べる
と、表面保護層を形成しても耐久性が変わらないか、低
下することがわかる。
層を形成すれば,一様に感光体の耐久性が向上するわけ
ではなく、正孔輸送剤の選択を誤ると、むしろ耐久性が
低下してしまうのである。積層型感光層に式(1)のエ
ナミンを有する実施例19〜36の感光体は、単層型感
光層の場合と同様に表面保護層の形成によりその耐久性
を大幅に向上させることができた。
Claims (6)
- 【請求項1】導電性基体上に、有機感光層と、無機の表
面保護層をこの順に積層した電子写真感光体であって、
上記有機感光層の、少なくとも表面保護層に接する最表
面部が、式(1): 【化1】 〔式中、Aはアリール基、複素環基、式(2)または
(3): 【化2】 (式(2)および式(3)中、R5は水素原子、アルキ
ル基、アリール基を示し、R6〜R9は同一または異なっ
てアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示
す。)で表される基を示し、R1およびR2は同一または
異なって水素原子、アルキル基、アリール基またはアラ
ルキル基を示すか、R1とR2が互いに結合して環状構造
を形成してもよい。R3はアルキル基、アリール基また
はアラルキル基を示し、R4は水素原子、アルキル基ま
たはアリール基を示し、nは0または1の整数を示
す。〕で表されるエナミン誘導体を含有することを特徴
とする電子写真感光体。 - 【請求項2】表面保護層が、気相成長法によって成膜さ
れた層であることを特徴とする請求項1記載の電子写真
感光体。 - 【請求項3】表面保護層が、金属元素および炭素からな
る群より選ばれた少なくとも1種の元素、またはこれら
の元素を含む無機の化合物からなることを特徴とする請
求項1または2記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】有機感光層が、結着樹脂中に、電荷発生剤
と、正孔輸送剤としての式(1)で表されるエナミン誘
導体とを含有する単層型感光層であることを特徴とする
請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】前記結着樹脂中に電子輸送剤を含有するこ
とを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。 - 【請求項6】有機感光層が、電荷発生剤を含有する電荷
発生層と、結着樹脂中に、正孔輸送剤としての式(1)
で表されるエナミン誘導体を含有する電荷輸送層とをこ
の順に積層した積層型感光層であることを特徴とする請
求項1記載の電子写真感光体。
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- 2001-01-30 JP JP2001020879A patent/JP3685482B2/ja not_active Expired - Fee Related
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