JP2002116568A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2002116568A
JP2002116568A JP2000305810A JP2000305810A JP2002116568A JP 2002116568 A JP2002116568 A JP 2002116568A JP 2000305810 A JP2000305810 A JP 2000305810A JP 2000305810 A JP2000305810 A JP 2000305810A JP 2002116568 A JP2002116568 A JP 2002116568A
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protective layer
photosensitive layer
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Application number
JP2000305810A
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English (en)
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Eiichi Miyamoto
栄一 宮本
Yoshio Inagaki
義雄 稲垣
Hideaki Fukunaga
秀明 福永
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Kyocera Corp
Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Corp
Kyocera Mita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実使用環境下や長期の保管等によってクラッ
クや剥離を生じにくい、物理的な安定性に優れた無機の
表面保護層を有し、これまでよりも耐久性に優れた有機
の電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 導電性基体上に有機感光層と、無機の
表面保護層をこの順に積層した電子写真感光体であっ
て、上記有機感光層の、少なくとも表面保護層に接する
最表面部にカーボネート結合により重合されたアリール
アミン構造の繰り返し単位を有する重合体を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電式複写機、レーザープリンタ、普通
紙ファクシミリ装置などの画像形成装置に使用される電
子写真感光体としては、下記の各成分を組み合わせて形
成するいわゆる有機感光体が広く普及している。 ・光照射により電荷(正孔と電子)を発生する電荷発生
剤。 ・発生した電荷を輸送する電荷輸送剤(電荷輸送剤は、
電荷のうち正孔を輸送する正孔輸送剤と、電子を輸送す
る電子輸送剤に大別される)。 ・成膜性を有する結着樹脂。
【0003】有機感光体は、無機半導体材料を用いた無
機感光体に比べて製造が容易で、安価に製造できるとい
う利点がある。
【0004】また有機感光体は、上記電荷発生剤、電荷
輸送剤、結着樹脂などの材料の選択肢が多様であり、機
能設計の自由度が大きいという利点もある。
【0005】上記有機感光体は、導電性基体上に、単層
型もしくは積層型の感光層を形成することで構成され
る。
【0006】このうち単層型感光層は、電荷発生剤を、
電荷輸送剤(正孔輸送剤および/または電子輸送剤)と
ともに結着樹脂中に分散することで形成される。
【0007】また積層型感光層は、電荷発生剤を含有す
る電荷発生層と、電荷輸送剤(正孔輸送剤または電子輸
送剤)を含有する電荷輸送層とを積層することで形成さ
れる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】有機感光体は、上記の
ように様々な利点を有するものの、実使用環境下での感
光層の削れ、傷などが発生しやすく、無機感光体に比べ
て耐久性が十分でないという問題がある。
【0009】そこでこの問題を解決して、有機感光体の
耐久性を向上すべく、最表層に表面保護層を積層するこ
とが検討されている。
【0010】表面保護層の、広く一般に採用されている
例としては、有機感光層との密着性、親和性、積層状態
での一体性、成膜作業の一貫性などを考慮して、例えば
成膜性を有する結着樹脂の層や、あるいは上記結着樹脂
中に、金属酸化物等の導電性微粒子を分散させた層など
の有機の層が挙げられる。
【0011】しかしこの有機の層を表面保護層として使
用した電子写真感光体は、繰り返し使用時の残留電位上
昇や帯電性低下、環境(温度、湿度等)の変化による感
度特性の変動等が大きいという問題がある。
【0012】それゆえ近時、金属元素や炭素、あるいは
これら元素を含む無機の化合物等の、無機の材料からな
る、高硬度でかつ耐磨耗性に優れた無機の層を表面保護
層として、例えばスパッタリング法、プラズマCVD
法、光CVD法等の気相成長法などによって、有機感光
層上に積層、成膜することが検討されている。
【0013】この、表面保護層は有機感光層を保護し、
上記の問題点を解消するために用いられるものである。
すなわち、有機感光層上に無機の表面保護層を設けた感
光体は、有機感光層で電荷の発生や輸送などを受け持
ち、表面保護層で感光体の耐久性や耐環境性を受け持つ
という、それぞれの層の特性に応じた機能を有するので
ある。
【0014】しかしながら無機の表面保護層は、有機の
層に比べて有機感光層との間で十分な密着性を得ること
が難しい上、たとえ成膜方法や成膜条件の調整等によっ
て成膜初期の密着性を確保できたとしても、実使用環境
下や、あるいは長期の保管時等に感光体に加わる様々な
ストレスによってクラックが入ったり剥離したりしやす
いという問題がある。
【0015】すなわち、互いに異質の材料からなる有機
感光層と無機の表面保護層とは、有機の層同士、あるい
は無機の層同士のような緊密な密着性、親和性、一体性
が得られず、非常に弱い結合力でもって互いに結合され
ているだけであることが多い。
【0016】このため感光体が、例えば画像形成装置の
クリーニングブレードの圧接等による機械的ストレス
や、あるいは装置運転時の加熱と停止時の冷却の繰り返
し、もしくは保管時の温度変化等による熱的ストレスな
どを受けると、互いの硬度や柔軟性、膨張収縮特性等が
大きく異なることが原因となって、前記のように無機の
表面保護層にクラックが入ったり、表面保護層が有機感
光層から剥離したりするのである。
【0017】それゆえ従来の無機の表面保護層は、有機
感光層の耐久性を向上する効果が未だ十分でないため、
実用化されるに至っていないのが現状である。
【0018】本発明の目的は、実使用環境下や長期の保
管等によってクラックや剥離を生じにくい、物理的な安
定性に優れた無機の表面保護層を有し、これまでよりも
耐久性に優れた有機の電子写真感光体を提供することに
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するために、発明者らは、無機の表面保護層の
成膜過程について分析、検討を行った。
【0020】その結果、有機感光層の最表面部におけ
る、表面保護層の成膜初期の状態が、当該表面保護層
の、その後の物理的な安定性に大きく影響することを見
出した。
【0021】すなわち成膜初期の段階では、表面保護層
を構成する無機材料と、有機感光層の最表面部に露出し
た材料の一部とが何らかの形で結合して膜成長の核とな
り、この核を中心として無機材料の膜が成長して表面保
護層が形成され、また形成された表面保護層において
は、上記核の部分が、有機感光層との結合点として機能
して、両層間の密着性を確保する働きをする。
【0022】このため個々の結合点での、有機感光層と
無機材料との結合力の大小、並びに有機感光層と表面保
護層との界面における、結合点の、単位面積あたりの個
数、すなわち密度の高低が、表面保護層の、有機感光層
との密着性、ひいては表面保護層の物理的安定性に大き
く影響する。
【0023】具体的には、個々の結合点での、有機感光
層と無機材料との結合力が大きく、また両層の界面にお
ける上記結合点の密度が高いほど、表面保護層の、有機
感光層に対する密着性が向上して、その物理的安定性が
良好になる。
【0024】通常の有機感光層は、前記のように電荷発
生剤、電荷輸送剤等の低分子の機能性材料を、層を構成
する結着樹脂中に分散した構造を有している。
【0025】このため、上記結合点に関する知見に鑑み
れば、層自体を構成し、しかも層の大半を占める結着樹
脂が、膜成長の核として、表面保護層を構成する無機材
料と結合するのが理想的であると考えられる。
【0026】しかし実際には、分子自体の安定性や反応
性、あるいは反応部位の関係から、電荷発生剤、電荷輸
送剤等の、層中に分散した低分子の材料のうち、有機感
光層の最表面部に露出したものが膜成長の核として機能
して、表面保護層の成膜が進行することが多い。
【0027】すなわち電子写真感光体に通常に用いられ
る結着樹脂は、成膜中心となる反応部位を全く有しない
か、あるいは有していてもその数が極めて少ないため、
膜成長の核としては殆ど機能しえない。これに対し、電
荷発生剤、電荷輸送剤等の低分子の材料は、それぞれの
材料自体の機能(電荷発生能、電荷輸送能)を担う分子
構造が、成膜中心となる反応部位としても機能する場合
が多いため、通常の電子写真感光体では、上記電荷発生
剤、電荷輸送剤等の低分子の材料が膜成長の核として機
能して、表面保護層の成膜が進行する。
【0028】ところが低分子の材料は、総じて結着樹脂
に対する相溶性、親和性が小さく、いわゆるアンカー効
果(投錨効果)によって、表面保護層を、有機感光層と
強固に結合する効果が十分でない場合が多い。
【0029】また通常の低分子の材料は、表面保護層の
成膜時に、有機感光層の表面が、熱的、電気的に加速さ
れた原子やイオン、プラズマ、光、熱などに曝されるこ
とによって分解したり変質したりしやすい。
【0030】そして表面保護層の成膜時に、有機感光層
の表面でかかる分解や変質が生じると、低分子の材料と
無機材料との反応による核の生成や、当該核を中心とし
た膜成長の進行などが阻害されるおそれがある。
【0031】したがってこのいずれの場合にも、形成さ
れる表面保護層は、有機感光層との間に緊密な密着性、
親和性、一体性が得られず、非常に弱い結合力でもって
有機感光層と結合されているだけのものとなって、機械
的ストレスや熱的ストレスを受けた際に簡単にクラック
が入ったり、有機感光層から剥離したりする。
【0032】また上記のように低分子の材料が分解、変
質した際に、電荷のトラップが生成されるようなことが
あると、感光体の感度低下を引き起こすおそれもある。
【0033】このように、従来の感光層上に単に硬度の
大きい材料を積層するだけで、良好な画像形成ができる
感光体を、簡単に作製できるのではないことを見出し
た。また、上記のような条件で作製された感光体は、有
機感光層の電気的特性をそのまま維持しつつ、表面保護
層による耐久性、耐環境性を向上させることが可能にな
る。
【0034】そこで発明者らは、これらの事実を考慮し
て、結着樹脂として機能しうる種々の高分子材料につい
て検討を行った。
【0035】その結果、カーボネート結合により重合さ
れたアリールアミン構造単位により構成された有機の重
合体であって、それ自体が正孔輸送性を有するため正孔
輸送剤を兼ねる結着樹脂として使用可能であり、また他
の結着樹脂と組み合わせて正孔輸送剤としても使用可能
なポリアリールアミンが、前記の目的を達成するために
好適であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0036】すなわち本発明の電子写真感光体は、導電
性基体上に有機感光層と、無機の表面保護層をこの順に
積層した電子写真感光体であって、上記有機感光層の、
少なくとも表面保護層に接する最表面部にカーボネート
結合により重合されたアリールアミン構造の繰り返し単
位を有する重合体(以下、ポリアリールアミンと記述す
る。)を含有することを特徴としている。
【0037】当該ポリアリールアミンは、その主鎖を構
成するアリールアミン構造中にπ電子共役系が広がって
おり、それによって前記のように正孔輸送能を有してい
るだけでなく、今般、発明者らが検討したところによる
と、上記の状態を呈するがために、成膜初期の段階で、
表面保護層を構成する無機材料のうち特に金属元素や炭
素等を引きつける機能を有しており、無機材料との反応
性が高い。
【0038】また上記の機能により、有機感光層の最表
面部に露出したポリアリールアミンが無機材料と結合し
て膜成長の核となる率が高いため、両層の界面における
結合点の密度が高い。
【0039】しかもポリアリールアミンは、従来の低分
子の材料に比べて巨大な高分子であり、その主鎖を構成
する多数のアリールアミン構造が、上記のように表面保
護層を構成する無機材料との結合点として機能するた
め、有機感光層と表面保護層との界面における結合点の
密度を高くすることができる。
【0040】特にポリアリールアミンを、前記のように
有機感光層自体を構成し、層の大半を占める、正孔輸送
剤を兼ねる結着樹脂として使用した場合には、結合点の
密度を著しく高めることが可能となる。
【0041】またそれによって膜成長の速度も速くなる
ため、有機感光層が、気相成長法などによる表面保護層
の成膜時に、前記のように熱的、電気的に加速された原
子やイオン、プラズマ、光、熱等、その中でも特にプラ
ズマの励起光や活性イオン種などに曝されることによっ
て受けるダメージを極力減らすこともできる。
【0042】しかもポリアリールアミンは、前記のよう
に高分子であって分子的に強く、上記の雰囲気に曝され
ても分解したり、変質したりしないため、前述した無機
化合物との結合を維持することができる。
【0043】したがってこの結合による核の生成や、当
該核を中心とした膜成長の進行などが阻害されることも
ない。
【0044】またポリアリールアミンを、前記のように
有機感光層自体を構成する、正孔輸送剤を兼ねる結着樹
脂として使用した場合には、これまでにない高いアンカ
ー効果が得られる。
【0045】一方、ポリアリールアミンを正孔輸送剤と
して、他の結着樹脂に分散させた場合でも、ポリアリー
ルアミンは前記のように巨大な高分子であるため、結着
樹脂に対して十分なアンカー効果を発揮することができ
る。
【0046】特に結着樹脂として、ポリアリールアミン
との相溶性に優れたものを組み合わせると、それぞれの
高分子の、主鎖同士の絡み合いによってさらに高いアン
カー効果を発揮できる。
【0047】したがって本発明によれば、無機の表面保
護層の、有機感光層に対する密着性を向上して、当該表
面保護層の物理的安定性を改善できるため、実使用環境
下や長期の保管等によるクラックや剥離の発生を防止し
て、これまでよりも耐久性に優れた電子写真感光体を得
ることが可能となる。
【0048】またポリアリールアミンは、それ自体の正
孔輸送能が高い上、前記のように金属元素や炭素等と結
合して分子構造が変化した状態でも、深い電荷のトラッ
プを生成することがなく、しかも上記の結合は有機感光
層の最表面部に露出したポリアリールアミンのごく一部
のみで発生し、有機感光層内部の大多数のポリアリール
アミンは、元の、正孔輸送能に優れた状態を維持してい
るため、感光体の感度低下を引き起こすおそれがない。
【0049】またポリアリールアミンが分解、変質して
深い電荷のトラップを生成することもない。
【0050】したがって本発明の電子写真感光体は、感
度特性にも優れたものとなる。
【0051】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。 〈ポリアリールアミン〉本発明の電子写真感光体におい
て、有機感光層の、少なくとも表面保護層に接する最表
面部に含有されるポリアリールアミンは、カーボネート
結合により重合されたアリールアミン構造の繰り返し単
位を有するものである。
【0052】特に、この繰り返し単位として、式
(1):
【0053】
【化4】
【0054】〔式中、R1〜R3は、同一または異なって
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはアリール基を示す。aおよびcは同一または異なっ
て1〜4の整数を示し、bは1〜5の整数を示す。〕、
式(2):
【0055】
【化5】
【0056】〔式中、R4〜R8は、同一または異なって
水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはアリール基を示す。d、fおよびgは同一または異
なって1〜4の整数を示し、eおよびhは1〜5の整数
を示す。〕、式(3):
【0057】
【化6】
【0058】〔式中、R9〜R14は、同一または異なっ
て水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基
またはアリール基を示す。j、k、mおよびpは同一ま
たは異なって1〜4の整数を示し、iおよびnは1〜5
の整数を示す。〕で表される少なくとも1種を有する重
合体が好適に用いられる。
【0059】すなわちポリアリールアミンとしては、カ
ーボネート結合により重合されたアリールアミン構造、
特に上記式(1)、式(2)または式(3)で表される
構造の1種の繰り返し単位単独で構成されたホモポリマ
ーが挙げられる他、主鎖構造や基R1〜R14の組み合わ
せが異なる2種以上の繰り返し単位で構成されたコポリ
マー、ターポリマーを使用することもできる。またコポ
リマー、ターポリマー中で、種類の異なる繰り返し単位
はランダムに配置されても良いし、ブロック状に配置さ
れても良い。
【0060】式(1)〜式(3)中の基R1〜R14に相
当するアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ルなどの、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0061】また基R1〜R14に相当するアルコキシ基
としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s
ec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシなどの、炭素数1〜6のアルコキシ
基が挙げられる。
【0062】アリール基としては、例えばフェニル、ト
リル、キシリル、ビフェニリル、o−テルフェニル、ナ
フチル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられ
る。
【0063】基R1〜R14に相当するアルキル基、アル
コキシ基、アリール基は置換基を有していても良く、具
体的にはヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル
基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノ
アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシカル
ボニルアルキル基、カルボキシアルキル基、アルカノイ
ルオキシアルキル基、アミノアルキル基、ハロゲン原
子、アミノ基、ヒドロキシ基、エステル化されていても
よいカルボキシル基、シアノ基などの他、前述と同様の
炭素数1〜6の置換基を有してもよいアルキル基や炭素
数1〜6の置換基を有してもよいアルコキシ基などがあ
げられる。なお、これらの置換基の置換位置については
特に限定されない。
【0064】さらに基R1〜R14に相当するハロゲン原
子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げら
れる。
【0065】ポリアリールアミンの分子量は特に限定さ
れないが、前述したようにポリアリールアミンを、正孔
輸送剤を兼ねる結着樹脂として、膜を形成するために使
用する場合の分子量は、数平均分子量で表して1000
〜200万程度、その中でも5000〜60万程度、特
に1万〜3万程度であるのが好ましい。
【0066】ポリアリールアミンの数平均分子量が20
0万を超えた場合には溶融粘度が高くなりすぎて、塗工
液の塗工性が悪くなるおそれがあり、逆に1000未満
では、乾燥後に実用的な膜強度が得られないおそれがあ
る。
【0067】なおポリアリールアミンを正孔輸送剤とし
てのみ機能させて、他の結着樹脂中に分散させて使用す
る場合の分子量は、この限りでない。すなわち上記範囲
より分子量の小さいものや大きいものを使用することも
できる。
【0068】このようなポリアリールアミンの具体例と
しては、これに限定されないが、下記式(1)として例
えば下記式(1−1)、(1−2)で表される少なくと
も1種の繰り返し単位を有する化合物等が挙げられる。
【0069】
【化7】
【0070】また、下記式(2)として例えば下記式
(2−1)〜(2−4)で表される少なくとも1種の繰
り返し単位を有する化合物等が挙げられる。
【0071】
【化8】
【0072】また、下記式(3)として例えば下記式
(3−1)、(3−2)で表される少なくとも1種の繰
り返し単位を有する化合物等が挙げられる。
【0073】
【化9】
【0074】以上の繰り返し単位は、それぞれ1種単独
で使用しても良いし、2種以上を併用しても良く、カー
ボネート結合を有する他の構造単位と共重合しても良
い。
【0075】上記の共重合しても良い他の構造単位の具
体例としては、例えば下記式(4)〜(7)で表される
ものが挙げられる。
【0076】
【化10】
【0077】なお、アリールアミン構造単位と上記他の
構造単位とのモノマー比率(モル比)は、アリールアミ
ン構造単位:他の構造単位=5:5〜10:0であるこ
とが好ましい。 〈有機感光層〉有機感光層には、前述したように単層型
感光層と積層型感光層とがあるが、本発明には、このい
ずれのものも適用可能である。
【0078】このうち単層型感光層は、上記ポリアリー
ルアミンを、前述のように正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂
として使用する場合と、正孔輸送剤として、他の結着樹
脂と組み合わせて使用する場合とに分けられる。すなわ
ち単層型感光層は、(i)正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂
としてのポリアリールアミンと、電荷発生剤とを、適当
な有機溶媒に溶解または分散させた塗工液を、塗布など
の手段によって導電性基材上に塗布して乾燥させるか、
もしくは(ii)正孔輸送剤としてのポリアリールアミン
と、他の結着樹脂と、電荷発生剤とを、同様に適当な有
機溶媒に溶解または分散させた塗工液を、塗布などの手
段によって導電性基材上に塗布して乾燥させることで形
成される。
【0079】以上に述べた単層型感光層は、層構成が簡
単で生産性に優れている。
【0080】なお上記(i)の単層型感光層には、ポリ
アリールアミン以外の他の正孔輸送剤や、他の結着樹脂
を少量、加えてもよい。また(ii)の単層型感光層には
他の正孔輸送剤を少量、加えても良い。
【0081】さらに上記(i)(ii)の単層型感光層に
はともに電子輸送剤を含有させても良く、両極性の電荷
輸送剤を併用した感光層は、単独の構成で正負いずれの
帯電にも対応できるという利点がある。
【0082】一方、積層型感光層は、まず導電性基体上
に、塗布または蒸着などの手段によって、電荷発生剤を
含有する電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層上
に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗工液を、塗布など
の手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成す
るか、もしくは上記と逆に、導電性基体上に電荷輸送層
を形成し、その上に電荷発生層を形成することで構成さ
れる。
【0083】また上記のうち電荷発生層には、電荷輸送
層と逆極性の電荷輸送剤を含有させることができる。
【0084】積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸
送層の形成順序と、両層に含有させる電荷輸送剤の極性
によって種々の組み合わせが考えられるが、本発明にお
いては、上記のうち表面保護層と接する最表面部に位置
する上側の層が、正孔輸送剤として機能する、ポリアリ
ールアミンを含有している必要がある。
【0085】したがって積層型感光層の具体例として
は、(iii)導電性基体上に、電荷発生剤と、必要に応
じて電子輸送剤とを含有する電荷発生層を形成し、その
上に、正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂としてのポリアリー
ルアミンからなる電荷輸送層を積層した負帯電型の積層
型感光層、(iv)導電性基体上に、上記と同じ電荷発生
層を形成し、その上に、正孔輸送剤としてのポリアリー
ルアミンと、他の結着樹脂とを含有する電荷輸送層を積
層した負帯電型の積層型感光層、(v)導電性基体上
に、電子輸送剤を含有する電荷輸送層を形成し、その上
に、正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂としてのポリアリール
アミンと、電荷発生剤とを含有する電荷発生層を積層し
た負帯電型の積層型感光層(vi)導電性基体上に、上記
と同じ電荷輸送層を形成し、その上に、正孔輸送剤とし
てのポリアリールアミンと、他の結着樹脂と、電荷発生
剤とを含有する電荷発生層を積層した負帯電型の積層型
感光層が挙げられる。
【0086】上記のうち(iii)の積層型感光層のうち
電荷輸送層、および(v)の積層型感光層のうち電荷発
生層にはそれぞれ、必要に応じて他の結着樹脂や他の正
孔輸送剤を少量、含有させても良い。また(iv)の積層
型感光層のうち電荷輸送層、および(vi)の積層型感光
層のうち電荷発生層にはそれぞれ、必要に応じて他の正
孔輸送剤を少量、含有させても良い。
【0087】但し電荷発生層は、電荷輸送層に比べて膜
厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基体上
に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した
上記(a)の構成がさらに好ましい。
【0088】上記単層型もしくは積層型感光層に使用さ
れる電荷発生剤としては、例えばセレン、セレン−テル
ル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、α−シリコンなど
の無機光導電材料の粉末、式(CG−1):
【0089】
【化11】
【0090】で表される無金属フタロシアニン、式(C
G−2):
【0091】
【化12】
【0092】で表されるチタニルフタロシアニン等のフ
タロシアニン化合物の、種々の結晶型を有する結晶から
なるフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ビスアゾ系顔
料、ペリレン系顔料、アンサンスロン系顔料、インジゴ
系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、ト
ルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔
料、ジチオケトピロロピロール系顔料などの、従来公知
の種々の顔料が挙げられる。
【0093】電荷発生剤は、感光層が所望の波長域に感
度を有するように、それぞれ1種単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0094】特に半導体レーザー等の赤外光を利用し
た、レーザービームプリンタや普通紙ファクシミリ装置
等のデジタル光学系の画像形成装置には、700nm以
上の波長領域に感度を有する感光体が必要となるため、
電荷発生剤として、前記例示のうちフタロシアニン系顔
料が好適に使用される。
【0095】また電子輸送剤としては、従来公知の種々
の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。
【0096】特にベンゾキノン系化合物、ジフェノキノ
ン系化合物〔例えば式(ET−1):
【0097】
【化13】
【0098】で表される2,6−ジメチル−2’,6’
−t−ブチルベンゾキノンなど〕、ナフトキノン系化合
物、マロノニトリル、チオピラン系化合物、テトラシア
ノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、
フルオレノン系化合物〔例えば2,4,7−トリニトロ
−9−フルオレノンなど〕、ジニトロベンゼン、ジニト
ロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラ
キノン、無水こはく酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水
マレイン酸、2,4,7−トリニトロフルオレノンイミ
ン系化合物、エチル化ニトロフルオレノンイミン系化合
物、トリプトアントリン系化合物、トリプトアントリン
イミン系化合物、アザフルオレノン系化合物、ジニトロ
ピリドキナゾリン系化合物、チオキサンテン系化合物、
2−フェニル−1,4−ベンゾキノン系化合物、2−フ
ェニル−1,4−ナフトキノン系化合物、5,12−ナ
フタセンキノン系化合物、α−シアノスチルベン系化合
物、4′−ニトロスチルベン系化合物、ならびに、ベン
ゾキノン系化合物の陰イオンラジカルとカチオンとの塩
などの電子吸引性化合物が好適に使用される。
【0099】これらはそれぞれ単独で使用される他、2
種以上を併用することもできる。
【0100】本発明においては、正孔輸送剤であるポリ
アリールアミンとともに、他の正孔輸送剤を併用しても
良い。
【0101】当該他の正孔輸送剤としては、従来公知の
種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。
【0102】特にスチルベン系化合物、ベンジジン系化
合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミ
ン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキ
サジアゾール系化合物〔例えば2,5−ジ(4−メチル
アミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールな
ど〕、スチリル系化合物〔例えば9−(4−ジエチルア
ミノスチリル)アントラセンなど〕、カルバゾール系化
合物〔例えば式(HT−1):
【0103】
【化14】
【0104】で表される繰り返し単位を有するポリ−N
−ビニルカルバゾールなど〕、式(HT−2):
【0105】
【化15】
【0106】〔式中、Ra、Rbは同一または異なって、
アルキル基、アルコキシ基、アリール基、またはアラル
キル基を示す。〕で表される繰り返し単位を有する有機
ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物〔例えば1−フ
ェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリ
ンなど〕、ヒドラゾン系化合物〔例えば式(HT−
3):
【0107】
【化16】
【0108】で表されるジエチルアミノベンズアルデヒ
ドジフェニルヒドラゾンなど〕、トリフェニルアミン系
化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、
イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チア
ジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾー
ル系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合
物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合
物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒ
ドラゾン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、
およびジフェニレンジアミン系化合物などが好適に使用
される。
【0109】これらはそれぞれ単独で使用される他、2
種以上を併用することもできる。
【0110】結着樹脂としては、例えばスチレン系重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド
樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹
脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂そ
の他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレ
ート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂など
があげられる。
【0111】これらはそれぞれ単独で使用できるほか、
2種以上を併用することもできる。
【0112】また、前記例示の正孔輸送剤うち、ポリ−
N−ビニルカルバゾールや有機ポリシラン化合物等の高
分子の正孔輸送剤を、ポリアリールアミンと併用する場
合は、当該化合物を結着樹脂としても機能させて、上記
例示の通常の結着樹脂を省略することもできる。
【0113】感光層には、上記各成分の他に、例えばフ
ルオレン系化合物、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性
剤、レベリング剤などの種々の添加剤を添加することも
できる。また感光体の感度を向上させるために、例えば
ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレンな
どの増感剤を添加してもよい。
【0114】前記(i)の単層型感光層においては正孔
輸送剤を兼ねる結着樹脂としてのポリアリールアミン1
00重量部に対して、電荷発生剤を0.1〜50重量
部、特に0.5〜30重量部の割合で含有させるのが好
ましい。
【0115】また他の結着樹脂を併用する場合、当該他
の結着樹脂は、前述したポリアリールアミンの効果を妨
げない範囲で少量、含有させるのが好ましい。具体的に
は他の結着樹脂を、ポリアリールアミン100重量部に
対して30重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
【0116】また他の正孔輸送剤を併用する場合にも、
やはり当該他の正孔輸送剤は、前述したポリアリールア
ミンの効果を妨げない範囲で少量、含有させるのが好ま
しい。具体的には他の正孔輸送剤を、ポリゲルマン化合
物100重量部に対して30重量部以下の割合で配合す
るのが好ましい。
【0117】また(ii)の単層型感光層においては、他の
結着樹脂100重量部に対して、電荷発生剤を0.1〜
50重量部、特に0.5〜30重量部の割合で、また正
孔輸送剤を5〜500重量部、特に25〜200重量部
の割合で、それぞれ含有させるのが好ましい。
【0118】このうち正孔輸送剤の含有割合は、ポリア
リールアミンを単独で用いる場合は、当該ポリアリール
アミンの含有割合であり、ポリアリールアミンと他の正
孔輸送剤とを併用する場合は、両者の合計の含有割合で
ある。
【0119】またポリアリールアミンと他の正孔輸送剤
とを併用する場合、当該他の正孔輸送剤は、前述したポ
リアリールアミンの効果を妨げない範囲で少量、含有さ
せるのが好ましい。具体的には他の正孔輸送剤を、ポリ
アリールアミン100重量部に対して30重量部以下の
割合で配合するのが好ましい。
【0120】また前記(i)(ii)のいずれにおいて
も、電子輸送剤を併用する場合は、結着樹脂100重量
部に対して、当該電子輸送剤を5〜100重量部、特に
10〜80重量部の割合で含有させるのが好ましい。
【0121】単層型感光層の厚みは5〜100μm、特
に10〜50μm程度が好ましい。
【0122】前記(iii)(iV)の積層型感光層のうち
電荷発生層は、電荷発生剤単独で形成される場合と、結
着樹脂中に、電荷発生剤と、前記のように必要に応じて
電子輸送剤とを分散させて形成される場合とがあり、こ
のうち後者の構成では、結着樹脂100重量部に対し
て、電荷発生剤を5〜1000重量部、特に30〜50
0重量部の割合で、また電子輸送剤を1〜200重量
部、特に5〜100重量部の割合で、それぞれ含有させ
るのが好ましい。
【0123】また(iii)の積層型感光層のうち電荷輸
送層は、前記のように正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂とし
てのポリアリールアミン単独で形成する場合と、そこへ
さらに他の結着樹脂や正孔輸送剤を併用する場合とが考
えられ、層構成の簡略化等を考慮すると前者が好ましい
が、後者の態様も実施可能である。
【0124】但し他の結着樹脂を併用する場合、当該他
の結着樹脂は、前述したポリアリールアミンの効果を妨
げない範囲で少量、含有させるのが好ましい。具体的に
は他の結着樹脂を、ポリアリールアミン100重量部に
対して30重量部以下の割合で配合するのが好ましい。
【0125】また他の正孔輸送剤を併用する場合にも、
やはり当該他の正孔輸送剤は、前述したポリアリールア
ミンの効果を妨げない範囲で少量、含有させるのが好ま
しい。具体的には他の正孔輸送剤を、ポリアリールアミ
ン100重量部に対して30重量部以下の割合で配合す
るのが好ましい。
【0126】前記(iv)の積層型感光層のうち電荷輸送
層においては、結着樹脂100重量部に対して、正孔輸
送剤を10〜500重量部、特に25〜200重量部の
割合で含有させるのが好ましい。
【0127】正孔輸送剤の含有割合は、先の、単層型感
光層の場合と同様に、ポリアリールアミンを単独で用い
る場合は、当該ポリアリールアミンの含有割合であり、
ポリアリールアミンと他の正孔輸送剤とを併用する場合
は、両者の合計の含有割合である。
【0128】またポリアリールアミンと他の正孔輸送剤
とを併用する場合、当該他の正孔輸送剤は、前述したポ
リアリールアミンの効果を妨げない範囲で少量、含有さ
せるのが好ましい。具体的には他の正孔輸送剤を、ポリ
アリールアミン100重量部に対して30重量部以下の
割合で配合するのが好ましい。
【0129】積層型感光層の厚みは、電荷発生層が0.
01〜5μm、特に0.1〜3μm程度、電荷輸送層が
2〜100μm、特に5〜50μm程度が好ましい。
【0130】上記単層型、または積層型の有機感光層と
導電性基体との間や、あるいは積層型感光層を構成する
電荷発生層と電荷輸送層との間には、感光体の特性を阻
害しない範囲で中間層、バリア層を形成しても良い。
【0131】感光体を構成する各層を、塗布の方法によ
り形成する場合には、前記例示の電荷発生剤、電荷輸送
剤、結着樹脂などを、前述したテトラヒドロフランなど
の有機溶媒とともに、公知の方法、例えば、ロールミ
ル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカーある
いは超音波分散器などを用いて分散混合して塗工液を調
整し、これを公知の手段により塗布、乾燥すればよい。
【0132】塗工液を作るための有機溶媒としては、例
えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノールなどのアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、
シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなど
のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、
酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホ
ルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドなどの1種または2種以上があげられる。
【0133】さらに、電荷輸送剤や電荷発生剤の分散
性、感光層表面の平滑性をよくするため、塗工液には界
面活性剤、レベリング剤などを添加してもよい。 〈表面保護層〉上記有機感光層の上に積層、形成される
無機の表面保護層としては金属元素〔長周期型周期表の
うちホウ素(B)とアスタチン(At)とを結ぶ線より
左側にある元素〕、および炭素からなる群より選ばれた
少なくとも1種の元素、またはこれらの元素を含む無機
の化合物からなる、従来公知の種々の表面保護層が挙げ
られる。
【0134】この表面保護層は、例えばプラズマCVD
法、光CVD法等の化学蒸着法、スパッタリング法、真
空蒸着法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法な
ど、従来公知の種々の気相成長法によって形成すること
ができる。
【0135】このうちプラズマCVD法等の化学蒸着法
では、(1)14族元素のうち炭素(C)および/また
はケイ素(Si)からなる膜、すなわち炭素(C)の
膜、ケイ素(Si)の膜、またはケイ素−炭素(Si
C)複合膜、(2)上記炭素(C)および/またはケイ
素(Si)と、13族元素のうちホウ素(B)、アルミ
ニウム(Al)、15族元素のうち窒素(N)、リン
(P)、16族元素のうち酸素(O)、イオウ(S)、
17族元素のうちフッ素(F)、塩素(Cl)、および
臭素(Br)からなる群より選ばれた少なくとも1種の
元素との化合物からなる膜、例えばケイ素−窒素(Si
N)複合膜、ケイ素−酸素(SiO)複合膜、炭素−フ
ッ素(CF)複合膜、炭素−窒素(CN)複合膜、炭素
−ホウ素(CB)複合膜、炭素−酸素(CO)複合膜
等、(3)13族元素のうちホウ素(B)および/また
はアルミニウム(Al)と、上述した窒素(N)、リン
(P)、酸素(O)、イオウ(S)、フッ素(F)、塩
素(Cl)、および臭素(Br)からなる群より選ばれ
ら少なくとも1種の元素との化合物からなる膜、例えば
ホウ素−窒素(BN)複合膜、アルミニウム−窒素(A
lN)複合膜等、が形成される。
【0136】またこれらの膜には、表面保護層の電気的
特性を向上するために、微量の水素(H)を含有させる
こともできる。
【0137】化学蒸着法において、表面保護層の構成元
素を導入するために使用できる原料ガスとしては、各構
成元素の分子、酸化物、水素化物、窒化物、ハロゲン化
物等の、常温常圧下でガス状を呈するか、もしくは成膜
条件下で容易にガス化しうる化合物があげられる。また
必要に応じてこれらの化合物を、水素ガス(H2)、ヘ
リウムガス、アルゴンガス、ネオンガス等のガスによっ
て希釈しても良い。
【0138】原料ガスの具体例としては、例えばケイ素
導入用としてシランガス(SiH4)、ジシランガス(S
26)、炭素導入用としてメタンガス(CH4)、エ
タンガス(C26)、プロパンガス(C38)、エチレ
ンガス(C24)、フッ素導入用としてフッ素ガス(F
2)、一フッ化臭素ガス(BrF)、二フッ化塩素ガス
(ClF2)、四フッ化炭素ガス(CF4)、四フッ化ケ
イ素ガス(SiF4)、窒素導入用として窒素ガス
(N2)、アンモニアガス(NH3)、窒素酸化物ガス
(NOX)、ホウ素導入用として水素化ホウ素ガス〔ジ
ボランガス(B26)、テトラボランガス(B410
等〕などがそれぞれ挙げられる。
【0139】その他の構成元素についても同様であっ
て、常温常圧下でガス状を呈するか、もしくは膜形成条
件下で容易にガス化しうる化合物があげられる。
【0140】また物理蒸着法、特にスパッタリング法や
イオンプレーティング法では、前記各膜に加えて、例え
ば13族であればガリウム(Ga)、インジウム(I
n)等、14族であればゲルマニウム(Ge)、スズ
(Sn)、鉛(Pb)、15族であればヒ素(As)、
アンチモン(Sb)等、16族であればセレン(Se)
等を含む各種金属元素の1種または2種以上からなる膜
や、あるいは上記金属元素を含む無機の化合物からなる
膜を形成することができる。
【0141】このうち無機の表面保護層として好適な膜
としては、例えば炭素(C)の膜やケイ素−炭素(Si
C)複合膜などが挙げられる。
【0142】無機の表面保護層の厚みは0.01〜30
μm、特に0.1〜10μm程度が好ましい。
【0143】表面保護層を形成する無機の膜は非晶質、
マイクロクリスタル、および結晶のいずれの形態の膜で
あっても良く、非晶質と結晶とが混在した膜であっても
良い。 〈導電性基体〉上記各層が形成される導電性基体として
は、導電性を有する種々の材料を使用することができ
る。例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バ
ナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、
ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真
鍮などの金属にて形成された導電性基体や、上記金属が
蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる
基体、あるいはヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化イ
ンジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示さ
れる。
【0144】要するに基体自体が導電性を有するか、あ
るいは基体の表面が導電性を有していればよい。また、
導電性基体は、使用に際して、充分な機械的強度を有す
るものが好ましい。
【0145】導電性基体の形状は使用する画像形成装置
の構造に合わせて、シート状、ドラム状などのいずれで
あってもよい。
【0146】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 [実施例1] 〈単層型感光層の形成〉電荷発生剤としての、前記式
(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン結晶
5重量部と、正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂としての、前
記式(1−1)で表されるアリールアミン構造単位と前
記式(5)で表される他の構造単位との共重合体〔数平
均分子量16000、モノマー比率(モル比)式(1−
1):式(5)=6:4〕100重量部と、電子輸送剤
としての、前記式(ET−1)で表される2,6−ジメ
チル−2’,6’−t−ブチルベンゾキノン40重量部
とを、トルエン800重量部とともにボールミルを用い
て50時間、混合、分散させて単層型感光層用の塗工液
を作製した。
【0147】次いでこの塗工液を、導電性基材であるア
ルミニウム素管上に、ディップコート法によって塗布
し、100℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚25μ
mの単層型感光層を形成した。 〈表面保護層の形成〉上記のようにして単層型感光層が
形成されたアルミニウム素管をプラズマCVD装置のチ
ャンバ内にセットしたのち、到達真空度0.67Paま
で真空引きするとともに、装置のヒータを使用して素管
の温度を50℃に調整した。
【0148】次いでチャンバ内に、メタンガス(C
4)、シランガス(SiH4)および水素ガス(H2
を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47h
Paに調整した。
【0149】メタンガス:208SCCM シランガス:2.5SCCM 水素ガス:300SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力133Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.2μm/hrの成膜速度で、非晶質のケイ
素−炭素(SiC)複合膜からなる、厚み0.5μmの
表面保護層を成膜して、実施例1の電子写真感光体を製
造した。 [実施例2、3]正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂として、
実施例2は前記式(2−2)で表されるアリールアミン
構造単位と前記式(6)で表される他の構造単位との共
重合体〔数平均分子量17000、モノマー比率(モル
比)式(2−2):式(6)=6:4〕100重量部
を、また実施例3は前記式(3−1)で表されるアリー
ルアミン構造単位と前記式(7)で表される他の構造単
位との共重合体〔数平均分子量15500、モノマー比
率(モル比)式(3−1):式(7)=6:4〕100
重量部を、それぞれ使用したこと以外は実施例1と同様
にして、実施例2、3の電子写真感光体を製造した。 [比較例1]正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂として、前記
式(HT−1)で表される繰り返し単位を有するポリビ
ニルカルバゾール(数平均分子量Mn=9500)10
0重量部を使用したこと以外は実施例1と同様にして、
比較例1の電子写真感光体を製造した。 [比較例2]正孔輸送剤として、前記式(HT−2)で
表されるジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒ
ドラゾン80重量部を使用するとともに、結着樹脂とし
てZ型ポリカーボネート(重量平均分子量Mw=200
00)100重量部を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、比較例1の電子写真感光体を製造した。 〈感度特性試験(1)〉上記各実施例、比較例の電子写
真感光体を、ジェンテック社製のドラム感度試験機を用
いて、+800±20Vに帯電させた状態で、表面電位
o(V)を測定した。
【0150】次いで試験機の露光光源であるハロゲンラ
ンプの白色光から、バンドパスフィルタを用いて波長7
80nm、半値幅20nmに単色化した光強度10μW
/cm2の単色光を、上記電子写真感光体の表面に1.
0秒間、照射した際に、上記表面電位Vo(V)が1/
2になるのに要した時間を測定して、半減露光量E1/2
(μJ/cm2)を求めた。また露光開始から0.5
秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr(V)
として測定した。 〈耐久性試験(1)〉各実施例、比較例の電子写真感光
体を静電式複写機〔京セラミタ(株)製の商品名Crea
ge7350〕に搭載して連続10万枚の複写を行い、
途中1万枚、2万枚、5万枚の複写後と、10万枚の複
写後にそれぞれ表面保護層を目視にて観察して、下記の
基準で、電子写真感光体の耐久性を評価した。
【0151】 ○:表面保護層に、クラックや剥離などは全く見られ
ず、感光体の耐久性は良好であった。
【0152】 △:表面保護層は剥離していなかったが、その全面にク
ラックが入っており、感光体の耐久性はやや不良であっ
た。
【0153】 ×:表面保護層が剥離しており、感光体の耐久性は不良
であった。
【0154】以上の結果を表1に示す。
【0155】
【表1】
【0156】表より、ポリアリールアミンに代えてポリ
ビニルカルバゾールを使用した比較例1の感光体は連続
3万枚複写後に、およびジエチルアミノベンズアルデヒ
ドジフェニルヒドラゾンを使用した比較例2の感光体は
連続2万枚の複写後に、表面保護層が剥離しているのが
確認され、このことからこれらの化合物では、無機の表
面保護層の物理的な安定性を向上する効果が得られない
ことが判った。
【0157】また両比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0158】これに対し、実施例1〜3の感光体はいず
れも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラック
や剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表面
保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感
光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0159】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例4〜6、比較例3、4]単層型感光層の表面
に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程によ
り、非晶質の炭素(C)からなる厚み0.5μmの表面
保護層を成膜したこと以外は実施例1〜3、比較例1、
2と同様にして、それぞれ実施例4〜6、比較例3、4
の電子写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0160】次いでチャンバ内に、メタンガス(C
4)と水素ガス(H2)とを、それぞれ下記の流量で供
給して真空度を0.47hPaに調整した。
【0161】メタンガス:300SCCM 水素ガス:300SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力200Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.15μm/hrの成膜速度で、非晶質の炭
素(C)からなり、前記厚みを有する表面保護層を成膜
した。
【0162】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記と同じ感度特性試験(1)、および耐久性
試験(1)を行って、その特性を評価した。結果を表2
に示す。
【0163】
【表2】
【0164】表より、表面保護層の種類を違えても、下
地である単層型感光層の構成に基づいて、前記と同じ結
果が得られることが確認された。
【0165】すなわちポリアリールアミンに代えてポリ
ビニルカルバゾールを使用した比較例3の感光体、およ
びジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾ
ンを使用した比較例4の感光体はいずれも、連続2万枚
の複写後に既に、表面保護層の全体にクラックが入って
おり、連続3万枚の複写後に、表面保護層が剥離してい
るのが確認された。そしてこのことから、これらの化合
物では、無機の表面保護層の物理的な安定性を向上する
効果が得られないことが判った。
【0166】また両比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0167】これに対し、実施例4〜6の感光体はいず
れも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラック
や剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表面
保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感
光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0168】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例7、比較例5]単層型感光層の表面に、前記ケ
イ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、非晶質
のケイ素−窒素(SiN)複合膜からなる厚み0.5μ
mの表面保護層を成膜したこと以外は実施例3、比較例
2と同様にして、それぞれ実施例7、比較例5の電子写
真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0169】次いでチャンバ内に、シランガス(SiH
4)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、それ
ぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに調
整した。
【0170】シランガス:15SCCM 窒素ガス:150SCCM 水素ガス:75SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.75μm/hrの成膜速度で、ケイ素−窒
素(SiN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保
護層を成膜した。 [実施例8、比較例6]単層型感光層の表面に、前記ケ
イ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、非晶質
の炭素−窒素(CN)複合膜からなる厚み0.5μmの
表面保護層を成膜したこと以外は実施例3、比較例2と
同様にして、それぞれ実施例8、比較例6の電子写真感
光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0171】次いでチャンバ内に、メタンガス(C
4)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、そ
れぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに
調整した。
【0172】メタンガス:100SCCM 窒素ガス:150SCCM 水素ガス:100SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−窒素
(CN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護層
を成膜した。 [実施例9、比較例7]単層型感光層の表面に、前記ケ
イ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、非晶質
の炭素−ホウ素(CB)複合膜からなる厚み0.5μm
の表面保護層を成膜したこと以外は実施例3、比較例2
と同様にして、それぞれ実施例9、比較例7の電子写真
感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0173】次いでチャンバ内に、メタンガス(C
4)、ジボランガス(B26)および水素ガス(H2
を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47h
Paに調整した。
【0174】メタンガス:100SCCM ジボランガス:200SCCM 水素ガス:100SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−ホウ
素(CB)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。 [実施例10、比較例8]単層型感光層の表面に、前記
ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、非晶
質の炭素−フッ素(CF)複合膜からなる厚み0.5μ
mの表面保護層を成膜したこと以外は実施例3、比較例
2と同様にして、それぞれ実施例10、比較例8の電子
写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0175】次いでチャンバ内に、メタンガス(C
4)、四フッ化炭素ガス(CF4)および水素ガス(H
2)を、それぞれ下記の流量で供給して真空度を0.4
7hPaに調整した。
【0176】メタンガス:100SCCM 四フッ化炭素ガス:100SCCM 水素ガス:100SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.10μm/hrの成膜速度で、炭素−フッ
素(CF)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。 [実施例11、比較例9]単層型感光層の表面に、前記
ケイ素−炭素複合膜に代えて、下記の工程により、非晶
質のホウ素−窒素(BN)複合膜からなる厚み0.5μ
mの表面保護層を成膜したこと以外は実施例3、比較例
2と同様にして、それぞれ実施例11、比較例9の電子
写真感光体を製造した。 〈表面保護層の形成〉単層型感光層が形成されたアルミ
ニウム素管をプラズマCVD装置のチャンバ内にセット
したのち、到達真空度0.67Paまで真空引きすると
ともに、装置のヒータを使用して素管の温度を50℃に
調整した。
【0177】次いでチャンバ内に、ジボランガス(B2
6)、窒素ガス(N2)および水素ガス(H2)を、そ
れぞれ下記の流量で供給して真空度を0.47hPaに
調整した。
【0178】ジボランガス:200SCCM 窒素ガス:150SCCM 水素ガス:150SCCM 次にこの状態で、チャンバ内に、周波数13.56MH
z、出力150Wの高周波電界を印加してグロー放電を
発生させて、プラズマCVD法により、単層型感光層の
表面に、0.08μm/hrの成膜速度で、ホウ素−窒
素(BN)複合膜からなり、前記厚みを有する表面保護
層を成膜した。
【0179】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記と同じ感度特性試験(1)、および耐久性
試験(1)を行って、その特性を評価した。結果を表3
に示す。
【0180】
【表3】
【0181】表より、表面保護層の種類をさらに違えて
も、下地である単層型感光層の構成に基づいて、前記と
同じ結果が得られることが確認された。
【0182】すなわちポリアリールアミンに代えてジエ
チルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを使
用した比較例7および8の感光体は連続2万枚の複写後
に、比較例5、6および9の感光体は連続3万枚複写後
に表面保護層が剥離しているのが確認された。また特に
比較例8の感光体は、連続1万枚の複写後に既に、表面
保護層の全体にクラックが入っているのが確認された。
そしてこのことから、上記化合物では、無機の表面保護
層の物理的な安定性を向上する効果が得られないことが
判った。
【0183】また各比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0184】これに対し、実施例7〜11の感光体はい
ずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラッ
クや剥離などが全く見られなかった。そしてこのことか
ら、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表面
保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも感
光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0185】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。
【0186】なお、感光層が実施例1〜11と同様で表
面保護層のない感光体および、実施例1〜11の感光体
について、耐久性試験(1)と同様にして複写試験を行
ない、画像を評価した。その結果、前者では2万枚〜5
万枚程度で画像濃度が低下して、ベタ黒部のかすれ等が
発生したが、後者では10万枚複写後も画像不良がな
く、表面保護層の形成により感光体の耐久性が向上した
ことが確認された。
【0187】感光層が比較例1〜9と同様で表面保護層
のない感光体について、上記と同様の複写試験を行なっ
たところ、比較例1、3では2万枚程度で、その他につ
いては3〜5万枚程度で画像濃度が低下しベタ黒部のか
すれ等が発生した。これらの結果と、それぞれに対応す
る比較例の耐久試験(1)の結果とを比べると、表面保
護層を形成しても耐久性が変わらないか、低下すること
がわかる。
【0188】これらのことより、有機感光層に表面保護
層を形成すれば,一様に感光体の耐久性が向上するわけ
ではなく、正孔輸送剤の選択を誤ると、むしろ耐久性が
低下してしまうのである。単層型感光層に式(1)、式
(2)または式(3)のポリアリールアミンを有する実
施例1〜11の感光体は、表面保護層の形成によりその
耐久性を大幅に向上させることができた。 [実施例12] 〈積層型感光層の形成〉電荷発生剤としての、前記式
(CG−1)で表されるX型無金属フタロシアニン結晶
2.5重量部と、結着樹脂としてのポリビニルブチラー
ル1重量部とを、テトラヒドロフラン15重量部ととも
にボールミルを用いて混合、分散させて、積層型感光層
のうち電荷発生層用の塗工液を作製した。
【0189】次いでこの塗工液を、導電性基材であるア
ルミニウム素管上に、ディップコート法によって塗布
し、110℃で30分間、熱風乾燥させて、膜厚0.5
μmの電荷発生層を形成した。
【0190】次に、正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂として
の、前記式(1−1)で表されるアリールアミン構造単
位と前記式(5)で表される他の構造単位との共重合体
〔数平均分子量16000、モノマー比率(モル比)式
(1−1):式(5)=6:4〕1重量部と、電子輸送
剤としての、前記式(ET−1)で表される2,6−ジ
メチル−2’,6’−t−ブチルベンゾキノン0.1重
量部と、トルエン10重量部とをボールミルを用いて混
合、分散させて、積層型感光層のうち電荷輸送層用の塗
工液を作製した。
【0191】そしてこの塗工液を、上記電荷発生層上
に、ディップコート法によって塗布し、110℃で30
分間、熱風乾燥させて、膜厚20μmの電荷輸送層を形
成して、負帯電型の積層型感光層を形成した。 〈表面保護層の形成〉上記のようにして形成した積層型
感光層上に、前記実施例1と同条件で、プラズマCVD
法により、非晶質のケイ素−炭素(SiC)複合膜から
なる、厚み0.5μmの表面保護層を成膜して、実施例
12の電子写真感光体を製造した。 [実施例13、14]正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂とし
て、実施例13は前記式(2−2)で表されるアリール
アミン構造単位と前記式(6)で表される他の構造単位
との共重合体〔数平均分子量17000、モノマー比率
(モル比)式(2−2):式(6)=6:4〕1重量部
を、また実施例14は前記式(3−1)で表されるアリ
ールアミン構造単位と前記式(7)で表される他の構造
単位との共重合体〔数平均分子量15500、モノマー
比率(モル比)式(3−1):式(7)=6:4〕1重
量部を、それぞれ使用したこと以外は実施例12と同様
にして、実施例13、14の電子写真感光体を製造し
た。 [比較例10]正孔輸送剤を兼ねる結着樹脂として、前
記式(HT−1)で表される繰り返し単位を有するポリ
ビニルカルバゾール(数平均分子量Mn=9500)1
重量部を使用したこと以外は実施例12と同様にして、
比較例10の電子写真感光体を製造した。 [比較例11]正孔輸送剤として、前記式(HT−3)で
表されるジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒ
ドラゾン0.8重量部を使用するとともに、結着樹脂と
してZ型ポリカーボネート(重量平均分子量Mw=20
000)1重量部を使用したこと以外は実施例12と同
様にして、比較例11の電子写真感光体を製造した。 〈感度特性試験(2)〉上記各実施例、比較例の電子写
真感光体を、ジェンテック社製のドラム感度試験機を用
いて、−800±20Vに帯電させた状態で、表面電位
o(V)を測定した。
【0192】次いで試験機の露光光源であるハロゲンラ
ンプの白色光から、バンドパスフィルタを用いて波長7
80nm、半値幅20nmに単色化した光強度10μW
/cm2の単色光を、上記電子写真感光体の表面に1.
0秒間、照射した際に、上記表面電位Vo(V)が1/
2になるのに要した時間を測定して、半減露光量E1/2
(μJ/cm2)を求めた。また露光開始から0.5
秒、経過した時点での表面電位を、残留電位Vr(V)
として測定した。 〈耐久性試験(2)〉各実施例、比較例の電子写真感光
体を静電式複写機〔京セラミタ(株)製の商品名Vi73
60〕に搭載して連続10万枚の複写を行い、途中1万
枚、2万枚、5万枚の複写後と、10万枚の複写後にそ
れぞれ表面保護層を目視にて観察して、下記の基準で、
電子写真感光体の耐久性を評価した。
【0193】 ○:表面保護層に、クラックや剥離などは全く見られ
ず、感光体の耐久性は良好であった。
【0194】 △:表面保護層は剥離していなかったが、その全面にク
ラックが入っており、感光体の耐久性はやや不良であっ
た。
【0195】 ×:表面保護層が剥離しており、感光体の耐久性は不良
であった。
【0196】以上の結果を表4に示す。
【0197】
【表4】
【0198】表より、単層型感光層を積層型感光層に代
えても、その最表面部である電荷輸送層の構成に基づい
て、前記と同じ結果が得られることが確認された。
【0199】すなわちポリアリールアミンに代えてポリ
ビニルカルバゾールを使用した比較例10の感光体、お
よびジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラ
ゾンとポリカーボネートとを使用した比較例11の感光
体はいずれも、連続2万枚の複写後に、表面保護層が剥
離しているのが確認された。そしてこのことから、これ
らの化合物では、無機の表面保護層の物理的な安定性を
向上する効果が得られないことが判った。
【0200】また両比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0201】これに対し、実施例12〜14の感光体は
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表
面保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも
感光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0202】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例15〜17、比較例12、13]積層型感光層
の表面に、前記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例4
〜6、比較例3、4と同じ工程により、非晶質の炭素
(C)からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜した
こと以外は実施例15〜17、比較例12、13と同様
にして、それぞれの電子写真感光体を製造した。
【0203】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記と同じ感度特性試験(2)、および耐久性
試験(2)を行って、その特性を評価した。結果を表4
に示す。
【0204】
【表5】
【0205】表より、表面保護層の種類を違えても、下
地である積層型感光層のうち電荷輸送層の構成に基づい
て、前記と同じ結果が得られることが確認された。
【0206】すなわちポリゲルマン化合物に代えてポリ
ビニルカルバゾールを使用した比較例12の感光体は連
続3万枚の複写後に、ジエチルアミノベンズアルデヒド
ジフェニルヒドラゾンとポリカーボネートとを使用した
比較例13の感光体は連続2万枚の複写後に、表面保護
層が剥離しているのが確認された。そしてこのことか
ら、これらの化合物では、無機の表面保護層の物理的な
安定性を向上する効果が得られないことが判った。
【0207】また両比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0208】これに対し、実施例15〜17の感光体は
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表
面保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも
感光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0209】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。 [実施例18、比較例14]積層型感光層の表面に、前
記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例7、比較例5と
同じ工程により、非晶質のケイ素−窒素(SiN)複合
膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜したこと
以外は実施例14、、比較例11と同様にして、それぞ
れの電子写真感光体を製造した。 [実施例19、比較例15]積層型感光層の表面に、前
記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例8、比較例6と
同じ工程により、非晶質の炭素−窒素(CN)複合膜か
らなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜したこと以外
は実施例14、比較例11と同様にして、それぞれの電
子写真感光体を製造した。 [実施例20、比較例16]積層型感光層の表面に、前
記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例9、比較例7と
同じ工程により、非晶質の炭素−ホウ素(CB)複合膜
からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜したこと以
外は実施例14、比較例11と同様にして、それぞれの
電子写真感光体を製造した。 [実施例21、比較例17]積層型感光層の表面に、前
記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例10、比較例8
と同じ工程により、非晶質の炭素−フッ素(CF)複合
膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜したこと
以外は実施例14、比較例11と同様にして、それぞれ
の電子写真感光体を製造した。 [実施例22、比較例18]積層型感光層の表面に、前
記ケイ素−炭素複合膜に代えて、実施例11、比較例9
と同じ工程により、非晶質のホウ素−窒素(BN)複合
膜からなる厚み0.5μmの表面保護層を成膜したこと
以外は実施例14、比較例11と同様にして、それぞれ
の電子写真感光体を製造した。
【0210】上記各実施例、比較例の電子写真感光体に
ついて、前記と同じ感度特性試験(2)、および耐久性
試験(2)を行って、その特性を評価した。結果を表6
に示す。
【0211】
【表6】
【0212】表より、表面保護層の種類をさらに違えて
も、下地である積層型感光層のうち電荷輸送層の構成に
基づいて、前記と同じ結果が得られることが確認され
た。
【0213】すなわちポリアリールアミンに代えてジエ
チルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾンを使
用した比較例14および16〜18の感光体は連続2万
枚の複写後に、比較例15の感光体は連続3万枚の複写
後に、表面保護層が剥離しているのが確認された。また
特に比較例17の感光体は、連続1万枚の複写後に既
に、表面保護層の全体にクラックが入っているのが確認
された。そしてこのことから、上記化合物では、無機の
表面保護層の物理的な安定性を向上する効果が得られな
いことが判った。
【0214】また各比較例の感光体はいずれも、露光後
の残留電位が高く、かつ半減露光量が大きいことから、
表面保護層を形成した際に大きく感度低下することも判
明した。
【0215】これに対し、実施例18〜22の感光体は
いずれも、連続10万枚の複写後も、表面保護層にクラ
ックや剥離などが全く見られなかった。そしてこのこと
から、ポリアリールアミンを使用することで、無機の表
面保護層の物理的な安定性を改善して、これまでよりも
感光体の耐久性を向上できることが確認された。
【0216】また上記各実施例の感光体はいずれも、露
光後の残留電位が低く、かつ半減露光量が小さいことか
ら、表面保護層を形成した際に大きく感度低下せず、良
好な感度を有することも確認された。
【0217】なお、感光層が実施例12〜22と同様で
表面保護層のない感光体および、実施例12〜22の感
光体について、耐久性試験(2)と同様にして複写試験
を行ない、画像を評価した。その結果、前者では2万枚
〜5万枚程度で画像濃度が低下して、ベタ黒部のかすれ
等が発生したが、後者では10万枚複写後も画像不良が
なく、表面保護層の形成により感光体の耐久性が向上し
たことが確認された。
【0218】感光層が比較例10〜18と同様で表面保
護層のない感光体について、上記と同様の複写試験を行
なったところ、比較例1、3では2万枚程度で、その他
については3〜5万枚程度で画像濃度が低下しベタ黒部
のかすれ等が発生した。これらの結果と、それぞれに対
応する比較例の耐久試験(2)の結果とを比べると、表
面保護層を形成しても耐久性が変わらないか、低下する
ことがわかる。
【0219】これらのことより、有機感光層に表面保護
層を形成すれば,一様に感光体の耐久性が向上するわけ
ではなく、正孔輸送剤の選択を誤ると、むしろ耐久性が
低下してしまうのである。積層型感光層に式(1)、式
(2)または式(3)のポリアリールアミンを有する実
施例12〜22の感光体は、単層型感光層の場合と同様
に表面保護層の形成によりその耐久性を大幅に向上させ
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/147 501 G03G 5/147 501 (72)発明者 福永 秀明 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京セラ株式会社滋賀工場八日市ブロック 内 Fターム(参考) 2H068 AA02 AA13 AA20 BA12 BB25 BB49 CA03 CA05 EA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に有機感光層と、無機の表面
    保護層をこの順に積層した電子写真感光体であって、上
    記有機感光層の、少なくとも表面保護層に接する最表面
    部にカーボネート結合により重合されたアリールアミン
    構造の繰り返し単位を有する重合体を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】前記アリールアミン構造の繰り返し単位
    が、式(1): 【化1】 〔式中、R1〜R3は、同一または異なって水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリール
    基を示す。aおよびcは同一または異なって1〜4の整
    数を示し、bは1〜5の整数を示す。〕、式(2): 【化2】 〔式中、R4〜R8は、同一または異なって水素原子、ハ
    ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリール
    基を示す。d、fおよびgは同一または異なって1〜4
    の整数を示し、eおよびhは1〜5の整数を示す。〕、
    式(3): 【化3】 〔式中、R9〜R14は、同一または異なって水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアリー
    ル基を示す。j、k、mおよびpは同一または異なって
    1〜4の整数を示し、iおよびnは1〜5の整数を示
    す。〕で表される少なくとも1種を有することを特徴と
    する、請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】表面保護層が、気相成長法によって成膜さ
    れた層であることを特徴とする請求項1記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】表面保護層が、金属元素および炭素からな
    る群より選ばれた少なくとも1種の元素、またはこれら
    の元素を含む無機の化合物からなることを特徴とする請
    求項1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】有機感光層が、結着樹脂中に、電荷発生剤
    と、正孔輸送剤としての式(1)、式(2)または式
    (3)で表される構造単位の少なくとも1種を有する重
    合体とを含有する単層型感光層であることを特徴とする
    請求項2記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】有機感光層が、電荷発生剤を含有する電荷
    発生層と、結着樹脂中に、正孔輸送剤としての式
    (1)、式(2)または式(3)で表される構造単位の
    少なくとも1種を有する重合体を含有する電荷輸送層と
    をこの順に積層した積層型感光層であることを特徴とす
    る請求項2記載の電子写真感光体。
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